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3企業連携によるモーダルシフト推進に合意しました~CO2を削減し
平成 27 年 12 月 11 日 3 企業連携によるモーダルシフト推進に合意しました ~CO2 を削減しトラックドライバー不足にも対応~ 経済産業省は、平成 26 年度次世代物流システム構築事業の一環として、「需要予 測の精度向上による食品ロス削減及び省エネ物流プロジェクト」及び「内航海運の 輸送品質向上によるモーダルシフト促進プロジェクト」を実施しました。 当プロジェクトで開発した技術を活用することにより、一般財団法人日本気象協会 (以下「日本気象協会」)、ネスレ日本株式会社(以下「ネスレ日本」)、川崎近海汽 船株式会社(以下「川崎近海汽船」)の 3 社は、モーダルシフトを推進することで、 省エネルギーの実現や物流分野におけるトラックドライバーなどの人手不足への 対応を進めていくことに合意しました。 1.モーダルシフトを取り巻く現状 モーダルシフトとは、国内貨物輸送量のおよそ 9 割を占めるトラック輸送を、海運 輸送・鉄道輸送に切り替えることを通じて、物流コストの削減、CO2 排出量の削減 を進める取組です。同時に、今後深刻化することが見込まれるトラックドライバー 不足への対応としても期待が高まっています。 2.長期気象予測の開発 ネスレ日本では、2000 年代から、トラック輸送を内航船輸送等に切り替えるモーダ ルシフトに取り組んできました。モーダルシフトを実施すると、従来のトラック輸送よ り輸送時間が長くなるため、輸送量を早期に決定することが重要です。しかし、こ れまでは気象庁が発表する 1 週間予測を利用してきたため、特に出荷量が気温変 動に大きく影響されるペットボトルコーヒー等の輸送では、モーダルシフトが進みに くい状況でした。 そのため、日本気象協会は「需要予測の精度向上による食品ロス削減及び省エネ 物流プロジェクト」で開発した 2 週間先の長期気象予測をネスレ日本に提供するこ とで、ネスレ日本は在庫の圧縮と欠品のゼロ化を進めることができました。 3.簡易版最適航路選定システムの開発 日 本 気 象 協 会 で は 、 2012 年 か ら 内 航 船 向 け 最 適 航 海 計 画 支 援 シ ス テ ム ECoRO(エコロ)を提供してきました。当システムの活用により、燃費効率の良い航 路を海象予測等から選定することが可能になり、平均 4%の燃費削減効果がありま す。しかし、当システム設置のためには工期が最低でも 3 ヶ月と長く、導入までの ハードルが高くモーダルシフトが進みにくいという課題がありました。 そのため、日本気象協会は「内航海運の輸送品質向上によるモーダルシフト促進 プロジェクト」を通じて簡易版の ECoRO を開発し、導入にかかる工期と費用を大幅 に削減することに成功しました。 その結果、九州・北海道の内航定期航路を運航する川崎近海汽船では、当簡易 版 ECoRO を導入し、配送の更なる省エネ化、CO2 排出量の低減等が可能になり ました。 4.取組現状と今後 今年度からは、3 社が連携して、生産拠点から距離のある北海道・九州方面への 出荷において内航船の利用を推進しています。内航海運は、輸送量当たりの CO2 排出量がトラックに比べて 1/6 程度と小さく、環境負荷の低減および省エネ効果が 期待できます。今後も 3 社が連携する、モーダルシフトを推進することで、配送の効 率化、省エネ化を促進していきます。 <参考:モーダルシフトイメージ図と CO2 排出量比較> (出所) 国土交通省環境政策課資料を基に作成 ※「平成 26 年度次世代物流システム構築事業費補助金」 本事業は当省で実施した補助事業です。我が国の最終エネルギー消費量の約 2 割を占める運輸部門の省エネルギー対策を進めることが重要視されており、本事 業では、物流分野等について、効率化に向けた先行事業を行い、その成果の展開 により省エネルギー対策を進めることを目的としています。 (本発表資料のお問い合わせ先) 商務流通保安グループ 物流企画室長 野村 担当者: 勝尾、川嶋 電 話:03-3501-0092(内線 4151~4155) 03-3501-1708(直通)