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ICOLC: InternationalCoalitionofLibraryConsortia
国際図書館コンソーシアム連合 (ICOLC :I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no fL i b r a r yC o n s o r t i a ) 第1 0回欧州秋季会 合 2008参加報告 白 方 知恵子,荘 司 雅 之 抄 録 :国際図書館 コ ンソ ー シアム連合 ( I COLC) の会合は, 北芥(春季)と欧州 、I(秋季)で毎年 2回開催さ COLC欧州会合への参加は第 5回より続き今大会で 6回目を数える 。今 回 は , 全 れ ており,わが国からの I 体討議の 8つのセッション,出版者やベンダ ー による商品説明 ・提 案 と質疑応答を行う 5つのグ リル ・セ ッ ション ,参加者がテ ーマを選択し討論する 2つのブレイクアウ ト ・セッシ . ヨン子行われた 。 ここに,その概 略を報告する 。 キーワード:図書館コンソーシアム,国際図書館コンソーシアム連合, ICOLC,電子情報資源,書誌データ ベース ,電子コンテンツ,電子ジャーナル,電子ブック , オープンアクセス,電子情報長期保存 1 . はじめに 2008年 1 0月 20日から 1 0月 22日にか けてドイツ, ミュンヘンで開催された国際図 書館コンソ ー シアム I COLC I n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no fLi brary 連合 ( 0回欧州秋 季 会 合 2008に国公私立 Con s o r ti a )1) 第 1 大学図書館協力委員会による派遣事 業の 一環として 参 加 した 。 以 下 に そ の 概 要 を 報 告 する 。 なお, ICOLC会合は年 2回(春季は 北米,秋季は欧州) 開 催されている 。 3 . アジェンダ(議題一覧) 1 0月 2 0日(月) セ ッション 1 調達について ( ProcurementI s sue s ) グ リル 1 TheScient i f i c Wo rl dJ ourna l セ ッション 2 撤退戦略 ( E x i tS t r a t e g y ) セ ッション 3 2. 3.4.5. 6) EBooks グリル 2 2 . 開催状況 0回 会議名:国際図書館コンソーシアム連合第 1 Spr i ngerE-Books 008 ( 10th European Fal Meeting 欧州秋 季 会 合 2 1 0月 21日 ( 火) Mu n ic h2 0 0 8 ) 開催日程 :2008 年 10 月 20 日 ~ 10 月 22 日 開催場所 セ ッション 4 GoetheForum Mun i c h,ミュンヘン 参加登録者 :2 7カ国 1 2 1名 ( 内訳:ドイツ 1 5名 , ノルウェー 1 4名 , ス ウ ェ ー デ ン 1 1 名,アメリカ合衆国 1 0名,イタ リ ア 9名,カナダ,デンマ ー ク,フラ ンス , オランダ各 6名,イギリス 5 名 , 日本 4名,ベルギー, ア , ライセンスに関する事項 グリル 3 (ドイツ ) リ トアニ トルコ各 3名,チェコ共和国, Taylor&F r a n c i sGroup グリル 4 BurgundyI n f or m a t i onServi c e sL td. ブレイクアウト・セ ッション 1 ① コンソーシアムのコミュニケーション・パ ターン ② ERM事例 フィンラン ド , ギリシャ共和国 ,ポ ③ 利用統計 ル トガル,ス ロベニア , スペイン, ④ アー カイヴ価格 スイス各 2名 , オースト リア,イス ラエル ,ヨ ルダン ,ルクセンブルグ, ポーランド,ロシア各 1名 ⑤ 開発途上国とアラブ諸国のコンソーシアム フゃレイクアウ ト ・ セ ッション 2 ① コンソ ー シアムのコミュ ニ ケ ー ション ・パ ター ン ② ERM 事例 105 国際図書館コンソーシアム連合第 1 0回欧州秋季会合 2 0 0 8参加報告 ③利用統計 おける相互協力が活用できるという回答が多かった ④アーカイヴ価格 ことが報告された 。 ブレイクアウ ト・セ ッションまとめ セッション 5 s t e l l e氏から電子ブックの入札に ついて報 更に E 告があった 。対象とする電子ブックは 全体的な ICOLC事業セッション 4つの学問 分野(経済 ・経営研究,工学,医学,マスコミ研究) の教科書 のコアコレクションで,全てのイギリス高 1 0月 2 2日(水) 等教育機関で多くの教科書が利用可能となることを セッション 6 目指している 。価格は,かなりの高額を要求する傾 ライセンスと学柿1 コミュニケーションはテクノ 6の電子ブックも高 向にあり, JISCでは購入した 3 ロジーによりどのように推進されたか? 値を付け過ぎられたと感じていた 。 最後に Verhagen氏よりアムステルダム大学での グリル 5 総合図 書館システムの入札を基に,競争の必要性, P o r t i c o セッション 7 必須条件,提案要求,評価などについて報告があっ ソフ トウ ェア開発,ホスティングおよびコンテ た。法的な助言指導が必要となると共に,精巧な文 ンツの長期保存 書のための言語の問題必須必要条件を完壁に記述す る中での緊急性や重要な問題点の見極め,さらに明 4 . 議事 4 . 1 . セッション 1 調達について (Procurement 確に述べるべき点と敢えて明確にしすぎない記述な I s s u e s ) ) , ) Katherine WilmaMossink ( SURFf o u n d a t i o n7 課題が多く,費用も高額となることが指摘された 。 A .P e r r y( VIVA D i r e c t o r ) ,L o r r a i n eE s t e l l e( J I SC8 ) ) , 4 . 2 . グリ lレ1 T h e S c i e n t i f i cWorldJournal NolVerhagen ( U n i v e r s i t yo fAmsterdam) の 4氏 TSWJについて GrahamLees氏より説明があ っ た。 TSWJは 2 0 0 1年に創刊されたバイオメデイシン から発表があった 。 0 0 7年 ICOLC秋季大会 初めに, Mossink氏より 2 どの点が挙げられた 。評価については,作業負荷と から環境科学までの幅広い分野をカバーするオンラ O) Knowledge Exchangel イン査読誌である 。 また,著者費用負担によるオー (以下 KE) 国際的ライセンス提供についての報告。 プンアクセスも選択できるオープンチョイス・ポリ 5つの出版者 ( TheScientificWorldJourna . lMulti- シーも提供している 。 S c i e n c eJourna . lBioOne,SWETS/ALPSP,WileyB l a c k w e l leBooks)との契約は現在も継続しており, 4つの KEパートナー組織 (DEFF") ,DFG'" ) ,JISC, I S SURF,DFGが ジ、 エクト KEの入札に応募し, J TSWJと契約した 。 セッション lで述べられたヨー SURF) 傘下の図書館へ広めている 。 このうち DFG, ロ ッパに於ける入札の話題を 受 けて TSWJが最初の JISC,SURFは , T h e S c i e n t i f i cWo r l d Jo u r n a l( 以下 TSWJ) 国際ライセンス契約を結んでいるほか, グリルに載せられたのであろう 。 SURFは M u l t i S c i e n c eJ o u r n a lとBioOneとも契約を 4 . 3 . セッション 2 撤退戦略 ( E x i tS t r a t e g y) から報告されている 9) TSWJは DEFF,DFG,JISC,SURFによるプロ . c 結んでいる 。 これは大きな業績になると 言 われる 一 R a l fSchimmer ( Max PlanckD i g i t a lL i b r a r yω), 方 , KEを仲介してライセンス合意に至る成果は, NolVerhagen ( U n i v e r s i t yo fAmsterdam),Tom 未だ明らかとは 言 えないとする見方もあった 。結局 Sanv i l l e( 0h i o L i n kW ) の 3氏より発表があ った。 は,高額な契約価格や図書館が要求していない内容 を含む提案であっても,図書館側が受諾し納得せざ MaxPlanck S o c i 最初は Schimmer氏による i e t y lS l( 以下 MPS) と S pringer社における購読コス るを得ない 。現段階では,図書館が国際的に共に良 トとオープンアクセスの統合」と題する発表。 MPS い方向へと模索するき っかけや,市場形成の活発な は , 2 0 0 7年 9月に適正価格の倍の支払いをしている 参加への進歩,と捉える楽観的な評価に留められた 。 として Springer社の電子ジャーナル購読契約を中 次に Perry氏よりヨーロッパとアメリカにおける 止すると発表した 。その後の長い交渉の結果, 2 0 0 7 入札から契約に 至 る手続の違いについてと,提案依 年末に MPS側に有利な条件で購読契約を継続する RFP) に関する調査結果について報告があ っ 頼書 ( と発 表 した 。 この条件には, MPSの研究者の論文 た。 2 0 0 8年 ICOLC参加館 2 0 2のコンソーシアムに は 追 加 費 用 無 し で Open Choice6 '1が適用され, 実施した調査結果からは,コンソーシアムで困難と ジ ャ ー ナ ル の 発 行 と 同 時 に Springer社 版 の PDF される文書作成や提案依頼書評価などで ICOLCに ファイルが MPSの機関リポジトリに格納される 事 1 0 6 大学図書館研究 LXXXVI ( 2 0 0 9. 8 ) 項が含まれている 。 最後に来館型図書館利用の限界に対する手段として h o i c eの論文数は予想ほど伸びていな この OpenC 電子ブックが必要なのか,データベースと同様に電 いため, MPSでは内部・外部向けに広報活動を展 子ブックも揃えるべきか,電子ブックは eラーニン 開している 。以上の試みを評価するには時期尚早で グなどの学習環境に適用できるか等の着目点が示さ あるが, 2 0 0 9年には評価ができるであろうとのこと れた 。 であった。 a n v i l l e氏から, OhioLinkでのコンソーシ 続いて S 次に, Verhagen氏より INoと言うための準備」 アム電子ブックライセンス価格決定について 5つの と題する発表があった 。 コンソーシアムが結んでい 方法が提示された 。 11.少なくとも 5年間の毎年 る契約は年に 5%は値上がりし,複数年縛られる代 のプリ 、 ント版購入履歴を評価すること 替策の無い雁字捌めの契約である 。 これに Noと言 歴傾向 l を分析すること うためには,次の 6ステップが必要で、ある O それは 11.様々な要素の分析を行い 2 . 達成したいこ とと何を諦められるかを見極め 3 . メンバーの合 . 柔軟性のある契約形態を目指し, 5 . 意を得て 4 失敗した場合を熟慮し 6.Noと言う」ことであ るが,実際に Noと言 うのは非常に難しいという皮 肉まじりの発表であった。 a n v i le氏より I O h i o L i n kにおける不本意 最後に S ながら成功した電子ジャーナル・ビッグデイールか らの秩序ある撤退(部分的撤退戦略)Jと題する発 2 . 購入履 3 . 電子版およびプリント 版を含めたグループライセンスの潜在的な費用マト リックスを作成す7るニと 4. 持続可能な W In- WIn の複数年の合意に向けて交渉すること 5 . 購入履 歴の分担率に基づき,電子グループライセンス料を メンバー間で分担すること Jである 。 これらの手法 による最終結果として,ジャーナルと他媒体資料の 両立により目標を満たした妥当な結果が得られ,プ リント版に対して電子媒体資料へのアクセスは,電 子ブックによって劇的に増加すること等が報告され た。 表があった 。 この発表は, 2 0 0 5年秋の ICOLCP o z nan会議での発表 171のほほ繰り返しであったが,今 クの利用についての 3ヵ年研究について報告があ っ 回は「部分的」という 言葉が追加された。 O hioLink た。電子版タイトルの利用分析やプリント版との比 のように全てのコンテンツを自らのシステムに保持 較,ログによるコンテンツナピゲーションと利用者 (ローカルロード)し,利用統計を正確に把握でき E l s e 動向の分析について, 学生,教職員,出版社 ( るコンソーシアムには有効な手段と 言 えるようだ。 v i e r社 , S p r i n g e r社 , Taylor&Francis社)と研究 RedesignResearch社)も参加し コンサルタント ( て実施したものである 。電子情報源として重要視す る 認 識 度 は , 電 子 ジ ャ ー ナ ル が 93%に対し電子 ブックは 58%と未だ高いとは 言 えない 。電子ブッ クが電子ジャーナル等 を凌駕することができない背 景は,利用者が電子ブ ックから文献を印刷して読 む ことを望んでおり ( 70%),ほぼ全ての学生が「電 長く扱いにくい J1 ハイ 子ブックを使うのが困難 J1 ライトも注釈もつけることが出来ないためオンライ ンで読むのを好まない j 等の理由から,冊子体図書 を好むという結果に伺える O また電子ブ ックを効率 的効果的に検索し,利用することができない利用者 が多いことも調査結果に基づいて述べられた。利用 者の動向,冊子体との利用に関する比較をさらに調 査すると共に,求める電子ブ ックにナピゲートする 難しさ,望まれるオンラインサービス等についても 研究が求められるとされた。 S c h a f f l e r氏からは,電子ブ ックの標準化の不足に ついて報告があった。具体的には,ビジネスモデル, アクセスモデル,流通経路と有効性,メタデータ, ユーザピリティと機能性についてである 。 ビジネス モデルについては,アグリゲータのプラットフォー 4. 4 . セッション 3 電子ブック ( E-Books) H a z e lWoodward ( C r a n f i e l dU n i v e r s i t y ),Tom U n i v e r s i t y S a n v i l l e( O h i o L i n k ),Warren Holder ( o fT o r o n t o ),H i l d e g a r dScha 旺l e r( B a v a r i a nS t a t e L i b r a r y)の 4氏より発表があった。 SCによる N a t i o n a lE 初めに Woodward氏から]I Book O b s e r v a t o r yP r o j e c t聞による調査研究成果に ついて報告があった。 このプロジェクトは,サーバ ログデータの分析や出版者,アグリゲータ,図書館 に対する電子ブ ックの効果について調査し,電子 ブックの利用を評価するもので, MyiLibr aryl91 と Ovid社の電子ブックコレクションが参画した 。 ロ グデータによる利用および検索過程の分析から,利 用者の情報検索行動を評価するもので, 2 0 0 8年 1月 008年 6月のログデータ分析成果が報告され から 2 た。学術人口の 60%は既に電子ブックを利用してお り,オンラインアクセスの利便性は学生と職員から 評価が高く,言わば仮想図書館としての利用が多い。 電子ブックの検索には,図書館所蔵情報および図書 館ウェブサイトが利用されていることから,改めて 目録とウェブサイトの充実等の重要性を指摘した 。 次に H older氏から 2006年に計画された電子ブッ 107 国際図書館コンソーシアム連合第 1 0回欧州秋季会合 2 0 0 8参加報告 ムによって同じ電子ブックでも価格が異なることを 適用できるのに対して,電子ブックは上位 20%のタ 指摘した 。 コンソーシアムモデルは,未だ開発中で イトルで全利用の 55%であるという違いが見出せ あるため出版者によって提供モデルが異なる 。例え た。 ば,モデル1.収益による割引構造にてコンソーシ アムメンバーが選別する方法があり,管理諸経費を 4 . 6 . セ ッショ ン 4 ライセンスに関する事項 除いて内容レベルでは柔軟性が持てる 。モデル 2 . 経路については,アグリゲータはタイトルの選択を ArjaT u u l i n i e m i( Fi n E L i b20)). L o r r a i n eE s t e l l e lu i sM.A r i g l a d aid eF e r r e r ( J1SCC o l l e c t i o n s ) .L (CBUC). Tom S a n v i l l e (OhioLink) . BerndC h r i s t o p hKamper ( S t u t t g ar tU n i v e r s i t yL i b r a r y ) の 5氏から発表があった。 最初に Tuu l i n i e m i氏か ら,新 しいユーザグループ 受けるのみでフルタイ トルや最も古いタイ トルが得 や利用傾向におけるライセンス範囲の広がりについ られない等,扱いにくいとされた 。 メタデータにつ て発表があった。昨今のコンソーシアムにおける構 コンテンツシェアはアクセスの滞留や分野の偏りが 懸念される 。 アクセスモデルについては,無制限ア クセスや同時ユーザアクセスのデータベースと従来 のレンデイングモデルと比較して報告された。流通 いては大部分の契約に無料で含まれ, MARC21基 造上の変化に伴い,ライセンス形態も特に組織規模 準となっているが条件に よって不充分なデータであ や契約過程において変革が必要であることが強調さ り,図書館側での品質管理が求められる 。 このよう れた。 また, 2 008年夏にコンソーシアム内で実施し に電子ブックの需要に対し,充分なビジネスモデル た調査結果から,病院,研究所,博物館等の新たな がないために未だ完全な満足はえられないことが報 小規模ユーザグループ向けのライセンスや出版者と 告された。 の交渉,組織間協力の必要性が顕著となり ,新たな アクションプランの開発が求められると した。 4 . 5 . グリル 2 S p r i n g e rE B o o k s S p r i n g e r社より電子ブックについての発表があっ と分類体系について発表があった 。] ISCで策定し s t e l l e氏から組織パンデイング ( b anding) 次に E た。内容は,①電子ブックの市場状況とビジネスモ たパンデイングに関する 1 3の方針を紹介。財源規 デル, ②様々なコンソーシアムとの交渉より得た教 模による 10種のパンデイングレベルを設定し, 訓 , ③利用動向の 3点で、あった。 JSTOR .OxfordEnglishDictionaryOnlineでの各価 p r i n g e r社は業界トップの点数 ① STM分野では S 格設定例を挙げた。 出版者との交渉において,明確 p r i n g e r社製パッケージを購入す を出版しており, S で柔軟な価格帯が得られ,特に小規模機関にとって るモデルと, Ebraryなどのサードパーテイ・ベン 有利であるが,大小の機関で財源格差が生じること ダーよりタイ トルを選択して購入するモデルが あ による大規模機関への負担等の欠点が指摘された。 る。所有権や同時アクセス数無制限などの点から 続いて F errer氏から SELU1)から見た南北コン S p r i n g e r社製パッケージのビジネスモデルが受け入 ソーシアムの比較について発表した 。 SELLは南欧 れられている 。 5カ国の 1 2コ ン ソ ー シ ア ム で , 中 欧 ・北欧コン ② コンソーシアムには,個々の参加機関が独自に 2カ国 1 4コンソーシアムで構成され ソーシアムは 1 契約を結ぶタイプから,コンソーシアムで一つの契 ている 。両者のコンソーシアムに所属する図書館数 約を結ぶ集中型タイプまで様々な形態がある 。前者 や種類, 1LLやリポジトリ等のサービスは類似して の例としてトルコのコンソーシアム ANKOS,後者 いるが,契約データベースおよび電子ジャーナル数 の例として米国オハイオ州のコンソーシアム O h i - については,南欧が中欧・北欧の約半数に留まる点 oLink,その中間に位置する例としてドイツ語圏の を指摘した 。 この要因には,英語が第二言語として コンソーシアムカfケーススタデイーのケースとして 共通で、はないこと,財源規模が小さいための購買力 紹介された。契約の方法,条件等もそれぞれのコン の弱さ,教育システムの違い等の南欧ゆえの問題点 pringer社は ソーシアムの特性により異なるため S が考えられるとした。 柔軟に対応していく方針とのことであった。 S a n v i l l e氏からは, AcademicChemicalS o c i e t y ③統計を基に電子ブックの利用動向の発表。電子 の新しい価格モデルに対する影響度について,今回 ブ ッ ク の 利 用 は , 対 前 年 同 期 間 比 (1 月 ~8 月 ) の 1COLC開催前に実施された調査結果を基に報告 88%増と急激に増加しており, MARCレコードを があった 。調査は価格変化を過去 5ヵ年分比較した 導入すると 利用が飛躍的に伸びることが分か った。 もので,全般的にこれまでの価格変化以上に新しい 電子ジャ ーナルの上位 20%のタイトルが全体の利 価格モデルによる影響は大きいという回答が並ん 用の 80%を占める,いわゆるパレートの法則がほぼ だ。 また,ほとんどのコンソーシアムが個々に特殊 108 大学図書館研究 LXXXVI( 2 0 0 9. 8 ) な状況下にあり,価格モデルに対する標準的対応を する時に,会社としての主体性はどう担保するの 見出すことが難しいとの指摘があった。 か ?Jという質問には「我々は図書館の経験があり 最後に Kamper氏からコミュニテイからの経験と 図書館を熟知しており,何が有効か否かの知識があ l e y B l a c k w e l lの契約に関する難 題し,ボン大学と Wi る。それ故『わざと反対の立場』を演ずることがで 事とその対処経験について発表があった。 2 0 0 8年 8 きる 。 」との回答があった 。 月末の W iley B la c k w e l lによる 2 0 0 9年 J o u r n a lS a l e s ModelB r i e f i n gは,概ね好意的な印象を持たれるも 4 . 9 . フ中レイクアウト・セッション のであったが,分散化した分館を持つボン大学図書 小グループに分かれての並行討論セッションが 2 館にとってはキャンパス間のアクセスやタイトル選 つ用意された。セッション 1では以下の 5つのテー 定に制約がある等実質的には不利な契約モデルで マ セ ッ シ ョ ン 2では「開発途上国とアラブ諸国の あった。その事態に対し,メーリングリストによる コンソーシアム」を除く 4つのテーマが掲げられ, 自由な情報交換を通じて複数館で、 W i l e yB la c k w e l lと 参加者がそれぞれから選択し参加するセッションで 交渉したために,図書館が個別的に交渉するよりも ある O ①コンソ ーシアムのコミュニケーション・パター 効果的な主張ができ,納得できる新たな価格リスト を得るに至ったとの報告であった。 ン ② ERM事例 4 . 7 . グリル 3 T a y l o r& F r a n c i sGroup 現在 2 0, 0 0 0以上の電子ブックタイトルを収録して a y l o r& F r a n c i sGroupの A s h l e i g hB e l l氏か いる T ③利用統計 ④ アーカイヴ価格 ⑤開発途上国とアラブ諸国のコンソーシアム ら電子ブック購入プログラムの紹介があった。図書 筆者らは, IERM事例」と「利用統計」に参加し 館に選択の機会を与えることを重要視していること た。 コンソーシアムの形態により取り組み方や問題 を強調し,各テーマのベストセラー 1 0 0タイトルか , 点が微妙に異なるため,参加者が意見や事例をそれ 0のサブジェクトコレクションから選 ら,または 3 ぞれ開陳しただけという印象が残った 。 ERM事例 a y l o r んで購入することができる 。 しかしながら, T &F r a n c i s Groupは著作権侵害を極めて恐れてお では,大きく分けてコンソーシアムに合わせ自前で り,タイトルの大部分にローカルローデイングもコ グループがあった O 利用統計では,コンソーシア ピー・ペーストも許可していない。この理由として, ム・レベルで必要とされる統計が十分採れているか システムを作成するグループとシステムを購入する 金銭補償の欠如や図書館によるセキュ リテ ィ基準に という討論が行われた 。統計とその標準化について おける国際的アンバランス等が挙げられた 。医学タ 出版社と更に議論が必要だという見解に多くの賛同 イトルは別のプラットフォームに移動となってきて があった。 おり, S&Tと SS&Hプログラムは別途,購入しな ければならないことが明らかとなった。 4 . 8 . グリル 4 BurgundyI n f o r m a t i o nS e r v i c e s L t d . , BurgundyInformation S e r v i c e社の Cook氏 Calow氏より会社説明があった。 この会社は,セー 4 . 1 0 . セッション 5:ICOLC事業セッション a t h e r i n e A. P e r r y氏 , J eromeK a l f o n氏 初めに K より今後の ICOLC会合開催予定について,次のと おり紹介があった 。 交渉,技術サポートなどの支援を行い,また,コメ .2009 年 4 月 15 日 ~18 日 パージニア(米国) .2009 年 10 月 26 日 ~28 日 パリ(フランス) η 2 ,Patrick e n t i l B e c c o t (CERN 続いて AnneG P e i f f e r( Bi b l i o t h e q u en a t i o n a l ed eLuxembourg), Maria C a s s e l l a (Uni v e r s i t yo fTorino),P a o l a C . A .S. P .D . R , Rome),S i l v a n aM a n g i a r a c i G a r g i u l o( na ( B o l o g n aR e s e a r c hAreaL i b r a r y) ,N o lV e r h a gen ( U n i v e r s i t yo fAmsterdam) の 6氏から発表 ントや関心事を出版社にフィードパックしている 。 があった。 ルス・チームを持たない新進の出版社の代理屈とし てヨーロッパ地域のコンソーシアムと交渉を行う会 社である 。現在, 1 2の出版社と契約をしており,出 版社の価格モデル構築等にも助言を行っている 。 コンソーシアムや図書館に対しても,計画や分析, 目 コンソーシアム,出版社双方からのシングル・ポイ G e n t i l B e c c o t氏は, SCOAP323l プロジェクトの財 ントの窓口として両者に有利な結果をもたらすよう 活動している 。 下 HEP) の分野におけるコアジャーナルのオープ 会場から「出版社とコンソーシアムの双方の代理を ンアクセス化に投資するためには,図書館のコン 務状況を報告した 。資金 を高エネルギ一物理学(以 1 0 9 国際図書館コンソーシアム連合第 1 0回欧州秋季会合 2 0 0 8参加報告 ソーシアムレベルの支持が未だ必要であることが述 指摘された 。 6カ国のコンソー べられた 。現在,ヨーロッパで 1 angiaracina氏からイタリアにおける資 続いて M シアム参加がある 。 また,最大のパートナーである 源共有とコンソーシアムについて, 6 5 0館から成る アメリカからはコンソーシアムと HEP石耳究所を通 N1LDE24)資源共有システムの事業について報告が 1年半のうちに予算枠の約 50%分 あった。資源共有におけるコンソーシアムの役割と の契約を実現した 。今後はアジア,南北アメリカ等 して, 1LL提供に関する出版者との交渉や印刷版か の国々のコンソーシアムによる参加を交渉中であ らe o n l yへの移行に伴ったナショナルカタログへの じての寄付を得 り , SCOAP3予算枠の約 1 1 4相当の総出資額を見込 協 力 が挙 げられるが,データ形態や伝送制限,コ んでいる 。 更に S pringer社の EuropeanP h y s i c a l ピーコントロールと著作権保護等の重要な問題も伴 J ournal C, Elsevierネ 土 の Physics Letters B と う。 また,コンソーシアム契約の資料提供範囲や契 NuclearP h y s i c sB等,既に料金無料オープンアク セスでの提案があ ったとアピールした 。SCOAP3の 約決定のための資源共有利用分析も課題である 。新 目標は,執筆者の経費負担も図書館側の追加費用も ストを開始した 。多 言 語対応や MySq15,PHP 5, 無く,全ての論文をオープンアクセスにより維持で XHTM Ll. O等のウェブ技術の使用が目玉である 。 同 年1 2月には S h i b b o l e t h 却 を経たユーザ認証等のテス きることであるが,オープンアクセス化に対する資 金投入に積極的な機関からの契約が必要で、あると強 調した。 0 0 8年 4月に N1LDE4のユーザテ たな展開として, 2 ト実施を目 指している 。 最後に Verhagen氏は,セ ッション 4に対する 次に, P e i 旺e r氏からヨーロッパにおけるライセン フォローアップとして Wi l ey B la c k w e l lの合併に伴う ス構造について報告があった 。博物館,図書館等か 契約問題について発表した 。 2 0 0 8年 5月の KEワー らデジタルの文化的遺産を纏めることを最重要プロ クショップにおいて,合併に伴う今後のコアコレク 008年 1 1月末で約 2万点 ジェクトとして活動し, 2 ションの構成や両替レートおよびプライスキャップ の試作品データがオンラインで発表されている 。 ル 0 0 9年についての初 についての懸案が挙がったが, 2 クセンブルグ国立図書館は,ヨーロッパのプラット 回提案では良い結果が得られた 。 また, 1 9 9 7年に遡 フォームに向けてヨーロッパライセンス構造を明ら るコアタイトルの永久アクセスが提案され,新しい かにする働きを牽引してきた 。 1COLCコンソーシ タイトルの価格についても調整される感触を得た 。 アムにおいても,このヨーロッパライセンス構造に しかし, 5%というプライスキャップや関係者数の 70%xリスト価格という法外な精算調整額等の問題 もある 。1COLCでは, W ileyBlackwellのライセン ついて意見を求めているとのことだ、った 。 C a s s e l l a氏と G a r g i u l o氏は, e o n l yへの移行にお 0 0 8年 けるヨーロッパのコンソーシアムについて, 2 ス問題についての情報共有を推進し,ウェブ上に討 に実施した調査結果を基に利点や問題点を報告し 議の場を設ける等,検討していきたいとの意見が た。 2 002年には電子版のみの購入は 5%であったの あった。 に対し, 2 0 0 6年には 37%に増加した 。欧州図書館コ 008年 9月に実施した調査 ンソーシアムに対し, 2 4 . 1 1 . セッション 6 ライセンスと学術コミュニ (回答のあったコンソーシアム数: 3 7 ) においても, ケーションはテクノロジーによりどのように推進さ 5 0のうち電子版のみの契約が 全ライセンス契約数 2 れたか? 1 9 8,印刷版および電子版の契約が 51と e o n l yへの 人員節約が挙げられる 一方,保存費用や長期アクセ Kurtd eB e l d e r( L e i d e nU n i v e r s i t y ),LiamEar ney ( J1SCC o l l e c t i o n s26)),WilmaMossink ( SURF) の 3氏より発表があった。 最初は Bel d e r氏によるセ ッションの概括的な発 スに関する技術的問題や交渉のための人件費,電子 表であった 。新しいテクノロジーはツールではある 移行が進んで、いることが明らかとなった 。電子版の みの利点としてより多くのコンテンツ対象と 費用 ・ アクセスという不安定さ等についての欠点も指摘さ が,単なるツールではなく,我々の仕事や思考を変 o n l yのライセンスにおけ れた 。重要な課題 として e 化させるものである 。 同時に,情報・コンテンツの る永久アクセス条項 ( pACs Per p e t u a l Access 指数関数的増加は教育・研究のニーズを変化させて C l a u s e ) の有無があるが,ライセンスによって異な り,内容も様々であることが指摘されると, 1COLC 現状のビジネスモデルを混乱させることにもなる 。 でのガイドラインを求める意見もあった。また,コ 例えば, OpenURL271 は出版社が持つ独自のリンク ンテンツ集約等のデジタル保存の大きな問題や印刷 機能と競合してしまう 版保存に関する国家政策の必要性など今後の課題も ジーは契約により制限されるおそれがある 。 このよ 1 1 0 いる 。一方で、,新しいテクノロジーは出版社の持つ O つまり,新たなテクノロ 大学図書館研究 LXXXVI ( 2 0 0 9 . 8) うに我々のライセンス合意は教育 ・研究のニーズ, 学術情報の変化を阻害しているのではないかという (USD) を出資。昨今では,図書館は各々でデジタ ル 化 し た 電 子 学 術 資 料 を Dspace31) や 問題提起の発表であった。 CONTEN Td m32)等で蓄積しているが, P o r t i c oは 1 6 次に ,Earney氏よりテキストマイニングに関す の図書館が研究に参加する形で転送プロトコルを開 る発表があった 。テキストマイニングとは,論文等 発しており,併せてデジタル保存サービスの是非を を多数収集し,それに対してコンピュータ解析を行 調査し,コストモデルを設定することを目標として うことにより未知の情報を見つけ出そうとする試み いると強調した 。 である 。それには,情報検索,自然言語処理,デー タマイニングの技術が用いられている 。現在の学術 4. 1 ¥ 3 . セッション 7 情報出版の拡大傾向の下では,特定分野の論文を全 テ ソフトウェア開発,ホス Jングおよびコンテンツの長期保存 て追うことは不可能であり,データマイニングが求 Dorete Larsen ( S t a t s b i b l i o t e k e e3)) ,Mogens められている O しかしながら,ライセンスには,解 析に必要な大規模なダウンロードとローカルロード Sandfaer ( T e c h n i c a lI n f o r m a t i o n Center o fDen3 4 JISC C o l l e c t i o n s ) の 3氏 mark )),Liam Earney ( が認められない,出版社のインターフェイス上での より発表があった 。 コンビュータ分析も認められないなど制限が多い o JISCは,これらの課題に対処しようとしている 。 最後に, Mossink氏より著作権を有する資料のデ 先 ず Larsen氏より Summaの 紹 介 が あ っ た 。 Summaはデンマークの Aarhus大学図書館が開発し たオープンソースのメタデータ検索エンジンであ ジタル化についての発表があった。図書館がデジタ る。 Summaは OPACのインターフェイスが古い, ル化を望む資料には,絶版のもの,商業的に入手不 応答時間が遅いことを契機に開発された,同時に複 可能なもの,権利の所在が不明なもの等があり,こ 数の情報資源を検索し単一のインターフェイスで提 れらの著作権を精査し許諾を得るには膨大なコスト 供する検索エンジンである O 関連ランキング,検索 がかかり,図書館にはその余力は無い。 オランダで 結果の様々な分類(ファセ ッ ト・セ ッ ト),検索支 は,その解決策を模索するため図書館と出版社が協 援,また「もしかして~? 力し 2年間の合同委員会を立ち上げた 。現在は文化 慌i えている 。 遺産について館内のみ閲覧等 の制限を設けている Jなどの辞書補正機能も DEFF 続いて, Sandfaer氏より DEFFデータ井 ( が,デジタル化の合意が得られたとの報告があ った。 Data W e l l ) の概略の発表があ った。 まず Sandfaer 氏はデータの流れをアルトワ式自噴井戸の水の、流れ 4. 12. グリル 5 P o r t i c o に例え,ひとつの井戸から様々なデータを汲み取る, P o r t i c oの E il eenFenton氏からデジタル保存と長 期アクセス保証について紹介があった 。 LOCKSS が電子ジャーナルの Webベース表示 2 8 ) つまり,データにより別々の場所から取得するので はなく全て DEFFデータ井から取得するというコン セプトの説明があ った。 このコンセプトを基にデー ファイル (HTML.PDF) のハーベストを取り入れ タ ( メタデータと全文) を収集 し,図書館などの協 るのに対し, P o r t i c oのデジタル保存対象はテキス 力機関が取得しやすいように加 工するのが DEFF ト,イメージ,内部リンクを含む論文の知的内容を データ井である 。協力機関には,自機関にダウン 保存するものであり, XMLソースファイルや PDF ロードし統合検索する機関,横断検索を使い提供す ページの翻訳は出版社によって提供され,アーカイ る機関,検索システムを持たない機関の 3つのタイ ブに取り込まれる 。 JHOVp 9 )や NLMDTD30)等の プがあり,それぞれに DEFFデータ井は対応してい る。 オープンソースを活用してデータを変換または正規 s e v i e r社をはじめとした出 化して蓄積している 。 El 最後に,時間が無い中非常に迅速,簡潔に Ear- 版社は, $250から $ 7 5 . 0 0 0の出資をし,参加。 出版 ney氏より JISCにおける LOCKSS,CLOCKSS3 社が電子ジャーナルの発行および提供を停止した場 Porticoの実用的 意 義 に つ い て の 報 告 が あ っ た。 合や,他の出版社や事業体からの提供もされない場 LOCKSS, CLOCKSS, Porticoのイ也 e-Depoe61, 合,パックナンバーが出版社から撤去され他におい OCLCE l e c t r o n i cC o l l e c t i o n sOnl i n e37) と英国図書館 ても利用できない場合等の事態 ( TriggerEvent) を含めた 6機関を対象に 4つのシナリオ ( 図書館が に HTML.PDF. 印刷版に生成されたデータ体裁で EJをキャンセルするが,これまで購読契約してい 3カ国の 476図書館がこの P o r 提供される O 現在, 1 た号へのアクセスを引き続き望むシナリオ,合併な へ t i c oアーカイブを活用している 。 図書館は毎年の どにより出版社から EJ全体または過去の号が使え 1 .500から $24. 000 アーカイブサポート料として, $ なくなるシナリオ,出版社が EJ事業 を止めてしま 1 1 1 国際図書館コンソーシアム連合第 1 0回欧州秋季会合 2008参加報告 うシナリオ,天災等により出版社が壊滅的状態とな るシナリオ)についてレビューを行い,英国での観 点から 10の勧告を行ったとの報告であった。また, 最 後 に NESLi238l ラ イ セ ン ス に 保 存 の 条 項 が 含 ま れ ることとなったとの補足があった。 5 . おわりに 今回の ICOLCは,バイエルン州立図書館の 450周 年記念事業のひとつでもあり,バイエルン州立図書 館のコーデイネートは素晴らしかった 。 全 般 的 に 電 子 ブ ッ ク の 話 題 が 中 心 に あ っ た 。業 者 による発表はさることながら,電子ブックの導入お よび利用について様々な調査結果に基づいた評価や 意見を見聞きすることができ,参考になった O 国ご とに環境や財源,図書館およびコンソーシアム規模 の差こそあれ,それぞれに効率的効果的な導入と活 用 方 法 を 今 な お 模 索 し て い る 。 今後の動向からも, 日本においての場合に活かしたい。 グリル・セッションは,コンソーシアムが出版社 などの業者を囲み有利な条件を引き出す,組板では なく「グリル」に業者を載せて焼くセッションで あったらしい。しかし,今回のグリルは小さな業者 の自らの宣伝が主であったので,グリルという名称 とは違った印象を受けた 。 謝辞 最 後 に な り ま し た が , 参加 の 機 会 を 与 え て い た だ いた国公私立大学図書館協力委員会,国立大学図書 館協会,公立大学協会図書館協議会,私立大学図書 館協会を始めとする関係者の皆様に感謝いたしま す。 s o r t i a ) 2006年秋季会合参加報告.大学図書館研究. No.79,2007,p . 6 8 7 7 6)平吹佳世子, 菅野朋子.国際図書館 コンソーシアム 連合(1COLC:1 n t e r n a t i o n a lC o a l i t i o no fLibrary C o n s o r t i a ) 2007年秋季会合参加報告.大学図書館研 究 N o.84,2008,p . 6 5 7 0 7) SURFオランダの SURF財団 (オンラ イン),入手先 : http://www.surffoundation.nl/smartsite (URL dws?ch=ENG) (参照 20 0 9 0 4 2 4) 8) JISC ( TheJ o i n t1 n f o r m a t i o nSystemsCommittee) 英国情報システム合同委員会(オンライン),入手 先 (UR L :h t t p: / /www. j i s c . a c . u k/ ) (参照 2 0 0 9 0 4 2 4) 9)平吹佳世子,菅野朋子.国際図 書館 コンソーシアム :1nternational Coalition o fLibrary 連合 (1COLC C o n s o r t i a ) 2007年秋季会合参加報告.大学図書館研 究 NO.84,2008,p . 6 8 1 0 ) KnowledgeExchange,JISC,SURF,DFG,DEFFE による共同プロジェクト. (オンライン),入手先 (URL h t t p ://www.knowledge-exchangei .nfo/ D e f a u l. taspx? 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(オンライン),入手先 (URL h t t p : //www.springer.com/open+ choice?SGW1D=04 0 3 5 9 0 0 0 ) (参照 20 0 9 0 4 2 4) 1 7 ) 荘司雅之,山本和雄,藤田儒聖.国際図書館コンソー シアム連合(1COLC:1nternational C o a l i t i o no f L i b r a r yC o n s o r t i a ) 2005年秋季会合参加報告.大学 大学図書館研究 LXXXVI ( 20 0 9到 図書館 研 究 N O . 7 6,2 0 06 ,p. 8 2 9 6. 1 8 )N a t i o n a lEBook Obs e r v a t o r yP r o j e c tJ I SCの電子 年頃スタンフォード大学図書館が始めた複数の図 ブ ッ ク 調 査 プ ロ ジ ェ ク ト . (オンライン),入手先 し,出版社が解散等した場合でもアクセスを保証 : ht tp://www j .i s c e b o o k spr oj e ct .org/ ) (参照 (URL 2 0 09 -0 4 2 4 ) 社が提供する電子プ 1 9 ) Myi Library I ngram Digi t al ラ ッ ト フ ォ ー ム (オンライン), 入 手 先 (URL ht t p :/ /www.myil ib r a r y. com/company/home.htm) ( 参照 2 0 0 904 2 4 ) 2 0)F inELi b (TheFi n n i s hN a t i o n a lEl e c t r o ni cL i b a r y) フィンランド国主図書館が運営する大学や公共図 書館, 、 研究所等で構成されるコンソーシアム. 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(オンライン),入手先 ( l e t h i . n t e r n e t 2 . e d u/) (参照 2 0 0 9 0 4 2 4) 2 6)J ISCC o l l e c t i o n s イギリスの教育,研究機関に対し, 支払い可能で継続性のある関連オンラインコンテ ンツの提供を支援する機関(オンライン),入手先 t t p://www. j i s c c o l l e c t i o n s . a c . u k/ ) (参照 (URL h 2 0 0 90 4 2 4) 2 7)OpenURL メタデータを URLとして送信するため の 記 述 方 法 を 定 め た 規 格 . (オンライン),入手先 (URL h t t p://www. n i s o . o r g/kstlreports/s t a ndards?step=2&gid%3Aust r ing%3Aiso-88591=&proj ect_key%3Austring%3Aiso-8859 1=d5320409c5160be4697dc046613f71b9a773cdge) (参照 2 0 0 9 0 4 2 4 ) a f e) は 1 9 9 9 2 8)LOCKSS ( L o t so fC o p i e sKeepS t u妊 S 書館で電子ジャーナルのキャッシュを保存・共有 しようとするもの . (オンライン),入 手 先 ( URL h t t p: / /www.clockss.or g/c l o c k s s/Home) (参照 2 0 0 9 0 4 2 4 ) 2 9 ) JHOVE J STORとハーバード大学の共同プロジェ ,PDF ,XML等のフォーマットを クトによる, TIFF 自 動 で 識 別 す る ツ ー ル .(オンライン),入 手 先 、( URL :h t t p: / /hu . l h a r v a rd .edu/ j h o v e/) (参照 2 0 0 9 - ' 0 4 2 4 ) 3 0 ) NLM DT ' D 米国医学図書 館 (NLM) が雑誌論文 の電子的な. 出版2 保存,交換に関する標準モデルと し て 定 め た 文 書 型 定 義 .(オ ン ラ イ ン ), 入 手 先 (URL :h t t p: / /d t d . n lm .n i h. gov/) ( 参照 2 0 0 9 0 4 2 4) ) Dspace デジタル資産を管理するオープンソフト 31 :h t t p://www. ウェア. (オン ライン ),入 手 先 ( URL 参照 2 0 0 90 4 2 4) d s p a c e. o r g /) ( 3 2 ) CONTENTdm OCLC ( O n l i n eComputerL i b r a r y Center)が提供する 電子 コレクション ・ マネジメン : トソフトウェア. (オ ン ラ イ ン ), 入 手 先 ( URL h t t p://www.contentdm.com/ ) (参照 2 0 0 9 0 4 2 4 ) 3 3 ) デンマーク Aarhus大学の中央図書館. 3 4 ) デンマーク工科大学の技術情報センター(図書館). デンマーク国立技術情報センターでもある . 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