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本発明は腫瘍学分野に属する。本発明は、CD44遺伝子の変種エクソン
JP 2005-504517 A 2005.2.17 (57) 【 要 約 】 本発明は腫瘍学分野に属する。本発明は、CD44遺伝子の変種エクソンv6によってコ ードされるエピトープに特異的な特徴的配列を有する抗体および前記抗体の誘導体に関す る。本発明はまた、前記抗体タンパク質をコードする核酸分子を提供する。本発明はさら に、前記抗体タンパク質を製造する方法に関する。本発明はまた、前記抗体タンパク質を 含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、癌治療用医薬の製造における使用に関する 。 (2) JP 2005-504517 A 2005.2.17 【特許請求の範囲】 【請求項1】 配列番号1に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖可変領域、またはそのフラグメント、 対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子 。 【請求項2】 前記重鎖可変領域が、配列番号1のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る抗体分 子。 【請求項3】 配列番号2に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖可変領域、またはそのフラグメント、 10 対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子 。 【請求項4】 前記軽鎖可変領域が、配列番号2のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る抗体分 子。 【請求項5】 配列番号3に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖可変領域、またはそのフラグメント、 対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子 。 【請求項6】 20 前記軽鎖可変領域が、配列番号3のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る抗体分 子。 【請求項7】 配列番号1に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖可変領域を含み、さらに配列番号2に 示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖可変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子変種 、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1および3に記 載の抗体分子。 【請求項8】 前記重鎖可変領域が配列番号1のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成り、さらに 前記軽鎖可変領域が配列番号2のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る、請求項 30 2および4に記載の抗体分子。 【請求項9】 配列番号1に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖可変領域を含み、さらに配列番号3に 示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖可変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子変種 、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1および5に記 載の抗体分子。 【請求項10】 前記重鎖可変領域が配列番号1のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成り、さらに 前記軽鎖可変領域が配列番号3のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る、請求項 2および6に記載の抗体分子。 40 【請求項11】 配列番号4に示す核酸配列によってコードされる重鎖可変領域、またはそのフラグメント 、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘 導体を含む抗体分子。 【請求項12】 前記重鎖可変領域が配列番号4に示す核酸配列によってコードされる抗体分子。 【請求項13】 配列番号5に示す核酸配列によってコードされる軽鎖可変領域、またはそのフラグメント 、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘 導体を含む抗体分子。 50 (3) JP 2005-504517 A 2005.2.17 【請求項14】 前記軽鎖可変領域が配列番号5に示す核酸配列によってコードされる抗体分子。 【請求項15】 配列番号6に示す核酸配列によってコードされる軽鎖可変領域、またはそのフラグメント 、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘 導体を含む抗体分子。 【請求項16】 前記軽鎖可変領域が配列番号6に示す核酸配列によってコードされる抗体分子。 【請求項17】 配列番号4に示す核酸配列によってコードされる重鎖可変領域を含み、さらに配列番号5 10 に示す核酸配列によってコードされる軽鎖可変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子 変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、 請求項11および13に記載の抗体分子。 【請求項18】 前記重鎖可変領域が配列番号4に示す核酸配列によってコードされ、さらに前記軽鎖可変 領域が配列番号5に示す核酸配列によってコードされる請求項12および14に記載の抗 体分子。 【請求項19】 配列番号4に示す核酸配列によってコードされる重鎖可変領域を含み、さらに配列番号6 に示す核酸配列によってコードされる軽鎖可変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子 20 変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、 請求項11および15に記載の抗体分子。 【請求項20】 前記重鎖可変領域が配列番号4に示す核酸配列によってコードされ、さらに前記軽鎖可変 領域が配列番号6に示す核酸配列によってコードされる請求項12および16に記載の抗 体分子。 【請求項21】 前記可変軽鎖領域および前記可変重鎖領域の各々がヒト定常領域に別々に結合されること を特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の抗体分子。 【請求項22】 30 前記軽鎖のヒト定常領域がヒトカッパ定常領域である請求項21の抗体分子。 【請求項23】 前記重鎖のヒト定常領域がヒトIgG1定常領域である請求項21または22の抗体分子 。 【請求項24】 配列番号7に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖を含み、さらに配列番号8に示すアミ ノ酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖 化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1から23のいずれかに記載の抗 体分子。 【請求項25】 40 前記重鎖が配列番号7のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成り、さらに前記軽鎖 が配列番号8のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る、請求項1から24のいず れかに記載の抗体分子。 【請求項26】 配列番号7に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖を含み、さらに配列番号9に示すアミ ノ酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖 化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1から25のいずれかに記載の抗 体分子。 【請求項27】 前記重鎖が配列番号7のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成り、さらに前記軽鎖 50 (4) JP 2005-504517 A 2005.2.17 が配列番号9のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸から成る、請求項1から26のいず れかに記載の抗体分子。 【請求項28】 配列番号10に示す核酸配列によってコードされる重鎖を含み、さらに配列番号11に示 す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、 縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1から27の いずれかに記載の抗体分子。 【請求項29】 前記重鎖が配列番号10の核酸配列によってコードされ、さらに前記軽鎖が配列番号11 の核酸配列によってコードされる請求項1から28のいずれかに記載の抗体分子。 10 【請求項30】 配列番号10に示す核酸配列によってコードされる重鎖を含み、さらに配列番号12に示 す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、 縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1から29の いずれかに記載の抗体分子。 【請求項31】 前記重鎖が配列番号10の核酸配列によってコードされ、さらに前記軽鎖が配列番号12 の核酸配列によってコードされる請求項1から30のいずれかに記載の抗体分子。 【請求項32】 配列番号13に示す核酸配列によってコードされる重鎖を含み、さらに配列番号14に示 20 す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、 縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1から31の いずれかに記載の抗体分子。 【請求項33】 前記重鎖が配列番号13の核酸配列によってコードされ、さらに前記軽鎖が配列番号14 の核酸配列によってコードされる請求項1から32のいずれかに記載の抗体分子。 【請求項34】 配列番号13に示す核酸配列によってコードされる重鎖を含み、さらに配列番号15に示 す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、 縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む、請求項1から33の 30 いずれかに記載の抗体分子。 【請求項35】 前記重鎖が配列番号13の核酸配列によってコードされ、さらに前記軽鎖が配列番号15 の核酸配列によってコードされる請求項1から34のいずれかに記載の抗体分子。 【請求項36】 配列番号16に示す核酸配列によってコードされる重鎖および軽鎖またはそのフラグメン ト、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的 誘導体を含む、請求項1から35のいずれかに記載の抗体分子。 【請求項37】 前記重鎖および軽鎖が配列番号16の核酸配列によってコードされる請求項1から36の 40 いずれかに記載の抗体分子。 【請求項38】 前記抗体タンパク質が治療薬剤と結合される請求項1から37のいずれかに記載の抗体タ ンパク質。 【請求項39】 前記治療薬剤が、放射性同位元素、毒素、類毒素、炎症剤および化学療法剤から成る群か ら選択される治療薬剤である請求項38の抗体タンパク質。 【請求項40】 前記治療薬剤が、MAG−3GABA、MAG−2GABAおよびN2S2の群から選択 されるリンカーを介して前記抗体タンパク質と結合される請求項39の抗体タンパク質。 50 (5) JP 2005-504517 A 2005.2.17 【請求項41】 前記治療薬剤がMAG−2GABAを介して前記抗体タンパク質と結合される請求項40 の抗体タンパク質。 【請求項42】 前記放射性同位元素がβ線放出放射性同位元素である請求項38から41のいずれかに記 載の抗体タンパク質。 【請求項43】 前記放射性同位元素が 1 8 6 レニウム、 1 8 8 レニウム、 1 3 1 ヨウ素および 9 0 イットリウムから 成る群から選択される請求項42の抗体タンパク質。 【請求項44】 前記放射性同位元素が 10 1 8 6 レニウムである請求項43の抗体タンパク質。 【請求項45】 前記抗体タンパク質が約0.5から約15mCi/mg、または約0.5から約14mC i/mg、好ましくは約1から約10mCi/mg、好ましくは約1から約5mCi/m g、極めて好ましくは2から6mCi/mgまたは1から3mCi/mgの比活性を有す る請求項39から44のいずれかに記載の抗体タンパク質。 【請求項46】 前記抗体タンパク質が標識されていることを特徴とする請求項1から37のいずれかに記 載の抗体タンパク質。 【請求項47】 20 前記標識が検出可能なマーカーである請求項46の抗体タンパク質。 【請求項48】 前記検出可能なマーカーが、酵素、染料、放射性同位元素、ジゴキシゲニンおよびビオチ ンから成る群から選択される検出可能マーカーである請求項47の抗体タンパク質。 【請求項49】 画像化剤と結合される請求項1から37のいずれかに記載の抗体タンパク質。 【請求項50】 前記画像化剤が放射性同位元素である請求項49の抗体タンパク質。 【請求項51】 前記放射性同位元素がγ線放出放射性同位元素である請求項50の抗体タンパク質。 30 【請求項52】 前記放射性同位元素が 1 2 5 Iである請求項51の抗体タンパク質。 【請求項53】 請求項1から45のいずれかに記載の抗体タンパク質および医薬的に許容できる担体また は賦形剤を含む医薬組成物。 【請求項54】 前記抗体タンパク質が請求項39から44のいずれかに記載の放射性同位元素と結合され 、さらに約0.5から約15mCi/mg、または約0.5から約14mCi/mg、好 ましくは約1から約10mCi/mg、好ましくは約1から約5mCi/mg、極めて好 ましくは2から6mCi/mgまたは1から3mCi/mgの比活性を有する請求項53 40 に記載の医薬組成物。 【請求項55】 患者に適用される医薬組成物中の前記放射能標識抗体の量が10、20、30、40、5 2 0または60mCi/m である請求項53また54に記載の医薬組成物。 【請求項56】 2 患者に適用される医薬組成物中の前記放射能標識抗体の量が50mCi/m である請求 項53また54に記載の医薬組成物。 【請求項57】 アスコルビン酸、ゲンチシン酸、レダクチン酸、エリトロルビン酸、p−アミノ安息香酸 、4−ヒドロキシ安息香酸、ニコチン酸、ニコチンアミド、2−5−ジヒドロキシ1,4 50 (6) JP 2005-504517 A 2005.2.17 −ベンゼンジスルホン酸、ポビドン、イノシトールおよび/またはクエン酸塩の群から選 択される1つまたは2つ以上の放射能保護物質をさらに含む請求項53から56のいずれ かに記載の医薬組成物。 【請求項58】 前記放射能保護物質がアスコルビン酸である請求項53から57のいずれかに記載の医薬 組成物。 【請求項59】 前記抗体タンパク質が、MAG−2GABAを介して186レニウムに結合されてある、 請求項8、10、18、20、24、25、28、29、32、33、36、37の抗体 分子の群から選択される抗体分子を含み、前記医薬組成物がさらに放射能保護アスコルビ 10 ン酸を含む請求項53から58のいずれかに記載の医薬組成物。 【請求項60】 癌治療用医薬の製造における請求項1から45のいずれかに記載の抗体タンパク質の使用 。 【請求項61】 前記癌が、大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、膵臓癌およ び脳の転移性癌から成る群から選択される請求項60に記載の抗体タンパク質の使用。 【請求項62】 前記抗体タンパク質が請求項39から44のいずれかに記載の放射性同位元素に結合され 、さらに約0.5から約15mCi/mg、または約0.5から約14mCi/mg、好 20 ましくは約1から約10mCi/mg、好ましくは約1から約5mCi/mg、極めて好 ましくは2から6mCi/mgまたは1から3mCi/mgの比活性を有する、請求項6 0または61のいずれかに記載の抗体タンパク質の使用。 【請求項63】 患者に適用される医薬組成物中の前記放射能標識抗体の量が10、20、30、40、5 2 0または60mCi/m である請求項62に記載の抗体タンパク質の使用。 【請求項64】 2 患者に適用される医薬組成物中の前記放射能標識抗体の量が50mCi/m である請求 項62に記載の抗体タンパク質の使用。 【請求項65】 30 請求項1から45のいずれかに記載の抗体タンパク質がそれを必要とする個体に1回から 数回投与され、前記抗体タンパク質が選択的にCD44v6に結合し、前記抗体タンパク 質に結合された治療薬剤を介して腫瘍細胞を破壊し、さらに前記治療の成功がモニターさ れる癌の治療方法。 【請求項66】 前記腫瘍が、大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、膵臓癌お よび脳の転移性癌から成る癌群から選択される腫瘍である請求項65の方法。 【請求項67】 請求項1から37のいずれかに記載の抗体タンパク質をコードすることを特徴とする核酸 。 40 【請求項68】 請求項67に記載の核酸を含むことを特徴とするリコンビナントDNAベクター。 【請求項69】 発現ベクターであることを特徴とする請求項68に記載のリコンビナントDNAベクター 。 【請求項70】 ベクターpAD−CMVまたはその機能的誘導体であることを特徴とする請求項68また は69に記載のリコンビナントDNAベクター。 【請求項71】 ベクターN5KG1Valまたはその誘導体であることを特徴とする請求項68から70 50 (7) JP 2005-504517 A 2005.2.17 のいずれかに記載のリコンビナントDNAベクター。 【請求項72】 請求項68から71のいずれかに記載のベクターを含むことを特徴とするホスト。 【請求項73】 真核細胞であることを特徴とする請求項72に記載のホスト。 【請求項74】 哺乳類細胞であることを特徴とする請求項72または73に記載のホスト。 【請求項75】 BHK、CHOまたはCOS細胞であることを特徴とする請求項72から74のいずれか に記載のホスト。 10 【請求項76】 バクテリオファージであることを特徴とする請求項72に記載のホスト。 【請求項77】 原核細胞であることを特徴とする請求項72に記載のホスト。 【請求項78】 以下の工程を含むことを特徴とする請求項1から37のいずれかに記載の抗体タンパク質 の製造方法:請求項72から77のいずれかに記載のホストを前記ホスト細胞によって前 記抗体タンパク質が発現される条件下で培養し、前記抗体タンパク質を単離する。 【請求項79】 前記ホストが哺乳類細胞、好ましくはCHOまたはCOS細胞であることを特徴とする請 20 求項78に記載の方法。 【請求項80】 前記ホスト細胞が、軽鎖または重鎖発現ユニットを保有する2つのプラスミドで同時にト ランスフェクトされることを特徴とする請求項78または79に記載の方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 技術分野 本発明は腫瘍学分野に属する。本発明は、CD44遺伝子の変種エクソンv6によってコ ードされるエピトープに特異的な特徴的配列を有する抗体および前記抗体の誘導体に関す る。本発明はまた、前記抗体タンパク質をコードする核酸分子を提供する。本発明はさら 30 に、前記抗体タンパク質を製造する方法に関する。本発明はまた、前記抗体タンパク質を 含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、癌治療用医薬の製造における使用に関する 。 【0002】 背景技術 表面糖タンパク質CD44の変種の発現が、非転移性ラット線維肉腫細胞株と同様にラッ ト膵臓非転移性腺癌細胞株のいわゆる偶発的転移の惹起のために必要にして十分であるこ と が 最 近 示 さ れ た ( Geunther et al., 1991) 。 最 小 の C D 4 4 ア イ ソ フ ォ ー ム ( 標 準 型 CD44またはCD44std)は種々の組織(上皮細胞を含む)で普遍的に発現される が、一方、ある種のCD44スプライス変種(CD44v、CD44var)は上皮細胞 40 サブセットでのみ発現される。CD44変種は、10個のエクソン(v1−v10)がC D44で完全に削られるが、異なる組合せのより大きな変種として出現できるようにまた 別 の ス プ ラ イ シ ン グ に よ っ て 生 成 さ れ る ( Screaton et al., 1992; Toelg et al., 1993; Hofmann et al., 1991) 。 前 記 変 種 は 、 そ の タ ン パ ク 質 の 細 胞 外 部 分 の 一 定 の 部 位 に 種 々のアミノ酸配列が挿入されるという点で異なっている。そのような変種は、ヒトの腫瘍 組織と同様に種々のヒト腫瘍細胞で検出される。したがって、大腸癌発生の過程における C D 4 4 変 種 の 発 現 が 最 近 調 べ ら れ て い る ( Heider et al., 1993a) 。 C D 4 4 変 種 の 発 現は正常なヒト結腸上皮には認められず、陰窩の増殖細胞で微弱な発現が検出されるだけ である。腫瘍形成後期には、例えば腺癌では全ての悪性物は変種CD44を発現する。組 織 の 変 種 C D 4 4 の 高 レ ベ ル 発 現 は ま た 急 速 進 行 性 非 ホ ジ キ ン リ ン パ 腫 で も 示 さ れ た ( Ko 50 (8) JP 2005-504517 A 2005.2.17 opman et al., 1993) 。 【0003】 エ ク ソ ン v 6 は 特 に 転 移 に よ る 拡 散 過 程 で 特 別 な 役 割 を 果 た す よ う で あ る ( Rudy et al., 1993) 。 動 物 モ デ ル で は 、 v 6 特 異 的 エ ピ ト ー プ に 対 す る 抗 体 は 転 移 細 胞 の 定 着 お よ び 転 移 物 の 増 殖 を 防 ぐ こ と が で き た ( Seiter et al., 1993) 。 大 腸 癌 で は 、 v 6 の 発 現 は 腫 瘍 の 進 行 と 相 関 す る ( Wielenga et al., 1993) 。 胃 癌 で は 、 v 6 の 発 現 は 、 腸 管 型 腫 瘍 と 拡 散 型 腫 瘍 と を 区 別 す る 重 要 な 診 断 マ ー カ ー で あ る ( Heider et al., 1993b) 。 後 者 の2つの文献では、v6の発現はv6特異的エピトープに対する抗体を用いて決定された 。 CD44v6はヒトの腫瘍および正常組織で発現促進パターンをもつ癌関連抗原であるこ 10 と が 示 さ れ た の で ( Heider et al., 1995; Heider et al., 1996) 、 抗 体 利 用 診 断 お よ び 治 療 手 段 に 供 さ れ て き た ( Heider et al., 1996; WO95/33771; WO97/21104) 。 【0004】 非ヒト抗体をヒトに用いるときに生じる重大な問題は、それら抗体が抗非ヒト抗体反応を 急速に引き起こし、前記反応によって前記非ヒト抗体の効能が患者で低下し、さらに継続 投与を損なうということである。前記問題を克服するために、非ヒト抗体をヒト化すると いう考えが当技術分野で発達した。最初のアプローチでは、非ヒト抗体のヒト化の試みは 、非ヒト/ヒトキメラ抗体の構築によって実施され、非ヒト可変領域がヒト定常領域と結 合 さ れ た ( G.L. Boulianne, N. Hozumi and M.J. Shulman (1984) Production of Functi onal chimeric mouse/human antibody, Nature 312:643) 。 こ の よ う に し て 生 成 さ れ た キ 20 メラ抗体は本来の非ヒト抗体の結合特異性および親和性を保持している。しかしながら、 キメラ抗体は、マウス抗体よりもはるかに改善されているがやはり、ヒトで抗キメラ反応 を 誘 発 す る ( A.F. LoBuglio, R.H. Wheeler, J. Trang, A. Haynes, K. Rogers, E.B. Ha rvey, L. Sun, J. Ghrayeb and M.B. Khazaeli (1989) Mouse/human chimeric monoclona l antibody in mann: Kinetics and Immune response. Proc. Natl. Acad. Sci. 86:4220 )。前記アプローチは、非ヒト可変領域からその相補性決定領域(CDR)をヒト可変領 域へ移植し、続いてこれら“再形成したヒト”可変領域をヒトの定常領域に結合させて、 非 ヒ ト 配 列 の 量 を さ ら に 減 少 さ せ る こ と に よ っ て 後 に 洗 練 さ れ た ( L. Riechmann, M. Cla rk, H. Waldmann and G. Winter (1988) Reshaping human antibodies for therapy, Nat ure 332:323) 。 C D R 移 植 ま た は 再 形 成 ヒ ト 抗 体 は 、 マ ウ ス 抗 体 に 由 来 す る と 認 識 さ れ 30 るタンパク質配列をほとんどまたは全く含んでいない。CDR移植によってヒト化された 抗体は、天然のヒト抗体でさえ認めることができる何らかの免疫反応(例えば抗アロタイ プまたは抗イディオタイプ反応)を誘発するが、CDR移植抗体はマウス抗体よりも免疫 原性が極めて低く、したがってより長期にわたる患者の治療が可能である。 【0005】 しかしながら、CDR移植だけでは十分な結合親和性を有する抗体が得られないというこ とがまもなく明らかになった。CDR移植抗体は、それらの親の非ヒト抗体と比較して相 対的に貧弱な結合特性を有する。なぜならば、CDR内のアミノ酸よりも多くのアミノ酸 が抗原結合に必要とされるからである。結果として、結合親和性が低いCDR移植抗体が 治療に有用であるとは考えられない。したがって、CDR移植抗体の低い免疫原性と非ヒ 40 ト親抗体の良好な結合特性が組み合わされた抗体を作製する試みが為された。CDRの移 植に加えて、結合親和性を保持するためにげっ歯類ドナー由来の残基としてヒト化フレー ムワーク領域内に1つから数個のアミノ酸が維持される必要があるという考え方が発達し た ( Queen et al., (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. 86:10029-10033) 。 診断および治療でそのような抗体が示す高い潜在的有用性のために、ヒトの癌治療に適し た改善された特性を有する抗体が希求される。本発明の主要な目的は、公知のCD44v 6特異的抗体と比較したときはるかに良好な特性を有する抗体を提供することである。 【0006】 発明が解決しようとする課題 上記見出しの技術的な問題は、本発明の請求の範囲および発明の開示で特徴を明らかにさ 50 (9) JP 2005-504517 A 2005.2.17 れる実施態様によって解決される。前述した当技術の欠点は本発明の請求の範囲および発 明の開示によって克服される。 上述の問題を解決するために、本発明は、BIWA8と称するCD44V6特異的ヒト化 抗体をデザインし作製した。本抗体はCDR移植およびフレームワーク変異の両方を有し 、高い親和性と低い免疫原性が組み合わされている。 しかしながら、本発明者らは、BIWA4と称するさらにいっそう優れた治療的有用性を もつ抗体を作製することができた。本抗体はBIWA8と較べて結合親和性は低いが、驚 く べ き こ と に in vivoで 投 与 さ れ た と き 極 め て 好 ま し い 生 体 分 布 お よ び 腫 瘍 へ の 取 り 込 み を示す。 本発明は、腫瘍学の分野に属する。本発明は、CD44遺伝子の変種エクソンv6によっ 10 てコードされるエピトープに特異的である特徴的配列を有する抗体および前記抗体の誘導 体に関する。本発明はまた、前記抗体タンパク質をコードする核酸分子を提供する。本発 明はさらに、前記抗体タンパク質を製造する方法に関する。本発明はまた、前記抗体タン パク質を含む医薬組成物を提供する。本発明はさらに、癌治療用医薬の製造における使用 に関する。 【0007】 発明を実施するための最良の形態 本発明を実施する前に注記しなければならないことは、本明細書および添付の請求の範囲 で用いられるように、別に特に明示されないかぎり単数形は複数形を含むということであ る。したがって、例えば“1つの抗体”は複数のそのような抗体を含み、“細胞”とは1 20 つまたは2つ以上の細胞、および当業者に公知の同等物を指す云々。別に特定しないかぎ り、本明細書で用いられる全ての技術的および学術的用語は、本発明が属する分野の通常 の技術を有する者のいずれもが普通に理解する意味と同じ意味を有する。本明細書に記載 されているものと類似するかまたは同等ないずれの方法および材料も本発明の実施または 試験で用いることができるが、好ましい方法、装置および材料はこれらから説明する。本 明細書に記載した全ての刊行物は、細胞株、ベクターおよび、本発明に関連して使用する ことが可能な刊行物に記載された方法を説明する目的で参照により本明細書に含まれる。 本明細書中のいずれの刊行物も、先行発明を理由として本発明がそのような発明に先行し ないと認容するものと解釈されるべきではない。 【0008】 30 本明細書で用いられるように、“抗体分子”または“抗体タンパク質”または“抗体”と いう用語は同等と考えられる。 “ モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 相 補 性 決 定 領 域 ” は 、 Chothia and Leskの 論 文 ( Chothia and Le sk (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917) に 関 連 し て Kabat( E.A. Kabat, T.T. Wu, H.M. Perry, K.S. Gottesman and C. Foeller (1991) Sequences of Proteins of Immunologic al Interest (5th Ed.) NIH publication No.91-3242. U.S. Department of Health and Human Services, Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD.) の い う 特 異 的 な 抗 原 結 合 に 必 要 な ア ミ ノ 酸 配 列 で あ る と 考 え ら れ る 。 本明細書で用いられるように、“フレームワーク改変”という用語は、個々の相補性決定 領域の周辺に存在する可変領域内の1つまたは多数のアミノ酸の交換、欠失または付加を 40 指す。フレームワーク改変は、抗体タンパク質の免疫原性、製造性、または結合特異性に 強い影響を有するであろう。 本発明は、配列番号1に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖可変領域またはそのフラグ メント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む 抗体分子を提供する。抗体BIWA4およびBIWA8は両方とも、アミノ酸配列番号1 の特徴を示す重鎖可変領域を含む。 【0009】 本発明の“フラグメント”はより短い抗体分子、すなわち下記に開示されるものよりも短 い核酸分子によってコードされるが、なおその結合活性を保持することを特徴とする任意 のポリペプチドサブセットである。 50 (10) JP 2005-504517 A 2005.2.17 本発明の抗体分子の“機能的変種”は、本発明の抗体分子と実質的に類似する生物学的活 性(機能的または構造的のいずれか)、すなわち実質的に類似する基質特異性または基質 の切断を有する抗体分子である。“機能的変種”にはまた“フラグメント”、“対立遺伝 子変種”、“機能的変種”、“縮退核酸コードによる変種”または“化学的変種”が含ま れる。そのような“機能的変種”は、例えば1つまたは数個の点変異、1つまたは数個の 核酸の交換、欠失もしくは挿入、または1つまたは数個のアミノ酸の交換、欠失もしくは 挿入を有することができる。前記機能的変種はなおその生物学的活性、例えば抗体結合活 性を少なくとも部分的に保持し、場合によって前記生物学的活性は改善すらされてある。 本発明の抗体分子の機能的変種は、本発明の抗体分子と実質的に類似する生物学的活性( 機能的または構造的のいずれか)、すなわち実質的に類似する標的分子結合活性を有する 10 抗体分子である。“機能的変種”という用語にはまた“フラグメント”、“対立遺伝子変 種”、“機能的変種”、“縮退核酸コードによる変種”または“化学的変種”が含まれる 。 【0010】 “対立遺伝子変種”は対立遺伝子の変種、例えばヒトの2つの対立遺伝子における相違に よる変種である。前記変種はなおその生物学的活性(例えば抗体の標的結合活性)を少な くとも部分的に保持し、場合によって前記生物学的活性は改善すらされてある。 “遺伝暗号の縮退による変種”は、ある種のアミノ酸はいくつかの異なるヌクレオチドト リプレットによってコードされるという事実による変種である。前記変種はなおその生物 学的活性(例えば抗体結合活性)を少なくとも部分的に保持し、一方では前記生物学的活 20 性は改善すらされてある。 “融合分子”は、例えばレポーター(例えば放射能標識)、化学的分子(例えば毒素また は蛍光標識)または当分野で公知の他の分子と融合した本発明の抗体分子であろう。 本明細書で用いられるように、本発明の“化学的誘導体”は、化学的に改変されてあるか 、または通常は当該分子の一部分ではない化学的な付加成分を含む本発明の抗体分子であ る。前記のような成分は、前記分子の活性、例えば標的破壊(例えば腫瘍細胞の死滅)を 改善するか、または前記分子の可溶性、吸収、生物学的半減期などを改善することができ る。 ある分子は、別の分子ともし前記両分子が実質的に類似の構造または生物学的活性を有す るならば“実質的に類似”する。したがって、2つの分子が類似の活性を有することを条 30 件に、前記2つの分子は、たとえ前記分子の一方の構造が他方で見出されなくても、また はアミノ酸残基配列が同一でなくても、本明細書で用いられるように変種と考えられる。 【0011】 本発明の抗体が使用される多くの場合、できるかぎり最小の抗原結合ユニット(すなわち CD44v6結合ユニット)を有することが所望される。したがって別の好ましい実施態 様 で は 、 本 発 明 の 抗 体 タ ン パ ク 質 は F a b フ ラ グ メ ン ト ( F a b = Fragment antigen-bin ding) で あ る 。 本 発 明 の こ れ ら C D 4 4 v 6 特 異 的 抗 体 タ ン パ ク 質 は 両 鎖 の 可 変 領 域 か ら 成り、前記両鎖は近傍の定常領域によって1つにまとめられてある。これら抗体タンパク 質は、通常の抗体から(例えばパパインによる)プロテアーゼ消化によって生成すること ができるが、同様なFabフラグメントはまた場合によって遺伝子工学で生成することが 40 できる。別の好ましい実施態様では、本発明の抗体タンパク質はF(ab’)2フラグメ ントであり、これはパパインによるタンパク質切断によって調製できる。 遺伝子工学的方法を用いて、可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)領域のみから成る 短縮抗体フラグメントを生成することができる。これらはFvフラグメントと称される( F v = Fragment vaiable= fragment of the variable part( 可 変 部 分 の フ ラ グ メ ン ト ) )。別の好ましい実施態様では、本発明のCD44v6特異的抗体分子は前記のようなF vフラグメントである。これらFvフラグメントは定常鎖のシステインによる2つの鎖の 共有結合を欠くので、前記Fvフラグメントはしばしば安定化される。重鎖および軽鎖の 可変領域を短いペプチドフラグメント(例えば10から30アミノ酸、好ましくは15ア ミノ酸を含む)により結合させることは利点を有する。このようにしてペプチドリンカー 50 (11) JP 2005-504517 A 2005.2.17 によって結合されたVHおよびVLから成るただ1つのペプチド鎖が得られる。この種類 の抗体タンパク質は単鎖Fv(saFv)として知られている。従来技術で知られている こ の 種 類 の s c F v 抗 体 の 例 は Hustonら ( 1998, PNAS 16:5879-5883) が 記 載 し て い る 。 したがって別の好ましい実施態様では、本発明のCD44v6特異的抗体タンパク質は単 鎖Fvタンパク質(scFv)である。 【0012】 近年、マルチマー誘導体としてscFvを調製する種々の方法が開発された。マルチマー 誘導体の調製では、特に薬理動態および生体分布が改善されているだけでなく結合親和性 が高められたリコンビナント抗体を得ることが意図されている。scFvのマルチマー化 を達成するために、scFvはマルチマー化ドメインをもつ融合タンパク質として調製さ 10 れた。マルチマー化ドメインは、例えばIgGのCH3領域またはらせん状コイル構造( らせん構造)、例えばロイシンジッパードメインであろう。しかしながら、scFvのV H/VL領域間の相互作用をマルチマー化(例えばジアボディ、トリアボディおよびペン タボディ)のために使用する方法もまた存在する。したがって、別の好ましい実施態様で は、本発明の抗体タンパク質はCD44v6特異的ジアボディ抗体フラグメントである。 当 業 者 の ジ ア ボ デ ィ と は 二 価 ホ モ ダ イ マ ー の s c F v 誘 導 体 を 指 す ( Hu et al., 1996, P NAS 16:5879-5883) 。 s c F v 分 子 で リ ン カ ー を 5 − 1 0 ア ミ ノ 酸 に 短 縮 す る こ と に よ っ て、VH/VL鎖間重ね合わせを有するホモダイマーが生成される。ジアボディはジスル フィド架橋の取り込みによってさらに安定化させることができる。従来技術のジアボディ 抗 体 タ ン パ ク 質 の 例 は Perisicら ( 1994, Structure 2:1217-1226) の 論 文 で 見 出 す こ と が 20 できる。 【0013】 当業者のミニボディとは二価ホモダイマーのscFv誘導体を指す。前記は、ダイマー化 領域として免疫グロブリン(好ましくはIgG、極めて好ましくはIgG1)のCH3領 域を含む融合体タンパク質から成る(前記CH3領域はヒンジ領域(例えばIgG1に由 来する)およびリンカー領域を介してscFvに連結される)。ヒンジ領域内のジスルフ ィド架橋は高等生物ではほとんどの場合形成されるが原核細胞では形成されない。別の好 ましい実施態様では、本発明の抗体タンパク質はCD44v6特異的ミニボディ抗体フラ グ メ ン ト で あ る 。 従 来 技 術 の ミ ニ ボ デ ィ 抗 体 タ ン パ ク 質 の 例 は Huら の 論 文 ( 1996, Cancer Res. 56:3055-61) で 見 出 す こ と が で き る 。 30 当 業 者 の ト リ ア ボ デ ィ は 三 価 ホ モ ト リ マ ー の s c F v 誘 導 体 を 指 す ( Kortt et al., 1997 , Protein Engineering 10:423-433) 。 リ ン カ ー 配 列 無 し に V H − V L が 直 接 融 合 さ れ て いるscFv誘導体によってトリマーが生成される。 当業者はまた二価、三価または四価構造を有し、scFvから誘導されるいわゆるミニ抗 体について熟知しているであろう。マルチマー化はダイマー、トリマーまたはテトラマー の ら せ ん コ イ ル 構 造 に よ っ て 達 成 さ れ る ( Pack et al., 1993, Biotechnology 11:1271-1 277; Lovejoy et al., 1993, Science 259:1288-1293; Pack et al., 1995, J. Mol. Bio l. 246:28-34) 。 し た が っ て 好 ま し い 実 施 態 様 で は 、 本 発 明 の 抗 体 タ ン パ ク 質 は 、 上 記 の 抗体フラグメントをベースにしたCD44v6特異的マルチマー化分子で、例えばトリア ボディ、四価ミニ抗体またはペンタボディであろう。 40 【0014】 より好ましい実施態様では、本発明は、重鎖の可変領域が配列番号1のアミノ酸配列の特 徴を有するアミノ酸から成る抗体分子に関する。 別の好ましい実施態様では、本発明は、配列番号2に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽 鎖可変領域、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分 子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子に関する。本明細書で用いられる抗体BIWA4 は、アミノ酸配列番号2で示される軽鎖可変領域を含む。 別のより好ましい実施態様では、本発明は、軽鎖可変領域が配列番号2のアミノ酸配列の 特徴を有するアミノ酸から成る抗体分子に関する。 別の好ましい実施態様では、本発明は、配列番号3に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽 50 (12) JP 2005-504517 A 2005.2.17 鎖可変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子 もしくは化学的誘導体を含む抗体分子に関する。抗体BIWA8はアミノ酸配列番号3の 特徴を示す軽鎖可変領域を含む。 別のより好ましい実施態様では、本発明は、軽鎖可変領域が配列番号3のアミノ酸配列の 特徴を有するアミノ酸から成る抗体分子に関する。 【0015】 また別のより好ましい実施態様では、本発明は、配列番号1に示すアミノ酸配列の特徴を 有する重鎖可変領域を含み、さらに配列番号2に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖可 変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もし くは化学的誘導体を含む本発明の抗体分子に関する。抗体BIWA4は、アミノ酸配列番 10 号1の特徴を示す重鎖可変領域およびアミノ酸配列番号2に示す軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖可変領域が配列番号1のアミノ酸配列の特 徴を有するアミノ酸から成り、さらに軽鎖可変領域が配列番号2のアミノ酸配列の特徴を 有するアミノ酸から成る本発明の抗体分子に関する。 また別のより好ましい実施態様では、本発明は、配列番号1に示すアミノ酸配列の特徴を 有する重鎖可変領域を含み、さらに配列番号3に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖可 変領域またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もし くは化学的誘導体を含む本発明の抗体分子に関する。抗体BIWA8は、アミノ酸配列番 号1の特徴を示す重鎖可変領域およびアミノ酸配列番号3に示す軽鎖可変領域を含む。 また別の極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖可変領域が配列番号1のアミノ酸 20 配列の特徴を有するアミノ酸から成り、さらに軽鎖可変領域が配列番号3のアミノ酸配列 の特徴を有するアミノ酸から成る本発明の抗体分子に関する。 【0016】 別の好ましい実施態様では、本発明は、配列番号4に示す核酸配列によってコードされる 重鎖可変領域、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コード による変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子に関する。BIWA4および BIWA8の両抗体は、核酸配列番号4の特徴を示す重鎖可変領域を含む。 別のより好ましい実施態様では、本発明は重鎖可変領域が配列番号4に示す核酸配列によ ってコードされる抗体分子に関する。 別の好ましい実施態様では、本発明は、配列番号5に示す核酸配列によってコードされる 30 軽鎖可変領域、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コード による変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子に関する。本明細書で用いら れる抗体BIWA4は、核酸配列番号5に示す軽鎖可変領域を含む。 別のより好ましい実施態様では、本発明は軽鎖可変領域が配列番号5に示す核酸配列によ ってコードされる抗体分子に関する。 別の好ましい実施態様では、本発明は、配列番号6に示す核酸配列によってコードされる 軽鎖可変領域、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コード による変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む抗体分子に関する。抗体BIWA8は 核酸配列番号6の特徴を示す軽鎖可変領域を含む。 【0017】 40 別のより好ましい実施態様では、本発明は軽鎖可変領域が配列番号6に示す核酸配列によ ってコードされる抗体分子に関する。 別のより好ましい実施態様では、本発明は、配列番号4に示す核酸配列によってコードさ れる重鎖可変領域を含み、さらに配列番号5に示す核酸配列によってコードされる軽鎖可 変領域、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる 変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む本発明の抗体分子に関する。抗体BIWA4 は、核酸配列番号4の特徴を示す重鎖可変領域および核酸配列番号5に示す軽鎖可変領域 を含む。 また別の極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖可変領域が配列番号4に示す核酸 配列によってコードされ、軽鎖可変領域が配列番号5に示す核酸配列によってコードされ 50 (13) JP 2005-504517 A 2005.2.17 る本発明の抗体分子に関する。 別のより好ましい実施態様では、本発明は、配列番号4に示す核酸配列によってコードさ れる重鎖可変領域を含み、さらに配列番号6に示す核酸配列によってコードされる軽鎖可 変領域、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる 変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む本発明の抗体分子に関する。抗体BIWA8 は、核酸配列番号4の特徴を示す重鎖可変領域および核酸配列番号6に示す軽鎖可変領域 を含む。 【0018】 ヒト化CD44v6特異的抗体タンパク質を生成するために、本開示核酸配列を当技術分 野で公知の分子生物学的方法によって発現させた(以下および実施例を参照されたい)。 10 本発明の抗体タンパク質の可変領域は典型的には免疫グロブリン定常領域(Fc)の少な くとも一部分、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域と連結される。ヒト定常領域の DNA配列は、種々のヒト細胞から(好ましくは不朽化B)周知の方法にしたがって単離 で き る ( Kabat et al., 上 掲 書 お よ び WO87/02671を 参 照 さ れ た い ) 。 し た が っ て 本 発 明 の 抗体タンパク質は、それらがCD44v6抗原との特異的結合を示すかぎり、定常領域の 全てまたはほんの一部分を含むことができる。前記定常領域のタイプおよび範囲の選択は 、エフェクターが補体の固定のように機能するのか、または抗体依存細胞毒性を所望する のかによって、さらに抗体タンパク質の所望される薬理学的特性にしたがって左右される 。本発明の抗体タンパク質は、典型的には2つの軽鎖/重鎖対から成るテトラマーである が、またダイマーであってもよく、すなわち1つの軽鎖/重鎖対から成る(例えばFab 20 またはFv)。 【0019】 したがって、さらに別の実施態様では、本発明は、可変軽鎖領域および可変重鎖領域を有 し、その各々がヒト定常領域と結合されていることを特徴とする本発明の抗体タンパク質 に関する。特に、軽鎖可変領域はヒトのカッパ定常領域と結合し、重鎖可変領域はヒトガ ンマ−1定常領域と結合していた。軽鎖および重鎖をキメラ化させる他のヒト定常領域も また当業者は利用することができよう。 ネズミ抗体の可変領域のヒト化は当技術分野で公知の方法を用いて実施できる。EP02 39400は、ネズミ可変領域のCDRのヒト可変領域フレームワークへの移植を開示し ている。WO90/07861は、さらに別のフレームワーク改変を導入することによっ 30 てCDR移植可変領域を再形成する方法を開示する。WO92/11018は、ドナーC DRとアクセプターフレームワーク(ドナーフレームワークと高い相同性を有する)を結 合させたヒト化Igを製造する方法を開示する。WO92/05274は、ネズミ抗体か ら出発するフレームワーク変異抗体の製造を開示している。ネズミモノクローナル抗体に 関連するさらに別の先行技術の引用文献は、EP0368684;EP0438310; WO92/07075またはWO92/22653である。 【0020】 また別の好ましい実施態様では、本発明は、前記軽鎖可変領域および前記重鎖可変領域の 各々が別々にヒト定常領域と結合していることを特徴とする本発明の抗体分子に関する。 また別のより好ましい実施態様では、本発明は、前記ヒト軽鎖定常領域がヒトのカッパ定 40 常領域である本発明の抗体分子に関する。 別のより好ましい実施態様では、本発明は、前記ヒト重鎖定常領域がヒトIgG1定常領 域である本発明の抗体タンパク質に関する。 配列番号7のアミノ酸配列の特徴を有する重鎖および/または配列番号8のアミノ酸配列 の特徴を有するか、または配列番号9のアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖を含む抗体もま た好ましい。 したがって、別の重要な実施態様は、配列番号7に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖 および配列番号8に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立 遺伝子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む本発明の抗体 分子である。抗体BIWA4は、アミノ酸配列番号7の特徴を示す重鎖およびアミノ酸配 50 (14) JP 2005-504517 A 2005.2.17 列番号8に示す軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖が配列番号7のアミノ酸配列の特徴を有す るアミノ酸から成り、さらに軽鎖が配列番号8のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸か ら成る本発明の抗体分子に関する。抗体BIWA4は、アミノ酸配列番号7(重鎖)およ びアミノ酸配列番号8(軽鎖)に開示された配列から成る。BIWA4は、フレームワー ク改変を含まないCDR移植抗体である。驚くべきことに、本抗体は、結合親和性が低い にもかかわらず、フレームワーク変異抗体BIWA8よりも優れた治療効果、良好な生体 分布および腫瘍への取り込みを有する(実施例参照)。前記抗体は、上記で述べた抗体V FF−18(=BIWA1)のヒト化型で、完全なヒトのフレームワーク内に存在するネ ズミモノクローナル抗体VFF−18の相補性決定領域およびヒト定常領域を有する。し 10 たがって前記はヒトで非常に低い免疫原性をもつ抗体であり、それは好ましい特質である 。しかしながら前記抗体は、抗原結合を最適化するネズミのフレームワーク残基をもたな いので、その親抗体VFF−18よりも極めて低い抗原結合親和性しかもたず、したがっ て治療薬として良好な候補物質とはみなされなかったであろう。予期に反して、BIWA 4 は 、 そ の 貧 弱 な 結 合 親 和 性 に も か か わ ら ず 、 非 常 に 好 ま し い 生 体 分 布 お よ び in vivoで の腫瘍への取り込みを示し、より高い結合親和性をもつ他のVFF−18ヒト化型よりも 優れたものになった。 【0021】 別の重要な実施態様は、配列番号7に示すアミノ酸配列の特徴を有する重鎖を含み、さら に配列番号9に示すアミノ酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺伝 20 子変種、機能的変種、糖化変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む本発明の抗体分子 である。抗体BIWA8は、アミノ酸配列番号7の特徴を示す重鎖およびアミノ酸配列番 号9に示す軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖が配列番号7のアミノ酸配列の特徴を有す るアミノ酸から成り、さらに軽鎖が配列番号9のアミノ酸配列の特徴を有するアミノ酸か ら成る本発明の抗体分子に関する。抗体BIWA8は、アミノ酸配列番号7(重鎖)およ びアミノ酸配列番号9(軽鎖)に開示された配列から成る。BIWA8はフレームワーク 改変を含むCDR移植抗体である。前記抗体はBIWA4よりも顕著に高い結合親和性を 有する(実施例参照)。配列番号10の核酸配列によってコードされる重鎖および/また は配列番号11の核酸配列の特徴を有するか、または配列番号12の核酸配列の特徴を有 30 する軽鎖を含む抗体もまた好ましい。前記配列は、ベクターpAD−CMV1/pAD− CMV19でクローニングされる非翻訳配列およびリーダー配列を含む。 【0022】 したがって、別の重要な実施態様は、配列番号10に示す核酸配列によってコードされる 重鎖を含み、さらに配列番号11に示す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメ ント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学 的誘導体を含む本発明の抗体分子である。抗体BIWA4は、核酸配列番号10によって コードされる重鎖および核酸配列番号11によってコードされる軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖が配列番号10の核酸配列によってコード され、さらに軽鎖が配列番号11の核酸配列によってコードされる本発明の抗体分子に関 40 する。 別の重要な実施態様は、配列番号10に示す核酸配列によってコードされる重鎖を含み、 さらに配列番号12に示す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺 伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含 む本発明の抗体分子である。抗体BIWA8は、核酸配列番号10によってコードされる 重鎖および核酸配列番号12によってコードされる軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖が配列番号10の核酸配列によってコード され、さらに軽鎖が配列番号12の核酸配列によってコードされる本発明の抗体分子に関 する。 配列番号13の核酸配列によってコードされる重鎖および/または配列番号14の核酸配 50 (15) JP 2005-504517 A 2005.2.17 列の特徴を有するか、または配列番号15の核酸配列の特徴を有する軽鎖を含む抗体もま た好ましい。前記配列は、ベクターN5KG1valでクローニングされるリーダー配列 を含む。 【0023】 したがって、別の重要な実施態様は、配列番号13に示す核酸配列によってコードされる 重鎖を含み、さらに配列番号14に示す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメ ント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学 的誘導体を含む本発明の抗体分子である。抗体BIWA4は、核酸配列番号13によって コードされる重鎖および核酸配列番号14によってコードされる軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖が配列番号13の核酸配列によってコード 10 され、さらに軽鎖が配列番号14の核酸配列によってコードされる本発明の抗体分子に関 する。 別の重要な実施態様は、配列番号13に示す核酸配列によってコードされる重鎖を含み、 さらに配列番号15に示す核酸配列の特徴を有する軽鎖またはそのフラグメント、対立遺 伝子変種、機能的変種、縮退核酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含 む本発明の抗体分子である。抗体BIWA8は、核酸配列番号13によってコードされる 重鎖および核酸配列番号15によってコードされる軽鎖可変領域を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖が配列番号13の核酸配列によってコード され、さらに軽鎖が配列番号15の核酸配列によってコードされる本発明の抗体分子に関 する。 20 極めて好ましいものは、配列番号16の核酸配列によってコードされる重鎖および軽鎖を 含む抗体タンパク質である。前記配列は、ベクターN5KG1valでクローニングされ るリーダー配列を含む。 したがって、別の極めて重要な実施態様は、配列番号16に示す核酸配列によってコード される重鎖および軽鎖、またはそのフラグメント、対立遺伝子変種、機能的変種、縮退核 酸コードによる変種、融合分子もしくは化学的誘導体を含む本発明の抗体分子である。抗 体BIWA4は、核酸配列番号16によってコードされる重鎖および軽鎖を含む。 極めて好ましい実施態様では、本発明は、重鎖および軽鎖が配列番号16の核酸配列によ ってコードされる本発明の抗体分子に関する。前記配列は完全な抗体BIWA4をコード する。 30 【0024】 本発明の抗体タンパク質は、CD44v6抗原に治療薬剤を誘導する高度に特異的なツー ルを提供する。したがってさらに別の特徴では、本発明は、前記抗体タンパク質が治療薬 剤と結合されてある本発明の抗体タンパク質に関する。当技術分野で公知の多くの治療薬 剤のうちで、放射性同位元素、毒素、類毒素、炎症誘発剤、酵素、アンチセンス分子、ペ プチド、サイトカインおよび化学療法剤から成る群から選択される治療薬剤が好ましい。 放射性同位元素ではとりわけ、ガンマ線、ベータ線およびアルファ線放出放射性同位元素 を治療薬剤として用いることができる。β線放出放射性同位元素が治療用放射性同位元素 として好ましい。 1 8 6 レニウム、 1 8 8 レニウム、 1 3 1 ヨウ素および 9 0 イットリウムが、悪性 腫瘍細胞の集中照射および破壊を達成するために特に有用なβ線放出同位元素であること が証明された。したがって、 1 8 6 レニウム、 1 8 8 レニウム、 1 3 1 ヨウ素および 9 0 40 イットリウ ムから成る群から選択される放射性同位元素が、本発明の抗体タンパク質に結合させる治 療薬剤として特に好ましい。例えば、本発明の抗体を放射性ヨウ素化する場合、WO93 /05804に開示された方法を用いることができる。 したがって、本発明のより好ましい特徴は、前記治療薬剤が放射性同位元素、毒素、プロ ドラッグおよび化学療法剤から成る群から選択される治療薬剤である本発明の抗体タンパ ク質である。 【0025】 より好ましい本発明の特徴は、前記治療薬剤が以下の群から選択されるリンカーを介して 抗 体 タ ン パ ク 質 に 結 合 さ れ る 本 発 明 の 抗 体 タ ン パ ク 質 で あ る : M A G − 3 ( US5082930A; 50 (16) JP 2005-504517 A 2005.2.17 EP0247866B1( 2 ペ ー ジ 5 5 − 5 6 行 か ら 3 ペ ー ジ 1 − 2 3 行 ) ) ; M A G − 2 G A B A ( US5681927A; EP0284071B1( 6 ペ ー ジ 9 − 2 9 行 ) ) ; お よ び N 2 S 2 ( = フ ェ ン チ オ エ ー ト ) ( US4897255A; US5242679A; EP0188256B1( 2 ペ ー ジ 3 8 行 か ら 3 ペ ー ジ 1 8 行 ))(これら全ての文献は参照により本明細書に含まれる)。 前記リンカーの式は以下のとおりである: 【0026】 【化1】 10 20 【0027】 本発明のより好ましい特徴は、前記治療薬剤がMAG−2GABAを介して抗体タンパク 質に結合される本発明の抗体タンパク質である。 本発明のより好ましい特徴は、前記放射性同位元素がβ線放出放射性同位元素である本発 明の抗体タンパク質である。 本発明のより好ましい特徴は、前記放射性同位元素が、 ヨウ素および 9 0 1 8 6 レニウム、 1 8 8 レニウム、 1 3 1 イットリウムから成る群から選択される本発明の抗体タンパク質である。 本発明のより好ましい特徴は、前記放射性同位元素が 1 8 6 レニウムである本発明の抗体タ ンパク質である。 本発明のさらに好ましい特徴は、それらが標識されていることを特徴とする本発明の抗体 30 タ ン パ ク 質 に 関 す る 。 そ の よ う な C D 4 4 v 6 特 異 的 標 識 抗 体 は 、 in vitroお よ び / ま た は in vivoで の C D 4 4 v 6 抗 原 の 局 在 化 お よ び / ま た は 検 出 を 可 能 に す る 。 標 識 と は 直 接的または間接的に検出することが可能なマーカーと定義される。間接的マーカーは、単 独では検出できないが、前記間接的マーカーに特異的なさらに別の直接検出可能マーカー を必要とするマーカーと定義される。本発明の実施に好ましい標識は検出可能なマーカー である。極めて多様なマーカーのうちで、酵素、染料、放射性同位元素、ジゴキシゲニン およびビオチンから成る群から選択される検出可能マーカーがきわめて好ましい。 したがって、本発明のさらに好ましい特徴は、標識されていることを特徴とする本発明の 抗体タンパク質である。より好ましいものは、前記標識が検出可能なマーカーである本発 明の抗体タンパク質である。より好ましいものはまた、前記検出可能マーカーが、酵素、 40 染料、放射性同位元素、ジゴキシゲニンおよびビオチンから成る群から選択される検出可 能マーカーである本発明の抗体タンパク質である。 【0028】 本発明のさらに別の特徴は、それらが画像化することができる薬剤と結合されていること を特徴とする本発明の抗体タンパク質に関する。多様な画像化可能薬剤、特に放射性同位 元素を当技術状況で利用することができる。本発明を実施する場合、ガンマ線放出同位元 素がより好ましい。極めて好ましいものは 1 3 1 ヨウ素である。 したがって本発明のより好ましい特徴は、画像化可能薬剤と結合された本発明の抗体タン パク質である。本発明のより好ましい特徴は、前記画像化可能な薬剤が放射性同位元素で ある本発明の抗体タンパク質である。本発明のより好ましい特徴は、前記放射性同位元素 50 (17) JP 2005-504517 A 2005.2.17 がγ線放出放射性同位元素である本発明の抗体タンパク質である。本発明のより好ましい 特徴は、前記放射性同位元素が 1 2 5 Iである本発明の抗体タンパク質である。 したがって、本発明のより好ましい特徴は、上記で述べた放射性同位元素と結合されてい る抗体タンパク質であり、前記抗体タンパク質は約0.5から約15mCi/mg、また は約0.5から約14mCi/mg、好ましくは約1から約10mCi/mg、好ましく は約1から約5mCi/mg、さらに極めて好ましくは2から6mCi/mgまたは1か ら3mCi/mgの比活性を有する。 【0029】 本発明の別の好ましい実施態様は、本発明の抗体および医薬的に許容できる担体または賦 形剤を含む医薬組成物である。 10 医薬的に許容できる担体には、例えばAMPAグルタメートレセプター作動物質、拮抗物 質または調節物質を安定化させるために、または前記の吸収を高めるために作用する生理 学的に許容できる化合物を含むことができる。そのような生理学的に許容できる化合物に は、例えば炭水化物(例えばグルコース、シュクロースまたはデキストラン)、抗酸化剤 (例えばアスコルビン酸またはグルタチオン)、キレート剤、低分子量タンパク質または 他 の 安 定 化 剤 も し く は 賦 形 剤 が 含 ま れ る ( 例 え ば 以 下 も ま た 参 照 さ れ た い : Remington's Pharmaceutical Science (1990), 18th ed. Mack Publ., Easton) 。 医 薬 的 に 許 容 で き る 担体(生理学的に許容できる化合物を含む)は、例えば前記組成物の投与経路に左右され ることは当業者には理解されよう。 動物またはヒトの身体では、治療される疾患または問題のタイプおよび由来に応じて、上 20 記のような医薬組成物を静脈内ルートまたは他のルートにより(例えば全身的または局所 的に)問題の組織または器官に適用することが有利であることが判明した。例えば、全身 的な自己免疫疾患、またはアレルギー、または外来器官もしくは組織の移植、または拡散 性もしくは局在させることが困難な腫瘍の場合のように、種々の器官または器官系を治療 する必要があるとき、全身的な作用態様が所望される。新形成作用または免疫学的作用が 局所的にのみ出現しているときには、局所的な作用態様が考えられるであろう。 本発明の抗体タンパク質を含む医薬組成物は、当業者に公知の多様な適用ルートで、とり わけ静脈内注射または標的組織への直接注射によって適用することができる。全身的適用 のためには、静脈内、脈管内、筋肉内、動脈内、腹腔内、経口または硬膜下腔内ルートが 好ましい。より局所的な適用は皮下、経皮、心室内、肺葉内、脊髄内、肺内または治療さ 30 れるべき組織(例えば結合組織、骨組織、筋肉組織、上皮組織)に直接またはその近くで 実施することができる。所望の治療期間または治療効果に応じて、抗体組成物を1回もし くは数回または間歇的に、例えば数日間、数週間または数ヶ月間毎日、種々の用量で投与 することができる。 【0030】 上記に記載した適用で使用する抗体調製物を含む適切な医薬組成物を調製するために、当 業者は公知の注射可能な生理学的に許容される滅菌溶液を用いることができる。非経口的 な注射または輸液用の調製済み溶液を作製するために、等張水溶液、例えば食塩水または 対応する血漿タンパク質溶液を容易に入手することができる。前記医薬組成物は凍結乾燥 物または乾燥調製物として(例えばパーツ集合キットとして)得ることができる(前記は 40 公知の注射用溶液を用いて使用直前に滅菌状態で再構成できる)。本発明の抗体組成物の 最終的調製物は、生理的に許容できる滅菌溶液(公知の担体物質および/または添加物( 例えば血清アルブミン、デキストロース、重亜硫酸ナトリウム、EDTA)を補充するこ とができる)と本発明の精製抗体を混合することによって、注射、輸液または灌流のため に調製される。 適用される抗体の量は疾患の性質に左右される。癌患者では、本発明の医薬組成物に含ま れ る “ そ の ま ま の ” ( naked) 抗 体 の 適 用 用 量 は 、 適 用 1 箇 所 に つ き 0 . 1 か ら 1 0 0 m 2 2 2 g/m 、好ましくは5から50mg/m 、好ましくは10mg/m から約40mg/ 2 2 2 2 m 、好ましくは10mg/m から約30mg/m 、また好ましくは20mg/m から 2 2 約30mg/m 、および極めて好ましくは約25mg/m 体表面積である。極めて好ま 50 (18) JP 2005-504517 A 2005.2.17 2 しい抗体タンパク質の用量はまた約50mg/m 体表面積である。 【0031】 各投与につき患者に適用される放射能腺量は有効であるために十分高くなければならない が 、 線 量 限 界 毒 性 ( dose limiting toxicity, D L T ) よ り 低 く な け れ ば な ら な い 。 例 え ば 1 8 6 レニウムによる放射能標識抗体を含む医薬組成物の場合、最大許容線量(MTD) を決定しなければならない(治療設定で前記線量を超えてはならない)。続いて放射能標 識抗体の癌患者への適用は、MTDより低い線量を(月単位でまたは週単位で)繰返し静 脈 内 輸 液 す る こ と に よ っ て 実 施 で き る ( Welt et al., 1994, J. Clin. Oncol. 12:1193-1 203) 。 多 数 回 投 与 が 好 ま し い ( 一 般 的 に は 1 週 間 間 隔 で ) が 、 放 射 能 標 識 物 質 は よ り 長 い間隔で、すなわち4−24週間離して、好ましくは12−20週間離して投与されるべ 10 きである。しかしながら、当業者は、投与を2回または3回以上の適用に分割することを 選択できる。前記の投与は各々の後すぐに、また予め定めたまた別の(例えば1日から1 週間の範囲の)間隔で適用してもよい。さらにまた、適用される放射能線量は下記に概略 するガイドラインに一致するであろう。一般的に、各投与あたりの放射能線量は30から 2 75mCi/m 体表面積(BSA)であろう。したがって、患者に適用されるべき本発 明の医薬組成物中の放射能標識抗体の量は10、20、30、40、50または60mC 2 2 i/m 、好ましくは50mCi/m である(前記は好ましくは ム、 9 9 m テクネチウム、 1 3 1 ヨウ素または 9 0 1 8 6 レニウム、 イットリウムで、極めて好ましくは 1 8 8 1 8 6 レニウ レニウ ムで標識されている)。好ましい実施態様では、本発明は、前記放射能標識抗体の線量が 2 MTD、好ましくは50mCi/m である医薬組成物に関する。前記は実施例3から6 20 で設定した臨床試験で重点的に実証される。 【0032】 前記抗体タンパク質が約0.5から約15mCi/mg、または約0.5から約14mC i/mg、好ましくは約1から約10mCi/mg、好ましくは約1から約5mCi/m g、さらに極めて好ましくは2から6mCi/mgまたは1から3mCi/mgの比活性 を有する、上記に示した本発明の放射性同位元素結合抗体タンパク質を含む本発明の医薬 組成物もまた好ましい。 前記抗体または抗体誘導体が約7から約8のpHにある水溶液中で約0.5から約2.0 mg/mLの濃度で存在する、上記に示した本発明の放射性同位元素結合抗体タンパク質 を含む本発明の医薬組成物もまた好ましい。 30 好ましい実施態様は、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、レダクチン酸、エリトロルビン酸 、p−アミノ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ニコチン酸、ニコチンアミド、2−5 −ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホン酸、ポビドン、イノシトールおよび/また はクエン酸塩の群から選択される1つまたは2つ以上の放射能保護物質をさらに含む本発 明の医薬組成物である。 好ましいものは前記放射能保護物質がアスコルビン酸である本発明の医薬組成物である。 【0033】 別の好ましい実施態様は、前記抗体タンパク質が、MAG−2GABAを介して 1 8 6 レニ ウムと結合されてある、上記記載抗体分子BIWA4またはBIWA8の群から選択され る抗体分子を含み、さらに放射能保護物質のアスコルビン酸を含む本発明の医薬組成物で 40 ある。 本発明の別の好ましい実施態様は、癌治療用医薬の製造における本発明の抗体タンパク質 の使用である。好ましい実施態様では、本発明は、癌の治療を目的として上記に記載した 治療薬剤と結合されてある本発明の抗体タンパク質の使用に関する。癌には悪性増殖を伴 なう任意の疾患、例えば固形腫瘍、肉腫および白血病が含まれる。前記疾患についての必 須条件はCD44v6の発現である。 本発明の指す癌には以下が含まれるが、ただしこれらに限定されない: 1)乳房、肺、結腸直腸、頭頸部、膵、卵巣、膀胱、胃、皮膚、子宮内膜、精巣、食道、 前立腺および腎原発を含む上皮の癌; 2)骨および軟組織の肉腫:骨肉腫、軟骨肉腫、線維肉腫、悪性線維性組織球腫(MFH 50 (19) JP 2005-504517 A 2005.2.17 )、平滑筋肉腫; 3)造血細胞性悪性疾患:ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、白血病; 4)神経外胚葉性腫瘍:末梢神経腫瘍、星状細胞腫、メラノーマ; 5)中皮腫。 【0034】 固形腫瘍を伴なう癌性症状の例には以下が含まれるが、ただしこれらに限定されない:大 腸癌、非小細胞性肺癌、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、肺癌、膀胱癌、膵臓癌および脳の転移 性癌。 したがって好ましい実施態様は、前記癌が大腸癌、非小細胞性肺癌、乳癌、頭頸部癌、卵 巣癌、肺癌、膀胱癌、膵臓癌および脳の転移性癌から成る群から選択される、本発明の抗 10 体タンパク質の使用である。 また好ましいものは、各適用あたりの抗体タンパク質の量が0.1から100mg/m 2 2 2 2 、好ましくは5から50mg/m 、好ましくは10mg/m から約40mg/m 、好 2 2 2 ましくは10mg/m から約30mg/m 、また好ましくは20mg/m から約30 2 2 mg/m 、および極めて好ましくは約25mg/m 体表面積である、癌治療用医薬の製 造における上記に示した本発明の抗体タンパク質の使用である。また好ましいものは、各 2 投与あたりの放射能用量が30から75mCi/m 体表面積(BSA)である、癌治療 用医薬の製造における上記に示した本発明の放射性同位元素結合抗体タンパク質の使用で ある。好ましいものは、本発明の抗体タンパク質が、 クネチウム、 は 1 8 6 1 3 1 ヨウ素または 9 0 1 8 6 レニウム、 1 8 8 レニウム、 9 9 m テ イットリウムで放射能標識されてある、極めて好ましく 20 レニウムで標識されてある、癌治療用医薬の製造における上記に示した本発明の放 射性同位元素結合抗体タンパク質の使用である。さらに別の好ましい態様では、本発明は 2 、前記抗体用量が10、20、30、40、50または60mCi/m 、極めて好まし 2 くは50mCi/m である、癌治療用医薬の製造における上記に示した本発明の放射性 同位元素結合抗体タンパク質の使用に関する。前記は実施例3から6で設定した臨床試験 で重点的に実証される。 【0035】 さらにまた好ましいものは、前記抗体タンパク質が、約0.5から約15mCi/mg、 または約0.5から約14mCi/mg、好ましくは約1から約10mCi/mg、好ま しくは約1から約5mCi/mg、さらに極めて好ましくは2から6mCi/mgまたは 30 1から3mCi/mgの比活性を有する、癌治療用医薬の製造における上記に示した本発 明の放射性同位元素結合抗体タンパク質の使用である。 さらにまた好ましいものは、前記抗体または抗体誘導体が約7から約8のpHにある水溶 液中で約0.5から約2.0mg/mLの濃度で存在する、癌治療用医薬の製造における 上記に示した本発明の放射性同位元素結合抗体タンパク質の使用である。 本発明はさらに、本発明の抗体タンパク質がその必要がある個体に1回から数回投与され 、前記抗体タンパク質がCD44v6と選択的に結合し、前記抗体タンパク質に結合され た治療薬剤により腫瘍細胞を破壊し、さらに治療の成功がモニターされる癌の治療方法に 関する。前記抗体タンパク質はそのまま/未改変の抗体タンパク質として存在していても よいし、改変タンパク質として、例えば融合タンパク質または治療薬剤結合抗体タンパク 40 質として存在してもよい。前記方法は腫瘍を有効量の前記抗体と接触させることを含む。 上 記 に 記 載 し た 腫 瘍 の 治 療 方 法 は in vitroま た は in vivoで 有 効 で あ る 。 癌 は 上 記 に 記 載 した全ての癌である。 【0036】 適用される前記抗体の量は疾患の性質に左右される。癌患者では、“そのまま”の抗体の 2 適用用量は、各適用あたり0.1から100mg/m 、好ましくは5から50mg/m 2 2 2 2 、好ましくは10mg/m から約40mg/m 、好ましくは10mg/m から約30 2 2 2 mg/m 、また好ましくは20mg/m から約30mg/m 、および極めて好ましく 2 2 は約25mg/m 体表面積である。約50mg/m 体表面積の抗体タンパク質用量もま たきわめて好ましい。 50 (20) JP 2005-504517 A 2005.2.17 各投与につき患者に適用される放射能線量は有効であるために十分高くなければならない が、線量限界毒性(DLT)より低くなければならない。例えば 1 8 6 レニウムで放射能標 識された抗体のために最大許容線量(MTD)を決定しなければならない(治療の設定で は前記線量を超えてはならない)。続いて放射能標識抗体の癌患者への適用は、MTDよ り低い線量を(月単位でまたは週単位で)繰返し静脈内輸液することによって実施できる ( 例 え ば 以 下 を 参 照 さ れ た い : Welt et al., 1994, J. Clin. Oncol. 12:1193-1203) 。 多数回投与が好ましいが(一般的には1週間間隔)、放射能標識物質はより長い間隔で、 すなわち4−24週間離して、好ましくは12−20週間離して投与されるべきである。 しかしながら、当業者は、投与を2回または3回以上の適用に分割することを選択できる 。前記の投与は各々の後すぐに、また予め定めたまた別の(例えば1日から1週間の範囲 10 の)間隔で適用してもよい。 さらにまた、適用される放射能線量は下記に概略するガイドラインと一致するであろう。 2 一般的に、各投与あたりの放射能線量は30から75mCi/m 体表面積(BSA)で あろう。したがって、患者に適用されるべき放射能標識抗体の量は10、20、30、4 2 2 0、50または60mCi/m 、好ましくは50mCi/m である(前記抗体は好まし くは 1 8 6 レニウム、 極めて好ましくは 1 8 8 1 8 6 レニウム、 9 9 m テクネチウム、 1 3 1 ヨウ素または 9 0 イットリウムで、 レニウムで標識される)。好ましい実施態様では、本発明は、上記 に記載した放射能標識抗体が癌を罹患する患者に投与され、前記放射能標識抗体の用量が 2 MTD、好ましくは50mCi/m であり、それによって前記癌が予防または治療され る治療方法に関する。前記は実施例3から6で設定される臨床試験で重点的に実証される 20 。 また好ましいものは、上記に示した本発明の放射性同位元素結合抗体タンパク質が、約0 .5から約15mCi/mg、または約0.5から約14mCi/mg、好ましくは約1 から約10mCi/mg、好ましくは約1から約5mCi/mg、さらに極めて好ましく は2から6mCi/mgまたは1から3mCi/mgの比活性を有する、本発明の癌治療 方法である。 さらにまた好ましいものは、上記に示した本発明の放射性同位元素結合抗体タンパク質が 約7から約8のpHにある水溶液中で約0.5から約2.0mg/mLの濃度で存在する 本発明の癌治療方法(上記参照)である。 好ましくは、本発明は、前記腫瘍が大腸癌、非小細胞性肺癌、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、 30 肺癌、膀胱癌、膵臓癌および脳の転移性癌から成る癌群から選択される本発明の方法に関 する。 【0037】 本発明のさらに別の特徴は、本発明の抗体タンパク質をコードすることを特徴とする核酸 である。前記核酸はRNAでもよいが、好ましくはDNAである。前記DNA分子は化学 的に合成してもよい。最初に、適切なオリゴヌクレオチドを当技術分野で公知の方法によ り 合 成 し ( 例 え ば 、 M.J. Gait, Oligonucleotide Synthesis. A Practical Approach. IR L Press, Oxford, UK) 、 前 記 オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド を 用 い て 合 成 遺 伝 子 を 製 造 す る こ と が で き る 。 合 成 遺 伝 子 を 作 製 す る 方 法 は 当 技 術 分 野 で 公 知 で あ る ( 例 え ば 、 Stemmer et al. 1995, Single-step assembly of a gene and entire plasmid from large numbers of o 40 ligodeoxyribonucleotides, Gene 164(1):49-53; Ye et al. 1992, Gene synthesis and expression in E. coli for pump, a human matrix metalloproteinsse, Biochem Biophy s Res Commun 186(1):143-9; Hayden and Mandecki 1988, Gene synthesis by serial cl oning of oligonucleotides, DNA 7(8):571-7) 。 こ れ ら の 方 法 を 用 い て 、 本 出 願 に 開 示 した任意のDNA分子、例えばBIWA4をコードするDNAを合成することができる。 好ましくはまた、本発明の核酸は5’もしくは3’非翻訳領域または5’および3’非翻 訳領域を含むことを特徴とする。本発明の核酸は、上流および/または下流の他の非翻訳 領域を含んでいてもよい。前記非翻訳領域は調節エレメント、例えば転写開始ユニット( プロモーター)またはエンハンサーを含むことができる。前記プロモーターは、例えば構 成的プロモーターでも、誘発性プロモーターでも、または発育によって制御されるプロモ 50 (21) JP 2005-504517 A 2005.2.17 ーターであってもよい。好ましくは、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)およびラウス 肉腫(RSV)の構成的プロモーターが、サルウイルス40(SV40)および単純ヘル ペスプロモーターと同様好ましいが、他の公知のプロモーターも排除されない。本発明の 誘発性プロモーターは、抗生物質耐性プロモーター、熱ショックプロモーター、ホルモン 誘発性“乳癌ウイルスプロモーター”およびメタロチオネインプロモーターを含む。好ま しくはまた、本発明の核酸は本発明の抗体タンパク質のフラグメントをコードすることを 特徴とする。フラグメントとは本発明のポリペプチドの一部分を指す。 【0038】 好ましくは、本発明の核酸は、配列番号4、5、6、10、11、12、13、14、1 5および/または16に開示した核酸である。きわめて好ましくは、前記核酸は配列番号 10 16の核酸である。 本発明のまた別の重要な特徴は、本発明の核酸を含むことを特徴とするリコンビナントD NAベクターである。好ましくは、前記ベクターは、配列番号4、5、6、10、11、 12、13、14、15および/または16の特徴を有する核酸を含む。きわめて好まし くは、前記ベクターは配列番号16の特徴を有する核酸を含む。 前記の例はウイルスベクター、例えばワクシニア、セムリキ森林ウイルスおよびアデノウ イルスである。 COS細胞で使用されるベクターはSV40複製起点を有し、高コピー数プラスミドの達 成 を 可 能 に す る 。 昆 虫 細 胞 で 使 用 さ れ る ベ ク タ ー は 、 例 え ば 大 腸 菌 ( E. coli) ト ラ ン ス ファーベクターであり、例えばプロモーターとしてポリヘドリンをコードするDNAを含 20 んでいる。 本発明の別の好ましい特徴は、発現ベクターであることを特徴とする本発明のリコンビナ ントDNAベクターである。 本発明の別の好ましい特徴は、pAD−CMVまたはその機能的誘導体であることを特徴 とする本発明のリコンビナントDNAベクターである。前記の誘導体は例えばpAD−C MV1、pAD−CMV19またはpAD−CMV25である。 本発明の別の好ましい特徴は、配列番号17またはその機能的誘導体であることを特徴と する本発明のリコンビナントDNAベクターである。 本発明の別の好ましい特徴は、配列番号18またはその機能的誘導体であることを特徴と する本発明のリコンビナントDNAベクターである。 30 【0039】 好ましくはまた、前記ベクターは、1つまたは数個の、配列番号4、5、6、10、11 、12、13、14、15および/または16の特徴を有する核酸分子を含む。 また好ましいものは、本発明のヌクレオチド配列を含むUS5648267AまたはUS 5733779Aで開示されたベクターである。好ましくはまた、前記ベクターは、1つ または数個の、配列番号4、5、6、10、11、12、13、14、15および/また は16の特徴を有する核酸分子を含む。本発明の別の好ましい特徴は、ベクターN5KG 1Valまたはその誘導体であることを特徴とする本発明のリコンビナントDNAベクタ ーである。 また別の重要な特徴は、本発明のベクターを含むことを特徴とするホストである。 40 また別の重要な特徴は、真核ホスト細胞であることを特徴とする本発明のホストである。 本 発 明 の 真 核 ホ ス ト 細 胞 に は 、 真 菌 ( 例 え ば ピ キ ア = パ ス ト リ ス ( Pichia pastoris) ビ ー ル 酵 母 菌 ( Saccharomyces cerevisiae) 、 シ ゾ サ ッ カ ロ ミ ケ ス ( Schizosaccharomyces ) 、 ト リ コ デ ル マ ( Trichoderma) ) 、 昆 虫 細 胞 ( 例 え ば ス ポ ド プ テ ラ = フ ル ギ ペ ル ダ ( S podoptera frugiperda) S f − 9 由 来 の も の 、 バ キ ュ ロ ウ イ ル ス 発 現 系 を 含 む も の ) 、 植 物 細 胞 ( 例 え ば 、 タ バ コ ( Nicotiana tabacum) 由 来 の も の ) 、 哺 乳 類 細 胞 ( 例 え ば C O S細胞、BHK、CHOまたはミエローマ細胞)が含まれる。ヒトの身体で抗体タンパク 質を産生する免疫系細胞から派生した細胞では、本発明の抗体タンパク質は特に良好に折 り畳まれ、糖化される。哺乳類のホスト細胞、好ましくはCHOまたはCOS細胞、例え ば C H O D G 4 4 ( Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77(7):4216-20(1 50 (22) JP 2005-504517 A 2005.2.17 980)) 、 ま た は C H O − K 1 ( ATCC CCL-61) 細 胞 が 好 ま し い 。 し た が っ て 、 別 の 好 ま し い特徴は、BHK、CHOまたはCOS細胞、きわめて好ましくはCHODG44または C H O − K 1 ( ATCC CCL-61) 細 胞 で あ る こ と を 特 徴 と す る 本 発 明 の ホ ス ト で あ る 。 別の好ましい特徴は、バクテリオファージであることを特徴とする本発明のホストである 。 別の好ましい特徴は、原核ホスト細胞であることを特徴とする本発明のホストである。原 核 ホ ス ト 細 胞 の 例 は 大 腸 菌 ( Escherichia coli) 、 枯 草 菌 ( Bacillus subtilis) 、 ス ト レ プ ト マ イ セ ス ( Streptomyces) ま た は プ ロ テ ウ ス = ミ ラ ビ リ ス ( Proteus mirabilis) である。 【0040】 10 本発明はさらに、以下の工程を含むことを特徴とする本発明の抗体タンパク質の製造方法 に関する:本発明のホストを前記抗体タンパク質が前記ホスト細胞によって発現される条 件下で培養し、さらに前記抗体タンパク質を単離する。本発明の抗体は以下のように製造 することができる。軽鎖および重鎖をコードする核酸分子を標準的な方法で化学的および 酵素的に合成することができる。最初に、適切なオリゴヌクレオチドは当技術分野で公知 の方法を用いて合成できる(詳細は上記)。オリゴヌクレオチドから合成遺伝子を作製す る方法は当技術分野で公知である(詳細は上記)。抗体の重鎖および軽鎖をコードするこ れら核酸分子を発現ベクターで(両鎖を1つのベクター分子で、または各鎖を別個のベク ター分子で)クローニングし、続いて前記ベクターをホスト細胞に導入する。好ましくは 、前記ホスト細胞は、哺乳類ホスト細胞(詳細は上記)、例えばCOS、CHOまたはB 20 HK細胞、より好ましくはチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞である。続いて前 記ホスト細胞を前記抗体が産生される条件下で適切な培養液中で培養し、さらに前記抗体 を標準的な方法にしたがって培養から単離する。リコンビナントDNAからホスト細胞で 抗体を製造する方法および対応する発現ベクターは当分野では周知である(例えば以下を 参 照 さ れ た い : WO94/11523; WO97/9351; EP0481790) 。 本発明は好ましくは、前記ホストが哺乳類細胞、好ましくはCHOまたはCOS細胞であ ることを特徴とする本発明の方法に関する。 本発明は好ましくは、前記ホスト細胞を軽鎖または重鎖のための発現ユニットを含む2つ のプラスミドで同時トランスフェクトすることを特徴とする本発明の方法に関する。 以下の実施例は本発明をさらに説明するために供されるが、前記を本明細書に開示した本 30 発明の範囲を限定するものと解してはならない。 【0041】 実施例1 放射能免疫療法 材料と方法 モノクローナル抗体:mMAbBIWA1=VFF18(前記はハイブリドーマ細胞株に よって分泌される。前記細胞株は1994年6月7日にアクセッション番号DSMACC 2 1 7 4 に よ り 下 記 に 寄 託 さ れ た : DSM-Deutsche Sammlung fur Mikroorganismen und Ze llkulturen GmbH, Mascheroder Weg1b, D-38124 Braunscweig, Deutschland; WO95/33771 もまた参照されたい)は、ヒトCD44ドメインv3−v10を含むグルタチオンS−ト 40 ランスフェラーゼ融合タンパク質を用いてBALB/cマウスを免疫することによって作 製 さ れ た ( Heider et al. 1996) 。 B I W A 1 に よ っ て 認 識 さ れ る エ ピ ト ー プ は 、 C D 4 4 の ド メ イ ン v 6 ( 番 号 付 与 は Kugelmannら ( 1992) の 論 文 に し た が う ) の ア ミ ノ 酸 3 6 0−370にマッピングされた。本実験に用いたバッチはプロテインG−セファロースで 精製し、さらにPBSに対して透析した後で得られた。 MAbU36(IgG1)はHNSCC細胞株UM−SCC−22Bでマウスを免疫した 後で得られ、BIWA1とは異なるCD44v6内のエピトープを認識した。U36は濃 縮組織培養上清からプロテインA−セファロースでアフィニティークロマトグラフィーに よって精製され、さらにQ−セファロースで精製された。 【0042】 50 (23) JP 2005-504517 A 2005.2.17 キメラMAbおよびヒト化MAbの作製:mRNAをBIWA1ハイブリドーマ細胞株か ら ク イ ッ ク プ レ ッ プ ( QuickPrep) m R N A 精 製 キ ッ ト ( Pharmacia, Uppsala, Sweden) を用いて単離した。可変重鎖(VH)および可変軽鎖(VL)のcDNAをRT−PCRに よって生成した。 前 記 フ ラ グ メ ン ト を T A ク ロ ー ニ ン グ ベ ク タ ー p C R I I ( Invitrogen, Groningenn, Th e Netherlands) で ク ロ ー ニ ン グ し 、 配 列 を 決 定 し た 。 プ ラ ス ミ ド p A D C M V 1 ( Himml er et al.1990) に 由 来 す る 、 そ れ ぞ れ ヒ ト ガ ン マ 1 の 定 常 領 域 お よ び ヒ ト カ ッ パ 軽 鎖 の 定常領域を含む2つの発現ベクターを構築した。続いて、BIWA1のVHおよびVLフラ グメントを対応する発現ベクターでその定常領域の前でクローニングした。前記キメラ抗 体をcMAbBIWA2と呼んだ。BIWA1重鎖および軽鎖可変領域のヒト化型(CD 10 R移植によって作製)を上記の発現ベクターの免疫グロブリンの定常領域の前でクローニ ングした。ヒト化抗体の構築のために使用したヒト可変領域は、重鎖についてはデータバ ンクGenPeptのヒト免疫グロブリンフラグメントアクセッション番号S31669 から、軽鎖についてはヒト免疫グロブリンHUMIGKAX(再配置抗ミエリンカッパ鎖 ) ( GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 M29469) か ら 得 た 。 得 ら れ た M A b は そ れ ぞ れ h M A b BIWA4およびBIWA8と称した。BIEA8はネズミの親抗体の2つのアミノ酸を 軽鎖フレームワーク2の中に含み、一方、BIWA4はフレームワーク内にネズミの残基 を含くまなかった。 リコンビナントMAbは、重鎖および軽鎖発現プラスミドの電気穿孔によりジヒドロホレ ートレダクターゼ欠損チャイニーズハムスター卵巣細胞で安定的に発現された。細胞を9 20 6ウェルのマイクロタイタープレートで500および100細胞/ウェルの密度で選別培 養液(10%の透析ウシ胎児血清添加α−MEM)中に播種した。コロニーが見えるよう になったとき(約14日後)培養上清をそのIgG含有量について調べ、最良の産生細胞 を増殖させた。遺伝子増幅は、メトトレキセートの濃度を高めながら(20−500nM )培養することによって実施した。 実験室規模でのキメラMAbおよびヒト化MAbの製造を1%ウシ胎児血清含有標準培養 液で実施した。プロテインAセファロースによるアフィニティークロマトグラフィーを用 いて組織培養上清からIgG分画を精製した。純度はSDS−PAGEおよび高速サイズ 選別クロマトグラフィーによって調べた。 【0043】 30 抗体の親和性の評価:リコンビナント抗原を用いたカイネティック定数およびアフィニテ ィ ー 定 数 の 測 定 は ビ ア コ ア 2 0 0 0 シ ス テ ム ( BIAcore AB, Uppsala, Sweden) で 実 施 し た。ヒトCD44のドメインv3−v10を含むグルタチオン−S−トランスフェラーゼ 融合タンパク質(GST/CD44v3−v10;20μg/mL)をCM5センサーチ ップにアミンカップリング法を用い製造元の指示にしたがって固定した。カップリング緩 衝液として10mMの酢酸ナトリウム(pH5.0)を用いた。HBS(10mMのHE PES(pH7.4)、150mMのNaCl、3.4mMのEDTA、0.05%ビア コア界面活性剤P20)中で種々の濃度(8−67nM)のMAb35μLを抗原被覆表 面に流速5μL/分で注入した。MAbの解離は緩衝液(HBS)流の中で5分間調べた 。分析と分析の間でチップの表面を15μLのHCl(30mM)の1回パルスで再生さ 40 せた。データの分析およびカイネティック定数の計算はビアコアのビアエバリュエーショ ン ( BIAevaluation) ソ フ ト 、 ヴ ァ ー ジ ョ ン 2 . 1 で 実 施 し た 。 結 合 速 度 ( k a ) 、 解 離 速 度(kd)および解離定数(Kd)を全ての抗体について調べた。 相対的結合親和性もまた競合的細胞ELISAによって測定した。ヒトA431細胞(陰 門の類上皮癌に由来し、高レベルのCD44v6を発現することが判明している)を96 ウェルの組織培養プレートの各ウェルあたり200μLの10%ウシ胎児血清添加RPM 5 I1640に2.5−5x10 細胞/mLの密度で播種した。空気中に5%のCO2を 含む湿潤インキュベーターで前記プレートを一晩37℃でインキュベートした。培養液を 除去した後で細胞を1回PBSで洗浄し、96%エタノールで1分固定し、再度PBSで 洗浄した。cMAbBIWA2、hMAbBIWA4およびhMAbBIWA8(予め1 50 (24) JP 2005-504517 A 2005.2.17 0μg/mLに予備希釈)をアッセイ緩衝液(PBS/0.5%BSA/0.05%トゥ イーン20)を用いて100μL/ウェルとして1:2の段階希釈を実施し(8段階)、 室温で30分インキュベートした。100μLの予備希釈したmMAbBIWA1(20 ng/mL)を添加し、さらに前記プレートを室温で2時間軌道シェーカー上でインキュ ベートした。コントロールサンプルは、予備希釈サンプルのみでBIWA1を含まないか (0%コントロール)、またはBIWA1のみで競合抗体を全く含まない(100%コン トロール)。PBS/0.05%トゥイーン20(洗浄緩衝液)で3回洗浄した後、mM AbBIWA1の検出のために100μLの二次抗体(ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗マウ ス F c 、 ア ッ セ イ 緩 衝 液 ( DAKO, Copenhagen, Denmark) で 1 : 1 5 0 0 0 に 希 釈 ) を 添 加し、プレートを室温で1時間軌道シェーカーでインキュベートした。洗浄緩衝液で3回 10 洗 浄 し た 後 、 プ レ ー ト を 1 0 0 μ L / ウ ェ ル の テ ト ラ メ チ ル ベ ン ジ ジ ン 基 質 溶 液 ( Kierke gaad and Perry Laboratories, Gaithersburg, USA) で 反 応 さ せ た 。 反 応 は 5 0 μ L / ウ ェルのリン酸(1M)により停止させた。吸収をELISAプレート読取り装置で450 nmで測定した(リファレンス610−690nm)。 【0044】 抗 体 の 放 射 性 ヨ ウ 素 化 : M A b の ヨ ウ 素 化 は 本 質 的 に は 文 献 ( Haisma et al. 1986) に 記 載されたように実施し、 1 2 5 I(100mCi/mL)または 1 3 1 I(200mCi/mL ) の い ず れ か を 用 い た ( 両 者 と も ア マ ー シ ャ ム ( Amersham, Aylesbury, England) か ら 購 入)。1mgのMAbIgGを500μLのPBS(pH7.4)に溶解し、1mCiの 1 2 5 Iまたは 1 3 1 I を 7 5 μ g の ヨ ー ド ゲ ン ( Iodogen) ( Pierce, Oud Bijerland, The N 20 etherlands) で 被 覆 し た バ イ ア ル 中 で 混 合 し た 。 室 温 で 5 分 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 遊 離 の ヨ ウ 素 を P D 1 0 カ ラ ム ( Pharmacia-LKB, Woerden, The Netherlands) の ゲ ル ろ 過 で 除去した。未結合の 1 2 5 Iまたは 1 3 1 Iを除去した後、放射化学的純度は、以前に報告され た ( Van Gog et al. 1997a) T L C お よ び H P L C に よ り 測 定 し た と き 9 7 % を 常 に 超 え ていた。HPLC分析で調べたとき凝集もフラグメントも見出されなかった。 レニウム−186−標識MAbの調製: 1 8 6 R e 標 識 M A b は 、 以 前 ( Van Gog et al. 19 97a) に 報 告 さ れ た よ う に キ レ ー ト S − ベ ン ゾ イ ル メ ル カ プ ト ア シ ル ト リ グ リ シ ン ( S − ベンゾイル−MAG3)を用いて多段法にしたがって調製した。この方法では、 1 8 6 Re −MAG3を調製する固態合成に続いて、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール( TFP)によるエステル化および反応性 1 8 6 Re−MAG3−TFPエステルのMAbへ 30 の共役が実施される。 共役後、 1 8 6 Re標識MAbをPD10カラムで精製した。未結合 1 8 6 Reの除去後、放射 化学的純度は常に98%を越えていた。 【0045】 放射能標識抗体のための結合アッセイ:生体分布実験および治療実験で使用される標識M A b の in vitro結 合 特 性 を 本 質 的 に は 以 前 ( Van Gog et al. 1997a) に 報 告 さ れ た よ う に 免疫反応性アッセイで測定した。ヨウ素化または 1 8 6 Re標識MAbの結合を調べるため に、0.1%グルタールアルデヒド固定UM−SCC−11B細胞を用いた。UM−SC C − 1 1 B 細 胞 は Dr. T.E. Carey( University of Michigan, Ann Arbor, MI) か ら 贈 与 6 5 された。5つの連続希釈物(5x10 細胞/試験管から3.1x10 細胞/試験管の範 40 囲)を1%BSAのPBS液で調製した。もっとも低濃度の細胞を含む第二の試験管に過 剰な非標識MAbIgGを添加して非特異的結合を決定した。10000cpmの 、 1 3 1 Iまたは 1 8 6 1 2 5 I Reを各試験管に添加し、前記サンプルを一晩4℃でインキュベートし た 。 細 胞 を 遠 心 し て 沈 澱 さ せ 、 ペ レ ッ ト お よ び 上 清 の 放 射 能 を ガ ン マ カ ウ ン タ ー ( LKB-Wa llace 1282 CompuGamma, Kabi Pharmacia, Woerden, The Netherlands) で 測 定 し 、 結 合 放射能と遊離放射のパーセンテージを計算した。データは改変ラインウィーバー−バーク プロットで図表により分析し、免疫反応性は無限の抗原過剰を表す条件に対して直線的に 外挿して求めた。 【0046】 HNSCC担癌ヌードマウスにおける生体分布実験:生体分布実験のために、皮下移植し 50 (25) JP 2005-504517 A 2005.2.17 た ヒ ト H N S C C 異 種 移 植 片 ( H N X − O E ) を も つ ヌ ー ド マ ウ ス を 以 前 ( Van Gog et a l. 1997a) に 報 告 さ れ た よ う に 用 い た 。 雌 の マ ウ ス ( H s d : 無 胸 腺 n u / n u 、 2 5 − 3 2 g ) ( Harlan CPB, Zeist, The Netherlands) は 実 験 時 に は 8 − 1 0 週 齢 で あ っ た 。 3 3通りの生体分布実験を、30から470mm の範囲の1つまたは2つの腫瘍をもつマ ウスで実施した。第一の実験では、10μCi(50μg)の を10μCi(50μg)の 1 2 5 1 3 1 I標識mMAbU36 3 I標識mMAbBIWA1と同時に133±28mm の 腫瘍をもつマウスに注射した(n=20匹のマウス、37個の腫瘍)第二の実験では、1 0μCi(50μg)の 2 5 1 3 1 I標識hMAbBIWA4および10μCi(50μg)の 1 3 I標識cMAbBIWA2を167±31mm の腫瘍をもつマウスに同時に注射した (n=21マウス、32腫瘍)。第三の実験では、10μCi(50μg)の hMAbBIWA4および10μCi(50μg)の 1 2 5 1 3 1 I標識 10 I標識hMAbBIWA8を1 3 30±21mm の腫瘍をもつマウスに同時注射した(n=23マウス、40腫瘍)。共 役物は、0.9%のNaClで希釈した後100μLの容積で静脈内に注射した。同時注 射したMAbの比較可能な血中/体内クリアランスを得るために、同一のネズミまたはヒ トのアイソタイプをもつMAbのみを一緒にした。前記抗体用量(総用量は100μg/ マウス)は、MAbの血中からの急速なアイソタイプ関連除去を防止するために十分高く ( Sharkey et al. 1991, Van Gog et al. 1997b) 、 さ ら に 腫 瘍 内 で の 抗 原 飽 和 を 防 止 す るために十分低く選択された。 注射の後表示した時点でマウスを麻酔し失血させて殺し切開した。腫瘍の他に以下の器官 を取り出した:肝臓、脾臓、腎臓、心臓、胃、回腸、結腸、膀胱、胸骨、筋肉、肺臓、皮 20 膚および舌。重量を測定した後、腫瘍、血液および器官内の放射能を二種同位元素ガンマ カ ウ ン タ ー ( LKB-Wallace 1282 CompuGamma) ( 1 2 5 Iのウィンドー設定で 1 3 1 Iコンプト ンに対する自動修正つき)で計測した。前記組織における放射能の取り込みは、組織1グ ラムあたりの注射線のパーセンテージ(%ID/g)として計算した。 MAb投与日まで、マウスは、湿度および温度が制御されている清潔な部屋(連邦基準2 09dによる等級2000)の中の滅菌ケージで特定の病原体が存在しない条件下で通常 の よ う に 飼 育 さ れ た 。 注 射 の 日 に マ ウ ス を 放 射 性 核 種 セ ン タ ー ( Radio Nuclide Center) に移送し、滅菌した放射性共役物を層流フード内の無菌的条件下で注射した。 【0047】 ヌードマウスの放射能免疫療法実験:RIT動物実験を実施して、 1 8 6 Reで標識した種 30 々のMAbの治療効果を比較した。前記共役物の免疫反応性分画は常に75%を越えてい 3 た。1つまたは2つのHNX−OE腫瘍(45から195mm の範囲)をもつマウスを 用いて3通りの治療実験を実施した。 1 8 6 Reの量は最大許容線量(MTD)レベル(す なわち400μCi)またはそれより低い線量(300μCi)を選択した。MTDレベ ルは5−15%の体重低下を生じる線量と定義される。第一の実験では、マウスは300 μCi(100μg)の の 1 8 6 1 8 6 Re標識mMAbU36または300μCi(100μg) Re標識mMAbBIWA1のいずれかを1回静注された。第二の実験では、30 0μCi(100μg)の μg)の 1 8 6 μg)の Re標識hMAbBIWA4または300μCi(100 Re標識cMAbBIWA2のいずれかが投与され、第三の実験では、40 0μCi(100μg)の 1 8 6 1 8 6 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4または400μCi(100 40 Re標識hMAbBIWA8のいずれかが投与された。平均腫瘍容積は全て の実験群で同様であった。実験1: 1 8 6 Re−mMAbU36処置群については95mm 3 ±34mm (n=7マウス、12腫瘍)、 3 1 8 6 3 Re−mMAbBIWA1処置群について 3 は91mm ±15mm (n=7マウス、12腫瘍)、およびコントロール群については 3 3 99mm ±54mm (n=6マウス、11腫瘍)。実験2: 3 1 8 6 Re−hMAbBIW 3 A4処置群については101mm ±35mm (n=7マウス、12腫瘍)、 3 1 8 6 Re− 3 cMAbBIWA2処置群については92mm ±43mm (n=7マウス、12腫瘍) 、一方コントロール群は実験1と同じであった。実験3: 3 3 1 8 6 Re−hMAbBIWA4 処置群については105mm ±43mm (n=8マウス、13腫瘍)、 3 3 1 8 6 Re−hM AbBIWA8処置群については100mm ±42mm (n=8マウス、13腫瘍)、 50 (26) 3 JP 2005-504517 A 2005.2.17 3 およびコントロール群については110mm ±46mm (n=7マウス、11腫瘍)。 治療の間、腫瘍を週に2回測定し、治療開始時の腫瘍容積に対する腫瘍容積比を計算した 。毒性は週に2回体重を測定することによってモニターした。腫瘍の1つが1000mm 3 を越えたときマウスを殺した。 統計:対を形成するデータのためのスチューデントt検定を用いて、同時注射したMAb 間の組織取り込みにおける差異を各時点について統計的に分析した。種々のRIT処置群 間の平均腫瘍容積における差異は、独立サンプルのためのスチューデントt検定を用いて 各時点について統計的に分析した。 【0048】 結果 10 C D 4 4 v 6 特 異 的 M A b の in vitro結 合 特 性 : 5 つ の M A b の 結 合 親 和 性 を リ コ ン ビ ナ ント抗原およびヒト腫瘍細胞株を用いて分析した。固定抗原としてGST/CD44v3 −v10を用い、カイネティック定数およびアフィニティー定数を表面プラズモン共鳴に よって算定した。表1は結合速度(ka)、解離速度(kd)および解離定数(Kd)を示 す。同一の可変領域を含むmMAbBIWA1およびBIWA2は、類似するka、kdお よびKdを有し、もっとも高い親和性を示す。対照的に、mMAbU36およびhMAb BIWA4はより低いkaおよびより高いkdを有し、結果としてきわめて低い解離定数( それぞれ係数が35.0および10.5)を有する。軽鎖のフレームワーク領域2にネズ ミの残基を含むhMAbBIWA8はkdの顕著な低下を示し、結果として親和性が上昇 した。 20 【表1】 30 cMAbおよびhMAbの相対的結合親和性もまた、ヒトA431腫瘍細胞を用いた競合 的細胞ELISAで調べた(図1)。リコンビナント抗原に対する親和性測定と一致し、 cMAbBIWA2はもっとも有効な競合物質であり、その後にhMAbBIWA8およ びhMAbBIWA4が続いた。同様な結果(データは示されていない)が2つの他のヒ 40 トHNSCC細胞株(FaDuおよびLICR−LON−HN5)でも得られた。 【0049】 HNSCC担癌ヌードマウスにおける生体分布:HNX−OE異種移植片保持ヌードマウ スで生体分布実験を実施した。同一のネズミおよびヒトアイソタイプをもつ2つのMAb を 1 2 5 Iまたは 1 3 1 Iで標識し、同時に注射した(各々50μg、10μg)。親和性の段 階的低下を提供するために以下のMAb対をそれぞれ選択した:mMAbU36はmMA bBIWA1よりも35.0倍低い親和性を有する(実験1);hMAbBIWA4はc MAbBIWA2よりも14.0倍低い親和性を有する(実験2);hMAbBIWA4 はhMAbBIWA8よりも4.0倍低い親和性を有する。全てのヨウ素化MAbの免疫 反応性分画は、外挿後少なくとも74%であった(表2)。 50 (27) JP 2005-504517 A 2005.2.17 【表2】 10 a 免疫反応性は無限の抗原過剰を表す条件に対して直線的に外挿することによって求めた 20 (材料と方法の項を参照されたい)。 実験1の生体分布は注射後1、2、3および7日目に決定し、実験2および3の生体分布 は注射後1、2、4および7日目に決定した。前記3実験の全ての算出された腫瘍の平均 %ID/gは表3に示されている。 【表3】 30 40 * 1 3 1 * 1 3 1 * 1 3 1 1 :共役物Aは 2 :共役物Aは 3 :共役物Aは I−mMAbU36、共役物Bは 1 2 5 I−mMAbBIWA1 I−hMABIWA4、共役物Bは 1 2 5 I−cMAbBIWA2 I−hMABIWA4、共役物Bは 1 2 5 I−hMAbBIWA8 【0050】 同時注射した各MAb対について、腫瘍および血液への取り込み比が示されている。注射 後3日目(実験1)または4日目(実験2および3)の腫瘍、血液および種々の器官の平 50 (28) JP 2005-504517 A 2005.2.17 均%ID/gおよびs.e.m.は図2に示されている。 2つのネズミMAbの直接比較では、低親和性のU36の腫瘍への取り込みは、全ての時 点で高親和性のBIWA1の取込みよりも有意に高かった(p<0.001)(表3)。 対照的に、注射後1、2および3日目の血液および正常組織のこれらMAbの取り込み値 には有意な相違は認められなかった。注射後7日目で、血液およびほとんどの器官のBI WA1レベルはU36レベルよりも有意に低く(p<0.05)、BIWA1の血中/体 内からのより迅速なクリアランスを示している。BIWA1と比較して、注射後3日目の U36の50%高い腫瘍への取り込みは図2Aに示されている。 同様な関係が他の2つのMAb対の調査でも認められた。hMAbBIWA4はより低い 親和性を有するが、全ての時点でcMAbBIWA2およびhMAbBIWA8よりも有 10 意に高い腫瘍の取り込みを示した(p<0.001)(表3)。対照的に、血液および正 常組織のMAbレベルは、これらMAb対について注射後1、2および4日目で同様であ った。注射後7日目では、血液およびほとんどの器官のBIWA2およびBIWA8レベ ルはBIWA4レベルよりも有意に低く(p<0.05)、これらMAbの血中/体内か らのクリアランスはより迅速であることを示している。輸液後4日の時点について、BI WA2と比較したときBIWA4の腫瘍への取り込みは45%高いことが図2Bに示され ているが、一方、BIWA8と比較したときBIWA4の腫瘍への取り込みは20%高い ことが図2Cに示されている。 1 3 1 I−BIWA4/ 1 2 5 I−BIWA8の代わりに 1 2 5 I−BIWA4/ 1 3 1 I−BIWA 8と放射能標識を入れ換えたまた別の実験でも(データは示されていない)一致した結果 20 が得られた。後者の実験データによって、放射能標識のタイプが標識MAbの薬理学的消 長に影響を与えたという可能性が排除される。 【0051】 HNSCCをもつ担癌ヌードマウスの放射能免疫療法:前記3つの生体分布実験から、低 親和性MAbは高親和性MAbよりも大量で選択性も高い腫瘍の取り込みを示し、したが ってRITとして優れている可能性があることが判明した。この可能性を調べるために、 HNX−OE異種移植片をもつマウスによるRIT実験で以下の処置群を比較した: 実験1:300μCiの 1 8 6 Re−U36もしくは300μCi はコントロールとして食塩水;実験2:300μCiの 00μCiの Ciの 1 8 6 1 8 6 1 8 6 1 8 6 Re−BIWA1また Re−BIWA4もしくは3 Re−BIWA2またはコントロールとして食塩水;実験3:400μ Re−BIWA4もしくは400μCiの 1 8 6 30 Re−BIWA8またはコントロ ールとして食塩水。 図3では、コントロールおよび処置群の平均腫瘍容積(0日目の腫瘍容積にパーセンテー ジとして)が時間に対して表示されている。3つの実験の全てでコントロール群のマウス の腫瘍は指数関数的な増殖を示し、腫瘍容積のダブリングタイムは約7日であった。 1 8 6 Re標識MAb処置群では、共役物の注射後まもなく腫瘍は増殖を停止させ、いくつかの 事例では腫瘍の退縮を伴なった。しかしながら全ての腫瘍は最終的には再び増殖した。 実験1では、300μCiの 1 8 6 Re−BIWA1の投与によって腫瘍の増殖速度が低下 したが、平均腫瘍サイズは減少しなかった。しかしながら、300μCiの 1 8 6 Re−U 3 36の投与は、注射後7日目から17日目の間に平均腫瘍容積を185mm から120 3 mm に低下させ、その後腫瘍は再び増殖を開始した。 対的腫瘍容積は、14日目以降 1 8 6 1 8 6 40 Re−U36処置群の中間の相 Re−BIWA1処置群のそれより有意に小さかった (p<0.001)。 実験2では、300μCiの 1 8 6 Re−BIWA4または300μCiの 1 8 6 Re−BIW A2のいずれの投与も、注射後7日目での腫瘍増殖の停止および17日目での再増殖開始 をもたらした。BIWA4は14日目以降BIWA2よりもRITで有効であったが、相 対的腫瘍容積中間値における有意な相違は注射後14日目で認められただけであった(p <0.05)。 実験3では、マウスは400μCiの 1 8 6 Re−BIWA1またはBIWA8のいずれか で処置され、その結果、19日目に相対的腫瘍容積はそれぞれ最小80±62%および9 50 (29) JP 2005-504517 A 2005.2.17 8±81%まで減少した。その後腫瘍は再増殖を開始した。 これらのデータは、RITで低親和性MAbBIWA4は、高親和性MAbcBIWA2 およびBIWA8よりも有効であることを示している。 【0052】 参考文献 Gunthert, U., Hofmann, M., Rudy, W., Reber, S., Zoller, M., Hausmann, I., Matzku , S., Wenzel, A., Ponta, H., and Herrlich, P. A new variant of glycoprotein CD44 confers metastatic potential to rat carcinoma cells. Cell 65: 13-24 (1991). Haisma, H.J., Hilgers, J., and Zurawski, V.R. Jr. Iodination of monoclonal antib odies for diagnosis and therapy using a convenient one vial method. J. Nucl. Med 10 ., 27: 1890-1895, 1986. Heider, K.-H., Hofmann, M., Horst, E., van den Berg, F., Ponta, H., Herrlich, P. , and Pals, S.T. A human homologue of the rat metastasis-associated variant of C D44 is expressed in colorectal carcinomas and adenomatous polyps. J. Cell Biol. 120: 227-233 (1993a). Heider, K-H., Dammrich, J., Skroch-Angel, P., Muller-Hermelink, H-K., Vollmers, H-P., Herrlich, P., and Ponta, H. Differential expression of CD44 splice variant s in intestinal- and diffuse-type human gastric carcinomas and normal gastric mu cosa. Cancer Res. 53: 4197-4203 (1993b). Heider KH, Mulder JWR, Ostermann E,Susani S, Patzelt E, Pals ST, Adolf GRA. Spli 20 ce variants of the cell surface glycoprotein CD44 associated with metastatic tum or cells are expressed in normal tissues of humans and cynomolgus monkeys. Eur. J. Cancer 31A: 2385-2391, 1995. Heider KH, Sproll M, Susani S, Patzelt E, Beaumier P, Ostermann O, Ahorn H, Adol f GRA. Characterization of a high affinity monoclonal antibody specific for CD44 v6 as candidate for immunotherapy of squamous cell carcinomas. Cancer Immunology Immunotherapy 43: 245-253, 1996. Himmler, A., Maurer-Fogy, I., Kronke, M., Scheurich, P., Pfizenmaier, K., Lantz, M., Olsson, I., Hauptmann, R., Stratowa, C., and Adolf, G.R. Molecular cloning and expression of human and rat tumor necrosis factor receptor chain (p60) and i 30 ts soluble derivative, tumor necrosis binding protein. DNA & Cell Biol., 9: 705715, 1990. Hofmann, M., Rudy, W., Zoller, M., Tolg, C., Ponta, H., Herrlich P., and Gunther t, U. 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Cancer Res. 53: 4 754-4756 (1993). 【0053】 実施例2 本実施例は配列の詳細、例えばクローニング部位の位置、リーダー領域及び非翻訳領域を 示している。 略語:aa=アミノ酸;nt=ヌクレオチド配列 【0054】 【化2】 20 (31) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0055】 【化3】 30 (32) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 【0056】 【化4】 20 (33) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 【0057】 【化5】 20 (34) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 【0058】 【化6】 20 (35) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0059】 【化7】 30 (36) JP 2005-504517 A 2005.2.17 【0060】 【化8】 10 (37) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0061】 【化9】 30 (38) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0062】 【化10】 30 (39) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0063】 【化11】 30 (40) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0064】 【化12】 30 (41) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 【0065】 【化13】 40 (42) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 【0066】 【化14】 20 (43) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 【0067】 【化15】 40 (44) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 【0068】 実施例3 臨床実験1170.1 20 1.略語および用語の定義リスト ADCC:抗体依存細胞仲介細胞毒性 AE:副作用 ALT:アラニンアミノトランスフェラーゼ a.p.:腹側背側 AP:アルカリ性ホスファターゼ AST:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ AUC:濃度−時間曲線内面積 Bq:ベクレル、放射能の強さを示すベクレルのSI単位(1ベクレル=1崩壊/秒) BSA:ウシ血清アルブミン 30 CD44v6:CD44変種アイソフォームv6 C D S : 薬 剤 安 全 協 会 ( Corporate Drug Safety) cGy:放射能の強さの単位、センチグレイ CHO:チャイニーズハムスター卵巣細胞 9 Ci:キューリー、放射能の強さの単位、1Ci=37x10 崩壊/秒=37GBq CL:完全体内クリアランス cMAb:キメラモノクローナル抗体 cm:センチメートル Cm a x :観察される最大薬剤濃度 cpm:カウント/分 40 C R F : 事 例 報 告 書 / 記 録 書 ( Case Report/Record Form) CT(スキャン):コンピューター支援断層撮影法 CTC:一般毒性基準 CV:変動係数 D L T : 線 量 限 界 毒 性 ( Dose Limiting Toxicity) ECG:心電図 ELISA:酵素結合免疫吸着アッセイ ENT:耳鼻咽喉 f:雌、女性 FDA:米国食品医薬品局 50 (45) JP 2005-504517 A 2005.2.17 g:グラム 9 GBq:放射能の強さのSI単位、ギガベクレル(1GBq=10 崩壊/秒) GCP:臨床試験実施基準 GGT:ガンマグルタリルトランスフェラーゼ GMP:医薬品製造実施基準 Gy:グレイ HAHA:ヒト抗ヒト抗体 Hb:ヘモグロビン HER2:ヒト上皮増殖因子レセプター2 hMAb:ヒト化モノクローナル抗体 10 HNSCC:頭頸部扁平上皮癌 HPLC:高速液体クロマトグラフィー hr/h:時間 hrs:時間 Ht:ヘマトクリット 1 3 1 I:ヨウ素−131(半減期8.05日) I C H : ハ ー モ ナ イ ゼ ー シ ョ ン 国 際 委 員 会 ( International committee on harmonization ) ID:注射用量 I E C : 独 立 倫 理 委 員 会 ( Independent Ethics Committee) 20 IgG:免疫グロブリンG I N N : 国 際 的 一 般 名 称 ( International Non Proprietary Name) I R B : 機 関 内 監 査 委 員 会 ( Institutional Review Board) I T T : 治 療 意 図 ( Intent-To-Treat) i.v.:静脈内(注射) KeV:キロ電子ボルト l/L:リットル m:雄、男性 m 2 : 平方メートル MAb:モノクローナル抗体 30 MAG2GABA−TFP:メルカプトアセチルグリシルグリシル−ガンマ−アミノブチ レート−テトラフルオロフェノールエステル(MAG2GABA−TFP)、モノクロー ナル抗体に 1 8 6 Reをカップリングさせるために用いられるキレート(後に使用される方 法) MAG3:メルカプトアセチルトリグリシン。モノクローナル抗体に 9 9 m Tcおよび 1 8 6 R eをカップリングさせるために用いられるキレート。 6 MBq:放射能の強さを示すSI単位、メガベクレル(1MBq=10 崩壊/秒) 7 mCi:ミリキューリー、放射能の強さの単位、1mCi=3.7x10 崩壊/秒=3 7MBq MCV:中間血球体積 40 mGy:ミリグレイ μg:マイクログラム mg:ミリグラム min:分 ml/mL:ミリリットル mMAb:ネズミモノクローナル抗体 mmHg:ミリメートル水銀 μmol:マイクロモル mmol:ミリモル MRI:磁気共鳴画像化 50 (46) JP 2005-504517 A 2005.2.17 MRT:平均滞留時間 mSv:ミリシーベルト MTD:最大許容線量 NA/n.a.:適用不能 NCI:米国国立癌研究所 ND:実施せず ng:ナノグラム No/N:番号 nos:他の明確な記述なし NSCLC:非小細胞肺癌 10 n.y.r.:未だ回復に至らず p.a.:背側腹側 PBS:リン酸緩衝食塩水 p.i.:輸液後 p.o.:経口的に PP:プロトコルにしたがって Pt./Pat:患者 Pts.:患者 1 8 6 Re:レニウム−186、放射性核種、半減期は3.7日(β粒子の組織貫通は約1 .2mm) 20 Recov.:回復 RES:細網内皮系 RIS:放射性イムノシンチグラフィー RIT:放射性免疫療法 ROI:問題の領域 SAE:重篤な副作用 SCC:扁平上皮癌 sCDD44v6:可溶性CDD44v6 SD:症状の安定 sGOT:血清グルタミン酸−オキザロ酢酸トランスアミナーゼ 30 sGPT:血清グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ SOC:系統的器官クラス SOP:標準操作方法 SPECT:単光子放出コンピューター支援断層撮影法 t1 9 9 m / 2 :排除半減期 TC:テクネチウム99m(半減期6時間) TLC:薄層クロマトグラフィー Tm a x :最大薬剤濃度が観察される時点 TNM:腫瘍の病期決定のための腫瘍結節転移系 TSH:甲状腺刺激ホルモン 40 U I C C : 国 際 癌 撲 滅 協 会 ( Union Internationale Contre le Cancer) unk:不明 Vss:定常状態下での見かけの分布容積 Vz:末期の見かけの分布容積 WBC:白血球数 WHO:世界保健機構 【0069】 2.実験の目的 2.1全般的目標/臨床的目的 本実験の全般的な目標は、静脈投与された 9 9 m Tcおよび 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4 50 (47) の安全性および許容性を調べること、 先的蓄積を確認すること、 1 8 6 9 9 m JP 2005-504517 A 2005.2.17 Tc標識hMAbBIWA4の腫瘍における優 Re標識hMAbBIWA4の最大許容放射線量を決定す ること、およびフェースIIに進むために安全な線量を提示することであった。前記目標 に到達するために臨床実験を2つの部分に分割した。 パートA: 目的: *静脈投与した 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4の単回輸液の安全性および許容性を頭頸 部の進行扁平上皮癌患者で決定すること。 *種々のBIWA4用量レベルでの 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4の単回輸液の生体分 布を頭頸部の進行扁平上皮癌患者で決定すること。 *単回輸液した 9 9 m 10 Tc標識hMAbBIWA4の薬理学的消長を調べること。 パートB: 目的: * 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の定性的および定量的毒性作用を決定すること、およ び前記毒性副作用の予見性、開始、持続時間、強さ、回復性および用量関係を調べること 。 *静脈投与した 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の最大許容放射線量を頭頸部癌患者で決 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の薬理学的消長を頭頸部扁平上皮癌患者 定すること。 *静脈投与した で調べること。 *二次的な目的は 20 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の予備的治療効果を決定すること。 【0070】 本プロトコルに概略した以下の目的はこの臨床試験実施中にとりかかることはできなかっ た。 9 9 m Tcおよび 1 8 6 Reをモノクローナル抗体にカップリングさせるために用いられる リンカーキレート、メルカプトアセチルトリグリシン(MAG3)を使用するプログラム の進行は中止され、したがってこの臨床試験は終了した。BIWA4を用いるプログラム の進行は、リンカー、メルカプトアセチルグリシルグリシル−ガンマ−アミノブチレート −テトラフルオロフェノールエステル(MAG2GABA−TFP)を用いることによっ て継続されるであろう。 *より多くの患者を登録して 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4による第二の処置のための 30 MTDを特定する前に、単回投与処置のためのMTDを先ず初めに特定するべきであった 。 *更なる実験のために 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4による第一回目の輸液および連続 輸液の安全用量を提唱すること。 *反復投与のための用量スケジュールに対する初期結果を得ること。 2.2主要測定項目 *安全性:通常臨床検査、ヒト抗ヒト抗体(HAHA)の測定、生命徴候の測定および副 作用。 *有効性:生検による生体分布データ(パートAのみ)および放射性イムノシンチグラフ 画像(パートAおよびB(本臨床試験のパートBの線量測定を含む))。 40 *薬理学的消長の結果 2.3二次的測定項目 *本実験の二次的測定項目は腫瘍の反応であった(パートBのみ) 3.実験計画 3.1全体的実験デザインおよびプランの説明 本臨床試験は2つの部分で実施された。パートAでは、コールドBIWA4の最適用量を 調べさらに腫瘍への取り込みを定量し、一方、パートBでは 1 8 6 Re−BIWA4の最大 許容線量を調べた。 3.1.1パートA: 本臨床試験のこの部分は条件無しの連続用量増加群による試験であった。パートAは、頭 50 (48) 頸部癌をもつ患者において、 9 9 m JP 2005-504517 A 2005.2.17 Tc標識hMAbBIWA4の単回輸液の安全性および 許容性に関する初期データを提供し、生体分布のパターンおよびレベルを調べ、さらにh MAbBIWA4の薬理学的消長プロフィルを確立するためにデザインされた。本実験の パートAでは、各用量レベルで治療するように計画した3人の患者で3通りのタンパク質 用量のhMAbBIWA4を用いた。 患者は耳鼻咽喉科で日常的な検査を受け腫瘍の程度が判定された。前期検査には、健康診 断、コンピューター支援断層撮影(CT)または頭頸部のMRIスキャンおよび汎用内視 鏡検査(任意)が含まれる。これらの検査の間に、腫瘍が疑われる組織サンプルを採取し 、扁平上皮癌の存在について調べた。前記検査の結果をもとにして、患者の外科手術(頸 部切開を含む)を実施することを決定した。 10 放射能標識抗体を注射し、副作用の発生について患者を観察した。手術前に放射性イムノ シンチグラフィースキャンを輸液後21時間で実施した。患者は放射能標識hMAbBI WA4の輸液後48時間で手術を受けた。頸部切開標本は病理技師によって精査され、正 確な腫瘍負荷が決定された。さらにまた、手術標本の腫瘍部位および正常組織から得られ た生検の 9 9 m Tc量を測定した。免疫組織化学的技術によって、腫瘍部位および腫瘍浸潤 結節をCD44v6の存在について調べた。第一の3人の患者には、20mCiの 9 9 m T cで標識した2mgのhMAbBIWA4および23mgの非標識hMAbBIWAの混 合物が投与された。3人の測定可能患者を含む第二の群には、20mCiの 9 9 m Tcで標 識した2mgのhMAbBIWA4および48mgの非標識hMAbBIWA4の混合物 が投与され、第三群には2mgの標識抗体および98mgの非標識抗体の混合物が投与さ 20 れた。 薬理学的消長の評価は特定の時点で実施した。 【0071】 3.1.2パートB: 本臨床試験のこの部分は条件無しの自由な線量増大試験であった。本パートBは、他の治 療方法が利用できない頭頸部癌患者で、 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の安全性および 許容性を調べるために、静脈内投与した 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の最大許容線量 (MTD)を決定するために、さらに 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の予備的治療効果 を決定するためにデザインされた。さらに 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の薬理学的消 長プロフィルを調べた。 30 本臨床試験のこの部分に登録された全ての患者は、本実験のパートAの結果をもとにして 選択したhMAbBIWA4用量を投与された。前記hMAbBIWA4は増大線量の 6 1 8 Reで標識された。低い線量レベルでは(観察された毒性はグレード1を超えない)、 2人の患者を各線量群に登録し、より高いレベルでは(毒性はグレード2以上)最低3人 の患者を各線量群に登録した。全ての患者を調べて投与したhMAbBIWA4の安全性 を決定した。 患者に耳鼻咽喉科で日常的検査を実施し、腫瘍の程度を判定した。前期検査には健康診断 および腫瘍場所のCTまたはMRIスキャンニングが含まれていた。 1 8 6 Re標識抗体を放射線量を増大させながら注射した:第一の線量群の患者は20mC 2 i/m の放射線量を与えられ、それ以降、後続の線量群の患者の線量は10mCi/m 2 40 ずつMTDに到達するまで増大させた。患者を副作用の出現について観察した。放射性イ ムノシンチグラフィースキャンを実施した。 【0072】 3.1.3各診察における試験方法 3.1.3.1診察スケジュール a)スクリーニング診察 この試験に登録する前に、各患者を適格性についてスクリーニングした。身上調書および 関連病歴を記録し、併用されている治療を記録し、一般的な健康診断を実施しさらに体重 を測定した。カルノフスキー日常動作スコアを決定した。書面によるインフォームドコン セントを得る必要があった。妊娠検査は妊娠の可能性がある女性について要求された。1 50 (49) JP 2005-504517 A 2005.2.17 2リードの心電図(ECG)を作製し、血液および尿の一般検査を実施した。HAHA検 査のための血液サンプルも採取した。胸部X線写真を撮影し、さらに完全な疾患検査(C T/MRI、耳鼻咽喉(ENT)検査)を実施した。 この診察の最後に、要求された調査の結果を評価し、包含基準および排除基準を確認し、 さらに手術の割り当て(パートAのみ)を作製した。 b)診察2:試験日数1−7 パートAおよびB: 試験第一日目に(スクリーニング診察後3週間を越えない)患者を入院させた。輸液前に 、スクリーング診察では得られなかった必要な開始時基礎検査の全てを実施しこれを評価 した。さらに適格性基準は満たされていなければならなかった。全ての併用治療を記録し 10 た。書面によるインフォームドコンセントの署名の後で開始した全ての副作用は必ず患者 のカルテおよび事例報告書(CRF)に記録した。 抗体投与前の治療日に、血液サンプルを薬理学的消長動態(可溶性CD44v6の算定を 含む)のために採取し、さらに生命徴候を記録した。最初の24時間の間に尿を0−4時 間、4−8時間、8−12時間および12−24時間で採取し、続いて24時間間隔で4 8時間および96時間までそれぞれパートAおよびパートBのための輸液後に採取した。 前記抗体は放射線科または病院の指定の部屋で投与された。抗体は必ずできるかぎり近位 の上肢末梢静脈から投与された。全ての事例で、輸液は10mLの食塩水をフラッシュさ せた後、流入が自由な管から5分間かけて投与した。再現性のある薬理学的消長の結果を 得るために、必ず注射筒用ポンプを用いた。したがって前記容積の0.9%NaClによ 20 る希釈は20mLまでであることが要求された。前記抗体輸液の後10mLの食塩水でフ ラッシュした。溢血の疑いは全てCRFに記載し、患者のシンチグラフ画像を作製した。 アナフィラキシ−のおそれに対処するために、蘇生装置、抗ヒスタミン剤、コルチコステ ロイドおよびエピネフリンが利用できる救急ユニットを手の届く範囲に置いた。副作用お よび併用治療の変更は毎日記録した。 【0073】 パートA: 生命徴候は輸液後10、60および120分で記録した。一般検査用および可溶性CD4 4v6検査用血液サンプルは輸液後21、48および144時間後に採取した。 薬理学的消長検査用血液サンプルは、輸液終了時、並びに輸液終了後5、10、30分後 30 および1、2、4、16、21、48、72時間後に、さらに7日目(輸液後144時間 、HANAおよび可溶性CD44v6測定のための血清サンプルを含む)に採取した。 薬理学的消長検査のための尿は、最初の24時間の間は0−4時間、4−8時間、8−1 2時間および12−24時間に採取し、さらに輸液後48時間までは24時間サンプルを 採取した。 全身のシンチグラフ画像を輸液直後および輸液後21時間で作製した。輸液後21時間に は全身画像の他に、単光子放出コンピューター支援断層撮影(SPECT)および頭頸部 領域の平面画像も作製した。 患者の手術は輸液後48時間で実施し、術後管理のために入院を継続させた。 7日目(輸液後144時間)に一般検査用尿サンプルを採取した。 40 副作用および併用治療の変更は毎日記録した。 【0074】 パートB: 生命徴候は輸液後10、60および120分に記録した。一般検査用および可溶性CD4 4v6検査用血液サンプルは輸液後21、48および144時間後に採取した。HAHA 測定用血液サンプルは輸液後144時間に採取した。一般検査用尿サンプルもまた輸液後 144時間に採取した。 薬理学的消長検査用血液サンプルは、輸液終了時、並びに輸液終了後5分および30分後 、さらに1、2、4、16、21、48、72時間後および7日目(輸液後144時間) に採取した。初めに予定した10分後のサンプルは補正1に示したとおり省略した。 50 (50) JP 2005-504517 A 2005.2.17 薬理学的消長検査のための尿は、最初の24時間の間は0−4時間、4−8時間、8−1 2時間および12−24時間に採取し、さらに輸液後96時間までは24時間サンプルを 採取した。 全身のシンチグラフ画像を輸液直後および輸液後21、48、72および144時間に、 さらに計測が統計学的に許容される場合には2週間後に作製した。 輸液後21、48(任意)、72および144時間で、さらに計測が統計学的に許容され る場合は輸液2週間後に頭頸部領域の平面画像を作製した。 SPECT画像化は輸液72時間後にのみ実施した。 副作用および併用治療の変更は毎日記録した。 患者は3日後に退院を許可された。 10 c)診察3:経過観察診察: パートA: 患者は輸液から6週間後に外来診療所で診察を受けた。健康診断を実施し、一般検査用血 液および尿サンプルを採取し、体重および生命徴候を測定し、さらに副作用を記録した。 薬理学的消長、HANA測定および可溶性CD44v6検査用血液サンプルもまた採取し た。妊娠の可能性がある女性については妊娠検査が要求された。副作用の経過観察を記録 した。併用治療の変更は全て記録した。 パートB: 患者は少なくとも6週間、副作用の記録および一般検査用血液サンプル採取のために毎週 外来診療所で診察を受けた。薬理学的消長検査用血液は輸液後240時間および336時 20 間で採取した。初めに予定した輸液後6週間のサンプルは修正1のとおり省略した。併用 治療の変更もまた全て記録した。開始時に実施した疾患評価を輸液後6週間で(表示され ている場合はその後も)再度実施した(前記評価はプロトコルで一度述べたように4週間 後ではなく6週間後に実施した)。輸液後6週間で、一般検査用、HANAおよび可溶性 CD44v6検査用血液サンプルを採取し、生命徴候を記録し体重を測定した。健康診断 をこの診察時に実施した。一般検査用尿サンプルを採取した。妊娠検査は妊娠の可能性が ある女性で要求された。 d)診察4および5:二回目の処置(パートB) 最初のプロトコルに概略した二回目の処置は、リンカーを変更したことによる不完全な臨 床試験の終了のために実施されなかった。その代わりに、 1 8 6 Re−BIWA4の最初の 30 用量に反応した患者を第二回目の投与に選んだ。前記の患者は最初の投与の場合と同じ診 察スケジュールにしたがった。 【0075】 3.2試験デザインの考察(コントロール群の選択を含む) この試験の目的は、進行した頭頸部癌をもつ患者で、腫瘍への優先的な WA4の蓄積を測定すること、および 1 8 6 9 9 m Tc標識BI Re−BIWA4の最大許容線量とともにBI WA4の薬理学的消長を調べることであった(パートAおよびパートB)。 このタイプの癌治療におけるフェースI臨床試験で一般的に実施されているように自由な デザインを用いた。より低い放射線量群では最低限2人の患者、およびより高い放射線量 群では3人の患者が本臨床試験のパートBに含まれていた。薬剤関連の一般毒性基準(C 40 TC)でグレード4の血液学的毒性およびグレード3の非血液学的毒性が発生した場合に は、さらに別の3人の患者を対応する線量群で処置した(さらに詳細な線量決定について はセクション3.4.4および3.4.5を参照されたい)。 投与されるBIWA4の用量はMAbBIWA1に関する先の実験の結果(用量50mg は腫瘍組織の選択的で高い取り込みをもたらし、一方非腫瘍組織では低い取り込みをもた らすことを示した)および本臨床試験のパートAの結果(セクション3.4.4.1もま た参照されたい)をもとにしている。 2 選択した放射能の強さの出発線量レベルは、20mCi/m の線量が安全な線量であろ うということを示唆する先のデータをもとにしていた(セクション3.4.4.2もまた 参照されたい)。 50 (51) JP 2005-504517 A 2005.2.17 適用される有効性基準は、許容性判定基準と同様に本患者集団について良好に確立されて あり、自由デザインでもまた用いることができる。 【0076】 3.3実験集団の選別 3.3.1包含基準 *頭頸部の扁平上皮癌が組織学的に確認された患者、 *頸部切開による外科手術が必要な患者、または *別の治療選択肢が利用できない末梢性および/または局所性再発症状、または遠位性転 移が見られる患者。腫瘍の存在は、臨床的にまたは1つもしくは2つ以上の放射能技術( CT、MRI、骨シンチグラフィー)によって測定する必要があった。 10 RITはより小さなサイズの腫瘍でより効果的であると予想されたので、最大寸法が<3 cmの病巣をもつ患者が所望された(パートB) *年齢が18歳を越える患者、 *年齢が80歳より低い患者、 *“書面によるインフォームドコンセント”を提示した患者、 *良好な日常行動状態を維持している患者:カルノフスキー>60。 3.3.2排除基準 *生命の危険がある感染、アレルギー体質、器官不全(ビリルビン>30μmol/Lお よび/またはクレアチニン>15μmol/L)、またはECGで証明された最近の心筋 梗塞、または不安定狭心症、 20 *閉経前の女性(実験の開始が最後の月経から1年以内): −外科手術によって不妊ではないこと(子宮摘出、卵管結紮)、および −許容される避妊手段を実施していない(または試験を通して避妊を継続させる予定がな いこと)。許容される避妊方法には経口、埋め込み用または注射用避妊薬が含まれる。 *開始時の妊娠検査で血清が陽性であった女性、 *試験に参加する前4週間以内に化学療法または放射線療法を受けている、 3 3 *白血球細胞数<3000/mm 、顆粒球数<1500/mm または血小板数<100 3 000/mm 、 *血液学的異常、うっ血性心不全、気管支喘息、食物または接触アレルギー、重篤なアト ピーまたはアレルギー。 30 【0077】 3.3.3治療または評価から対象者の除外 3.3.3.1対象者の治療の停止基準 患者が頻脈(心拍数は120/分を越える)、低血圧(収縮期血圧が10mmHg未満) 、呼吸困難、胸部痛、または患者にとって耐えがたいいずれかの症状を生じた場合は必ず 、直ちに輸液を停止した。 3.3.3.2脱退および停止 患者はいつでも本実験の参加を中止することができる。 放射能標識hMAbBIWA4を評価することは、患者が自由意志で脱退したことによっ て中途で実験から除外された場合は適切でないと考えた。適切な経過情報が得られない場 40 合はその事例は評価不能と考えた。評価不能であった患者はいずれも代替することが計画 された。 患者が初期に実験を中止した場合は、その理由は必ずDRFに記載した。患者がHANA 測定用または薬理学的消長検査用輸液後血液サンプル採取に戻ってこなかった場合は、そ の理由は必ず書面に記載した。患者が重篤な副作用(SAE)を生じた場合は必ず、前記 重篤な副作用に応じて可能な限り厳密に実験スケジュールに従った。 【0078】 3.4治療 3.4.1与えられる治療 パートAの患者は、20mCiの放射能線量で 9 9 m Tc−BIWA4を投与された。投与 50 (52) JP 2005-504517 A 2005.2.17 されたBIWA4の用量は、3人の患者の各々について25mg、50mgまたは100 mgであった。薬剤は単回投与として静脈内から投与された。 パートBの患者は、レニウム186で標識された50mgのBIWA4を投与された。も 2 2 っとも低い放射能線量は20mCi/m で、これは10mCi/m の線量ずつ増加させ た。この臨床試験の薬剤は単回投与として静脈内に投与された。 3.4.2臨床試験用製品の特定 パートA: 10 20 30 40 50 (53) JP 2005-504517 A 2005.2.17 BIWA4は 9 9 m Tcを結合させた放射能共役物として投与した。リンカー分子はMAG 3 で あ っ た 。 M A G 3 は マ リ ン ク ロ ッ ト ( Mallinckrodt, Petten, The Netherlands) か 10 ら購入した。 9 9 m T c は 、 前 記 放 射 能 共 役 物 を 調 製 す る 下 記 の 研 究 室 か ら そ の 近 く に 発 注 さ れ た : labor atory of Prof. Dr. van Dongen, Section Tumor Biology, Department of Otorhinolary ngology / Head and Neck Surgery, Vrije Universiteit University Medical Center, De Boelelaan 1117, 1081 HV Amersham, The Netherlands。 【0079】 パートB: 20 30 BIWA4は 1 8 6 Reを結合させた放射能共役物として投与した。リンカー分子はMAG 3 で あ っ た 。 M A G 3 は マ リ ン ク ロ ッ ト ( Mallinckrodt, Petten, The Netherlands) か ら購入した。 1 8 6 R e は 、 前 記 放 射 能 共 役 物 を 調 製 す る 下 記 の 研 究 室 か ら 近 く に 発 注 さ れ た : laborator y of Prof. Dr. van Dongen, Section Tumor Biology, Department of Otorhinolaryngol ogy / Head and Neck Surgery, Vrije Universiteit University Medical Center, De B oelelaan 1117, 1081 HV Amersham, The Netherlands。 40 【0080】 3.4.2.1臨床試験薬の特徴および品質 抗体の特徴 hMAbBIWA4によって認識される抗原は、細胞の外側表面に位置するトランスメン ブレン糖タンパク質であり、極めてわずかな部分(<20%)が内部に存在する。更なる 分析によって、hMAbBIWA4はCD44の変種エクソンv6によってコードされる エピトープを認識することが明らかになった。前記抗原は、原発性の頭頸部腫瘍の全て( n=54)およびこれら腫瘍内の細胞の大半で発現されることが示された。類似する発現 が、頸部切開標本から得られた68個の腫瘍浸潤リンパ節について観察された(R97− 2054)。ヒト正常組織でのhMAbBIWA4の反応性パターンは本プロトコルの添 50 (54) JP 2005-504517 A 2005.2.17 付文書IIIに提示されている。hMAbBIWA4の反応性は扁平上皮に本質的に限定 されることが判明した。ネズミモノクローナル抗体(mMAb)BIWA1を用いた先の RIS実験によって明らかにされたように、正常な扁平上皮との反応性は、腫瘍による取 り込みに関する腫瘍への集中における有用性を制限する要因ではなかった。 【0081】 9 9 m Tc標識または 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の品質管理 抗 体 は 、 Fritzbergら の 記 載 し た 方 法 ( R 9 6 − 2 1 0 6 : プ ロ ト コ ル 添 付 文 書 I V を 参 照 さ れ た い ) を Visserら に し た が っ て 改 変 し た 方 法 を 用 い て 9 9 m Tcまたは 1 8 6 Reで標識 した。 hMAbBIWA4の 9 9 m Tcまたは 1 8 6 Reによる本放射能標識方法は、調製された共役 10 物の最終的品質により実証された。本プロトコルの添付文書IVに記載した方法にしたが って実施した5つの別個の標識実験で、抗体に結合した標識のパーセンテージは96−9 9%であることが判明した。 本臨床試験では、調製した各 9 9 m Tcまたは 1 8 6 Re標識抗体バッチの放射能化学的純度は 薄層クロマトグラフィー(TLC)または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およ びPD−10ゲルろ過カラムの通過によって評価し、患者への投与を許容するためには9 0%を越えていなければならなかった。 各 9 9 m Tc/ 1 8 6 Re標識抗体バッチの免疫反応性分画は実証された方法を使用して投与後 に 確 認 し 、 6 0 % を 超 え て い な け れ れ ば な ら な か っ た 。 簡 単 に 記 せ ば 、 分 析 は 本 質 的 に Li ndmoら ( R 9 6 − 2 1 0 4 ) が 記 載 し た 方 法 に し た が っ て 実 施 し た 。 U M − S C C 1 1 B 20 細胞(ヒト喉頭癌)(CD44v6抗原を含む)を0.1%グルタールアルデヒドで固定 6 5 した。5x10 細胞/試験管から3.1x10 細胞/試験管の範囲の6希釈を1%ウシ 血清アルブミン(BSA)含有リン酸緩衝食塩水(PBS)を用いて作製した。 前記試験管に80000カウント/分(cpm)の は10000cpmの 1 8 6 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4また Re標識hMAbBIWA4を添加し、室温で一晩インキュベ ートした。 最後のサンプルには過剰の非標識hMAbBIWA4を添加し非特異的結合を決定した。 細胞を遠心沈澱させ、ペレットおよび上清の放射能をガンマカウンターで測定し、結合お よ び 遊 離 放 射 能 標 識 M A b の パ ー セ ン テ ー ジ を 計 算 し た ( LKB-Wallac 1218 CompuGamma) 。 30 改変ラインウィーバー−バーク図表でデータ−をグラフにより分析し、無限抗原過剰を示 す条件に対して直線的に外挿することによって免疫反応性分画を決定した。 この結合アッセイで放電レベルが60%に達しない場合は、輸液用調製物は第二の結合ア ッセイで再評価した。この目的のために、抗体調製物は 1 3 1 Iで標識した。免疫反応性分 画は、評価されるべき各患者に対し、さらに次ぎの患者で継続される試験のために両アッ セイの少なくとも1つで60%を越えていなければならなかった。 【0082】 抗体の安全性 この試験で 9 9 m Tcおよび 1 8 6 Reによる標識に用いられるBIWA4は性状がよく調べら れたモノクローナル抗体である。前記はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞の大 40 量培養によって製造された。マスターセルバンクは医薬品製造基準(GMP)の条件にし たがって設立し、微生物学に関する状態(細菌、真菌、マイコプラズマ)およびウイルス に関する状態(アデノウイルス、レトロウイルス)について完全に調べた。内因性レトロ ウイルス(ほとんどのCHO細胞に存在することが判明している)を除いて夾雑因子は検 出されなかった。 臨床試験フェースIで患者に使用されるMAbに関する、食品医薬品局の1994年の“ 考慮すべき項目”の文書にしたがって、標準的なダウンストリーム精製方法(前記方法は 効果的なウイルス除去として実証された)をBIWA4材料の精製に用いた。4つのモデ ルウイルス(MuLV、PsRV、REO−3、SV40)を前記の実証に含めた。濃縮 バルク収集物をレトロウイルス力価について調べ、以後のダウンストリーム精製方法によ 50 (55) JP 2005-504517 A 2005.2.17 ってレトロウイルスが適切に除去できるかを確認した。内毒素の除去に関するデータは許 容範囲内にあり(≦0.01EU/mg)、前記バルク生成物のために利用することがで きた。さらにまた、欧州薬局方ガイドラインによる発熱物質試験も良好に実施された。 更なる放射能標識に用いられる最終的なhMAbBIWA4はきわめて詳細に分析され、 高度に純粋であることが証明された(SDSPAGE、等電点電気泳動)。滅菌溶液は最 小限の内毒素レベル(≦0.01EU/mg)を含んでいた。発熱物質についての検査結 果は欧州薬局方基準に適合した。前臨床および臨床用供給物の製造から得られたBIWA 4生成物の均質性は分析結果によって示された。 9 9 m Tcまたは 1 8 6 ReによるhMAbBIWA4の放射能標識は、標準操作方法(SOP ) に し た が い 、 Vrije Universiteit University Medical Centerの 耳 鼻 咽 喉 科 お よ び 頭 頸 10 部 外 科 に よ っ て 実 施 さ れ た 。 最 終 製 品 の 無 菌 性 は 保 証 さ れ た 。 University Hospital Nijm egenで 患 者 に 薬 剤 を 投 与 す る た め に 、 適 切 な 量 の 放 射 能 標 識 h M A b B I W A 4 を 調 製 直 後 に 特 別 の 容 器 に 入 れ て Nijmegenの 臨 床 試 験 セ ン タ ー に 移 送 し た 。 化 合 物 の 標 識 と 患 者 へ の投与の間に24時間を見越した。 各レニウムバッチの患者への配分については添付文書16.1.6も参照されたい。 【0083】 3.4.2.2包装、標識および供給 B I W A 4 は ベ ー リ ン ガ ー イ ン ゲ ル ハ イ ム ( The Netherlands) に よ っ て 供 給 さ れ た 。 前 記 抗 体 は ベ ー リ ン ガ ー イ ン ゲ ル ハ イ ム ( Germany) に よ っ て G M P に 適 合 す る 製 造 お よ び 精製方法を用いて製造され、無菌的な発熱物質非含有溶液としてバイアルに充填された。 20 前記バイアルは25mgのhMAbBIWA4を5mLの等張なPBS(pH7.2)中 に含んでいた。そのままの抗体および標識された抗体のバイアルのラベルの例は臨床実験 マニュアルに包含されている。 総量27gのhMAbBIWA4を含む1つのバッチが製造され、バイアルに充填された 。 9 9 m Tcまたは 1 8 6 R e に よ る 標 識 は 、 Vrije University University Medical Center( Amsterdam) の ク ラ ス B 認 定 放 射 線 実 験 室 で 実 施 さ れ た 。 3.4.2.3貯蔵条件 未標識hMAbBIWA4は必ず、臨床試験材料のための前記病院の立ち入り制限区域の 調剤室(温度は+2から+8℃の間でモニターされている)で保存された。 3.4.3治療群への患者の振り分け 30 任意抽出は用いなかった。患者は包含のための手続きにしたがって種々の用量群に割り当 てられた。 【0084】 3.4.4臨床試験での用量の選択 3.4.4.1BIWA4用量の選択 パートA: hMAbBIWA4は以前に患者に投与されたことがなかったので、RIT臨床試験を開 始する前に前記抗体の安全性と生体分布について患者に告知しなければならなかった。そ の生体分布は、腫瘍に誘導するために用いられるMAbの用量に大きく左右される可能性 があり、注意深い考慮が必要とされるであろう。低親和性の抗CD44v6mMAbU3 40 6および高親和性の抗CD44v6mMAbBIWA1を用いたMAbタンパク質増大実 験をもとにして、最適な用量は25−100mgの範囲で、mMAbU36については5 0mgが最適であろうと予測された。 この用量がまた中間的親和性のhMAbBIWA4についても適切であることを確認する ために、さらに腫瘍への取り込みの変動性に関する初期情報を得るために、25、50お よび100mgの総hMAbBIWA4で生体分布を調べ、3人の評価可能な患者をこれ らの用量レベルの各々で処置するように計画した。 全ての評価可能な患者に、20mCiの 9 9 m Tc(投与直前に放射線検定系によって測定 )で標識した2mgのhMAbBIWA4を1回だけ静脈内に輸液した。25mg、50 mgまたは100mgの投与を予定された患者は、それぞれ23mg、48mgまたは9 50 (56) JP 2005-504517 A 2005.2.17 8mgの非標識hMAbBIWA4を投与された(前記非標識抗体は20mCiの 9 9 m T c標識hMAbBIWA4(2mg)と一緒に投与された)。 【0085】 パートBのためのBIWA4用量の選択: 理論的見地から50mgのhMAbBIWA4用量が更なる進展に最適であると計算され た。この試験のパートAを実施して、腫瘍へのhMAbBIWA4の優先的取り込みが調 べた3通りの用量レベル(25mg、50mgおよび100mg)で確認された。これら 3通りの用量レベルについて、腫瘍への取り込み(キログラム当たりの%注射用量(%I D/kg)として表現)および腫瘍への取り込み対非腫瘍への取り込み比は大きくは異な らないであろうと予測された。そのとおりであるならば、パートB実験で用いられるべき 10 hMAbBIWA4の用量は50mgであろう。しかしながらこれらの用量レベル間に臨 床的に問題となる相違が存在する場合には(ある用量レベルが他方の用量レベルに勝る場 合)、最良の分布パターンを示す用量レベルが選択されるであろう。 この場合、臨床的に問題となる差は、腫瘍への取り込み(腫瘍への取り込みの平均)対骨 髄への取り込み比(骨髄への取り込みの平均=細胞分画および上清)が50%を越える差 と定義される。 最終的には選択された用量はパートAの結果をもとにして50mgのhMAbBIWA4 であった。 【0086】 3.4.4.2放射線出発線量の選択 20 パートB: この試験のパートAで選択した用量のhMAbBIWA4を 1 8 6 Reの線量を増大させな がら標識した。 1 8 6 Re標識ネズミMAbNR−LU−10の最大許容線量は重厚に予備処置された患者 2 2 では90mCi/m であったが、一方、線量限界骨髄抑制は120mCi/m で観察さ れることが報告された。キメラMAbNR−LU−13(NR−LU−10と同じ抗原を 2 認識する)では、可逆的な骨髄抑制は60mCi/m で生じた。cMAbU36による 実 験 ( Vrije University University Medical Centerで 実 施 さ れ た ) で は 、 線 量 限 界 骨 髄 2 抑制は41mCi/m で観察された。 上記の結果を考慮して、 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4として投与される20mCi/ 30 2 m の放射線量が安全な開始線量と考えられた。 2 前記線量を10mCi/m ずつ増加させた。より低い線量レベルでは2人の評価可能な 患者を登録した。CTCでグレード2以上の薬剤関連毒性が観察されるときは、最低限3 人の患者を各線量レベルで処置した。 次ぎに高い線量レベルに患者を登録する前に、実行中の線量レベルが以下にように定義さ れる線量限界毒性(DLT)を示していないことを必ず確認した:薬剤関連CTCグレー ド3の非血液学的毒性または薬剤関連CTCグレード4の血液学的毒性(吐き気および適 切な抗嘔吐薬の処置がない場合の嘔吐を除く)。この目的のために、そのような実行中の 線量レベルにある全ての患者を必ず十分に長期にわたって観察し誘発される可能性のある 毒性が可逆的であることを確認した。 40 実行中の線量レベルで一人の患者がDLTを示したときは、該当する線量レベルで処置さ れている患者総数を最大で6人に増やした。6人の患者のうちで1人がDLTを示したと きは、線量を次ぎのレベルに増大させた。2人または3人以上の患者がDLTを示したと きは、次に低い線量レベルで患者の総数を6人に拡大し(以前に実施されていない場合) 、MTDおよびフェースIIの安全な推奨線量を確立した。 該当線量レベルで許容可能な毒性の場合(DLTを示す患者が2人未満)は、さらに追加 の患者を登録し、前記患者に前記線量および低いほうの第二の増大線量を投与できること を最初に計画していた。この計画はリンカーの変更のために実施されなかった。MAG3 はMAG2GABA−TFP(類似のリンカーであるがより便利な結合方法を有する)で 置き換えられるであろう。MAG3を用いるこの開発プログラムは終了した。 50 (57) また別に、 JP 2005-504517 A 2005.2.17 1 8 6 Re−BIWA4の最初の投与に反応し、さらに耐性を示す患者は、50 2 1 8 6 mCi/m の ReBIWA4による第二の投与に適格であるとされた。 【0087】 3.4.5各対象者に対する線量の選択とタイミング 3.4.5.1投薬および治療スケジュール 本研究者らは任意の時期に本治験薬を投与することを許可された。しかしながら、放射能 標識と投与との間の時間は24時間を越えることはできない。 3.4.6盲検 本臨床試験は自由な条件無しの試験であった。盲検は実施されなかった。 3.4.7先行治療および併用治療または方法 10 3.4.7.1救急治療および追加治療 アナフィラキシーはもっとも重篤な潜在的副作用と考えられ、直ちに抗体輸液の中止およ び適切な蘇生手段の確立が指示されるであろう。講じた予防措置は手の届く範囲内に蘇生 備品(抗ヒスタミン剤、コルチコステロイドおよびエピネフリン)を置くことであった。 このタイプの副作用を生じた患者は更なるモノクローナル抗体の投与は許可されなかった 。 患者は、本臨床試験による指示のためにまたは包含および排除基準を与える無関係の疾患 のために他の治療を受けることができる。全ての併用治療は必ずCRFに記録された。 重篤な血液学的毒性(CTCグレード4)が生じた場合には、骨髄への毒性を軽減させる ためにサイトカインによる措置または他の方法が許可された。 20 3.4.7.2制限 別に追加される化学療法または放射線療法は許可されず、最後の化学療法または放射線療 法は本臨床試験に入る4週間より前に中止されていなければならない。 3.4.8治療に対するコンプライアンス 本臨床試験での投薬はただ1回の静脈内輸液であった。コンプライアンスは薬理学的消長 検査および放射能免疫シンチグラフィー画像で立証された。 3.5有効性/臨床薬理学的および安全性測定項目 3.5.1有効性/薬理学的動態および実施された安全性測定法並びにフローチャート フローチャート: パートA パートAで実施した試験および対応するその時期の詳細は下記のフローチャートに示され ている。前記試験の説明は以下のセクションで提示される。 【0088】 【表4】 30 (58) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 【0089】 * :輸液前の検査は実際の輸液前3週間を越えない。 1 x :血液サンプルは以下について検査された:グルコース、ナトリウム、カリウム、カ 40 ルシウム、塩化物、クレアチニン、総タンパク質、アルブミン、血清グルタミン酸オキザ ロ酢酸トランスアミナーゼ(sGOT)、血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナー ゼ(sGPT)、アルカリ性ホスファターゼ、ガンマグルタリルトランスペプチダーゼ( GGT)、ビリルビン、尿素、尿酸、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、ヘモグロビン(H b)、ヘマトクリット(Ht)、平均血球体積(MCV)、網状赤血球、白血球、好中球 、バンド、リンパ球、好塩基球、好酸球、単球および血小板をスクリーニング診察時また は輸液前の1日目並びに輸液後21、48および144時間、および6週間。 2 x :HAHAは、スクリーニング診察時、並びに輸液後1週間(144時間)および輸 液後6週間に採取した血清サンプルで検査した。 3 x :生命徴候は、スクリーニング診察時、輸液前、輸液後10、60および120分並 50 (59) JP 2005-504517 A 2005.2.17 びに輸液後6週間で検査した。 4 x :全身スキャンは輸液直後および輸液後21時間で実施した。 5 x : S P E C T ス キ ャ ン お よ び 平 面 画 像 ス キ ャ ン ( planar scan) は 輸 液 後 2 1 時 間 に 一 度実施した。 6 x :薬理学的消長検査用血液サンプルは、輸液前、輸液終了時、輸液終了後5、10、 30分、1、2、4、16、21、48、72および144時間並びに6週間で採取した 。血液サンプルは免疫吸着アッセイ(ELISA)および放射能活性の測定のために採取 された(詳細はセクション9.5.4.1を参照されたい)。尿は、輸液後最初の24時 間では0−4時間、4−8時間、8−12時間および12−24時間で、さらに輸液後4 8時間までの残りの時間については24時間サンプルとして採集された。 7 x :可溶性CD44v6は、輸液前、輸液後21、48および144時間並びに輸液後 6週間で採取された血清サンプルで測定された。 6:6週 【0090】 パートB 実施した検査および対応する時期は下記のフローチャートに示されている。個々の検査は 以下のセクションでさらに詳細に記載されている。 【0091】 【表5】 10 (60) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 40 【0092】 * :輸液前の検査は実際の輸液前3週間を越えない。 1 x :血液サンプルは以下について検査された:グルコース、ナトリウム、カリウム、カ ルシウム、塩化物、クレアチニン、総タンパク質、アルブミン、sGOT、sGPT、ア ルカリ性ホスファターゼ、GGT、ビリルビン、尿素、尿酸、TSH、Hb、Ht、MC V、網状赤血球、白血球、好中球、バンド、リンパ球、好塩基球、好酸球、単球および血 小板をスクリーニング診察時または輸液前の1日目並びに輸液後21、48および144 時間。輸液後2−6週間には一般血液検査サンプルは少なくとも1週間に1回採取された 。 50 (61) JP 2005-504517 A 2005.2.17 2 x :HAHAは、スクリーニング診察時、並びに輸液後144時間および輸液後6週間 に採取した血清サンプルで検査した。 3 x :生命徴候は、スクリーニング診察時、輸液前、輸液後10、60、120および2 40分並びに6週間に1回検査した。 4 x :全身スキャンは輸液直後、輸液後21、48、72、144時間および場合によっ て輸液後2週間に実施した。 5 x :平面画像スキャンは輸液後21、48(任意)、72、144時間および場合によ って2週間後に実施した。SPECTスキャンは輸液後72時間で実施した。 6 x :薬理学的消長検査用血液サンプルは、輸液前、輸液終了時、輸液終了後5、30分 、1、2、4、16、21、48、72、144、240および336時間で採取した。 10 血液サンプルはELISAおよび放射能活性の測定のために採取された。尿は、最初の2 4時間には0−4時間、4−8時間、8−12時間および12−24時間で、さらに輸液 後96時間までの残りの時間については24時間サンプルとして採集された。 7 x :可溶性CD44v6は、輸液前、輸液後21、48および144時間、並びに輸液 後6週間で採取された血清サンプルで測定された。 8 x :症状の評価は、経過観察するべき症状の進行または消失まで6週間毎に繰返した。 胸部CTは基準時に実施し、異常があった場合は経過観察で繰り返した。 【0093】 3.5.1.1放射能免疫シンチグラフィーおよびドシメトリー 放射能免疫シンチグラフィー(RIS)から得られたデータは、パートAおよびBの両方 20 について定性的に(すなわち腫瘍、骨髄、肝臓、肺臓、腸、腎臓および追加の器官の取り 込みは低い、中または高いと表現された)、さらにパートBについては定量的に提示され た。 定性的評価のために、等級は数字に変換された(0は取り込み無し、1は低い取り込み、 2は中等度の取り込み、3は高い取り込み)。平均値を計算し提示した。 パートBのためにRISの結果の定量的表示は、以下のパラメーターを包含することによ って本プロトコルのセクション5.1.4で概略したようにドシメトリーの計算を使用し た: *メガベクレルで表されるある時点の実際の器官の放射能 *時間で表される器官内の放射能滞留時間 30 *mGy/MBqで表される吸収(放射線)線量 *mSvで表される有効(放射線)線量 ドシメトリー分析に関する更なる詳細はドシメトリーレポート(2001年11月21日 付け)で見出すことができる。 e)放射能免疫シンチグラフィーの方法 パートAおよびBで用いた方法および時期に関する説明は下記のセクションで提示される 。 パートA 低 エ ネ ル ギ ー コ リ メ ー タ ー を 搭 載 し た 大 視 野 用 二 重 雲 台 付 き ( dual headed) ガ ン マ カ メ ラを用いて全身のデジタル画像(腹側背側(a.p.)および背側腹側(p.a.))を 40 、輸液直後および輸液後21時間に得た。輸液後21時間に頭頸部の平面画像およびSP ECT画像を得た。検量線源もまた入手した。データは定量分析を可能にするために保存 した。 パートB 低エネルギーコリメーターを搭載した大視野用二重雲台付きガンマカメラを用いて全身の デジタル画像(a.p.およびp.a.)を、放射能免疫共役物の投与直後、前記投与後 21、48、72および144時間に得た。さらにまた頭頸部の平面画像を輸液後21、 48(任意)、72および144時間に得た。場合によってさらに追加の(全身および平 面)画像を輸液後2週間で得た。アダムズファントムに挿入した検量線源(すなわち10 mLバイアル中の注射用量の既知の分画を含む部分標本)を、全身スキャン中に患者の下 50 (62) JP 2005-504517 A 2005.2.17 腿の間に必ず置いた。検量線源の最初の放射能は100−200MBq186Reでなけ ればならず、この線源は全ての全身画像化試験の間に必ず用いた。エネルギーウィンドウ およびピークの設定、スキャン速度、スキャンの長さ、スキャンの日付、スキャン開始の 時間およびスキャンの持続時間を必ず記録した。頸部および腹部の腹側−背側の厚さを必 ず測定し、一方患者はスキャンニング台上で仰臥位に置いた。 各画像化セッションで腹側および平面静止画像を必ず入手し、前記画像の直前または直後 に静止画像をアダムズ−ファントムの検量線源から入手した。 輸液後72時間に、頸部のSPECT検査を必ず実施した。再構成に用いた方法およびカ ットオフ頻度を含むフィルターの性能は必ず報告した。 【0094】 10 単光子放出コンピューター支援断層撮影法(SPECT) SPECT画像は低エネルギーコリメーターを搭載した二重雲台を有する回転ガンマカメ ラを用いて得られた。捕捉には少なくとも30分を要した。20%対称ウィンドウを13 7keVの光子ピークで中心にくるように調整した。 平面およびSPECTデータ捕捉パラメーター 平面画像化には以下の最小限の要件が含まれていた:マトリックス128x128(細部 )または256x256(全身)および最小400000カウントで最大捕捉時間は細部 については10分および全身については60分。 SPECT画像化には以下の最小限の要件が含まれていた:64画像、マトリックスサイ ズ64x64、360度の円軌道、単位角度につき60秒の捕捉。 20 データの分析 輸液後21時間の腹側の全身画像で、問題の四角の領域(ROI)を全身と検量線源の周 りに描いた。さらにまた 1 8 6 Reを蓄積する器官(例えば肝臓、脾臓および左の腎臓)の 周囲および腫瘍の周囲の不規則なROIも必ず描いた。1つまたは2つ以上の代表的なバ ックグラウンド領域を必ず描いた。これらの領域は背側の画像に反映されねばならない。 最初は背側画像上の仙骨の周囲にROI描くことを計画した。この計画は本臨床試験の間 実施されなかった。全ての領域はコンピューター上に保存し、これらのROIを他の時点 で画像に投影させねばならない。各領域中のピクセルの数およびピクセル当たりのカウン トを必ず記録した。全ての画像化の時点について領域中のカウント数をスプレッドシート にデジタルで記録した。 30 【0095】 器官の吸収線量の計算 器官、腫瘍および全身の放射能の量は、腹側面および背側面のROI内のジオメトリー平 均カウントから計算した。表示されているときは、バックグラウンドおよび減弱補正が適 用された。尿の放射能は最初に予定したとおり、膀胱内の吸収線量の概算に用いられなか った。その代わりに動的膀胱モデルを用いた。前記器官および身体の残りの滞留時間を計 算してMIRDOSE3プログラムに移入した。 要求される品質管理試験 平面画像化: 日 常 的 な 品 質 管 理 を 放 射 線 医 学 科 ( department of nuclear medicine) で 毎 週 実 施 し た : 40 1)100Mフラッドテーブル 2)低エネルギーコリメーターをもつ外部 5 7 Coフラッドを毎週得た。 SPECT画像化: PECTS画像化系の品質管理はローテーション決定センターを含む必要があった。 断層撮影方法 ランプフィルム使用断層撮影画像再構成にフィルター付きバックプロジェクションアルゴ リズムを用いた。 データの保存 全ての平面画像および断層撮影データは必ず磁気テープまたは光学ディスクに永久的に保 存した。断層撮影試験のために、最初の投影画像および再構成試験は必ずバックアップテ 50 (63) JP 2005-504517 A 2005.2.17 ープに書き込んだ。 画像および報告の写し 全ての関連する画像、病理および外科手術の報告の写しは全患者のために要求された。M RIおよびCTの報告の写しも必要であった。 【0096】 3.5.1.2 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4の生検内分布(パートA) この試験のパートAに登録された患者は放射能標識hMAbBIWA4の輸液後外科手術 を受けた。手術標本内の腫瘍部位および正常組織(可能なかぎり多く)の生検を得た。さ らにまた全身麻酔下で骨生検および骨髄吸引物を得た。前記骨髄吸引物を遠心沈澱させ上 清(血漿)および沈殿物(細胞分画)中の放射能を検定した。 全ての生検の重量を測定し、さらに 9 9 m 10 Tcの量を測定した。腫瘍への放射能の特異的取 り込みは腫瘍の%ID/kgを正常組織の%ID/kgと比較することによって調べた。 CD44v6抗原の発現を凍結切片を用いて免疫組織化学的に調べた。凍結切片を先ずm MAbBIWA1とインキュベートし、続いて抗マウス免疫グロブリンG(IgG)二次 試薬でインキュベートした。外科標本および生検は組織病理学的/細胞病理学的に調べた 。 外科標本および生検の精査 外科標本を受け取った後、標本を以下の時間的流れで処理した。 1.標本の写真を撮影する。ポラロイド写真は正面を、スライド写真は正面および背面を 撮影した。 20 2.前記外科標本のサイズを測定した。 3.原発腫瘍、疑いのあるリンパ節の生検、(および可能な場合には外科標本中の正常な 粘膜のような正常組織由来の生検)、正常なリンパ節、脂肪および筋肉の生検を採取した 。全ての生検の重量を測定し、 9 9 m Tcの量を測定した。全てのデータを%注射線量/k g組織に変換した。腫瘍への放射能の特異的取り込みを、%ID/kg腫瘍と%ID/k g正常組織とを比較することにより査定した。 4.次に標本を釘で板に固定し、4%のホルムアルデヒドで少なくとも36時間固定した 。 5.胸骨鎖骨乳頭様筋(高い放射線濃度をもつ構造)を切開した後、標本のX線写真を作 製し、含まれるリンパ節の正確なサイズおよび位置を示した。このX線写真は、96%エ 30 タノール(脂肪と同じようにX線を吸収する)に標本を浸漬している間に作製した。 6.X線で可視化した前記の全リンパ節をポラロイド写真および標本のX線写真に表示し た。 7.外科標本の精査およびX線写真により見つけられた全てのリンパ節を外科標本から切 り出した。 8.肉眼的に陰性の全リンパ節を顕微鏡検査のために完全に処理し、ただ1つの切片を査 定した。肉眼的に陽性であった全てのリンパ節から2つまたは3つ以上の薄片を作製した 。腫瘍壊死の有無についての肉眼的証拠を記録した。 9.さらにまた、含まれるリンパ節の数、並びに腫瘍含有リンパ節の数、位置およびリン パ 節 レ ベ ル ( ス ロ ー ン ケ タ リ ン グ 記 念 癌 セ ン タ ー の 分 類 ( Memorial Sloan Kettering Can 40 cer Center Classification) に し た が う ) を 記 録 し た 。 【0097】 3.5.1.3腫瘍の反応(パートB) 本放射能免疫治療の有効性パラメーターは腫瘍の反応であった。腫瘍反応は、臨床的査定 および/またはCT、MRIまたは骨シンチグラフィーによる精査にしたがって腫瘍を調 べることによって査定した。査定は世界保健機構(WHO)の反応基準にしたがって実施 した。本プロトコルの添付文書VI(R96−0941)を参照されたい。 3.5.1.4健康診断 本臨床試験に加える前に、各患者の症状の状況をENT−検査(触診を含む)およびCT または腫瘍部位のMRIによって査定した。 50 (64) JP 2005-504517 A 2005.2.17 全ての頭頸部病巣は頸部の側面毎に記載した。 触診 全ての患者は基準時に耳鼻咽喉科医師/頭頸部外科医が診察した。前記医師は、頭頸部領 域の全ての触診可能リンパ節の数、サイズ、位置、可動性を査定した。前記リンパ節の特 徴は以下のように記載された:疑いなし、疑いあり、または腫瘍浸潤。頸部リンパ節の状 況 は 、 国 際 癌 撲 滅 協 会 ( U I C C ) の 腫 瘍 病 期 判 定 の た め の 腫 瘍 結 節 転 移 系 ( Tumour Nod e Metastasis system) に し た が っ て 診 断 時 に 分 類 し た 。 【0098】 放射線検査 腫瘍部位の分布にしたがって、1つまたは2つ以上の以下の検査が要求された:CT、M 10 RI、骨シンチグラフィー。頭頸部領域の腫瘍が含まれる場合はMRIが一般に好ましい 。骨病巣が存在する場合はCTが好ましい。パートBについては、基準時に得られた全て の放射性診断パラメーターは、輸液後6週間および経過観察終了まで6週間毎に繰り返さ れた。本臨床試験のパートBに登録された患者では、基準時に胸部CTを実施し、胸部に 腫瘍病巣が存在する場合は経過観察で繰り返した。超音波診断は腫瘍画像化の追加技術と して用いることができる。精密検査のガイドラインは以下に提示されている: 原 発 腫 瘍 / 移 動 性 限 局 性 ( loco-regional) 再 発 本臨床試験のパートAに参加する患者および移動性限局性再発を示す患者(パートB)の 場合、CTスキャンおよび/または頭頸部領域のMRIを必ず実施した。 コンピューター支援断層撮影 20 頭頸部領域のコンピューター支援断層撮影:ダイナミックCTがスパイラルCTより好ま しい。しかしながら、スパイラルCTは協力的に動くことができない患者には有用であろ う。 患者の検査は、必ず仰臥位で、首はわずかに伸ばし、頭部は固定し、肩の力をぬいて下方 に押して実施した。患者は胸部の筋肉ではなく腹部の筋肉を使って静かに呼吸することを 要求される。スキャンする領域は横向きの投影で作製した最初の全体像から判断した。ス キャンの面は必ず声帯の面に対して平行でなければならない。3mmの連続するスライス を常に用いなければならない。画像化は頭蓋基底から上部縦隔まで実施した。 磁気共鳴画像化 患者は必ず、首をわずかに浸透させ頭部を固定して仰臥位で検査した。患者は検査中静か 30 に呼吸することを要求され、胸部筋肉ではなく腹部筋肉を使用するように指示された。頸 部を解剖学的に示し、原発病巣の範囲および拡散したリンパ節の存在を査定することがで きる適切な画像が得られた。前記のような画像は頭蓋基底から上部縦隔にわたって入手し なければならない。 【0099】 遠位転移 本臨床試験のパートBに参加する全ての患者で、胸部のCTスキャンを基準時に実施した 。転移を可視化するためのまた別の精密検査(例えば骨シンチグラフィーまたは腹部CT )も場合によって実施された。 胸部CT 40 スパイラルCTスキャンを実施した。患者は仰臥位で腕を頭の上に挙げて検査された。患 者は、胸部筋肉ではなく腹部筋肉を使用して静かに呼吸することを要求された。スキャン は肺のすぐ上から副腎位まで実施した。画像は縦隔と肺をセットとして撮影されねばなら ない。 腹部CT スパイラルスキャンを実施した。患者は仰臥位で腕を頭の上に挙げて検査された。患者は 静かに呼吸することを要求された。全ての患者で経口用コントラストを使用した。画像は 腹部と肝臓をセットとして撮影されねばならない。 骨シンチグラフィー 最大600MBqの 9 9 m Tc標識HDP/MDPの静脈内輸液後、患者は十分な液体を摂 50 (65) JP 2005-504517 A 2005.2.17 取し、頻繁に排泄するように要求された。以下の静止画像を輸液後3時間に得た:1枚の 全身像および必要な場合にはさらに3枚の細部像。疑いのある病巣はCTおよび/または MRIによるより厳密な分析が必要であろう。 骨転移反応の報告は、別個の反応基準群にしたがって実施する予定であった。そのような データは提供されなかった。 【0100】 3.5.1.5可溶性CD44v6 可溶性CD44v6(sCD44v6)は血清で必ず測定した。濃度は有効な酵素結合免 疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定した。前記アッセイは、市販の検査キットを 用 い 、 現 在 の 国 際 的 ガ イ ド ラ イ ン ( Boehringer Ingellheim Department of Pharmacokine 10 tics and Drug Metabolism, Biberach, Germany) に し た が っ て 実 施 し た 。 5 m L の 血 液 サンプル(処理して血清を得る)を輸液前、輸液後21、48および144時間、さらに 輸液後6週間で得た。サンプルを凝血させ、遠心分離して血清を調製した。保存および輸 送条件:ELISA測定用サンプルは凍結用試験管に入れ、個々に識別できるように慎重 にラベルを付し、放射能が減少するまで−20℃で保存し( 1 8 6 Re:4週間、 9 9 m Tc: 3 日 間 ) 、 バ ッ チ と し て 4 週 間 毎 に ベ ー リ ン ガ ー イ ン ゲ ル ハ イ ム の 施 設 ( Boehringer Ing ellheim Department of Pharmacokinetics and Drug Metabolism, Biberach, Germany) に送った。前記血清サンプルはドライアイスに入れて輸送した。 【0101】 3.5.1.6安全性 20 対象者の保護 全ての患者を放射能標識モノクローナル抗体投与中または投与後注意深くモニターした。 そのために少なくとも試験担当者の少なくとも1人が立ち会った。 臨床検査 血液サンプルは、以下の時点でグルコース、ナトリウム、カリウム、カルシウム、塩化物 、クレアチニン、総タンパク質、アルブミン、血清グルタミン酸オキザロ酢酸トランスア ミナーゼ(sGOT)、血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(sGPT)、 アルカリ性ホスファターゼ(AP)、ガンマグルタリルトランスペプチダーゼ(GGT) 、ビリルビン、尿素、尿酸、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、ヘモグロビン(Hb)、ヘ マトクリット(Ht)、平均血球体積(MCV)、網状赤血球、白血球、好中球、バンド 30 、リンパ球、好塩基球、好酸球、単球および血小板用に採集した: −スクリーニング診察時または輸液前の1日目並びに −輸液後21、48および144時間。 −パートAの場合は輸液後6週間、パートBの場合は臨床試験中の第2、3、4、5およ び6週目に少なくとも周に1回(毒性が認められる場合にはさらに頻繁に)。 輸液前の基準時臨床検査は、スクリーニング診察時または試験1日目に実施したが、ただ しサンプルは放射能標識hMAbBIWA4の輸液前21日を越えず、さらに全ての必要 な検査が実施されることを条件とした。資格のある医師が全ての要求された臨床検査結果 を概覧し、抗体輸液前に患者の適格性について確認した。同様なことが本臨床試験のパー トBでの第二のhMAbBIWA4の投与でも適用された。 40 尿サンプルは以下の時点で標準的な臨床スクリーニングのために(タンパク質、血液およ びグルコース)採集された。 −スクリーニング診察 −輸液後1週間(輸液後144時間) −輸液後6週間 妊娠検査は、スクリーニング診察および試験終了時に妊娠の可能性がある女性について必 要であった。 【0102】 ヒト抗ヒト抗体測定 HANAの存在および/または出現は血清サンプルで調べられた。したがって5mLの血 50 (66) JP 2005-504517 A 2005.2.17 液(血清を得るために処理)をスクリーニング診察時、抗体の輸液後1週間(144時間 )および6週間に採取した。本臨床試験のパートBで2回のBIWA4投与を受けた患者 の場合は、さらに追加のHAHAサンプルを2回目の投与の前に採集した。血清レベルは 有効なELISA方法で調べた。 サンプルは凝血させ遠心分離して血清を調製した。 保存および輸送条件:ELISA測定用サンプルは凍結用試験管に入れ、個々に識別でき るように慎重にラベルを付し、放射能が減少するまで−20℃で保存し( 間、 9 9 m 1 8 6 Re:4週 Tc:3日間)、バッチとして4週間毎にベーリンガーインゲルハイムの施設(B oehringer Ingellheim Department of Pharmacokinetics and Drug Metabolism, Biberac h, Germany) に 送 っ た 。 前 記 血 清 サ ン プ ル は ド ラ イ ア イ ス に 入 れ て 輸 送 さ れ た 。 10 一切のヒト抗ヒト抗体の上昇は患者の起こりえる副作用と併せて事例毎に注意深く比較し た。このデータを収集し、本臨床試験の進行中に遡及的に分析した。 副作用 全ての副作用をCRFに記録した。副作用は米国立癌研究所CTC(NCI−CTC)ヴ ァージョン2.0にしたがって等級を付与した(前記ヴァージョンの文書は下記のサイト で イ ン タ ー ネ ッ ト か ら ダ ウ ン ロ ー ド す る 必 要 が あ る : http://ctep.info.nih.gov/CTC3/ct c.htm) 。 全 て の S A E は 必 ず 報 告 さ れ た 。 【0103】 免疫原性および毒性 本臨床試験の実施前には、hMAbBIWA4の安全性および免疫原性に関するヒトのデ 20 ータは存在しなかった。元のネズミ抗体BIWA1で実施した以前の試験では、臨床的に 顕 著 な 毒 性 は 認 め ら れ な か っ た 。 そ の ま ま の ( naked) h M A b B I W A 4 抗 体 単 独 に よ る 毒 性 は 予 期 さ れ な か っ た ( in vitroで の 抗 体 依 存 性 細 胞 仲 介 細 胞 毒 性 ( A D C C ) エ フ ェクター作用無し;予想される抗原発現細胞の増殖に対する干渉無し)。hMAbBIW A4はマウス(異種移植試験)およびサル(毒性試験)に安全に投与できることが示され た。3とおりの局所毒性試験で良好な局所耐性が示された。 ネズミおよびキメラMAbU36(特定のオーバーラップエピトープ特異性を有する抗C D44v6エピトープ)は、HNSCC患者でこれまでのところ安全であった;骨髄毒性 ( 1 8 6 Reによって生じる)を除いて、毒性は、cMAbU36を用いたフェースI線量 増大RIT試験では認められなかった。放射能標識hMAbBIWA4に対する過敏反応 30 が生じる可能性は理論的には可能であった。モノクローナル抗体は診断のために数千人の 患者に投与されている。 ありそうなことではないが、静脈内に投与されたBIWA4に対する潜在的な反応には低 血圧、一過性の発熱および冷感、皮膚の発疹、呼吸困難、痒み、吐き気およびアナフィラ キシーが含まれる。 生命徴候(血圧、体温、脈拍および呼吸数)はしたがってスクリーニング診察時および以 下の時点で記録された:輸液前並びに輸液後10、60、120分および6週間。さらに 追加の生命徴候は、パートBに参加した患者についてのみ輸液後240分に記録された。 本臨床試験では放射性核種が使用された。ガンマ線放出核種 9 9 m Tc(この試験では20 mCi)に付随する放射線負荷は多くの通常の放射線治療方法で遭遇するものと類似して 40 おり、小さなものであることが判明していた。膀胱および腎臓への放射能被爆を最小限に するために、患者には十分に水分が補給され、さらに最初の48時間( 1 8 6 Re標識抗体 の輸液後96時間)頻繁に排泄するように要請した。 ベータおよびガンマ線放出核種 に予備処置された患者では 1 8 6 1 8 6 R e の 場 合 、 Breitzら ( R 9 8 − 2 4 5 9 ) は 、 大 量 2 Re標識MAbIgGの最大許容線量は90mCi/m で あることを見出した。この試験の目的の1つは、他の選択治療が利用できない末梢および /または局所の再発症状をもつか、または遠位転移をもつ患者での 1 8 6 Re標識hMAb BIWA4の毒性を調べることであった。骨髄、甲状腺、腎臓および肝臓に対する毒性が 発生する可能性があるので、器官の機能検査のための血液サンプルをセクション3.5. 1.6に記載したように採取した。 50 (67) JP 2005-504517 A 2005.2.17 体重低下または体重増加の発生をモニターするために、体重をスクリーニング診察時、輸 液前および6週間後に記録した。 患者は末梢での毒性出現についてモニターされた。末梢の毒性を示すいずれの徴候も副作 用として記録した。 【0104】 3.5.2測定法の適切性 用いた測定法はこのタイプの臨床試験にとって良好であることが認められている。 3.5.3主要有効性/薬理動態における測定項目 3.5.3.1臨床試験パートA 本臨床試験のパートAで決定される主要な有効性の測定項目は生検における分布および放 10 射能免疫シンチグラフィーであった。前記データを得るための方法の説明はセクション3 .5.1.1および3.5.1.2に示されている。 正常組織および腫瘍における取り込みを外科標本の生検で測定し、前記取り込みをkg当 たりの注射線量のパーセント(%ID/kg)として表した。腫瘍および他の組織におけ る取り込みのタイムコースを調べ、種々の用量のBIWA4について比較した。 3.5.3.2臨床試験パートB 有効性についての主要パラメーターは放射能免疫シンチグラフィーおよびドシメトリーの 分析であった。 3.5.4薬剤濃度測定法/薬理学的消長 放射能標識BIWA4の血中濃度を本臨床試験のパートAおよびパートBの両方で求めた 20 。 3.5.4.1サンプル採集の方法とタイミング 患者の血液サンプルは以下のように採集し取り扱った:7mLの血液(EDTAカリウム 含有試験管に3.5mLおよび凝固用試験管に3.5mL:必要とされるミリリットル量 は修正1に示されている)を輸液部位とは反対の腕の末梢静脈から指定の時点でサンプル 採取した(すなわち抗体投与の直前、輸液終了時、および輸液終了後5、10、30分、 1、2、4、16、21、48、72時間、さらに輸液後1日(144時間)および6週 間)。輸液終了時をt=0とみなした。 輸液後10分および6週間での予定サンプルは臨床試験のパートBでは省略した。その代 わりに修正1に示したように輸液後240および366時間にサンプルを採集した。 尿は、 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4輸液後48時間の間および 1 8 6 30 Re標識hMAbB IWA4輸液後96時間の間で採集した。尿は最初の24時間では0−4時間、4−8時 間、8−12時間および12−24時間で、さらに残りの時間には24時間サンプルとし て採集した。尿サンプルの放射能を計測して放射能の排泄を測定した。 血液サンプルは遠心分離して血清を調製した。処理前に、全血の放射能を測定した。放射 能はまた血清でも測定した。血液の冷蔵保存は必須であったが、凍結されてはならない。 共役調製物から得た部分標本を用いて、患者に注射した用量で構成された、重量測定稀釈 物を標準物として調製した。患者のサンプルと標準物の計測を現地のSOPにしたがって 実施した。結果をCRFの適切なセクションに記録した。放射能核種の含有量は注射線量 のパーセンテージ(%ID/kgとして表現)として報告した。放射能計測とは別に、全 40 てのサンプルをHPLC分析によって免疫複合体の存在について分析した。 全てのサンプル試験管に以下の情報を含むラベルを付した:試験番号、患者番号、サンプ ルの特定(すなわち血清、血漿または血液)、輸液に対する時間、実際の時間、実際の日 付および放射性同位元素(すなわち 9 9 m Tcまたは 1 8 6 Re)。各尿サンプルの容積を測定 し記録した。全ての尿サンプルに以下の情報を含むラベルを付した:試験番号、患者番号 、総サンプル容積、採集間隔、実際の日時および放射性同位元素(すなわち は 1 8 6 9 9 m Tcまた Re)。 日時および全ての薬理学的消長測定サンプルの放射能測定結果をCRFに記録した。 ELISA測定用血漿サンプルは凍結用試験管に移し、個々の識別が可能なように慎重に ラベルを付し、放射能が減少するまで( 1 8 6 Re:4週間、 9 9 m Tc:3日)−20℃で保 50 (68) JP 2005-504517 A 2005.2.17 存 し 、 ベ ー リ ン ガ ー イ ン ゲ ル ハ イ ム の 施 設 ( Department of Pharmacokinetics and Drug metabolism, Biberach, Germany) へ バ ッ チ と し て 4 週 間 毎 に 輸 送 し た 。 血 漿 サ ン プ ル は ドライアイスに入れて送った。 【0105】 3.5.4.2分析測定 血漿サンプルは、有効性が実証されたELISA方法によりベーリンガーインゲルハイム の 施 設 ( Department of Pharmacokinetics and Drug metabolism, Biberach, Germany) で測定された。サンプルの放射能計測は全血、血清および尿で試験者によって実施された 。 3.5.4.3パラメーターおよび査定 10 W i n N o n l i n 3 . 1 プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル ( Pharsight Corporation, Mountain View , CA) を 用 い て 以 下 の 薬 理 学 的 消 長 パ ラ メ ー タ ー を 全 血 、 血 漿 、 血 清 レ ベ ル お よ び 画 像 化 データから以下に記載したように求めた: 主要薬理学的消長パラメーターは、最大薬剤濃度(Tm た最大薬剤濃度(Cm 1 / 2 a x a x )が観察される時点、観察され )、濃度時間曲線内の面積(AUC)0 → ∞ 、末端排除半減期(t )、分布体積(終末期および予想される安定状態)、全身クリアランス(CL)およ び平均滞留時間(MRT)0 → ∞ である。 薬理学的消長分析の主要目的は以下のとおりであった: 9 9 m Tc標識(パートA)および 1 8 6 Re標識(パートB)hMAbBIWA4の単回投与 後の総放射能および免疫反応性hMAbBIWA4の分布を決定することおよび比較する 20 こと。 画像化データおよび血中分布データから、試験中に肝臓および腎臓に到達する注射された 放射能の分画を算出すること。この目的を達成するために、WinNonlin(登録商 標)ソフトウェアパッケージを用いて、静脈内投与後の免疫反応性hMAbBIWA4お よ び 血 中 総 放 射 能 レ ベ ル の 血 漿 濃 度 対 時 間 の プ ロ フ ィ ル に 対 す る 非 区 画 化 ( non-compartm ental) 薬 理 学 的 消 長 分 析 を 時 間 の 関 数 と し て 実 施 し た 。 結果は統計の要旨として報告される。 【0106】 3.5.5薬理学的消長/薬理学的動態の関係 ヒトでの 1 8 6 Re標識BIWA4の分布および代謝を記載するために先ず初めに区画化(c 30 ompartmental) 薬 理 学 的 消 長 モ デ ル を 考 え た 。 B I W A 4 血 漿 レ ベ ル 、 全 血 お よ び 血 清 の 放射能測定、全身画像および問題の特定領域の放射能、 1 8 6 Re標識BIWA4投与線量 、非標識BIWA4の投与量、可溶性CD44v6レベルおよび輸液前の放射能標識抗体 の測定から得たデータを一緒にすることが意図された。 結果は統計の要旨として報告しようとしたが、合理的なモデルとして使用するには変動性 は高すぎた。 3.5.6主要な安全性測定項目 最大許容線量の決定および安全性の評価が本臨床試験のパートBの主要目的であった。 3.5.6.1線量限界毒性および最大許容線量 DLTは、薬剤関連CTCのグレード3の非血液学的毒性または薬剤関連CTCのグレー 40 ド4の血液学的毒性(適切な抗嘔吐剤治療を施されない場合の吐き気および嘔吐を除く) と定義された。 MTDは、6人の患者のうち2人が薬剤関連DLTを生じる線量レベルと定義された。 3.6データの質の保証 本臨床試験は一般的には、適切な規制およびそれら規制を反映した企業の標準操作方法( standard operating procedures) で 明 確 に 指 定 さ れ て い る 臨 床 試 験 実 施 基 準 ( Good Clin ical Practice) の 原 則 に し た が っ て 実 施 さ れ た 。 本臨床試験の全過程で、ベーリンガーインゲルハイムオランダの代表者が本臨床試験現場 と連絡をとり、および/または現場を訪れて、試験の進行をモニターした。データ監査( 出発資料と事例報告書との比較および薬剤評価のチェックを含む)を目的として、頻繁な 50 (69) JP 2005-504517 A 2005.2.17 試験者らとの接触および現場訪問が実施された。試験者または試験者が指名した者は、ベ ーリンガーインゲルハイムオランダの代表者が現場を訪問したときには必ず接触すること ができる状態であった。 適切に記入されたCRFは規則的に収集された。データは当該組織内で記入されたダブル データであった。データの検閲を実施し、信じがたいデータは試験者に質問した。 重篤な副作用はプロトコルおよびCRFに規定されたガイドラインにしたがって、さらに ベーリンガーインゲルハイムのSOPにしたがって報告された。 【0107】 3.7プロトコルで予定された統計の方法およびサンプルサイズの決定 3.7.1統計計画および分析計画 10 3.7.1.1統計のデザイン/モデル 本臨床試験で使用したデザインは、腫瘍臨床試験のフェースIで一般的に用いられている 。 パートA 本臨床試験フェースIのパートAは、頭頸部の進行した扁平上皮細胞癌の患者で、 9 9 m T c標識hMAbBIWA4の単回輸液の安全性、許容性、生体分布および薬理学的消長を 決定するための条件無しの連続的用量増加群試験であった。 本臨床試験のこの部分では、3通りのhMAbBIWA4用量レベルを各用量レベルで予 定された3人の患者で用いた。すべての患者は頭頸部の腫瘍が証明され、外科手術を予定 されていた。 20 パートB 本フェースI試験のパートBは、頭頸部の進行した扁平上皮細胞癌の患者であって別の治 療方法が利用できない場合に、 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の単回輸液の安全性、許 容性、MTD、薬理学的消長および予備的治療効果を決定するための自由な、条件無しの 線量増大試験であった。 本臨床試験のこの部分では放射線量を増大させた。グレード2未満のCTC毒性が認めら れる線量レベルで2人の患者を処置した。グレード2以上の毒性が認められる場合には、 各線量群につき少なくとも3人の患者を処置した。 安全性および許容性の評価(パートA+パートB) 本臨床試験の安全性および許容性は一般検査パラメーターの変化、生命徴候、HANAの 30 発生および副作用出現傾向によって査定した。結果は、各線量レベルについて個々に報告 するだけでなく、全体的な手段によっても報告した。 生体分布の評価(パートA) 固形組織中の 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4の生体分布を、放射能免疫シンチグラフィ ー(セクション3.5.1.1を参照されたい)によって、さらに生検標本の放射能測定 (セクション3.5.1.1および3.5.1.2を参照されたい)によって査定した。 各線量レベルにつき最大3人の患者が登録されただけであるので、記載的統計のみが可能 であった。 免疫シンチグラフィーによる画像化の評価(パートA+パートB) 放射能標識抗体の投与後ある時点で、免疫シンチグラフィー画像を得た(セクション9. 40 5.1.1を参照されたい)。繰り返せば記載的統計のみが利用可能であった。 薬理学的消長の評価(パートA+パートB) 以下の薬理学的消長のパラメーターは、血漿または血清、尿レベルおよび画像化データか ら下記に記載したように決定した。 一次パラメーター(非区画化) Tm a x 、Cm a x 、AUC(0−無限大の時間)、末端排除半減期、分布体積(終末期Vzお よび予想される安定状態Vss)、CLおよびMRT(0−無限大の時間)。時間経過にお ける放射能の累積尿中排出が総排出尿から決定された。 二次パラメーター(区画化) ヒトで 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の分布および代謝を明らかにするために、区画化 50 (70) JP 2005-504517 A 2005.2.17 薬理学的消長モデルを開発しようと計画した。前記モデルによって、血清および尿の放射 能測定、全身および問題の特定領域の画像から得られた放射能、投与された 1 8 6 Re標識 hMAbBIWA4線量、コールドのhMAbBIWA4投与用量、可溶性CD44v6 、並びに輸液前の放射能標識抗体の検定から得られたデータが照合された。 結果は、各線量レベルについて別個に、および統計の要旨を用いて報告することが計画さ れた。 治療効果の評価(パートB) 腫瘍の反応は治療の有効性のパラメーターであった。腫瘍反応はWHOのガイドラインに したがって判定した。全測定腫瘍病巣の垂線の最大長の合計は腫瘍反応の一次パラメータ ーであった。骨病巣の反応の判定については別個の基準が存在した。 10 【0108】 3.7.1.2ゼロ仮説およびまた別の仮説 本臨床試験での全ての分析は性質として記載的および探査的であった。全ての統計的検査 は、結果を考察し更なる調査の計画を支援する統計的フレームワークを提供するためにの み実施された。正式な統計的推論は予測されず、したがって統計的検査は実施されなかっ た。 3.7.1.3計画された分析 以下の2つの集団が区別された: *治療意図サブセットは、放射能標識hMAbBIWA4の輸液を受け、さらに基準時以 後のデータが利用可能な全ての患者から成る; 20 *パープロトコルサブセットは評価可能な患者から成る。患者が以下の基準を満たす場合 、前記患者は評価可能である: パートA: 1 . 治 療 意 図 ( intention to treat) サ ブ セ ッ ト の た め の 基 準 を 満 た し た 。 2.副作用、生命徴候並びに一般検査用血液および尿サンプルに関する経過観察が適切で あった。 3.実施された両アッセイのうち少なくとも1つで免疫反応性分画が60%を越えていた 。 4.適切な生検およびシンチグラフィー画像が生体分布の判定のために利用可能であった 。 30 パートB: 1.治療意図サブセットのための基準を満たした。 2.副作用、生命徴候並びに一般検査用血液および尿サンプルに関する経過観察が適切で あった。 3.実施された両アッセイのうち少なくとも1つで免疫反応性分画が60%を越えていた 。 4.反応:適切な腫瘍測定が基準時に得られ、さらに患者が少なくとも6週間にわたって 追跡された場合、患者は反応について判定可能である。症状の進行が前記6週間以内に観 察された場合、患者はまた反応について判定可能であった。 一次分析 40 一次分析はパープロトコルサブセットについて実施した。 判定不能患者は置き換えた。したがってパートAについては、判定可能サブセットは9人 の患者から成るように計画され、治療意図サブセットは少なくとも9人の患者から成って いた。パートBについては、患者の数は出現する毒性に左右される。毒性について判定可 能であるが反応については判定不能であった患者は代替されなかった。 薬理学的消長データ: 薬 理 学 的 消 長 デ ー タ の 分 析 は 、 Dr. Thomas R. MacGregor( Boehringer Ingelheim Pharma ceuticals Inc. Ridgefield CT, USA) に よ っ て 実 施 さ れ た 。 薬理学的消長分析の主要な目的は以下のとおりであった: 1. 9 9 m Tc標識hMAbBIWA4および 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の単回投与後 50 (71) JP 2005-504517 A 2005.2.17 の総放射能および免疫反応性hMAbBIWA4の分布を決定し比較すること。 2.適切なコールド含有hMAbBIWA4用量を特定すること。 3.2回目の 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の線量の分布を算定すること。 4.画像化データおよび血中分布データから、試験中に肝臓および脾臓に到達する注射放 射能の分画を算出すること。前記目的を達成するために、WinNonLin(登録商標 )ソフトウェアパッケージを用いて、静脈内投与に続いて免疫反応性hMAbBIWA4 および総血中放射能レベルの血漿濃度対時間プロフィルについて時間を関数として非区画 化薬理学的消長分析を実施した。放射能に関係する全ての測定は、輸液前にタンパク結合 性および免疫反応性の放射能標識分画に対して標準化した。作製された特異的な薬理学的 消長パラメーターには以下が含まれていた:Tm a x 、Cm a x 、AUC(0−∞の時間)、末 10 端排除半減期、分布体積(終末期および予想される安定状態)、全身クリアランスおよび 平均滞留時間(0−無限大の時間)。時間に対する放射能の累積尿中排出を総排出尿から 決定した。 ヒトでの 1 8 6 Re標識hMAbBIWA4の分布および代謝を示す薬理学的消長モデルを 開発するという二次的な薬理学的消長分析の目的は、データの高い変動性(特に放射能シ ンチグラフィーデータ)のために達成できなかった。 二次分析 二次分析は、本臨床試験のパートBに参加した患者の治療意図サブセットについて実施さ れた。 本二次分析は以下の主要終了点に限定された:例えば反応速度、反応持続時間、進行時間 20 。 中間分析 中間分析は実施されなかった。 3.7.1.4欠落データの取り扱い 本臨床試験フェースIでは、ほとんどのデータが分析に利用できることが予想された。欠 落データの事例では、欠落の原因は結果に無関係である可能性がきわめて高かった。欠落 データは帰属させなかった。 【0109】 3.7.2サンプルサイズの決定 パートAでは、各線量レベルにつき3人の患者が、hMAbBIWA4の安全および50 30 mgの非標識hMAbBIWA4の予想修正用量に関する情報を提供する。 パートBでは、6人の患者がDLTの決定に十分であると考えられた。表3.7.2:1 は、全患者集団における仮定されるいくつかの潜在的DLT率について、観察される6人 の患者のうちで2人または3人以上がDLTをもつ確率を示している。 【表6】 40 (根 拠 :確 率 は 、 n = 6 お よ び 異 な る 患 者 に よ る 二 項 分 布 の 累 積 分 布 関 数 か ら 計 算 し た 。 ) 本臨床試験の増大試験計画に関しては、DLTに達する患者の個々の潜在的確率が42% またはそれより大きい場合は、2人または3人以上の患者がDLTを示す確率は少なくと も80%であった。 3.8臨床試験または計画された分析の実施における変更 プロトコルの以下の変更は修正により実施した。 血液サンプルの採集時点は、1999年9月1日付けの修正No.1によって調整された 。輸液後10分および6週間のサンプルは中止され、一方、追加のサンプルは臨床試験の パートBの輸液終了後240および336時間で採集された。本来の血液サンプリングス 50 (72) JP 2005-504517 A 2005.2.17 ケジュールは、臨床試験のパートAで観察された50時間の仮定半減期を適切にカバーす るには十分ではないことが判明した。合計3.5mLの血液はEDTAカリウム試験管に 採取し、さらに3.5mLは凝固用試験管に採取した。 本プロトコルには、最大許容線量を決定した後、患者に第二回目の 1 8 6 Re−hMAbB IWA4を投与できることが記載されていた。前記方法は修正2によって改変された。患 者が第一回の 1 8 6 Re−hMAbBIWA4の投与に反応して副作用を示さなかったか、 または副作用から回復し、さらにHAHA抗体を生じなかった場合に、患者は第二回目の 治療サイクルに対し適格性を有すると考えられた。反応は、症状の安定(すなわち変化が ない)、部分的回復または完全な回復と定義された。第二回目の投与線量は常に50mC 2 i/m であった。リンカーの変更のために、本臨床試験は、プロトコルに記載した投薬 10 試験による第二の線量を調べる前に終了させた。反応を示した患者の治療をとにかく可能 にするために、修正2が提出された。 臨床試験は、リンカーの変更のためにMTDに達した後で完了し終了させた。MAG3は 、BIWA4プロジェクトの以降の開発でMAG2GABA−TFPで置換されるであろ う。 サンプルは、最初に予定された時点よりも多くの時点でsCD44v6決定のために入手 可能であった。 データを評価し、臨床試験チーム内で検討した後で以下の変更が実施された。 %ID/kg腫瘍対%ID/kg非腫瘍組織比は結果の変動性のために骨髄でのみ実施さ れた。 20 腫瘍サイズの評価についても同様であった。測定は不完全で、したがって合理的な評価は 不可能であった。したがって正式な分析は実施されなかった。 【0110】 4.試験の対象者 4.1対象者の配置 スクリーニングを実施した33人の患者のうち、3人の患者が治験薬の投与前に副作用の ために臨床試験を中止した(表6.1:1)。前記3人の患者は分析には含まれなかった 。総計30人の患者を登録し臨床試験で治療した。 パートA 治療される30人の患者のうち10人の患者がパートAに含まれ、各々について3人の患 者がそれぞれ25mgおよび100mgの の患者が50mgの 9 9 m 9 9 m Tc−BIWA4を投与され、一方、4人 Tc−BIWA4を投与された。パートAの全患者が本臨床試験 を終了した。 パートB パートBで治療された20人の患者のうち2人は副作用のために試験を中止した(2人の 2 患者は死亡した)。3人の患者は50mCi/m の第二の線量を投与された。 【表7】 30 (73) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 (原資料:添付書類16.1.9.2表1.1) 4.2プロトコル逸脱 プロトコル違反の大半は、血液および/または尿のサンプリングに関してプロトコルに提 示したタイムウィンドウからの逸脱(>±10%)であった。影響を受けた患者は分析か ら除外しなかったが、尿または血液採取の実際の時間を血液、血漿、血清および尿濃度の 決定に用いた。 【0111】 5.有効性/薬理学臨床評価 30 パートAの結果から、治療に最適な用量として50mgのBIWA4が確認された。パー トBのデータは、DLTが認められる線量より低い放射線量で 1 8 6 Re−BIWA4治療 において患者は臨床的効果を得ることができることを示した。 測定されたBIWA4の濃度は用量に比例し、投与用量の中等度の量が腎臓から排出され た。 5.1分析データセット 治験薬の少なくとも1回投与を受けた全ての患者が治療意図分析に含まれた。パートAの 7人の患者がパープロトコル分析に含まれた。パートBについてはパープロトコル分析は 実施されなかった。 5.2身上調査および他の基準時の特徴 40 含まれた全患者の平均年齢は56歳(37から78歳の範囲)であった。19人の患者が 男性で11人が女性であった(表5.2:1)。 パートAで治療された3人の患者は全く喫煙せず、一方7人が現在も喫煙者であった(喫 煙年数は19から47)。頻繁なアルコール消費が8人の患者で報告され、一方、2人が 全く飲酒しない(表5.2:1)。 パートBの全ての患者が以前に喫煙者であったかまたは現在も喫煙者であり(表5.2: 1)、平均喫煙年数は35であった(10から86の範囲)。6人の患者が飲酒せず、一 方、残りの患者は頻繁にアルコールを摂取した(表5.2:1)。 病期はパートAに含まれる全ての患者について局所性で手術可能であり、一方、パートB では再発(15人)および/または転移があった(3人)。1人の患者では局所性で手術 50 (74) JP 2005-504517 A 2005.2.17 不能であった。1人の患者では情報が欠落していた。 併発疾患または関連する病歴が28人の患者で報告された(表5.2:1)。併用療法は 全ての患者で必要であった。もっとも頻繁に用いられた医薬は鎮痛剤、鎮静剤、ラクツロ ース、H2ブロッカー、鎮吐剤および抗菌剤であった。 【0112】 【表8】 10 20 パートAの患者では疾患の最初の診断は試験に参加する1ヶ月前に判明し、一方、パート Bに含まれる患者は平均して2年間疾患を抱えていた(0.1から17.5年、表5.2 :2)。カルノフスキーのスコアはパートAの患者では70から100の範囲であった。 パートBの患者のカルノフスキースコアは70から90であった(表5.2:2)。 30 診断時の転移は本臨床試験のパートBの1人の患者について報告された。 パートBの全ての患者は以前に放射線療法および/または化学療法を受けたことがあり、 一方、パートAの患者は以前に化学療法も放射線療法も受けていないことが報告された( 表5.2:2)。シスプラチン、メトトレキセートおよびフルオロウラシルはもっとも頻 繁に使用された全身性抗癌剤であった。 以前に外科手術を受けたパートBの13人の患者のうち11人では前記外科手術は根治的 療法であった。パートAの1人の患者のみが以前に手術を受けていた(表5.2:2)。 2 2 腫瘍の病巣サイズ(転移を含む)は14mm から10304mm の範囲であった。患者 の大半で原発腫瘍部位は中等度に分化していた。リンパ節は13人の患者で障害を有して いた(表5.2:2)。 【表9】 40 (75) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 【0113】 5.3治療に対するコンプライアンスの程度 全ての薬剤は試験者またはその指名した者の監督下で投与された。血液はBIWA4の薬 理学的消長を決定するために採集された。全ての患者は検出可能レベルのBIWA4を有 していた。 5.4有効性/臨床薬理学の結果 2 6人の患者のうち3人は50mCi/m の最大許容線量で症状の安定を示した。臨床試 験のパートAで、50mgのBIWA4用量が血液濃度および選択的腫瘍の取り込みに関 30 して最適な用量であることが確認された。BIWA4の血漿濃度は、パートAではBIW A4の25mgから100mgの範囲で用量に比例し、ピークは0.9時間であり、末端 排除半減期はパートAおよびパートBについてそれぞれ54−74時間および94時間で あった。 5.4.1有効性の分析/薬理学的動態 5.4.1.1一次終了点 有効性についての一次終了点はパートAでは 9 9 m Tc−BIWA4の生体分布であった。 さらに別の一次終了点は、本臨床試験のパートAおよびパートBについて、それぞれ放射 能免疫シンチグラフィー画像の分析および薬理学的消長の分析(セクション5.4.2に 記載)であった。ドシメトリーはパートBでのみ実施された。 パートAでの 9 9 m 40 Tc−BIWA4の生体分布 組織サンプルは外科手術中に得られ、 9 9 m Tc−BIWA4の取り込みは%注射線量(I D)/kg組織として表された。 治 療 意 図 ( I T T ( intent-to-treat) ) サ ブ セ ッ ト : 9 9 m Tc−BIWA4の相対的生体 分布は3通りの投与群全てにおいて腫瘍できわめて高かった(患者1(25mgのBIW A4)、患者5(50mgのBIWA4、腫瘍細胞無し)および患者9(100mgのB IWA4)をそれぞれ除く)。腫瘍への取り込みは、25mg、50mgおよび100m gの用量群でそれぞれ6から17%ID/kg、5から28%ID/kg、および13か ら17%ID/kgの範囲であった。腫瘍取り込み対骨髄取り込みの算出平均比は、25 mg、50mgおよび100mgの用量群でそれぞれ1.7、2.6および2であった( 50 (76) JP 2005-504517 A 2005.2.17 表7.2:1および7.2:2)。 パ ー プ ロ ト コ ル ( P P ( per-protocol) ) サ ブ セ ッ ト : 9 9 m Tc−BIWA4の相対的生 体分布は3通りの投与群全てにおいて腫瘍できわめて高かった(患者1(25mgのBI WA4)を除く)。腫瘍への取り込みは、25mg、50mgおよび100mgの用量群 でそれぞれ6から17%ID/kg、23から28%ID/kg、および16%ID/k gの範囲であった。腫瘍取り込み対骨髄取り込みの算出平均比は、25mg、50mgお よび100mgの用量群でそれぞれ1.7、3.2および2.5であった(表7.2:1 および7.2:3)。 より小さな腫瘍サイズでより大きな取り込み傾向が25mgのBIWA4用量群で存在す るように思われた。同様な評価は、患者数の制限のために50mgおよび100mgのB 10 IWA4用量群については可能ではなかった(表7.2:4)。 高い%ID/kgの取り込みが、患者1(25mgBIWA4)を除いて骨髄上清(17 %ID/kgまで)および血漿または血液(13%ID/kgまで)で観察された(前記 はパープロトコル集団では常に腫瘍への取り込みより低かった)。皮膚および粘膜への取 り込みは、パープロトコルサブセットでは常に原発腫瘍への取り込みより低かった。 パートAの 9 9 m Tc−BIWA4の放射能免疫シンチグラフィー画像 輸液直後には腫瘍には放射能の取り込みは認められなかったが、21時間後に中等度の取 り込みが見出された。放射能免疫共役物の取り込みは、輸液直後および輸液後21時間の 両方で骨髄および腎臓で低いようであった。取り込みは肺では軽度から中等度であったが 、肝臓はより高い取り込みを示した。 20 同様なパターンがパープロトコル集団について観察された。ただ1つの相違は腎臓におけ るより高い取り込みのようであったが、一方、取り込みは治療意図集団と比較したとき肺 でより低かった。 パートBの 1 8 6 Re−BIWA4の放射能免疫シンチグラフィー画像 放射能免疫シンチグラフィー試験は輸液直後、輸液後21、48、72、144および3 36時間で実施された。輸液直後には腫瘍への取り込みはほとんど全く観察されなかった 。腫瘍への相対的取り込みは用量依存的のようにみえ、さらに時間の経過につれて増加し 、72から144時間後に中等度から高い取り込みに達し、336時間以降には減少した 。 放射能の生体分布は、骨髄、肺臓、肝臓、腎臓および腸管で類似しており、同じ用量依存 30 作用(腸管を除く)は示さなかった。さらにまた、放射能の相対的取り込みは定常的であ るか、または時間の経過とともにわずかに減少し、全ての放射能線量でについて同様であ った。骨髄への取り込みはほとんどの治療群で最低であった。 【0114】 5.4.1.2二次終了点 有効性の二次終了点は、それぞれパートBの治療に対する腫瘍の反応およびパートAの腫 瘍におけるCD44v6発現レベルであった。可溶性CD44v6発現は本臨床試験のパ ートAおよびパートBの両方について決定された。 パートAにおける腫瘍のCD44v6発現 CD44v6抗原発現の測定データは7人の患者について入手できた。CD44v6抗原 40 発現は、5人の患者および2人の患者でそれぞれ腫瘍細胞の90%および80%以上で観 察され、一方、リンパ節が評価のために利用可能であった4人の患者では、リンパ節転移 の細胞の90%でCD44v6抗原発現が検出された。均質なCD44v6抗原発現は全 ての患者の粘膜で観察された。 パートBにおける腫瘍反応 2 線量が40mCi/m までの 1 8 6 Re−BIWA4で処置された患者は臨床的腫瘍反応を 示さなかった。全ての患者で症状が進行した。1人の患者は途中で死亡したために評価で きなかった。 2 50mCi/m の 1 8 6 Re−BIWA4で処置された6人の患者のうち3人は症状が安定 するか、第一回目のサイクルの後変化を示さなかった。これら3人の患者(さらにもう1 50 (77) 2 回、50mCi/m の 1 8 6 JP 2005-504517 A 2005.2.17 Re−BIWA4で処置された)のうちの2人は第2回目のサ イクルの後で症状が進行した。症状の進行は、治験薬の最初の投与からそれぞれ合計14 8日後(患者109)および127日後(患者116)に観察された。 2 60mCi/m の 1 8 6 Re−BIWA4で処置された1人の患者は第1回目のサイクルの 2 後症状が安定した。この患者は、50mCi/m の 1 8 6 Re−BIWA4による第2回目 のサイクルの後(治験薬の最初の投与後173日で)症状が進行した。 治療に反応しなかった患者の症状進行の全体的時間は0から55日で、平均は治療群に関 係なく約5から6週間であった。 パートAおよびパートBの可溶性CD44v6 可溶性CD44v6は本臨床試験でBIWA4で処置された全ての患者で測定された。 検出された可溶性CD44v6の量は、パートBの試験中に 1 8 6 者で増加する傾向にあり(表7.2:6)、一方、パートAで 10 Re−BIWA4処置患 9 9 m Tc−BIWA4を処 置された患者についてはそのような傾向を観察することはできなかった。 【0115】 5.4.2薬剤用量、薬剤濃度および反応との関係 BIWA4の薬理学的消長は、放射能標識が異なるのでパートAおよびパートBについて それぞれ別個に提示されるであろう(パートA: 9 9 m Tc、パートB: 1 8 6 Re)。 5.4.2.1BIWA4、HANAおよびCD44v6に関する分析性能 有効性が実証されたアッセイが血漿サンプルの分析に用いられた。品質が管理されたサン プルの分析は高い正確性および精密性を示す結果をもたらした。 20 サンプルのガンマ計測に関する分析性能 ガンマカウンターのシンチレーションクリスタルのシグナル直線性は検査されなかった。 前記直線性は、少なくとも本臨床試験に用いたエネルギー範囲については装置のタイプか ら予想された。線量検定サンプルは典型的には4000−200000カウント/分を示 し、対するバックグラウンドサンプルでは50−100カウント/分未満であった。線量 検定標準物の7回の測定精度は規則正しく2%以内であった。同じ事が、血液、血清およ び尿における個々の3回の測定精度についても適用される。血液および血清サンプルは典 型的に2000から100000カウント/分の放射能を示した。 放射能計測のための品質管理サンプルはなかった。線量検定標準物および本臨床試験由来 サンプルの反復測定の精度は、3回の測定精度が少なくとも2%よりも良好であることを 示した。 【0116】 5.4.2.1薬理学的消長 パートA パートAは、一定の放射能線量(20mCiの 9 9 m Tc)を含む25から100mgの範 囲のBIWA4単回投与を受けた10人の患者から成る。短時間の静脈内輸液に続いてE LISAによって測定されたBIWA4に対する血漿中の薬理学的パラメーターは表5. 4.2.2:1に示されている。 【表10】 30 (78) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 観察されるCm a x BIWA4血漿濃度および曲線内の面積における増加は投与された用量 と比例する(図4および5)。 放射能標識( 9 9 m Tc)の血清濃度もまた決定し、薬理学的消長パラメーターは表5.4 .2.2:2に示されている。 【0117】 【表11】 (79) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 静脈内輸液後のELISAにより測定される血漿中BIWA4の半減期のジオメトリー平 均は、パートAの試験の治療群で54から73.8時間の範囲であった。同じサンプルの 9 9 m Tc標識BIWA4のジオメトリー平均はより短く、血清で39.4時間および血中 で46.4時間であった。この2つの概算平均値間の矛盾は、放射能アッセイの制限のた めにBIWA4で可能なより長いサンプリング時間が原因と考えられた。 放射能は、表5.4.2.2:3に示した量で尿中に排出された。48時間の間の不完全 な採集のために(すなわち累積データは、採集期間の変動のために常に比較可能とは限ら ない)、この尿排出データから更なる判定は実施されなかった。完全な48時間採集を実 施した6人の患者に関しては、採集された平均放射能量は最初の線量の10%であった。 【表12】 40 (80) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 n.a.=適用不能、データ利用不可 【0118】 パートB: 2 パートBは、20−60mCi/m の範囲の種々の線量の放射能標識 1 8 6 Re−BIWA 30 4とともに50mgのBIWA4用量を投与された20人の患者から成る。3人の患者は 第二の静脈内輸液を受け、一方、他の17人の患者は単回処置コースのみを受けた。 グラフでは、各患者について、さらに、 1 8 6 Re−BIWA4を2回投与された3人の患 者内で血漿BIWA4濃度および血清放射能濃度間に一致が見られた。グラフ上で認めら れるこの一致は、データを(非区画化評価の)モデルにならって作製した場合のより長い 放射能半減期の認識と対照的である。 1 8 6 Re−BIWA4の放射能部分のジオメトリー 半減期は122時間で、ELISAで決定されたBIWA4の血漿半減期94時間より長 かった。 投与された放射能の量によって薬理学的消長のパラメーターをグループ分けしたとき(表 5.4.2.2:6および5.4.2.2:7)、増加した放射能線量によるいくらか長 時間の暴露傾向が示された。しかしながら、各線量群における個体数が小さすぎて一定の 結論を下すことはできない。 【表13】 40 (81) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 * ( 2 50mCi/m の線量を2回投与された患者を含む。) 【表14】 20 30 * 2 ( 50mCi/m の線量を2回投与された患者を含む。) 5.4.2.2薬理学的消長/薬理学的動態分析 薬理学的消長/薬理学的動態分析は実施されなかった。 【0119】 5.4.3統計/分析に関する問題 この分析は最初に計画されたように実施した。詳細はセクション3.7.1.3に記載さ れている。 5.4.3.1一次終了点 適用不能。 5.4.3.2二次終了点 40 適用不能。 5.4.4薬剤−薬剤および薬剤−疾患相互作用 薬剤−薬剤または薬剤−疾患相互作用に関する検査は実施されなかった。 5.4.5二次的問題の表示 詳細についてはセクション6.4.2.2および6.4.2.3を参照されたい。 5.5有効性/臨床薬理学に関する結論 パートA: パートAの結果によって、血液濃度および組織の取り込みレベルから50mgのBIWA 4用量が治療に最適な用量として確認された。放射能シンチグラフィーおよび生検の測定 によって判定された分布は、他の組織と比較してほとんど全ての事例で腫瘍で最も高かっ 50 (82) JP 2005-504517 A 2005.2.17 た。放射能の取り込みは時間の経過にしたがって腫瘍で増加した。CD44v6の発現は 、原発腫瘍の細胞およびリンパ節転移の細胞のそれぞれ80%以上および90%以上、並 びに得られた全ての粘膜標本で認められた。 可溶性CD44v6の量は、 9 9 m Tc−BIWA4投与の前後で一定であった。 測定されたBIWA4の濃度は、25mgから100mgのBIWA4の範囲で用量に比 例していた。投与された用量の中等度の量が腎臓から排出された。尿中に排泄される%I Dは全ての用量群で同様であった。 パートB: パートBのデータは、患者はMTDでの 1 8 6 Re−BIWA4療法によって臨床的な利益 2 を得ることができることを示した。60mCi/m で処置された5人の患者のうち1人 10 2 は症状が安定した。6人の患者のうち3人は50mCi/m の最大許容線量で症状が安 2 定した。50mCi/m の第二の投与を受けた患者では、症状進行までの時間は127 日から173日の範囲であった。放射能免疫シンチグラフィーによって腫瘍組織への放射 能の取り込みが示された。生体分布は線量に関係なく他の組織と類似していた。ドシメト リー分析では腫瘍以外の他の組織(精巣を除く)では予期せぬ高い吸収は示されなかった 。しかしながら、観察された精巣の線量と受精能力の障害との関連性は現在のところ明ら かではない。 検出された可溶性CD44v6の量は、 1 8 6 Re−BIWA4で処置された患者で増加す る傾向にあった。 BIWA4の血漿濃度は0.92時間で最高に達し、抗体は、ELISAで測定したBI WA4のジオメトリー平均半減期94時間で排除された。Cm a x 20 およびAUC値(ELI SAによる測定)は、50mgのBIWA4用量群について本臨床試験のパートAで得ら れた値と同様であった。 2 2 線量限界毒性は60mCi/m の線量で生じ、一方、50mCi/m の 1 8 6 Re−BI WA4の線量は本臨床試験では最大許容線量であることが判明した。線量限界毒性は骨髄 の副作用(すなわち血小板減少症および白血球減少症)であった。 【0120】 6.1暴露の程度 本臨床試験のパートAで処置された10人の患者は全て 9 9 m Tc−BIWA4を1回投与 された。BIWA4の用量は25mg、50mgまたは100mgで、 9 9 m Tcは20m 30 Ciであった。 パートBでは、患者は 1 8 6 Re−BIWA4を1回投与された。3人の患者は症状が安定 2 した(症状に変化がない)ので、2回目の50mCi/m を投与された。BIWA4の 用量は50mgで一定を保ち、一方 1 8 6 2 Reの放射能は10mCi/m 体表ずつ増加させ た。 線量は体表面積にしたがって計算した(表6.1:1)。 【表15】 40 50 (83) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (n.a.=適用不能、平均値および標準偏差が示されている。) 薬剤の放射化学的純度は95%を越え、免疫反応性分画は80%より高かった。 【0121】 6.2副作用(AE) 副作用は処置された全患者で報告された。2人の患者はパートBの観察期間を副作用のた めに中止した。処置は完了していたので治験薬に関して措置は採られなかった。 パートA: パ ー ト A の 患 者 の 大 半 ( 5 0 % ) は 一 体 的 身 体 ( body as a whole) に 由 来 す る 副 作 用 を 示し、前記はまた根底の外科手術および付随する痛みによるものであろう。特定の副作用 パターンは報告されず、さらに薬剤関連と判定されるCTC基準3または4を示した患者 10 はいない(表6.2.2:1および2)。 3人の患者は、セクション6.3.1に記載されている重篤な副作用を示した。 パートB: 系 統 的 器 官 ク ラ ス ( S O C ) の “ 一 体 的 身 体 ” ( body as a whole) の 副 作 用 は 患 者 の 6 5%で報告され、系統的器官クラスの“血小板、出血および凝固異常”(患者の60%) および“白血球および細網内皮系異常”(患者の50%)がこれに続いた。薬剤関連血小 板減少症および白血球減少症は11人(55%)で発生し、10人の患者で放射線免疫治 療の開始後平均して21日で発生し、一般的に6週間後に回復した。用量反応は前記の事 象について観察された(表6.2.2:3)。 薬剤関連CTCグレード4と定義される血液学的線量限界毒性は3人の患者で報告された 20 。 薬剤関連CTCグレード3または4の非血液学的毒性と定義される非血液学的線量限界毒 2 性は4人の患者で発生した(30mCi/m では1人の患者が発赤およびクィンケ浮腫 2 2 を示し、60mCi/m で2人の患者は発熱し、さらに60mCi/m で処置された患 者は倦怠感を生じた)。 重篤な副作用を示した9人の患者のうち6人は死亡した。死亡と重篤な副作用はセクショ ン12.3.1に記載されている。 【0122】 6.2.2副作用の表示 パートA: SOC、好ましい用語、およびBIWA4の3つの用量群によって分類される以下の副作 用が本臨床試験のパートAで1人を越える患者で報告された(表6.2.2:1)。更な る詳細および好ましい用語はセクション7.3.1に示されている。 【表16】 30 (84) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 (1人を超える患者が報告されたSOCおよび好ましい用語が示されている。括弧内の数 字は処置された患者のパーセンテージを示す。) 試験者がCTC基準にしたがって等級付けした薬剤関連と考えられる副作用は表6.2. 2:2に示されている。これら副作用はCTCのグレード1であった。 【表17】 30 (sGOT=血清グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ;sGPT=血清グルタ ミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ) パートB: 表6.2.2:3はSOC、好ましい用語および って分類された副作用をもつ患者数を示す。 【表18】 40 1 8 6 Re−BIWA4の放射線量群によ (85) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 20 30 40 (1人を超える患者が報告されたSOCおよび好ましい用語が示されている;sGPT= 血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ;RES=細網内皮系;括弧内の数字は 処置された患者のパーセンテージを示す。) 薬剤関連副作用は75%の患者で報告された。薬剤関連白血球減少症は50%の患者で、 血小板減少症は55%の患者でそれぞれ報告された。 薬剤関連と考えられる副作用は表6.2.4:4に提供され、CTCにしたがって等級付 50 (86) JP 2005-504517 A 2005.2.17 けされている。 【表19】 10 20 30 40 ( 副 作 用 の 数 が 示 さ れ て い る ; n.a.= 適 用 不 能 ) 【0123】 6.2.3副作用の分析 パートA: 本臨床試験のパートAで発生した副作用はいずれも薬剤関連とは考えられなかった(ただ し中等度で可逆的なCTCグレード1のASTおよびALTの上昇を示した1人の患者は 除く)。 種々のBIWA4用量を比較したとき、副作用プロフィルの相違は認められなかった。 パートB: 50 (87) JP 2005-504517 A 2005.2.17 血小板減少症および白血球減少症は線量に依存し(表6.2.2:3および6.2.2: 4)、さらに線量限界性であった。タイムコースはセクション6.4.2.1に示されて いる。 アレルギー性反応は2人の患者で報告されたが、1人は薬剤関連クィンケ浮腫および発赤 2 2 (30mCi/m )を示し、1人の患者は(60mCi/m )血小板濃縮物の輸液後ア レルギー反応を示した(後者は薬剤関連とは考えられなかった)。1人の患者は(20m 2 Ci/m )じんま疹を示し(これもまた薬剤関連とは考えられなかった)、1人の患者 2 は(20mCi/m )薬剤関連の顔面浮腫を示した。 HAHAは2人の患者で検出された(セクション12.4.3参照)。 副作用による中止は2人の患者で発生した。前記両患者は死亡した。 10 副作用によって併用療法の開始が17人の患者で必要となった。前記患者はセクション6 .3.1に簡潔に記載されている。 6.3死亡、他の重篤な副作用および他の顕著な副作用 重篤な副作用は12人の患者で報告された。前記のうち6人の患者が本臨床試験中または その後の経過観察中に死亡した。死亡した全患者は本臨床試験のパートBで処置された。 パートAで処置された患者はいずれも死亡していない。全ての死亡例は症状の進行による ものであった。 パートBの2人の患者は、副作用(両患者112および105は死亡した)のために不完 全に本臨床試験を中止した。 もっとも頻発した治療を必要とした副作用は、血小板減少症、白血球減少症および発熱で 20 あった。 【0124】 本文書に含まれるもの 7.1身上調査データ 身上調査の詳細は含まれていない。 7.2有効性/薬理学的動態データ 表7.2:1腫瘍対骨髄取り込み比−臨床試験パートA 表7.2:2腫瘍対骨髄取り込み比(ITTサブセット)−臨床試験パートA 表7.2:3腫瘍対骨髄取り込み比(PPサブセット)−臨床試験パートA 表7.2:4腫瘍サイズおよび抗体の%取り込み−臨床試験のパートA(パープロトコル 集団) 表7.2:5腫瘍および他の組織におけるCD44v6抗原発現−臨床試験のパートA 表7.2:6血清中の可溶性CD44v6(平均値がng/mLで示されている) 【表20】 30 (88) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 * (脚注:No=番号; =パープロトコル分析に含まれる;%ID=注射用量の%;算出 20 はサンプルの重さの違いを考慮に入れて実施した。) 【表21】 30 ( 脚 注 : 平 均 値 が 示 さ れ て い る ; I T T = 治 療 意 図 ( intention to treat) ; 算 出 は サ ン プルの重さの違いを考慮に入れて実施した。) 【表22】 40 ( 脚 注 : 平 均 値 が 示 さ れ て い る ; P P = パ ー プ ロ ト コ ル ( per protocol) ; 算 出 は サ ン プ ルの重さの違いを考慮に入れて実施した。) 50 (89) JP 2005-504517 A 2005.2.17 【表23】 10 (脚注:No=患者番号;n.a.=適用不能、長さまたは幅が示されているが、長さ及 20 び幅の両方は示されていない;算出はサンプルの重さの違いを考慮に入れて実施した。) 【表24】 30 40 * ( 脚 注 : N o = 番 号 ; = パ ー プ ロ ト コ ル 分 析 に 含 ま れ る ; n.a.= 適 用 不 能 ) 【表25】 (90) JP 2005-504517 A 2005.2.17 10 ( 脚 注 : n.a= 適 用 不 能 ; デ ー タ に は 2 回 目 の 投 与 が 含 ま れ て い る ) 【0125】 20 有効性の結果 パートA: .パ ー ト A の 結 果 か ら 、 血 中 濃 度 お よ び 組 織 の 取 り 込 み レ ベ ル を も と に 5 0 m g の 用 量 の BIWA4が治療に最適な用量として確認された。放射能シンチグラフィーおよび生検の 測定によって判定された分布は、他の組織と比較したときほぼ全ての事例で腫瘍でもっと も高かった。放射能の取り込みは時間の経過とともに腫瘍で増加した。CD44v6の発 現は、原発腫瘍およびリンパ節転移の細胞のそれぞれ80%および90%以上、並びに得 られた全ての粘膜標本で存在していた。 50mgのBIWA4用量群では、腫瘍サイズと放射能の取込みとの間に相関性は観察さ れなかった。可溶性CD44v6の量は 9 9 m Tc−BIWA4投与の前後で一定のようで 30 あった。 測定されたBIWA4濃度は25mgから100mgのBIWA4の範囲では用量に比例 していた。投与された用量の中等度の量が腎臓から排泄された。尿中に排泄されたパーセ ント注射用量(%ID)は全ての用量群で同様であった。 パートB: パートBのデータは、最大許容線量(MTD)での 1 8 6 Re−BIWA4療法によって臨 2 床的に利益を得ることができることを示した。60mCi/m で処置された5人の患者 2 のうち1人は症状が安定した。再発進行までの時間は、50mCi/m の第二の投与を 受けた患者で127日から173日の範囲であった。放射能免疫シンチグラフィーによっ て、腫瘍組織での放射能の取り込みが示された。生体分布は用量に関係なく他の組織と比 40 較可能であった。ドシメトリー分析では、腫瘍以外の組織では予期せぬ高い吸収線量は示 されなかった(ただし精巣を除く)。検出された可溶性CD44v6の量は、 1 8 6 Re− BIWA4処置患者について増加する傾向があった。BIWA4の血漿濃度は0.92時 間でピークに達し、前記抗体は、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による測定に よって決定されるBIWA4について94時間のジオメトリー平均半減期で排除された。 Cm a x およびAUC値(ELISA)は、50mgのBIWA4用量群について本臨床試 験のパートAで得られたものと類似していた。 テクネチウム−99の低い放射能線量と併用したBIWA4の単回投与の許容性は容認で きた。3つの重大な副作用のうちの2つは外科手術の結果としての合併症のためであった 。 50 (91) JP 2005-504517 A 2005.2.17 パートB: 最大許容線量(MTD)は 1 8 6 2 Re−BIWA4の50mCi/m であった。線量限界副 作用は、個々の患者で線量依存性の可逆的血小板および白血球減少とそれに続く発熱であ った。血小板減少症の臨床症状は軽度の点状出血であった。 粘膜炎は、より高い放射線量で処置された患者で観察されたが、線量限界性ではなかった 。 甲状腺刺激ホルモン(TSH)の相関性変化は本臨床試験中には認められなかった。 12人の患者が重篤な副作用を示した。これら12人のうち、6人の患者は本臨床試験の パートBの過程で主として根幹の疾患の進行のために死亡した。 アレルギー性反応が稀に観察され、1人が重篤な薬剤関連性クィンケ浮腫を示した。薬剤 10 の輸液中または輸液後しばらくはアレルギー反応は生じなかった。 2人の患者がHAHAを生じた。反復投与はHAHAの発生を誘発しなかった。 結論: 結果は、腫瘍組織への 1 8 6 Re−BIWA4の取り込みおよび頭頸部の進行した扁平上皮 癌をもつ患者の臨床的利益を示した。安全性プロフィルは許容可能であるように思われる 。BIWA4は用量に比例する薬理学的消長を示し、腫瘍への取り込みは50mgと10 0mgのBIWA4用量の間では相関的な変化を示さなかった。 【0126】 実施例4 序文:進行期の頭頸部扁平上皮細胞癌(HNSCC)をもつ患者は、末梢局所での再発腫 20 瘍および/または遠位転移を発する危険性が高くなる。このような患者では、有効な全身 的アジュバント治療の開発が要求される。HNSCCは本質的に放射能に感受性が高いこ とを考えれば、放射能免疫治療の様式としてモノクローナル抗体を用いることによって、 HNSCCに選択的に放射性核種を誘導することはより効果的な治療に役立つであろう。 目的:レニウム−186( 1 8 6 Re)標識ヒト化モノクローナル抗体BIWA4のHNS CC患者での安全性、最大許容線量(MTD)、免疫原性および有効性の決定。 患者および方法:他に選択できる治療方法がないHNSCC患者で、フェースI線量増大 試験を実施した。総計20人の患者に、静脈内に20、30、40、50または60mC 2 i/m の線量で 1 8 6 Re標識BIWA4を投与した。3人の患者は、50または60mC 2 2 i/m の投与の少なくとも3ヵ月後に、50mCi/m の第二の線量を投与された。 30 結果:反復投与と同様に、単回投与は全て良好に許容され、急性副作用の徴候は全く認め られなかった。より高い線量でのただ1つの重大な毒性の出現は、口腔の粘膜炎および血 小板減少症および白血球減少症から成る線量限界性骨髄毒性であった。MTDは50mC 2 i/m であることが確認された。1人の患者は、ただ1回の投与の後でヒト抗ヒト反応 を生じた。症状の安定(4から19週間持続した)は最高の線量レベルで処置された患者 で観察された。 結論: 1 8 6 Re標識BIWA4によるHNSCC患者の放射能免疫治療は安全であるよう に思われ、殺腫瘍線量を得ることができる。のみならず、免疫誘発率が低いことから、反 復投与が可能であるように思われる。本臨床試験のフェースIの結果によって、レニウム −186( 1 8 6 Re)標識ヒト化モノクローナル抗体BIWA4による放射能免疫治療を 40 頭頸部癌患者のアジュバント療法としてさらに開発することが大いに推奨される。 【図面の簡単な説明】 【0127】 【図1】競合細胞ELISAで調べた相対的結合親和性の判定を示す図である。IC50: mMAbBIWA4とA431細胞との結合が50%減少するcMAbおよびhMAbの 濃度。BIWA2に対するIC50値が示されている。 【図2】 1 2 5 Iおよび 1 3 1 I標識CD44v6特異的MAb(10μCi、50μg)を同 時注射されたHNX−OE異種移植片をもつ担癌マウスでの輸液後3日または4日の生体 分布を示す図である。3群のマウスが以下のいずれかを投与された:(A) 6(黒棒線)および 1 2 5 I−BIWA1(網かけ棒線)(n=5);(B) 1 3 1 1 3 1 I−U3 I−BIW 50 (92) A4(黒棒線)および 1 2 5 JP 2005-504517 A 2005.2.17 I−BIWA2(網かけ棒線)(n=6);または(C) −BIWA4(黒棒線)および 1 2 5 1 3 1 I I−BIWA8(網かけ棒線)(n=6)。輸液後3 日(A)または4日(B、C)でマウスから採血し、殺して解剖し、腫瘍、血液およびい くつかの器官の放射能レベル(%ID/g±標準偏差)を判定した(Bld:血液、Tu m:腫瘍、Liv:肝臓、Spl:脾臓、Kid:腎臓、Hrt:心臓、Stm:胃、I lm:回腸、Cln:結腸、Blr:膀胱、Str:胸骨、Msc:筋肉、Lng:肺臓 、Skn:皮膚、Tng:舌)。 【図3】HNX−OE異種移植片をもつ担癌ヌードマウスにおける 1 8 6 Re標識CD44 v6特異的MAbの治療的有効性を示す図である。マウスは以下を投与された:300μ Ciの 1 8 6 μCiの Re−U36(図A)、300μCiの 1 8 6 1 8 6 Re−BIWA1(図A)、300 Re−BIWA4(図B)、300μCiの 400μCiの 1 8 6 1 8 6 Re−BIWA2(図B)、 Re−BIWA4(図C)、400μCiの 1 8 6 Re−BIWA8(図 C)、またはコントロールとして食塩水(図A、B、C)。図AおよびBのコントロール 群は同じである。腫瘍サイズは、処置開始時の平均腫瘍体積に対する処置中の平均腫瘍体 積(±標準偏差)として表されている。 【図4】臨床試験のパートAでBIWA4の10人の患者への輸液の後で観察されたMA bの投与用量とAUCとの関係を示す図である。 【図5】臨床試験のパートAでBIWA4の10人の患者への輸液の後で観察されたMA bの投与用量と最大血漿BIWA4濃度との関係を示す図である。 【図1】 【図3】 10 (93) 【図4】 【図5】 JP 2005-504517 A 2005.2.17 (94) 【国際公開パンフレット】 JP 2005-504517 A 2005.2.17 (95) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (96) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (97) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (98) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (99) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (100) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (101) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (102) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (103) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (104) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (105) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (106) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (107) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (108) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (109) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (110) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (111) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (112) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (113) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (114) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (115) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (116) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (117) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (118) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (119) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (120) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (121) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (122) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (123) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (124) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (125) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (126) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (127) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (128) JP 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2005-504517 A 2005.2.17 (249) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (250) JP 2005-504517 A 2005.2.17 フロントページの続き 7 (51)Int.Cl. FI テーマコード(参考) A61P 35/00 A61K 39/395 T 4C085 A61P 35/04 A61K 47/48 4C086 C07K 16/18 A61P 35/00 4H045 C07K 16/46 A61P 35/04 C07K 19/00 C07K 16/18 C12N 1/15 C07K 16/46 C12N 1/19 C07K 19/00 C12N 1/21 C12N 1/15 C12N 5/10 C12N 1/19 C12N 7/00 C12N 1/21 C12P 21/08 C12N 7/00 C12P 21/08 C12N 5/00 B C12N 5/00 C A61K 43/00 A61K 49/02 A (81)指定国 AP(GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT, BE,CH,CY,DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,OM,PH,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZM,ZW (特許庁注:以下のものは登録商標) ポラロイド (74)代理人 100084009 弁理士 小川 信夫 (74)代理人 100084663 弁理士 箱田 篤 (74)代理人 100093300 弁理士 浅井 賢治 (74)代理人 100114007 弁理士 平山 孝二 (72)発明者 アドルフ ギュンター オーストリア アー−1070 ヴィーン シュティフトガッセ 15−17/10 (72)発明者 オスターマン エリンボルク オーストリア アー−1140 ヴィーン マウアーバッハシュトラーセ 56/6 (72)発明者 パッツェルト エリック オーストリア アー−3002 プルカースドルフ ハンス ブッフミューラー−ガッセ 8 (72)発明者 シュプロール マルリース ドイツ連邦共和国 82131 ガウティング ミュンヘナーシュトラーセ 32アー (72)発明者 ハイダー カルル−ハインツ オーストリア アー−2000 シュトッケラウ ヨハン−シュトラウス−プロメナーデ 4/1 1 (72)発明者 ミグリエッタ ジョン ジェイ アメリカ合衆国 コネチカット州 06801−2936 ベセル カントリー ウェイ 34 (251) JP 2005-504517 A 2005.2.17 (72)発明者 ファン ドンゲン アウグスティヌス アントニウス マリア シルヴェステル オランダ エヌエル−3572 ハーエル ユトレヒト ポールトストラート 52 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA44 CA05 CA07 DA01 DA02 DA03 DA05 DA06 DA07 DA08 DA12 DA20 EA02 HA01 4B064 AG27 CA10 CA19 CC24 DA05 4B065 AA01X AA72X AA88X AA90X AA91X AA93Y AB01 BA02 CA25 CA44 4C076 AA11 AA16 AA95 BB11 BB13 BB17 CC27 EE59 FF34 FF66 FF68 4C084 AA02 AA03 AA07 AA12 AA17 BA41 BA44 MA02 MA05 MA16 MA21 MA65 MA66 NA13 ZB262 4C085 AA16 AA22 AA26 AA27 BB01 BB11 BB36 BB41 BB43 BB44 CC22 CC32 DD62 EE01 GG02 HH03 JJ01 KA05 KA09 KA29 KB09 KB10 KB18 KB82 LL18 4C086 AA01 AA02 BA18 MA02 MA04 NA13 ZB26 4H045 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 EA28 FA74