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2 外資参入とビジネスモデルの再構築

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2 外資参入とビジネスモデルの再構築
特集 新たなる経営革新
2
外資参入とビジネスモデルの再構築
谷川史郎
世界第2位の日本市場に対する投資の魅力が欧米市場との比較感で高まってき
たことを背景に、外資の日本投資が急速に拡大している。加えて、今後の規制
緩和で、外資にとって事業展開が容易になるとの期待感が高まっており、日本
買いのトレンドは今後数年間は継続しそうである。
今回の外資の日本投資ブームは、日本の深部に直接的に影響を与える点で、
過去のそれとは大きく異なっている。特に着目すべき点は、日本が最も遅れて
いるとされるサービス業の領域で、外資が欧米市場で培った新しいビジネスモ
デルを伴って参入してくることである。この結果、日本市場での競争環境を根
底から変えてしまう可能性が高く、現在進行している産業構造のサービス化を
大きく加速する要因になると思われる。この新しいビジネスモデルは、エンジ
ニアリング、オペレーション、ファイナンスの3つの機能を巧妙に組み合わせ
た構造をしており、今後の日本市場での競争を考える際の重要な視点となる。
28
知的資産創造/ 1999 年 8 月号
Ⅰ 日本の深部に食い込む
外資企業
事業展開が容易になるとの期待感が高
まっている。
今回の外資の対日投資ブームは、日本の
1 急増する外資企業による
日本買い
深部に直接的にインパクトを与えるという
点で、過去のそれとは大きく異なっている
今年上半期は、世界最大のノンバンク、 (図1)。これまでは、純粋投資を目的に、
米国 GE キャピタルによる日本リースの事
海外投資機関が日本の国際優良企業(自動
業買収(約 8000 億円)や、フランスのルノ
車、エレクトロニクスなど)の株式保有比
ーの日産自動車への資本参加(約 6000 億
率を高める形で、間接的に日本企業の経営
円)に代表されるように、外資による日本
に影響を与えていた。しかし、今起こって
企業の買収および資本参加が、昨年に比べ
いるのは、同業の日本企業への資本参加ま
て急増した。件数で 61 件、金額ベースでは
たは日本企業の買収による外資の市場参入
2兆 2000 億円と、前年同期比で件数ベース
であり、市場競争を通して、より直接的に
60 %増、金額ベース同 2.7 倍の大幅な伸び
日本企業の経営に影響を与えている。
となっている。
また、外資の日本企業への資本参加が、
この背景には以下の要因が想定される
大企業だけでなく中堅の企業にも形を変え
が、外資の日本買いのトレンドは今後数年
て影響を与えようとしている。たとえば、
間は継続しそうである。
ルノーが資本参加した日産自動車グループ
①世界第2位の日本市場に対する投資の
では、系列部品メーカーに対する資本政策
魅力が、欧米との比較感で高まってき
を見直そうとしている。具体的には、系列
た。
自動車部品メーカーへの出資比率を、取引
②欧米市場の投資案件が飽和しつつあ
る。
の重要性に応じて、33.3 %(拒否権と第1
位の株主地位の維持が可能)、20 %(連結
③今後の規制緩和により、外資にとって
対象外)、0%(全株放出)の3つの水準
図1 日本の深部に食い込む外資企業
自動車・
エレクトロニクス
保険、
電力、
外資が日本の深部へ
外資展開を促進する可能性がある
規制緩和領域
ユーティリティ管理、
不動産、
流通
エネルギー関連
土地、住宅、公共工事関連
流通関連
金融・証券・保険関連
産業廃棄物法
PFI 法、国有財産法
注)PFI:プライベート・ファイナンス・イニシアチブ
外資参入とビジネスモデルの再構築
29
に峻別することで、資産圧縮することを検
参入領域が広がり始めている。これらの業
討している。
種は、ローカル性が色濃く残っている分野
このような資産圧縮は、系列部品メーカ
ーの再編や同業他社への株式売却を通して
だけに、外資の直接参入はきわめて大きな
影響をもたらすものと想定される。
実施されることになろう。そこでは、対日
投資に強い関心を持つ、外資の同業自動車
部品メーカーや自動車部品コングロマリッ
2 外資が持ち込む
新しいビジネスモデル
トへの株式売却も候補にあがってくる。こ
このような変化に伴い、外資企業の影響
のことは、欧米流に考えればきわめて自然
を受ける日本企業が増え、グローバルスタ
なことだが、多くの系列部品メーカーにと
ンダード(世界標準)の経営手法が徐々に
っては青天の霹靂に近い。
定着しよう。しかし、NRI 野村総合研究所
今後は、このような親会社の資本政策の
変更から、自社が意図しない形で、外資の
が最も着目しているのは、こうした表面的
な経営手法ではない。
出資を仰ぐ可能性も高まっており、産業の
今回の外資ブームのなかで特に着目すべ
下部構造にも外資の直接的な影響が表れる
き点は、日本で最も遅れているとされるサ
方向にある。
ービス業の領域に、外資が欧米市場で培っ
さらに、規制の緩和と産業構造の変化に
た新しいビジネスモデルを伴って参入し、
伴い、従来は参入が困難だったエネルギー、
日本市場の競争環境を根底から変えてしま
通信、官庁向け事業などの基幹産業や、不
うことである。これは既存企業にとっては
動産、流通などのローカル産業に、外資の
大きな脅威である一方、新規参入者には大
きな事業機会を提供することになる。
この結果、現在進行している企業の資産
図2 新サービス業のビジネスエンジン
圧縮、人員削減、およびこれらを通して進
行している産業構造のサービス化が大きく
加速される。外資の参入は、大手企業の経
営トップがあと10 年はかかるだろうと想定
している商慣行、労働慣行の変化を数年で
高収益
高成長
実現するだけの影響力を持っている。
欧米には、ユーティリティ(水処理、エ
ネルギー供給、廃棄物処理)管理、設備メ
ンテナンス、不動産、金融サービスなどの
事業分野で、日本にはまだなじみのないビ
少数精鋭のプロチーム
+
データベース
組織化されたオペレーション
先端的なオペレーション技術
ナレッジマネジメント
強力なインセンティブシステム
金融技術(オペレーティングリース、
ストラクチャードファイナンス)
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知的資産創造/ 1999 年 8 月号
ジネスモデルをベースに、高収益事業を展
開している企業が多数存在する。今後は、
これら外資企業の日本国内での活動が活発
化することが予想される。
これらの企業に共通している特徴は、顧
客のニーズを見極め、それに対応するため
アウトソーシング事業を展開する企業が増
に人・物・金・情報を上手に組み合わせ、
えている。顧客にとってアウトソーシング
ビジネスモデルを独自に開発・蓄積してき
の最大の魅力はコストを削減できること
たことである。また、これらのノウハウは、
で、一般に自前でオペレーションするより
各社の経験の集積であり、簡単に模倣する
も10∼20%削減できるといわれる(図3)。
ことは困難である(図2)。
たとえば、フランスのビベンディは、以
①データベースに基づくリスクマネジメ
ント
前はパリを中心とする民間上水道会社であ
ったが、1990 年代中期から事業構造の改革
②ローコスト・オペレーション
を進め、現在では世界最大級のユーティリ
③小さな利ざやの丁寧な組み合わせ
ティ管理会社になっている。事業規模は約
以下では、上の3つを実現している欧米
4兆円、従業員数は23 万人であり、ルノー
企業の事例を紹介する。日本企業は今後、
のユーティリティ部門や、ミシュラン(タ
これら新しいサービス分野での競争に対応
イヤメーカー)の全欧 12 工場のユーティリ
する必要に迫られることになる。なお、本
ティ部門のアウトソーシング事業を行って
誌の前月号で、不動産ビジネスにおける新
いる。
しい動きを紹介しているので参照していた
また、変わったところでは、ルーブル美
だきたい(立松博史「わが国不動産業界に
術館の空調管理業務を請け負っている。さ
求められる新機能」)。
らに、1999 年には米国最大の水処理会社、
US フィルターを傘下に納め、ユーティリ
Ⅱ ユーティリティ管理
ティ管理事業を急速に拡大しつつある。同
社は、顧客のコスト削減を実現したうえで、
ユ−ティリティ管理というサービスは、
日本ではあまりなじみがないが、欧米では、
さらに高収益をあげている。
ユーティリティ管理会社は、顧客のユー
企業のユーティリティ部門(水処理、蒸気
ティリティ部門を設備ごと買収し、7年前
供給、自家発電、廃棄物処理)を買収して、
後の長期の SLA(サービス品質保証契約)
図3 ユーティリティ管理事業の概念
顧客の自社内で運営する形態
購買
製造
物流
ユーティリティ管理による外部化
購買
製造
コスト削減
用水
蒸気
発電
注)SLA:サービス品質保証契約
排水
用水
廃棄物
蒸気
発電
資産買収
新技術導入による
コスト削減
物流
長期契約・SLA
排水
廃棄物
規模の効果による
コスト削減
人件費の削減
外資参入とビジネスモデルの再構築
31
に基づいてサービスを提供する。必要に応
ばよいというタイプの顧客は一般に、アウ
じて自前で最新技術・設備へ投資を行い、
トソーシング事業を行う側にとって不適切
コスト削減を実現している。一般企業が自
な顧客であることが多い。
社でユーティリティ管理を行っている場
現状のコスト構造、設備内容、管理レベ
合、同部門はどうしても高齢者の受け皿部
ル、企業戦略などを含めた顧客の評価は、
門的な位置づけにあり、最新技術の導入も
監査と呼ばれている。前出のビベンディの
あまり行われていない。また、自社設備だ
ケースでは、本社の各分野(技術、法律、
けでは、設備調達などの面で規模の効果を
財務など)の専門家4∼5人が4∼5ヵ月
発揮しにくい。
かけて顧客企業を評価し、このチームが最
このビジネスのもう1つの重要なポイン
トは、SLA によって提供サービスの品質レ
終的にSLA を作成している。通常、最終合
意まで1年程度の期間をかけている。
ベルを明確に定義することである。たとえ
外資系企業は、このような監査能力を差
ば、日本国内では電力の品質をきちんと検
別化ポイントとして、日本市場を狙ってい
討してきた企業は少ない。一般には、日本
る。日本市場への参入に成功すれば、顧客
の電力の品質は世界最高レベルにあり、こ
にとってもきわめて大きな利益を享受でき
れ以上の品質は必要ないと思われている。
る可能性がある。
しかし、逆に、どこまで品質を落としても
自社のニーズを満たすことができるのか、
また品質レベルを変えることで、どの程度
Ⅲ サードパーティ・
メンテナンス
コストが下がるのかを検討した企業は意外
と少ない。
実際には、通常のオフィス業務では問題
ではあまり認知されていないサービス事業
にならない程度の瞬停、電圧低下はたびた
である。このサービスは、顧客企業の工場
び起こっており、紡績工場やガラス工場で
の生産ラインや、各種の設備機器のメンテ
はきわめて重要な課題となっている。本来、
ナンス(維持・保守)を、それを製造した
業務の特性によって必要な電力の品質は相
メーカーでも顧客でもない第三者が行うも
当異なっており、業務ごとに電力を使い分
のである。
けると相当程度コストを下げる余地が存在
している。
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サードパーティ・メンテナンスも、日本
一般には、生産ラインの機器のメンテナ
ンスは、それを納入した企業またはその系
ユ−ティリティ管理ビジネスを行う際に
列企業が行うのが普通である。また、エレ
最も重要なのは、顧客企業のリスク評価で
ベーターや各種 FA(ファクトリーオート
ある。基本は長期契約のなかで利益をあげ
メーション)機器、ジェットエンジンなど
るビジネスなので、この間の顧客企業の規
の事業では、このメンテナンス収入が、設
模縮小や倒産は最大の問題となる。また、
備納入時の利益よりも数倍大きな収益源と
SLA を結ぶためには、顧客がユーティリテ
なっている。
ィ部門の品質レベルについて十分に理解し
従来は、機器のメーカーでなければメン
ていることが重要である。ただ単に安けれ
テナンスができないと考えられていた。し
知的資産創造/ 1999 年 8 月号
かし欧米では、GE(ゼネラル・エレクト
の委託は、自社のメンテナンス部門の雇用
リック)、シーメンスといった大手企業が、
問題、技術的な問題、機密保持の問題など
自社のエンジニアリング力をベースに、他
があり、あまり進展しないともいわれてい
社製品のメンテナンスまで手がける事業を
る。また、公共施設(上下水道処理工場、
拡大している。米国 GE の重電部門の収益
ゴミ処理工場)、電力などの分野では、メ
の 85 %は、このようなメンテナンス事業に
ンテナンス業務が機器メーカーの重要な収
よるものといわれる。ドイツのシーメンス
益源となっており、他社の参入を阻止する
でも、製薬会社、自動車メーカーの組み立
傾向が強い。
て工場のメンテナンス業務を中心に、事業
を拡大している。
顧客側のメリットとしては、メンテナン
しかし、大手製造業のメンテナンス部門
を見ると、高齢化が進んでおり、最新技術
に十分な対応がなされていない。この結果、
ス業務のコスト削減と管理の容易性があげ
生産ラインの停止が頻発するといった問題
られる。GE、シーメンスも、実際には自
が発生している。
社の要員ですべての機器のメンテナンスを
すでに民間部門では、米国ジョンソン・
行っているわけではなく、一部の業務につ
コントロールが東京美装興業と提携して、
いては外部の専門会社を活用している。彼
また横河電機が単独で、米国と同様のサー
らが外部のメンテナンス企業を活用する際
ビスを求める外資医薬品メーカーの工場に
には、業務の平準化と業務量を保証するこ
対して、サードパーティ・メンテナンス事
とで、顧客が自前でメンテナンス会社と契
業を開始している。当面は、医薬品、乳製
約する場合よりも安いコストでサービスを
品、ビールなどの生産ラインそのものが重
調達できる。
要な差別化要素にならない分野で、このサ
また、生産ラインが止まった場合には、
ービスの活用が進もう。また中期的には、
従来であれば、工務部が一つ一つの機器を
リストラが終了した化学プラントや組み立
チェックし、故障していると思われる機器
て工場に市場が拡大すると思われる。
のメンテナンス会社に電話して修理を依頼
さらに、公的資本の民間所有を促進する
していた。しかし、実際には呼ばれた会社
PFI(プライベート・ファイナンス・イニ
の機器ではなく、その隣の別会社の機器が
シアチブ)法の成立により、公共機関の設
故障していた場合には、再度別会社のメン
備メンテナンスのオープン化が進展するも
テナンス会社を呼び出すことになる。
のと想定される。日本の機器メーカーにと
サードパーティ・メンテナンスでは、こ
のような手間が省け、電話1本ですべてが
っては、これまでの重要な収益源が厳しい
競争にさらされることを意味している。
解決する(ワンコール・ソリューション)。
このビジネスの鍵を握るのは、ユーティリ
Ⅳ オペレーティングリース
ティ管理と同様、顧客の監査能力、SLA 作
成能力、および規模の効果による調達コス
トの圧縮能力である。
日本では、機器メンテナンスの第三者へ
日本でリースといえば一般に、中途解約
は認められず、物件の保守管理などは顧客
が負担する、貸し付けをベースにしたファ
外資参入とビジネスモデルの再構築
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イナンスリースを指す。一方、欧米では、
このようなビジネスモデルは、半導体製
リース会社間の競争が厳しいため、単なる
造装置、医療用電子機器など耐久性のある
金利のさや抜きでは十分な収益をあげられ
設備・機器の分野に広く適用可能であり、
ない。このため、中途解約が認められ、物
今後、事例が増大すると思われる。
件の保守管理などは原則としてリース会社
が負担する、残存価値をベースにしたオペ
レーティングリースが一般的である。
Ⅴ 日本企業のビジネスモデル
再構築に向けて
オペレーティングリースの基本は、次の
2点である。
以上、欧米市場で発達してきた新しいサ
①残存価値を高く設定して、顧客に対し
ービス事業とそれらの提供企業の一端を紹
てより安い費用で機器の利用を可能に
介した。これらのビジネスに共通している
することで、受注競争力を高める。
特徴は、顧客の求めるものを見極め、それ
②設定した残存価値以上で中古機を市場
に対応できる独特のビジネスモデルとその
で処理することで、収益を確保する。
エンジンを開発・蓄積してきたことにあ
このモデルを上手に回転させている企業
る。日本企業は今後、これらの新しい市場、
に、放送局用機器で世界トップのシェアを
新しい競争に対応する必要に迫られること
確保し、デファクトスタンダード(事実上
になる。
の標準)を形成しているソニーがある。世
日本企業がまず手がけるべきことは、現
界の放送局の構造を見ると、発展途上国の
在のビジネスモデルを、自社の経営資源に
放送局も含め、中古機市場は十分に大きい。
合った新しいビジネスモデルへと組み替え
ソニーは、先進国の先端的な機器を利用す
ることである。この分野は、経営コンサル
る放送局にオペレーティングリースで機器
ティングのテーマとしても企業のニーズが
を納入し、その中古機を発展途上国や先進
増大している。
国の中小の放送局に転売することで、高シ
ェアと高収益を維持している。
野村総合研究所では、ビジネスモデルの
組み替えに当たって、3つの領域のノウハ
ウ、すなわちエンジニアリングノウハウ、
オペレーションノウハウ、ファイナンスノ
図4 ビジネスモデル構築の着眼点
ウハウを上手に組み合わせることを提案し
エンジニアリングノウハウ(物・情報)
ている(図4)。その場合、以下の5点が
リスクマネジメント
重要である。
①これまでともすると見過ごしてきた顧
客ニーズをきっちりと把握する。
②自社のエンジニアリングノウハウを体
系化、データベース化して品質レベル
ファイナンスノウハウ
利ざや、リスク分散
オペレーションノウハウ(人の管理)
を変えることで、顧客のコストを低減
ローコストオペレーション
する方法を発見する。
③顧客の現場におけるオペレーションを
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知的資産創造/ 1999 年 8 月号
熟知し、より効率的なオペレーション
ケティング組織に伝授されていないケース
方法を発見する。
もある。このような結果、せっかくのチャ
④ファイナンス技術(証券化、オペレー
ティングリースなど)を駆使して、利
ざやを確保する方法や顧客を囲い込む
方法を発見する。
⑤これらを有機的に動かすための事業構
造を確立する。
筆者らに相談してくる企業を見ると、せ
ンスを活かせていないケースが数多く目に
つく。
一方、これから始まる外資との競合を想
定すると、自前の開発だけではスピードの
点で追いつけない可能性もある。このため、
企業によっては、補完的な経営資源を持つ
企業との提携を積極的に検討することも、
っかく持っている経営資源が、組織が縦割
重要なポイントである。その際には、日本
りのために活用できていないことが多い。
市場への参入を検討している外資との提携
また、製造業の場合には、機器の販売には
も、有力な選択肢となる。
力を入れるが、できるだけ手離れよく業務
を展開しようとする結果、顧客のクレーム
対応を代理店や系列の下請け企業に任せき
りにして、顧客のオペレーションの実態を
把握するチャンスを逃しているケースも多
著者─────────────────────
谷川史郎(たにかわしろう)
事業戦略コンサルティング部長
1980年早稲田大学理工学部電子通信工学科卒業
専門は経営コンサルティング
い。さらに、ファイナンスのノウハウが財
務部門の中に閉じており、各事業部のマー
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