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風のたより - 竹内工務店

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風のたより - 竹内工務店
風のたより
2004 年
VOL
発行者
11 月
17 号
竹内
明
風(k,s)のたよりは、
EQ の母といわれている 「かきくけこ」 感動、興味、工夫、健康、恋と そして、環境、建築を
加えた K の集りの意味です。IQは、単なる知能指数をあらわしますが、EQとは、心や感性の豊かさを
あらわします。私達の元気の元のこれらのkたちの話題を私なりにまとめてみました。
是非ご一読ください。
「マッキントッシュのヒルハウス」
マッキントッシュといえば、I BOOK や I POD の白いオシャレなコンピューター「マック」を連想しますが、
黒い背の高い格子状の椅子をデザインした建築家を思い浮かべる方もいられるでしょう。
その人はスコットランドの建築家*1 マッキントッシュです。その彼の代表作の住宅が『ヒルハウス』です。
ヒルハウスの入口
当時ウィローのティールームのデザインで、認められつつあったマッキントッシュに出版会社のオーナーの
ブラッキー氏が、新しいアールヌーボーへの時代の流れを読み本の表装の部分にマッキントッシュの植物の
絵やデザインしたものを使ったのが始まりで、自分の住む住宅の設計をマッキントッシュに依頼しました。
その建物が、ヒルハウス(HOUSE AT HERENSBURGH FOR W.W.BLACKIE ESQ−へレンズバラの
ブラッキーハウス)です。1902 年にデザインされ 1904 年に完成しました。
ブラッキー氏は、ただし三つの条件をつけて、彼に設計を依頼しました。
赤茶色の屋根は使用しない、もうひとつは外壁の色はグレイ、三つめ塀は造らない。
(この件だけは、マッキントッシュが押し切り現在の塀が作られています。)
『ヒルハウス』は、スコットランドのグラスゴーから車で約一時間のクライド河沿いのへレンズバラと
という所にあり、市内と少し様相の変わった比較的敷地の大きな住宅街の中に建っています。
それは名のとおり坂道を登って行った傾斜地に建っていて低い石垣の塀越しにその『ヒルハウス』は、
姿を現します。その低い石垣の中に入ると意外とグレイの色の簡素な建物が、訪れる人を迎えてくれます。
その外観は、イングランドの伝統様式をモダンにアレンジしたものです。
整った芝生の間を抜けて、入り口に立ち黒い玄関戸は四角のガラスを並べた見慣れたデザインのそのドアを
開けての中に入ると、その建物は始めて訪れた人達がかつて幾度も来たような懐かしい雰囲気を醸しだしています。
ヒルハウスの南面
白い壁と黒光りした梁がそう感じさせてくれるのでしょう。そして程よい天井の高さと落ち着いた黒色の板張り
の壁があります。そしてその板張りの壁のところどころに抽象画の描かれた白い壁が、掛け軸のように壁の中に
納まっています。又、天井からはスクウェアデザインの照明器具、床は落ち着いた薄ベージュのカーペットその
端には淡いブルーの四角の群列、そうもう完全なマッキントッシュワールドです。
手前の部屋は、応接間(ライブラリー)ここでオーナーのブラッキー氏が、(マッキントシュのデザインを職人が
丁寧な手仕事で造った)暖炉の前で客人を温かく迎えて仕事の話等をしていた様が目に浮かびます。
そして次の間は居間です。(ドローイングルームと呼ばれる多用途の部屋です。)
ローカの黒色の板張り壁が一転して真っ白の部屋の内装に目を奪われます。(黒−パブリック、白—プライベート)
そこには、マッキントッシュのデザインした背の高い椅子や着物を拡げたようなデザインのサイドボードが、
ほどよい調和を持って置かれています。壁の上部に日本の長押のようなボーダー板が取り付けられています。
又、壁にはクロスの上に例のスクウェア模様のデザインのモールのペイントと掛け軸のような縦長のボーダーの
抽象画が繰り返し規則正しく壁に描かれています。又、南面には、広い芝生の庭を眺める大きな開口部や、その
開口部をアルコーブとして読書などに使っていた作り付けの椅子などがあります。
その大きな開口部には、妻のマーガレットのデザインのオーガニックデザインの抽象画が、描かれています。
もちろん照明器具も彼らのデザインです。彼等は、建物だけではなく生活空間全体をトータルデザインしています。
玄関ホール
寝
室
中央の広いローカから目隠しを兼ねた格子を横切り半円の壁の階段へと上ります。
その途中の折り返し階段の踊り場には、アール壁を切り取った部分に、この家の為にデザインされた例のハイ
バックの黒い格子の背の椅子が置かれています。
2Fの寝室もベースの色は、白です。アール天井の下に背面の高いバックボードを一体化した作り付けベッドが
置かれています。そこには、日本の女性の頭部だけが描かれて長い髪の毛が抽象化された掛け軸のような縦長の
絵が左右に対でデザインされ、壁にはバラの花をデザインしてパターン化したものが描かれています。
ここの部屋は、ブラッキー婦人の為にデザインされています。
マッキントッシュのデザインはよく女性的だといわれますがこれは妻のマーガレットの影響があり、二人が
植物を手本としてそのオーガニックデザインをモチーフとしてすべてをデザインしているからに他なりません。
又、彼は水彩画が大変うまく、後年の不遇な時代は水彩画家として生計を立てていたほどです。
家具は、従来の西洋の特徴とした動物をモチーフとした机の脚(猫足等)ではなく、マッキントシュは質素な直線や
緩やかな和に通じる簡素な曲線でデザインしています。
又サイドボードには日本の着物を広げたような形をしたものがあります。(他の建物でも多用されています。)
当時の絵画の印象派の人達と共にジャポニズムへの憧れと日本から影響が少なからずみられます。
これらの点はマッキントッシュと共に F・L.・ライトが私たち日本人に私達の様式美を再発見させてくれた教師
として、多くの日本人から今もなお愛され続けている大きな理由でしょう。
* 1 マッキントッシュ(チャールズ・レニー・マッキントッシュ 1868∼1928)スコットランドの建築家、
デザイナー、水彩画家。グラスゴー美術学校に通い後の夫人のマーガレット等と共に「ザ・フォー」4 人組を
結成してポスターや工芸、家具等を制作、さらに住宅設計や室内装飾分野に活躍。作品はグラスゴー美術学校、
ヒルハウス、ウィローティルーム等がある。
住まいのニュース
『銀閣寺の家』を改装中です。完成真近です。この住宅は、銀閣寺近くの今紅葉が見ごろの
哲学の道のそばにあります。
この家は、既存の住宅を改装しましたが、機能的な部分は全く新しくしていますが、一部の
柱の傷や古い思い出はそのままに改装しています。
整った旧さがこの建物と住まう人の歴史を物語っています。
和
室 内
観
設計
ATELIER
UZR
昨年に引渡しをした北山の家−H 邸が雑誌「木のこころ」29 号で紹介されました。
コピーを同封しています。
今年も伏見工業高校・建築科の 2 年生の片山君と国本君の二人のインターンシップを
受け入れて、11 月 25、26 日の 2 日間、現場や倉庫で実務研修をしてもらっています。
TOTO のリモデルクラブのプレゼント等を紹介しています。
TOTO の製品が特価でお届けできます。正月前のリフォームをお考えになられてはいかがでしょう。
今なら間に合います。詳しくはお気軽にお問い合わせください。
株式会社 竹内工務店
Tel 075-882-7878
http://www.geocities.jp/takeuchi_kmt/ E−Mail [email protected]
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