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Summary Report on India Mission of Sokeizai Industry

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Summary Report on India Mission of Sokeizai Industry
METI NEWS
素形材産業インドミッション概要報告
経済産業省 素形材産業室 船 田 裕 子
平成 23 年 11 月 20 日(日)から 26 日(土)の 1 週間、
位になるのではないかと言われている。年齢構成が若
企業代表者等 18 名を含む合計 25 名で、今回初の試み
く、今後の発展が期待されている。
となるインドへの素形材産業ミッション派遣を行った。
また、面積は約 330 万 km 。日本の約 8.7 倍という
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広大な国であり、「100km 移動すると違う国になる」
1.行程
と言われることもあるほど、地域ごとに文化や言語が
ミッションは以下の行程で行われた。
異なる。そこに現在、約 700 社以上の日系企業が進出
している。
・21 日(月)プネ
北部には自動車産業などを中心に日本企業の工場が
展示会 Engineering Expo 2011 視察、企業訪問
集積している。デリー=ムンバイ産業大動脈(DMIC)
・22 日(火)・23 日(水)チェンナイ
構想として、貨物専用鉄道を敷設し、周辺に工業団
企業訪問、チェンナイ日本商工会によるセミナー
地、物流基地、発電所、道路、港湾、住居、商業施設
・24 日(木)・25 日(金)デリー
などのインフラを整備する日印協同の地域開発構想が
企業訪問、デリー日本人商工会・インド商工会議所
ある。DMIC の沿線には、インド最大の港湾でありか
つ北部の玄関的役割を担っているナヴァシェヴァ港に
との意見交換
加えて、ムンドラ港を整備するなど、インドから中東、
2.インドの概況
欧州、アフリカなど西側に向けての輸出拠点としての
インドは人口約 12 億人。中国に次いで世界第 2 位で、
インフラも整いつつある。
最近は新たに、南部における南部半島地域産業開
日本の約 10 倍。2025 年頃には中国を越え、世界第一
発回廊(PRIDe 回廊)が注目されている。ムンバイと
訪 問 地
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政策TREND
人海戦術
「KAIZEN」
チェンナイ間の産業集積地におけるハード及びソフト
はそう簡単に準備は進まないであろうが、その気持ち
面のインフラを整備するものであり、チェンナイ∼バ
は本気であろう。現地の日本商工会には、インドの商
ンガロールを結ぶ高速道路の整備等が計画されてい
工省から、「技術力のある企業を紹介して欲しい」と
る。背景には、インドと ASEAN の間の FTA 発効に
の話があったともいう。
より、東南アジアに面した外港を有するチェンナイの
初めて訪問した者から見れば、道路の状況や生活環
立地に対する期待がある。日本企業は ASEAN に多く
境など日本とは比べものにならない水準であるが、そ
の生産拠点を持ち、サプライヤも集積しているため、
れでも 5 年前と比べれば環境は格段に着実に良くなっ
既存の ASEAN の集積を生かすことができる。インド
ているという。日本企業が進出するのであれば、イン
の消費市場の大きさは、アジア地域の日系企業にとり
ドが日本の技術を欲している今後数年間がチャンスな
有望な市場である。
のではないか、あと 10 年後などというのでは他国か
らの参入もあり、手遅れなのではないかと感じた。
3.訪問概要
しかし現状は、工業団地はほぼ満杯状態、企業が増
訪問前に聞いていた話では、インドは技術力が高く、
え続けているにも係わらず、電力の整備が全く追いつ
かず、毎日計画停電があるため自家発電は必須とのこ
ヨーロッパに目が向いており、日本には興味を示して
とで、環境的に厳しいと感じる。
いないとの内容であった。しかし、現地で実際感じた
「インドでは自己責任と忍耐。失敗は当たり前、チャ
ことは全く逆であった。技術レベルはまだ低く、イン
レンジを続けよ。」との言葉があった。文化、時間感覚、
ド企業もそれを認識しており、日本の技術を欲してい
宗教の違い等もあり、理解しがたい部分も沢山ある。
る。工場内にも「KAIZEN」などのローマ字が掲げら
これらを踏まえた上でインドを拠点の一候補と挙げる
れ、「日本企業の方から見た、当社の KAIZEN 点を教
かどうか。市場の広さ、今後の成長からみれば、大変
えて欲しい」との質問がされ、日本企業の真似をし、
魅力的な地域であろう。
吸収しようと奮闘している。「是非日本企業と協力し
なお、素形材産業室では 2012 年 2 月に、今までの
たい」という声が、多くのローカル企業から聞かれ、
素形材産業ミッションの報告を兼ね、「素形材産業海
インドの各種工業会からも日本の工業会と協力し連携
外ミッションセミナー」を開催することを計画してい
を取りたいとの話があった。州によっては「投資して
る。同セミナーの御案内は、各工業会事務局及び素形
くれるのであれば、州政府として土地をまとめて購入
材センターや経済産業省のホームページにてお知らせ
し、Japanese Park として工業団地を整備することも
する予定。
真剣に考える」という話もあったほどである。実際に
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