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災害護身術 「水難編」 シナリオ Ver2(PDF形式:129KB)

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災害護身術 「水難編」 シナリオ Ver2(PDF形式:129KB)
災害のその瞬間を生きのびる
災害護身術「
(陸でおこなう水泳教室)
災害護身術「水難編
水難編」
対象:小学生以上 所要時間:20~30分
1.水で遊ぶときに注意
ぶときに注意すること
注意すること
(1)天気の急変に注意
実施者 「今までに川に入って遊んだことがある子はいますか?」
子ども 何人か手を挙げる
実施者 「川で遊ぶときに注意するのは天気です。夏場は特に、急に雲が広がって大雨が降りだすことが
あります。
自分たちがいるところは降っていなくても川の上流が大雨になっていることもあります。
すると川の水が突然増えてものすごい勢いで、みんなを押し流してしまいます。川で遊ぶときは、
川の上流が黒い雲に覆われたり、途中で雨が降ってきたらすぐに遊ぶのを止めて川から上がってく
ださい。橋の下で雨やどりするのも危険です。すぐに堤防の上まで上がってください。
」
(2)川で泳ぐこと
実施者 「川で泳いだことがあるという子はいますか?」
子ども 何人か手を挙げるか?
実施者 「川で泳いだことがある子はほとんどいないと思います。これから先、大人になっても川で泳ぐ
ことはあまりないと思います。でも毎年夏になると、子どもから大人まで、毎年川で泳いで亡くな
る人がいます。川で泳ぐのはとても難しくて危険なことです。川は海よりも水が冷たくて、流れが
速くて複雑で、深水にはまると抜け出せなくなることもあります。だから、大きくなっても川では
泳がないほうがいい。旅行先など初めて行くような川では特に泳がないほうがいいです。
」
2.泳げる子
げる子でもおぼれるのはなぜ?
でもおぼれるのはなぜ?
(1)水に入るだけでは死なない
実施者 「お風呂に入ったりプールに入っただけで、すぐに死んでしまうという人はいますか?」
子ども「???」
「いな~い。
」etc
ども
実施者 「水に入るだけで死んでしまう人はいません。もしもみんなが足を滑らせたりして服を着たまま
川や池に落ちてしまっても、落ちてすぐに死んでしまうことはありません。だからびっくりしてあ
わてないことが大切です。
」
(2)泳げる子でもおぼれる理由①
必要なもの ※肺と胃とフタの絵
実施者 「では、泳ぐのが好きな子は右側、泳ぐのは苦手だなぁとか好きじゃないという子は左側に移動
してください。
」
子ども 左右に移動する
実施者 「泳ぐのが好きな子は『自分は泳げるからおぼれない』と思っているかもしれま
せんが、泳ぐのが好きな子でも溺れてしまうことがあります。なんでやと思う?」
子ども あれやこれや言う
実施者 「口から食べたものや飲んだ水はどこに行くのか分かる?」
子ども「???」
「おなか」etc
ども
実施者 「たくさんご飯を食べたり水をがぶがぶ飲むとお腹がふくれるね。ご飯や水は
お腹の胃というところに行きます。じゃあ、口や鼻から吸った空気は?」
子ども「???」
「おなかじゃないの?」
「胸」
「肺」etc
ども
実施者 「口や鼻から吸った空気は、お腹の胃じゃなくて胸の肺というところに行きます。
」
※肺と胃とフタの絵で説明
「そしてここ、肺のほうに行く途中になんかぴょこんと出ています。これはフタです。このフタ
は空気を吸ったり吐いたりするときは開いています。そして、ご飯や水が通るときにはピタッと閉
まってご飯や水が肺のほうに行かないようにしています。ご飯を食べているときに、突然ゴホゴホ
っと苦しくなったことがある子はいる?」
子ども おそらく多くの子が手を挙げる
実施者 「
『食べ物が変なところに入った』とか言うね。実はこのフタ、たまに失敗します。ご飯や水が
通っているのにこのフタが閉まらないで肺のほうに入ってしまうことがあります。突然ゴホゴホ
ッとなるのは、このときに体がびっくりして起こっています。泳ぐのが得意な子でも溺れてしま
うのは、このゴホゴホッが理由です。たとえば川で遊んでいるときに急に深いところにドボンと
はまってしまったり、海で泳いでいて息をしようとして顔を上げたところに波がきたらどうな
る?」
子ども 「???」
「水が口に入ってくる?」etc
実施者 「自分が水を飲もうと思ってないときに急に水が口の中に入ってくると、このフタは失敗してし
て閉まらないことがあります。すると水の中でゴホゴホッとなってあわてて溺れてしまいます。
だから水の中でゴホゴホになっても絶対にあわててはいけません。
『あぁ、あのフタが失敗した』と
心の中で思いながら、顔を水から出して落ち着いてゴホゴホを続ければ、だんだん治まってくるの
で溺れることはありません。
」
(3)泳げる人でもおぼれる理由②
実施者 「この中で足がつったことがある子は?」
子ども 数人が手を挙げるか?
実施者 「足がつるというのは、走ったり泳いだりしている途中でふくらはぎとか太ももが突然ぎゅ~っ
と硬くなってものすごく痛くなることを言います。泳げる子がおぼれてしまうもう一つの理由はこ
れ。泳いでいるときに急に足が痛くなったら、多分みんなびっくりするし泳げなくなります。そう
なったらどうする?」
子ども 「助けを求める」
「つった足を直す」etc
実施者 「周りに人がいたら『足がつった~!!』と叫んで助けを呼んだらいい。でもすぐ近くに人がい
なかったら、自分でなんとかしないといけない。つった足を元に戻す方法を知っている子は?」
知っている子
っている子ども 「足の親指をぐ~っと曲げる」etc
実施者 「正解! つっている足の親指をすねのほうにぐ~っと曲げます。太ももでもふくらはぎでも同
じやり方です。
」
子ども 実際にみんなでやってみる
実施者 「これを水の中でやるから、息を止めて水中でぐ~っと伸ばします。一回で直らなかったら一度
水から顔を出して息をしてもう一度伸ばします。落ち着いてやればちゃんとできます。
」
3. 背浮きをおぼえよう
背浮きをおぼえよう
(1)服は着たまま!靴は履いたまま! 必要なもの ※水槽とタオル
実施者 「今までの話は、みんながはじめから海や川で遊んでいるときの話でした。じゃあ、みんなが海
や川に入って遊んでいたわけじゃないのに、服を着たまま海や川に落ちてしまったとき、泳ぎにく
いから服は脱いだほうがいいと思う子は右側、
脱がないほうがいいと思う子は左側に移動しよう!」
子ども それぞれ移動する
実施者 「どうしてそう思うか言ってください。
」→それぞれの言い分を聴く
「正解は『着ている服は脱がない』です。ここにタオルがあります。タオルで水がすくえるかな?」
子ども 「無理~」
「できる!」etc
実施者 「タオルで水をすくうことはできません。じゃあ、お風呂の中でこんなことやったことない?」
水の中でタオルを空気で膨らませる
実施者 「タオルとか布は水の中で空気を溜めておくことができます。だから川や池に落ちたときは服を
着ていたほうが服と体の間にたくさん空気を溜めることができて浮きやすくなります。そしてみん
なが普段履いている運動靴もそれ自体が水によく浮きます。だから靴もそのまま履いておく。これ
だけでほとんどの子は沈むことはないからあわてる必要はありません。
」
(2)おぼれている人はどんな格好でおぼれてる?
実施者 「みんな、おぼれている人はどんな格好をしてる?」
子ども おぼれている人のマネをする
実施者 「そう!おぼれている人は、水に対して縦になってバタバタしています。そのままバタバタして
いるとどんどん疲れていきます。
」
(3)背浮きを覚えよう
実施者 「なのでおぼれそうになったときは、無理に泳ごうとしないで水に浮かんで助けを待ちます。
うつ伏せだと息ができないから、仰向けになって浮きます。これを『背浮き』と言います。ここが
水の中だと思ってみんなでやってみよう。体に力が入らないようにリラックスして、腕は大の字か
らバンザイくらいで自分がやりやすいように開きます。これが背浮きの体勢です。
」
子ども みんなで背浮きの格好をする
実施者 「では一度、自分の胸に両手を置いてください。そして大きく息を吸い込んで大声で『助けて~!』
と叫んでみましょう。せ~のっ!」
子ども 「助けて~!」
実施者 「背浮きをしているときに大声で叫ぶと、肺の中にある空気が全部外に出てしまうし体に力が入
って沈んでしまいます。また、手を振ったりしても沈んでしまいます。だから背浮きをしながら静
かに助けを待ってください。
」
(4)背浮きをしている人を見たら
実施者 「みんなが川とか海の近くで遊んでるときに服を着たまま背浮きをしている人が流れてきました。
この人はどういう人?」
子ども 「おぼれている人」
「助けを待ってる人!」etc
実施者 「服を着たまま背浮きをしている人がいたら、その人はきっと助けを求めている人です。だから
周りの大人の人に知らせて助けを呼んでもらいましょう。
」
4. きょうだいやともだちがおぼれたら
(1)飛び込んではいけない! 必要なもの ※職員2人
実施者 「みんなは海とか川の近くできょうだいや友達と遊んでいました。すると一人が足を滑らせて落
ちてしまいました。どうやって助けよう?」
子ども おそらく「飛び込んで」と答える子がいる
実施者 「
『おぼれる者はワラをもつかむ』ということわざを知っていますか? ワラは稲を乾燥させた
もので、引っ張ったらすぐにちぎれてしまうほど弱いものです。でも、おぼれている人は助かりた
いから、そんなものでもつかまるほど必死になるという意味です。おぼれている人を助けようとし
て自分も泳いで近づいていくと、こうなります。
」
助け役の職員に溺れ役の職員が思いっきりしがみつく
実施者 「どんなに泳ぎが上手な子でも、こうなって助けられると思う?」
子ども 「・・・無理」etc
実施者 「自分が飛び込んで助けようと思う気持ちはすごく立派です。目の前でおぼれているきょうだい
や友達を助けたいと思う気持ちもすごく分かります。でも、残念だけどおぼれている子を別の子ど
もが飛び込んで助けることは絶対にできません。それをやってしまうと、おぼれている子も助けに
行った子も、どちらも死んでしまいます。だから、自分も死なないでおぼれている子も助けられる
方法を覚えましょう。
」
(2)陸から助ける 必要なもの ※500mlのペットボトル
実施者 「まずは近くに人がいたらすぐに助けを求めます。おぼれている子にはあわてずに力を抜いて背
浮きをするように言います。そして周りに使えそうなものがないか必死に探します。おぼれている
子を助けられるのは『長いもの』か『浮くもの』
。 おぼれている子がつかまれるような『長いもの』
、
どんなものがある?」
子ども あれやこれや言う
→木の枝やロープなどのありきたりな物の他に、自分の服やズボン、ベルトなどを教える。
」
実施者 「長いものを差し出すときは、自分が引っぱり込まれないように陸地に腹這いになります。
※職員が実演する
、どんなものがある?」
実施者 「つぎにおぼれている子に投げてあげる『浮くもの』
子ども あれやこれや言う
→その場にありそうなもので浮くものを考える。ランドセルはよく浮くが、背負ったままでは
背浮きができないので背中から外してつかまって浮くことを教える。
実施者 「おぼれている子に『浮くもの』を投げる練習をしましょう。500mlのペットボトルでも十分
に浮く助けになります。ペットボトルが空っぽだと軽すぎてうまく投げられないので少し中身が
入っていたほうが投げやすい。おぼれている子が手を伸ばさないと届かないところに投げると背
浮きの体勢が崩れて沈んでしまうので、受け取りやすいようにお腹のあたりにやさしく投げて、
お腹の上で両手でペットボトルを持つように伝えます。何人か友だちがいるときは役割分担をし
ます。助けを呼びにいく子、119通報する子、溺れている子から目を離さない子、助ける道具
を探す子、みんなで協力します。
自分ひとりしかいないときは、大声で周りに助けを求めながら、おぼれている子には背浮きを
するように言い、助ける道具を探さないといけない。落ち着いてやれば絶対にできます。
」
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