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議事録(PDF:269KB) - 内陸のフロンティア

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議事録(PDF:269KB) - 内陸のフロンティア
平成 26 年度第2回「内陸のフロンティア」を拓く推進会議(本部員会議)
(平成 26 年 10 月 24 日(金)9:25~10:20)
【川勝知事(挨拶)】
「内陸のフロンティア」を拓く推進会議本部員会議、第2回であります。
「内
陸のフロンティア」を拓くというのは、いまや国土強靭化という国のプロジェ
クトとも連動するようになった。いわば 3.11 の悲劇を踏まえたものでございま
す。
内陸・高台部、津波から逃げるということから、そこにフロンティアがある
ということで始まった。大きくは3つ、細かくは4つのプロジェクトがある。
「内
陸のフロンティア」を拓く、すなわち、新東名高速道路を活用して物流生産拠
点を整備して新しいまちづくりをして、少なくとも津波から自由になるような
地域を新しく開発しようと、そのためには、内陸・高台部は中山間地域が多く、
農地法、農振法が関係する地域でありますので、これを特区として、これから
のこの地域の安全と開発のために、ご協力を賜りたいとして認めていただいた。
そこが重視されていますが、沿岸・都市部の再開発、沿岸・都市部のリノベ
ーションと言っておりますが、ここも空いたところをうまく活用しながら、安
全度を高め、地域開発を進めている。これは車の両輪である。沿岸・都市部の
リノベーション、安全性を高め、そこに新しい時代に応じた拠点を作り上げる。
これと、内陸に新しいフロンティアを拓くということが両輪です。しかし、両
者をつないでいなければ、いざというときにお互いの連携ができないというこ
とで、地域連携軸、これをしっかりする。これは三遠南信自動車道、中部横断
自動車道、伊豆縦貫自動車道が当たり、さらに言えば東名、新東名、国道 1 号
を結ぶ金谷から御前崎までの連絡道路も入っている。
もうひとつは、新たな地に人々が住むということから、新しいライフスタイ
ルの提供することがあります。したがって内陸部、沿岸部、連携軸とライフス
タイルの4つを念頭に置いております。
当初は、内陸地域における特区をいただいたが、推進区域を設けて地域独自
の取組を行っている。髙副知事を中心に、これら4つの戦略に基づく取組を広
げていく必要がある。これが、地域全体の強靭化につながり、特に内陸・高台
部は美しいところであり、美しく・しなやかな地域づくりをしていく。これま
で、内陸・高台部は美しいところであったが、今後は都会的な便利な生活が享
受できるところでもなければならない。これら2つをしっかり両立させること
が必要である。沿岸・都市部に集中していた近代的な便利な生活が、自然豊か
な場所に移ったからといって、損なわれることがないようにする。仮に損なわ
れるようなことがあっても、連携軸があればいつでも好きなところにいけると
いったようにしておく。それは選択肢を増やすということになりますので、生
き方の選択肢を増やす、企業の立地の選択肢を増やすということでもあります
ので、生き方ということにおきましてライフスタイルにつきましても 1955 年以
1
来、住宅公団がつくりあげた箱型のライフスタイルから、家・庭一体の居住空
間を享受できるようにする。そのためには、動産が関わってきますので、土地
についても所有から活用へと、所有から利用へといった方向で定期借地権、定
期借款権といったものを活用する。このためには、中間管理機構といったもの
にも積極的にコミットし、あるいはそれになり得るものを取り込んで、所有か
ら利用へというもののモデル地域をつくっていく。そうした広がりを改めて認
識いただいて、これからの施策に生かしていただきたい。
【部長代理】
ありがとうございました。それでは、次第に沿って進めてまいります。本日
の議事は、3 点ございます。
「内陸のフロンティア」を拓く取組平成 26 年度の取
組状況、内陸フロンティア推進区域について、
「内陸のフロンティア」を拓く取
組への要望についてです。
1点目と2点目は関連する内容ですので、説明を続けて行います。まず、平
成 26 年度の取組状況を企画広報部長から説明をお願いします。
【企画広報部長】
資料1を御覧ください。「内陸のフロンティア」を拓く取組平成 26 年度の取
組状況です。
取組全体の推進・PR 等ですが、上半期の取組としては、
「内陸のフロンティア」
を拓く取組の掘り起こしや具体化を推進するため、関係部局、民間企業により
組織された内陸フロンティア推進コンソーシアムと連携した県内外における情
報発信を行ってまいりました。
具体的には、7月から9月にかけて、5月に第1次指定した内陸フロンティ
ア推進区域の説明会を県下4地区で開催するとともに、9月には、県外企業の
誘致を図るため、東京で開催された国際物流総合展に出展しました。この国際
物流総合展は、東京ビックサイトで4日間、13 万2千人を超える来場の中で行
われまして、本県ブースで実施したアンケートには 400 社を超える企業から回
答をいただきましたし、内陸フロンティアのセミナーにも 78 社の企業の参加を
いただいたところです。その他、資料に記載はありませんが、7月 18 日に甲府
市で行われ、知事も出席されました清水港・富士山静岡空港セミナー、こちら
でも内陸フロンティアの情報発信を行ってまいりました。
下半期の取組としては、平成 29 年度の中部横断自動車道開通を控える長野県
の企業に対する情報発信として、先週開催された諏訪圏工業メッセや本日から
開催されている産業フェア in 善光寺平へ出展したところです。諏訪圏工業メッ
セは、3日間で2万6千人の来場がありました。清水港ポートセールス実行委
員会のブースで共同出展させていただきまして、内陸フロンティアの情報の発
信を行いました。引き続き、11 月には、新東名高速道路の西側への延伸を控え
る名古屋市で開催されるメッセナゴヤへの出展を予定しています。また、来年
2月には、さらなる取組の拡大に向け、内陸フロンティア推進コンソーシアム
と県の共催によるセミナーの開催を予定しています。今後、山梨県へのさらな
る売込みを企画してまいります。
次に、内陸フロンティア推進区域ですが、第2次指定区域等については資料
2
2で説明します。内陸フロンティア推進区域の指定は、平成 27 年度も継続して
まいります。
続いて、総合特区における金融上の支援策である利子補給につきましては、
4月と7月の受付で4件が承認され、昨年度からの累計では、12 件となってい
ます。
今後も、取組の県全域への拡大のため、取組の動きが見られない、取組の具
体化が遅れている市町に対して働きかけを行ってまいります。
平成 26 年度の取組状況については以上です。
【部長代理】
引き続いて、内陸フロンティア推進区域について説明します。資料2-1を
御覧ください。5月に第1次指定した内陸フロンティア推進区域の事業内容や
進捗状況が記載してあります。本日は、これらの区域のうち、特に動きがあっ
たものを紹介します。
スクリーンを御覧ください。
(2)三島市の「農業・観光関連施設集積区域」です。箱根西麓三島大吊橋の
建設地に隣接する6次産業化施設の建築については、9月に県開発審査会で承
認されました。
(9)富士市の「新東名新富士 IC 周辺物流拠点創出事業区域」です。土地区画
整理事業を実施中であり、9月 10 日、日本郵便が郵便物等の大規模集配施設を
設置するとの発表がありました。
(11)磐田市の「磐田市下野部地区産業集積区域」では、5月 30 日、大手企業
キャタラーの進出が決定しました。(12)「福田漁港周辺 食の拠点区域」は、
津波避難施設、商業施設の基本設計が完了しました。
(18)裾野市の「東名裾野 IC 周辺地域における防災・減災と職住近接に配慮し
た地域づくり推進区域」では、7月に工業団地の造成工事に着手しました。
(19)長泉町の「長泉沼津 IC 周辺物流関連産業等集積区域」では、9 月から、
イオンのプロセスセンターの建築工事が始まりました。
(21)小山町の「木質バイオマス発電を中心とした産業拠点整備事業推進区域」
では、引き続き工業団地の用地買収を実施中であり、10 月 20 日から施設園芸拠
点の整備に着手しています。
(23)吉田町の「物資供給拠点確保事業推進区域」では、災害時の拠点となる
防災公園や都市計画道路富士見幹線の整備に、それぞれ着手しています。
なお、1次指定の際に留保条件を付した5市町 11 区域のうち、推進体制が整
備された 10 区域については、留保条件を解除し県の支援措置を受けることがで
きるようになりました。なお、島田市の 1 区域については、関係地権者との用
地交渉を継続しており、引き続き体制整備に向けた調整に努めてまいります。
引き続き、推進区域に対して必要な支援を講じるとともに、市町と連携してさ
らなる取組の具体化を推進してまいります。
続きまして、内陸フロンティア推進区域の第2次指定及び第1次指定区域の
指定変更について説明します。推進区域の指定等については、10 月 14 日に開催
された「内陸のフロンティア」を拓く推進会議の評価部会において、審査が終
了しています。資料2-2を御覧ください。審査の結果、9市町の 13 区域を第
2次指定し、第1次指定区域のうち、1区域について区域拡大と名称変更に伴
3
う指定変更を行いました。区域の概要について説明します。資料2-3及び資
料2-4を御覧ください。資料2-4はパワーポイントで投影します。
順に説明します。
(1)静岡市「駿河区丸子・宇津ノ谷地区における新たな物流拠点整備区域」
です。
丸子地区及び宇津ノ谷地区の国道1号沿線地において、物流施設を集積する新
たな工業団地の整備を行うものです。
日本の東西を結ぶ大動脈の沿線に位置することから、進出企業と有事の際の
協力協定を締結し、物流供給拠点としての機能を確保します。災害に強い物流
団地の導入モデル地区として、地域防災力の向上を図ってまいります。
続いて、
(2)静岡市「葵区薬師地区における新たな物流拠点整備区域」です。
当地区は静岡流通センター等既存の物流団地が立地しています。本件は、そ
の近接地において、既存施設の老朽化に伴う機能低下への対応と物流施設の拠
点機能を拡大するため、新たな工業団地整備を行うものです。
本区域は、国道 1 号バイパスと新東名等速道路に近接した東西交通の要衝で
ありますので、進出企業等と協定を締結することにより、有事の際の緊急物資の
保留・供給機能を確保することで、防災拠点としての機能を果たします。
次に(3)沼津市「多様な価値を内包した居住空間づくり推進区域」です。
スマートインターチェンジ化が計画されている東名高速道路愛鷹 PA 北側の近
接地において、新たなライフスタイルを提供する住宅団地整備を行うものです。
自然環境を生かし、農園等が一体となった居住空間を創出します。
有事の際には、東名、新東名高速道路の IC いずれにも近接しているという優
位性を生かし、周辺住民の避難地や緊急支援物資等の集積場として防災機能を
確保します。
次に(4)伊東市「伊豆・いとう地魚王国推進区域」です。
伊東港の港湾区域内において、沿岸部のリノベーションを目指して、水産物の
消費拡大に資する加工直売施設と観光施設を併設する魚市場の整備を行うもの
です。
有事の際には津波避難施設ともなる複合型の魚市場として整備します。
次に(5)「掛川市海岸命を守る希望の森づくり地区」推進区域です。
掛川市南部の海岸線全域において、第4次地震被害想定のレベル2の津波に対
応した防潮堤整備を行うものです。
平時には、地域住民や自転車道の利用者が集い、散策もできるレクリエーション
や交流の場ともなります。
次に(6)藤枝市「新東名藤枝岡部 IC 周辺推進区域」です。
この区域は、新東名高速道路藤枝岡部ICと国道 1 号藤枝バイパスに隣接してお
り、地域の農産物を生かした「食と農」の拠点と食関連産業や物流施設等を集積
する工業団地の整備を行うものです。
立地企業等との協定を締結することにより、有事の際には、物資の供給・備蓄
の拠点や避難所としての防災機能を確保します。
次に(7)御殿場市「舟久保工業用地開発推進区域」です。
東名高速道路駒門PA周辺の既存工業団地の北側において、新たな工業団地の
整備を行うものです。
進出企業に対して防災協定の締結等への協力を求め、有事の際には、緊急物
資の供給・備蓄拠点としての機能を確保することで、地域防災力の向上を図り
4
ます。
次に(8)東伊豆町「稲取高原特色を生かした観光地づくり推進区域」です。
稲取高原において、地域住民のレクリエーションや滞在型観光の拠点となる憩
いの広場等の整備を行うものです。近隣の観光・レクリエーション施設との相乗
効果による交流人口の拡大にも資するものとなります。
本区域は、高台部にあり、津波や土砂災害等の危険が少ない地域であること
から、有事の際には、仮設住宅や自衛隊宿営地等の用地に活用することで地域
防災力の強化を図ります。
次に、
(9)小山町「生活と自然が調和した『富士小山わさび平地区』推進区
域」です。
本地域は、新東名高速道路(仮称)小山 PA 予定地や近隣工業団地に近接した
地区であることから、沿岸部からの移転の受け皿ともなる、職住近接した住宅
団地として整備してまいります。自然環境が豊かな地域ですので、生活と自然
が調和した新しいライフスタイルを提案していきたいと思います。
有事の際には、本地区にある研修所等との協定締結等により、地域住民等の一
時避難や災害復旧支援者受入機能を確保した防災拠点とします。
続いて、(10)小山町「南藤曲地区『家・庭一体の住まいづくり』推進区域」
です。
小山町藤曲地区において、近隣工業団地に近接した地区であることから、沿
岸部からの移転の受け皿ともなる、職住近接の住宅団地として整備してまいり
ます。
有事の際、自立可能なスマートハウスとして整備するとともに、区域内に避難地
として活用できるパブリックスペースを確保することで、防災対応力の高い住宅団
地としてまいります。
次に(11)森町「遠州森町 PA 周辺有効活用推進区域」です。
新東名高速道路遠州森町PA周辺地区において、歴史・文化等を生かした観
光交流施設と「食と農」の魅力を発信する拠点の整備を行うものです。
有事の際には、地域住民や観光客の緊急避難所としての活用や、緊急物資の
供給場所となるなど、地域防災機能を確保してまいります。
続いて、(12)森町「森掛川 IC 周辺次世代産業集積区域」です。
本区域は、新東名高速道路森掛川ICと既存の工業団地に隣接した区域であ
ることから、製造業や物流業等を誘致する工業団地として整備を行うものです。
有事の際には、進出企業に対し協定締結等への協力を求め、アクセスの優位
性を生かした物資及び食糧供給拠点や迅速な復旧対策の拠点となる、災害に強
い工業団地としてまいります。
(13)森町「内陸部への移転企業の受け皿確保区域」です。
森町中川地区の既存工業団地の周辺地域において、内陸部への企業移転の受
け皿となる工業団地を拡張整備するものです。
有事の際には、進出企業に対し協定締結等への協力を求め、立地優位性を生
かした物資の供給・備蓄機能を確保します。
以上、9市町の 13 区域が新たに第2次指定した内陸フロンティア推進区域で
す。
最後に、第1次指定区域の拡大に伴う指定変更について説明します。
(14)再生可能エネルギーを活用した産業拠点整備事業推進区域です。
小山町の湯船原地先の「産業拠点整備事業推進区域」において、森林資源を
5
有効活用した木質バイオマス発電施設と一体的に、太陽光発電施設の整備を新
たに計画として加え、有事における物資供給等の防災協定を締結する立地企業
や、地域住民の避難地等となる公共施設に供給する再生可能エネルギーの充実
と安定化を図り、災害に強い分散自立型エネルギーによる地域づくりを目指す
ものです。
なお、森の中の工業団地を目指す湯船原工業団地に隣接する区域の拡大にな
りますので、太陽光発電施設の周囲部には森林帯等を確保するなど、町として
も、周辺景観等に十分配慮した整備を進めていくこととしています。
区域名称につきましては、第1次指定時は、
「木質バイオマス発電を中心とし
た産業拠点整備事業推進区域」としていましたが、今回、太陽光発電を新たに
追加したことに伴い、名称を変更しています。
以上、第2次指定におきましては、内陸フロンティアの3つの基本戦略の実
現に向けて、
「沿岸・都市部のリノベーション」の先導的モデルとなる新たな取
組が着実に進んでいるほか、基本目標に掲げる新たなライフスタイルを創出す
る多様な取組が、地域的な広がりを見せており、防災減災に優れた均衡ある地
域成長の加速化に繋がるものと考えております。
新たに指定した区域のうち、留保条件の欄に記載がある推進区域ついては、
年内に留保条件に対応した取組を行うことを条件として指定いたします。
留保条件の解除につきましては、評価部会へ諮ったうえで行います。なお、
留保条件を付した推進区域は、その条件が解除された段階で、
「内陸フロンティ
ア推進区域」に対する県の支援措置の対象とします。
第1次指定区域とともに第2次指定区域において早期に取組が具体化される
よう支援するとともに、今後さらなる取組の拡大を図ってまいります。
説明は以上です。
それでは、本部長(知事)、副本部長(副知事)におかれましては、これまで
説明した「内陸のフロンティア」を拓く取組平成 26 年度取組状況及び内陸フロ
ンティア推進区域について御意見・御指示をお願いします。
【副知事】
全県的な広がりを少しずつ見せ始めてきたと思っておりますけれども、まだ
まだ空白地帯がありまして、そこについては頑張っていただきたいと思います。
また、これから長野、山梨についてですが、個別に出てくるのではなく、静岡
の経済界や長野、山梨の経済界と連携してうまくやっていければと考えており
ます。この間、東京で開催された物流展にも後藤商工会議所会頭に来ていただ
いたりしておりますので、そうした広がりがあるとよいと思います。
それから1つ状況を確認させていただきたい。総合特区の藤枝市、森町で総
合特区の指定から約2年が経ちますが、何が変わってこの推進区域となったか、
どういった進捗が図られたのか報告をお願いしたい。
6
【部長代理】
藤枝市の区域については、特区の指定から地元説明会等を盛んに実施してお
りまして、次第に地元の合意形成が図られつつあるということで、今回推進区
域の指定に至るまでになったということです。地区内の農地等の土地利用に関
しまして、地元住民との十分な対話を重ね、進捗が図られてまいりました。
森町についても、農地が開発区域内に存在することから、今後の土地利用に関
しまして、地元住民との対話が進んできたということで、今回推進区域の指定
に至るまでになりました。
【知事】
推進区域が広がりを見せているということは大変ありがたいことです。第2
次の指定区域のうち、伊東市の沿岸部における防災減災と地域成長を図るとい
うことで、こうした取組が大切です。もうひとつは、掛川でも「掛川市海岸命
を守る希望の森づくり地区」推進区域ということで、これも危機管理という観
点で防災力をあげるということで、これは宮脇昭さんがいわゆる森の防潮堤を
つくるということで、ここに関わってくるということでございます。これは、
東日本大震災で森の防潮堤かコンクリート壁かということで、ものすごい対立
がありました。こうしたものが、静岡県ではこのような形で作られるというこ
とで、これも注目するべきです。この2つと先ほどの藤枝の区域もそうですが、
どこにも事業は入っているが、生活が入っていないですね。小山町などでは、
いわゆる家・庭一体の区域を入れていただいていますが、住宅整備と企業立地
の取組が別々となっている。これを一体的にする必要がある。なぜなら、企業
には人が働いており、人が帰らなければならない。職住が近接している場合に
よってそこは一体の地域にする必要があるからである。例えば、今回推進区域
に指定した藤枝市は大学があり、区域が広く取られている。そうすると、そこ
に既存の家から通うのか、それとも家・庭一体の住宅団地をつくってそこに住
むことも合わせて考えるということが大切である。これは、おそらく三島も最
初の農業関連観光施設ということで、事業と人集めという、生活と分離したと
ころで考えられているというのが、全体的な強い印象です。ですから、これを
一体的に考えていただきたい。住むところと仕事場を一体的に考えるような推
進区域がひとつくらいあったほうが良いと思います。
先ほど髙君が言われたように、長野県や山梨県では海が見える景観や海が近
いところへの移住を考えている人もいるし、さらには首都圏の方々もそれを考
えている。小山町では、箱根を越えたら別世界ということを目指しているわけ
ですね。そうした選択肢を広げるということで、沿岸地域、内陸地域いずれに
しても東京のいわゆる箱の生活とは違う生活の選択肢をですね、職住一体、あ
るいは買い物、観光といったものがあわせてできる生活を考えた一体のプロジ
ェクトがひとつもないというのが残念である。
7
【くらし・環境部長】
工業団地を造成する裾野市の推進区域の名称に、住まいというものが盛り込
まれています。それについては、家・庭一体ということで市に対して働きかけ
を行っています。また、沼津市についても住宅だけではなく、観光や農業の要
素を盛り込んだ住宅整備の取組を行っています。
【企画広報部長】
小山町も6つの区域が指定されており、湯船原については、再生エネルギー
を中心とした地域の開発をするのと同時に、今回指定された藤曲地区には、そ
こに勤められる方々の受け皿としての住宅を家・庭一体で整備していきます。
近接したということが全くの隣り合せという状況ではありませんが、なるべく
工業団地の開発と同時に、住む場所を提供する取組を小山町もそうですし、三
島市でも5地区のうちの1つについては、田園居住型の住宅整備が計画されて
います。今のところ工業団地や物流団地の整備しか実施しないというところも
ありますが、そこで働く方々のことも考えた次なる推進区域の取組が、来年度
でてくるように市町に対して働きかけを行ってまいります。
【知事】
最終目標は、県民幸福度の最大化です。ですから、これは生活です。もちろ
ん生活の糧を生むための企業は大切ですが、これは手段であり、最終目標は、
ふじのくに型のウェイオブライフの一番のモデルが家・庭一体の家を持ちたい、
これを我々が提供するということが目的である。現在の話は手段となっている。
最終的には付け足しではなく、生活の質を上げていく、そしてふじのくに型の
ウェイオブライフ、ウェイオブライフとは文化の略である。文化とは何か、目
に見える生活様式・暮らしかた、目に見えないそれを支えている価値というも
のがある。これを私は富士山において自然に対する畏敬の念といったものを入
れ込んだ借景を入れて、家・庭というものを作り上げて提供していく。最終目
標はそこにある。良い生き方を提供することが目的である。付け足しで付録み
たいに自分たちも頑張るなんていうのは、まだまだ本腰が入っていないという
印象ですね。
【部長代理】
それでは、今回指定された区域のうち、本日沼津市と伊東市の方がお見えに
なっていますので、それぞれ説明をしていただきたいと思います。
それでは沼津市の方よろしくお願いします。
8
【沼津市】
沼津市政策企画課長の後藤と申します。よろしくお願いします。本日は沼津
市で申請しました推進区域の事業計画の概要についてご説明させていただきま
す。
区域の名称は多様な価値を内包した居住空間づくり推進区域でございます。
緑豊かな住居系の開発計画を予定するものでございます。
概要ですが、区域の場所は、東名高速道路愛鷹パーキングエリア北側で、新
東名高速道路との間、障害者就業支援施設愛鷹太陽の丘のすぐ北位置する地域
で、計画区域は約 9.8ha となっております。愛鷹山麓の恵まれた自然環境を生
かした畑や農園、ファーマーズマーケット等が一体となった分譲住宅団地の造
成・開発を予定するものです。
詳細でございますけれども、開発者は伊豆地域の民間事業者で、
(仮称)愛鷹
ファームビレッジプロジェクトとして、計画を進めております。計画地はすで
に買収済みです。建設する住宅の戸数ですが、約 120 戸。計画地の中心には、
畑、水田、果樹園、公園緑地等を配置しまして、緑豊かな空間を創出するとと
もに、ファーマーズマーケット、ローカルフードレストラン、ショップなどの
商業施設とともに、子育て支援施設、クリニック、ギャラリー、集会所などを
予定しており、単なる分譲住宅地の造成ではなく周辺環境を生かした新たなコ
ミュニティそのものの形成を図る計画となっております。1戸当たりの区画で
すが、概ね 75 坪を予定しております。もう少し広ければとも思いますが、一般
の住宅に比べれば余裕のある区割りということになります。事業スケジュール
ですが、今年度既に基本設計に着手したところであり、平成 27 年度につきまし
ては、土地利用の事業承認と開発許可を得た後、28 年度に造成工事に着手し、
29 年度には造成工事を完了して、分譲の開始を予定しております。現在沼津市
では、定住人口対策、地震津波に対する備えというものが、それぞれ市政の大
きな課題と考えております。そうした中、平成 27 年度末には東名愛鷹パーキン
グエリアのスマートインターチェンジの供用開始が計画されております。その
至近の地域におきまして、豊かな自然環境に囲まれながらも交通アクセスの非
常に良い、良好な居住環境を創出できる本計画については、高台移転の受け皿、
定住人口の増加につながるものとして、市として大変大きな期待を寄せている
ところです。既に都市計画サイドにおいては、計画推進に向けた協議を進めて
いるところでございますが、その完成に向けて連携、協力を図ってまいりたい
と考えております。事業者同様、市としましても県のご支援、ご協力を切にお
願いするところでございます。よろしくお願いします。
説明は以上です。
【部長代理】
ありがとうございました。続きまして、伊東市から説明をお願いします。
9
【伊東市】
おはようございます。伊東市観光経済部長の荻島です。この度は、内陸フ
ロンティアに係る伊東市の取組を説明する機会をいただき、ありがとうござ
います。
伊東市では、内陸フロンティア推進区域の指定に向け、沿岸部・都市部の
リノベーション事業として、
「伊豆・いとう地魚王国推進区域」の提案をさせ
ていただきました。
概要ですが、伊東港内で築 40 年以上が経過し、老朽化が進むいとう漁業協
同組合が所有する伊東魚市場の改修を軸に、伊東港南側エリアの沿岸部
2.15ha、直線距離にしまして約 500m の間を賑わいと防災・減災の拠点施設と
して整備するものです。ご承知のように、伊東市は、水産業が盛んな土地柄
でありますが、近年、漁業者の高齢化と担い手不足、さらには消費者の魚離
れから、厳しい状況が続いています。しかし、いとう漁協が、市場価値の少
ない未利用魚などを活用した加工品の開発に乗り出し、平成 23 年度には、県、
市の補助金を利用し骨肉分離機の導入したことで、魚の臭みが感じられない
商品開発に弾みをつけました。本年1月には、六本木ヒルズで開催された「F
ISH-1グランプリ」地魚グルメコンテストにおいて、サバのすり身を使
用した「サバ男くんのトマトソースボロネーゼ」が準グランプリを獲得、ま
た、直営食堂「波魚波」の運営やスキューバダイビング事業を通して、海か
らみた伊豆半島ジオパークのPRにも積極的に取り組むなど、地元では際立
って元気な事業者です。
このような中、いとう漁協では、地域水産業の6次産業化の拠点施設とし
て、その機能を充分発揮できるよう、魚市場の改修と、1次産業から3次産
業の団体で組織する「伊豆・いとう地魚王国」の建国を予定しております。
これは、魚市場の荷捌き、加工、直売施設の機能向上を通して、安全・安
心で高度な水産物の供給体制を構築し、水産業の活性化を図るとともに、観光
産業などと連携する中、場内に観光案内所、飲食施設等を併設し、ベイエリア
に新たな賑わいの場を創出するものです。
また、有事の際に対応できる津波避難場所としての防災機能を兼ね備えた整
備も併せて行います。
伊東市としましても、9月 25 日に、計画推進に向け、いとう漁協を始めと
した水産業の団体、観光協会、商工会議所、地域住民の代表、東海大学海洋
学部などから成る「伊豆・いとう地魚王国推進協議会」の設立準備会を開催
したところであり、今後、本協議会を正式に立ち上げ、整備に係る市場調査
などを行い、市と漁協をはじめとした民間事業者との役割分担を含めた事業
計画を作成し、平成 29 年度に、事業が着手できるよう、準備を進めてまいり
ます。
また、伊東港北側に位置し、多くの観光客でにぎわう「道の駅・伊東マリ
ンタウン」との共存共栄を図りつつ、いとう漁協や地元関係者と協働する中、
10
この事業が内陸のフロンティアを拓く取組として、伊豆半島全体のモデル事
業となるよう、あわせて努めてまいります。最後に、この事業の着実な推進
には、県や国の技術、財政、金融など多方面のおいての支援が欠かせないこ
とから、引き続き、お力添えをいただけますよう、お願い申し上げ、説明と
させていただきます。
【部長代理】
ありがとうございました。引き続きまして、
「内陸のフロンティア」を拓く取
組への要望についてです。それでは、企画広報部長よろしくお願いします。
【企画広報部長】
それでは、資料3を御覧ください。
「内陸のフロンティア」を拓く取組への要
望について説明します。本取組に対する要望が、各界各層から様々な要望、提
案が寄せられています。
まず、内陸フロンティア推進コンソーシアムからの提案につきましては、去
る 10 月 14 日、経済4団体の会長から直接知事に提出されたものです。提案書
本体は2枚目、3枚目に添付してありますので、後ほど御覧ください。内容と
いたしましては、他県と比較して防災先進県であることを前面に打ち出したP
R強化と防災産業の育成、それから防災・減災の取組の推進として植物工場な
ど沿岸・都市部へ投資を呼び込む再生モデルの構築などのほか、新産業の創出
等への支援強化や沿岸・都市部や伊豆地域などの取組拡大に向けた施策の充実
などです。総じて、内陸・高台部の取組だけでなく、沿岸・都市部のリノベー
ションや多層的な地域連携軸の形成にもしっかり取り組むようにとの提案でし
た。
また、市町からは土地利用調整や広報活動への支援に加え、企業の設備投資
等に対する企業立地補助金制度の拡充、快適な暮らし空間を実現するために市
町等が実施する住宅団地整備に対する補助金制度の創設や地域資源を生かした
にぎわい創出に関する補助金制度の拡充など、
「内陸のフロンティア」を拓く取
組の具体化に対する支援の強化を望む声が挙がっています。
これらの要望に可能な限り応えまして、意欲ある地域を重点的に支援するこ
とで、取組を早期に具体化を図っていきたいと考えています。各部局におかれ
ましては来年度当初予算に向けて、各方面から寄せられた要望等を踏まえた積
極的な支援策の拡充等の検討をお願いします。
説明は、以上です。
【部長代理】
それでは、全体を通しまして、御意見・御指示等お願いします。
【副知事】
伊東の商工会議所や企業、ホテルを回っているときに、県の水産業局長の藤
田君が非常に伊東に熱心に通って、こういうプラン作りに働いているという噂
を聞きました。あちこち回っていると、活躍している県の職員の評価が非常に
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高いことをありがたいと思っております。やる人はやるし、そうでない人はそ
うでないのかもしれませんが、色々なところから声が聞こえてくるので、ぜひ
皆さんですね、足繁く通って掘り起こしをお願いしたいと思います。
【知事】
今日は沼津市と伊東市からわざわざおこしいただきまして誠にありがとうご
ざいます。そして、両市からのお話にもございましたように、防災について、
危機管理を踏まえた上での新しいまちづくりという試みで、両方とも聞き応え
のあるものでありました。どうもありがとうございました。特に沼津市は、社
会流出が日本でも北海道に次いで多いということで、静岡県の横綱格というこ
とで、非常に注目されております。これを逆手にとって、新しいライフスタイ
ルを提供するということで、9.8ha、高校2つ分くらいですね。そこに平均 75
坪の住宅整備を行うということで、県のくらし・環境部は阿蔵山で 300 坪です。
つまり、別荘と考える。今、別荘地は基本的に 1,000 ㎡、昔で言う 300 坪です
ね。1坪というのは、茶室で一番狭い待庵というのが、山崎にございますが、
茶室というのは社交の場、2畳です。これは人が二人。たたみ1畳というのは、
一人がそこで寝たときには必要な大きさでありますけれども、二人分というこ
とですね。ですから、家族、仮にパートナーと生活するときに、最低でも1坪
はいるということになります。これが住の単位だとすれば、衣料の単位は1反、
着物1反と言います。これは体が大きくても、小さくとも着物が1反あれば、
それを上手に活用するということです。昔は、1反は田んぼの単位であった。
これは1反で1石できる。1石というのは、自立の単位なので、お宅の藩は何
石だということで、経済単位として、1石で一人大人が年貢を払うことができ
るということで、これが1反が生む単位ということです。そこに戻そうという
ことを、先ほど遠慮がちに言った池谷君が担っているということです。本日、
交通基盤部長来ておりませんけれども、内浦のほうは結果的にお宅様が、手順
を間違えられたと考えております。結局全く動けない状況となって、それをこ
ちらが預かった形になっておりまして、ここでも内浦、西浦から要望が挙がっ
ていたみかんのところを、今農道を準備しておりますけれども、やはり 300 坪
と考えております。いきなり 300 坪の土地は買えませんので、中間管理機構な
どの準公共的なところがそこを管理しながら、地代を支払う。管理機構は、不
動産税を地代から支払う、といったことをやらないとこれだけ広いところには
住めない。我々は、所得倍増ではなく、暮らし空間倍増と言ってきたが、これ
は n 倍増ということでできれば 10 倍にする。これを県としては理想として、最
低 100 坪ということが大切だと考えている。75 坪というのは、今は平均 30 坪で
すから、これに比べれば十分に魅力的でありますけれども、理想はお伝えして
おきたいと思います。それから、地魚王国をつくるといういとう漁協の取組は、
様々な試みをしているということで、大変すばらしいと思います。ここで、漁
業だけではなく、例えば、資料に写っているわさびは、海からは取れません。
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これは農協との関わりがでてきます。それから、突き出しでも色々なものを出
しても、例えばしいたけを少し焼いて一杯やったり、それからまた魚を食って
もうまいでしょ。しいたけとかわさびは、本県の名産でございます。そうした
時には、漁協と農協が上手に組む必要がある。ここはやや不十分かなと。今、
静岡県は全国的に初の取組と致しまして、西のほうで商工会議所と農協が連携
した6次産業化、いわゆる商工農漁が全部一緒にやる。それぞれ根拠法は違い
ますけれども、お客様にとっては両方関係ありますので、両方が伊東並びに内
陸側を結びつけるということが加わると、まさに伊豆という取組になる。いま
までこれは、沿岸部しか考えていなかったというところに限界を感じました。
ぜひそれぞれお知恵を出していただきたい。
それから、要望の中で山梨県と長野県とのかかわりに関する提案があった。
山梨県の早川町や身延町、特に身延町は生活圏等を考えると一緒にやっていく
べきである。先日、横内山梨県知事より静岡県にはお世話になったと感謝の言
葉をいただいた。県境を越えるという試みについても、各部局の関連職員の交
流など、連携を密にしていただきたい。本気にやってください、これこそ内陸
です。
【部長代理】
ありがとうございました。以上をもちまして、本日予定をしていた議事は全
て終了しました。
県と市町、もちろん県内だけではなくて、県境を含めて一層連携を強めまし
て積極的な事業展開を図るよう、各部局の皆様におかれましては、取組をお願
いしたいと思います。
以上をもちまして、平成 26 年度第2回「内陸のフロンティア」を拓く推進会
議(本部員会議)を終了いたします。ありがとうございました。
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