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慎重に利下げを開始したブラジル中央銀行
楽読 (ラクヨミ) 2016年10月20日 Vol. 1,155 慎重に利下げを開始したブラジル中央銀行 ブラジル中央銀行は10月19日、2012年10月以来となる利下げを金融政策委員会で決定し、2015年7月か ら14.25%としてきた政策金利を14.00%へ引き下げました。市場では0.25ポイントの利下げを見込む向きが 優勢だったものの、0.5ポイントの利下げとの予想も少なからずありました。このため、利下げ決定後、ブラジ ル・レアルは対米ドル、対円ともにやや強含みとなりました。なお、同日のブラジル株式相場は、利下げ発表 前に下落して引けましたが、主要株価指数は利下げ期待などから、約4年ぶりの高値水準となっています。 中央銀行は声明で、今回の利下げに始まる一連の金融緩和は、緩やかで段階的であるべきとの見解を示 しました。その背景として、高インフレが続いた影響などから、インフレ率や人々の物価見通しの改善に長い 時間を要する可能性があること、さらに、財政支出の抑制に向けたこれまでの議会の動きは評価するものの、 政治面に不透明感があることなどを挙げています。金融緩和を慎重に進めるとの中央銀行の意向を踏まえ ると、年内最後となる、次回11月の金融政策委員会で追加利下げが行なわれる場合、その幅は0.25ポイント にとどまる可能性が高いと考えられます。ただし、中央銀行は、インフレ率の改善ペースが高まる場合や、財 政健全化や経済改革などに向け、政府・議会の動きが鮮明になるような場合には、利下げがより大幅になる 可能性があるとしています。 ブラジルでは、ルセフ大統領の職務停止・弾劾成立などに伴ない、企業・家計の景況感が改善するなど、景 気底打ちの兆しが見られるようになっています。また、貿易黒字の拡大に伴ない、経常赤字の縮小が進んで いるほか、原油をはじめとする主要商品の市況が持ち直していることなどもあり、ブラジル・レアルは今年、対 米ドル、対円で堅調な上昇を示しています。今後、予想される利下げの効果なども加わり、景気見通しが一 段と改善すれば、同国の中長期的な成長性や金利水準の高さなどへ投資家の注目が再び集まると期待され ます。 (16年まで:4.5%±2%ポイント、17年:4.5%±1.5%ポイント) ブラジルの主要指標の推移 20 (%) (2013年1月~2017年12月*) *予想は四半期ベース 政策金利 15 消費者物価指数 ブラジル・レアルと原油先物価格の推移 55 (円) (2013年初~2016年10月19日) 対円(左軸) (レアル) 対米ドル(右軸) 1.5 50 2.0 45 2.5 (前年同月比) 40 10 5 市場予想 インフレ目標** 3.0 レアル高 3.169 レアル安 32.63 35 3.5 30 4.0 25 4.5 (米ドル/バレル) 0 140 110 -5 80 **16年まで4.5%±2%、 四半期GDP 50 17年は4.5%±1.5% (前年同期比) 20 -10 13年 14年 15年 13年 14年 15年 16年 17年 信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 市場予想 WTI原油先物 51.60 16年 ※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。 ■当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘 資料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料 作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建 資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことが あります。投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付 目論見書)をご覧ください。 1/1