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第6 不活性ガス消火設備
第6 不活性ガス消火設備 第6 不活性ガス消火設備 1 設置を要する防火対象物(令第 13 条、条例第 44 条) 第6-1表 設置基準 防火対象物又はその部分 道路の用に供 さ れ る 部分 床面積 屋 上 部 分 600 ㎡以上 それ以外の部分 400 ㎡以上 地階、2階以上の階 200 ㎡以上 床面積 自動車の修理 注1 1階 500 ㎡以上 又は整備及び 注2 駐車の用に供 屋上(駐車の用に供される部分に限る。 ) 300 ㎡以上 さ れ る 部分 機械式駐車装置 収容台数 10 台以上 令第 13 条 発電機・変圧 器その他これ らに類する電 気設備が設置 床面積 されている部 分 注3 200 ㎡以上 鍛造場・ボイ ラー室・乾燥 床面積 室 200 ㎡以上 その他多量の 床面積 200 ㎡以上、かつ、最大消費熱量の合計 350kW以上の火気を使 火気を使用す 用する場所 る部分 通信機器室 床面積 500 ㎡以上 危政令別表第4で定める数量の 1000 倍以上貯蔵し、又は取扱うもの 指定可燃物 駐 車 の 用に 供される部分 条例第 44 条 綿花類、木毛、かんなくず、ぼろ、紙くず(動植物油がしみ込んでいる 布、紙、これらの製品を除く。 ) 、糸類、わら類、再生資源燃料、合成樹 脂類(不燃性又は難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム、ゴム くずに限る。 ) 、可燃性固体類、可燃性液体類、合成樹脂類(不燃性又は 難燃性でないゴム製品、ゴム半製品、原料ゴム、ゴムくずを除く。 ) 、木 材加工品及び木くず 床面積の合計 700 ㎡以上 (駐車する全ての車両が同時に屋外に出ること ができる構造のものを除く。 ) 注2 吹抜け部分を共有する2以上の階で駐車の用に供される部分の床面積 の合計 200 ㎡以上 油入機器を使用する特別高圧変電設備のある場所 油入機器を使用する全出力 1000kW以上の高圧又は低圧の変電設備の 変電設備及び ある場所 発電設備 全出力 1000kW以上の発電設備のある場所 上記以外の無人の変電設備又は発電設備のある場所 注4、注5、注6 冷凍室 冷蔵室 床面積の合計 500 ㎡以上 注1 屋上部分を含み、駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造の階を除く。 注2 駐車するすべての車両が同時に屋外に出ることができる構造とは、自動車が横一列に並んで収容 されている車庫で、それぞれの車両が同時に屋外に出ることができるものをいうが、二列に並んで 267 第4章 消防用設備等の技術基準 収容されるものも含めて差し支えない。 注3 その他これらに類する電気設備には、リアクトル、電圧調整器、油入開閉器、油入コンデンサー、 油入遮断器、計器用変成器等が該当するものであること。 ただし、次のいずれかに該当するものは、これに含まれないものとする。 (1)配電盤又は分電盤 (2)電気設備のうち、冷却又は絶縁のための油類を使用せず、かつ、水素ガス等可燃性ガスを発 生するおそれのないもの(絶縁油にシリコン油を使用するものは、認められない。 ) (3)電気設備のうち、容量が 20KVA未満(同一の場所に2以上の電気設備が設置されている場 所は、それぞれの電気設備の容量の合計をいう。 )のもの 注4 無人の変電設備又は発電設備とは、同一敷地内に関係者が常時駐在していないものをいい、夜間、 休日等で断続的に無人となるものを除く。 なお、次のいずれかに該当するものは無人として扱わない。 (1)付近の別敷地内に関係者が常駐しており、有効な巡回が行われている設備 (2)当該設備の状況を監視することができる制御室において、遮断器の操作及び保護継電器等の 操作状況の監視並びに火災が発生した場合、制御室から関係場所に速やかに通報、連絡ができ、 初期消火体制がとられるもの 注5 無人の変電設備又は発電設備で全出力 100kW未満のものは、不活性ガス消火設備を設置しないこ とができる。 注6 無人の変電設備のある場所に設ける不活性ガス消火設備は、移動式以外のものとし、かつ、自動式 起動装置を設けること。なお、無人の発電設備のある場所に設ける不活性ガス消火設備についても、 同様の指導をすること。 2 不活性ガス消火設備の設置禁止場所 H9.8.19 次に掲げる場所には、全域放出方式又は局所放出方式の不活性ガス消火設備を原則 として設置しないこと。なお、当該部分にやむを得ず設置する場合には、不活性ガス の危険性を考慮した極めて高い安全対策を施す必要があること。 (1)常時人がいない部分以外の場所 ア 当該部分の用途、利用状況等から判断して、部外者、不特定の者等の出入りす るおそれのある部分 イ 当該部分の用途、利用状況等から判断して、関係者、部内者などの常時人のい る可能性のある部分 ウ 防災センター、中央管理室など総合操作盤、中央監視盤等を設置し、監視、制 御等を行う部分 (2)道路の用に供する部分 3 移動式が認められる条件 第5泡消火設備2を準用すること。 268 消防予第 133 号 消防危第 85 号 第6 不活性ガス消火設備 4 設置場所に応じた放出方式・消火剤の種類 H13.3.30 消防予第 102 号 設置場所に応じた放出方式及び消火剤の種類は第6-2表によること。 第6-2表 放出方式 消火剤 防火対象物又はその部分 全 域 局 所 移 動 二酸化炭素 イナートガス 二酸化炭素 二酸化炭素 × × × 〇 × × × × × × 〇 × 防護区画の面積が1000 ㎡以上又は体積 が 3000m3 以上のもの 〇 × 自動車の修理又は整備の用に 供される部分 〇 〇 〇 〇 駐車の用に供される部分 〇 〇 × × 多量の火気を使用する部分 ガスタービン発電 発 電 機 機が設置 室等 その他のもの 〇 × 〇 〇 〇 × 〇 〇 〇 〇 〇 〇 通信機器室 〇 〇 × × 〇 × × × 〇 × 〇 〇 常時人がいない部分以外の部分 道路の用に 屋上部分 供する部分 その他の部分 そ の 他 の も の 常 時 人 が い な い 部 分 指定可燃 物を貯蔵 し、取り 扱う部分 綿花類、木毛若し くはかんなくず、 ぼろ若しくは紙く ず(動植物油がし み込んでいる布、 紙、これらの製品 を除く。 ) 、糸類、 わら類、再生資源 燃料又は合成樹脂 類(不燃性又は難 燃性でないゴム製 品、ゴム半製品、 原料ゴム、ゴムく ずに限る。 )に係る もの 木材加工品及び木 くずに係るもの 可燃性固体類、可 燃性液体類又は合 成樹脂類(不燃性 又は難燃性でない ゴム製品、ゴム半 製品、原料ゴム及 びゴムくずを除 く。 )に係るもの 注1 〇印は設置できることを、×印は設置できないことを示す。 注2 イナートガスとは窒素(IG-100) 、IG-55、IG-541 をいう。 5 固定式(全域放出方式、局所放出方式) (1)貯蔵容器 ア 設置場所 (ア)防護区画以外の場所とすること。 269 第4章 消防用設備等の技術基準 (イ)温度 40℃以下で温度変化が少ない場所とすること。 (ウ)直射日光及び雨水のかかるおそれの少ない場所とすること。 (エ)防護区画を通ることなく出入りすることができる場所とすること。 (オ)不燃材料で造った壁、柱、床又は天井(天井のない場合にあっては屋根)で 川崎市運用基準 (エ)から(ク)まで 区画し、開口部には防火戸(建基法第2条第9号の2ロに規定する防火設備で あるものに限る。以下同じ。 )を設けた室とすること。 (カ)振動、衝撃、腐食等をうけるおそれの少ない場所とすること。 (キ)搬入、点検又は補修に必要な空間、換気及び照明を確保すること。 (ク)貯蔵容器の設置場所出入口に不活性ガス消火剤の貯蔵容器置場である旨及び 「立入禁止」と表示するほか、当該場所には、消火設備の概要表示をすること。 (第6-1図参照) 1 2 3 4 5 6 7 8 9 消火設備の概要 防護場所 防護容積 ヘッドの種別及び数量 放出方式及び放射時間 消火薬剤の種別・数量 加圧ガスの種別・数量 その他必要な事項 設置年月 施工者名 (注)防護区画が2以上の場合は、防護場所、 防護容積等に、それぞれの防護区画が分か るよう区分表示すること。 (大きさ、材質等は問わない。 ) 第6―1図 イ 貯蔵容器への充てん (ア)二酸化炭素 貯蔵容器の充てん比(容器の内容積の数値と消火剤の重量の数値との比をい う。 )は、高圧式(二酸化炭素が常温で容器に貯蔵されているものをいう。 )の ものにあっては 1.5 以上 1.9 以下、低圧式(二酸化炭素が零下 18℃以下の温度 で容器に貯蔵されているものをいう。 )のものにあっては 1.1 以上 1.4 以下であ ること。 (イ)窒素、IG-55、IG-541 貯蔵容器の充てん圧力が温度 35℃において 30.0MPa 以下であること。 ウ 構造等 (ア)貯蔵容器には、認定品の安全装置(容器弁に設けられたものを含む。 )を設け S51.8.26 消防庁告示第9号 ること。 (容器弁、安全装置、破壊板の基準) (イ)二酸化炭素を常温で貯蔵する容器、窒素、IG-55、IG-541 を貯蔵する容 器には、認定品の容器弁を設けること。 (ウ)二酸化炭素を零下 18℃以下の温度で貯蔵する容器は次によること。 a 液面計及び圧力計を設けること。 270 第6 不活性ガス消火設備 b 2.3MPa以上の圧力及び 1.9MPa 以下の圧力で作動する圧力警報装置を 設けること。 c 容器内部の温度を零下 20℃以上零下 18℃以下に保持することができる自動 冷凍機を設けること。 d 認定品の破壊板を設けること。 H7.1.12 e 認定品の放出弁を設けること。 消防庁告示第1号 カ 表示 (放出弁の基準) 貯蔵容器の見やすい箇所に、充てん消火剤量、消火剤の種類、製造年及び製造 者名を表示すること。ただし、二酸化炭素を貯蔵する貯蔵容器にあっては、消火 剤の種類を表示することを要しない。 (2)起動用ガス容器 ア 起動用ガス容器は、24.5MPa 以上の圧力に耐えるものであること。 イ 起動用ガス容器の内容積は1L以上とし、当該容器に貯蔵する二酸化炭素の量 は、0.6 ㎏以上で、かつ、充てん比は、1.5 以上であること。 ウ 認定品の安全装置及び容器弁を設けること。 (3)貯蔵容器に貯蔵する消火剤の量 ア 全域放出方式 (ア)二酸化炭素 a 通信機器室又は指定可燃物(可燃性固体類及び可燃性液体類を除く。 )を貯 蔵し、若しくは取扱う防火対象物又はその部分は第6-3表の区分に応じ計 算した量以上の量とすること。 第6-3表 防火対象物又はその部分 防護区画の体積1m3当り の消火剤の量(㎏) 通信機器室 1.2 綿花類、 木毛若しくはかんなくず、 ぼろ若しくは紙くず(動植物油が しみ込んでいる布又は紙及びこれ らの製品を除く。 ) 、糸類、わら類、 再生資源燃料又は合成樹脂類(不 燃性又は難燃性でないゴム製品、 ゴム半製品、原料ゴム及びゴムく ずに限る。 ) (以下「綿花類等」と いう。 )に係るもの 指定可燃物(可燃 性固体類及び可燃 性液体類を除く。 ) を貯蔵し、又は取 扱う防火対象物又 木材加工品及び木くずに係るもの はその部分 合成樹脂類(不燃性又は難燃性で ないゴム製品、ゴム半製品、原料 ゴム及びゴムくずを除く。 ) に係る もの 271 2.7 2.0 0.75 第4章 消防用設備等の技術基準 b aに掲げる防火対象物又はその部分以外のものは第6-4表の区分に応じ 計算した量以上の量とすること。ただし、その量が右欄に掲げる消火剤の総 量の最低限度量未満の量となる場合は、当該消火剤の総量の最低限度量とす ること。 第6-4表 防護区画の体積1m3当 りの消火剤の量(㎏) 消火剤の総量の 最低限度(㎏) 50m3未満 1.00 ― 50m3以上 150m3未満 0.90 50 150m3以上 1500m3未満 0.80 135 1500m3以上 0.75 1200 防護区画の体積 c 防護区画の開口部に自動閉鎖装置を設けない場合にあっては、a又はbに より算出された量に、第6-5表の区分に応じ計算した量を加算した量以上 とすること。 第6-5表 開口部の面積1㎡当りの消 火剤の量(㎏) 防火対象物又はその部分 10 通信機器室 指定可燃物(可 燃性固体類及び 前aに掲げ 可燃性液体類を る防火対象 除く。)を貯蔵 物又はその し、又は取扱う 部分 防火対象物又は その部分 綿花類等に係るもの 木材加工品及び木く ずに係るもの 合成樹脂類(不燃性 又は難燃性でないゴ ム製品、ゴム半製品、 原料ゴム及びゴムく ずを除く。 )に係るも の 20 15 5 5 前bに掲げる防火対象物又はその部分 (イ)窒素、IG-55、IG-541 第6-6表の区分に応じ計算した量とすること。 第6-6表 消火剤の種別 防護区画の体積1m3当りの消火剤の量 (m (温度 20℃で1気圧の状態に換算した体積) ) 3 窒素 0.516 以上 0.740 以下 IG-55 0.477 以上 0.562 以下 IG-541 0.472 以上 0.562 以下 272 第6 不活性ガス消火設備 【全域放出方式の二酸化炭素薬剤量の計算例】 (開口部に自動閉鎖装置がない場合) 開口部 1m 3m 6m 12m 体積は 12m×20m×3m=720m3 ① 720m3×0.8 ㎏=576 ㎏ 開口部は 6m×1m=6㎡ 6㎡×5㎏=30 ㎏ ② ①+②=576 ㎏+30 ㎏=606 ㎏ 20m ボンベ1本 45 ㎏とすると 606 ㎏ =13.47 45 ㎏ ボンベ 14 本必要となる。 イ 局所放出方式(二酸化炭素を放射するものに限る。 ) 次により算出された量以上の量とすること。 (ア)可燃性固体類又は可燃性液体類を上面を開放した容器に貯蔵する場合、その 他火災のときの燃焼面が一面に限定され、かつ、可燃物が飛散するおそれがな い場合 必要消火剤量(㎏)={防護対象物の表面積(㎡)×13(㎏/㎡)} ×1.4(高圧式)又は 1.1(低圧式) なお、表面積の計算において、防護対象物の一辺の長さが 0.6m以下の場合は、 一辺の長さを 0.6mとして計算する。 (イ) (ア)に掲げる場合以外の場合 a ) A ×1.4(高圧式)又は 1.1(低圧式) 必要消火剤量(㎏)=防護空間の体積(m3)×(8-6× 防護空間:防護対象物のすべての部分から 0.6m離れた部分によって囲まれた空 間の部分 a:防護対象物の周囲に実際に設けられた壁の面積の合計(単位 ㎡) A:防護空間の壁の面積(壁のない部分にあっては、壁があると仮定した 場合における当該部分の面積)の合計(単位 ㎡) 273 第4章 消防用設備等の技術基準 【局所放出方式(高圧式)の薬剤量の計算例】 ①(前(イ)の場合で防護対象物の周囲に壁が全くない場合) 0.6m 1.5m 0.6m 防護空間の体積は (0. 6m+1.5m+0.6m)×(0.6m+1.0m+0.6m)× (0.9m+0.6m)=8.91m3 0.6m 1.0m aは壁がないため 0 となり 8.91m3×(8-0)×1.4=99.792 ㎏ 0.6m 平面図 0.6m 1.5m 0.6m 0.6m ボンベ1本 45 ㎏とすると 99.792 ㎏ 45 ㎏ =2.2176 ボンベ3本必要となる。 0.9m 立面図 ②(前(イ)の場合で防護対象物の周囲 0.6m以内に壁がある場合) 0.5m 1.5m 0.6m 0.6m 1.0m 0.6m 平面図 0.5m 1.5m 0.6m 防護空間の体積 (0.5m+1.5m+0.6m)×(0.6m+1.0m+0.6m)× (0.9m+0.6m)=8.58m3 aは {(0.5m+1.5m+0.6m)+(0.6m+1.0m+0.6m)}× (0.9m+0.6m)=7.2 ㎡ Aは {(0.5m+1.5m+0.6m)+(0.6m+1.0m+0.6m)}× 2×(0.9m+0.6m)=14.4 ㎡ したがって 7.2 ㎡ 8.58m3×(8-6× 14.4 ㎡)×1.4=60.06 ㎏ ボンベ1本 45 ㎏とすると 60.06 ㎏ =1.33 45 ㎏ ボンベ2本必要となる。 0.6m 0.9m 立面図 ウ 全域放出方式又は局所放出方式が同一の防火対象物又はその部分に防護区画又 は防護対象物が2以上存する場合には、それぞれの防護区画又は防護対象物につ いて、前ア及び前イにより計算した量のうち最大の量以上の量とすること。 274 第6 不活性ガス消火設備 (4)防護区画の構造等 ア 全域放出方式の防護区画は、不燃材料で造った壁、柱、床又は天井(天井のな い場合にあっては、はり又は屋根)により区画され、かつ、開口部に自動閉鎖装 置(防火戸又は不燃材料で造った戸で消火剤が放射される直前に開口部を自動的 に閉鎖する装置をいう。以下同じ。 )が設けられていること。ただし、当該部分か ら外部に漏れる量以上の量の消火剤を有効に追加して放出することができる設備 又は機械室等の機器搬入口、常時使用しない扉・窓であるときは、当該開口部の 自動閉鎖装置を設けないことができる。 イ 防護区画の開口部 (ア)二酸化炭素を放射するもの a 階段室、非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所に面 して設けてはならないこと。 b 床面からの高さが階高の3分の2以下の位置にある開口部で、放射した消 火剤の流失により消火効果を減ずるおそれのあるもの又は保安上の危険があ るものには、消火剤放射前に閉鎖できる自動閉鎖装置を設けること。 c 自動閉鎖装置を設けない開口部の面積の合計の数値は、第6-7表による こと。 第6-7表 防火対象物又はその部分 開口部の面積の合計値の制限 通信機器室、指定可燃物(可燃性固 囲壁面積(防護区画の壁、床及び天井又 )の数値の 体類及び可燃性液体類を除く。 ) を貯 は屋根の面積の合計をいう。 蔵し、又は取扱う防火対象物又はそ 1%以下 の部分 上記以外の防火対象物又はその部分 防護区画の体積の数値又は囲壁面積のい ずれか小さい方の数値の 10%以下 d タワー方式の機械式駐車場等の高さのある防護区画に設けるすべての開口 部には、消火剤放出前に閉鎖できる自動閉鎖装置が設けられていること。 (開 口部に対する消火剤の付加は行えないものであること。 ) (イ)窒素、IG-55、IG-541 を放射するもの 防護区画のすべての開口部に消火剤放射前に閉鎖できる自動閉鎖装置を設け ること。 ウ 防護区画の換気装置は、消火剤放射前に停止できる構造とすること。 エ 防護区画は、2以上の居室等にまたがらないこと。ただし、通信機器室、電子 計算室の附室等で、次のすべてに該当する場合は、同一の防護区画として取扱う ことができる。 (ア)他の消火設備の設置又は有効範囲内の部分とすることが構造上困難と認めら れること。 275 川崎市運用基準 エからシまで 第4章 消防用設備等の技術基準 (イ)廊下、休憩室等の用に供されないこと。 (ウ)主たる部分と同一防護区画とすることに構造上、機能上妥当性があること。 オ 防護区画に設ける出入口の扉は、防護区画内から外側に開放されるとともに、 ガス放出による室内圧の上昇により容易に開放しない自動閉鎖装置付きのものと すること。 カ 防護区画の自動閉鎖装置にガス圧を用いるものにあっては、起動用ガス容器の ガスを用いないこと。 キ 開口部にガラスを用いる場合にあっては、網入ガラスとし、許容区画内圧力以 上の強度を有するもの又はこれらと同等以上の強度、耐熱性を有するものとする こと。 ク ダクト等の開口部はダンパー等を設け、不活性ガス消火設備の起動と連動して 閉鎖すること。ただし、消火効果を減ずるおそれのないもの又は保安上危険がな いものにあっては、この限りでない。 ケ ダンパー等を復旧するための操作部は、防護区画外で容易に接近できる場所又 は防災センター等に設けること。 コ 気体燃料又は液体燃料を使用する機器は、起動装置と連動して燃料を自動的に 遮断する機構を設けること。 サ 防火シャッター等を電気により閉鎖させるものにあっては、非常電源を附置す ること。 シ 防護区画内の見やすい位置には第6-2図の例により、放出表示灯を設けなけ ればならない出入口の見やすい位置には第6-3図の例により、保安上の注意事 項を表示した注意銘板を設置すること。 (防護区画内の見やすい位置) 注 意 ここには 不活性ガス消火設備を設けています。 270mm 消火ガスを放出する前に退避指令の放送 以上 を行います。 放送の指示に従い室外へ退避して下さい。 材 質:木板、金属又は難燃合成 樹脂板 地 色:黄色 文字色:黒 480mm 以上 第6―2図 (出入口の見やすい位置) 材 質:木板、金属又は難燃合成 樹脂板 地 色:淡いグレー 文字色:緑 注 意 この室は 不活性ガス消火設備が設置されています。 消火ガスが放出された場合は、入室しない 200mm 以上 で下さい。室に入る場合は、消火ガスが滞 留していないことを確認して下さい。 300mm 以上 第6―3図 276 H9.8.19 消防予第 133 号 消防危第 85 号 第6 不活性ガス消火設備 ス 窒素、IG-55、IG-541 を放射する不活性ガス消火設備を設置した防護区画 にあっては、防護区画内の圧力上昇を防止するための避圧口を設けること。 なお、避圧口の開口面積は、次式により求めること。 A=134×Q/√P-ΔP A:避圧口の開口面積(c㎡) Q:噴射ヘッドからの最大流量(m3/min) P:許容区画内圧力(Pa) ΔP:避圧用ダクト圧力損失(Pa) セ 避圧口に接続されるダクトは、避圧口以上の大きさを有するものとし、避圧に 影響を及ぼす曲折部等を設けないこと。ただし、避圧の影響を考慮した避圧口を 設置する場合は、曲折部等を設けることができる。 ソ 避圧口からの排出先は、 (13)イに定める場所とすること。 タ 無人となる場所又は電気室、機械室等特定少数の者が出入りする場所以外の場 所に設ける防護区画は、前アからソによるほか、次によること。 (ア)防護区画に設ける避難口は2箇所以上とし、かつ、二方向避難が確保できる H8.9.20 消防予第 193 号 消防危第 117 号 川崎市運用基準 ように設置し、当該防護区画の各部分から一の避難口までの歩行距離が 30m以 下となるようにすること。 (イ)防護区画には、避難方向を示す誘導灯及び出入口の位置を示す誘導灯を設け ること。ただし、非常照明が設置されているなど十分な照明が確保される場合 にあっては、標識によることができるものであること。 (ウ)地階の防護区画の床面積は 400 ㎡以下とすること。ただし、防火対象物の地 階の階数が1である場合で、防護区画に接して次の条件のすべてを満たしてい るドライエリア等がある場合にあっては、この限りでない。 a 当該防護区画の外周の2面以上及び周長の1/2以上が接していること。 b ドライエリア等には、前(ア)の避難口が設けられていること。 c ドライエリア等には、避難口から地上に通じる幅員1m以上の通路、斜路 又は階段等の施設が設けられていること。 (5)防護区画に隣接する部分の保安措置 H9.8.19 不活性ガス消火設備(二酸化炭素を放射するものに限る。 )を設置した防護区画 消防予第 133 号 と当該防護区画に隣接する部分に開口部が存する場合にあっては、防護区画に隣接 川崎市運用基準 する部分は次によること。ただし、防護区画において放出された消火剤が開口部か ら防護区画に隣接する部分に流入するおそれがない場合又は保安上の危険性がない 場合(隣接するする部分が直接外気に開放されている場合若しくは外部の気流が流 通する場合、隣接する部分の体積が防護区画の体積の3倍以上である場合又は漏洩 した消火剤が滞留し人命に危険を及ぼすおそれがない場合)にあっては、この限り 277 消防危第 85 号 第4章 消防用設備等の技術基準 でない。 ア 消火剤を安全な場所に排出するめの措置を(13)の例により講じること。 イ 防護区画に隣接する部分の出入口等(防護区画と防護区画に隣接する部分を区 画する壁等に存する出入口等を除く。 )の見やすい箇所に防護区画内で消火剤が放 出された旨を表示する表示灯(以下「放出表示灯」という。 )を(14)ア(ウ)の 例により設けること。 (第6-4図参照) 第6-4図 ウ 放出表示灯を設ける出入口の見やすい箇所に、保安上の注意事項を表示した注 意銘板を第6-5図の例により設置すること。 注 意 この室は 隣室に設置された二酸化炭素消火設備の消 火ガスが充満するおそれがあります。消火 ガスが放出された場合は、入室しないで下 さい。 室に入る場合は、消火ガスが滞留していな いことを確認して下さい。 200mm 以上 材 質:木板、金属又は難燃合成 樹脂板 地 色:淡いグレー 文字色:緑 300mm 以上 第6―5図 エ 次の場所には、消火剤が防護区画内に放射される旨を有効に報知することがで きる音響警報装置を(12)の例により設けること。 (ア)防護区画に隣接する部分 (イ)防護区画及び防護区画に隣接する部分以外で、防護区画に隣接する部分を経 由しなければ避難できない室 なお、この場合イにより放出表示灯が必要となるものにあっても、放出表示 灯を設けないことができる。 オ 防護区画に隣接する部分には、防護区画から漏洩した二酸化炭素が滞留するお それのある地下室、ピット等の窪地が設けられていないこと。 (6)噴射ヘッド ア 全域放出方式 278 川崎市運用基準 第6 不活性ガス消火設備 (ア)防護区画の容積及び当該部分にある防護対象物の性質に応じ、標準放射量で 当該防護対象物の火災を有効に消火することができるように必要な個数を適当 な位置に設けること。 (イ)放射された消火剤が防護区画の全域に均一に、かつ、速やかに拡散すること ができるように設けること。 (ウ)噴射ヘッドの放射圧力は、次によること。 a 二酸化炭素を放射するもののうち、高圧式のものにあっては、1.4MPa 以 上、低圧式のものにあっては 0.9MPa 以上とすること。 b 窒素、IG-55、IG-541 を放射するものにあっては、1.9MPa 以上とす ること。 (エ)消火剤の放射時間は、次によること。 a 二酸化炭素を放射するもの 前(3)ア(ア)により計算された消火剤の量を、第6-8表に掲げる防 火対象物又はその部分の区分に応じ右欄に掲げる時間内に放射できること。 第6-8表 防火対象物又はその部分 時間(min) 通信機器室 3.5 指定可燃物(可燃性固体類及び可燃 性液体類を除く。 )を貯蔵し又は取扱 7 う防火対象物又はその部分 その他の防火対象物又はその部分 1 b 窒素、IG-55、IG-541 を放射するもの 前(3)ア(イ)により計算された消火剤の量の 10 分の9の量以上の量を、 1分以内に放射できること。 (オ)噴射ヘッドは認定品とすること。 H7.6.6 消防庁告示第7号 イ 局所放出方式 前ア(ウ)及び(オ)によるほか、次によること。 (ア)防護対象物のすべての表面がいずれかの噴霧ヘッドの有効射程内にあるよう に設けること。 (イ)消火剤の放射によって可燃物が飛び散らない箇所に設けること。 (ウ)前(3)イにより計算された消火剤の量を 30 秒以内に放射できること。 (7)選択弁 ア 一の防火対象物又はその部分に防護区画又は防護対象物が二以上存する場合に おいて貯蔵容器を共用するときは、防護区画又は防護対象物ごとに選択弁を設け ること。 イ 選択弁は、防護区画以外で、貯蔵容器の直近又は火災の際、容易に接近するこ 279 第4章 消防用設備等の技術基準 とができ、かつ、人がみだりに出入りしない場所に設けること。 ウ 選択弁には選択弁である旨及びいずれの防護区画又は防護対象物の選択弁であ るかを表示すること。 H7.1.12 エ 選択弁は認定品とすること。 オ 貯蔵容器から噴射ヘッドまでの間に選択弁又は開閉弁(以下「選択弁等」とい 消防庁告示第2号 う。 )を設けるものには、貯蔵容器と選択弁等の間に、認定品の安全装置又は破壊 板を設けること。 (8)容器弁開放装置 川崎市運用基準 ア 容器弁の開放装置は、手動でも開放できる構造であること。 イ 電磁開放装置を用いて直接容器弁を開放するもので、同時に開放する貯蔵容器 の数が7以上のものにあっては、当該貯蔵容器に2以上の電磁開放装置を設ける こと。 (9)配管等 ア 配管は、専用とすること。 イ 二酸化炭素を放射する配管は、次によること。 (ア)鋼管を用いるもの JIS G 3454 の STPG370(圧力配管用炭素鋼鋼管)のうち高圧式のものにあっ ては、呼び厚さでスケジュール 80 以上のもの、低圧式のものにあっては、呼び 厚さでスケジュール 40 以上のもの又はこれらと同等以上の強度を有するもの で、亜鉛メッキ等による防食処理を施したものを用いること。 (イ)銅管を用いるもの JIS H 3300 のタフピッチ銅に適合するもの又はこれらと同等以上の強度を有 するもので、高圧式のものにあっては 16.5MPa 以上、低圧式のものにあって は 3.75MPa 以上の圧力に耐えるものを用いること。 ウ 窒素、IG-55、IG-541 を放射する配管は、次によること。ただし、圧力調 整装置の二次側配管にあっては、温度 40℃における最高調整圧力に耐える強度を 有する鋼管(亜鉛メッキ等による防食処理を施したものに限る。 )又は銅管を用い ることができる。 (ア)鋼管を用いるもの JIS G 3454 の STPG370(圧力配管用炭素鋼鋼管)のうち、呼び厚さでスケジ ュール 80 以上のもの又はこれらと同等以上の強度を有するもので、亜鉛メッ キ等による防食処理を施したものを用いること。 (イ)銅管を用いるもの JIS H 3300 のタフピッチ銅に適合するもの又はこれらと同等以上の強度を有 するもので、16.5MPa 以上の圧力に耐えるものを用いること。 (ウ) (ア)及び(イ)の規定にかかわらず、配管に選択弁等を設ける場合にあって 280 第6 不活性ガス消火設備 は、貯蔵容器から選択弁等までの部分には温度 40℃における内部圧力に耐える 強度を有する鋼管(亜鉛メッキ等による防食処理を施したものに限る。 )又は銅 管を用いること。 エ 管継手 (ア)二酸化炭素を放射するもので、高圧式のものにあっては 16.5MPa 以上、低 圧式のものにあっては 3.75MPa 以上の圧力に耐えるもので、適切な防食処理 を施したものを用いること。 (イ)窒素、IG-55、IG-541 を放射するものにあっては、前ウの例によること。 オ 落差(配管の最も低い位置にある部分から最も高い位置にある部分までの垂直 距離をいう。 )は、50m以下とすること。 (10)制御盤等 川崎市運用基準 ア 全域放出方式のものにあっては、制御盤及び火災表示盤を次により設けること。 ただし、自動火災報知設備の受信機と一体となった、火災表示盤の機能を有する 総合盤等を設置した場合は、火災表示盤を設けないことができる。 (ア)制御盤 H13.6.29 消防庁告示第 38 号 制御盤は、認定品とすること。 (イ)火災表示盤 制御盤からの信号を受信し、次の表示等を行うものであること。 a 各防護区画ごとの音響警報装置の起動又は感知器(消火設備の感知器及び 自動起動に用いる自動火災報知設備の感知器)の作動を明示する表示灯(当 該表示灯は兼用することができる。 ) b 前aの表示灯が点灯した時には、ベル、ブザー等の警報器により警報音が 鳴動すること。 c 手動起動装置の放出用スイッチの作動を明示する表示灯 d 消火剤が放出された旨を示す表示灯 e 自動手動切換え方式の場合は、自動又は手動の切換え状態を明示する表示 灯 イ 制御盤等の設置場所 (ア)火災による影響、振動、衝撃又は腐食のおそれのない場所で、かつ、点検に 便利な位置に設けること。 (イ)制御盤は、貯蔵容器の設置場所又はその直近の防護区画を通ることなく出入 りできる部分に設けること。 (ウ)火災表示盤は、防災センター等に設けること。 ウ 制御盤及び火災表示盤には、当該設備の完成図及び取扱い説明書等を備えてお くこと。 281 第4章 消防用設備等の技術基準 (11)起動装置 ア 起動方式 (ア)二酸化炭素を放射するもの 手動式とすること。ただし、次のいずれかに該当する場合にあっては、自動 式とすることができる。 a 常時人のいない防火対象物で二次的災害の発生のおそれのないもの b 夜間等無人となる防火対象物の当該無人となる時間帯で、かつ、二次的災 害の発生のおそれのないもの (イ)窒素、IG-55、IG-541 を放射するもの 自動式とすること。ただし、常時人のいる場所で管理体制が確保されている 場合は、手動式とすることができる。 イ 手動式 手動式の起動装置は、次によること。 (ア)起動装置は、当該防護区画外で当該防護区画内を見とおすことができ、か つ、防護区画の出入口付近等操作をした者が容易に退避できる箇所に設けるこ と。 (イ)起動装置は、一の防護区画又は防護対象物ごとに設けること。 (ウ)起動装置の操作部は、床面からの高さが 0.8m以上、1.5m以下の箇所に設け ること。 (エ)起動装置には、その直近の見やすい箇所に第6-6図の例により、不活性ガ ス消火設備の起動装置である旨及び消火剤の種類を表示すること。 (二酸化炭素の例) 手 動 起 動 装 置 (二酸化炭素) 材 質:木板、金属又は難燃合成 樹脂板 100mm 以上 地 色:赤色 文字色:白色 300mm 以上 第6―6図 (オ)起動装置の外面は、赤色とすること。 (カ)電気を使用する起動装置には電源表示灯を設けること。 (キ)起動装置の放出用スイッチ、引き栓等は、音響警報装置を起動する操作を行 った後でなければ操作できないものとし、かつ、起動装置に有機ガラス等によ る有効な防護措置が施されていること。 (ク)起動装置の放出用スイッチは、操作後自動的に復旧しないものとし、起動表 示灯等により起動した旨の確認ができること。 (ケ)起動装置又はその直近の箇所に第6-7図の例により、防護区画の名称、取 扱い方法、保安上の注意事項等を表示すること。 282 第6 不活性ガス消火設備 (二酸化炭素の例) 注 意 事 項 1 火災のとき以外に手をふれないこと。 2 火災のときは、次のことに注意する。 (1)室内に人がいないことを確かめる。 (2)この扉が開くと音声警報が鳴る。 出入口の扉又はシャッターを閉める。 (手動式扉の場合) (3)ボタンを押すと出入口の扉(又はシャッター)が閉ま り○○秒後に二酸化炭素が室内へ吹き出す。 (自動式扉の場合) (4)出入口上部の「二酸化炭素充満」が点灯しているとき は、出入を禁止する。 第6-7図 ウ 自動式 川崎市運用基準 (エ) (ケ)及び(コ) 自動式の起動装置は、次によること。 (ア)複数の火災信号を受信した場合に起動する方式とし、一の信号については、 当該消火設備専用のものとし、防護区画ごとに警戒区域を設けること。 (イ)前(ア)による消火設備専用の感知器の種別は、熱式の特種、1種又は2種 とし、その設置方法は、第 13 自動火災報知設備を準用すること。 (ウ)一の火災信号は自動火災報知設備の感知器から制御盤に、他の火災信号は消 火設備専用に設ける感知器から制御盤に入る方式とするか、又は消火設備専用 として設けた複数の火災信号が制御盤に入る方式としてAND回路制御方式と すること。 (エ)起動装置には、自動手動切換え装置を、次により設けること。 a 容易に操作できる箇所に設けること。 b 自動及び手動を表示する表示灯を設けること。 c 自動手動の切換えは、かぎ等によらなければ行えない構造とすること。 (オ)自動的に起動した装置の復旧は、手動操作によること。 (カ)制御盤等に自動手動切換え装置が設けられるものにあっては、当該装置を起 動装置に設けないことができる。 (キ)感知器の回路が断線した場合、自動的に警報を発する措置を講じること。 (ケ)窒素、IG-55、IG-541 を放射するものにあっては、起動装置の放出用ス イッチ、引き栓等の作動により直ちに貯蔵容器の容器弁又は放出弁を開放する ものであること。 (コ)自動手動切換え装置又はその直近の箇所には、取扱い方法を表示すること。 (12)音響警報装置 ア 手動又は自動による起動装置の操作又は作動と連動して自動的に警報を発する ものであり、かつ、消火剤放射前に遮断されないものであること。 イ 防護区画又は防護対象物にいるすべての者に消火剤が放射される旨を有効に報 283 を除く。 第4章 消防用設備等の技術基準 知できるように設けること。 ウ 全域放出方式のものに設ける音響警報装置は、音声警報装置とすること。 ただし、常時人のいない防火対象物にあっては、この限りでない。 H7.1.12 エ 音響警報装置は、認定品とすること。 オ 増幅器、再生装置等は火災の際延焼のおそれのない場所で、かつ、維持管理が容 消防庁告示第3号 易にできる場所に設けること。 カ スピーカーは、当該防護区画の各部分からスピーカーまでの水平距離が25m以 下となるように反響等を考慮して設けること。 キ 音声警報装置の警報の内容は、次の例によるものを基準とすること。 「火事です。火事です。消火剤を放出します。危険ですので避難してください。 」 ク 前キの音声による警報は、防護区画内のいずれの部分においても明瞭に聞き取れ ること。 ケ 騒音の大きい防護区画等で警報装置だけでは効果が期待できない場合、赤色回転 灯等の視覚による警報装置を併設すること。 コ 防護区画を経由しなければ避難することのできない部分が存する場合は、当該防 護区画の起動装置の作動と連動する音声警報装置を設けること。 シ 音響警報装置のスピーカーは、自動火災報知設備の地区音響装置(音声によるも のに限る。 )又は放送設備のスピーカーと近接して設けないこと。 (13)排出措置 ア 放出された消火剤及び燃焼ガスを排出するための措置は、次のいずれかの方法に よること。 (ア)自然排出による場合は、外気に開放することのできる開口部を、次により設け S51.11.29 消防予第 110 号 ること。 a 局部的滞留をおこさないよう配置された開口部の面積(防護区画の高さの3 分の2以下の位置に存する部分に限る。 )の合計が、当該防護区画の床面積の 10%以上であること。 (床面積の扱いは、水平投影面積による。 ) b 防護区画以外の容易に到達することのできる場所から開放できること。 (イ)機械排出を行う場合は、次によること。 S51.2.10 a 放出された消火剤を排出できるように排出ファン(ポータブルファンを含む。 消防安第 21 号 川崎市運用基準 以下同じ。 )等を設けること。 b 排出ファンは専用のものとすること。ただし、消火剤の排出時に保安上支障 のないものにあっては、この限りでない。 c 排出ファンの容量は、1時間以内に放出された消火剤及び燃焼ガスを排出 (1時間あたり概ね3~5回以上の換気回数)できるものとすること。 d 排出ファンの起動装置及び排出の用に供するダクトのダンパーの開放装置は 防護区画以外の容易に到達することのできる場所に設け、かつ、その直近に当 284 第6 不活性ガス消火設備 該装置である表示をすること。 e ポータブルファンを使用する場合は、防護区画の壁の床面から高さ1m以内 の箇所に当該ポータブルファンを接続させるための接続孔を設けること。この 場合、接続孔は常時閉鎖しており、かつ、ファン使用時に接続部以外の部分か ら消火剤が著しく漏洩しない構造とすること。 f 排出のための設備のうち、動力源に電気を用いるものにあっては、非常電源 を設けること。 (ポータブルファンを除く。 ) イ 放出された消火剤及び燃焼ガスを排出する場所は、放出された消火剤及び燃焼ガ スが著しく局部滞留を起こさない場所で、かつ、人が直接吸入するおそれのない場 所であり、次に掲げるものとすること。ただし、消火剤及び燃焼ガスの排出時に、 周囲の人に音声警報又は赤色灯により注意喚起がなされ、かつ、人が立ち入れない よう措置を施し、安全対策を確立した場合は、この限りでない。 (ア)排出場所は、延焼のおそれのある部分以外の部分であること。 (イ)袋小路又は吹き抜け等、滞留を起こすおそれのある部分以外の場所であること。 (ウ)道路等不特定多数の人が通行する部分に排出する場合の排出口の高さは、概ね 3m以上とすること。 (14)保安措置 全域放出方式のものには、次の保安措置を講じること。 ア 二酸化炭素を放射するもの (ア)起動装置の放出用スイッチ、引き栓等の作動から貯蔵容器の容器弁又は放出弁 の開放までの時間が20 秒以上となる遅延装置を設けること。 (イ)手動起動装置には(ア)で定める時間内に消火剤が放出しないような措置を講 じること。 (ウ)防護区画の出入口等の見やすい箇所に第6-8図の例により、放出表示灯を設 けること。なお、点灯式又は点滅式とし、表示灯回路の配線が、当該防護区画を 経由する場合は、耐火配線とすること。 二酸化炭素充満 危険・立入禁止 80mm 以上 地 色:白色 文字色:赤色(消灯時は白色) 280mm 以上 第6―8図 ※ 消火設備の種類により「二酸化炭素」を「窒素」 「IG-55」 「IG-541」と 読み替える。 (エ)放出機構の作動を停止し、起動装置作動前の状態に復することのできる非常停 止装置を設けること。 (オ)非常停止装置の復旧操作を行わなくとも、再び起動できるものであること。 285 H9.8.19 消防予第 133 号 消防危第 85 号 第4章 消防用設備等の技術基準 (カ)非常停止装置の操作部は、手動起動装置の直近又はその内部に設けること。 (キ)非常停止装置である旨の表示をすること。 イ 窒素、IG-55、IG-541 を放射するもの 前ア(ウ)の例によること。 ウ 空気呼吸器を、次により備えておくこと。 (ア)二酸化炭素を放射するもの a 空気呼吸器を防災センター等の防護区画以外の場所で、避難誘導又は救助 活動に際し、速やかに使用できる部分に設けること。 b 空気呼吸器を2個以上(タワー方式の機械式立体駐車場は 1 個以上)設置 すること。 (イ)窒素、IG-55、IG-541 を放射するもの 努めて(ア)に準じて設けること。 (15)耐震措置 貯蔵容器、配管及び非常電源には、地震による振動等により破壊、移動、転倒を 生じないように固定金具、アンカーボルト等で壁、床、はり等に堅固に固定するこ と。 (16)電源等 第2屋内消火栓設備 11 を準用すること。 (17)冷凍室又は冷蔵室に設置する場合 冷凍室又は冷蔵室に設ける二酸化炭素消火設備は、 (1)から(16)によるほか、 次によること。 ア 消火剤の貯蔵量は、防護区画の体積1m3に付き、0.536 ㎏以上の割合とするこ と。 イ 配管は、呼び径 20 ㎜以上のものを使用すること。 ウ 放射時間は、15 分を標準とすること。 エ 起動装置は、手動式とし、各防護区画の出入口付近に設けることができる。 オ 屋内から出入口の扉を開放でき、容易に退避できるものに限り、音響警報装置 については、当該出入口付近に設置することで足りる。 コ 噴霧ノズルは、凍結防止のため、錫はく等で密栓すること。 6 移動式 前5(1)ア(イ)及び(ウ) 、イ(ア) 、ウ、エ、カ、 (9)ア、イ(ア)及び(イ) 、 エ(ア)及び(15)を準用するほか、次によること。 (1)移動式の不活性ガス消火設備に使用する消火剤は、二酸化炭素とすること。 (2)消火剤の貯蔵量は、一のノズルにつき 90 ㎏以上の量とすること。 (3)ホース接続口は、すべての防護対象物について、当該防護対象物の各部分から一 のホース接続口までの水平距離が 15m以下となるように設けること。 286 川崎市運用基準 第6 不活性ガス消火設備 なお、ホースを伸長する経路、ホースの長さ、放射距離等を考慮し有効に消火で H22.7.30 22 川消予第 583 号 きるように設けること。 (4)ノズルは、温度 20℃において、一のノズルにつき 60 ㎏/min 以上の消火剤を放射 できること。 (5)貯蔵容器の容器弁又は放出弁は、ホースの設置場所において、手動で開閉できるこ と。 (6)貯蔵容器は、ホースを設置する場所ごとに設けること。 (7)貯蔵容器の直近の見やすい箇所に赤色の灯火及び移動式不活性ガス消火設備である 旨及び消火剤の種類を表示した標識を設けること。 (8)ホース、ノズル、ノズル開閉弁及びホースリールは、認定品とすること。 (9)貯蔵容器格納箱の見やすい場所に操作方法を表示すること。 7 総合操作盤 第 29 総合操作盤を準用すること。 287 川崎市運用基準 第4章 消防用設備等の技術基準 8 不活性ガス消火設備構成例図(第6-9図、第6-10 図参照) 第6-8図 ※主管に設けない場合必要 第6-9図 AND回路で図示されてい ない他の感知回路に用いる 感知器は、図示と感度の異 なる差動式分布型感知器、 光電式スポット型感知器、 光電分離型感知器等を使用 することが望ましい。 ※主管に設けない場合必要 第6-10 図 288 第6 不活性ガス消火設備 9 特例基準 (1)次の基準に適合するものは、令第 32 条又は条例第 49 条を適用し設置を省略するこ とができる。 ア 次のいずれかに該当する電気設備が設置されている部分に大型消火器を設置した S51.7.20 消防予第 37 号 もの (ア)密閉方式の電気設備(封じ切り方式又は窒素封入式の電気設備であって、内部 に開閉接点を有しない構造のものに限る。 )で、絶縁劣化、アーク等による発火 危険のおそれが少なく、かつ、当該電気設備の容量が15000KVA 未満のもの (イ)1000KVA 未満の容量の電気設備 (ウ)昭和 48 年消防庁告示第1号、昭和 48 年消防庁告示第2号又は昭和 50 年消防 庁告示第 7 号に適合する構造のキュービクルに収納されている電気設備 (エ)密封方式のOFケーブル油槽 (オ)発電機、変圧器のうち、冷却又は絶縁のための油類を使用せず、かつ、水素ガ ス等可燃性ガスを発生させるおそれのないもの イ 冷凍、冷蔵室の用途に供する部分で、次のいずれかに該当するもの (ア)壁体、天井等の断熱材料に不燃材料(石綿、岩綿、グラスウール等)を使用し、 かつ、当該断熱材料の押えを不燃材料でしたもの ただし、20 ㎝以上の間隔で用いる押え貫、押え柱にあっては、不燃材料以外の 材料とすることができる。 (イ)壁体、天井等の断熱材料に自己消炎性の材料を使用し、その表面を不燃材料 (ガラス、アルミニュームを除く。 )で覆い、かつ、天井に、その各部から一の ヘッドまでの水平距離が 2.5m以下となるように開放型スプリンクラーヘッド又 は開放型散水ヘッドを設け、消防ポンプ自動車が容易に接近することのできる位 置に設けた双口型の送水口から送水できる構造としたもの (ウ)壁体、天井等の断熱材に自己消炎性の材料を使用し、間柱、下地を不燃材料で 造り、仕上げを不燃材料で仕上げたもの(有効に遮熱できるものに限る。 ) (エ)床面積 100 ㎡以下のもので、当該部分が耐火構造の床及び壁で区画され、開口 部には特定防火設備を用いるもの ウ 厨房設備(液体燃料を使用するものを除く。 )が設置されている部分に、令第12 条に定める技術上の基準の例によりスプリンクラー設備を設置し、かつ、天がい等 に第31 フード等用簡易自動消火装置が設置されているもの エ 仮設建築物又はその部分のうち、次のすべてに該当するもの (ア)存続期間が1年以内であること。 (イ)火災時に容易に避難できると認められる位置及び構造形態であること。 (ウ)火災を早期に発見し、かつ、報知することができる措置が講じられていること。 (エ)出火防止対策及び初期消火のための有効な措置が講じられていること。 289 第4章 消防用設備等の技術基準 オ 鍛造場、ボイラー室、乾燥室で、当該火気使用設備の最大消費熱量の合計が350 kW未満であり、かつ、当該部分に大型消火器が設置されているもの (2)イナートガスは、防護区画の面積が 1000 ㎡以上又は体積が 3000 以上のもの等の場 所に設置できないとされているが、 (財)日本消防設備安全センターが運営する「ガス 系消火設備等評価委員会」の評価を受け消火性能及び安全性能等が認められたものにあ っては、設置することができる。 290 S52.1.27 消防予第 12 号