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7月号 79 第9回グループホーム研修会

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7月号 79 第9回グループホーム研修会
No.79
平成15年7月
(社福)あさみどりの会
わ ら び 福 祉 園
〒 470-0224 西加茂郡三好町
三好字西荒田28番地
TEL:0561-34-5975
FAX:0561-34-5976
http://homepage2.nifty.com/asamd
http://www006.upp.so-net.ne.jp/warabi
e-mail:[email protected]
第9回グループホーム研修会に参加して
小池田
緑
6月3・4日に、鹿児島で全国グループホーム研
い人も軽い人も、望む人は皆、地域の中で暮らす」
修会が開催され、行かせて頂きました。開催される
ということを支援の基本にし、「新障害者基本計画」
ホテルへ着き、部屋から窓の外を見ると、窓一面に
に明記されているように、「入所施設は、地域の実情
雄大な桜島が見え、鹿児島に来たんだと実感しまし
を踏まえて、真に必要なものに限定する」ことが大
た。
切だということでした。
噴煙の少ない穏やかな桜島
そのためにも、ホームヘルパーの派遣や、建物の
改造などにかかる、補助金の増額や所得保障など、
制度の拡充を図る必要があるとのことでした。
最後に話された、「一人ひとりのすべての豊かな暮
らしを築くために、たった一度の人生、生まれてき
てよかったと思える人生を歩んでもらうための支援
をやろう。」という、ことばが印象的でした。
次に、横浜のDJと名のる司会の方が舞台にあら
われ、タイガーマスクのテーマ曲とともに映像が流
れ、「タイガー!!タイガー!!」の声かけで、堂園
メディカルハウス院長
今回の研修のテーマは、「新たな時代を迎えてのグ
堂園晴彦氏がタイガーマス
クの面をかぶって登場しました。テーマは「タイガ
ループホームの課題と展望」~一人ひとりの豊かな
暮らしを築くために~というものでした。
まず始めに、福祉ホーム・グループホーム等分科
会座長
小林繁市氏による、基調報告がありました。
小林氏は、「グループホームを障害者福祉の主流に」
をテーマに、主に入所施設から、地域への移行の促
進について話されました。現在、入所施設を利用し
ている方の約5割は、地域に出て暮らすことを望ん
でいます。地域に出て暮らすと言っても、現実問題、
自宅に帰ることや、結婚等は難しく、グループホー
ムが主流になってくるだろうとのことでした。また、
従来の「就労可能な障害の軽い人は地域、重い人や
タイガーマスクの堂園氏
高齢の人は施設」という考え方ではなく、「障害の重
ーマスクに学ぶ自立」。私は、あっけにとられながら
-1-
も、一体どんな話が聞けるのだろうかと、楽しみで
と「手助け」につきる」と話されたのですが、私たち
した。タイガーマスクこと伊達直人は孤児であり、
世話人の仕事は、指導することではなく、その方の
孤児院で生活をしていたが、孤児院を飛び出し、悪
障害を受け入れたうえで、何がその方にとって「幸
役レスラーを養成するジムで悪役として育つ。しか
せな生活か」を考え、実行していくことが大切だと
し、心まで悪にはならなかった。なぜならば、幼い
思うので、そのことばに、とても共感しました。
頃、孤児院で寮母さんに、たくさん愛されて育った
最後に、堂園氏が話されたことなのですが、親や
からだそうです。そこで、「自立と小さい頃の愛」を
職員だけではなく、社会にノックしてもらえるよう
テーマに話は始まりました。幼い頃、たくさん愛情
なグループホームにしていけたらなと思いました。
を受けて育った人は、自分の子どもをはじめ、誰に
分科会は、第4分科会に参加しました。テーマは、
でも同じように愛情持って、接することができるそ
「支援費制度化におけるグループホームの運営と今
うです。21世紀は、社会的孤立や、精神的孤独と
後の方向」というものでした。まず、秋田県心身障
いった病気が増えてきており、愛されることを望ん
害者コロニーの近藤英夫氏の話から始まりました。
でいるが、何かされると「すみません」と言い、「あ
長らく施設で生活を送りその後、地域生活を送って
りがとう」がなかなか言えない人、愛されることに
いる利用者から、地域生活を経験しての「声」を聞
慣れていない人が増えているそうです。
いたところ、「自分の部屋でゆっくりとすごすことが
堂園氏は、がん患者のためのホスピス医療をやっ
できる」、
「食事が温かくておいしい」などとともに、
ておられ、終末期の患者さんと家族の絆を中心に話
「施設にもどりたくない」という、「声」がでたそう
は進められました。患者さんは、医療従事者に対し
です。このような、地域生活の中で「当たり前の暮
て「思いやりの心」を望んでいる。「思いやりの心」
らし」するためには、福祉・医療・行政が、相互の
とは、頻繁に患者さんのところへ行き、話をよく聞
連絡をとりながら、共通の理解・認識をもち、知的
き、共感することだそうです。そうすることで、自
障害を持つ方々の生活の質の向上に努めていかなけ
覚症状や、希望を聞き出すことができるとともに、
ればならない。そのための具体策として様々なこと
より良い信頼関係がうまれるそうです。どれだけ、
があるが、利用者の所得保障が大きな問題だそうで
すばらしい医療技術があっても「温かい心」で接し
す。というのも、いざ、グループホームに移れても、
なければ、風で伝わってしまう。やさしい風を吹か
現実に運営していくには、お金がかかる。この不況
すには、「思いやりの心」で接することが大切。これ
の中、障害者の就職は厳しく、今後の課題だそうで
は、がん患者に対してだけではなく、誰にでもあて
す。次に、高濱園長から、お話がありました。支援
はまることだと思いました。
費制度になり、変わったことを話された後、これか
「がんの告知がなぜ必要か?」の問いかけに対し、
らのグループホームについて話されました。これか
今は、「真実を告げられて大丈夫か」ということがメ
らは、日中活動が、
「一般就労」の中・軽度の方、
「福
インになっているが、これからは、「真実を告げなく
祉的就労」の重度の方、「デイサービスセンター」ま
て大丈夫か」・「真実を知り、どう選択するか」・「そ
たは「就労以外の活動の場」の高齢の方というよう
の選択にどう責任をとるか」がメインになってくる
に、タイプ別運営を行い、それぞれの生活リズムに
そうです。
あわせていくのもよいのでは。ということでした。
また、末期がん患者は、「死」よりも「生きる」
また、今後、重度の障害のある方の入居が増加す
ことを考えており、「生きる」ことへのサポートを望
ると予想されるため、ホームヘルプサービスなどの
んでいる。それに、自分の存在を認めてもらいたい
他の居宅支援サービスや、地域資源の活用を図る必
と思っている。例えば、母親が、がんだとすると、
「が
要があるそうです。重いからこそ地域にでて、地域
んのお母さん」になってしまいがちだが、「お母さん
から刺激をもらうことが大切だそうです。
ががん」であるというように、まずは、その人自身
ただ、制度が大きく変わり、「利用者本位の福祉」
を認めることが大切だそうです。
の実現をしていきたいが、それに見合うだけの収入
このことは、障害をもっている人も同じで、「障害
は、得られないのが現実のため、まずは、経営基盤
を持っている○○さん」、ではなく「○○さんは、障
が確立できる財源確保が必要だということでした。
害を持っている。」というように、その人自身を認め
夜の交流会で、ある施設の職員と利用者による、
ることが大切だと改めて、思いました。
楽器演奏がありました。楽譜もなく、皆それぞれ、
また、堂園氏が、
「人間の担うサービスは「心配り」
自分の思うままに演奏をしているそうです。緊張し
-2-
ているのは職員で利用者は、とても楽しそうに、自
というの仕事の良さや、大切さにも改めて気付くこ
分の楽器を演奏していました。観ている私たちも、
とができました。また、一日余分にお休みを頂き、
楽しくなり、しばらく、聴きほれていました。
鹿児島を満喫することができました。本当にありが
今回の研修で、いつもとは違った角度から、「グル
とうございました。
ープホーム」をみることができたと同時に、
「世話人」
シンポジウム「新たな時代を迎えてのグループホームの課題と展
望」
高 濱
潔
研修会2日目は、厚生労働省山口和彦障害福祉専
保障を考えなければならない。障害基礎年金の見直
門官の講演とシンポジウムがありました。シンポジ
し、身体障害者に視点をおいた優遇措置の改善が必
ウムは、千葉県ゆたか福祉園宮代隆治氏、鹿児島女
要である。雇用、住宅、入所施設並みの支援費、段
子短大教授久永繁夫氏、島根県桑の木園室崎富恵氏、
階的地域移行システム、生活支援センターの増設な
秋田県心身障害コロニー近藤英夫氏と助言に山口専
ど課題は多い。これらの改善により親の持つ不安を
門官を迎え、私が司会を務めました。
解消しなければならない。
宮代氏は、船橋市を中心に施設とグループホーム
以上のシンポジストの発言に対して山口専門官は、
等 15 事業を展開するなかで、入所施設から地域への
流れが施設から地域に向かっているとはいえ、条件
移行に親の理解を得ることに苦労している、行政が
は十分ではない。グループホームの運営の実態につ
重度の障害のある人は入所施設と親たちに思わせて
いては検証すべきことが多い。安心・安全は大切な
きた、入所施設の環境をどんなに良くしても豊かな
ことであるが公的支援には限界がある。地域社会と
暮らしを築くには限度がある、自活訓練からグルー
公式なものだけでなくインフォーマルな関係ができ
プホームへ段階を経て地域で暮らすようにしている。
ることが望ましい。生活支援センターについては、
「障
久永氏は、グループホームでは「ぎすぎす、騒が
害者地域生活推進特別モデル事業」を5月都道府県
しくない世話」が望ましい。支援費制度では、サー
に通知した。この中に地域移行へのステップアップ
ビス提供の基本視点が変わる、指導・訓練の従来の
事業も入っている。これを夢物語に終わらせないよ
施設サービスの方法をのりこえなければならない。
うにしてほしい。地域生活体験について、神奈川県
グループホームは、安心・安全が保障されるばであ
や兵庫県が事業化した。重度の障害のある人や高齢
るべきで、そのために、運営主体と世話人の役割分
化した人のグループホームには金がかかる。その金
担を明確にして協働する必要がある。
をどこからもってくるのかが課題である。長野県が
室崎氏は、約 30 年にわたる取り組みを話された。27
県単費でグループホームの建設補助をはじめた。コ
年前に民間ホームを開設し地域生活支援に着手した。
ロニー西駒郷の解体も検討している。地方分権でこ
その後、生活体験ホーム、自律訓練センター、生活
のような変化が次々に出てくるだろう……。と助言
支援ワーカー、ジョブコーチなど制度化される前か
されました。このあと、所得保障の問題、地域社会
ら実践を重ねてきた。入所施設から地域移行には、
との交流などについて議論が交わされました。
こうした事業を組み合わせて一人ひとりにあったプ
研修会終了後、市内循環バスに乗って、先回来た
ロセスを大切にしていく必要がある。
時できなかった西郷隆盛像に対面してきました。
近藤氏は、知的障害者が地域で暮らすための所得
島で開催され、園長と小池田緑が出席しました。
11 ~ 12 日
6月のできごと
14 日
東京で全国施設長会が開催されました。
「第 41 回心身障害問題を考える集い」が朝
日ホールでありました。川崎医療福祉大学学長岡
2~6日
山の家合宿にB班が出かけました。梅雨
田喜篤先生の講演と理事長との対談がありました。
入り前で晴れた日が続きました。
2~4日
22 日
父親懇談会を開催しました。併せて自立援助
第9回全国グループホーム研修会が鹿児
を進める会の総会を開き、支援費制度移行後のグ
-3-
ループホームの運営や従来からの申し合わせ事項
3
日
保健所による査察指導があります。
の見直し等について協議しました。役員は留任。
5
日
あさみどりの会職員全体研修
終業後、皆勤賞等の贈呈、夏のボーナス支給。
10 ~ 11 日
23 日
あり山口雅之が出席します。
振替休日です。
26 ~ 27 日
東海地区職員研修会が三重県鳥羽市で
東海地区施設長会(豊橋)に園長出席。
12日
わらび夏まつり
27 日
学習会(C)・誕生会
19日
しんいけ盆おどり
29 日
ノーマライゼーション運動会(愛知大学)。
21日
休日(海の記念日)
22日
愛知県教育センターの中堅職員研修に園長
が出かけます。
7 月 の 予 定
22 日~8月 22 日
27日
山の家合宿(6月)のみなさん
7
月
夏期実習を受け入れます。
かわせみの会トマト収穫祭があります。
心身障害問題を考える集いで岡田喜篤氏の講演
の
献
立
予
定
日
曜
献立の内容(都合で変わることがあります)
1
火
ごはん、煮込み野菜ハンバーグ、キャベツのサラダ、大豆とジャコの揚げ物、ぶどう
2
水
ジャコとたくあんの混ぜごはん、ポテクリコロッケ、叩きキュウリのピリ辛、みそ汁、ヨーグルト
3
木
ロールパン、カレーシチュー、コーンサラダ、カボチャとツナのピーナッツ和え、オレンジ
4
金
ごはん、鮭のムニエル、里芋のおろし和え、みそ汁、コア
7
月
海苔佃煮ごはん、塩サバ、小松菜と油揚げの煮浸し、みそ汁、コア
8
火
皿うどん、カボチャのキッシュ、いんげんの天ぷら、バナナ
9
水
ごはん、さやいんげんのゴマ浸し、卵入り油揚げ煮、ヨーグルト
10
木
うな丼又はハヤシライスの選択、冷やしそうめん椀、とうもろこし、フルーツヨーグルト
11
金
お弁当
14
月
簡単ちらし寿司、ハムステーキ、もやしの中華サラダ、松茸の香りの吸い物、イチゴのコア
15
火
ごはん、カジキのフライ、切り干しのシャキシャキ和え、トマトとオクラの土佐じょうゆ、みそ汁、ぶどう
16
水
ぶっかけそうめん、豆腐の肉みそかけ、里芋のとも和え、バナナ
17
木
ごはん、豚肉のトマトクリームソース、人参とごぼうのキンピラ、わかめサラダ、ふわふわ汁、ヨーク
18
金
揚げ海苔丼、イカバーグ、長芋の梅和え、みそ汁、コーヒーゼリー
22
火
カツカレー、ツナサラダ、えんぴつソーセージ、アシドミルク
23
水
ごはん、タラのホイル焼き、はんぺんとレンコンの甘辛いため、キュウリの酢の物、豚汁、コア
24
木
かき揚げ丼、大根の卵とじ、かまぼことキュウリの和え物、みそ汁。ティラミスもどき
25
金
ごはん、味付け海苔、サンマの梅煮、長芋の酢の物、冷や奴(モロヘイヤ)、みそ汁、みかん
28
月
焼き肉スパゲッティ、ごぼうのごましゃぶサラダ、コーンチャウダー、バナナ
29
火
ごはん、鶏もも肉のきのこソース、小松菜とナメコのおろし和え、みそ汁、ゼリー
-4-
30
31
水
ロールパン、揚げタラとポテトのカレー和え、マカロニサラダ、コンソメスープ、ヨーグルト
木
ごはん、揚げ豆腐の辛味あんかけ、油揚げとくるみの甘味噌、じゃこおろし、みそ汁、スイカ
-5-
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