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Title 性器ヘルペスの臨床的検討とアシクロビル錠による治療 成績
Title 性器ヘルペスの臨床的検討とアシクロビル錠による治療 成績 Author(s) 熊本, 悦明; 広瀬, 崇興; 生垣, 舜二; 猪野毛, 健男; 郷路, 勉; 田端, 重男; 吉尾, 弘; 坂岡, 博 Citation Issue Date URL 泌尿器科紀要 (1988), 34(2): 383-393 1988-02 http://hdl.handle.net/2433/119447 Right Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher Kyoto University 泌 尿 紀 要34:383-393,l988 383 性 器 ヘ ル ペ スの臨 床 的検 討 とア シ ク ロ ビル錠 に よ る治療 成 績 札幌医科大学泌尿器科学教室(主 任:熊 本悦明教授) 熊 本 悦 明,広 瀬 崇 興 いけがき皮膚泌尿器科 医院 生 垣 舜 二 いのけ医院 猪 野 毛 健 男 札幌泌尿器科医院 郷 路 勉 田端皮膚泌尿器科医院 田 端 吉 尾 重 男 吉尾医院 弘 北海道大学歯学部 口腔細菌学教室 坂 A CLINICAL CLINICAL STUDY EFFICACY Yoshiaki 岡 OF 博 GENITAL OF THE HERPES ACYCLOVIR KUMAMOTO, Takaoki AND THE TABLET HIROSE From the Department of Urology, Sapporo Medical College (Director: Prof. Y. Kumamoto) Shunji IKEGAKI From the Ikegaki Clinic Takeo INOKE From the Inoke Clinic Tsutomu GouRo From the Sapporo Urological Clinic Shigeo TABATA From the Tabata Clinic Hiroshi Yossuo From the Yoshio Clinic Hiroshi SAKAOKA From the Department of Oral Bacteriology, School of Dentistry, Hokkaido University A clinical study for genital herpes was conducted on 154 patients and the efficacy of treatment with oral acyclovir was investigated in 51 of these patients. The diagnosis was confirmed by direct immunofluorescence or viral isolation from the lesion. This disease has increased in both males and females in recent years and was found in 2.3—.2.9% of the out-patients examined in 1986. Seventypercent of the patients were between 20 and 30 years old. About 70% of the male patients had phimosis. 384 泌 尿 紀要34巻2号1988年 In patients with the first infection, bilateral eruption (62%) and lymphadenopathy (54°0) were more common than unilateral lesions. However, in those with recurrent infection, unilateral eruption (72%) and lymphadenopathy (52%) were more common. Sixty two percent of those with the first infection had scattered eruption on external genitalia, but 71% with recurrent infection, had lesions concentrated in several areas. Local symptoms such as pain in the external genitalia (male: female, 16%: 85%), pain in the lower extremities (26%: 45%), discomfort in the lower extremities (20%: 41%) and systemic symptoms such as malaise (22%: 48%) and anorexia (4%: 35%) were seen more frequently in females than in males. In addition, systemic symptoms such as fever (first episode: recurrent episode, 36%: 4%), malaise (34%: 9%) and anorexia (18%: 2%) were seen more frequently in patients with the first episode than in those with recurrence. HSV type 1 infections were found in 16% of males and 28% of females with the first episode, but were less common in the recurrent episode, 0% and 13%, respectively. Direct immunofiourescence was positive in 75 (59%) of 128 samples diagnosed by viral isolation. Treatment with oral acyclovir tablets, 200 mg five times daily, was very effective in 26 of 30 patients (87%). No side effects were observed. In this study, acyclovir tablet has been shown to be a very effective and well-tolerated treatment for genital herpes infections. Key words: Genital Herpes, 緒 HSV-1,HSV-2, Acyclovir よる直 接 蛍 光 抗体 法(米 国 シバ 社 製Microtrakher- 言 pes1&2cultureconfirmation/typingtest)に 世 界的 に 性 行為 感 染症(sexuallytransmitteddi・ sease以 下STD)が tablet よ る ウイ ル ス抗 原 検 出 と型 別 同 定を 行 った.ま た 同時 に 増 加 してい る中 で,性 器 ヘ ルペ ウイ ル スの 分 離 培養 と制 限 酵 素に よ る型 別 同定 を 行 っ ス も近年 漸 増 して来 て い る.本 邦 に お け る性 器 ヘ ルペ た. ス の研 究 は女性 性 器 ヘ ルペ ス に 関 して 川 名 らの報告1) 2-2)血 清 学 的 検討 が あ るが,男 性 での ま と ま った 報 告 はみ られ な い.わ 初 診 時 お よび 治療2∼3週 間 後 に血 清 を 採 取 し, れ わ れ は男 性性 器 ヘ ル ペ スの疫 学 的,ま た 臨床 的 検 討 HSVの を 行 い,女 性症 例 との比 較 検討 を 行 った.さ 中和 抗体 の 測 定 が よ り好 ま しい と考 え た が技 術 的 問題 らに 性 器 ヘ ル ペ スの 治療 は これ まで 抗 ウイ ルス剤 が なか った た 抗体 価(補 体 結 合 反 応)を 測 定 した.な お , で 施行 せ ず,補 体 結 合 反応 のみ に よ って検 討 した. め に,対 症 療法 に 頼 らね ば な らな か った が,今 回 ア シ 3.治 クロ ビル 内服 薬 に よる治 療 を試 み る機 会 を 得た ので, 3-1)投 与 薬 剤 と投 与 方法 治 療成 績 に つ いて も検 討 した. ア シ ク ロ ビル200mg錠 STD研 ェ ロ ソ,γ一グ ロブ リ ン製 剤 な どの 併 用 は行 わ なか った 象 症例 1985年8月 が非 ス テ ロイ ド性 消 炎 剤 お よび 鎮 痛 剤 は使 用 した. よ り1987年3月 ま で に わ れ わ れ 札幌 究 会の 診療 施 設 を外 来 受 診 した 外 陰部 の 性器 ヘ ルペ ス 様 皮疹 か らHerpessimplexvirus(以 HSV)が 剤 を1日5回,計19を 原則 と して5日 間 投 与 した.治 療 期 間 中 の イ ン ター フ 対 象 お よ び方 法 L対 療 学 的 検討 検 出 され た154例(男 性92例,女 下 性62例)に 3-2)治 療 中 の経 過 観 察 と検査 項 目 臨 床 症 状 の うち局 所 症状 と して,皮 疹 の痙 痛,範 囲,性 状,部 位,お よび排 尿 痛,鼠 径 リンパ節 腫脹, 分 泌物 の有 無,下 肢 疹 痛 と違 和 感,ま た 全身 症 状 と し つ いて 検討 を 行 った.ま た,患 者 の 申告 に よ り,初 め て,発 熱 て の場 合 を初 発 例 と し,2度 まで経 過 観 察 を行 った.ウ イ ル スの 検 出 は 原則 と して 目以 上 の場 合 を再 発 例 と 倦怠 感,食 思不 振 につ い て それ ぞれ の 消失 した.な お,ア シ ク ロビル錠 に よる治 療 は1985年11月 薬剤 投 与 期 間 中連 日行 った.な お,比 較 のた めの 無投 よ り1987年3月 与症 例 に つ い て の経 過 観察 も同様 に 行 った. までに 受診 した51例(男 性24例,女 性 27例)に つ い て 行 い,そ の治 療 効果 を 検 討 した. 2.ウ イ ルス学 的検 討 2-1)HSVの 検出 皮 疹病 巣 部 位 の上 皮 細 胞 をswabに 3-3)副 作 用 の検 討 副 作 用 は,薬 剤投 与 期 間 中 に生 じた す べ て の症 状 に つ い て経 過 を 観察 し,臨 床検 査 は 薬 剤 投 与前 後に 一 般 て 擦 過 し,ス ライ ドグラ スに塗 布 し,そ れ を モ ノ クロナ ー ル抗 体 に 血 液 検 査,血 液 生化 学 検 査 を 行 った. 3-4)治 療 効 果 の判 定 熊 本,ほ か:性 器 ヘ ル ペ ス ・ア シ ク ロ ビル 錠 3-4)一(1)共通 治療 効 果 判 定基 準 に よる 判定 385 わ れ われ の研 究 グル ープ の一 員 であ る札 幌G医 院 外 治 療効 果 を よ り客 観 的 に評 価 す るた め に,後 述す る 来受 診 患者 で の,男 女 別STD患 ような 自然 治 癒 も考 慮 に 入 れた 判 定 基 準 を作製 し,そ Fig.1.2に れ に基づ い て 治療 効 果 を 判 定 した. 1986年 に は全 外来 数 の2.9%を 3-4)一(2)主治 医判 定 の36%に も達 した. 全治療 経 過 を通 じて の 全般 改 善 度 の推 移 に基 づ く主 示 す,男 占め,淋 菌 感 染症 例 数 また 女性 で も5年 間 で約20倍 に も急増 し,1983年 以 治医の効 果 判 定 は著 効,有 効,や や有 効,無 効 の4段 降はSTDの 階で行 った. 全 外 来数 の2.3%を 結 者 数 の 年 次 推移 を 性 で は性 器 ヘ ル ペ スが 漸増 し, 中 で 最 も 高 い 頻 度 を 示 し,1986年 に は 占め た. 1-2)症 例 数 の季 節 変動 果 Fig・3に 示 す よ う に本 症 は夏 期 に 多 く発 症 す る傾 1.性 器 ヘ ル ペ スの 疫学 的検 討 向が み られ た. 以下,検 討項 目 に よ り症 例数 に 多 少差 異 が あ る の 1-3)症 例 の年 齢 分 布 は,全 症 例 に お い ては それ ぞれ の 項 目が チ ェ γクされ Fig.4に 示 す よ うに 初 発例 で は70%(73/104)が ていな いた め で あ る. 20歳 代 であ った が,再 発 例 で は20∼50歳 代 まで 幅広 く 1-1)症 例 数 の年 次 推 移 分 布 して い た. (%) 陰部伝染性 軟属種 惟鵠ヘルペス 尖型コンジローマ 淋菌襲染症 10.00 9.00 8.00 7.00 6.00 S.oe 4.oo 3.00 2.00 1.00 (年度)1980198119821983198419851986 (症例数 》(1970)(2034)(2730)(3119)(3400)(3132)(2979) Fig.1.性 器 ヘ ル ペ ス,尖 (札 幌G医 (%) 10.00 院)一 型 コ ン ジ ロ ー"?tsよ び 淋 菌 感 染 症 々例 の 年 次 推 移 男 性 症 例 一 性 器ヘルペス 尖型 コンジローマ 淋菌感染症 田皿 ■ 囮 9.00 8.00 7.00 6.00 5.00 4.00 3,00 2.142.29 2.00 1.52 1・:70 。911.OO 1.00 。1皇1ざ26。 、'2と42。 、32㌔・・"9翫諭 網1編99 (年度)1980198119821983198419851986 (症例 数)(1547)(1414)(1673)(1832)(1912》(IM2)(1700) Fig.2.性 器 ヘ ル ペ ス,尖 (札 幌G医 院)一 型 コ ン ジ ロ ー マ お よ び 淋 菌 感 染 症 々 例 の 年 次 推 移 女 性 症 例 一 386 泌 尿 紀 要34巻2号1988年 12 12 口 昭㈱ 年 10 患 者 数5 789101112 123456 (月) Fig.3.性 器 ヘ ルペ ス症 例 の季 節 変動(129例) 昭 和60年8月 ∼ 昭 和62年3月 100 口:再 発 囮:初 発 73 症 例50 数 17 5141 13 106831 21 ≦1920-2930-3940-4950-5960-6970≦ Fig・4・ Table1.感 特殊浴場 従業女子 初 男 発 素 性 器 ヘ ル ペ ス 症 例 の 年 齢 分 布(154例) TabIe3.性 染源 人 配偶者 計 ウィルス型 器 単 純 ヘ ル ペ ス の潜 伏 期(初 発) 日数Ot2345678910≦ 計 HSV-114311 12224 (50.0%)(8,3%) 10 (41.7%) 643 (13,9%) 1027 (23.3%)(62.8%) 10 Hsv-2134532222 計 226 148562332 15419 (78.9%)(21.1%) 女 計 不 明 (年齢) 236 52.8X か らの感 染 が多 くな って い る こ とは 注 目す ぺ き こ とと 考 え る.ま た女 性 で は 特殊 浴 場 従 業 女子 が 接 客 に よ り Table2.男 性症 例 の 包茎 の 右無 包 十 初発 茎 計 22729 (75.9%) で 大部 分 を 占 めた. 1-5)男 性 症例 の包 茎 の 有 無 Table2に 示 す よ うに 症 例 の73.3%が 包茎であっ た. 再 発11 計 感 染す る場 合 と外 で 感 染 して 来 た 夫 か ら感 染 す る場 合 22830 (73.3%) 1-6)潜 伏 期 Table3に 示 す よ う に 初 発 例 で の潜 伏 期 は,0∼ 10日 以 上 と幅 広 く分 布 す るが そ の約 半 数 が2∼4日 1-4)感 染源 Table1に 示 す よ うに 初 発例 での 感 染源 は,男 性 で は素 人 が50%と 多 く,次 いで 特殊 浴 場 従 業女 子 か ら が41.7%で の 3日 間 に み られ た. あ る.特 殊 浴場 を介 して の感 染 よ りも素 人 1-7)パ ー トナ ーの 単純 ヘ ルペ スの 有無 Table4に 示す よ うに パ ー トナ ー の 外 陰 周 囲 に単 純 ヘ ル ペ ス様 皮疹 が み られ た 頻 度 はHSV-1型,2 熊 本,ほ Table4.・ 4 (28.6%) (21.4%) 3 (4.8%) 計(, なし 外 陰 の周囲 31型 .含%) ワ Table6.皮 計 憾 1型 14 15 (23.8%) 45 63 19 (24.7%) 52 ワ7 387 器 ヘ ル ペ ス ・ア シ ク ロ ビル 錠 ・ パ ー トナ ー の 単 純 ヘ ル ペ ス の 右 無 ロの 周囲 皿型 か:性 鵜 皿型 疹 の範 囲 片側 両側 正中 計 初発 9 13 O 22 再発 1 O 1 2 初発23 48 6 77 再 発32 7 5 44 61699 Table5.皮 疹 部 の 終 痛(初 1荘 発) 型 十 男性 再発 7646 (15.2%)(13.1%)(100%) 崇崇 【疋2:P〈0。01} 24 21 (91.3%) 5 29 2 23 Table7.皮 集籏性 初発 型罹患 症 例 とも25%前 後 で あ った. 一方 ,パ ー ト ナ ー の 口 の 周 囲 に み ら れ た 頻 度 は HSV-1型 (61噛6%)(6.1%)(100%) 33 (71。7%) 計 (82.8%) 女性 初 発(3232.3%) 罹 患 症例 の21.4劣,2型 敵在性 33 (32.7%) 再発 34 (70.8%) 罹患 症 例 の4.8% 疹 の 性状 計 1個 63 (62.4%) (4.9%)(100%> 11 (22.9%) (6■3%)(100%) 5101 348 くrt:PくO.01} と,型 別に よ り著 し く差 が み られ た. 1-8)一(3)皮疹 の性 状 1-8)局 所 症 状 Table7に 1-8)一(1)皮疹 部 の疹 痛 Table5に 示 す よ うに 症 例 の大 半 が 皮 疹 部位 に疹 痛 を訴 え るが,そ の頻 度 は 女 性 の方 が91.3%と 82.8%よ 逆 に 集籏 性 に 出現 す る頻 度 が70.8%で 男性 の あ った. 1-8)一(4)皮疹 の部 位 りや や 高 い傾 向で あ った. Fig.5,6に 1-8)一(2)皮疹 の範 囲 Table6に 示 す よ う に 初発 例 で は散 在 性 に皮 疹 が 出現す る頻 度 が62.4%と 高 い のに 比 して,再 発 例 で は 示 す よ う に 初 発例 では61.6%の 症例 で 示す よ うに男 性 で は ほ とん どが 陰茎 に 限 局 して み られ,特 に 約60%が 冠 状 溝,包 皮 に み られ 皮 疹が 両側 と広範 囲 にみ られ,ま た 再 発 例 では7L7% た,ま た 女性 で は腔 口周 囲 の湿潤 部 位 に 多 くみ られ た. の症例 で皮 疹 が 片 側 に 限局 して い た. 1-8)一(5)分泌物 !=甲 初 発 再 ・ …1 亀 頭17(20.7%) \ 環 状 構7(8.5%) / 聯 発 亀 頭6(15.4%) 環 状 構3(7.7%) 包 皮44(53.7%) 包 皮20(51.3%) ,.璽 鼠 径 部0(0%) 計82箇 陰 茎 体 部9(23.1%) 四 陰 茎 体 部14(1フ.1%) 所 鼠 径 部1(2.6%) 計39箇 所 X Fig.5. 初 鼠径 部 陰核 ・包皮 歴前 庭 ・檀 口 後連合 小陰唇 大陰唇 会陰部 肛門周囲 仙骨部 皮 疹 の部 位(男 性) 発 !=1ρ 0 3(2.9%) 25(24.5%) 14(13,7%) 25(24.5%) 18(1ア.6%) 13(12.7%) 4(3.9%) O \ / 6 ) 10 発 再 1(5.6%) 鼠径部 1(5.6%) 陰核 ・包皮 3〔16.7%) 腕前庭 ・趨ロ 後連合 0 4(22.2%) 小陰唇 大陰唇 3(16.796) 会陰部 2(11.1%》 肛門周囲 3(16.7%) 仙骨部 1(5.6%} リ ロ リ 置 計102箇所 Fig。6.皮 メ 疹 の 部 位(女 計 性) 18箇 所 388 泌尿紀要 糾巻 Table8.分 ,1988年 泌 物 の有 無 男 尿 導 膿 性 2号 TabieIL下 女 尿 導 漿 無 性 液 計 ココ 下 瘤 初発35(訓.3%) 67(65,7%)102(100%) 肢痛 42(91.3%)46(100%) 再発4(8.7%) 下 異 初発 肢感 和 再発 30(四.7%)ワ1(70.3ヲ6)101(100%) 7(15.2%)39(糾.8%)46(100%) 10112 初 発644 1740 50-一( lt■{■i}Pく 臥01, 57.5%) (12%) Table12.下 再発 計 十 窪箋 臨 性 性 液性 計 肢 痴 痛 と下 肢 異 和 感 肢 痔 痛 と下 肢 異 和 感(初 発) 1013 303012 計 十 .㌦ 「 サ Table9.鼠 下 肢 窪痛 女212647 径 リン パ 節 腫 脹 の 範 囲 片側 両側 性 男144155 (25.5%) 計 なし 性(44.7%) ロ 発5 14 3 22 再 発1 1 0 2 1初 型 下肢 舅114455 性(20.0%) 異和 サの 1初 型 発14 再 発24 ウ 嶺 191十 皿 (18.6%) 型 再 発 41 2580 8 1446 猷(xa=Pく0,05} 初 発5528102 (53,9%)(27.5%)(100%) 25 Tab!e13.全 身症状 91448 (52,1%) の 尿痛(尿 道痛 と外 陰部 痛) 発 初発 36(35.6%)65(64.4%》101(100%) 熱 再発 2(4.4%)43(95.6%)45(100%} 倦 初 発34(34.0%)66(66.O%)100(100%) 怠感 崇崇 尿 道 痛 計 十 (18。7%)(29.2%)(100%) thm{xz=P〈O.01) Table10.排 女192746性 (41.3%) 感 外 陰 部 痛 再 発4(8.9%}41(91.1%》45(100%) 十 男 。277。) 初発 十 のの 48946 (16.4%) 食 不 初発 18(18.0%)82(82.0%) 思 振 再発 1(2.2%)44(97.8%) 100(100%) 45(100%) .置 女(, 男(, 再発 女(, 計 .守%) (88.9%》 Table14.全 31329 十 1377 (50.0%) .1%) 12 (40.4%) 示 す よ うに 女性 では 腔 お よ び 尿 道 か ら 分 泌物 を 認め る症 例 は57.5%と 多 いが,男 性 で も尿道 173754 (31.5%) 熱 女 性 192847 (40.4%) 催糧 124254 (22.2%) 怠 222446 (47.8%) 感 莚 か ら漿 液 性 の分 泌物 を 認 め る症 例 が12%の 症 例 で 認め られ た. 蘇,,3。 1-8)一(6)鼠径 リンパ節 腫 脹 の範 囲 Table9に 発) 示 す よ うに 初 発例 で は53.9%が 両側に 計 男 性 発 1315987 蟻豪Cxt:Pく0.01〕 Table8に 身 症 状(初 (9.4%) .{。) (8。4%) 凄 轡蚕(X=;Pく0;Ol, 39405 :K、 、5254 癌 、3・4・ 崇豪Cxi:Pく0,01) み られ るが,逆 に 再 発例 では52.1%が 片側 に み られ, 初 発例 で の広範 囲 の炎症 を物 語 ってい る。 に排 尿 時 に外 陰 部 の び らん潰 瘍 に 尿 が しみ る痛 み が加 1-8)一(7)排尿 痛(尿 道痛 と外 陰 部痛) わ るた め と思わ れ る. TablelOに 示 す よ うに 排 尿時 の外 陰 部痛 を 訴 え る 頻 度 は女 性 で は初 発,再 発(88.9%,50・0%)共 に男 性 よ り有 意 に 高 く,こ れ は神 経 障害 か ら来 る もの の他 1-8)一(8)下肢 疹 痛 と下肢 違 和 感 Tablell,12に 示 す よ うに 神経 症 状 の 一 つ で あ る 下肢 疹 痛 は 再 発 例(8.7%)よ り初 発例(34.6%)に 熊 本,ほ か=性 Table17. おい て有意 に 多 くみ られ た,ま た,下 肢 違 和感 も再 発 例(15・2%)よ り初 発 例(29.7%)の 389 器 ヘ ル ペ ス 。ア シ ク ロ ビル 錠 直接蛍光抗体法 とウイルス分離 培養同定法 方 が 多 い傾 向で 培養 同定法 あ った.男 女 別 でみ る と,女 性 で は下 肢 疹 痛 と下 肢 違 和感 は41-45%に み られ るが男 性 で は20-26%で あ り, 1型ll型(一 女性 の症 状 が 有意 に強 い よ うで あ った. 蛍1型150 1-9)全 身症 状 Table13,14に 》 蓋 示 す よ うに 初 発例 で は 発 熱,倦 怠 理 ・6・ 鍍(一)647 感 は35%前 後 に み られ,食 思不 振 も18%に み られ た. 計 0 15 4 64 33 86 (89.2%》 計 しか し,再 発 例 で は発 熱,倦 怠 感,食 思 不 振 とも訴 え 211073ワ165 (100%)(100%)(100%) る症例 は 数%と 有 意 に少 なか った.ま た 男 女別 に み る 培 養 法 と蛍 光 抗 体 法 の 一 致 率:75十33/165=65.5% と男性 で は これ らの 全 身症 状 を 訴 え る症 例 は 女性 よ り 培 養 法 陽 惟 中 の 蛍 光 抗 体 法 隔 性 率:75/1a8=58.6% も少 な く,特 に倦 怠 感 と食 思不 振 で は 女 性が47.8% と34.8%で あ った のに 比 して,男 性 で は22.2%と3,7 %で あ り,有 意 に少 な か った. 2,ウ 2-1)HSV型 補 体 結 合 反 応(CF) 抗体 価 イル ス学 的 検 討 ×128 2段 幽 以 上 の 上 昇:18/38(47.4%) 別分 布 Tablel5,16に 示 す よ うにHSV型 X田 別 分 布 は 男女 別 にみ る と,男 性 で は1型9.8%,2型90.2%で が,女 性 では1型24.2%,2型75.8%で ある X32 あ り,比 較的 x16 1型 が 多 く,こ とに女 性 で よ り高 頻 度 に み られ た.な お初発,再 発 別 に み る と,特 に初 発女 性 で の1型 の頻 x8 度 は27.7%で あ った の に比 し,初 発 男 性 で はや や 低 い X4 が15.8%に み られ た.し か し再 発例 では1型 の頻 度 は μ_ 数%と 少 なか った. Table15.性 器 単 純 ヘ ル ペ ス ウ イ ル ス(HSV)の 1型 〈4 型 初診 計 皿型 治療 2∼3週 後 初齢 :型 治療 2∼3週 後 1型 男性9(9.8%)83(90.2%)92(100%) Fig.7.血 清抗 体価 の変 動(初 発 例) 女性15(24.2%)47(75.8%)62(100%) 計24(15.6%)130(84.4%)154(100%) 好 で,培 養法 で検 出 さ れ た128検 体 の うち蛍 光 抗体 法 (xt:P〈0.e5, Table16.HSV型 で も検 出 さ れ た も の は75検 体(58。6%)の みであっ た, 別分 布 2-3)血 清 学 的検 討 初 再 発 発 Fig.7に HSV-1HSV-2計HSV-1HSV-2計 男(15P、 。)(、 携)蔽0,1蕊 ・ 、 、轟(3472 ペ ア ー血 清 を 検査 し得た 初 発38例 に お け る,血 清抗 体 価 の 変 動 を 補 体 結合 反 応(CF)の 能)(融 、 18例(47.4%)に .3%)(蔽}(133。)(、 ・,、詫長 、 晶)(襯 陥 晶(1巌 子。)(燕)(蔽 、 ・ 結果 で示 す.ペ ア ー血 清 で2段 階 以 上 の上 昇 を示 す ものが み ら れ た.ま た 初 診時 に 低値 を 示 し,そ の ま ま上 昇 のみ られ なか った もの が8例(21.1 %)に み られ た. 3.治 療 学 的 検 討 2-2)免 疫 蛍 光 抗 体 法 と ウ イ ル ス 分 離 培養 法 に よ る HSV検 Table17に 検 出を 両 検査 法 で試 み得 た165株 で 比 較 した 所,HSV型 別 の 同定 結 果 は両 法 です べ て 一 致 したが,両 法 の 陽性 一 致 率 は65 .5%で あ った.培 シ ク ロ ビル錠 の治 療成 績 ア シ ク ロビル錠 の治療 を 行 った51例 の 内訳 をTa- 出頻 度 の比 較 示 す よ うにHSVの 3-1)ア 養 法 に よ る 方 がHSV検 出 率が 良 blel8に ま とめ た. 3-1)一(1)共通 治療 効 果判 定 基 準 に よる判定 性 器 ヘ ル ペス は 自然 治 癒が3∼4週 間 で み られ る た め,薬 剤 の効 果 を判 定 す る には,発 病 か ら治療 開 始 日 390 泌 尿紀 要34巻2号,1988年 Table18.ア シ クロ ビル錠 治 療 症例 の 内訳 Table'20,ウ 症 例 数 男 女 計 年齢 分布 発病 から治療 まで の 日勲(病 12345 20∼29 181836 30∼39 347 325 40∼49 計 治 療 か リ ウ イ ル ス 消 失 ま で の 日 数 242751 症 例件 数 男 女 計 初 再 臨 床型 HSV型 別 発 発 23 26寧 2帥 2喰 HSV1型 5 6 HSV2型 18紳 16零 2紳 6寧 非 検 出例 6 日) 8 9 ≧10 49 4 11 34・ 2 t43 4 1聾 1 事 ・ #2 3 重 重 1① 2 2 5 2② 1 ① { 6 ワ 8 ② 9 ① ≧10 不明 2① 3① 1 3 2 8 伽=ア シクロビル鍵投与症例倣 3① 2 1 ◎=鼎 椴与麿例数 252853 計 除 外 理 由 効繋判定除外例数 副作用判定隙外 ■ ■+の 燃 ・ 著 効 4 爆鍛与騨 投 与 群 く 主治医判定)倒 融 初 治療 日以 降4 来院 せず 観察不 十分2 除外症 例 7 1 33 10∼19 ィル ス の消 失 に対 す る効 果 ・ll+の 効■:cr効 3/30(IO .e%} 0/7`O%) ne!30(66.7%} 0/7(O%) 7/SO(n.3%) 7!7`100%) aSIOO(75.7%) 0!7(e%} *同 一息者で、初発時と樗発時の治療を受けた症例を含む。 *ゆ 同一息者で。再発時の治療を2回 受けた症例 を含む。 [=コ Table19・ 性 器 ヘ ルペ ス 治療 効果 判 定 基 準 (札幌STD研 1.ウ イルスの 消失 に対 す る効 果 総 合 有 効 箪 究 会) 十 十:発 症後5日 十1〃10日 2.皮 疹 に対 す る効 果 ーの効果・無 効 十 十;発 症後10日 十:"15日 以 内 に ウイ ル ス消 失 以 内h した と ころ,ア シ ク 目ビル 錠投 与 群 は 左 上 に,無 投 与群 以 内 に皮 疹 治癒 は右 下 に 分 布 した.無 投 与 群 の ウイ ル ス消 失 まで の 日 以内 趨 数 が発 病 後10日 以降 に 分布 す る こ とか ら,10日 未満 に ウイ ル スが消 失 した場 合 の効 果 を+と 著効 3.総 合臨 床 治療 効 果 1 2 十十 十十 有効 十 十 ∼ 一 十 十一 一 (どち ら か十 以上) 無効 し,さ らに 早 期 の5日 未 満に 消 失 した場 合 の 効果 を++と 定 めた.す る と投 与 群 では ウイ ∼ レス消 失 に 対 し,著 効(十 十)10 %(3130),有 効(+)66.7%(20!30)で 率 は76.7%(23/30)で 合 有 効 率 は0%で あ り総 合 有 効 あ った,まte'無 投 与 群 では総 あ った, 3-1)一(1)-B)皮 疹 の治 癒 に対 す る効 果 まで の期 間 を一 定 に定 め て判 定す る方 法か,ま た は発 Table21に 示 す よ うに縦 軸 に 治 療 開始 目か ら皮疹 病 か ら治癒 日まで の期 間 を治療 開始 まで の期 間 を考 慮 治 癒 ま で の 日数,横 軸 に 発病 日か ら治 療 開 始 日まで の に入 れ て判 定す る方 法 の二 通 りが 考 え られ る.今 回は 日数 を と り,前 項 と同 様 に該 当症 例 を プ ロ ッ トした と 前 者 に よる方法 では 症例 数 が 限定 され るた め,後 者 に ころ,無 投 与 群 は発 病 後15日 以 降に分 布 した .こ のた よ る判定 法 を考 えた.す な わ ちTable19の め 発病 後15日 未 満 に 皮 疹 の治 癒 が み られた 場 合 の 効果 よ うに , よ り客 観 的 に判 定 で き る ウィ ル ス消失 と皮疹 治 癒 の2 つ の 因子 に対 す る効果 に よ り総 合 的 に臨 床 効果 を 判定 した. を+と し,さ らに 早期 の10日 未 満 に 治癒 した 場 合 の効 果 を++と 定 め た.投 与 群47例 で は皮 疹 治 癒 に 対 し, 著 効(++)23.4%(11147),有 この よ うな判 定基 準 に よって総 合臨 床 治療 効果 を評 価 し得た 症 例 数 は ア シ ク ロビル錠 投 与30例 と,コ ン ト ロール の無投 与7例 で あ った. 3-1)(1)一(A)ウ イ ルス の消 失 に対 す る効 果 Table20に じ 示 す よ うに縦 軸 に 治療 開 始 日か ら ウ イ ル ス消 失 ま で の 日数,横 軸 に発 病 目か ら治療 開始 日 ま の 日数 を と り,各 々 の症例 を 該 当す る升 目に プ ロ ッ ト 効(+)48.9%(231 47)で あ り総 合有 効 率 は72.3%(34!47)で た 無投 与 群10例 で は総 合 有 効 率 は0%で あ った.ま あ った . 3-1)一(1)一(C)総 合 臨床 治 療 効果 ウイ ル スの 消 失 に対 す る効果 と,皮 疹 の 治 癒 に対 す る効果 を前 述 した よ うに 組 合 わせ て,総 合 臨 床 治療 効 果 を著 効,有 効,無 効 の3段 階 に定 め た.こ の基 準 に よ り評 価 し得た 症 例 数 は投 与 群30例 と無投 与 群7例 噂 熊 本,ほ か:性 器 ヘ ルペ ス ・ア シ ク ロ ビル錠391 Table21・ Table23・ 皮 疹 の 治癒 に 対す る効 果 発 病 か ら治 療 ま で の 日 数(病 12345678910 総 合臨 床 治 療効 果(ア シ クロ ピル錠 無 投 与群) 副 12113 11 14. 15 ア シ クロ ビル 錠 無 投 与 症 例(コ ン トロ ー ル) 1 治 療 2 ? 4 う 5 皮 6 疹 7 治 8 癒 9 虚疹に幻す番 動渠 3 ウイルスの 測長に対する勧果 { =・u'2.1. 、分 、 な 十 『t2曼i ilI 1,1 1. 1 、'2 .2,t・` 1' ま `董 で の 1 1 十 口 十← ' 十 1 7(100%) 7 1i 1 症例数 7 7(100%) 1 1 日 薮 1 ≧5 ① 口 1 nlア シクロビル錠複与症例敷 百 1 轟 県・ 著 効 驚+の [=]一 燃:有 効 の燃 ・無 効 口 有効 O/7(0%) {臼然治適との 比鮫で整なし} 口 無効 無投与群 11/47`23.4%} 0/10(O%} 23!47(4S .9%) 0/10(O%) 13/47【2ア.7%) 10/10(100%) あ り,Table22に 34/47`72.3%} 繕 合 有 効 寧 有効 率 ⑥;無 幾与症例数 投 与 群 薩+鋤 口 著効 1 筆 7 示 す よ うに ア シ ク ロピル錠 投 与 例 で は,著 効3例,有 効23例,無 効4例 で総 合 治療 有 効 率86.7%(26130)と な った.ま たTable23に 示す よ うに 無 投与 例 は すべ て 無 効に な った, 0/10{O%) 3-1)一(2)主治医 判 定 に よ る治療 成 績 上記 の よ うな詳 細 な検 討 が行 い 得 なか った症 例 も含 Table22.総 合 臨 床 治 療 効 果(ア シ ク ロ ビル 錠 め て主 治 医 が 治療 効果 を 判 定 し得 た 症 例 は45例47件 投 与 群) (うち2件 は再 発)で あ り,著 効37件,有 ア シ ク ロ ビ ル錠200mg×5/日(5日 ゆぼに する 十 や 有 効1件 で有 効 率97.9%(46!47)で 3-2)ア 十 ウイルスの 効果+ト 澗曳に封†る効県 升 間) シ ク ロビル 錠 と3%ア シ ク ロ ビル軟 膏 の 治療 効 果 の 比較 [コ 3(10%) 4 11 発病 か ら皮疹 治 癒 日数 のみ 検討 し得 た 症 例 につ き, 再 発 例 を 含 め て治 療 検討 し た 結 果 をTable24に 20(66。7%) 5 とめ,か つ3%ア 7 (23.3%) 口 鋤 7(23.3%) 3 4 14 (46.7%) 9 (30.0%) 療 法 と,ア シ クロ ピル錠1日lg投 与療 法 の 皮 疹 治 癒 まで の 日数 を 比較 す る と,対 症 療 法 の 治癒 日数 は初 23(76.796) 発 例,再 発 例 と もに1週 か ら4週 以上 と幅広 く分布 す 26/30(86.7%) (自然治竃 との 比較で差なし, ま シ ク ロピル眼 軟 軟 膏 お よび 非 ス テ ロイ ド性 消 炎鎮 痛 剤 な どに よる対 症 3(10%) 口 有効 シ ク ロピ ル軟膏(ア 膏)使 用例 との効 果 の 比較 も行 って み た.抗 菌 剤入 り 症例数 30 有効宰 口繍 効9件,や あ った. るが ア シ ク ロビル錠 投 与例 の治 癒 日数 は1週 か ら3週 4(13.3%} の間 に ピー クを示 し,時 には1週 間 以 内の症 例 も認 め Table24.発 臨床経過 病 か ら 皮 疹 治 癒 ま で の 日数 ≦5678陶1011∼1314∼2021.-2728一 初 対 症療 法 再 対症 療法 発 3%ア シクロビル 軟晋1 例 ア シ クロ ビル 内服2 7107 1 発 3%ア シクロビル軟膏 例 ア シ クロ ビル内服1 計 31 2 910 1 2710 28 21 4 106 38 63 41 29 6 2 泌 尿 紀 要34巻2号1988年 392 られた.な お,3%ア シ ク ロビル軟 膏 に よる治療 で は 4.副 分 類 を 検討 す る必 要が あ ると 考 え る・ 皮 疹 部 の疹 痛 に 関 して は 初 発症 例 を 男 女 別 に比 較 す 治 癒 日数 は 両者 の 中 間 に分 布 した. る と,女 性 の方 が 強 く2・4),全身 症 状 の下肢 疹 痛や 違 作用 ア シ ク ロ ビル錠1日1g.5日 を検 討 し得 た47例(49件)の 間投 与 に よ る 副 作 用 うち,本 剤 に 起 因す る と 思わ れ る 自他 覚 的 副作 用 の 出現 は 認 めな か った.本 剤 和 感,発 熱 に 関 して も女性 の方 が 強 い傾 向が み られ た ・ これ は女 性 外 陰部 の方 が解 剖 学 的 に ウイ ル ス増 殖 が起 こ りやす く局 所 お よび 全 身症 状 が 強 くな るtcめ4考 え 投 与前 後 に 一般 血液 検 査,血 液 生 化 学検 査 を 施行 し得 られ た,ま た 女 性症 例 の20%前 た5例 ビ リル に尿 道 留 置や 入 院 が必 要 とな ったが,男 性 で はそ の よ 上 昇 が み られ た が,こ の症 な症 例 は み られ な か った,ま た 皮疹 の範 囲,鼠 径 リン の うち1例 にGOT(33→79単 ビ ソ(o.7→1.lmgldl)の 位),総 例 は アル コール性 肝 炎 に よる もの で本 剤 との因 果 関 係 後 の症 例 が疹 痛 の た φ パ 節腫 脹 を初 発,再 発例 別に 比 較す る と,初 発 例 で は 両 側,再 発例 で は片 側 に 片寄 る傾 向 がみ られ た 』 これ は否 定 した. は再 発 の機序 と して 初 発 時 に左 右 どち らか の 神経 節 に 考 察 ウイ ル スが 潜 み,何 等 か の き っか け で 神経 を 介 して発 性 器 ヘ ルペ スは 米 国 での 急激 な 増 加が 社 会 問題 とな 病 す る こ とを 考 慮す る と当 然 な のか も知 れ ない,ま た った が,本 邦 で の臨 床的 検 討報 告 は 少 な い.女 性 例 に 女 性 で は 半 数 に 腔 や 尿道 か ら,男 性 で は12%に 関 して は 川名 らの報 告1)が み られ るが 特 に男 性例 で の か らの 分 泌物 を 認 め,腔 ま とま った報 告 は み られ な い.今 回わ れわ れ は 確 定診 れた2・4). 断 し得 た 男 性性 器 ヘ ルペ ス症 例92例,女 性62例 を もと に臨床 的 検 討を 行 い,ま た ア シ クロ ビル内服 に よる治 次 に ウイ ル ス学 的 検討 に つ い て で あ る. HSVの 57)が2型 療 効果 につ い て も検討 した. 尿道 炎 や 尿 道 炎 の合 併 が 示 唆 さ 型 別 分布 で は,初 発 男 性 で は84・2%(48/ で,15.8%(9/57)が1型 で あ った の に対 は じめ に疫 学 的 な検討 に つ い て述 ぺ る, し,初 発女 性 で は72・3%(34/47)が2型 症例 数 の年 次 推移 につ い て で あ る が,札 幌STD (13/47)が1型 で,27.7% で あ った.こ の分 布 は 女性 例 での 川名 研 究会 の一医 院 に おけ る もので は 男女 共 に こ こ6年 間 らの報 告3)の44.9%(149/332)よ りも1型 の頻 度 が低 で確 実 に漸 増 して いた.ま た季 節 変動 で は夏 期 に 多 い 値 で あ った.欧 米 の報 告4)で も,わ れ わ れ の頻 度 よ り 傾 向が み られ たが,そ の理 由 につ い て は不 明 で あ る. 低 いが,近 年,1型 年齢 分 布 では や は り初 発例 で は70%が 性 活 動 の盛 ん な 動 向 につ い て 注 目す る必要 が あろ う.ま た,再 発 例 で 20歳 代 に み られ た.次 に感 染 源 の半 数 以上 が 素人 で あ は95,9%が2型 が 漸増 してい る らしい.今 後 そ の で あ り,1型 は少 な く,1型 は性 器 の り,社 会 一般 の 性生 活 の活 発 化 が伺 わ れ る。 また,依 神 経 節 との親 和性 が低 い5)た め,再 発 が 少 ない の か も 然 と して特殊 浴 場 を介 して の感 染 も多 く,注 意 を 呼び 知 れ ない.ま た,HSV検 か け る必 要 が あ ろ う.男 性症 例 で は包 茎 の頻 度 が 高 く 蛍 光 抗 体法 を比 較す る と,や は り培 養 法 の方 が 検 出率 包 皮 と亀 頭 間 に お け る ウイ ルス の 易 増 殖性 が考 え ら が高 く,蛍 光 抗 体 法 は培 養 法 陽性 検体 の約60%し か 陽 れ,さ 性 とな らな か った.し か し,現 在 臨床 的 に は 単純 ヘル ペ スの診 断 法 は血 清 学 的診 断法 しか な く,ま た 培 養法 らに 皮 疹 を生 ず る部 位 の大 半 は包 皮 に 囲 まれ た 亀 頭,冠 状 溝,包 皮 内 板に 集 中 して いた.潜 伏 期 に 関 出法 では 分離 培 養 法 と直 接 しては 不 明 の場 合が 多 い が川 名 らの報告1)と 同様 に, は 研 究室 レベ ル で なけ れ ば 行 えず,一 般 臨床 では 蛍光 1週 間 以 内 に分 布 していた.ま た,HSV-1型 抗 体 法 は十 分 な診 断価 値 が あ る と考 え られ るた め に そ 罹患 症 例 で は,そ の パ ー トナ ーの 口唇 周 囲 の単純 ヘ ルペ スを 認 め る症 例 が21.4%と 多 く,こ の こ とは 口唇周 囲 の単 の普 及 が望 まれ る. 次 に 血 清学 的 検 討 で は ペ ア ー血 清 を比 較 し得 た初 発 純 ヘ ル ペ スが1型 に よる こ とが多 い ことか ら,oral 例 で は47.4%(18/38)に2段 sexに よ る1型 の感 染経 路 が考 え られた. これ らは初 感 染 と考 え られ た.ま た21.1%(8138)は 階 以 上 の 上 昇を 認 め, 次 に 局所 症 状に つ い てで あ る. 前 後 とも抗 体価 が低 く,抗 体産 生 が 遅 れ て い る のか も 今 回 患者 自身 の 申告 に よ り初 めて の場 合 を 初発,2 知 れ ず,ま た 残 り症 例 は初 め か ら抗 体 価 が 高 く,以 前 度 目以 上 の場 合 を再 発 と分 類 したが,初 発 例 は再 発 例 に不 顕 性 感染 が あ った のか も知 れ な い。 に比 し,症 状 が強 く病 変 も広 範 で あ った.女 性 例 で は 次 に 治 療 につ い て で あ る.今 回 ア シ ク ロ ビル 内服 薬 川名1)t新 村2⊃の分 類 の急 性 型 に相 当す る 症 例 を か な を 使用 す る機 会を 得 た.ア シ ク ロピル は 英 国 お よび米 り含む もの と思 われ る.し か し,症 状が 弱 く病 変 も局 国 の ウエ ル カ ム研 究 所 で 開 発 され,そ の 特異 な作 用 機 所 に限 局 して い る症 例 もみ られ,今 後 これ らの症 例 の 序 に よ りヘ ル ペ ス ウイル スの増 殖 阻 止 に 対す る選 択 性 熊 本,ほ か:性 器 ヘ ル ペ ス ・ア シ ク ロ ピル 錠 が 高 いた め.抗 ウイ ル ス活性 が強 く,しか も安 全性 に優 文 れ て い る6一9).本邦 では 点 滴 静注 用 剤 と 眼 軟膏 剤 が 市 販 され て い るが,両 製 剤 と も使 用 法お よび 適応 の面 か ら性 器 ヘ ル ペ スの 治療 には 不 向 きであ り,内 服 剤 の開 1)川 2)新 低1μMの 血 中 濃度 性 性 器 ヘ ル ペ ス 症.臨 村 真 人,川 3)川 名 名 尚,橋 尚:性 戸 るHSVの が得 られ,単 純 ヘ ル ペ ス ウイル ス1型,2型(Herpe simplexvirus-1,2)に 尚=女 床 と ウ イ ル ス 器 ヘ ル ペ ス,ヘ イ ル ス 感 染 症,森 良 一,川 メ デ ィ カ ル ト リ ビ=一 ン,東 含 有す る錠 剤 で,1日5 回の連 続服 用時 で最 高4μM,最 名 献 13=51-54,1985 発 が望 まれ てい た と ころ であ る.ア シ ク ロビル錠 は1 錠中 ア シ ク ロ ビル200mgを 393 円=女 ル ペ ス ウ 名 尚 編,ll6-136, 京,1986 性 性 羅 ヘ ル ペ ス 症 に お け 型 と そ の 臨 床 的 意 義.第34回 日本 ウ イ ル ス 学 会 総 会 抄 録=3082,1986 起 因 す る単 純 ヘ ルペ ス ウイル ス 4)CoreyL:Thenaturalhistoryofgenital herpessimplexvirus.In:TheHerpes 感 染症 に高 い有 用 性 が期 待 され る.欧 米 で は初 発 お よ び再 発 型 の性 器 ヘ ル ペ スを 含 む,HSVの Viruses,RoizmanBandLopezC,vol4,1-35, PlenumPress,NewYork,1985 皮 膚 粘 膜感 染 症 に有 用性 が 認 め ら れ て お りtO-12),本邦 で もそ の 5)森 有 用性 に つ いて は 新 村13),川 名 ら14)の報 告 が あ る.し か し,治 療 効 果 を 客 観的 に 判 定 す る こ とは性 器 ヘ ルペ ィ カ ル 体 レ ベ ル で の 感 染,ヘ 良 一,川 名 ト リ ビ ュ ー ン,東 ル ペ ス ウ イ ル 尚 編,27-28,メ デ 京,1986 6)schaefferHJ,BeauchampLanddeMirandaP:9-(2-Hydroxyethoxymethyl)guanine スが 自然 治癒 す る こ とと,発 病 か ら受 診 まで の期 間 が 一 定 しな い こ とか ら難 しい .今 回 われ わ れ は前 述 した ように ウイ ル ス消 失 と皮 疹 治 癒 までの 期 間 を,発 病か 良 一=個 ス 感 染 症.森 activityagains匡virusesoftheherpesgroup. Nature272:583-585,1978 7)BironKKandElionGB:Invitrosuscepti・ bilityofvaricellazostervirustoAcyclovir. ら治療 開 始 日と治療 開始 日か ら治癒 まで の期 間 を 考慮 し,総 合的 に 薬 効 を評 価 した と ころ,86.7%の AntimicrobAgcntsChemother18:443-447, 1980 総合治 療 有効 率 を認 め,ア シ ク ロピル 錠 は性 器 ヘ ル ペ スの治 8)ElionGB,FurmanPA,FyfeJA,deMiranda P,BeauchampLandsehaefferHJ:selecti・ 療 薬剤 と して 極 め て有 用 で あ る と考 え た. vityofactionofanantiherpeticagent,9-(2・ hydroxyethoxymethyl)-guanine.ProcNatl 結 語 AcadSciUSA74:5716-5720,1977 9)ElionGB:Mechanismofactionandselecti. 性 器 ヘ ルペ ス154例 の 疫学 的 検 討 と ア シ ク ロビル錠 vityofacyclovir.AmJMed73(lA)17-13, 1982 に よる治療 学 的 検討 を行 った. 1)性器 ヘ ルペ スは近 年 増 加 傾 向 に あ った. 10)BrysonY,DillonM,LovettM,AcunaG, Taylors,cherryJ,JohnsonLandKirk 2)皮 疹 の範 囲 と鼠径 リ ンパ 節腫 脹 は 初 発 で は両 側 に, TC:Successfultreatmentofinitialgcnital herpessimplexinfectionswithoralacyclo・ 再 発 では 片 側 にみ られ る こ とが 多 か った. 3)皮 疹 の性 状 は初 発 では 散 在性 に 広 が り,再 発 で は集 v量r.ClinRes30/1:128A,1982 11)ReichmanRC,BadgerGJ,RichmanDD, oxmanM,ConnorJ,MertzGJ,coreyL, 籏性 に 固 まっ てみ られ る ことが 多 か った 。 LarsonT,BrysonY,TyrrellD,PortnoyJ 4)外 陰部 痛,下 肢 疹 痛,下 肢 違 和 感 な どの局 所症 状 と andDolinR=Treatmentofrecurrenther. 倦怠 感,食 思不 振 な どの 全身 症 状 は女 性 の方 が男 性 pessimplexgenitaliswithorallyadminister・ edacyclovir.22ndIntersciConfAntimicrob よ り高 頻度 にみ られ た. AgentsandChemotherOctober1982;98, 5)発熱,倦 怠 感,食 思 不 振 な どの 全 身症 状 は初 発 の方 6)ウ イル ス型 別 で はHSV・1型 Abstract183,1982 12)NilsenAE,AasenT,HalsosAM,Kinge が再 発 よ りも高 頻 度 に み られ た. BR,TjφttaEAL,WikstrδmKandFiddian は初 発 男 性 で15.8%, AP=Efficacyoforalacyclovirinthctreat. mcntofin五tialandrecurrentgenitalherpes. 初 発 女性 で27.7%に 認 め られ た. 7)直 接 蛍光 抗 体 法 に よる診 断 は,ウ イ ル ス分離 培 養 法 に よ り診 断 され た 検体 の約60%に ]Lancet218298:571-573,1982 13)新 おい て 診断 可 能 で 村 真 人,本 田 康 夫,西 正,吉 あ った. 田 ま り 子,今 嶋 摂 子,吉 田 正 己,占 村 貞 夫,戸 川 邦 彦,畑 部 治 邦,西 田 憲 「 朝 清 一 郎,手 塚 谷 敬 子=単 純 ヘ ル ペ ス ゥ ィ ル ス 感 染 症 に 対 す る ア シ ク ロ ビ ル 錠 の 有 効 8)ア シ ク ロピ ル錠1g/日,5日 療有 効 率 は867%に 間 投 与 の 総 合 臨床 治 達 し,ま た 副 作 用 もみ られ ず, 性器 ヘ ル ペ ス の治 療 薬 と して有 用 性 が高 い と考 え ら れ た. 性.臨 14)川 名 床 医 薬3(2)167-175,1987 尚,橋 Acyclovir経 戸 円=急 性 性 器 ヘ ル ペ ス 症 口 剤 に よ る 治 療 。 第60回 学 会 総 会 抄 録:239,1987 (1987年8月27日 の 日本 感 染 症 迅 速 掲 載 受 付)