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6.第3回意見交換会

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6.第3回意見交換会
6.第3回意見交換会
(1)第1部 実施結果
1)実施要領
①実施日時
平成 20 年 10 月 16 日(木)10:00∼12:00
②場所
徳山保健センター3階会議室
③出席者
・専門家(50 音順)
今枝 忠彦
株式会社都市計画設計研究所 取締役
大友 恒生
株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ
大東 行人
株式会社商業開発研究所 代表取締役
・オブザーバー
松井 恵 中国経済産業局産業部産業振興課流通・サービス・商業室
地元新聞社
・商業者
藤村 哲一
みなみ銀座商店街 理事長
西田 淳夫
みなみ銀座商店街
清水 芳将
銀座商店街 理事長
原田 新二
中央街商店街 副理事長
大石 茂信
中央街商店街
佐村 昌則
中央街商店街
田村 弘道
銀南街商店街 理事長
村谷 裕志
銀南街商店会 理事長
貞弘 健吏
糀町通商店街 理事長
古城 健
ぴーえっちどおり
中村 逸子
母子保健推進協議会 会長
磯崎 知子
母子保健推進員
・周南市役所関係各課
土井 節
経済部商工観光課商工係長
上野 貴史
経済部商工観光課商工係
長廣 悦伸
都市開発部都市計画課計画係長
石田 勝巳
都市開発部都市計画課計画係
平木 秀夫
中心市街地整備室次長
木佐谷 進
中心市街地整備室次長補佐
兼重 博行
中心市街地整備室整備担当主査
丸子 一郎
中心市街地整備室活性化担当
井上 達也
中心市街地整備室活性化担当
・事務局
筒井 光康
株式会社ソフトクリエイション 代表取締役
三浪 伸夫
株式会社ソフトクリエイション 研究員
̶1̶
④議題
1)周南市の商圏分析について
2)意見交換会
商業活性化に向けた今後の取組の方向性について
2)実施結果要約
①周南市の商圏分析について
資料に基づき、専門家・大友氏より説明。
・ 売上を説明する要因と要素には、
「立地要因」と「商圏要因」がある。郊外大型店が強いの
は、クルマですぐそばまで行けて、便利だから。
・ マーケット規模とは、その地域が持つ購買力のこと。潜在的購買力と顕在的購買力の2つが
ある。国内の人口集中地区は国土面積の 3.3%しかないが、周南市は山口県でも有数の人口集
中地区になっている。これは強み。
・ 国内の小売業売上高は、1997 年をピークに減少している。生産年齢人口の動態と売上の推移
はリンクしている。
・ いかにマーケット規模を大きくするかがポイント。そのためには、まちなかの就業者や住人
を増やすこと。人が移動するところに購買は発生する。
・ 商圏の質を見極めることも大事。周南市の中心商店街は、中高年齢層以上の女性が多い。10
代の若者は駅にはそれなりにいるが、商店街にはいない。徒歩圏内の客を引きつけることに
加え、客層を広げる、交流人口を拡大することも大切。
・ マグネットとなる顧客誘導施設が必要。都市型商業地は、駅そのものが集客施設。周南市の
場合、大型店、学校、動物園、観光施設などが考えられるが、現状では、徳山駅と近鉄松下
がポイントになっている。あと2カ所、商店街の出入り口が集客ポイントになっていれば良
いのだが、現状はなっていない。
・ 認知性と視界性があるが、このうちの視界性が大事。大阪の新世界のような、雑多な看板、
のぼりだけでまちは活性化する。商業者の創意工夫が大切。
・ 動線が大事。磁石と磁石を結ぶ動線上に商店街があるのが理想。駅と大型店の間にある商店
街はにぎわう。大型店を適正な位置に誘致するのがてっとりばやい方法。
・ 物理的心理的障害がない店、まちへのアクセスのしやすさがポイント。近隣の住民が顧客に
なる確率が高い。徒歩圏の商圏を強化すべき。
・ 郊外SCと同じもので勝負はしないこと。違う角度で勝負すべき。インターネットの活用で
情報提供を。
資料に基づき、専門家・大東氏より説明。
・ 商業統計による直近の小売販売額はマイナス 9.2%。ロックタウンの開業で売上げは増える
が、商店街には一層厳しい環境になる。
・ 磁石がないまちなので、強力な磁石が必要。居住人口の増加も必要。
・ 全国的に大型店の店舗閉鎖が相次いでいる。百貨店も再編している。イオンも売上がダウン
しており、店舗整理をしている。景気後退によって近鉄松下がどう動くか気になる。
②意見交換
商業活性化に向けた今後の取組の方向性について、専門家との意見交換を行ない、下記のよう
な意見が交わされた。代表的な意見のポイントを要約した。
・ これまでイベントなどに頼っていたが、マーケット規模を考えるべきだと思う。平成元年か
̶2̶
ら3km 商圏内に生鮮スーパーのアルクが2店舗できた。また消費の奪い合いになる。商店街
や丸和、近鉄の食品売場にとって打撃だ。
・ 大型店に対抗していこうというのは無理にしても、アルクなどの中型店対策がほしい。商店
街は、歩いて暮らす人にとっては利便性が高い。今食の安全がゆらいでいるが、そういう安
全性についてもテーマにすべき。近鉄百貨店のブランド力もある。人の交流、健康などもテ
ーマ。年輩者に定住してもらい、物販だけでなく温浴施設や病院を誘致して、健康をテーマ
にしたまちづくりも考えられる。
・ まちに磁石をいかに作るか。回遊性の強化が一番のポイントだ。医療施設や公共施設など、
中心市街地に都市機能を集積すべき。それにともなって商業が活性化するはず。
・ 中央街では、市場中心の再開発をしようと、勉強会を百数十回開催してきた。しかし、最近
の建設コストの急騰で、40 億円の予算では実現性がなくなってしまった。商業施設とマンシ
ョンを合わせた再開発ビルを考えているが、そういう施設はまちの磁石になり得るのだろう
か、専門家に尋ねたい。
・ まちなか居住を促進して密度を高くするのは良いこと。高齢者にとって商店街は必要だが、
ファミリー層は郊外が主体。居住人口の増加が、そのまま商店街の売上げにつながるかどう
かはわからないが、マイナス要素ではない。オフィスビルの就業者が千人いれば、コンビニ
の日販は 30 万円確保できるといわれている。これは昼間人口なので、夜間人口とは別。仮に
マンション建設で 100 世帯増えると、およそ 250 人の人口増になるが、オフィス需要がない
と活性化にはならない。働く人がいると必ずランチ需要がある。仕事帰りの一杯飲み屋もは
やる。帰宅途中の買い物需要もあるはず。周南市のオフィス需要は、全盛期に比べどんどん
薄くなっているので、復活させるのは難しいだろう。
・ 時代にマッチしていない商店街になってしまった。イベントに頼っているが、それでは根本
的な活性化には結びつかない。何か大きなことをしないとだめ。
・ 長期的な取組も大事だが、直近の課題として、商店街では後継者問題や空き店舗、アーケー
ド費用の負担などに苦しんでいる。組合に新たに入ってくる人もいない。
・ まちの磁石となるコアを作るだけでは、活性化は果たせない。都市機能を全て揃える必要が
ある。そのためには、商売人だけでは無理。医療、教育、図書館などの都市機能を集積させ、
交通弱者にも配慮したまちづくりを行なえば、通行量も増えるはず。また、駅前にコアが必
要。市長の公約事業はぜひやってほしい。商店街としては、我を出さずできることから協力
をしていきたい。
・ 商店街はくたびれ果てている。磁石施設を自分たちで作るのはあり得ない。中央街が唯一再
開発を計画しているので期待している。他力本願と思われるだろうが、現実としては、商業
者の過半数は事業などできない。銀南街商店街は、地下 2 階地上 5 階の7層建物。これを作
りなおすのは無理。大型店撤退や周辺の駐車場化など、マイナスの変化ばかりを見てきた。
駅周辺施設の開発が目玉事業。何かが変わってほしい。商店街の将来的なゴールをどこに設
定したらいいか、マイナス志向ばかりなので、プラスに変化してほしい。
・ 中心市街地の活性化は必要と思う。商店街の足腰は相当弱っている。ここ 20 年右下がり。
考えられなかった状況だ。売上げが伸びている中心市街地は、いったい全国に何%あるのか。
生き残る方策は、特徴づけのあるまちづくりにプラス、個々の店が特徴を出すことだと思う。
̶3̶
商品を開発する力はないので、必要とされるものをタイムリーに提供することが大事。巣鴨
商店街のとげ抜き地蔵のようなシンボルを作るのも一案だ。集客核の創造で特徴をだす方法
もある。商店街の多くの個店は、あと何年店を続けられるかという状況。昔は従業員もいた
が、今はパパママでやっている。小さな店は消滅していく運命にあるが、これからの高齢化
社会において、大型店だけで成り立つかという問題がある。高齢者にとってなじみのある、
小さな便利な店は残すべき。そのためにどうするかが課題。
・ 商店街は、イベントなどの販促や個店ごとの努力により、首の皮一枚でつながっている状況。
来街する理由付けが必要だし、磁石となる施設も必要。オンリーワンを店で持つことも大切。
商店街の通りをブランドにしないとだめ。商店街同士ソフト面で連携して勉強して行きたい。
・ まちなかの事業所数は、この 10 年で 300 社が撤退した。
・ まちの地価の最大地点から 600m圏内、約 100 ヘクタールには、商店街、役所、港湾施設な
どが含まれる。どのくらい人が住んでいるかだが、夜間5千人程度と低い。対して昼間人口
は 1.5 万人もあり、まだそれだけの集積がある。マンション建設により、まちなか居住人口
は9%増えている。それ以外のデータは軒並み下がっているが、これはまちの強み。潜在的
な購買力があるということだ。単身世帯比率が 50%と高く、高齢化が進んでいる。まちなか
に人口を増やすのが基本だが、マンションだけでいいのかという問題もある。
・ 消費者の視点でいうと、周南市にはおしゃれをして歩くまちがない。大型店はサンダル履き
で行く場所だが、女性はおしゃれをしてショッピングできる場所がほしい。中心商店街は、
かつては普段着で来れないまちだったが、今は普段着でも平気。ハレの場でなくなったこと
が残念。
・ 動物園で子育てイベントを行なったが、たくさんのファミリーが集まり、確かに存在してい
るのを実感した。それをどう消費に結びつけるかがポイント。例えばまちなかに、子ども連
れでもいけるおしゃれなレストランがあれば、集客ポイントになる。おいしくて気持ちの良
いお店なら、女性の口コミですぐに噂は広まる。口コミはネット以上に強力だ。高齢者にと
ってはペットが同伴できるお店もうれしい。回遊性を強化するのであれば、障害者などにも
やさしいまちづくりが必要。磁石ポイントとして、そういう施設があれば良いと思う。
・ 特徴あるまちまちづくりを、女性の視点で訴えてきたが、周南市のよさをアピールするテー
マとして、まど・みちお氏の童謡ぞうさんを推奨したい。動物園のツヨシくんグッズを最近
売り込んでいるが、夢があるぞうさんのまちづくりを推進してほしい。
・ 全国で生き残っている元気な商店街の事例を紹介してほしい。
・ 徳山育ちなので、昔の中心商店街のにぎわいをよく知っている。何でこんなになったのか、
いつのまに活気を失ったのか不思議でならない。駐車料金が必要というのは、郊外と対抗で
きない。2時間無料というサービスを試しに実験してみてはどうか。商店街にはお肉屋さん
や近鉄百貨店、飲食店など魅力がある店もあるが、今年は6回くらいしか来ていない。サン
リブに行っている。駐車場の問題が大きい。
・ 駅ビルには、子育て支援のスペースがあるが、中途半端で魅力がない。ただ、ハードを作れ
ばいいという問題ではない。親がほっとできるソフトが必要。周南市の場合、人的にはそろ
っているが環境ができていない。他都市は逆、人的体制を作るのが難しい。周南市は、せっ
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かくの好環境を生かせていない。
・ 商店街にヘルパーを置いて、高齢者にやさしい商店街にしたらどうか。大型店は広すぎて、
お年寄りには疲れる。商店街ならいつもの人がいるということで、高齢者も目的を持って出
かけていける。
・ 動物園と連携したイベントを商店街でやっていた。市長も出ていたが、PRがうまくなく、
宣伝効果がなかった。もっと市民に効果的に伝える努力が必要。せっかくのイベントがもっ
たいない。
・ まちなかと郊外大型店は、対立せず、競合せずでいくべき。よく、競合店に行かせないよう
にする発想に立つが、それはやめた方がいい。顧客に自由に選択してもらうべき。郊外に行
くには、それだけの理由がある。同じ機能をもたないと勝負ならない、という発想はもたな
い方がいい。ポジションを変えることが大事。集客核となるマグネット論もしかり。磁石に
もいろいろある。ハコモノに議論が集中しがちだが、ハコ以外のソフトのネットワークの融
合が必要だ。
・ あきらめに近いところに行きがちだが見直した方がいい。昼間人口をねらうべき。臨海部の
工場出張者で、ビジネスホテルが満杯になっている。これを消費に結びつける努力をすべき。
・ 「うまくいっている中心市街地商店街あるのか」という質問があったが、商店街に限らない
方がいい。まちなか居住など、いろんなものの組み合わせで発想すべき。長浜は名物を作る
ことで活性化した。努力が必要だが、こういう発想も捨てないでほしい。周南市の名物探し、
編集力は大切。
・ これからの商店街はデリバリーがキーワードになる。配達サービスのことだが、セブンイレ
ブンでも、高齢化社会を見据えて実験的に行なっている。自分達でやる必要はない。デリバ
リー会社と組んで配る人を雇い、売上の%を払うようにすればいい。暮らしやすいイメージ
をつけることは重要。
・ エコやリサイクルもテーマになる。持ち込んだら必ず引き受けてくれる商店街というのは売
りになる。古本チェーンのまんだらけは、買取拒否をしないことで人気を博している。社長
は、持ち帰る理不尽を排除しようと、海外に売り渡し先を確保した。そういう海外マーケッ
トとの連携を商店街が持てば強い。古着や家具など、なんでも引き取るリサイクルのまちは
受けるはず。ルートづくりが大変だが、大型店にない機能として、まちの特徴づけになる。
・ 生活をいかに楽しむか、楽しんでもらうためのお手伝いをするのが商店街。お手伝いの方法
は、個店で異なる。さらに商店街ごとにアイデアを出して、特徴づけを行なって行くべき。
子ども連れで来れる商店街、おしゃれして歩ける商店街、大型喫茶店なども良い。
・ 店主の高齢化があって、全国で個人商店が減っている。高齢化による廃業は「幸せな廃業」
。
一方では、働き盛りの店主が不況で追い込まれる「悲劇の廃業」もある。その問題をどう解
決するか、大きな課題だ。
̶5̶
これらの意見をまとめると、次のような課題が指摘され、確認された。
① 郊外大型店に対抗しようという発想ではなく、商店街らしさ、特徴をもっと見つけて編集し、
伸ばして行くべき。巣鴨のとげ抜き地蔵のような名所・名物づくりも取組アイデアの一つ。
② まちの集客核となるマグネット拠点を適正な場所に配置すべき。動線が生まれると、人の流れ
ができモールが活性化する。
③ 商業だけでなく、医療や公共施設、娯楽など、都市機能の集積が重要。駅前周辺拠点施設の開
発事業も進めてほしい。
④ 居住促進と昼間人口増が重要。まちなかの就業者数は 1.5 万人もあり、臨海部には大企業が多
い。これを消費に結びつけるべき。
⑤ 女性がおしゃれをしてショッピングできる商店街になってほしい。女性や高齢者、ファミリー
層を引きつける飲食店や施設づくりを。
⑥ デリバリーやリサイクルをキーワードにした商店街も一案。
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3)第1部議事録
事務局
平成 20 年度診断・助言事業第3回意見交換を始めさせていただく。
本日は、マーケティングの専門家である大友先生に、周南市中心市街地の商圏分析と取組の方
向性をお話いただき、その後、商業活性化に向けた議論を行いたいと思う。それでは大友先生か
らご説明いただきたい。
大友
資料②に基づき「周南市の商圏分析について」を説明。以下要約
【来街者の買い物場所等の選択の動機】
来街の動機の上位4つは、1998 年で見ると、1番目が「利用に便利な場所にある」
、2番目は
「品揃えが豊富」
、3番目は「店員の接客態度が丁寧で迅速」
、4番目が「価格に割安感がある」
となっている。
2002 年になると、1番目が「利用に便利な場所にある」
、2番目は「品揃えが豊富」
、3番目が
「価格に割安感がある」
、4番目が「店員の接客態度が丁寧で迅速」と少し変わった。
2004 年も1番目が「利用に便利な場所にある」
、2番目は「品揃えが豊富」
、3番目が「価格に
割安感がある」
、4番目が「店員の接客態度が丁寧で迅速」となっている。
立地、品揃え、価格、接客が上位なのは変わっておらず、時代が変わっても、利便性等に反応
するということがわかる。
結局、郊外のショッピングセンターに集客ができるのは便利だからだ。
【売上を説明する要因と要素】
見るべき立地・商圏ポイントは 10 の要素に集約される。
売上を説明する要因と要素には、
「立地要因」と「商圏要因」があり、その中に次の 10 の要素
がある。
①マーケット規模
マーケット規模とは、その地域が持つ購買力である。潜在的購買力と顕在的購買力の2つに分
けられ、前者は人口や世帯数、事業所数等、後者は現実にその街での販売額である。
我々が求めているのは、顕在的購買力をいかに大きくするか。
周南市は幸いにして山口県でも有数の人口集中地区になっているし、働く人もいる。ただし、
全国的に 2005 年から人口は減少している。
また、国内の小売業売上高は、1997 年をピークに減少している。これは高齢化により購買力が
落ちているということだ。生産年齢人口の動態と売上の推移はリンクしている。
いかにマーケット規模を大きくするかがポイントであり、そのためには、まちなかの就業者や
住人を増やすこと。人が移動するときに購買は発生するので、いかに人を住ませてしかも動かす
かということ。
②商圏の質
①が定量データであるのに対し、これは定性データになる。服装や歩速、手荷物、年齢層など
である。
このまちに集まる人は限定されており、交通手段のない人かなというのが見た感想だ。
マーケット規模を大きくするには、今来ている人プラス客層を広げなければならない。年齢層、
職業別など、広げていく必要がある。
③自社競合、④他社競合
競合が起きる原因の一つ目は商品競合。同業種間の競合である。
二つ目は価格競合。同じ商品でなくても、サービス内容によって利用頻度が変わってくる。
三つ目は機能競合。まちの持つ機能そのものである。
三つの競合要因があり、魚屋の競合相手は魚屋だけとは限らないということになる。似通えば
̶7̶
似通うほど競合は激しくなる。
一般的な商店街と郊外ショッピングセンターでは、立地の利便性、接客レベルの安定感、価格
に対する規模のメリット、品揃えの充実度等の競合に相当の差が出てくる。
⑤顧客誘導施設
郊外SCは、そのままこれに当たる。
引っ張ってくるマグネットのことで、駅前市街地でいうと、駅そのものが集客施設。周南市の
場合は大型店、かつてのトポス、サティ、今の近鉄もこれになる。加えて、学校、動物園、観光
施設などが考えられる。
現状では磁石はほぼなく、徳山駅と近鉄松下がポイントになる。本来は商店街の出入り口が集
客ポイントになるのだが、現状そうなっていない。この4つがポイントになって回遊が生まれれ
ば、活性化につながる。磁石をいかに作るかが大事で、皆で議論しなければならない。
⑥認知性
視界性と周知性の二つに分けられる。
視界性は、見える、見えないだけで、特に問題ない。
周知性は、頭にすぐ浮かぶもので、選択肢に入ってくるかどうかの問題になる大きなポイント
である。
初めていく店の情報を得るのは、一番目は口コミ、これは周知性。二番目は偶然通りかかって
という視界性のものになる。
しかし現在は、
インターネットが大きな情報源として出てきており、
ここでの工夫もポイントになっている。
視界性では、同化現象を起こさないような特徴づけが大事。成功例として大阪の新世界がある
が、雑多な看板、のぼりのにぎやかさだけでまちは活性化する。商業者1店の1店が創意工夫す
る雰囲気も大切。
⑦動線
磁石と磁石を結ぶ線が動線、つまり売れるラインである。
例えば駅と大型小売店のラインが動線になる。大型小売店が複数あれば、複数の動線ができる。
複数の動線に囲まれた中は、商店街も含めて人通りが多くなり繁盛する。東京の吉祥寺などその
例である。
活性化には、複数の大型店を適正な位置に誘致するのが最もてっとり早い。
相模大野も一つの良い例で、駅とその先に伊勢丹があり、その間の商店はにぎわっている。
⑧建物構造
全国で見て、店舗面積はずっと伸び続けている。それに対し売上高は減っている。
17 年前と比べると店舗面積は2倍、売上は同等である。これはスーパーだが、ショッピングセ
ンターも同じことである。それでショッピングセンターはどんどん規模を大きくしなければ売上
がとれないのが現状である。
中心商店街も1店1店の売上は落ちている。これは様々な競合が出てきているためである。
⑨アプローチ、⑩ポイント規模
「物理的・心理的障害のないまち・店舗」が行きやすい、入りやすいところになる。
近いところにいる人は、便利だから、利用者になる確率が高い。10 キロ先に住む人を呼ぶこと
は難しいので、1キロから3キロの5分圏に集中して手を打つべきである。
商店街としては、来てもらう理由を作ってやらなければならない。商圏として、近い範囲を第
一優先で、まちの魅力の周知を始めるべきである。
【方向性】
(1) C/G、動線がほぼない状況である。これからつくらなければならない。
(2) 商店街にいる人が、自分たちが独創的に工夫できることがあるはずである。
(3) 郊外SCと同じもので勝負しない。勝負はできない。これは全国で同じことである。
違う角度を考えなければならない。
̶8̶
(4) 情報提供としてのインターネット活用。集中してやる場があれば良い。
事務局
大東先生の方から、商圏内の大型店の立地現況と競合状況を示す資料をいただいているので、
引き続き、商圏についてご説明いただくことにする。
大東
[資料③に基づき「大型店競合状況(周辺都市比較」を説明。以下要約]
周南市内での大型店との競合は比較的緩やかだったが、西友やサンリブの出店があり、大型店
問題は、むしろ隣接都市との関係である。
ところがこれに周南市内にロックタウンができ、さらに競合が激しくなっており、中心市街地
には一層厳しい状況になった。
磁石がほぼないまちというのは、全くないわけではなく、妥当な表現だ。磁石も相対的なもの
であり、それぞれの強弱や質によって変わってくる。それが徳山は弱くなってきている。
では磁石をどう再生するか。郊外店と同じものでは駄目だ。
商業地が広い範囲になっている。これをどうするかというと、相当強力な磁石が必要である。
大きな工業地帯があり、その居住者が多くおられると思うが、郊外へ行くか、ネット通販が増
えているのではないか。
ここのまちで懸念するのは、全国的に大型店の再編、閉鎖が続いていることだ。イオンなども
売上がダウンして店舗整理をしており、今売れているのは、しまむらなどのロープライス店にな
っている。そうした中、近鉄松下がどう考えているか、どう動くか気になる。
今後、磁石をどう、どの地域で再生するかが課題である。そして、その磁石はどのくらいの強
さのものか、どんな質のものか、ということになる。
商店街としての強みを生かせというのは簡単だが、実際はなかなか難しい。何か磁石が必要で、
どう回遊させるかを考えなければならない。
事務局
専門家お二人から、かなり詳細な商圏分析が提示されたが、それに対する感想、あるいは、そ
れをベースにした課題や取組の方向性などを、ひとりずつからご意見をいただきたい。
みなみ銀座商店街
活性化=売り上げということであったが、普段からイベントなどでにぎわい創出に向けて動い
ている。
まちの中の個店も、業種の違いなどいろいろあり、十把一絡げに捉えるのは難しいと思う。
最近は、3キロ圏内もしくは1キロ圏内に生鮮食品のアルクが店舗を出してきている。ますま
す、奪い合いという形になってきている。
商店街の動線の中で、大型店が1店舗でも2店舗でもあれば、道は開けるのかなと思うが、な
かなか現実的には難しい。
みなみ銀座商店街
郊外の大型店との対抗というのは関係ない。それよりも、アルクなどの中型店舗が近くに、し
かも歩いていける距離にできることのほうが問題だと思う。そうした中型店舗も商店街に一つぐ
らいほしいとは思う。
商店街の利便性ということでいえば、交通手段のない人に来てもらうということと、食の問題
など安全性ということ。また、やはり年配の方が多いので、健康に関するもの。そうした、物販
を作るということではなくて、
健康づくりや定住をしてもらうということが必要なのではないか。
また、どこかの県では、温浴施設を作っている。それは保険も利いて、いかに健康に過ごして
もらえるかということで、医療費を削減するという名目で作ったらしい。病院など健康的なもの
̶9̶
を誘致すれば、まちとしては他所と違う利便性を出せるように思う。
銀座商店街
磁石をどう作っていくかが、一番大事というか、それしかないように思う。
その磁石についても、商業ベースで大型ショッピングセンターを持ってこいという考え方では
何も前に進まない。それが不可能だからまちが衰退している。当然いろいろなリサーチの中で出
店する価値が低いから、全国でこういうことが起こっているということなので、それ以外に磁石
を考えていかなければならない。
そこで挙がってくるのが、医療であったり、公共施設であったりするのだが、中心市街地と考
えているところには、そういうものがない。そこを改善していくべきだ。
商業とどちらが先でもいいのだが、それに伴ってでしか再生は無理なのではないか。
中央街商店街
中央街では、市場を中心としながら再開発をしようということで、勉強会を 100 数十回開催し
ている。
しかし今鉄鋼材などが高騰して 40 億程度の計画であったものが、3割ぐらいあがって 50 数億
になってしまった。実現性が出てきても、そのときにすぐというわけにはいかないので、勉強会
は続けている。
お聞きしたいのだが、我々の計画は、市場を中心としながらマンションに居住を求めるものと
なっている。そういうものが本当に磁石になり得るのか。
中央街商店街
徳山のまちは戦後の区画整理で今の形になっている。それで現在にマッチしていないのだと思
う。
確かにイベントも必要だが、そのぐらいでは追いつかない。大きなことにも動いてみないと、
商店街は難しいのではないか。
中央街商店街
今お聞きして、将来の話はわかるのだが、この2、3年の話も考えていただきたい。
後継者問題、空き店舗問題、アーケードがあると必ず費用がいるという問題、組合があるとい
う問題。そういったことでなかなか人が入ってこられないという問題もある。
銀南街商店街
売り上げ第一、コアを作る、という先生方のお話をいただいたが、これだけでは無理だと思う。
全てが揃っていないと、我々商売人だけという計画では成功しない。
教育も福祉も何もかもあって、交通弱者の方がまちへ来たら、バスやタクシーといった移動手
段を使わなくても、一日過ごせる、ショッピングセンターのような機能を備えなければ。
例えば児童図書館であり、子育て支援センターであり、お年寄りの集う場所であり、いろいろ
なものが必要だ。そして初めて人が集うのであり、それによって商店街の通行量が増え、売り上
げも上がる。
確かにコアは必要だ。市長は公約で駅にコアを持ってくるといっているのだから、ぜひやって
いただきたい。
あとは我々が、商店街の我、商売人の我を出さずに、できるところは協力していくということ
で進めていくべきだと思う。
銀南街商店街
商店街のメンバーは、皆疲れ果てている状況である。だから磁石を自分たちで作るということ
は、まずあり得ない。唯一中央街が動いているが、隣にいるものとして非常に期待している。
̶10̶
それで隣でも何かしろと言われても、うちの商店街の過半数は何もできないだろう。うちの商
店街は、地下2階、地上5階の7層で使っているので、例えばそれを壊して作り直すというのは
まず考えられない。
徳山の場合は、マイナスの変化ばかりだ。ダイエーが駐車場になり、ニチイも駐車場になり、
中心では駐車場になるところが多い。中には新しい建物ができてくるところもあるが、やはりマ
イナスの傾向が高い。もう民間にはこれをプラスにするパワーはないと思う。
徳山で何か変えてほしい、何が変わるかといえば、合併の目玉である駅周辺整備事業というこ
とになると思う。これについてはいろいろな意見があり批判もあるが、これはやってみないとわ
からない。やる前からマイナスのことばかり言っても仕方がない。とにかく何かかわらなければ
ならないが、地元にそういうパワーは残っていない。
個人的に言えば、私も店を長くやっているが、ゴールをどこに設定すればいいのだろうかとい
うことを、実際にはもう考えている。
糀町通商店街
他の商店街とは平和通で隔てられており、もともと中心市街地という気持ちが弱い。しかし、
まちとしては何とか活性化をしていかなければという気持ちはもちろんある。
だが、今も言われたとおり、本当に足腰は弱っている。ここ 20 年売り上げはずっと右下がり
で、今まで考えられなかった状況にある。
全国的に見て、従来からあるところで、伸びている中心市街地というのは何%あるのだろうか。
我々は本当に今から生き残れるのか。生き残るとすれば、磁石・核の問題以外に特徴づけのある
まち並みしかないのではないか。
それに個店の特徴。それにはものを作れば一番いいのだろうが、我々にそうした力はないので、
よその店にはない、
お客さんの必要なものを持ってくるという気持ちで各個店が強くなっていく。
それとまち全体が特徴のある、例えば刺抜き地蔵などあるが、そうしたシンボル的なものを作り
あげる。
ここに来れば何らかの利点があるというものを作っていくしか、まちは生き残れないのではな
いか。
我々の店が果たして何年続けられるかなというのが現状だと思う。10 数年前ならまだ従業員も
いたし、自由に活動もできたが、今はそういう状況にない。
また、我々のような小さな店がなくなっていくと、非常に高齢化が進んでいる中で、果たして
日本の国自体が大型店だけで成り立つのか。小さな店がないとやはり困るのではないか、という
ことで危惧している。
ぴーえっちどおり
先生のお話で基本が大事だということを改めて感じた。
ぴーえっちどおりでも、理由付けを作るということで、各種イベントをやっている。個々の店
でもいろいろやっておられるが、どこも首の皮一枚というのが現状である。
勉強したいと思ったのが、理由付けを作ってあげるという方法、それと磁石について。
自分たちで感じてやっているのは、オンリーワンの店を作ろうということで、集まりのときな
どにも話している。一つの通りとして、 ぴーえっちどおりブランド というようなものができれ
ばいいということで、大きなものでなくてもソフト面でいいと思う。もうちょっと通り同士で風
通しが良くなれば、つながりができてくるのではないかと思っている。
事務局
中央街の方から、再開発施設が磁石になるかというお尋ねがあったが。
大友
そこに人が密度高く住むということは、プラスになると思う。ただし、夜間人口、昼間人口で
̶11̶
分けた夜間人口の部分の地元に対するお金の落とし方は人それぞれである。例えば高齢者の一人
暮らしであれば、ほとんどお金は落とさない。家族連れで小さいお子さんがいれば、それなりに
消費するのだが、車で郊外へ行って買い物を済ませるというパターンもある。本当に地元の商店
街に歩いてきて、買ってくれるかどうかというのはわからない。
事例としてはコンビニエンスの業態で、オフィスビルに働きに来る人 1,000 人で1日の売り上
げが 30 万円ぐらいである。コンビニエンスの平均日販は、メジャーなチェーンだと 45 万円ぐら
いである。
しかし 1,000 人働くビルの足元なら 30 万円ぐらい稼げるが、1,000 人の夜間人口では 30 万円
も稼げない。それは、家から出てくる、出てこないもあるし、出ても地元でということはないの
で。
したがって夜間人口のパワーは思っているほど強くはないというのが、私の考え方である。
ただ、100 世帯 250 人程度の計画ということで、もちろん0人とでは消費行動も違うのでプラ
スにはなるが、そんなに大きな期待はできないように思う。
オフィスを作って昼間人口を増やそうといっても、オフィスの需要がないと話しにならないし。
中央街商店街
ここ 10 年で、徳山から 300 社程度の事業所が撤退している。それにより就業人口が減ったと
いうことも、徳山の衰退に拍車をかけているのだろう。
大友
働く人がいると、ランチ需要は必ず起きる。会社帰りに一杯飲もうという需要も出てくる。
女性の就業率も高くなっているので、家に帰る途中で買い物をしている人も多い。これもオフ
ィスによる需要だが、そうした力が弱くなっているのだと思う。
それを復活させようと思っても、先ほどの皆さんのお話からすると難しいように思える。
今枝
前回事務局で用意したデータの中に、中心市街地にどのくらいの人が住んでいるのかというも
のがあった。
全国のいろいろな都市と比較してあるが、ここの場合は一番地価の高い近鉄松下当たりを起点
にして 600mの円を描いた。600mというのは、北は市役所のあたり、海はフェリーターミナルや
水産物市場、東は社会福祉センターの少し手前ぐらいのエリアで、約 100ha の範囲である。
周南の場合は、夜間人口が、平成 17 年で 4,921 人、人口密度は 43.5 人であり、これは確かに
低い。
一方で昼間人口は 1 万 5,000 人いる。この数字は他市と比較してみると、30 万から 70 万ぐら
いの中枢都市ぐらいの規模を持っている。確かに過去より事業所も減ったろうが、それでもまだ
これぐらい昼間の人口集積があるということだ。
夜間人口も少ないが、平成 12 年のデータと比べて9%増えているという実態がある。どこの
中心市街地も軒並み下がっている中で、10%近く増えているということは、潜在的な購買力はあ
ると認識されてもいいのではないか。
ただ、先ほど高齢者の単身世帯は購買力が低いとの話があったが、ここは単身世帯が 50%と非
常に高い。全国平均は 30%程度だ。また高齢者単身世帯比率は 15%あり、これは全国平均 10%
程度だ。こういうところで、どう消費を考えていくのかということだ。
結局は、まちなかの人口を増やしていくということが基本になってくるのかなと思う。もちろ
ん高齢者だけでなく、ファミリーも住めるような。そうするとマンションだけで本当にいいのか
なということになる。マンションは増えても、結局郊外に買い物に行くということでは同じこと
だから。
まちなか居住は、その住み方も含めて考えていかなければということだし、これは商店街だけ
̶12̶
でやっていける問題ではないという気がする。市の住宅施策に合わせて、商店街も対策を考えて
いくということだ。
事務局
本日は、消費者代表ということで、お二人の女性にご参加いただいている。生活者の視点で、
現在の中心商店街の問題点や課題、必要な取組等をお話いただければと思う。
母子保健推進協議会
消費者の立場として、こういうまちになったらいいなということで話させていただきたい。
この近辺に、おしゃれをして歩くまちがないと感じている。
大型店舗は、サンダルやスニーカーで行ける。しかし、女性には、ときにはおしゃれをしてシ
ョッピングをしたいという要望がある。
以前は、普段着では出て来られなかったように思う。それが今は普段着で行けるまちになって
しまった。
もう1点、私たちは毎年 10 月に動物園で子育てのイベントをしているが、そのときにはたく
さんの親子連れが来た。親子連れはたくさんいるのだから、それをどうやってまちでショッピン
グをしていただけるようにするのかを考えればいいと思った。
これは私の考えで、一つの例と捉えていただければいいと思うのだが、まず子ども連れでも行
けるおしゃれなレストランがほしい。女性の口コミというのは怖いものがあり、気持ちよく食事
ができた、おいしい、というのは本当に広がっていく。インターネット以上だと思っている。
もう一つ、独居や二人の高齢者は、ペットを飼うので、ペットも連れて行けるようなところが
あってもいいのかなと思う。
障害者が狭いところを通らなくても行けるようなお店もほしい。
先ほど回遊できるような四つの拠点を言われたが、こういったものがあれば回遊できるのでは
ないか。
ここをどこにもあるような商業施設のまちではなくて、特徴のあるまちにしなければ。
私たちは子ども対象の組織なので、考えているのは ぞうさん 、まど・みちおさん、である。
今はツヨシくんが前面に出ていて、オーパスさんが一生懸命に、ツヨシくん体操を作ったり、グ
ッズを作ったりされている。それももちろんいいが、ぞうさんが前面に出たまちづくりはできな
いものか。
専門家の方にお聞きしたいのだが、生き残っている、または生き返った商店街の事例はないだ
ろうか。
母子保健推進協議会
生まれたときから徳山にいるが、どうしてこんなに寂しくなってしまったのかと、不思議でな
らない。
なぜこうなってしまったのかは、一つは駐車場問題だと思う。
また、何をやっても中途半端だと思う。子育ての面からいくと、何箇所か子どもとホッとでき
る場所が作ってある。駅ビルの中にもあるが、全然魅力を感じない。ただ作ればいいのではなく、
思い切ったことをしなければ駄目だと思う。そこに保健師や保育士が常駐するなど、素敵な環境
があると違うのではないか。
人的には、周南市には母推もいるし、そろっている。あとは環境さえ整えばできあがる。他市
では、環境は整っているけれども、人的に欠けるという問題があるのだが、ここは逆である。ゆ
とりある親子のスペースなど、わざわざでも行こうという魅力ある場所を作るといい。
現在は、駐車料金を払って、まちに来なければならない。駐車料金を払ってまで、ただ広いだ
けのスペースに来るかといえば、ほぼ0人に等しいぐらい人は来ないのではないか。
やはり駐車場は問題なので、思い切って2時間を無料にしてはどうか。試験的にでも、2時間
無料になればどのくらい人が戻ってくるのかはやってほしい。そうすればわざわざ行きたい魅力
̶13̶
ある店もまだある。
私が年に何回来ているかと考えると、去年は6回しか来ていない。なぜそうなったかといえば、
今までなかったサンリブができたり、西友ができたりということがあるのだが、それにも飽きて
きたところもあるので、やはり商店街に戻ってきつつあると思っている。
ヘルパーの仕事をしているので、年配の方にも聞いてきたが、大型店には何でもあるという魅
力はあるが、広すぎて、求めているものがどこにあるのかわからないので、探すだけで疲れてし
まうということであった。商店街は最初から目的を持って出かけることができ、ほしいものがす
ぐに求められる。それに、いつも同じ人がいる、ということもおっしゃった。そこに行けば良い
接客をしてくださるということなのだろうと思った。
いまだにニチイやトポスがあると思っている方もたくさんおられ、
「ニチイで買い物してきて
くれ」と言われることもある。
先日、動物園でのイベントの際に思ったのだが、せっかくツヨシくんのことも宣伝効果のある
ものとして考えておられるのに、ツヨシくんのイベントのことも直前になって知った。商店街で
も頑張っておられるのに、それが市民に伝わってきていない。せっかくいいアイデアを出されて
いるのだから、それが枝分かれをして、多方面に情報として流れていけば変わっていくのではな
いかと思う。
筒井
大友先生のお話にあったが、郊外と同じ機能で勝負しないということ。要は、中心市街地と郊
外を対立軸で見るのではなく、顧客に選択してもらうということだと思う。
よく、ある地域と競合する場合には、そこに行かせないようにするという発想に立つ。それは
やめたほうがいい。顧客に自由に選択してもらい、郊外のショッピングセンターに行くなら行っ
てもらえばいい。それは、それなりの理由があるから行くのだから。
そのためには、郊外と同じ機能を持たないと勝負にならないというような、ややあきらめのよ
うな気持ちを持たれないほうがいい。一言で言えば、ポジションを替えようということである。
マグネット論についてであるが、マグネットは必ずしもハコではない。ソフトのネットワーク
やそういうものが融合すると、それがマグネットになる。
先ほど、いろいろなものが融合されなければならないとの意見があったが、これはまさにその
ことである。商業だけではなく、いろいろなものが十分連動した形にならなければ磁石にならな
い。磁石にもいろいろな形があるという概念に立つべきだ。
かなりあきらめに近いところに行きがちだが、それをもう一回見直してみたほうがいいという
ことだと思う。
昼間人口の話しもあったが、1 万 5,000 人の中には、海岸沿いのプラントの方が多いのではな
いか。しかしこれは非常に大きな狙うべきターゲットになると思う。というのは、今回ホテルを
探すのに、ほとんど取れない。企業の関係者でホテルは一杯だということであった。
新幹線で来ればわかるが、そういう拠点がここにはある。
商店街を活性化するには、何かを作らなければという発想をしがちだが、そこはもう一度発想
を変える必要がある。
うまくいっている商店街はあるのかという質問があったが、 中心 商店街に限定しないほう
がいい。活性化した商店街というのは幾つかある。そうしたところも、一つの施策で活性化して
いるわけではなく、いろいろなものの組み合わせによって相乗効果を出している。これも先ほど
のご意見にあったとおりである。
まちなかにいかに居住してもらうか、それによってということもあるし、長浜のようにある名
物を作るということもある。これは大変な努力が必要だが、その発想を捨ててはいけない。周南
市の名物探しをしながら、やっていかれるのがいいと思う。
完全に蘇った商店街というのはなかなか見られないが、その傾向にあるのは、いろいろな要素
を組み合わせる編集力があるところである。
̶14̶
大友
私のアイデアレベルであるが、キーワードの一つとして、デリバリーもあると思う。
今、セブンイレブンが、実験的にやり始めている。おそらく 10 年後、20 年後を見据えてやっ
ているのだと思う。
高齢社会であるが、高齢者といっても元気な高齢者もいれば介護の必要な方もあり、いろいろ
なレベルがある。市街地の高齢者の比率も見なければならないと思うが、商店街全体としてデリ
バリーに取り組むことも、すぐにできる機能の付加かなと思う。
1点、1点、電話やFAXで受けることになると思うが、1件、1件が配ったら非常に効率が
悪い。
だから配る人を商店街全体で雇ってしまえばいい。
売り上げの1%なり2%なり5%なり、
決まったものをデリバリー会社に払えばいい。ここのまちは商店街の近くのこの範囲だと、高齢
者にはすごく暮らしやすいというイメージも作れる。
あと、競合店にない機能としては、エコやリサイクルということがキーワードとしてあると思
う。生鮮産品などはリサイクルできないし返品になっても困るが、衣料品や自転車、家具など買
回り品をリサイクルするまち。
持ち込んだものは必ず引き受けてくれる、要は家庭のリサイクルは、買取拒否ということが一
番嫌だし怖いのだから。持ち込んでも、これはもうボロボロだから引き取れませんということに
なると、持ち帰らなければならない。古本にしてもそうである。
ところが全国的に成功しているチェーン店の「まんだらけ」というリサイクルショップでは、
買取拒否がない。古本屋は買取拒否があって初めて成り立つ商売だったのに、なぜ買取拒否がな
いのかというと、重い本を持ってきたお客様がまた持って帰らなければならないという理不尽さ
を味わったからである。古い漫画本は海外へ送ったのだが、日本の漫画本は日本語のままでも東
南アジアなどでは売れるという、そういうニーズがあった。
衣料品関係の業者ではアフリカへ送っておられる。そういうルートを周南市で作るのは難しい
が、海外で1円でも引き取ってもらえれば、そこで設けなくてもいいのだから。自分の店で売る
ことができるものは、自分でリサイクルしていくという、リサイクルのまちというのも今後いい
のではないか。
こうしたことがまちの特徴づけにもつながっていくのではないか。
大東
現在の消費者は、生活をいかに楽しむか、どうすれば楽しむことができるかということが大き
な関心事の一つである。
そうなると、商業者、物販店、サービス業も、あるいは郊外の大型店も中心市街地の商店街も、
生活を楽しんでいただくいためのお手伝いという考え方が基本であろうと思う。お手伝いの仕方
が店によって異なる、あるいは商店街全体としてもアイデアを考えていくということである。
先ほど女性の方から、子ども連れで食事できる場所やおしゃれして行けるまちという話があっ
たが、まさに生活を楽しむということにほかならない。
日南というまちに、日南商店街というところがあって、寂れてしまっているのだが、広い喫茶
店1件にだけ、女性がたくさん集まっている。小パーティーでワイワイガヤガヤとやっているの
だが、そうしたことをしやすいように工夫を凝らした喫茶店である。それでその喫茶店のまわり
だけ、何店舗か潤っている。
そういうことをベースに置いていかれれば、考えを集中していけるのではないか。
冷たい言い方になるのかもしれないが、日本国中、商店街の商店は減ってきている。これは高
齢化してもうできなくなったということがあるのだが、これは幸せな廃業だと思う。幸せな廃業
はこれからも続くだろう。
問題は、子育てをしなければならない、資産形成をしなければならない、そういう年代の商業
者が、業績が上がらず借金が増えてという状況があることで、これは悲劇である。この不幸な廃
業の方に対してどうしていくか、そういう方々がどう頑張っていくか。商店街問題で、この問題
が一番大きいと私は思っている。
̶15̶
事務局
お時間がきましたので、これで終了させていただきます。
次回が最終回になるので、ある程度の方向性なりヒントが見つかればと考えている。次回もよ
ろしくお願いします。本日はありがとうございました。
̶16̶
(2)第2部 実施結果
1)実施要領
①実施日時
平成 20 年 10 月 16 日(木)13:00∼15:00
②場所
徳山保健センター3階会議室
③出席者
・専門家
今枝 忠彦
株式会社都市計画設計研究所 取締役
大友 恒生
株式会社ディー・アイ・コンサルタンツ
大東 行人
株式会社商業開発研究所 代表取締役
・オブザーバー
松井 恵 中国経済産業局産業部産業振興課流通・サービス・商業室
・まちづくり関係者
佐野 弘
建築士会徳山支部
河村 知行
(株)曽呂利
河村 峰子
銀座商店街
大山 政男
中央地区社会福祉協議会 会長
西村 敏郎
徳山医師会
山上 雅弘
(株)トクヤマ総務グループ 主席
福原 和子
ふるさと応援隊
村田 英範
ふるさと振興財団
藤田 俊雄
防長交通株式会社
常務取締役
西崎 博史
文化振興財団
・周南市役所関係各課
土井 節
経済部商工観光課商工係長
上野 貴史
経済部商工観光課商工係
野満 寛
経済部動物園副園長
長廣 悦伸
都市開発部都市計画課計画係長
石田 勝巳
都市開発部都市計画課計画係
有馬 善己
総合政策部企画課
桑原 勝志
建設部住宅政策課
野崎 俊明
健康福祉部福祉介護課主幹
平木 秀夫
中心市街地整備室次長(活性化担当)
木佐谷 進
中心市街地整備室次長補佐
兼重 博行
中心市街地整備室整備担当主査
丸子 一郎
中心市街地整備室活性化担当
井上 達也
中心市街地整備室活性化担当
・事務局
筒井 光康
株式会社ソフトクリエイション 代表取締役
三浪 伸夫
株式会社ソフトクリエイション 研究員
④議題
1)周南市の中心市街地について(話題提供)
・第2回意見交換会の議論要旨
・周南市の商圏分析
̶17̶
・周南市の中心市街地の特性
2)意見交換会(まちづくり関係者と専門家による議論)
・中心市街地のまちづくりの方向性について
・総括、今後の議論に向けての課題提案(専門家)
2)実施結果要約
①周南市の商圏分析について
資料に基づき、専門家・大友氏より説明。第1部と同じ。
②周南市中心市街地の形成過程とまちの成り立ちについて
・ 資料に基づき、専門家・今枝氏より説明。
・ 明治、昭和、平成と、時代とともに形成されてきた中心市街地の変遷が地図で確認できる。江
戸、明治に宿場町、軍需産業でまちとなり、戦後の復興期を経て、製造業の経済力を背景にし
た中心商業地や都市機能の集積が進んできた。
・ 本日の議論の切り口として、マトリックスを用意した。住む・働く・遊ぶ・学ぶ・移動すると
いう5つの都市機能を、現況・改善目標・そのための方策という3つのフェイズで議論したい。
③意見交換
商業活性化に向けた今後の取組の方向性について、専門家との意見交換を行ない、下記のよう
な意見が交わされた。代表的な意見のポイントを要約した。
・ まちなか居住の動向としては、中心市街地内における分譲マンションの増加が指摘できる。お
かげで定住人口が増えたが、それが商店街の需要に結びついていない。小さな子どもを持つフ
ァミリー層と、郊外に居住していた高齢者層が、戸建維持が大変になってまちなかへ住み替え
る、そういう二極化が起こっている。ここ数年は、増加傾向だったが、今回の景気悪化で、い
ったん途切れるはず。ただ、長期的に見れば、高齢化社会の進展にともない、まちなか居住へ
の回帰は継続し、人口が増える可能性は高い。まちなか人口増というせっかくの好材料を生か
し、需要に応えられる商店街になっていかないとだめ。
・ 商店街の景気がよかった頃は、銀南街商店街の共同住宅のように、従業員向けの住宅を上部に
設けた商店街が作られた。職住が近接した、まちなか居住の先進事例だった。
・ まちの就労人口の動向は、周南支店が減少傾向にある。ここしばらくはコンビナートの景気回
復で、いったん盛り返していたのだが、周南支店を統廃合して、新山口駅地域に集約される傾
向にある。昔から、周南エリアは、山口県でも知名度があるので、
「支店を持つなら交通も便
利な周南市」という対外的イメージづくりが大切だ。
・ まちなかの回遊拠点となるマグネットづくりだが、商店街を更地にして、一から作り直すなら
可能だが、それができないなら、現実的ではないと思う。病院などの集客施設を、場当たり的
に作っていくしかない。
・ 中心商店街は壊滅的な状況で、半分以上の個店が、どうすればいいのか悩んでいる。駅周辺に
マンションができているが、分譲マンションの住民は離れない。20 年たつと高齢者となり、商
店街の顧客になる可能性が高い。だから今以上に買い物施設が必要になる。今の商店街では、
子どもの下着を買える店がない、蛍光灯も買えない、ほうきを買う店もない。生活必需を扱う
̶18̶
小さなショッピングセンターがあればいいのだが。新幹線駅があり、マンション建設もあり、
まちなか人口はこの先も減らないのだから、最低限の商業施設を維持するのは商業者の役目。
商業者が腹をくくってやろうとすることを、どれだけまちが応援できるのかがポイント。
・ まちなかには、消費の需要はあるのだが、それを満たす施設がない。掘り起こすには大がかり
な建物のコンバージョンが必要。経済成長期なら投資もできるが、今は時代が違う。それが悩
み。今、徳山大学では積極的に留学生を受け入れているが、彼らはバイトができるまちなかの
ワンルームを好む。そういう側面を捉えても、来街促進、定住促進は図れる。商業も対応すれ
ば活性化になる。
・ 銀南街は 40 年前に建てた、店舗と住宅が合体したビルだが、最近息子夫婦がまちなか回帰で
戻ってきたので、大幅にリフォームをした。若者たちも、職場に近く便利なまちなか居住を見
直している。
・ 安全安心でコミュニティの統制がとれている点を強みにして、まちなか居住を促進すべき。郊
外の病院関係者が、まちなかに高齢者マンションを作りたがっている。ひとり暮らしの高齢者
にもやさしいまちなかを形成すれば、そういった投資も促進される。住宅も次々建つ。商業は
人が増えればなんとかなる。大がかりな再開発で、商業施設がほしい。
・ 郊外に暮らす同世代の知人が、
「高齢者になったら持ち家を処分して、中心市街地に中古マン
ションを購入してまちなかで暮らす」と話していた。これからは、そういう逆パターンもあり
だと思う。便利で快適安心に暮らせるまちなかは、高齢者に便利。生活するには、近くで買い
物できる施設が必要になる。
・ イメージ的には、まちなかにしゃれたレストランはないと思っていたが、雑誌などで見ると、
民家を改装したようなしゃれたレストランが結構ある。市民にそうした情報が入ってこないの
が残念。年配世代への情報発信が大切。散歩がてら楽しめる大人のまちを作るべき。商店街が
郊外大型店に太刀打ちはできない。そうではない生き方を摸索すべき。商店街の人からはネガ
ティブな意見が多いが、もっと前向きに、自助努力をして、活性化に取り組んでほしい。
・ 駅ビルで働いているので、中心市街地で住みたいと思っているのだが、家賃が高く断念してい
る。地価がもっと安くなれば、若者も住むのではないかと思う。
・ 駅前でイベントを開催すると 400 人程度は集まるが、その効果が駅で終わり、まちなかまで回
遊までしない。
・ よく若者が、自転車やスケボーをアーケード下でやっている。広場あればいいと感じる。
・ 郊外と駅周辺を結ぶ通勤通学バス便は充足度が高い。昼間便は、買い物客が多かった以前は充
実していたが、今は採算が取れない。中心市街地の活性化あれば、それなりに充実はさせるが、
いまは充足している。
・ 昼間人口が 1.5 万人もいるが、この消費をいかにつかまえるかが大事。現状は、会社帰りに商
店街は閉店しており、買い物ができない。山口市に井筒屋がオープンしたが、近隣の商店街で
はマップを配布していた。特色のある個店、10 店舗くらいを、店主の写真入りでPRしている。
当地でも、郊外居住者向けにPRツールを作ったらどうか。
・ 郊外と駅周辺を結ぶ通勤通学バス便は充足度が高い。昼間便は、買い物客が多かった以前は充
̶19̶
実していたが、今は採算が取れない。中心市街地の活性化あれば、それなりに充実はさせるが、
いまは充足している。
・ 昼間人口が 1.5 万人もいるが、この消費をいかにつかまえるかが大事。現状は、会社帰りに商
店街は閉店しており、買い物ができない。山口市に井筒屋がオープンしたが、近隣の商店街で
はマップを配布していた。特色のある個店、10 店舗くらいを、店主の写真入りでPRしている。
当地でも、郊外居住者向けにPRツールを作ったらどうか。
・ 文化会館、市民館、美術博物館、郷土資料館の4施設を運営しており、この文化ゾーンだけで
年間 70 万人の集客がある。来街者の滞在時間をなんとか増やしていきたい。昭和 57 年のオー
プン以来 26 年間、文化会館を運営しているが、利用率は 50%あり、ホール事業のチケット収
入で独立採算を果たしている。年間 100 以上の公演があるが、最近はソフトが追いつかない。
さらに強みを発揮するために、もっと投資をしたい。地域芸術愛好家とのコラボもしたい。ホ
ールの公演情報誌をホテル、レストランに配布して努力している。近隣のレストランからよく
電話があり、公演の終わる時間を確認してくる。その時間に来店する客を狙っているわけだが、
商店街でも集客施設の客を利用できるように連携して、資本投下をしてほしい。お互いの役割
分担で、協力できることはもっとあるはず。
・ 会館の悩みは駐車場。お昼は動物園客で満杯なので、ホールの公演は夕方から開演するように
指導している。土日の昼は動物園、夜は市民ホールという集客施設の特性を生かし合う努力を
している。
・ 商店街は店の魅力づくりが大切。地方でも独自性、質の高さ、商品知識を持っている店は客が
ついている。そこ行けば情報が得られるプロのお店は強い。
・ 動物園の目標はシンプル。いかに多くの来園者を獲得するか。中心市街地から距離にして
1.5km。年間 30 万人の人が訪れる。そういう人たちを、いかにしてまちに回遊させるかが課題。
いま施設のリニューアル調査をしている。リニューアルで年間 50∼60 万人の来園者を目標に
したい。集客効果でまちに寄与できれば良い。
・ 一人暮らし高齢者は、まちなかに 630 人いる。高齢者はクルマなく、遠くには行けないので、
中心部にいても買い物、娯楽が楽しめないといけない。大きな商業核があれば良いが、それが
だめなら医療も含めて、小さなスーパーでも良いから誘致すべき。
・ 定住人口を増やすことが大切。郊外へ出て行った人に、もう一度戻ってもらう。人口の集積を
進める意味でも、住居を併設した中央街の再開発プランは、選択肢の一つ。3世代が住めて交
流もできる、医療・福祉介護施設も併設したような施設が良い。昔は再開発というと、ホテル
やSCが多かったが、今は地方でも高齢者賃貸住宅が増えている。
・ 回遊性を強化するためには、まちなかを走るぐるぐるバスがほしい。ローステップの小型バス
でいいので、郊外の基幹病院と徳山駅とをダイレクトに結んでほしい。ユーザーには駅にいっ
たん集まってもらい、そこから直行便を出せば利便性も高まる。
・ 動物園は周南市の顔だが、熊のツヨシくんは、案外知られていない。もう少しPRすべき。リ
ニューアル時には、快適なカフェで珈琲を楽しみながら動物が見れるような施設がほしい。ブ
ランドも大事なので、スタバのようなおしゃれなカフェを誘致したい。
・ お土産施設としては、宇部空港が良い。電子マネーもあり、エディが使える。徳山駅にもぜひ
̶20̶
導入して、消費を拡大させるべき。
・ 医療関係者は以前、まちなかに住んでいる人が多かったが、今は広島から出張してくる。家賃
が高いから離れていった。大手企業が使えそうなオフィスビルは、大同生命ビルくらいしかな
い。ビジネスホテルも繁忙期には圧倒的に少なくて、予約がとれない。整備すべき。
・ 徳山駅の利用者は 1 日 1.4 万人、年間 350 万人が利用している。まちなかの中心施設として、
土産物や買い物ができるように駅北側の整備が必要。現状は、何があるかわからない。マップ
やサインもわかりづらい。駅の南側空間も上手に利用してほしい。コーヒーや軽食があれば便
利だが、今は少ない。土産物や特産品を置いて、地元客も買い物したくなるようにする投資が
必要。
・ 出張者はよく「瀬戸内の魚はうまい」という。東京にない特産品。駅の南側 600m圏内に魚市
場があるが、行ってみても何もない。ぜひ観光客や出張者に対応した直売所を設置してほしい。
活性化になる。
・ 青年会議所では、まちづくり活動で中心市街地に活力与えよう、貢献しようというコンセプト
で取り組んでいる。6月に周南ウオーキングを企画した。日本ウオーキング協会の認定を取れ
ば、全国からの来街が促進されるので、来年はぜひ認定を目指したい。新幹線の広域集客機能
を活用し、口コミで集客を広げたい。商店街と企業が連携して、まちの活性化を進めたい。
・ まちづくりの素材が数多く出された。これらをどう編集するのかが大事。まちなか居住が一つ
のポイントだった。高齢者になったときまちに住みたいまちという視点は良い。高齢者が快適
に暮らせて、退屈しない時間消費ができる、アクティブさがキーワード。そのために何が必要
か、受け皿づくりがいる。ハコモノだけでなく、いままちにある既存の物を編集する発想を大
事にしてほしい。まちなか居住したくなる人をもっと増やす、魅力づけが一つのポイント
・ 美術館、文化会館など、文化のトライアングルゾーンに年間 70 万人もの人が集まっているの
に、効果的に外にPRできていないのは残念だ。周南市の魅力を掘り起こし、効率的に内外に
知らしめることが2つめのポイント。
・ まちと人の関わりをどう深めるか、どう関わり合っていくかが重要な課題。駅南側空間を瀬戸
内の新鮮な魚市場にしようという発想は良い。
・ 動物園にスタバをというアイデアは楽しい。東京から人が来るかもしれない。そのほか、周南
市には、魅力的な施設いろいろある。市街地にこれだけあるのは珍しい。まちなかは市民のた
めのもの。そこを魅力的にするために、資源を投下するという趣旨で活性化に取り組んでほし
い。
̶21̶
これらの意見をまとめると、次のような課題が指摘され、確認された。
① まちなか居住の促進がまちに活力を与え、商業活性化にもつながる。
② 郊外生活者も高齢化したら、都心のマンション暮らしをしたいと思っている人が多い。そうい
うアクティブな高齢者が快適に歩いて暮らせる、時間消費も楽しめる大人のまちを形成するこ
とが課題。
③ 銀南商店街の共同住宅はまちなか住宅の先進事例。
コンバージョンで若年世代を呼び戻す施設
にも転用できる。
④ 就業者を中心としたまちなかの 1.5 万人の昼間人口需要を、消費に結びつける工夫が必要。
⑤ 文化ホールを中心とするトライアングルゾーンは年間 70 万人を集める集客核。創意工夫でま
ちなか回遊を促進させ、商店街活性化を。
⑥ 動物園のリニューアル計画をまちなか活性化の起爆剤に。
⑦ 高齢者対応の医療・介護施設、住宅などを再開発の目玉に。
⑧ 駅周辺に魚市場、土産物産館などを整備して、観光・出張客に対応。
⑨ 周南市の魅力を掘り起こし磨いて、内外に効果的情報発信すべき。
̶22̶
3)第2部議事録
事務局
平成 20 年度診断・助言事業第3回意見交換を始めさせていただく。
本日は、マーケティングの専門家である大友先生に、周南市中心市街地の商圏分析と取組の方
向性をお話いただき、その後、議論を行いたいと思う。商業部会では時間をかけてのご発表をい
ただいたが、本部会では、ショートカット版でご説明させていただく。
(資料1に基づき説明)
何かあれば、事務局の方までご質問をお願いしたい。
大友
資料②に基づき「周南市の商圏分析について」を説明。第1部と同じ。
事務局
それでは次に、今枝先生がご用意くださった、中心市街地形成の経緯がわかるマップのご説明
をいただきたい。続いて、本日の議論を活性化するための素材として、
「中心市街地のまちづくり
の方向性について」という表をご説明いただく。
今枝
[資料③④に基づき「周南市の中心市街地形成について」
「中心市街地のまちづくりの方向性に
ついて」を説明。以下要約]
【周南市の中心市街地の変遷】
宿場町、城下町として発展してきたところに、鉄道が入ってきた。そして海に煉炭製造所、後
の海軍燃料廠が入ってきた。これが原形である。
戦災復興の区画整理事業で、都市基盤が整備された。さらに、工業整備特別地域として工業都
市を形成、また徳山駅を中心に県下一の商業集積を形成した。
現在は2号線整備やこれに伴う市街地拡大により、中心市街地の空洞化が起きてきた。
原型図からは、市街地を構成するものとして、道路や鉄道、行政施設、学校、娯楽施設、寺社、
工場、病院などが読みとれる。
また、
「街」として描かれた戦前の徳山市街地図からは、街を構成する施設として、行政施設、
業務施設、市場、教育施設、寺社、娯楽施設、駅や港などが見られる。ただ、病院が描かれてい
ない。
こうしたことは、これからのまちづくりにも、参考になるのではないか。
【現在の中心市街地】
資料③4ページについて。地価の一番高いところ、近鉄松下あたりを中心とした 600mの圏域
が実線で入っている。これが 100ha になり、中心市街地圏の一つの目安になる。
平成 17 年度データで、この 100ha 内に約 5,000 人が住んでいる(夜間人口)
。人口密度は中心
部としては比較的低い。
昼間人口は15,000 人超。
15 万から20 万人の都市の平均は、
夜間人口7,000
人、昼間人口 8,800 人であり、周南市の昼間人口は 30 万人から 70 万人都市に近い。
高齢者の単身世帯は 15%と、全国平均 10%に比べて非常に高い。
昼間人口と関係するが、事業所数も 30 万から 70 万都市に匹敵する。
ポテンシャルはあるといえる。
破線は駅を中心とした 800m圏域。徒歩 10 分程度の圏内である。
ここには市役所や図書館、裁判所、フェリー乗り場がある。
中心市街地はどのエリアになるのか、考える際の参考にしていただきたい。
資料④では、まちに期待される機能を挙げている。
例としてまちなか居住や事業所、遊び場などあるが、こうした機能の現状把握をしなければな
̶23̶
らない。
現状把握から、魅力のある「まち」とは何か、期待されている、必要な導入機能は何か、とい
うことになる。
また、
「まちの編集」ということで、例示にもあるが、どのように考えていくかということ。
挙げてある機能全てがなければならないわけではないし、例示にもこだわる必要はない。いろ
いろなご意見を出していただきたい。
事務局
それではこれから、意見交換を始めたい。今枝先生が提供してくださった、このまちの機能、
編集についての資料をベースに、議論を展開できたらと考えている。中心市街地活性化に必要な
取組の方向性などを、ひとりずつご発表いただきたい。
建築士会徳山支部
現状のまちなか居住の動向だが、一時期に比べると、中心市街地に分譲マンションが増えてき
ている。定住人口としては増えてきているのではないか。
ただ、それがまちなかの商業関係の需要には直接結びついていないような気がする。
分譲マンションの入居者層は、主には比較的年齢の若いファミリー層、あとはもともと郊外に
住んでおられたお年寄りがかなり多いように聞いている。その2つの層が市街地周辺には増えて
きているのだと思う。
現在の景気の状況から、マンションがこれからもどんどん増えるというわけにはいかないだろ
うが、将来的には中心部に近いところに増えていく可能性は高い。そういう人口が増えるという
傾向はあるだろう。せっかく増えた人口を郊外に引っ張られるのではなくて、商店街に来てもら
えるようになればいいと思う。
事業所も一時減ったが、ここのところコンビナートの景気が良かった関係で、かなり盛り返し
てはきている。ただ、やはり全体的に集約していくという関係があって、山口県の中では新山口
駅前に集約される傾向が強いため、
周南支店は減っていくという部分もある。
周南市というのは、
山口県の中でも知名度のあるほうだと思うので、
「山口に支店を出すなら周南市」という、対外的
なアピールがればいいのではないか。実際には周南市のほうが便利だという声もあるので、事業
所の転出を食い止める施策があってもいいのではないか。
今枝
マンション以外にそういう需要はないのか。個別の住宅の建替えや小さな共同化など。
建築士会徳山支部
なかなかそういう動きはない。
昔、商店街の景気が良かった時代は、商店主が共同で共同住宅を作ったりという動きもあった
ようだが。
銀南街も上は共同住宅になっている。地下は丸和が入っていて、1階、2階は商店街で、3階
から上が住宅で、かつては商店主や従業員が住んでいた。今はほとんど賃貸に出ているが。
新規の物件はほとんどなく、古い物件が多いため、家賃も安く、単身の高齢者などの層が多い。
今枝
コンバージョンや改修などはどうか。
昨日若宮町で見つけたのだが、西京銀行の古いオフィスビルの1階部分をきれいにして、ブテ
ィックになっているところがあった。そうした動きが出てきているのかなと思ったのだが。
建築士会徳山支部
̶24̶
目立った動きはないと思う。
商店街から少し出たところに、古くて安い物件に、新しいテナントが入るということは見られ
るが。美術館へ行く通りの桜並木から一本入ったあたりなど、民家を改修されて、口コミで流行
っているところも結構ある。
徳山商店連合協同組合
中心市街地の活性化は売り上げを上げることだと言われたが、全くそのとおりだと思う。
マグネットを持ってくるとかいう話もあるが、中心市街地を一度更地にしてまちを作り直すと
いうのなら可能であろうが、あまり現実的ではない。病院など含めた集客施設は、個別に当たっ
ていくしかない。言葉は悪いが場当たり的に行かないと不可能だと思う。
それよりも、午前中に商業部会の方々が話をされたのだと思うが、今はもう徳山のまちで商売
をされている方は皆死に物狂いというか、
半分以上は来年店を閉じてもおかしくない状況である。
それをどうするのかということのほうが切実だ。
好材料としては、駅の周りにマンションがたくさんできている。もう新しくはできにくいのか
も知れないが、現時点で多くあると思う。
私のいるマンションもそうだが、20 年経つと、マンションで子ども会を組織するのが難しくな
る。要するに老齢化するということだ。しかし購入しているので、なかなか離れない。そうする
とまちで買い物をするしかなくなるので、好材料だと言いたいのだ。
そうなれば、今以上に最低限の買い物をする施設がまちの中に必要になる。現状では足りない
し、このまま放っておけば、更になくなっていく。子どもの下着を買うところがないとか、蛍光
灯を買うところがない、ほうきを買うところがない、そういう状況である。
個人的には小さめのショッピングセンターが一つあればいいと思う。これには反対意見の方も
多いだろうが。
このまちには新幹線もあるし、マンションもたくさんあるし、ある時点からは人口は減らなく
なると私は思っている。最低限の商業施設を維持するのは義務だと思う。これだけマンションを
作って、周南市の良かった時代を見せつけて、後で没落したのでは、マンションを買った人たち
は情けない。だから何とかしたい。
問題は、午前中の人たちが、やるからには腹をくくってやらなければ仕方ないのだが、まちが
それにどれだけ応援できるのか。結局まちは行政で、行政は市民の方の意見を聞くのが仕事だ。
私が聞いていても、郊外に住んでいる一般市民の方で、まちの中に金を突っ込むのは嫌だという
方と、やはり周南市の顔だから駅前にはそれなりの活性化策があってもいいという方、両方おら
れる。
これはどちらかにしないと。私個人としては、商売人のためになることをするのは不愉快だと
いうことがわかっていても、やるべきだと思っている。でも民主主義だから、皆が嫌だといえば、
それを無理に押す気はない。その辺も、どこで意見を集約するのか。この午後のまちづくり部会
があるということは、そういう意見も話されるのかなと思っているのだが。
銀座商店街
当然、商業部会の方々の意識改革も必要だと思うが、こうして市でいろいろな形で集めていた
だいて議論をするということは、積極的な推進につながっていくと信じている。
不動産でも、まちなかの需要はけっこうあると思う。ただ、需要を満たすような施設、商売を
しようとすれば広さ、設備、賃料などの部分で、なかなか決めづらいということが潜在的にある
ということは認識している。
そうした需要を掘り起こすためには、かなり大掛かりな建物ごとのリニューアルが必要になっ
てくるのではないか。それが、今から伸びる高度成長期ならどんどん投資もできようが、今はそ
ういうこともできないなど、いろいろな悩みを皆さんが抱えているところではないだろうか。
徳山大学が郊外にあるが、最近は定員割れということもあり、中国からの留学生なども多く来
られている。学校が近いから、住むのは郊外のほうがいいのではないかと聞くと、アルバイトを
̶25̶
するのにまちなかがいいということである。飲食店やコンビニエンスストア、スーパーマーケッ
トでのアルバイトが中心と聞いている。
これからも海外の方がいろいろな目的で日本に入ってこられるだろうし、特に港町であり、工
業もあり、しかも大陸に近いということになってくると、外国の方がもっとオープンに来られる
ようなまちを目指すべきではないかと思う。そうすると、商業もまた違った視点で需要が出てく
るのではないか。
先ほど言われた1、2階が商店、上が住居になっている銀南街に、私もできた当初から5年ぐ
らい住んでいたのだが、このたび息子夫婦が、まちなかに近いほうが働く場所も近いし便利だと
いうことで、大改装して住むようになった。
これから子どもが行く学校やコミュニティのことが気になるのだが、聞くところによると、ま
ちなかは非常に安全とのことだ。よくコミュニティの統制が取れているような気がする。そうい
う部分を一つの強みにしていけばいいのではないか。
もう一つ需要ということであるが、郊外に出られた病院関係者に聞いたのだが、老人介護マン
ションをまちなかでやりたいのだが、なかなか怖くてできないということであった。
また、県内でも大きい都市である徳山に、一人暮らしの老人が安心して住める高齢者用のケア
マンションが見当たらないということも聞く。もう少し一人暮らしの老人にもやさしいものをま
ちなかに誘致するとかするといいのではないか。
人が増えれば、また人が動けば、商売人がいろいろな手を考えて、あるいは現在の商売人に元
気がなければ、新しい商売人が入ってくれると思うのではないか。
1戸1戸、個店の体制で見れば、間口が狭くて奥行きが長いとか、限界に近いような商業施設
であるようにも思うので、そこは何か大掛かりな施設を作る必要もあるのかと思う。
ふるさと応援隊
同世代の友達と話したのだが、定年退職したら持ち家を処分して中心市街地に中古のマンショ
ンを買って住もうと思っている、ということであった。
テレビなどでは、定年退職したら田舎に来てスローライフを送るというのを盛んにやっている
が、その逆のパターンもあるんだなと思った。そのほうが、歳をとっていく自分たちにとっては、
便利で安心、快適に暮らせるのではないかということだ。
そういう人もたくさんいらっしゃると思うので、これからそういうニーズも出てくるのではな
いか。マンションにそういう人が入ってくると、やはり生活に必要な物は近くで買いたいという
ことが当然出てくるので、生活必需品が手近に買えるようなお店があると、暮らしやすくなる。
暮らしやすいとなると、口コミでつながっていくことになると思う。
それと、私の娘に「食事をするところがないよね」と話すと、
「あるよ。お母さんが知らない
だけだよ」と言われた。先ほども言われた民家を改装したような洒落たお店もあるのだが、私た
ちや上の世代にはそういう情報が伝わりにくいのだと思う。そうなると、若い人しか行けないと
いうイメージになるので、
今から先は私たちの上の世代を対象にした情報発信が必要ではないか。
私たちが行ける洒落た店があるので、散歩がてら行ってみようかというようなまちの作り方も
あると思う。そう考えるのは、説明にもあったように、一般の商店街と郊外のショッピングセン
ターでは戦えないんだということがあって、それはそれで認めてしまって、そうではない生き方
を模索していく必要があるように思うからだ。
先月のこの会議で商店街の方の話を聞いたときに、アーケードの借金など大変だと全ての方が
言われたと思う。それを聞いて、今の不景気の時代にたくさんの借金があれば確かに大変だろう
とは思ったが、そういう話しか出てこなかったのは残念だった。不況で大変なのは、商店街だけ
ではなく一般の人も同じである。借金を背負いながらも、前向きに戦っていくという姿勢を見せ
ていただければ、皆で頑張ろうという話もできたかも知れない。
ふるさと振興財団
̶26̶
私も駅で働いており、中心市街地に住みたいとは思うが、家賃が高くて住めない。もう少し安
ければ、若い人が住むのではないかと考える。
駅の3階に市民活動推進課がある。そこは、市民活動をされる方の協力をするという課なのだ
が、そこに来られる方の話を聞くと、高齢の方はバスや電車を使ってよく来られるのだが、若い
方からは、駅ビルでは荷物も運べないし不便だという意見も多い。市民活動の関係が駅ビルにあ
ることはどうなのかということを考える。
しかい、そういう方々がイベントをされると、人はやはり駅に多く来られる。ただ、駅で終る
という感じで、外には出ないということが多い。
我々もイベントをすれば若い方が 400 人も集まるのだが、それも駅で終っている。駅から出た
ところでイベントをすると、商店街を通られるので、商店街への影響もあるのかなと思うが、や
はり駅に広いスペースがあるので駅での実施になっている。
夜、若い方がアーケードの中で、自転車やスケボーをやっている。そのこと自体が良い悪いは
別にして、そんなことをできる場所があればいいのではないか。
防長交通
移動手段として、周南市内や下松などから駅周辺へのバス便としては、県内でもかなりの充足
度で運行しているつもりだ。
以前は、朝晩は通勤・通学、昼間は商店街への買い物客が非常に多かった。今はザ・モールな
ど郊外で降車される方が多くなっている。
今もあまりダイヤは減らしていないが、中心市街地、商店街が活性化されれば、またそれなり
の動きはする。ただ、現在もバスとしては充足していると思う。
今日の資料にもあるが、昼間人口が 1 万 5,000 人もいる。しかし会社が終って商店街で買い物
をしようと思っても、6時過ぎには閉まっているので、時間的にできない。1 万 5,000 人という
多さを商店主の皆さんがどう思っているのかわからないが、それをつかむ方法を考えていただき
たい。
先般、山口で井筒屋ができたので、先週行ってきた。井筒屋自体もお客さんが多かったが、道
場門前全体の動きが活発であった。その中で、各地に商店街マップが置いてあった。特色のある
店ということで、10 店舗程度、店主や社長の顔入り写真のパンフレットであり、それを見ていた
だくという取組をされている。
徳山の商店街でマップのようなものを見たことがないし、特に郊外から来られる方には馴染み
でない部分もあり、そうしたツールで商店街に来ていただくというのも方法の一つではないか。
文化振興財団
文化振興財団では、文化会館、市民館、美術博物館に加え、この4月から旧新南陽の郷土美術
資料館の運営をしている。
文化会館は年間 27 万人、今年は 30 万人を目指している。隣の動物園は既に 30 万人を達成さ
れているが。文化会館の前の美術博物館が年間 10 万人。このトライアングル地帯で年間 70 万人
が動いている。それを何とかこのまちに、滞在時間を長くしていただいて、生かしていきたいと
いうことを模索しながら提案もしていきたいし、我々の活動がどうまちづくりに関わっていくか
という視点でずっと動いてきた。
文化会館の年間利用率は 50 数%で、2日間に一度利用されている計算で、人口規模からいけ
ば非常に高い利用率になっている。
独立採算でやっているので、補助金に依存せずイベント収入でカバーする。年間 20 から 30 本
のイベントを実施しており、貸し館等を含めて年間 100 から 120 本催しがある。これは人口規模
からすれば非常に多く、これをもっと生かしていくためにいろいろな仕掛けを考えている。
我々はホール事業にこだわるということではなく、地域へ出かけていく事業も出会いの場、音
楽や演劇の文化に触れる場づくりとして、24 年間、約 180 公演を約3万人の方に見ていただい
ている。それは、日本人の場合、そうした文化が生活に根付いていない。欧米とは劇場の形が全
̶27̶
然違うので、文化庁の政策もあって、昭和 50 年代にまずハードありきでスタートしており、ソ
フトが追いついていないということが特色としてある。
今は自治体も財政が厳しくなっており、ホールもほとんどが下り坂になっている。補助金がな
くなれば、自分たちで作るしかない。民間の資金を注入するとともに、いかにチケットを売るか
ということになってくる。そうした中でシステムを作って、東京の大手事務所でも、東の武蔵野
市民文化会館、西の周南市文化会館が東西の横綱と言われるようにまでなってきた。
厳しい中でも自らできることをやっていく。新聞社やプロモーター、地域の芸術を愛する人た
ちとの連携の中で、事業を展開している。とりあえずやるべきこととしては、商店街でもそこに
ヒントがあるのではないか。
毎月1万部の情報誌を発行しているが、我々でホテルやレストランへ届けているが、本来は逆
に取りに来るべきものだと思っている。このまちで何が行なわれているか、それを自ら情報収集
しながらホテルやレストランにどうつなげていくか、考えていくべきだと思う。
実際にホテルからは、今日は何のイベントがあるのかと電話がかかってくる。何人入るか、何
時に終るかは、お客さんが来る時間、客層によって仕込むメニューを考えるなどのため、非常に
大事な情報になっている。そうして我々が客を呼んでいるのだから、文化振興財団に投資してほ
しいぐらいだが、そうして生かし生かされる関係をもっと広げていかなければならない。
動物園と話しているのは、お互いの良い関係をより高めていこうと。それぞれの売り場でお互
いのグッズを交換したり。
我々で言えば、美術博物館と広島美術館との提携。お互いが良きパートナーシップの中で新し
い関係を築いていくと。
今いろいろな仕組みが動いているので、その中でそれぞれができあう関係を作っていくと。そ
してやれば必ず結果を出さなければならない。そうでないと次の話が来ない。そういう実績づく
りというのは非常に大きく、実績が崩れるとパートナーとして選ばれなくなる。そうした良い関
係を作っていかなければならない。
我々と動物園の悩みは駐車場が、特に土日など、足りないということだ。例えば昼公演で2時
からということであれば、夕方公演にならないかという話をする。昼間はほとんど動物園利用者
で駐車場がいっぱいになるからだ。昼は動物園が利用し、夜は文化会館が利用しという、お互い
の特性を生かし合う、相手の立場に立つということが大事だと思う。
また、中四国大会などの機会があれば、積極的に誘致していく。金がなければ自分でスポンサ
ーを見つけてくるということでないと、人を引き付けるのは難しい。
商店街を歩いて思うのだが、店の魅力づくりが大事ではないか。特に地方であれば、情報も含
めて独自性と質の高さがある店に客が付いているのではないか。
自分でできることはいろいろあると思うが、自らの特色づくりをすることによって、総合的に
お互いの魅力が高まってくるという発想で努力することが大事だ。
動物園
中心市街地活性化の指標は売り上げであるとのことであったが、動物園の目標はいかに多くの
来園者を呼ぶかということだ。
徳山駅からわずか 1.5 キロのところに動物園で 30 万人、文化会館と美術博物館も合わせると
約 70 万人の施設がある。まちからいかにその文化ゾーンに来ていただくか、あるいは文化ゾー
ンエリアに来たお客様をいかにまちに持っていくか、これが中心市街地活性化の大きな鍵になる
と考えている。
現在動物園では、リニューアルに向けたFS調査をしている。市長が目標 50 万人、70 万人と
言っている。来年以降基本計画、基本設計と出すが、我々としても駐車場の不足等の問題はある
が、いかにこの集客効果をもってまちに貢献できるか、逆にまちのお客さんにいかに動物園に来
ていただくか。今、そういうことをFS調査を含めて検討している。
中央地区社会福祉協議会
̶28̶
中心市街地の丸で囲まれた部分は、ちょうど中央地区に当たると思うが、今、一人暮らしの高
齢者が 260 人ぐらい、また、75 歳以上の高齢者が 630 人ぐらいいる。
その方たちが中心部におられても、なかなか買い物、娯楽と行く場所がない。わざわざ車に乗
って遠くへということもできないので、そういう施設が中心部に必要だ。
商店街にしても居住者が少ない。商店街の活性化ということになれば、そこへ居住されるとい
うのが、まず一番大きいことではないか。
大きな核があれば一番いいのだろうが、中心部から東へ行くとアルク東店があり、若い人もお
年寄りも多く行っておられる。出光の定修の関係でも、あそこへ買い物が集中しているように見
受けられる。ということは、特別大きな施設でなくても、医療等も含めて中心部にあれば、変わ
ってくるのではないか。駐車場の問題がネックで、どう解決するかということが大きいのではな
いか。
徳山医師会
医療関係のほうから見ると、基本的には中心市街地に定住を増やすということが、一番大切だ
ろうと思う。
以前この地区で商売をされていた方も、郊外に出られる方が非常に増えている。
やはりもう一度戻ってきていただくということで、人口の集積化を図っていくと。そのために
中心市街地に、できるだけ住居の施設を含めた考え方を取り入れていくということが必要だと思
っている。
前回の会議でもあったように、中央街商店街でいろいろなプランを出しておられるが、それも
選択肢の一つだろうと思っている。
住むことによって人口が増えて、しかも高齢者だけではなく三世代ぐらいが住めるような、し
かも交流ができるような施設ということで。その中には医療機関も入るだろうし、高齢者の施設
も入るような状況の建物も必要だろう。
以前は、まちの再開発というと、ほとんどはホテルとショッピングセンターになっているパタ
ーンが多かったと思うが、最近の傾向を見ていると、高層マンションで高齢者の施設、しかも賃
貸住宅というのが全国的な流れになっている。岐阜駅前のタワーもそうだし、最近では広島駅北
口の再開発も全くそのとおりである。そのように状況が日本全体で変わってきているので、ニー
ズもうまく捉えながらやっていかないと、周南といえどもなかなか難しいのかなと思う。
やはり中心市街地の中に、医療、福祉、介護の施設、しかも賃貸施設を入れていただいて、そ
うした生活ができる場の提供を。それに住宅を提供していけば良いのではないか。
そこに流れを作っていって、回遊できるようなものを点として置いていく。しかもそれがつな
がっていけば面としての働きが出てくるので、
そこで半径1キロ圏内の動きが必要になってくる。
最近、 ぐるぐる というバスが走っているが、もう少し範囲を狭めて、ローステップバスを
頻繁に回していけばいい。また、この近辺には、郊外に基幹病院があるので、途中停まるのでは
なく、駅と病院をダイレクトにつなぐバスを走らせる。そうすると途中であちこち降りなくて済
むし、駅前に集まっていただいて駅から病院に行く、という流れができれば、もう少し連携が取
れていくのではないか。
先ほど動物園の件があったが、確かに動物園は周南市にとって非常に大きい顔になっている。
最近はツヨシくんのブームがあって、テレビでも放送されているが、東京で話を聞くとあまり知
った人がいない。
もう少しうまく活用しようと思えば、あの中に動物が見られるようなカフェを作っていただい
て。しかも、脱臭設備で臭くない状況で、動物を見ながらお茶が飲めるような休憩場所があれば、
文化会館の事業ともうまく連携が取れるのではないか。そして集めるにしてもブランド性が必要
なので、例えばタリーズコーヒーやスターバックスを連れてきてもらった中で、お茶を飲める施
設があれば、駐車場も使えるし、日曜日も過ごせるのではないか。
もう一つお土産のことだが、確かに徳山駅にはお土産を買うところがない。それが宇部空港に
行くと品揃えが非常に良くて、しかも電子マネーのエディが使える。エディを使う人は非常に多
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いので、電子マネーも導入して必ず駅に置いておく。そしてお土産を買うとポイントも付くとい
う状況にならないと難しいのかなと思う。
我々医療関係に関わる人として薬屋の比重が大きい。薬屋の生活形態を見ると、今までは周南
圏域に家族ごと住んでいた。高速道路や新幹線ができたので、ほとんど広島から車で来て徳山に
泊まる。山口の支店、営業所は新山口駅にある。
以前は、市内に営業所もたくさんあったが、今はほとんどない。なぜかといえば家賃が高いと
いうことと、彼らの業務に合うようなビルがないためである。ただ一つ使えるのは大同生命ビル
だけという状況であり、そうした整備が遅れていると、大手や外資系のメーカーも言っている。
宿泊施設も非常に少ない。今は定期修繕をされているので、徳山のホテルは全く空いていない。
我々が予約しようと思っても、ビジネスホテルも小さい旅館も取れない。外から来ていただこう
と思えば、そういう条件整備も必要ではないか。
基本的にはまちなかの定住ということが一番大事だと思っている。
㈱トクヤマ
企業の立場から言わせてもらうと、やはり徳山駅は重要な場所であり、そこを中心にいろいろ
考えることになる。
徳山駅の利用者は1日に 1 万 4,000 人ぐらいと聞いているが、年間でいうと350万人ぐらい
が利用する、徳山の中心になる施設だ。
前回も言ったが、駅北側の開発も必要だと思うが、利用者からすると、周南地区からの利用者、
他所からの出張等の利用者ともにあるが、駅を降りて何かを利用したり、土産物を買おうとした
りしても、どこに何があるのかわからないというのが現状だ。わかりやすい所にマップを置くと
か、どこに行ったら何が買えるのかわかるような地図を置くということが、非常に効果的ではな
いかと思う。
今も表側の改札を出ると正面の柱にあるが、わかりづらく、また現状に合ってないところもあ
る。お金をかけてでも工夫をされたらどうか。
駅の南側についてだが、改札を出たところの空間をうまく利用できないか。例えばコーヒーや
軽食など。駅には弁当を売るところ以外に食事の場所がないので、そういう改善はどうか。それ
に土産物、特産品を買うところがないので、そういうものを置いたりしてはどうか。
駅を使う方が、買い物をするようにするためにはどうしたらいいのかということだと思うが、
そういう気持ちになるような投資を、商店街が難しい状況であるならば市などから援助をするこ
とも必要ではないか。
周南市で買い物をする人が増えれば、当然周南市が潤うということになるのだから、そのこと
を周南市民にわかりやすく理解していただけるような仕組みがほしい。
また、出張者の人が徳山へ来てよく言われるのは、瀬戸内の魚は非常においしいということだ。
料理屋に連れて行っても、関西や関東にこういうおいしい魚はないと言われる。南側へ降りて、
中心部から 600m圏内に魚市場があるのだが、今のところは他には何もない。11 月には魚祭りを
されるということで、漁師の方が直接いろいろなものを作って売られたりということをされるよ
うだ。そういうことがきっかけで、市場で新鮮な魚が手に入るようになればいい。周南市に住む
人だけが利用するということもあるが、日にちを決めて、1か月に3回そういうことがあるとい
うようにすれば、ちょうどそのときに来た人も買うかもしれない。
南口には現状では海しかないが、魚市場まで歩いて3、4分のところなので、それをわかるよ
うにしておけば、南側も活性化するのではないか。
周南青年会議所
我々の団体は単年度性で役員が変わるので、継続してまちづくりについて話しているかと言え
ば、年によって違い、深くは話していないところもある。私もどこまで知っているかというと、
ほとんど知らない部分もあるかもしれないが、そういう中で意見を述べさせていただく。
青年会議所としてまちづくりにどう貢献しようとしているかということだが、やはり活力をま
̶30̶
ちに与えようということが一つのコンセプトである。そうなると、継続的なものが難しい中で、
イベント的な事業を起こすことが一つの手段になる。
今年の事業の中では、6月に 周南ウォーキング という大会を企画した。今年が初めての事
業で難しいことも多かった。県内には日本ウォーキング協会の認定を受けた大会が下関と萩の2
箇所あったのだが、萩の大会がなくなったので、周南で認定を受けられる大会をやろうというこ
とで、取り組んだ。日本ウォーキング協会の認定を取ると、全国からの参加があるということだ。
まだ実績がないのでいきなり認定ということにはならなかったが、来年も引き続いて事業を行
い、いずれは認定を取って、全国各地から周南に来ていただきたいと思う。新幹線も停まるし、
フェリーもある。他県からの交通の便もいいと思う。
周南、下松など近隣の人は徳山の状況を知っており、
「目玉がない」ということで足を運ぶの
をためらうということもあろうが、そういうところを知らない全国の方々に周南市の良いところ
をアピールして。来た方の口コミというのは非常に大きな営業になると思うので、そこからさら
にいろいろな人に来ていただいて、それでまちが活性化していく。
そういうことで我々も貢献していこうと考えているので、商店街の方、企業の方にも参加して
いただいて、まちのPRをしていきたい。
事務局
非常に示唆に富んだご意見が活発に出ているところだが、残念ながらお時間がきている。専門
家に本日の議論の総括と、次回に向けてのコメントを頂戴したい。
筒井
時間の関係で議論できなかったのが残念だが、いいお話をたくさんいただいた。
まさに、資料④の「現在のまちをどう編集するか」ということの大きなヒントが出たなと思っ
ている。
後ろ向きの話はほとんど出なかったということで、今ある中心市街地の素材をどう編集してい
くのかということによって、このまちを何とかしていきたいということであったと思う。
まちなか居住という問題だが、昔あるコラムを持っていてその中で書いたことがあるのだが、
「高齢者になったとき、私はまちに住みたい」というタイトルだった。まちに住むことによって、
演劇が見られたり、おいしい食事がとれたり、楽しい時間を過ごせるということで、私は全く田
舎に住もうとは思わない、ということだ。
まちなか居住というのは大きなキーワードかなと思っている。そのための受け皿の用意をしな
ければならない。
その用意もただハコを作るのではなくて、
既存のものを編集することによって、
どうやってそこで快適な生活をしてもらうかということをしない限り、まちなかにもなかなか住
まない。そういうことを積極的にやっていこうということで、たくさんのいい意見をもらったと
思っている。
もう一つは情報の大切さ、情報発信ということだと思う。例えば文化会館、美術博物館、動物
園のトライアングルで 70 万人動員しているという中で、いろいろな情報をコラボレーションし
ていこうという話があった。それと今周南市でやっていることを情報発信してないではないかと
いうことがあった。
整理すると二つのポイント、今ある素材を使ったもので、いかに魅力を作って、まちなか居住
を達成するかということ。それと周南市のよさが隠れている、それを掘り起こしていかに外に、
また内に出すか。商業者にもこういう情報がどんどん行き交うということによって、確実に前進
できるということだ。
前向きな意見が出て、次の意見交換会でどうまとめていくのか、楽しみだ。
大東
市民に対しては市民生活との関わり合いをどう増やしていくか。関わり合いが薄くなったから
まちに人が寄らなくなったということだ。関わり合いということになれば、いろいろな市民の方
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がおられる。それに対してどう関わっていくのか。
外部から来る人は、ビジネスで来る人、観光で来る人など、その人たちとまちがどう関わり合
いを深めていくかということになる。
その関わり合いの深め方について、今日皆さんがご意見を出された。
駅の南側に空間があって、瀬戸内の魚はおいしいのでそこで売ればという話があったが、これ
はいいアイデアだと思った。実際にはそういう特産品もあるんだと思う。そうした情報提供が不
足しているなという気がした。
今枝
スターバックスで動物が見えるというのは、それは東京から人が来るかも知れない。
歩けるところに、これだけのもの、美術館や動物園があるまちはなかなかないと感じた。
これを編集して、それが結局商店街のためだけではなくて、市民のためになることだというこ
とで、そこにお金を突っ込んでいくということが必要だと感じた。
事務局
お時間がきたので、これで終了させていただく。
次回が最終回になるので、何か具体の方向性なりテーマを抽出したいと考えている。次回もよ
ろしくお願いしたい。本日はありがとうございました。
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(3)第3回意見交換会 配布資料
1)資料1 第 2 回違憲交換会の議論要旨
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2)資料 2 周南市の商圏分析
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3)資料 3 周南市周辺の商圏競合状況
大 型 店 競 合 状 況 ( 周 辺 都 市 比 較 )
平成20年 6月現在
大型店
伸び率
面積
人口1人当り
人口
%
153,657
主要大型店
大型店面積
周 南 市
105,555
㎡ △9.2
人
0.687
㎡
ロックタウン 24,823㎡
下 松 市
86,458
4.4
55,112
1.57
ザ・モール 30,516
防 府 市
114,338
△3.3
118,422
0.97
ロックシティ24,026
サティ 25,334
光 市
39,744
△1.4
54,965
0.72
山 口 市
218,617
3.2
187,394
1.17
計
564,712 ㎡
%
569,550 人
5.117
ジャスコ 11,658
㎡
注. 伸び率は小売販売額、周南市の小売販売額にはロックタウンの販売額が含まれていない
ため、伸び率は相当改善される。
周南市商業の主要問題点
① 隣接都市大型店への消費流出が大きい
下松市 ザ・モール周南 30,516 ㎡
防府市
25,335
サティ
② 中心市街地商業については、サティ、ダイエーが撤退し求心力が低下するなかで、
郊外部に大型店ロックタウン周南が開設され、さらに求心力の低下が予測される。
③ 中心市街地の人口、世帯数から判断すると、現状の中心部商業の維持は不可能な訳で、
まちなか居住の促進と求心力の回復が必要である。
④ 中心市街地の小、中型店、市外専門店の撤退する可能性が高まっている。
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4)資料 4 周南市中心市街地の変遷の経緯 まちの成り立ち
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5)資料 5 新生・周南市の中心市街地のまちづくりの方向性について:多様な機能、役割の期待される「中心市街地」とは?
機能
1.周南の「まち」はどうなって 2.魅力のある「まち」として、何 3.現在の「まち」をどう編集でき まちづくり関係者
いるのか。(現状把握の視点の例 を期待するか。
(例示)
るだろうか。
(例示)
示)
①住む・
暮らす
・ まちなか居住の動向
・ 高齢者の単身世帯増加
・ 医療、福祉機能等の導入、複合
・ 多様な居住者属性、住宅形態
②働く・
起業する
・ 事業所の減少
・ 駅裏、港周辺の集積動向
・ 新たな都市型産業(情報、デザイ ・ 通り、ストリート、小径
・ 市民
ン…)
例えば、空き店舗活用により、商 ・ 若者
・ 自己実現の場(ビジネス、市民活
店街から起業街への転換など。
・ 文化振興
動…)
・ 企業
③遊ぶ・
交わる
・ 就業者のアフターファイブ
・ 子どもたちはどこで遊ぶのか
・ レクゾーンとしての臨海部
・ 各世代の居場所(憩いの場、遊び ・ 都心軸、4つの拠点
を通した成長…)
例えば、公共空間をどう活用、再
・ 来街者の時間消費空間
編できるか。道路、公園など。
④学ぶ
・ 大学、高専、高校の学生
・ 専門学校、専修学校の動き
・ 生きがい
・ 学校とコミュニティ、商店街
・ 創造的空間(発見、気づきの場)
例えば、小学校を地域にどう開い
ていけるか。校庭開放、施設利用
など。
⑤移動する
・ どうやってまちに来るのか
・ 楽しく快適に歩けること
・ 回遊性
・ 交通事業者
・ まちの中をどう移動している ・ アクセスの良さ(マイカー、公共
例えば、縦方向の動き、流れをど ・ 郊外居住者
か
交通)
う作るか。路地的空間、滞留空間
など。
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・ 遊休地、空地、オープンスペース ・ 住宅づくり
例えば、共同化、まちなかの緑化・ ・ 医療
広場化など。
・ 福祉
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