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小学生の部(PDF形式:217KB)
手紙・メール 最優秀賞 新潟県 1 小学生の部 坂井 敏法 さん 小学6年生 「日本一の子育て名人」 この前、ばあちゃんの家へ行った時 「ねぇ、お母さんのこと、好き?」 「もちろん。子育てはぼくにまかせて。一生、 って聞いたら、当たり前の顔をして 「そりゃ、好きだわ。自分の子どもだからね。」 と答えたばあちゃん。 たとえ子どもがどんなに年をとっても、親 にとって子どもは永遠に子どもなんだね。 「ばあちゃんの子をいつまでも大切にしてね。」 とばあちゃんが頭をペコリと下げてお願いす るから、ぼくは思わず背すじを伸ばして ばあちゃんの子どもを大切に見守っていくよ。」 と誓った。そしたら何回も「ありがとう」 と 言ってぼくをだきしめて涙を流したね。 ぼくの体には生まれた瞬間から、たくさん の親たちの血が流れているんだね。ぼくは一 生、自分を大切に生きていくよ。ぼくに命を 授けてくれた人たちを大切にするのと同じこ とだから。ありがたい命のご恩返しをするた めに日本一の子育て名人になってみせるね。 審査員のコメント ●ほのぼのとしたあったかいおばあちゃんとのやりとりから、命の大切さ、そのつながり、そして 子育て名人 へのすごい感性の昇 華に感動です。 ( 橋本先生) ●おばあちゃんにとっての「我が子」、つまり、自分のお母さんを「一生、大事にするよ」 と 「背すじを伸ばし」て宣言したとこ ろが感動的。祖母との会話を通して自分には「生まれた瞬間からたくさんの親たちの血が流れている」 ことに畏敬と感謝の念を感じ、自分を大切にしよ うと決意する。構成も工夫されていて素晴らしい。 ( 内田先生) ●命のご恩返し。本当にそうですね!命のつながりを大切に、次につないでいくこと、今 をせいいっぱい生きること。忘れないでいたいと思います。 ( 松田先生) 優秀賞 大阪府 村山 倖 さん 小学4年生 「私の大好きなお母さんへ」 お母さん、いつもありがとう。 学校の持ち物を家に忘れた時、髪の毛はボサボサで、お化しょうもせず、スリッパで、あわてて学校まで 持ってきてくれたね。本当に助かったよ。ありがとう。 とつぜんの雷や、雨がひどい時、むかえに来てくれたね。空は暗いけど、心は明るくなるよ。ありがとう。 「倖ちゃんはお母さんの宝物だよ。」 といつも言ってくれるね。 どんなに落ち込んでいる時でも、立ちな おって、元気になるよ。ありがとう。 お母さん、笑顔がとてもかわいい弟を産んでくれて、ありがとう。弟は入院をしたり、大火傷をしたり、看 病大変だったね。私もがんばったよ。そしたら 「よくがんばったね。ありがとう。」 と言ってだきしめてくれた から、さみしい気持ちがうれしい気持ちに変わったよ。 急がしすぎると、パンクするし、時々大ふん火するけれど、そんなおもしろくて、やさしいお母さんが大す きだよ。 お母さん、いつもありがとう。 これからも、家族みんなで、楽しいこといっぱいしようね。 審査員のコメント ●自分の家内と子どもそのままでした。かつての私の家庭を見ているような錯覚にとらわれてしまい驚いています。お母さんの大 きな愛に包まれて、すばらしいあったかい大人に成長した貴女が、今もうここに見えてますよ! (橋本先生) ●おかあさんの姿がよく表現できていま す。新しい弟の誕生もよく観察しています。おかあさんの姿を正面からとからめ手からも捉えています。 ( 明石先生) ●いそがしいお母さん、時々大噴 火しちゃうんだ!倖さんがお母さんのこと大好きだってこと、伝わってくるよ。家族って素敵だね。 ( 松田先生) 9 優秀賞 東京都 木島 杏果 さん 小学3年生 「後でよんでね」 「いつまでもそばにいてね。」 かんたとは、いつもおかずの量をくらべたり、いすのすわる場所などでけんかをします。でも、ひまな時 いっしょに遊んでくれます。一人で歩くとこわくなります。でも、いっしょにいると、ちっともこわくありませ ん。かんたはふしぎな力を持っているんだなと思うことがあります。それから、かんたは、私の気持ちをわ かってくれます。おちこんでいると、へんなおどりをおどって、笑わせてくれます。かんたといっしょならどこ にいても大じょうぶです。なぜなら、生まれる前から母のおなかにいっしょにいるふたごの兄弟だからで す。かんたは世界一すてきな男の子です。 審査員のコメント ●「生まれる前から母のおなかにいっしょにいた」ふたごのきょうだいにあてた感謝の手紙。いっしょに遊び、 ときどきけんかするこ ともある。でも、いっしょにいればこわくない、おちこんでいてもなぐさめてくれる、相棒。ふたりはこれからも助け合って生きていくに違いないという希 望を感じさせてくれる。 ( 内田先生) ●双子のきょうだいに対する率直な気持ちが伝わるとともに、タイトル、冒頭、結びの二文など表現や構成が洒落 ている。 ( 坂元先生) 優秀賞 広島県 長見 悠汰 さん 小学6年生 「早く帰ってきてお母さん!」 お母さんが東京に勉強に行って、もう4カ月以上もたったね。思い出すと、お母さんは東京に行く前「つ らいよーさみしいよー。」 とトイレで泣いていたね。 ぼくもすごくさみしかったよ。でも、お母さんが難しい試験に合格したからそん敬し、がまんしたよ。それ と、お母さんが東京に行ってわかったことがあるよ。それは、お母さんのありがたさだよ。看護師として働 きながらぼくのサッカーの事や食事、洗たくなど全部お母さんがやってくれたことに感謝の気持ちでいっ ぱいになったよ。本当にありがとう。 いろいろとさみしい時、つらい時あるけどお母さんの声を聴くと勇気がわいてくるよ。いつも電話をあり がとう。大好きだよお母さん。 じいちゃんばあちゃんが来てくれているので安心しているよ。感謝もしてい るよ。 じいちゃんばあちゃんが土日に帰った時はお父さんとお姉ちゃんと力を合わせ家事をやっているよ。早 く卒業式がくるといいね。 審査員のコメント ●東京に勉強に行った母。えらいなという気持ちと寂しさに耐えている家族の気持ちが伝わってくる。 「 お母さんの声を聴くと勇気 がわいてくるよ。」だからせめて電話で声を聴かせてほしい。お父さんとお姉ちゃんと力をあわせて家事をして待っているからという願いは母親にも勇 気を与えるに違いない。 ( 内田先生) ●母親の頑張りを離れてみて実感したことがよく描かれています。親でも試験があることを通して親のありがた みをよく表現しています。 ( 明石先生) 10 1 小学生の部 優秀賞 京都府 泰地 陸 さん 小学2年生 「うまれてくるいもうと」 あと、二か月したら、ぼくはおにいちゃんになります。おにいちゃんになったら、ママのおてつだいをいっ ぱいするね。ママがしんどいときは、ごはんをたべたあとに、ぼくがおさらをあらうね。そして、ピカピカに ふくね。せんたくものをたたむことをじょうずにできるように、いまからがんばってれんしゅうするね。 じぶ んのことも、ひとりでできるようにがんばります。おふろからあがったら、 じぶんでかみのけをかわかした り、へやのそうじもするよ。ぼくもこれだけいっぱいおてつだいするんだから、パパもたくさんママのおて つだいしてね。はやくいもうとにあいたいな。 審査員のコメント ●2年生でこれは嬉しい、すごいです。数カ月後には、 「 ほら、何でも自分ですると言ってたでしょう?」 と、そんな会話が聞こえてきそう ですが、それにしても何といじらしい気づかいでしょう。 ( 橋本先生) ●お兄ちゃんの宣言、かっこいいよ!もう準備はOKかな?きっといいお兄ちゃんに なれるね。かわいい妹に会えるのが楽しみだね。 ( 松田先生) 優秀賞 新潟県 三浦 丈嗣 さん 小学6年生 「ぼくが家族に伝えたいこと」 ぼくが家族に伝えたいことは、家族のありがたさです。 なぜかというと、もし家族のだれかが病気になったとしたら、ぼくはすごくつらいです。五年生のころ、ぼ くは急性胃腸炎という病気になってしまったけど、お父さんやお母さんがめんどうを見て心配してくれてと てもうれしかったし、はやく病気を治したいと思いました。あのときは本当に感謝しています。 でも、五年生のころ、今度はお父さんが病気になってしまって長い入院生活をすることになってしまった のです。今度はぼくがめんどうを見ないといけないと思いました。そして七ヶ月間で退院することができま した。現在もがんばってリハビリをしています。はやくお父さんの病気が良くなるように願っています。 今思えば、ぼく一人では、病気を自分で治すということは、できなかったと思います。お父さんやお母さ んがいたから、ぼくはがんばれると思いました。だれでも、一人ではのりきることができないと思います。 やっぱり、家族のありがたみはすごい大事だなあと思いました。 今、お父さんは、 リハビリをがんばりながら、写真のコンクールに使える写真をたくさんとって、応ぼしま した。ぼくは、お父さんの言いたいことを考えて言い直してあげたり、いそがしいお母さんのために、家の 手伝いをがんばったりして、今度はぼくが、お父さんやお母さんを支えたいです。 お父さん、お母さん、 これからも、はげましあっていこうね。 審査員のコメント ●本人の病気はもとより、父親の病気という二重苦を家族みんなの力で乗り越えた姿がよく描かれています。父と子、そして家族み んなの力の大切さを訴えています。 ( 明石先生) ●親が子を支え、子が親を支えようとする、強いきずなを持った家族の様子がうかがえる作品である。 (坂元先生) 11