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女子大学生の安静時エネルギー消費量の月間変動

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女子大学生の安静時エネルギー消費量の月間変動
愛知学院大学心身科学部紀要第 4号 (
8
3
8
8
)(
2
0
0
8
)
〈資料〉
女子大学生の安静時エネルギー消費量の月間変動
末 田 香 里 *1
) 市 川 桃 子 *2) 加 藤 千 尋 *3) 津野恵里佳 *4)
内藤友里恵 *5) 中島あや子 *6) 山 本 優 子 *7)
【目的】日本人は,四季により基礎代謝が冬に高く夏に低くな るという年内変動が報告されている .
年中ほぼ一定の温度の中で生活している現代人の安静時エネル ギ一代謝 (REE) に月間変動は見られ
るか否か検討した.体組成の測定もおこなった.
【方法】検者自身(6名,年齢 2
2歳)が被験者となって, 2
0
0
7年 5月 '
"
'
'
2
0
0
7年 1
2月の 8ヶ月間 REE,
体組成を 1回 / 月 測 定 し た REEは呼吸代謝装置 V02000 (
M
e
d
i
c
a
lG
r
a
p
h
i
c
sC
o
r
p
o
r
a
t
i
o
n
) を用いて,
4回/月測定し,平均値を個人のその月の値とした.毎回同一機器を使用し,空腹時の定刻 (
1
2時前)
に測定した .測定前 2
0分間は座位で安静とし,測定時間は 1
0分 間 と し た 体 組 成 は I
nBod
B
i
o
s
p
a
c
e
)
y3.2(
で測定した .統計処理は S
PSS (
1
2
.
0
Jf
o
rW
i
n
d
o
w
s
) を用いて REE,体組成ともに対応のある一元配
置分散分析 (ANOVA) を し た ま た 個 人 の REEの月間変動は対応のない ANOVAで 分 析 し た そ の
後S
c
h
e
f
f
eの方法による多重比較を行い, p
<
0
.
0
5を有意差有りとした
【結果】
1) 悶Eの 月 間 変 動 : 阻E の月間変動は認められなかった
6人全ての個人で変動が認められた.外気温に対応して,
2) 個 人 の 阻E の月間変動:
1
2月に有意に高い
9月に有意に低下し
REEは示す被験者があり,また 1
2月に頂値を示し被験者,反対に 1
2月に低値を示す被験者,特に月
の間で有意差を示さない被験者もいた個人により異なるリズ ムがあった
3)体組成の月間変動:
体重,体脂肪率,体脂肪量,体水分量,細胞外液量に月間変動 は見られなかった
【結語】空調の発達した環境に住む女子大生の REEならびに体組成に対して外気温(四季)の関与が
小さくなっていることが示唆された
キ ー ワ ー ド :r
e
s
t
i
n
ge
n
e
r
g
ye
x
p
e
n
d
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t
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n,
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c
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d
i
t
i
o
n
e
ru
s
e
緒論
もあるがその変動幅が小さいこと,逆に冬に低く夏に
高い季節変動,また年間変わらないとの報告もあり,
四季のある日本では,基礎代謝量が冬に高く夏に低
くなる年内変動が報告されている 1,
2
) 1
9
5
0年代以前
このことは人種,気候,生活様式などが基礎代謝の季
節変動に関連していることを示唆するものである 1,
2
)
吉村等 (
1
9
7
6年)4)は
の基礎代謝量の年内変動幅の報告は 20%前後が多い
3年以上日本に居住し日本
が,その後年内変動幅 6
.5% (
1
9
7
6年)3),夏と冬の差
家屋に生活する高脂肪食カナダ人には基礎代謝量の明
が4
.8% (
1
9
8
0
年)2
)とその差が小さくなっている.
確な変動が認められなかったことを観察し,脂肪摂取
欧米においては,基礎代謝が季節変動するとの報告
*1)愛知学院大学心身科学部健康栄養学科
*2) グリーンハウス
*3) 鮒スギヤマ薬品
*4) 医療法人香風会こだまクリニック
*5) TBCグループ
*6) みずほインベーターズ証券
*7) 豊川信用金庫
(連絡先)〒 4
7
0
0
1
9
5愛知県日進市岩崎町阿良池 1
2
量が基礎代謝の季節的推移に影響すると報告した
E
m
a
i
l
:s
u
e
d
a
@
d
p
c
.
a
g
u
.
a
c
j
.
p
- 83-
末田香里,市川桃子,加藤千尋 ,津野恵里佳,内藤友里恵,中 島あや子,山本優子
佐々木 (1979年)1
)は日本人の基礎代謝量の変動幅が,
表1
第二次世界大戦直後の約 20%から 1970年度には約 1
0
%にだ、んだん小さくなっていること,この間に日本人
の食事内容はエネルギー比率で 炭水化物は 82%から
63%に,脂肪は 6 %から 22%に変化したことをあげ,
栄養素の含有量が重要な因子で あることを示唆した
近年は空調設備の普及により
B恥n
(
k
g
/
m2)
女子大学生
(
n
=
6
)
2
0.
1
土 2.
4
2
0
0
7年 5月時点の m
e
a
n
:
!
:
:
S
Dを示す .B MI
:b
o
d
ym
a
s
si
n
d
e
x
人々は 80%以上の
時間を室内で過ごすようになった
5月から冷房のス
イッチをいれ, 1
1月には暖房を入れる学生は,子 供
本実験は「名古屋女子大学のヒトを対象とする研究
の頃から 1年を通じてほぼおなじ室内気温のもとで,
に関する委員会」の承諾を得て行い
外の外気温の変化とは切り離されて暮らしている. 自
然環境変化への適応能力が弱ま ってきたと推察され
同意書を委員会に提出した
る.また,国民健康・栄養調査 結果によると 1990年
からエネルギーの栄養素別摂取 構成比で脂質 25%を
2
. 安静時エネルギー消費量 (REE) の測定
超えている
被験者は被験者
REEは呼吸代謝測定装置 V02
M
e
d
i
c
a
lG
r
a
p
h
i
c
s
0
0
0(
C
o
r
p
o
r
a
t
i
o
n,
USA)を用いて室温で測定した.阻E(kca
l
/
食生活,住居環境,生活スタイルが欧米化した日本
において, 1980年代に日本人にみられた代謝量 の季
節変動がみられるのか
女子大生の安静時エネルギー
消 費 量 の 年 内 変 動 を 検 討 し た 一 昨 年 22名の女子大
生を被験者にした安静時エネルギー消費量の年内変動
は認められなかった 5)
d
a
y
) は Weirの計算式で算出された.
REE=(
3
.
8
2
7xV02+1
.2
2
3xVC02
)
x1
.4
4-1
.9
9
4xUN
2
V0
n
)
2:酸素摂取量 (mVmi
VC0
/
m
i
n
)
2:二酸化炭素排世量 (ml
UN2:尿中窒素(g/
d
a
y
)1
2
しかし,「年内変動はない」
と言い切るには,測定値の個人内のばらつきが大きか
った,そこで、本年度は安静時エネルギー消費量の測定
3
. 体組成の測定
体組成の測定は BodyCompositionAnalyzerI
nBod
y
3.
2
の難しさを考慮、して,目的,測定方法,測定条件を熟
(株式会社ノ fイオスペース,東京)を用いて ,インピ
知する検者がかっ被験者となり
ーダンス法で測定した測定項目 は体重,体脂肪率,
出来る限り同一条件
の下で,安静時エネルギー消費量を月 4回測定するこ
体脂肪量であった
ととしたあわせ体重,体脂肪量 も外気温と連動した
変動があるかを再検討した
4
. 統計処理
分析には,統計ソフト SPSS (
1
2.
0
Jf
o
rWindows) を
方法
用 い た 全 員 の 悶E
,体組成(体重,体脂肪量,体
脂肪率)の月間変動は対応のあ る一元配置分散分析
1.被験者
(ANOVA) を し た 個 人 の REEの月間変動は,個人
女子大生 6名 (
21
.3土 0
.
5歳 :Mean:
tSD) を安静時
エネルギー消費量 (
R
e
s
t
i
n
ge
n
e
r
g
ye
x
p
e
n
d
i
t
u
r
e
;REEと
の月ごとの 4回の測定値を縦に
月を横軸にとって対
略)と体組成の被験者とした開 始時点での被験者の
応のない一元配置分散分析 (ANOVA) を し た そ の
後S
c
h
e
f
f
eの方法による多重比較を行った REEと体
特徴を表 lに示す.被験者は昼食前の空腹時に,測定
組成の相関は Personの相関係数を求め,有意性を判
前 20分間は座位で安静とした後に REEを 1
0分間測定
定した. p<0.05を有意差有りとした.
した.測定前 2時間はモノを食べないこと,測定前に
は激しい運動はさけることとし, REEは被験者の都
合に合わせて月に 4回以上測定した.体組成の測定は
月に l回,安静時エネルギー消費量測定後おこなった,
期間は 2007年 5月
"
'1
2月の 8ヶ月間であった.本実
結果
1.安静時エネルギー消費量の月間変動
1)被験者 6人の全員の安静時エネルギー消費量には
験は卒業論文実験としておこなったので,検者が同時
月間変動はみられなかった(図 1)
.
に被験者であり,目的,実験方法,測定条件を十分理
2)個人の安静時エネルギー消費量の月間変動
解していた.
被験者全員に REEに有意な月間変動が認められた
-8
4
女子大学生の安静時エネルギー消費量の月間変動
被験者 Eの REEは 1
1月 (
1
8
3
2士 l
l
k
c
a
l
/
d
a
y
) が最大値
安静時エネルギー消費量
2000
で あ っ た 被 験 者 F の REEは 9月 (
1
5
6
0
:
:
!
:141kca
l
/
1800 1
-ーーー ー
d
a
y
) で最大値となり, 1
0月 (
1
2
1
4
:
:
!
:7
0
k
c
a
l
/
d
a
y
) で最
小値であった.
>
帽
可
コ
'
.
.
. 1600
。
咽
2
. 体重,体脂肪率および体指肪量 の月間変動
'
"
ω1400
w
体重,体脂肪量及び体脂肪率のい ずれにおいても月
区
1200 1
-
間変動はみられなかった(表 2).
1000
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1
1月
12月
3
. 安静時エネルギー消費量,体組 成,外気温の相関
1)安静時エネルギー消費量と体組 成
外気温
表 3に示すごとく, REEと体重 (
rニ 0.
46
1
), 悶E と
40
ρ3
0
体脂肪率 (
r=0
.
5
8
5
),REEと 体 脂 肪 量 (
r
=
0.
5
7
1
)で
戚
困
層 20
10
。
正の相関がみられた.
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1
1月
2)月間平均気温と安静時エネルギ ー消費量・体組成
12月
表 4に示すごとく,外気温と REE (
r
=o.077),外
気温と体重・体脂肪量・体脂肪率 はいずれも相関はな
図 1 安静時エネルギー消費量と外気温の月間変動
かった
(ANOVA p<0
.
0
5
) が,一方被験者ごとに異なる月 間
考察
変動を示した(図 2).被験者 A の REEは 1
2月 (
1
4
9
5
:
:
!
:32kca
l
/
day)に最大となった被験者 Bでは 5月 (
1
8
2
1
1.安静時エネルギー消費量の測定
:
:
!
:
5
6
k
c
a
l
/
d
a
y
), 9月 (
1
8
1
6土 72kca
l
/
day
,
) 1
1月 (
1
7
4
1
:
:
!
:
基礎代謝の測定は早朝空腹時, 仰臥の姿勢で,一定
129kca
l
/
d
a
y
) で高値となり, 1
2月 (
1
4
1
7士5
8
k
c
a
l
/
d
a
y
)
の温度条件 (
2
0C) のもとでなどの制約があり,わが
に低値であった.被験者 Cの REEは 1
2月 (
1
8
7
5土 44
国では安静時エネルギー消費量 (REE) を基準とする
0
kca
l
/
d
a
y
) が高値となり,また 9月 (
1
4
3
5土 60kca
l
/
d
a
y
)
ことが多い ため,被験者の負担を考慮、
し,今回も REE
で 低 値 で あ っ た 被 験 者 Dの REEは月間変動 (ANOVA
を測定した . なお月経周期での REEには差がなかっ
p=0.
007) が見られたが,月間に有意差は なかった.
た7)ので,月経周期は特に考慮、しなかった
表 2 体重 ・体脂肪率 ・体脂肪量の月 間変動
1
2月
体重 (
k
g
)
4
9.
7:
t4.
6
体脂肪率
2
6
.
6:
t5
.
9
体脂肪量 (
k
g
)
1
3
.
5:
t4
.
0
Mean:
tSDで 示 す
表3
表 4 外気温 と安静時エネルギー消費量 ・
体重・体脂肪量・体脂肪率の相関
安静時エネ
P
e
a
r
s
o
oの相 ルギ一代謝
量(
k
c
a
l
l
a
y
)
関係数
0=48
P
e
a
r
s
o
oの相関係数
安静時エネルギ一代謝量
外気温 (
O
C)
村;p<O.
O
O
lで有意 な相関あり
8
5
0
.
1
8
9
体重 体脂肪量 体脂肪率
(
k
g
)
(
k
g
)
(%)
0=48
0=48
0=48
0
.
0
3
3
0.
0
5
7
0.
0
5
7
末 田 香 里 , 市 川 桃子, 加 藤 千尋, 津 野 恵 里 佳 , 内 藤 友里 恵 , 中 島 あ や 子 , 山 本 優 子
被 験 者A
被駁者D
2000
2000
1800
2
事
一一一本一一竺
道
S
盟
凶
。16岨
通 1醐
1400
1200
1200
1000
800
5月
6月
7月
9月
8月
10月
1
1月
12月
800
5月
被 験 者B
7月
8月
9月
10月
1
1月
12月
被験者 E
2400
2800
:
l
事
者
E
2400
2
喜
E
三ミ
6月
一一事一
--r
1800
2醐
1600
一一ーー軍ーーー
1400
1600
1200
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1
1月
12月
1200
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1
1月
12月
被験者F
被験者C
2200
2400
2000
一--;r-
2200
凋E
司
F
3
面
*
喜
盟
2
凶
b 四 0
1800
白 16曲
1400
1600
1200
1400
1000
1200
800
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1
1月
12月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
1
1月
12月
図 2 個人の安静時エネルギー消 費量 の月間変動
M
e
a
n
:
:
!
:
:
S
Dで示す 6人いずれにおいても月間変動が認められた (ANOVA p<0.
0
0
5
),S
c
h
e
能方法による 多重比
較を行った ;*;
p<0
.
0
5,料 ;p<O
.
O
O
l
前回 2
2名の女子大生を被験者にした安 静時エネル
表 5 安静 時エネルギー消費量 ・体重 ・体脂肪率の変動幅
ギー消費量の年内変動は認められなかったの.しかし,
「年内変動はない」と言い切るには
体重
個人の測定値の
ば ら つ き が 大 き か っ た そ こ で 本 年 度 は REEの測定
の難しさを考慮、して,目的,測定方法,測定条件を熟
知する検者がかっ被験者となり
出来る限り同ーの条
件 下 で 測 定 を お こ な っ た さ ら に REEの測定は被験
n=6
月間変動 l
幅(%)
1
4
.
5
月間変動幅(%)=1
0
0x (最大値一最小値)/平均値;変動
幅は,各測定項目の 8ヶ月間の最大値と最小値の差を求め,
8ヶ月の平均値で、
割った百分率で示す.
者の都合に合わせて近い日程で 4回行い,測定値の誤
差が 10%前後 8)になるよう心がけた.
REEの月間の変動幅は 25.6%であった(表 5)
. こ
れは体重,体脂肪率の月間の変動幅と比較して大きく,
REEは変動しやすい測定項目である ことがわかる.
また基礎代謝量の年内変動幅が 10%以下であること
-8
6
女子大学生の安静時エネルギー消費量の月間変動
3
. 体組成の月間変動
と比較して REEの 変 動 幅 25.6%は 大 き い が , 安 静 時
個 人 内 誤 差 が 10%前後であるこ
体重,体脂肪率,体脂肪もこの 8ヶ月間における変
とや実際の測定現場の感覚から妥当な数値だと考えら
動は認められなかった.前回の結果では体重に年内変
れる .
動が認められ,体重に引っ張られる形で体脂肪量が冬
代謝量であること
期に増加した.今回変動が観察されなかったのは 1-
2
. 安静時エネルギー消費量の月間変動
4月の測定値がないことも
安静時エネルギー消費量が季節を通じて変動するか
否か,
5月から 12月の 8 ヶ月間調べた結果,
関連している可能性はあ
る.外気温と体組成は相関しなかった.
8 ヶ月
以上空調の整った環境下で生活している学生の体
間の REEに お い て 有 意 な 変 動 は 認 め ら れ な か っ た .
重・体脂肪量に,外気温が及ぼす影響は小さい.
また,外気温と REEの 聞 に 相 関 関 係 は な か っ た . 季
節 変 動 が 報 告 さ れ て い る 1970・80年 代 と 比 較 し て 居
住環境が格段に変化し
引用文献
空調設備が整った一定温度の
1)佐々木隆:日本人の基礎代謝の推移,代謝 1
6(
1
)
, 31
2(
19
7
9
)
空間で生活していること,食生活が欧米化し,脂肪エ
ネルギ ー比 率 が 1990年 以 降 25%を超えていることな
2)中村正:日本人のエネルギー代謝,栄養と食糧 34(
1
)
,
どが主たる原因と推察される .新矢ら 6)も成人女性に
1
-6(
1
9
81
)
おける早朝空腹時安静時エネルギー消費量を 3年 間 1
3) Chen,C
.H:S
t
u
d
i
e
sonhumana
d
a
p
t
a
b
i
l
i
t
yt
oc
l
i
m
a
t
i
c
月に l回測定し,春 (3~ 5月),夏 (6~ 8月),秋
c
o
n
d
i
t
i
o
n
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.R
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o
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t4
.S
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nb
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lm
e
t
a
b
o
l
i
c
(9~11 月) ,冬 (12~ 2月 ) の 季 節 間 に 有 意 差 は 認
r
a
t
eonc
i
v
i
l
i
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nJ
a
p
a
n
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s
eandC
a
u
c
a
s
i
a
n
si
nj
a
p
a
n
.JpnJ
Hyg
,3
1,
404-416(
1
9
7
6
)
められなかったと報告し
日常生活において暴露され
る温度が年間を通じて自然環境よりも狭い範囲で変動
u
k
i
y
o
s
h
iK,YoshiokaT andTakedaH:
4) YoshimuraM,Y
C
l
i
m
a
t
i
ca
d
a
p
t
a
t
i
o
nofb
a
s
a
lmetabolism,F
e
d
.Pro.25,
したためと推論している
1169-1174(
19
6
7
)
6人全てに月間変動
5)末日香里,鈴木かおり,山下{有子:月経周期内の体組
が認められた .被 験 者 Cの REEは,夏に低下し冬に
成と安静時エネルギー消費量,名古屋女子大学紀要(家
一方個人の月間変動をみると
政・白然編) 5
2, 39-43(
2
0
0
6
)
上昇するという外気温に伴った月間変動が見られた
6)新矢博美,芳田哲也,寄本明,中井誠一:成人女性に
が,他の被験者は外気温とは対応せず,個々人が異な
9)は週に l回
る変動を示した. Umemiya
,
おける早朝空腹時安静時代謝量の季節変動, 日生気誌
1年にわた
43(
3
),
S60(
2
0
0
6
)
って,一定の温度条件基礎代謝量を測定した l例 を 報
7)末田香里,尾島由 美子,各務雅子:安静時エネルギー
告し,外気温には対応していないと報告している.こ
消費量,体重及び体組成の年内変動,名古屋女子大学
紀要 53 (家・自), 119-124(
2
0
0
7
)
8)杉山三千子, 三橋扶佐子,細谷憲政治,他 1
0名:携
帯簡易熱量計を用いた安静時エネルギ←消費量の測定
に関する研究,栄養一評価と治療 18(
3
),
99-107(
2
0
01
)
のことは気温以外の他の要因が個々人の安静時エネル
ギー消費量の月間変動に関与していることを示唆して
いる.他の要因としては食事の質の可能性も考えられ,
脂質の摂取量,食事誘導熱産生のタンパク質摂取量が
9) UmemiyaN: Seasonalv
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さらに就職活動などのストレス要因が関与
している可能性もある.換言すれば
外気温による季
節的変動というよりは,むしろ食習慣,運動量,スト
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)
日々さらされている寒暖の程度は代謝の順化を引き起
こすほど大きくはない .
最終版平成 20年 9月 30日受理
-87-
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AyakoNAKATIMA,
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Abstract
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