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知の知の知の知 - 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
い~な あまみ 中 央 しらさぎ さくら 大阪+知的障害+地域+おもろい=創造 知の知の知の知 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所情報誌通算 1668 号 2013.12.3 発行 ============================================================================== 刑罰より福祉を 犯罪繰り返す高齢者、起訴猶予に 札幌地検、初の判断 北海道新聞 2013 年 12 月2日 無銭飲食をしたとして詐欺の疑いで逮捕され た70代男性について、札幌地検が11月下旬、 起訴猶予処分にしていたことが分かった。男性 は身寄りがなく、生活苦で同じような犯罪を繰 り返してきた「累犯の高齢者」。本来なら起訴さ れ、実刑もありうるケースだが、地検は刑罰で はなく、福祉の支援を受けながら社会復帰する ことが再犯防止につながると判断した。 窃盗などを繰り返す高齢者や障害者が増え 「刑務所の福祉施設化」が社会問題化している。 こうした中、長崎地検が全国に先駆けて昨年か ら捜査、公判段階で、起訴猶予処分を選択する などして高齢者らを福祉に橋渡しする「入り口支援」を始めた。刑罰より福祉―の流れは 全国に広がっており、札幌地検にとっては今回の起訴猶予処分が初の入り口支援だ。 関係者によると、男性は今年夏に出所。民間の自立支援施設が借りた札幌市内のアパー トで1人暮らしを始めた。だが、11月上旬、飲食店で代金数千円を支払わなかったため 逮捕された。男性は生活保護費で生計を立てていたが、すべてギャンブルに使ったという。 逮捕を受け、この施設が「男性は同じような罪で何十回も刑務所を出入りしている。刑 務所ではなく、自分たちの施設で男性を更生させたい。被害者との示談も済んでいる」と 検察側に要請した。 (生活部 佐藤一) <えりのあ とちぎ元気アップ>激しさと躍動感実感 障がい者スポーツを体験 東京新聞 2013 年 12 月 2 日 シッティングバレーボールの金田選手(右)とえりのあさん 栃木の耕運機こと、えりのあだっぺ♪ いよいよ師走! みなさんは年賀状の準備もそろそろ始 めているかな? 年末が近づくにつれて、そわそわした感 じもあるけど、街にクリスマスのイルミネーションが飾ら れはじめてきたよね♪ そんな中、十一月二十四日、宇都宮市にあるとちぎ福祉 プラザで「障害者スポーツフェスタ」が開催されました。 障がいのある人もない人も共に参加できるスポーツとして、えりのあも車椅子バスケッ トボールや、床に座ったまま行うシッティングバレーボールなど、いろいろな障がい者ス ポーツを体験してきたので、その模様をご紹介します♪ ところで、みなさんは障がい者スポーツと聞くと、どういうイメージを持つかな? 今回、ロンドンパラリンピック・シッティングバレーボール女子日本代表の金田典子選 手に、お話を伺いました♪ 金田選手は「障がい者スポーツって、なよっとしていると思われがちだけど、実は激し いスポーツなんだよ!」と話されていました。 実際に、えりのあも体験してみたら、体と体がぶつかりあって、躍動感が感じられ、ま さにアスリートって感じだったよ! 全盲の方と卓球で真剣勝負した時も、えりのあは目を隠さずに戦ったんだけど、全然勝 てなかったんだ。 競技によって違いはあるけど、卓球の場合、目が見えない方は、球の中に入っている鈴 の音を頼りに、球を打ち返したり、ラケットを振ったり、相手の声を頼りに体を動かした りするんだ。 改めて、人間の持つ聴覚や触覚など、五感のすごさを目の当たりにしました! また、金田選手は、 「障がい者が近くにいることが当たり前になることで、健常者との境 がなくなると思うから、どんどん外に出て知ってもらおうと努力している」と言っていま した。考えさせられるねー。 おや!? もう、お別れの時間となってしまいました! また来月、このコーナーで、 お会いしましょう! えりのあでした! バイバ~イ♪ (シンガーソングライター) 貫地谷さん「くちづけ」語る ちちぶ映画祭GPは「LR 未知なる道」 埼玉新聞 2013 年 12 月 2 日 映画「くちづけ」について語る貫地谷しほりさん(中)と共演 の屋良学さん=1日午前、秩父市熊木町の秩父市歴史文化伝承 館2階ホール 秩父を舞台にした短編映画祭「ちちぶ映画祭~巡礼 ~」 (埼玉新聞社ほか後援)が11月30日、12月1 日の2日間、秩父市内で初めて開催され、特別招待作 品「くちづけ」主演の俳優貫地谷しほりさんが1日、 秩父市熊木町の歴史文化伝承館でトークショーを行っ た。 くちづけは本庄市を舞台に知的障害のある娘と父親の親子愛を描いた作品。 貫地谷さんは「空気がピンとしていて、肌がきれいな人が多いのでは」と初めて訪れた 秩父の印象を語り、 「くちづけは私にとって大切で、すごくつらい“学び”をすることがで きた場所。答えがなかなか見つからないテーマだが、思いをぶつけることが世界が変わる 一歩。ちちぶ映画祭という場所で上映させてもらい、うれしく思っている」とあいさつし た。 1日午後5時ごろからは、秩父市宮側町のイタリアンダイニング&カフェ「トラゲット」 でクロージングセレモニーが行われ、上田清司知事や女優の高樹澪さんら関係者が臨席す る中、優秀作品賞を発表。 グランプリは松本卓也監督の「LR(LostRoad)未知なる道」が受賞し、審査 員特別賞は翔太郎監督の「祈り」 、観客賞には内藤隆嗣監督の「恋は考えるな、愛は感じろ」 がそれぞれ選ばれた。松本監督には賞金150万円が贈られた。 障害者の性テーマ米映画「セッションズ」 R18+に反発・疑問続々 東京新聞 2013 年 12 月 3 日 身体障害者の性を描いた米国映画「セッションズ」(ベン・リューイン監督、六日公開) が、日本の映画倫理委員会(映倫)の審査で「R18+」(十八歳未満は観覧禁止)に指定 され、この映画を東京国際映画祭や試写会で見た人の間から、反発や疑問の声が上がって いる。 (井上喜博) 映画は六歳の時にかかったポリオ(小児まひ)が原因で、首から下がまったく動かなか った詩人でジャーナリストのマーク・オブライエンさんの実話を基に作られた。 三十八歳のマーク(ジョン・ホークス)はヘルパーに介助されながら自立した生活を送 っていたが、心身ともに女性を愛したいと願い、セックス・サロゲート(代理人)のシェ リル(ヘレン・ハント)から指導を受ける。マークの真剣な姿に、最初は婚外交渉に反対 していたブレンダン神父(ウィリアム・H・メイシー)も応援に回り、シェリルも仕事を 超えた感情を抱くようになる。 全裸を惜しげもなく披露したヘレン・ハントは、この作品で本年度のアカデミー賞の助 演女優賞にノミネート。作品自体も、昨年のサンダンス映画祭で観客賞と審査員特別賞を 受賞するなど数々の賞に輝き、十月の東京国際映画祭では特別招待作品として上映された。 この映画を審査した映倫は「大人向きの作品で、極めて刺激の強い性愛描写並びにヘア ヌード、性行為に関する会話と図解がみられる」として「R18+」に指定。ちなみに米 国は「十七歳以下は保護者の同伴が必要」、英国は「十六歳以上」、デンマークやスウェー デンは制限なし、と各国で対応が分かれている。 映倫のレーティング(区分指定)に対し、ツイッターでは「フルヌードはあるものの許 容範囲。レイプや過激なシーンが出てくるわけでもない」「この映画をわいせつだとか買春 を助長してるとしか見られないのって、相当偏ってると思う」などといった反対意見が続 出。 映画評論家の北川れい子さんは「明るいストーリーの中に、身体障害者の性の問題を描 いてみせた。性を求めることはすなわち、生きることへの欲求であることを教えてくれる」 と指摘し、 「作品全体を評価するのではなく、リアルな性愛描写だけを取り上げて、しゃく し定規に判定するのでは意味がない。十七歳以下の若者がこの映画を見られないのはとて も残念です」と話している。 映倫 表現の自由を守り、青少年の健全な育成を図ることを目的に、映画界が自主的に 設立した審査機関。1956年に現行の組織となり、2009年には名称を映倫管理委員 会から映画倫理委員会に改めた。委員は有識者が務め、現在の委員長は大木圭之介・椙山 女学園大文化情報学部教授。映倫の審査を受けた作品は題名の右下などに「映倫マーク」 を付し、これがない映画は一般の劇場では上映されない。 障害者いきいき、化粧品用クマタケラン出荷 大和村の学校跡 南日本新聞 2013 年 12 月 2 日 化粧品の原料になるクマタケランの出荷作業に励む参加者=大和村戸円 の戸円小中学校跡 大和村に住む障害者たちが共同作業で収穫、出荷したショウ ガ科の植物、クマタケランを原料にした化粧品が11月、発売 された。作業場は廃校に なった戸円小中学校を活 用し、ボランティアのほ か地域住民も協力。生き がいづくりと社会参加の 取り組みが商品となって 実を結び、メンバーは「今 後の活動にも弾みがつく」と手応えを感じている。大 和村産のクマタケランを原料にした化粧品=大和村戸円 化粧品の原料のクマタケランは、ゲットウに似た植物。ポリフェノールを豊富に含み、 抗菌作用があるとされ、葉は団子や餅などを包むのに使われる。 作業は、学校跡周辺に生えている株や農家から提供されたものを集荷し、葉と茎に分け て洗い、拭き、カットする。東京都町田市の化粧品会社「シェルゥーム」が買い取り、加 工する。同社の浜崎哲義社長が同村出身で、支援事業とタイアップすることになった。 「障害者の高校進学を」 実現させる会、25年の記念集会 千葉 千葉日報 2013 年 12 月 02 日 障害者の保護者らが高校入学への苦労などを語り、障害のある人 の高校教育実現を願った=1日午後、千葉市中央区の県教育会館 障害者の高校進学を支援する「千葉『障害児・者』の 高校進学を実現させる会」は1日、千葉市中央区の千葉 県教育会館で同会発足25年の記念集会を開催。障害児 の母親や元県教委職員が当時の苦労などを語った。 同会は、知的障害や筋肉の障害で受験が困難な子ども の「高校に行きたい」という願いを実現させるために、 障害者の親を中心に1988年に発足。「0点でも高校 へ」を目標に県教委との話し合いを重ね、障害児の受け入れへの理解を進めていった。こ れまでに109人が県内の公立高校に合格した。 集会には、同会の支援を受けた高校卒業者を含め約120人が参加。 リレートークでは、重度の知的障害で高校入学に3年間浪人した息子を持つ女性(64) は「高校の行事に参加させてもらった時に息子の顔が輝いていた。本当に高校に行きたい んだと感じた」と多くの子どもが高校入学への強い思いがあることを強調した。 権利としての福祉を 障全協全国集会に300人 しんぶん赤旗 2013 年 12 月 2 日 300人余りが参加した障全協第 47 回全国集会であいさつをする中内会長 =1日、東京都渋谷 「憲法を守り、社会保障の破壊を許さず、 『権利としての福祉』 の実現をめざそう」と、「障害者の生活と権利を守る全国連絡協 議会」 (障全協)の第47回全国集会・中央行動が1日、始まり ました。全国から300人余りの障害者や関係者らが参加。2日 まで。 1日の全体会で中内福成会長があいさつし、日本政府の国連の 障害者権利条約批准が近いことにふれ、「批准後、その精神をい かし、障害者が地域で暮らすための要望を訴え、理解してもらう ことが重要だ」と述べました。 「障害者が65歳になると、それまで利用していた障害福祉施策ではなく介護保険を優 先して使わなければならないのは違憲だ」として訴訟を起こした岡山市の浅田達雄さん(6 5)と、提訴を計画する愛知県一宮市の舟橋一男さん(65)が思いを語りました。 9分科会が開かれ、障害児・者の暮らしの場の分科会では、「脱施設」の流れがある中、 障害者が安心して地域で暮らせるための入所施設のあり方について討論。障害児支援に関 する分科会では、児童福祉法の改正・実施で障害児支援の制度が激変する中で、子どもた ちの発達保障のあるべき姿について議論しました。 一橋大学の渡辺治名誉教授が記念講演をしました。 東日本大震災、ボランティア多様化へ 兵庫勢も活躍 神戸新聞 2013 年 12 月 3 日 岩手、宮城、福島県のボランティア活動者数 兵庫県から被災地を訪れたボランティアが催したお茶会=10月30日、宮城県登米市の仮設住宅(ひょ うごボランタリープラザ提供) 東日本大震災は4日で発生から千日目を迎える。岩手、宮城、福島の被災3県では今な お、月に1万人程度のボランティアが活動している。必要とされる分野はがれき撤去など の力仕事から、仮設住宅の住民との交流や見守りなどに変化。多様化する被災者のニーズ をとらえ、継続的な支援に取り組んでいる。(上田勇紀) 全国社会福祉協議会が3県の災害ボランティアセンターを通じて把握した月別の活動者 数は、2011年5月の18万2400人がピーク。今年1月には4800人まで減った が、再び増加に転じ、今は1万人程度で推移する。 発生直後の活動の中心は、がれき撤去や泥かきなどだった。今はそうしたニーズは少な くなり、被災者の要望をすくい取る努力が必要になっている。 岩手県野田村には青森県などから毎月約50人が通い、お茶会や子ども向けの学習支援 を続ける。同村社会福祉協議会は「来てくれる人は減り、固定化しているが、住民と顔な じみになってとても喜ばれている」 。宮城県名取市の復興支援センターは「ボランティアか ら『こんなイベントをしたい』という提案をもらい、住民に紹介するスタイルが定着しつ つある」と指摘する。 兵庫県内からのボランティアも活躍している。篠山市の障害者支援団体「いのちのうた」 の山中信彦代表(58)は年に2回、福島第1原発周辺からの避難者が多い福島県いわき 市に通う。先月末から今月2日にかけても市民ら36人で訪れ、歌声喫茶や炊き出しを行 った。 「避難者は『いつ帰れるか』と不安な気持ちを抱いている。心の復興のために、これ からも通い続ける」 ひょうごボランタリープラザ(神戸市中央区)のバスでは、今年4月以降だけで112 6人が被災3県に入った。今後は、仮設住宅から公営住宅などへの引っ越し作業のニーズ が高まるとみられる。 同プラザの高橋守雄所長代理(65)は「ボランティアがやることはまだまだ出てくる。 阪神・淡路大震災を経験した兵庫に期待される役割は大きい」と力を込める。同プラザの ホームページでボランティアの募集状況などを確認できる。 心の病抱える人のフットサルチーム、苦手なチーム運営「社会」への一歩(中) 神奈川新聞 2013 年 12 月 2 日 つくづく人に疲れた。5年前、大手企業への転職成功に、 第1子誕生が重なった。一家を支える大黒柱として、東京 都町田市の会社員ヨシキさん(仮名=35)はやる気に満 ちていた。 全国から17の精神障害者フットサルチームが集まった大阪・スカン ビオカップ=11月9日 上司とそりが合わなかった。 「雑用から何からすべてを押 しつけられて」 。最初は腰にきた。次は腹痛だった。起きられない日がだんだん増えた。う つと診断された。わずか1年半。新たな船出への期待から、残酷な落差だった。 一度は復帰しようとした。その上司が言った。「お前、今度は休むんじゃねえぞ」。信じ られなかった。誰のせいでこうなったのか、と。もう無理だった。 横浜市で活動する精神障害者フットサルチーム「FCぽると」を知ったのは、そのころ だった。いまから2年前の話だ。 同じ悩みを持つ人たちがいた。ここでしか話せないことがあった。 「こんな上司がいてさ」。 似たような目に遭った仲間がいた。深くうなずいてくれた。気持ちが軽くなった。 サッカーがうまく、回復しつつあったヨシキさんは、チームメートから頼られた。 「ああ、自分は一人じゃないんだと。人間は生きている限り、本当の孤独はないんだと 分かった」 見ず知らずの人に抱くようになっていた恐怖心が薄れていった。春から就職活動を始め た。夏には内定をもらった。チームの「卒業」を考え始めた。 11月の大阪遠征を目指すチームにとっては、うれしくも悲しい別れだった。中心選手 のもう一人も病状の悪化で再入院し、離脱。ゴールキーパーも体調がすぐれず、仕事にも 行けなくなっていた。 おれたちは本当に、大阪に行けるのだろうか-。 チームは、精神疾患を抱える患者自身が運営まで行っている。設立のきっかけをつくっ た横浜市職員らのサポートはあるが、練習場所や試合相手の確保など、できる限り自分た ちでやるのがルールだ。 そこはコミュニケーションが苦手な者同士、話し合いは遅々として進まない。 大阪遠征を3カ月後に控えたミーティングでは、メンバー不足に備えて都内のチームに 助っ人をお願いしようと決まった。 でも交渉は誰が行く。 「僕にはちょっと無理」 連絡はメールか電話か。 「知らない人にいきなりコンタクトするのは怖い」 ならばまず相手の練習に出向いてみたら。 「でも誰にどうやって切り出せばいい」 一向に決まらない。 プレーのコーチをしてきた記者だが、運営は基本的にノータッチだ。でも、つい口を出 したくなる。 「そんなの、まずは会って話してみないと何も進みませんよ」 精神障がい者スポーツ国際化実行委員会の事務局長を務める田中暢子・桐蔭横浜大准教 授は、 「でもそれを患者本人にやらせることが大切なんです」と語る。 「支援者や専門職が障害者のためによかれと思ってやってあげることが、彼らの『でき ない』を固定化してしまう場合もある。一度自信をなくした人たちが、自分で解決するか らこそ自信の回復につながる」 世界でもいち早く、20年以上前から精神障害者スポーツに取り組むイタリアでも、患 者同士のコミュニティーが重視される。精神障がい者サッカー推進協会会長のルロ・サン ト医師は、 「そこは一つの社会のようなもの。ピッチに出て行くために人との関わり方を学 んでいく。それが社会的スキルを上げる訓練ともなる」と話す。 結局、都内のチームから助っ人を借りる算段をつけたのはヨシキさんだった。3人の加 勢が決まり、大阪遠征のめどが付いた。 「人間関係など『面倒くささ』は、どこに行ってもついてまわること。だからチーム運 営に携わることで、対人ストレスへの耐性を付けていってほしい。僕にはいい訓練になっ た。それに僕ら患者にとっては、一人じゃないってことが本当に大事なんです」 ヨシキさんはいま、新しい職場で働く。海外出張に備えて英会話も勉強中だ。 「うまくい かないこともある。でもいまは、まあいいじゃんと思える」と笑った。 ◆普及に環境整備急務 障害者スポーツ全般を研究する桐蔭横浜大の田中暢子准教授は、「スポーツに関して言え ば身体、知的障害に比べ精神障害はあらゆる面で遅れている」と指摘する。 身体、知的障害はそれぞれパラリンピック、スペシャルオリンピックスがあるが、精神 障害は国際大会自体がない。 国内で推進委員会が立ち上がったのは1999年。バレーボールから広がり、全国障害 者スポーツ大会の種目に加えられたのは2008年のことだ。 フットサル・サッカーは近年急速に普及し、今年7月に「日本ソーシャルフットボール 協会」が設立され、10月には初の全国大会が開催された。田中准教授は「発展途上で統 一ルールもない中、全国大会の開催によって一つのモデルを示せたことは大きい」と話す。 課題もある。身体、知的障害と比べて精神障害は回復する人も多く、症状も多岐にわた るため「クラス分け」が難しい。例えば車いすバスケットでは、障害の程度に応じて選手 に点数を付け、1チームの合計ポイントに枠を設けることで公平性を担保している。 精神障害では同様の手法を採るのが困難で、チームのレベル差が一つの大会の中ではっ きり表れてしまう現状がある。普及のためには、レクリエーション目的の大会と競技志向 の大会を選べる環境も必要だ。 厚生労働省も、11年から精神障害者スポーツの実態調査に着手。田中准教授は「学生 に講義をすると、精神障害の話をわが事として聞く。それだけ身近な問題ということ。治 療・回復にスポーツが有効なのは確かだが、まだ患者本人に十分情報が行き届いていない。 参加のきっかけをいかにつくっていくかが今後の大きな課題だ」と話している。 障害者スポーツ2冠&連覇 千葉の吉岡さん 朝日新聞 2013 年 12 月 3 日 吉岡秀明さん 東京で10月に開かれた第13回全国障害者スポーツ大会で、成田国 際空港会社エアライン事業部の吉岡秀明さん(39)がジャベリックス ローと砲丸投げの2種目(いずれも障害区分14、年齢区分1)で優勝 した。それぞれ昨年に続く連覇だ。 障害者選手の拠点整備へ=国立リハセンターの活用検討-政府 時事通信 2013 年 12 月 2 日 政府は2日までに、2020年東京五輪・パラリンピック開催に向け、パラリンピック の日本代表候補選手専用のトレーニング拠点施設を新設する方向で検討を始めた。埼玉県 所沢市の国立障害者リハビリテーションセンター敷地内に施設を建設する案などが有力だ。 <清流>知恵もしぼった特産品 読売新聞 2013 年 12 月 3 日 高知 NPO法人「日高わのわ会」 (日高村)が作ったトマトソースには、主婦の知恵が詰まっ ている。 使われているのは「シュガートマト」。糖度が高い村の特産だ。主婦たちは家事や育児の 合間に農家を手伝い、熟れて出荷時期の過ぎたトマトを「もったいない」と買い付けた。 トマトソースにして、会が経営する喫茶店でパスタに使ったら評判に。瓶詰で販売を始 め、1人分のパック詰めもできた。 食べてみると、甘みが濃厚だ。今では商品にピザソースやジャムが加わり、東京や台湾 でも好評という。 会に関わるのは42人。主婦だけではない。昼間、村に残っている障害者やお年寄りも いる。 事務局長の安岡千春さんは「ここではみんな、できることをできる時にやる“主役”なんで す」とほほ笑む。 お歳暮やクリスマス商戦のこの時期、新たな試みが始まる。児童養護施設を出た若者の 大学進学を支えるNPO法人「タイガーマスク基金」(東京)とのタッグを組んだ。 トマトソースなどの詰め合わせ(3000円)を買えば、3割が同基金への寄付に回る。 チャリティーではTシャツ購入がおなじみだが、「もう1枚」とは、なりにくい。「あげ るのも、もらうのも食べてなくなり、定期的に使うものがうれしい。高知の特産を使って 人助けにつながるなら、なおうれしい」と安岡さん。 ここでも、主婦感覚が生きている。 問い合わせは、わのわ会(0889・24・4004)へ。(奥村健一) カピバラの菓子を商品化! 長崎新聞 2013 年 12 月 3 日 ソフトクッキーや木製クラフトがセットになった「カピバラお風呂」=西海 市、長崎バイオパーク 佐世保市重尾町の菓子店「草加家」 (?木龍男社長)は、長崎バイ オパーク(西海市西彼町)で人気のカピバラをモチーフにした同園 のオリジナル菓子を商品化。カピバラファンの注目を集めている。 カピバラ25匹を飼育している同園。カピバラの肌の乾燥を防ぐ ため、2008年から露天風呂を導入し、湯に漬かるユーモラスな 姿が人気。 菓子名は「カピバラお風呂」 (840円)。風呂おけ形のパッケー ジに、煮大豆、カボチャ、きな粉、小麦粉を主原料に練り合わせた ソフトクッキーが4個入っている。形や色合いは、雄のカピバラの 鼻の上にある突起物「モリージョ」をイメージし た。 北松佐々町の障害者就労支援施設「つばさ作業所」で制作されたカピバ ラ形の木製クラフト(直径約5センチ)も1個入っている。 草加家でも販売。?木社長は「乳製品、卵、添加物を使っておらず、誰 でも安心して食べられる。カピバラづくしの逸品を楽しんで」と話した。 「手をつなぐ」12 月号の表紙の絵は、おおさか手をつなぐ育成会 支援センターい~な 箕 面育成園 の中川美智子さんの作品です。 月刊情報誌「太陽の子」、隔月本人新聞「青空新聞」、社内誌「つなぐちゃんベクトル」、ネット情報「たまにブログ」も 大阪市天王寺区生玉前町 5-33 社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会 社会政策研究所発行