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グループ・ワーク その光と陰 -自己啓発セミナーを考える-
第 2 日目 5 月 28 日(日) 13:00~15:30 雪頂講堂 大会シンポジウム(公開) グループ・ワーク その光と陰 -自己啓発セミナーを考える- 企 画 者: 話題提供者: 指定討論者: 司 会 者: 渡辺 浪二(フェリス女学院大学) 角山 剛(東京国際大学) 小久保 温(青森大学) 中村 和彦(南山大学) 今川 民雄(北星学園大学) 西田 公昭(静岡県立大学) 渡辺 浪二(フェリス女学院大学) 「本当の自分探し」というフレーズは魅力的である。昨今の学生がその言葉に誘われ、自己啓発セミ ナーに迷い込む事例は後を絶たない。本当の自分を探すよりも、本来の自分を見失う危険性の方が高い のであるが、このような問題ある自己啓発セミナーの手法は、 「似て非なるもの」とはいえ、グループ・ ワークのそれと類似点が多い。多くの人にとって両者の差異はそう明確ともいえない。WEB 上におい ては、「正統派」のグループ・ワークと自己啓発セミナーとが同じ顔をして並んでおり、判断に迷うこ とも多いと思われる。 今回のシンポジウムの企画では、両者の類似点と差異を明らかにし、自己啓発セミナーの何が問題で あるかを議論したいと考えている。そのためには、学術的な理論の展開よりも現実的・実際的な問題に 焦点をあてる必要がある。そこでは何が行われているのか、どのような効果が得られるのか、何が問題 なのかを明らかにする必要がある。グループ・ワークと自己啓発セミナーの間には、実はそのいずれと も判別しがたいグレー・ゾーンの活動もみられる。しかし、今回は問題を拡散させないためにも、話題 提供者の方を2名に絞り、具体的な手法の紹介も含めてお話しいただき、議論をより深めたいと考えて いる。 そこで、自己啓発セミナーについては小久保氏温氏にセミナーの歴史、手法、問題点などについて話 題提供をお願いした。小久保氏は物理学を専門とする研究者であるが、脱カルト協会員でもあり、WEB 上においてセミナー問題を鋭く追求されている。グループ・ワークについての話題提供は、南山大学の 人間関係研究センターでその実践・研究をされている中村和彦氏にお願いした。グループワークの歴史、 目的と手法、効果などについて論じていただくことで、自己啓発セミナーとの差異が浮きぼりされると 思われる。 さらに、議論を深めるために、臨床心理の領域に関わる視点から今川民雄氏に、カルト問題に関わる 視点から西田公昭氏に指定討論をお願いした。このような企画により、自己啓発セミナーの問題点が明 らかにされ、今後の対策に何らかの示唆が得られることを願っている。