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平成25年の船舶海難及び海上における人身事故の発生
問合わせ先 第六管区海上保安本部 TEL 082-251-5111 警備救難部救難課長補佐 藤岡 (内線 3251)【人身事故】 交通部企画課長補佐 中矢 (内線 2611)【船舶海難】 平 成 26 年 1 月 28 日 第六管区海上保安本部 平成 25 年の海上における船舶海難及び人身事故の発生状況について(速報値) 1 船舶海難(別紙 1,2 参照) (1)海難隻数 389 隻(平成 24 年に比べ 12 隻減) (2)海難種類別 衝突 136 隻、乗揚 68 隻、機関故障 55 隻 (3)船舶の用途別 プレジャーボート 181 隻、漁船 83 隻、貨物船 56 隻の順 (4)海難に伴う死亡・行方不明者数 9 人(平成 24 年に比べ 3 人増) 海難隻数は、平成 24 年に比べ 12 隻減少しました。 船舶の用途別では、平成 24 年に比べ漁船が横ばいであったものの貨物船及びプレジャー ボートは減少しています。 しかしながら、プレジャーボートを含む小型船舶が占める割合は依然として高い状況で す(288 隻 74%)。 また、小型船舶のうちミニボート(長さ 3m 未満、エンジン出力 2 馬力以下の免許・検査 不要)の海難は 6 隻発生し、2 名の方が死亡しました。 昨年は、イベント中の小型船の衝突死亡事故、旅客船の海難続発等社会的反響が大きい 海難が発生しましたので、マリーナ等への指導や旅客船に対する訪船指導を行いました。 ・昨年発生した海難事故事例 発生日時・場所 海難種類・船種 概 要 平成 25 年 7 月 24 日 乗揚 桟橋に着桟中潮流の影響を受け船体が流さ 午後 5 時頃 広島県尾道市 旅客船 れ浅瀬に乗揚げた。 平成 25 年 8 月 24 日 衝突 大崎上島大串海水浴場でイベント参加中の 午後 3 時頃 広島県大崎上島町 プレジャーボート プレジャーボート同士が衝突し、死者・負傷 (水上オートバイとモ 者が発生した。 尾道港 大崎上島 ーターボート) 平成 25 年 10 月 16 日 乗揚 桟橋を離れ回頭中に風の影響により船尾が 午後 2 時頃 広島県三原市 旅客船 浅瀬に乗揚げた。 向井田港 2 人身事故(別紙1参照) (1)事故者数(死亡・行方不明者数含む) 343 人(平成 24 年と比べ 6 人増) ① マリンレジャーに伴う人身事故者数 71 人(平成 24 年と比べ 6 人減) (釣り中 32 人、遊泳中 18 人の順。その他磯遊び、ウェイクボード中等) ② マリンレジャーによらない人身事故者数 145 人(平成 24 年と比べ 17 人増) (自殺 69 人、岸壁等からの海中転落 62 人の順。その他負傷、病気等) ③ 乗船中の人身事故者数 127 人(平成 24 年と比べ 5 人減) (負傷 73 人、病気 27 人、船舶からの海中転落 19 人の順。その他自殺、中毒等) (2)死亡・行方不明者数 142 人(平成 24 年と比べ 2 人増) 。 (海中転落 55 人、自殺 54 人の順。その他病気等) 人身事故者数は平成 24 年に比べ6人増加し、死亡・行方不明者も2人増加しています。 死亡・行方不明者のうち、港内の散歩中などに海中転落したものが 55 人と最も多く、 続いて自殺と判断されるものが 54 人となっています。 なお、釣りなどのマリンレジャー中や漁船、プレジャーボートに乗船中に海中転落し、 不幸にも死亡・行方不明となった 17 人の方のうち、14 人の方がライフジャケットを着 用していませんでした。 各海上保安部署においては、マリンレジャー愛好者等をはじめとして幅広くライフジ ャケットの常時着用等について指導、周知啓発活動を実施してきたところですが、上記 のとおり着用率は依然低迷していることから、今後も自己救命策の確保(ライフジャケ ットの着用、連絡手段の確保、118 番通報)について指導・啓発に力を入れていきます。 ・昨年発生した人身事故事例 発生日時・場所 事故の種類 概 要 平成 25 年 4 月 17 日 夜間、釣り場の移動のため岸壁上を徒歩で移動していた男性 午後 11 時頃 が誤って足を滑らせ海中転落した。 愛媛県松山市所在の 釣り中の海中転落 松山港内 男性はライフジャケットを着用していなかったものの、たま たま付近で釣りをしていた人が気づき速やかに118番通報し たことにより、松山海上保安部所属船に救助された。 平成 25 年 5 月 2 日 釣りのためプレジャーボートに1人で乗り組み定係港を出港 午前 9 時頃 プレジャーボート し、釣りポイントにおいて錨の調整中海中転落したもの。 岡山県備前市大多府 からの海中転落 男性はライフジャケットを着用していなかったものの、たま 港沖 たま付近を航行していた他の船が気づき、救助された。 家族等 20 名で海水浴場を訪れていた 4 歳女児が溺れている 平成 25 年 7 月 21 日 午後 2 時頃 のを他の遊泳客に発見、救助された。 遊泳中の溺水 海水浴場監視員による心肺蘇生により意識が回復し、その後 広島県尾道市所在の 搬送された病院で 2,3 日の安静が必要と診断され帰宅した。 海水浴場 保護者はバーベキューを楽しんでおり事故に気づいていな かった。 別 紙 1 船舶海難・人身事故の発生状況及び前年との比較 船舶海難〔上段:隻、下段: 人〕 船舶事故隻数 H24 H25 増減 人身事故〔上段・下段:人〕 H24 人身事故者数 337 343 6 死亡・行方不明者数 140 142 2 401 389 ▲12 6 9 3 死亡・行方不明者数 船種別 貨物船 漁船 プレジャーボート その他 乗揚 機関故障 運航阻害 その他 67 56 ▲11 0 0 0 78 83 5 4 2 ▲2 193 181 ▲12 1 7 6 63 69 6 1 0 ▲1 遊泳中 釣り中 その他 合計 36 18 ▲18 9 5 ▲4 28 32 4 13 14 1 13 21 8 1 3 2 77 71 ▲6 23 22 ▲1 マリンレジャーによらない人身事故 120 136 16 1 6 5 71 68 ▲3 1 1 0 80 55 ▲25 0 0 0 44 45 1 0 0 0 86 85 ▲1 4 2 ▲2 自殺 海中転落 その他 合計 H24 H25 負傷・病気 増減 船舶事故隻数 6 6 0 死亡・行方不明者数 0 2 2 その他 合計 ※ 上段:船舶海難隻数 下段:死亡・行方不明者数 63 69 6 49 51 2 58 62 4 34 38 4 7 14 7 2 5 3 128 145 17 85 94 9 104 100 ▲4 16 15 ▲1 22 19 ▲3 13 6 ▲7 6 8 2 3 5 2 132 127 ▲5 32 26 ▲6 乗船中の人身事故 海中転落 ミニボート海難(上段:隻、下段:人) 増減 マリンレジャーに伴う人身事故 海難種類別 衝突 H25 ※ 上段:事故者数(死亡・行方不明者数を含む) 下段:死亡・行方不明者数 別 紙 2 小型船舶の海難原因 ※小型船舶:総トン数 20 トン未満 小型船舶の海難の人為的要因としては、 1 運航中における見張り不十分、不適切な操船や機器操作等のヒューマンエラーによるも のが 115 隻(40%) 2 運航前におけるエンジンの整備点検、気象海象の情報収集や水路調査等の準備対応の欠 如によるものが 69 隻(24%) 3 船舶係留の不備など、その他の要因によるものが 42 隻(約 15%) で、昨年の小型船舶海難の約 8 割となっています。 小型船舶海難防止の3ポイント 1 航行中だけでなく、漂泊中や錨泊中における見張りの継続 2 適切な操船と機器操作の実施 3 運航前の整備点検と情報収集