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16 - 素形材センター

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16 - 素形材センター
鋳 造
太洋マシナリー株式会社 / 大銑産業株式会社
アルミ鋳造品仕上げ装置の開発
共振型高速振動機を利用した中子落しとバリ取り装置
1.開発の目的
アルミ鋳造の後処理工程として中子砂を除去する作
業がある。近年、特に自動車鋳物部品においては中子
離後、振動により内部で砂粒化され外部へ排出される。
従来のハンマリングだけでは内部に残留する細かい部
分の中子も高速振動を付加することにより除去可能と
なった。
の形状が複雑になり、除去する作業が非常に困難に
(2)カスケードシステム(バリ取り表面仕上げ装置)
なってきている。現在行われている中子の除去方法は
カスケードシステムの外観を写真 1 に示す。内部に
ハンマリングによって打撃振動を与え中子を崩壊させ
は上述したデ・コアー
る方法。もう一つは熱処理炉にて加熱し砂焼きを行う
と同様の振動機が搭載
方法が一般的である。しかし、ハンマリングによる作
している。振動面に製
業だけでは完全に除去することは難しい。また砂焼き
品を固定するボック
は中子除去において非常に有効な手段であるが熱を加
スが設置してあり、そ
えることによる鋳物の変形、設備、時間およびエネル
こにメディア(ショッ
ギーを多く費やしてしまう問題がある。
ト玉等)と洗浄液を滝
そこで当社では、各種振動コンベヤ、バイブラドラ
(カスケード)のよう
ム、大型シェーカに利用している共振振動技術による
に流し込み高速振動さ
高速振動機と従来のハンマリングを組合せた完全に
せる。振動によって表
中子を除去することが可能な装置の開発に取り組んで
面にメディアが連続的
いる。
に衝突し、表面のバリ
また、アルミ鋳物部品の仕上げ用として、同様の振
取りやスケールを除去
動機を搭載したバリ取り表面仕上げ装置の開発にも取
することができる。ま
り組んでいる。
た、油圧部品等の複雑
2.開発の内容
写真 1 カスケードシステム外観
に入り組んだ内部にも
振動によりメディアは侵入し、機械加工時に発生する
小さなバリやカエリ、内部に残留した切粉もきれいに
(1)デ・コアー(中子落し装置)
高加速度の振動を発生させる装置の概略を図 1 に示
洗浄することができる。
す。この装置は 2 MASS 構造となっており、振動モー
3.開発の成果
タによって発生した振動を共振を利用することで増幅
し、振動モータが持っている加振力以上の高加速度を
現在、シリンダーヘッドやマニホールド等の自動車
得ることができる。
部品を対象として自動車メーカーおよび関連の鋳造
鋳物製品を取付面に固定し、数本のエアハンマで
メーカー数社とテストを実施しており、本年度中の商
20 s 程度ハンマリングを行った後、20 ∼ 30 G の高加速
品化を目指している。今後導入が実現すれば、砂焼き
度で振動を与える。ハンマリングで中子を製品から剥
工程、人員コストの削減および作業環境の改善に大き
く期待されている。
(文責:藤井 真)
太洋マシナリー株式会社 〒 551 - 0023 大阪府大阪市大正区鶴町 4 - 1 - 7 TEL. 06 - 6556 - 1605 FAX. 06 - 6556 - 1208 http://www.omco-taiyo.co.jp/ 大銑産業株式会社 〒 541 - 0042 大阪府大阪市中央区今橋 2 - 1 - 10 ダイセンビル
TEL. 06 - 6220 - 1127 FAX. 06 - 6220 - 1107 http://www.daisensangyo.co.jp/ 図 1 高速振動機の概略図
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わ が 社 の 素 形 材 技 術 最 前 線
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