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Mathematical Methods for Physics II
¨ ¥ 物理数学 II 85 (2002/12/06) 先週の quiz の解答 § ¦ 垂直抗力の大きさを N として, 運動方 程式は z -v 0 2 d x m 2 (t) = + mg sin θ+µ0 N (142) x dt d2 z m 2 (t) = − mg cos θ + N (143) dt 初期条件は, dx dt (0) +v0 θ = −v0 . 斜面から離れない条件 z = 0 と (143) から, N = mg cos θ. (142) に代 入して解くと, 1 x(t) = g(sin θ + µ0 cos θ)t2 + C1 · t + C2 . 2 初期条件より, dx dt (0) = C1 = −v0 . (144) 静止する時刻 t = T は 物理数学 II 86 (2002/12/06) dx dt (T ) = 0 から v0 . T = 0 g(sin θ + µ cos θ) と求まる. 時刻 t = 0 から t = T までに x 方向に進んだ距離は, ¯ ¯ 2 ¯ ¯ v 0 ¯. |x(T ) − x(0)| = ¯¯− 2g(sin θ + µ0 cos θ) ¯ (145) (146) 登った高さは, cot θ = 1/ tan θ を用いて, v02 |x(T ) − x(0)| sin θ = . 0 2g(1 + µ cot θ) (147) ¨ ¥ 物理数学 II 87 (2002/12/06) 先週の quiz の解答 質量 M の重りをのせてぎりぎり動き出す場合を考 § ¦ えると, d2 x 0 = (m + M ) 2 (t) =F − µN, dt d2 z 0 = (m + M ) 2 (t) =N − (m + M )g dt よって, F = µ(m + M )g すなわち, M = る. 問題文の前半は, F µg F µg (148) (149) − m 以上である必要があ − m > 0 を保証している. 物理数学 II 88 (2002/12/06) ¨ ¥ アンケートへの記入の一部とその返事 § ¦ • きょうのやり方はよかった. • きょうのやり方はよくなかった. • もっとゆっくり進んでほしい • もっと問題をたくさん解いてほしい. • .... してほしい. • 空欄を埋めたプリントを web に置いてほしい. • プチテストの答案のどこが間違っていたかわからない. • 年令と出身は. 個別にお返事できませんが, すべて読ませてもらいました. ありがとう ございます. 物理数学 II 89 (2002/12/06) 9 単振動 (調和振動) と減衰振動 ¨ ¥ quiz パチンコで, 玉の速さを 2 倍にするには, ひきがねは何倍ひけばよ § ¦ いか. パチンコで, 玉の届く高さを 2 倍にするには, ひきがねは何倍ひけ ばよいか. 空気抵抗がある場合はどうか. ¤ ¡ 9.1 ばねの運動 £佐本 4.4 ¢ バネの先についた物体 (質量 m) の運動を考えよう. 自然長 : 力が加わっていないときのバネの長さ 変位 : x(t) = (変化後のバネの長さ) − (自然長) バネの復元力 F = −k × x(t) (フックの法則) (150) k > 0: バネ定数 . バネの強さを表す. 大きさは変位に比例. 変位を小さくするようにはたらく à −kx(t) 物理数学 II 90 (2002/12/06) 変位を小さくするようにはたらく (だからマイナス). m k x=0,F=0 x 0 x>0,F<0 x x 運動方程式は x<0,F>0 d2 x m 2 (t) = −kx(t). dt (151) 物理数学 II すなわち 91 d2 x 2 (t) + ω x(t) = 0. 2 dt (2002/12/06) (ω = p k/m) (152) これの解を教えちゃおう. C1 , C2 は積分定数として, 公式 56 (153) はこの微分方程式の解. なぜなら d2 d2 x(t) = 2 (C1 cos(ωt) + C2 sin(ωt)) 2 dt dt d = (−C1 ω sin(ωt) + C2 ω cos(ωt)) dt =(−C1 ω 2 cos(ωt) − C2 ω 2 sin(ωt)) = − ω 2 (C1 cos(ωt) + C2 sin(ωt)) = −ω 2 x(t). 実は, これ以外の解はない (来年, 数理モデル基礎 I で学びます). (154) 物理数学 II 92 (2002/12/06) このような運動を 単振動 (調和振動) という. 例題 14 次の微分方程式を解き, 初期条件 x(0) = 1, dx dt (0) = 0 から積分 定数を決めよう. d2 x (t) + x(t) = 0 (155) 2 dt 57 物理数学 II 93 (2002/12/06) 9.2 空気抵抗のもとでのばねの運動 速度に比例する空気抵抗 −c · dx dt (t) もある場合を考えよう. d2 x dx m 2 (t) = −kx(t) − c (t). dt dt d2 x k c dx (t) + (t) + x(t) = 0. 2 dt m dt m (158) (159) このときの運動を 減衰振動 という. 一般に, d2 x dx (t) + b · x(t) = 0. (t) + a · 2 dt dt というタイプの微分方程式を考えよう. (a,b は定数) (160) 物理数学 II 94 (2002/12/06) 例題 15 dx d2 x (t) + 3 · (t) + 2 · x(t) = 0. 2 dt dt 58 dx x(0) = 1, (0) = 0. dt (161) 物理数学 II 95 (2002/12/06) 実は, 任意の C1 , C2 に対して, x(t) = C1 x1 (t) + C2 x2 (t) = C1 e−t + C2 e−2t (165) も解になっている. なぜなら, 左辺 d2 = dt2 (C1 x1 =C1 · d2 x1 ( dt2 d + C2 x2 ) + 3 dt (C1 x1 + C2 x2 ) + 2(C1 x1 + C2 x2 ) + 1 3 dx dt + 2x1 ) + C2 · d2 x2 ( dt2 2 + 3 dx dt + 2x2 ) =C1 · 0 + C2 · 0 = 0 実は C1 , C2 は積分定数. 初期条件と x(t) = C1 e−t + C2 e−2t , dx −t −2t (t) = −C e − 2C e から C1 = 2, C2 = −1 となり, 1 2 dt x(t) = 2e−t − e−2t (166) ¥ ¨ quiz 配った紙にやってね. § ¦ d2 x dx (t) + 2 · (t) − 3 · x(t) = 0. 2 dt dt dx x(0) = 0, (0) = 4 dt (167) 物理数学 II 96 (2002/12/06) 9.3 だめな例 ‘x(t) = eλt ’ とおいてみる, は超便利. これまで出てきた他の場合にも 使っちゃおう. dx (t) = 2x(t) − 1 (168) dt に x(t) = eλt を代入してみる. λeλt =2eλt − 1. (λ − 2)eλt = − 1. 任意の t について成立するためには, λ = 2 ととればいいというわけに はいかない. λ が 定数にならない. t に依存してしまう. おかしい. à 解は x(t) = eλt とは書けない. 別の解を推測するか, 別の方法で解くかしよう. この場合には, 前に習っ た通りに変数分離法で解けばよい. 物理数学 II 97 (2002/12/06) 9.4 虚数の指数関数 ‘x(t) = eλt ’ とおく, は超便利. 単振動にも使っちゃおう. d2 x (t) + x(t) = 0, 2 dt dx x(0) = 1, (0) = 0 dt は, a = 0, b = 1 の場合. やってみよう. x(t) = eλt とおいてみる. d2 x 2 λt (t) = λ e 2 dt よって d2 x 2 λt (t) + x(t) = (λ + 1)e = 0. 2 dt λ2 + 1 = 0 à λ = ±i (?????) √ 虚数単位 i = −1 は i2 = −1 を満たす. 複素数 x + iy の i. (169) 物理数学 II 98 (2002/12/06) 知らん顔して計算すると, x(t) = D1 eit + D2 e−it . (170) は解. 初期条件より, x(0) = D1 ei0 + D2 e−i0 =D1 + D2 = 1. (171) dx (t) = iD1 eit − iD2 e−it だから dt dx (0) = iD1 ei0 − iD2 e−i0 =iD1 − iD2 = 0. dt ここで e0 = 1 を使った. 解いて, D1 = D2 = 12 . (172) 物理数学 II 99 (2002/12/06) この解は x(t) = cos t だったはず. ? したがって, x(t) = cos t = 12 eit + 12 e−it . (173) dx ? i it (t) = − sin t = 2 e − 2i e−it . dt (174) 1 ? it (上) + · (下) = cos t + i sin t = e . i (175) 物理数学 II 100 (2002/12/06) 9.5 オイラーの公式 気分のために t を θ とかく. 定義. 実数 θ に対して 59 · · · オイラーの公式 (176) 定義. 複素数 z = a + iθ (a と θ は実数) に対して, 60 (177) 3 年で関数論を学ぶと, これで ‘よい’ というのが心から納得できます. 物理数学 II 101 (2002/12/06) 性質. 複素数 z = x + iy, w = u + iv に対して, ez+w = ez × ew 証明. ez+w =ex+iy+u+iv =e(x+u)+i(y+v) =ex+u ei(y+v) =ex+u (cos(y + v) + i sin(y + v)) = · · · (加法定理) · · · = ex eu eiy eiv =ez × ew (178) 物理数学 II 102 (2002/12/06) 例題 16 微分方程式 d2 x (t) + 4x(t) = 0. 2 dt dx x(0) = 4, (0) = 0. dt を, x(t) = eλt (λ は一般には複素数) とおくことによって解こう. 61 (179) 物理数学 II 103 (2002/12/06) 62 ¥ ¨ quiz 微分方程式 § ¦ d2 x (t) + 16x(t) = 0, 2 dt dx x(0) = 0, (0) = −4. dt を, x(t) = eλt (λ は一般には複素数) とおくことによって解こう. (184) 物理数学 II 104 (2002/12/06) ¨ ¥ 冬のプチテストのお知らせ § ¦ 日時 12 月 20 日 (金) 14:15–15:00 ( 13:30–14:15 は講義です) 場所 1-107 講義室. 講義の最初から座席指定します. 成績 この試験の成績は, 科目の成績 100 点のうち 25 点を占めます. 試験範囲 12 月 13 日 (金) の講義まで. 摩擦力のもとでの運動. 斜面に沿 d2 x う運動. 単振動. dt2 (t) + a · dx dt (t) + b · x(t) = 0 型微分方程式. 変数 分離型微分方程式. 成績の通知 冬のプチテストでもメールでの成績通知を行います. 秋のプ チテストの成績も併記しますので, 登録がまだの人は登録しておき ましょう. ¨ ¥ 補講のお知らせ § ¦ 日時 12 月 27 日 (金) 2 講時 (いつもと違います) 場所 1-107 講義室.