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Data 数字は語る
年 「割に合わないゾーン」を抜けるには? 1,450 大和総研金融調査部 研究員 是枝俊悟 年収130万∼200万円 「割 合 」 女性 阻 1,150 B 750 45 40 35 30 25 650 20 A 850 年収 130万円未満 D 950 C 1,050 時給︵円︶ 1,250 年収200万円以上 年収130万∼ 200万円 【割に合わないゾーン】 1,350 週当たり就業時間(時間) *1年=52週で換算。大和総研作成 ﹁割のいい﹂働き方だ。 ところが、この女性が働く時間 を週 時間まで増やすか︵B︶、 時給1000円の仕事に転職する か︵C︶のいずれかをしても、社 会保険料の負担のため、手取りは ほとんど増えない。﹁割に合わない ゾーン﹂を抜けるにはこの二つの 同時達成が必要だ︵D︶ 。 週 時間以内の就業で年収20 0万円に達するには、時給は96 2円以上が必要だが、特に地方で はこれを満たすのは難しい。 もう少し長く、もう少し高い時 給で働こうとする女性の出ばなを くじく制度を早急に改め、収入の 増加に応じてなだらかに負担が増 加する制度設計が求められる。 1,550 40 40 必要 時給 年収200万円以上稼 週40時間・年52週働 」 必要 時給 「割 合 抜 962 円 時給 は語る 字 数 収130万円以上となっ た途端に、社会保険で夫 の扶養扱いから外れて負 担が急増し手取りが減少する﹁1 30万円の壁﹂の問題が広く認知 されるようになってきた。 手取りが年収129万円のとき より減少する﹁逆転現象﹂は年収 155万円ほど稼げば解消される。 しかし、年収155万円では年収 129万円を超えて﹁追加的に稼 いだ 万円﹂に税率100%が課 されているようなもので、これで はやる気が削がれてしまう。 年収129万円を超えた分の半 分以上を手取りの増加につなげる ためには、実に年収200万円ほ どまで稼がなければならない。年 収130万∼200万円は、稼ぎ の割に手取りが少ない﹁割に合わ ないゾーン﹂となっており、この 存在が女性のステップアップに深 刻な問題をもたらしている。例え ば、出産を機に退職した女性が、 パートで再就職する場合を考えて みよう。時給800円で週 時間 働けば、年収は124・8万円だ ︵A︶ 。税や社会保険料はほとんど かからず、ほぼ丸々手取りになる Data 26 30 週刊ダイヤモンド 2013/09/20 26