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いまや金融街ではなく住宅地?米ウォール街の小ネタ

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いまや金融街ではなく住宅地?米ウォール街の小ネタ
 週刊ダイヤモンド
週刊ダイヤモンド「
ダイヤモンド「金融市場異論百出」
金融市場異論百出」
週刊ダイヤモンド
週刊ダイヤモンド連載
ダイヤモンド連載コラム
連載コラム「
コラム「金融市場異論百出」
金融市場異論百出」2005 年 6 月 18 日号
いまや金融街で
金融街ではなく住宅地?
住宅地?米ウォール街
ウォール街の小ネタ
東短リサーチ
東短リサーチ チーフエコノミスト 加藤 出
今回は、先日出張の際に見てきたウォール街関連の“小ネタ”をご紹介する。
地下鉄広告
地下鉄広告「
広告「最後の
最後の乗車になるでしょう
乗車になるでしょう」
になるでしょう」
ウォール街方面行きの地下鉄に、不思議な広告があった。「This could be the last ride of
this man.(これはこの男性の最後の乗車になるでしょう)」。その下に、黒人男性が地下鉄
の車両の外側にぶら下がっている写真がある。地下鉄に乗る時は中に乗れ、と書いてある。日
本では信じがたいが、そういう事故が時々あるらしい。広告で警告しなければならないのだそ
うだ。なお、別の電車には、子供達に大人気のアニメ「AmiYumi」(日本のパフィーのこと)
の広告がデカデカと貼ってあった。
手数料ゼロ
手数料ゼロ・
ゼロ・キャンペーン
マンハッタン内のあちこちの銀行のショーウィンドに「Free Checking」という広告が目立
っていた。これは、小切手の手数料(或いは口座の最低必要残高)をゼロにしました、という
意味。ある地方銀行がリテールの顧客を新規開拓するためにこの商法を仕掛けたところ、あっ
という間に大手行も追随を始めた。小切手以外にも様々な「手数料ゼロ・サービス」が競うよ
うに強調されている。
日本ではここ数年、銀行が利用者に手数料をかける方向で動いてきたが、米銀間の競争は次
のステージへ移っている。
住宅地に
住宅地になる?
なる?ウォール街
ウォール街
「ウォール街」という言葉は今でも「金融業界」を象徴する言葉だが、“地理的”に金融街
を指していた時代は、実はかなり前に終わっている。多くの金融機関は顧客(大手企業)が集
積するマンハッタンのミッドタウンに移動してしまった。また、セプテンバー・イレブンで恐
怖に晒された金融機関は、マンハッタンから離れ、ハドソン川対岸に移動した(グラウンドゼ
ロの対岸にあるジャージシティーには、そういった企業の受け皿となっている新築オフィスビ
ルが林立している)。
さすがに、ニューヨーク証券取引所とニューヨーク連銀は引っ越さないが、金融機関の流出
によりウォール街周辺のオフィス需要はパッとしない(賃貸料はミッドタウンよりも大幅に安
いのだが)。このため、最近はオーナーがオフィスビルをマンションに改築するケースが相次
いでいる。ウォール街周辺は居住地としては決して便利な環境ではない。しかし、住宅バブル
でマンション価格が高騰している折りだけに、割安な物件ということで意外に人気を呼んでい
る。
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