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Agilent - Keysight

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Agilent - Keysight
Agilent
EGPRS移動機の
製造テスト・プランの開発
Application Note
はじめに
製造における一般的な目標はスループットを最適化することです。つまり、できるだけ
装置と人手をかけずに、仕様と品質目標を満たす製品を可能な限り短時間により多く製
造することです。GSMおよびGPRSデバイスの製造プロセスは今では十分に理解され、
大部分のメーカが非常に効率の高い施設を持っています。しかし、EGPRS(Enhanced
General Packet Radio Service)デバイスをサポートするためには、製造テスト手順の変更
が必要となります。例えば、GSMと比べた場合、EGPRS変調フォーマットでは送信機と
受信機の両方の機能に対して追加のテストが必要です。その結果、EGPRSデバイスを開
発から量産に移行する際にも、製造テストに変更が生じます。
このアプリケーション・ノートでは、テスト開発に影響を与えるEGPRSデバイス固有の
特性についておよび最適なテスト・プログラムを作成するための、種々のシグナリング
および測定器テスト・モードの長所と短所について説明します。また、EGPRSデバイス
のRFパラメトリック・テストで考慮すべき事項についても簡単に説明します。
EGPRSエア・インタフェー
スの概要
EGPRSデバイスは、GMSKと8PSKの2種類の変調方式を使用しています。この点が、
GMSK変調のみを使用するGSMデバイスやGSM/GPRSデバイスと異なります。2種類の
変調方式を使用することで、従来のデバイスに比べてEGPRSデバイスのデータ・スルー
プット性能は向上します。例えば、GMSKでは1シンボルあたり1ビットを送信するのに
対して、8PSK方式を使用すると1シンボルで3ビットを送信することができるためです。
8PSK変調方式はGMSKに比べてかなり複雑です。GMSK方式はエンベロープが一定で、
シンボル間の周波数偏移の方向にのみ依存します。一方、8PSK方式はエンベロープが一
定ではなく、シンボル間が3π/8回転の8個の絶対位相位置に依存し、16個の位相位置を効
率的に提供します。これらの位置間での遷移では信号の位相と振幅の両方が変化します。
このためにGMSK信号と8PSK信号の伝送時には、異なる方法でRF回路を動作させるこ
とになります。
変動するRF条件に対処するために、いくつかの変調コーディング・スキーム(MCS)が
エア・インタフェースで使用されます。これらは、変調方式(8PSKまたはGMSK)と、
送信されるデータ・ビットのフォワード・エラー訂正を可能にするコンボリューショナ
ル・コーディング方式を組み合わせたものです。エア・インタフェースの条件に依存し
て、適用するプロテクションの量を変えることができます。GPRSと違ってEGPRSでは、
完全に明確なコード化が行われるスキームは1つもありません。つまり、どのスキーム
もすべて、コンボリューショナル・エンコーディングに従属しています。
EGPRSでは、インクリメンタル・リダンダンシとして知られるメカニズムを使用してエ
ア・インタフェースの利用率をさらに最適化します。この場合、無線ブロックが適切に
受信されないと、エラー訂正のためのデータを含むブロックが再び送信され、ブロック
内での誤りの確率を減少させます。
エア・インタフェースを向上させるEGPRSの優れた機能として、リンク・アダプテーシ
ョンと呼ばれる機能があります。この機能により、接続を終了したり、新しい接続を確
立しなくても、使用する変調コーディング・スキームを動的に変更することができます。
別の変調コーディング・スキームを使用して、再送信ブロックを送信できるように、こ
のスキームをインクリメンタル・リダンダンシと併用することも可能です。
2
製造テスト・プランでの
注意事項
GMSKと8PSKの両方の送信機/受信機の性能をテストするためにテスト・プランを最適
化することは問題の多い作業です。必要以上に全体のテスト回数を増やさず、かつ不十
分または不適当なテストにより品質が犠牲にならないことが、強く望まれます。では、
このようなデバイスのRF機能をテストするための最適な方法は何でしょうか?この答え
は、以下に示すような多数の要素に依存します:
• デバイスに8PSK信号を送信する機能がありますか?また、デバイスはGMSK方式にの
み限定されていますか?(規格では、8PSKとGMSKの両方の信号を受信し、GMSK信号
のみを送信するデバイスが可能です。)
• 8PSK信号とGMSK信号の両方を送信できるデバイスの場合、非対称モードで(つまり、
8PSK信号を受信して、GMSK信号を送信する)デバイスをテストする必要があります
か?または、対称モード・テスト(アップリンクとダウンリンクのいずれもがGMSK
信号、またはいずれもが8PSK信号)ですか?
• EGPRSモードで被試験デバイス(DUT)を使ってテスト全体をテストできますか?ま
た、オーディオ・テスト用にGSM音声コールをセットアップする必要はありますか?
• DUTの開発者が推奨する、テスト内容は何ですか?
• DUTへのストレスを最大にして(例えば、最高速度のコーディング・スキームのシグ
ナリング・モードで)テストする必要がありますか? RF回路が動作することを単に検
証したいだけですか?
• どのテスト・モードがDUTで利用可能ですか? 例えば、ETSI規格のモードAおよびモ
ードB(GPRS用に開発されたものですがEGPRSに対する適用性もいくらか備えていま
す)、またはスイッチング無線ブロック(EGPRS用に開発された)、または何かの独自
の方式ですか?
• 受信機と送信機のテストを同時に行えますか?
• 8PSKとGMSK受信機の感度をテストする必要はありますか? また、8PSK受信機の性能
からGMSKのテスト結果を推論することはできますか?
• マルチスロット・アップリンク・テストを実行する必要がありますか?その場合、
8PSKとGMSKを同じフレームで使用するという条件でテストする必要がありますか?
(8PSKのデータ送信でも、すべてのEGPRSシグナリングはGMSKを使用して実行され
ます。)
• 変調方式ごとの、パワー・テスト・ポイントと周波数テスト・ポイントは?
これらの質問を検討した後、製造エンジニアはそれぞれの目標に優先順位をつけて、テ
スト方法とテスト内容を選択します。最初に、より多くのテストを行って確度を検証し
た後、テスト結果の履歴で保証されるように、テストを軽減し、高速化するのが一般的
な方法です。
3
シグナリング・モードと
測定モードでのテストの
比較
シグナリング条件下でのテストには一長一短があります。通常、シグナリングはより現
実的なテスト環境です。これは、DUTのより多くの部品がテストされるので、これらの
部品がRF性能に与える影響をテストできます。しかし、コールのセットアップや管理に
関連したオーバヘッド時間があります。
ETSI規格のテスト・モード1がデバイスに実装されていたり、Agilent独自のBLERモード
を使用する場合は、シグナリング・モードのDUTをテスト機器で制御して、正確な測定
が行えます。これにより、テスト・プランをより容易に実現できます。
これ以外の場合は、規格外の方法でDUTを制御して、テスト機器を測定する必要があり
ます。
Agilent 8960無線テスト・セットは多くのシグナリング・テスト・モードをサポートして
います。以下の表は、各シグナリング・テスト・モードとEGPRS送信機と受信機をテス
トするための測定器のテスト・モードとの適合性を示しています(注 記 : この表は
EGPRS専用で、GPRS用ではありません)
。
GMSK
送信機
テスト
8-PSK
送信機
テスト
GMSK/
8PSK
受信機テスト
8PSK
ダウン/GMSK
アップ同時テスト
ETSI A
有り
有り
無し
無し
ETSI B確認
有り
有り
有り
無し
ETSI B非確認
有り
有り
無し
無し
Agilent BLER
有り
無し
有り
有り
スイッチング無線ブロック(SRB) 有り
有り
有り
有り
測定器のテスト・モード
有り
有り
有り
有り
1. ETSI規格のテスト・モードは3GPP 04.14に記載されています。
4
Agilent BLER
このテスト・モードは、ETSI規格のGPRSテスト・モードが実装されていないデバイス
に対応するためにAgilentが開発しました。
Agilent BLERは受信機と送信機の両方のテストが可能ですが、EGPRSのテストでは制限
されています。このテスト・モードでの8PSK送信機の測定はできません。しかし、DUT
がGMSKのみを送信する場合は、このAgilent BLERは最適なテスト・モードです。
このテスト・モードは、テスタからのポールに応答してどのブロックが正しく受信され
たかをDUTが返す情報に基づいて、GMSKと8PSKの両方のBLER測定用に使用できます。
マルチスロットのダウンリンクの場合は、すべてのダウンリンクに関連するBLERを同
時に測定できます。
図1. GPRSブロック・エラー
ETSIテスト・モードA
このテスト・モードは最初はGPRS用に開発されました。このモードでは、移動機は送
信するだけでテスト・セットからデータを受信することはありません。このため、この
モードの使用はGMSKまたは8PSK信号の送信機テストにのみ制限されます。GMSKのみ
シグナリング・ブロックが送信される場合があります。
5
ETSIテスト・モードB
ETSIテスト・モードAと同様に、この方式は最初はGPRS用に開発されました。EGPRS
テストに対する適用性も備えていますが、正確な動作は実装に依存します。
ETSIテスト・モードBは、ダウンリンクで送信されたデータがアップリンクで送り返さ
れるループバック・タイプのテスト・モードです。しかし、これはレイヤ1ループバック
ではありません。DUTのプロトコル・スタック内のこれより上位のレイヤが関係します。
これは非常に複雑で、GPRSテストに比べるとEGPRSテストでのこのテスト・モードの
使用を制限する可能性があります。最良の場合でもデバイスおよび実装に依存します。
ETSIテスト・モードBは、アップリンクとダウンリンクで異なる変調方式が用いられる
場合は使用することはできません。したがって、8PSK信号を受信して、GMSK信号のみ
を送信できる移動機のテストを完全に実行することはできません。
ETSIテスト・モードBには確認モードと非確認モードの2種類があります。これは規格の
あいまいさに起因します。いずれのモードも長所と短所があります。
確認モードでは、DUTは周期的にポーリングされます(注記:このモードではダウンリ
ンクのみが動作し、アップリンクは常に非確認です)。どのブロックが正しく受信され
たかという情報を含むメッセージが送り返されるので、Agilent BLERモードと似た方法
で応答します。正しく受信されなかったブロックは、PRBSを中断して、再送されます。
厳密に言うと、これらの規格では、全ての測定に対してPRBSデータによる変調信号が
必要です。
非確認モードでは、このポーリングは生じません。不正なブロックは、DUTはアップリ
ンクで受信されるようにループバックしますが、再送されません。ブロックがエラー状
態で受信された場合でも、ダウンリンクのPRBSを継続します。
ETSIテスト・モードBでは、ダウンリンクで送信されたデータは、変調と送信が行われ
る前に、コンボリューショナル・エンコードおよびパンクチュアリングが行われます。
その後このデータは、再エンコードされてアップリンクに送り返される前に、DUTによ
ってコンボリューショナル・デコードが行われます。デコード・プロセスの後に巡回冗
長検査(CRC)がフェールした場合でも、デコードされたデータが再エンコードされアッ
プリンクに送信されます。
EGPRS受信機の感度測定のためにテスト・モードBからループバックされたデータを使
用する場合は、上位レベルのパンクチュアリングが実行されるので1つの問題が発生し
ます。ある数または組み合わせのエラーが発生すると、デコーダがフェールして、不正
な連続したエラーが発生する場合があります。そして、データは再エンコードされ、テ
スタへのアップリンクに送り返され、そこで類似のデコード・プロセスが適用させ、類
似の連続したエラーが発生します。どのようなBER/BLER測定でも、受信したデータと
送信したデータとを比較するため、疑わしい場合もあり、正確な動作は実装に依存しま
す。ブロック内の1ビットまたは全ビットが破損してもブロックがエラーになるため、
このモードでBLER測定も行えますが、推奨はできません。
6
しかし、ETSI B確認モードはEGPRS BLER測定用に使用できます。前述したようにDUT
は、どのブロックが正しく受信されたかについての情報を返すことによって、ポーリン
グに応答します。Agilent BLERモードのように、テスタはこの情報を使用してBLER測定
値を計算します。ETSI B確認モードで動作させる場合は、Agilent 8960はこの方法を使用
してBLER測定を行います。この方法がループバック法よりも優れている点はすべての
アクティブ・ダウンリンクと関連するBLERを同時に測定できる点です。
前述のようにPRBSデータで変調されたバーストを測定する場合は、ETSI B確認モード
のPRBSの制限事項が送信機測定に適用されます。これは、8PSK測定では、エンベロー
プが一定でないために、より多くのバースト信号を平均して正確な測定を行う必要があ
るので、より重要となります。アップリンクとダウンリンクのパワー・レベルが高く、
デコードの問題と再送信を回避できる限り、この方法での問題はないようです。しかし、
これにより、送信機と受信機の同時測定用にETSI B確認モードを使用できなくなる可能
性があります。これは、ダウンリンクのパワーを意図的に低減すれば、エラー・データ
が受信され再送信される可能性があるからです。
スイッチング無線ブロック(SRB)ループバック
このETSI規格のテスト・モードは、ETSIテスト・モードCとも呼ばれますが、特に、
EGPRSデバイスのテストにおける問題に対処するために開発されました。このモードで
は、移動機はテスト機器によってレイヤ1ループバック・モードにされ、ダウンリンク
に送信されるすべてのデータは変更されずにアップリンクに送信されます。つまり、再
送されるデータがDUTのデコーダを通過することはありません。このため、明確にコー
ド化されたEGPRS変調コーディング・スキームがないという問題を上手く回避して、送
信機と受信機の同時測定を実現します。
送信機テストと受信機テストを同時が行えるので、最も効率の良いシグナリング・ベー
スのテスト・モードのようです。また、規格で定義されたSRBモードは、異なる変調方
式を使用するアップリンクとダウンリンクに対応します。8PSKを受信でき、GMSKのみ
で送信する移動機デバイスは、このテスト・モードを使ってテストすることができます。
測定器のテスト・モード
このモードではユーザが、電話機とテスト機器の動作を個別に制御する必要があります。
これはテストを実行するには効率の良い方法ですが、電話機の専用テスト・モードをビ
ルドしなければならないことや移動機に特に大きなストレスを加えられないなどの短所
もあります。しかし、同じフレームまたは連続フレームのどちらでもGMSKと8PSKアッ
プリンク・バーストの分布を容易に制御できます。
7
テスト・モードの選択
使用するシグナリング・テスト・モードやテスト・モードの組み合わせの選択は、移動
機に何が実装されているか、どの程度のストレスをDUTに加えるのか、要求される測定
すべてをどのくらい高速に実行する必要があるかに依存します。
DUTのパワー・アンプはGMSKと8PSKの各変調方式に対して異なる領域で動作するため、
GMSKと8PSKの両方の送信機能をテストする必要があります。GMSKはエンベロープが
一定のため、アンプは通常最も効率の高いモードである飽和状態で動作します。8PSK変
調はエンベロープが一定でないので、不飽和領域でアンプを動作させなければなりませ
ん。このため、圧縮(飽和状態にドライブされたアンプ)や振幅ドループ(バースト信号
に対して変動する信号振幅)などの信号の劣化が生じる可能性があります。
DUTの実装によっては、推論されたGMSKの結果を用いて8PSK受信機の感度テストのみ
を実行しなければならない場合があります。
SRBテスト・モード、ETSI B確認テスト・モード、測定器のテスト・モードのそれぞれ
で、送信機と受信機の同時測定が可能ですが、これまで述べてきたように長所と短所が
あります。利用可能な場合は、SRBが最も有用で汎用性の高いモードです。
その他には、8PSK送信機測定用にETSIテスト・モードAと、8PSK受信機およびGMSK送
信機テスト用のAgilent BLERモードとを組み合わせて使用する方法があります。Agilent
BLERモードには、8PSKダウンリンクとGMSKアップリンクでDUTの機能をテストでき
る利点があります。
GMSKと8PSK変調方式の両方がEGPRSの一部なので、GPRSまたは通常のGSM音声動作
で移動機のRF部品を再テストする必要はありません(ただし、音声テスト用に音声コー
ルをセットアップすることが必要な場合があります)。したがって、EGPRSモードで移
動機のRFテストすべてを実行することができます。
生の速度が最も重要な場合は、電話と測定器のセットアップの両方をユーザが制御しな
がら、測定器のテスト・モードを使用することをお勧めします。
8
RF測定に関するその他の
トピックス
このアプリケーション・ノートでは測定の詳しい説明は行いませんが、このセクション
ではEGPRSデバイスのRFパラメトリック・テストで必要なものを簡単に説明します。コ
ンフォーマンス・テストの規格は3GPP 51.010です。エンジニアは、テストのどのサブセ
ットを製造で実行するかを決める必要があります。
8PSKの測定では、追加のテスト・プランの問題が生じます。パワー確度やタイミング確
度、チャネル外干渉などの測定原理は、GMSKと8PSKの両方で同じです。しかし、エン
ベロープが一定でない8PSKの信号特性により、正確な測定の実行が非常に難しいことが
分かります。8PSK信号固有のエンベロープは変調データに依存し、測定値は本質的に統
計的なものです。このため、正確な測定値を得るには通常、PRBSデータによって変調
された多くのバーストを平均しなければなりません。
マルチスロット機能を備えた移動機では、別の注意事項があります。アップリンクとダ
ウンリンクにおいて同じフレーム内でGMSKと8PSKが使用される場合があるため、変調
方式が高速に切り替わる際の移動機のパラメトリック性能をテストする必要があります。
さらに必要なことは、使用するテスト機器には、測定しない変調方式のバーストを確実
に無視する機能が必要です。特に8PSK測定では平均値測定をおこなうため、受信した
GMSKバーストは無視しなければなりません。Agilent 8960 EGPRSアプリケーションで
は受信したバーストのタイプを検出し、不要なバーストを無視します。
パワー測定
8PSK信号の場合、エンベロープが一定でないという特性のために、正確な搬送波測定を
行うには多くのバースト信号を平均する必要があります。このため、単一のバーストで
実行できるGMSKテストに比べて、時間がかかります。Agilentはこれに対処するための
手段として、単一のバーストだけに基づいて、規格で要求される確度で測定が可能な
8PSK搬送波パワー予測測定を提供しています。
パワー対時間
GMSKと8PSKのそれぞれのマスクは明らかに異なりますが、パワー対時間(PvT)の原理
は似ています。しかし、前述のように、マルチスロット・アップリンクでは、アップリ
ンクがGMSKであるのか、8PSKであるのかの考慮が必要です。
図2. パワー対時間
9
変調精度
変調精度の測定は8PSKの測定の中で最も複雑で、GMSKで使用される単純な位相周波数
誤差(PFER)測定とはまったく異なります。バーストの変調精度と関係する多数の異なる
パラメータを返します。この測定では以下を含む、様々な信号劣化が明らかになります。
•
•
•
•
バースト全体に対する振幅ドループ
原点オフセット
圧縮
IQ不平衡
もっとも基本的な変調精度測定はエラー・ベクトル振幅(EVM)で、位相ダイアグラム
上の送信機の位置が理想の位置からどのくらい離れているかを測定します。8PSK測定の
場合、シンボル間およびバースト間の信号の変化を測定するために統計的な方法が必要
で、規格も統計的な用語で記載されています。例えば、規格ではEVMの実効値(RMS)
と95%性能を指定しています。
変調精度測定は、各パワー・ステップに対して規格で許容される最小のパワー・レベル
で送信して、バッテリ寿命の最適化している場合、特に重要な測定です。GMSKの場合、
信号振幅は変調精度に影響を与えません。しかし、8PSKの場合、信号振幅は変調精度に
影響を与えます。
図3. 変調精度
ORFS
この測定は、GMSKと8PSKで非常に似ていますが、±400kHzオフセットでの許容値のみ
が異なります。
10
まとめ
EGPRS移動機に対する最適なテスト・プランの開発は簡単ではありません。移動機で利
用可能なテスト・モード(例えば、ETSI規格モードや独自モード)によっても、テスト方
法が大きく左右されます。
製造エンジニアは速度と確度の目標に優先順位をつけて、テストの方法と内容を検討す
る必要があります。最初により多くのテストを行って確度を検証した後、テスト結果の
履歴で保証されるように、テストを軽減し、高速化するのが一般的な方法です。
シグナリング・ベースのテストでは、利用可能な場合はETSI規格のSRBモードの後で
ETSI B確認モードでテストすることを推奨します。このいずれのモードも利用できない
場合は、ETSI AとAgilent BLERなどのモードを組み合わせて使用することが最適な選択
となる場合もあります。
Agilent 8PSK搬送波パワー予測測定などの手法を使用すると、確度を犠牲にすることな
くテスト回数を大幅に減らすことができます。可能な場合は、送信機と受信機の同時測
定によるテストが最良の選択であることは明らかなことです。
用語集
BER
BLER
CRC
DUT
EGPRS
ETSI
EVM
GMSK
8PSK
GPRS
GSM
IQ
MCS
ORFS
RF
RMS
PvT
PFER
PRBS
SRB
ビット・エラー・レート
ブロック・エラー・レート
巡回冗長検査
被試験デバイス
エンハンスド汎用パケット無線システム(Enhanced general packet radio system)
欧州電気通信標準化機構(European Telecommunications Standards Institute)
エラー・ベクトル振幅:8PSK用の変調精度測定
ガウシアン最小シフト・キーイング(Gaussian minimum shift keying):
GSM、GPRS、EGPRSで使用される変調方式
8値位相シフト・キーイング(8-phase shift keying):EGPRSで使用される
変調方式
汎用パケット無線システム(General packet radio system)
General system for mobiles
同相/直交
変調コーディング・スキーム
出力無線周波数スペクトラム:割り当てられたチャネル外でのエネルギーの
低下量の測定
無線周波数
実効値
パワー対時間
位相周波数誤差:GMSK用の変調精度測定
擬似ランダム・バイナリ・シーケンス
スイッチング無線ブロック - EGPRSデバイス用のETSI規格のテスト・モード
11
サポート、サービス、およびアシスタンス
アジレント・テクノロジー株式会社
アジレント・テクノロジーが、サービスおよびサポートにおいてお約束できることは明確です。リス
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アジレント・テクノロジーのプロミス
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ノロジーの製品をお使いになる時、アジレント・テクノロジーは製品が約束どおりの性能を発揮する
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ことができます。こうしたサービスは、お客様それぞれの技術的ニーズおよびビジネス・ニーズに応
じて購入することが可能です。お客様は、設計、システム統合、プロジェクト管理、その他の専門的
なサービスのほか、校正、追加料金によるアップグレード、保証期間終了後の修理、オンサイトの教
育およびトレーニングなどのサービスを購入することにより、問題を効率良く解決して、市場のきび
しい競争に勝ち抜くことができます。世界各地の経験豊富なアジレント・テクノロジーのエンジニア
が、お客様の生産性の向上、設備投資の回収率の最大化、製品の測定確度の維持をお手伝いします。
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July 15, 2004
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