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高齢者見守りシステムの一要素としての抱き枕型ロボット
ロボット工学科 ウエルネス研究室 X11057 道海寛幸 少子高齢化が進み,独居高齢者の増加 孤独死や疾病,認知症の発見の遅れが多発 高齢者の見守りシステムが必要である 見守りシステムは大きく2種類に分けられる[1] センシング型 自己発信型 ソルクシーズ いまイルモ[2] HOME ALSOK みまもりサポート[3] 家族に安心感,満足感を提供 → 高齢者は抵抗感や自己決定権の侵害 → 原因:非対称な情報伝達モデル[4] 従来の見守りシステム ○ × ・高齢者にも安心感や満足感→○ 抵抗感,自己決定権の侵害→× ・センシング型と自己発信型の良いところ 生活パタン 取得 主体的 センシング型 無意識 自己発信型 プライバシ 高齢者と程よい距離感で,主体的に楽しく継続できる 高齢者見守りシステムを開発する ・センサを組み込んだロボットを家の随所に配置 ・様々なインタラクション 今回はこの構想の1つである,寝室に配置するロボット を作成した ・ロボットをネットワークで繋ぎ家全体のロボットで見守る ・取得した情報はサーバに蓄積,分析され,見守る人に 伝えられる ・高齢者の状況にあったインタラクション 全体構造図 毎日朝と晩に高齢者に抱きしめてもらう ←主体的 朝:一定の呼吸に誘導と脈波計測 自律神経指標の変化見る 脈拍変動の呼吸成分は呼吸に影響 夜:ゆっくりとした呼吸に誘導しリラックス エアバッグで呼吸誘導 朝:吸気2秒,呼気4秒の6秒周期 夜:6秒周期→8秒周期 ハグビー ハードウェアを制御するのにArduinoMega2560R3を用いた 全体構成図 ・ナップサックに収納し背負わせた→ ロボットの腹部に挿入したエアバッグで呼吸誘導を行う リレー回路を搭載したシールドを作成した ・ランバーサポート用ポンプ ・トランジスタ ・電磁弁 自作リレーシールド エアバッグで膨らませたり,萎ませたり 回路図 ・エアバッグで呼吸誘導を行いながら呼吸を計測 呼吸誘導 呼吸ピックアップセンサ 150秒計測 行いながら 吸気2秒,呼気4秒(6秒周期) 呼吸を計測する 吸い始めとピークを求め,吸い始めと次の吸い始めと の差分を取って呼吸回数と呼吸周期を求めた 計測結果図 呼吸誘導結果図 呼吸周期の平均は6.02 [s]と近い値を得ることができた 6秒周期とほぼ同じ値で誘導が行えていると考えられる Pulse Sensorの計測精度 脈波間隔とRR間隔の比較 Arduino+Pulse Sensor 脈波間隔 生体アンプ+電極 RR間隔 RR間隔 脈波間隔 誤差の絶対値平均が7 ms 脈波間隔とRR間隔の比較図 脈波間隔とRR間隔の差 脈波間隔とRR間隔のヒストグラム Pulse Sensorの 計測精度は充分 ・目的 作成した抱き枕型ロボットの受容性を評価する ・実験参加者 インフォームドコンセントを得た男女高齢者(74~83歳) 実験参加者の属性表 属性 A B C D E F 要介護,障がいなど 83 82 79 女性 男性 女性 要介護2認定,ヘパーデン結節 少し耳が聞こえづらい 特になし 74 77 女性 女性 特になし 白内障 81 男性 特になし この実験は大阪工業大学ライフサイエンス実験倫 理委員会の審査を経て実施した(2014-43) 4つの仮定される状況を想定し,ロボットを抱きしめてもらう 1つの試行が終わるごとと最後にアンケートを行う 実験風景 仮定される状況表 朝 夜 朝1 よく眠れて目覚めた朝 夜1 1日よく活動して疲れて眠る夜 朝2 あまり眠れなかった朝 夜2 1日あまり活動しなくて眠る夜 朝1 よく眠れて目覚めた朝 ロボットを抱きしめる 高齢者に主体的に抱きしめてもらう 状態にあった発話を行う 2分間計測をする 状態にあった発話を行う ―口頭質問の結果― 7名全員が,抱き枕型ロボットや見守りシステムを 「今は必要ないが,将来独り身になったら欲しいし必要になるだろう」 と答えた 受容性があると考えられる ロボットと会話をしたいという意見が多くあった 会話機能を追加することで継続的に見守りができるの ではないか 敬語ではない方が,親しみやすく孫と接しているようで良い 他の意見 お金がかかりそう,ナップサックが少し邪魔,顔が欲しい ―アンケート結果― 1ロボットの声について ロボットの声が少し曇って聞こえた 小さな穴を多数開ける 2 発話内容について 状況にあっていてよかった 3 呼吸誘導について エアバッグに呼吸を合わせることができた 4 脈波計測について 楽に脈波計測を行うことができた ―追加機能と改善点― ・声の大きさや音質 ・小型化(ナップサックを無くす) ・カレンダー機能(日付や予定を言ってくれる) ・会話機能(ロボット⇔高齢者,家族⇔高齢者) 見守りシステムの一要素としての寝室に配置する抱き 枕型ロボットを作成した 高齢者に試用してもらい受容性を確認した ①音量調整機能や会話機能,カレンダー機能などの追加 ②低コスト化 ③ナップサックを無くす小型化 高齢者の満足感を高めることができるのではないか [1]亀田多江:コミュニケーションロボットを用いた高齢者見守り の―検討,一般社団法人情報処理学会,全国大会講演論文 集2012(1),pp465-467,2012/3/6 [2]株式会社ソルクシーズ いまイルモ: http://www.imairumo.com/ [3]綜合警備保障株式会社 HOME ALSOK みまもりサポート: http://www.alsok.co.jp/person/mimamori/ [4]宮島麻美:バックグラウンドコミュニケーションをベースとした 新しい見守りサービス,電子情報通信学会論文誌, Vol.J88-D-I(12),pp1785-1794,2005/12/01 ご清聴ありがとうございました ・ランバーサポートとは 運転手の腰への負担を軽減するためのシートを張り出すこと ・会話機能について ―リアルタイム会話の場合 見守る側の生活もあり,高齢者も遠慮してしまう ―録音の場合 いつでも聞けるので遠慮なく使える ・自律神経指標 脈波間隔=RR間隔→心拍数 ↓ 周波数解析 ↓ LF:低周波数成分(0.04~0.15Hz) 交感 HF:高周波数成分(0.15~0.4Hz) 副交感