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新JEMクレーンモートル
U.D.C.占21.313.333:る21.87 新+E仙ク The レ NewType Crane ン ー Motors 蓮 池 モ ル ート ConformingtoJEM1202 紀* 公 麻 生 KiminoriHasuike 司* 武 大 TakesbiAs∂ 要 康 串 文** YasubumiOgusbi 旨 従来,クレーン用巻線形三相誘導電動機(以下クレーンモートルと呼ぶ)の形式,定格ほ全閉自冷形,60分定 格が標準であったが,今回形式および定格として全閉外扇形および負荷時間率定格を採用した新形クレーンモ ートルを開発した。 この新シリーズのクレーンモートルは,従来の標準品に比べ,小形軽量化され,特性的にもすぐれ,IEC国 際標準寸法が採用されており,国際的互換性をもっている。 また,負荷時間率定格の採用ならびに負荷時間率と出力の関係,高ひん度使用における出力の関係を解明す ることにより,クレーンモートルとして,より適確な電動磯の供給を可能とした。 表1 1.緒 言 従 番 適 形 来 わが国におけるクレーンモートル規格としてほJEMlO65,1066 く わ 新による産業界の著しい発展i・こ伴い,荷役,運搬機械や製鉄用補棟 として使用されているクレーンモートルに関しても,小形軽量でか MillMotor 1961年A.C およぴ,同年NEMA MillMotor わく番 わく番IkW極数 132M KE-16212 StandardsのAISE Standardsについで, Standard 6 KE-1824 3 KE-2030 5 8 州においてもかご形電動棟に引きつづき巻線形電動機の小形軽量化 が進められており,とくにドイツでほクレーンモートルを対象とし KE-2329 てIEC国際標準寸法に準拠した新規格DIN42681BLATTlを KE-2531 1965年に制定している。 KE-2535 わが国においては1963年JEM規格の見直しが着手され,使用者 KE-2837 側からは,実際のクレーンモートルの使用状況の調査や,今後のク レーンの方向に沿ったモート/レへの要求が出され,製造者側では各 KE-3240 30 種材料の進歩や,設計製造技術の向上なども考慮に入れて,今回新 KE-3246 40 規格JEM1202が制定された。その骨子を要約すると次のとおり KE-3468 160L 11 6 180L 15 6 200L 22 6 225M 30 250M 葺岩._芦 280M 55 汚 90 60 355L 110 132 10 400L 160 200 10 10 10 75 KE-3981 100 (2)全閉外扇形を標準とした(ただし小容量のものほ全閉自冷 KE-4587 (3)反復定格を採用し,40%EDを標準とした。 字二喜 125 10 150 10 注(1)JEMlO66のわく番の数字の最初2けたほ,モートルの中心高さをcmで 表わしたものと大体一致ナる。 (2)JEM1202のわく番の数字ほ,モートルの中心高さをmmで失わしたも (4)標準出力において45kWまでを6極,55kWから90kⅥr のである。 までを8極,110kW以上を10桓とし従来より高速化し た。 (5)E種,B種,F種絶縁を標準とした。 表2は新JEM日立クレーンモートルの外形寸法を示したもので 日立製作所においても,JEM規格改訂案審議と時を同じうして ある。また図1は全閉外扇形鋳鉄製フレームの製品外観である。 IEC寸法を採用した新形クレーンモートルシリーズの開発を進めて 2.2 いたが,今度新JEM規格に準拠したクレーンモートルシリーズの 形式は全閉外扇形加減速度式を標準とした。ただし3.7kW以 開発を完了したので以下にその概要を述べる。 形 式 下は,全閉自冷形とした。これほ一般には全閉外扇形のほうが運転 時において冷却効果ほ良いが,小容量のものでほ全閉外扇形と全閉 2.新+E仙日立クレーンモートル 自冷形の冷却効果の差が少ないためである。 構 2.1寸法ならびに出力,極数 2.3 IEC寸法を採用し,小形軽量化を図った。従来形とわく番適用を比 2.3.1 較すると表1のとおりである。各わく番のわくの取付寸法はさきに 造 フ レ ー ム フレームは,わく番315Mまでのものは鋳鉄製,わく番355L 発表した日立全閉外扇形E種シリーズモートルと同一である。 以上のものは鋼板製である。各わく番のハウジングの全局にはリ * 日立製作所習志野工場 ブを設けて冷却効果の増加を図るとともに,フレーム強度の増大 ** 日立製作所日立工場 を図った。 -29- 6 6 5石 である。 形でもよい)。 kWl瞳数6 …:芋 6 160M 315M (1)IEC寸法を採用した。 形 6 No.1-A, Standardの各新規格が制定された。また,欧 較 JEM1202 dutyの電動棟が強く要求されてきている。 アメリカでは1947年のD.C 比 新 JEMlO66 が1952年に制定されて以来,今日に至っているが,この間,技術革 つheavy 用 子っ く 番 く 番 図示番号 わ 負 S 荷 側 軸 端 l 負 反 荷 側 軸 端 ボスおよびキー止め座 岳wトu臣T】QIQKIQR】sA LAWIAUIATFAQトAKトRA ZsxLs】psiAsrTs 4.5 40 32 M6×12.5r16 42 M6×12.5 25 50 竺L_Ll__竺竺l_土塁 48 M8×16 31.5 63 4・5弓 8】110 55 M8×16 31.5 63 MlOx20 40 80 65 MlOx20 40 80 打l ̄丁三 70 MlOx20 40 80 RTOL-132M 4.5 7311.0 4.5 110 4.5 110 110 42m6 12 110 110 42m6 12 ㍍ ̄i ̄ ̄ ̄㌻l ̄ ̄芯 可 ̄芯 60 10 110 110 48m6 12 4.5 4.5 8!110 可 ̄石 22 15 10 140 140 55m6 15 10芦110 30 18 12 140 140 55m6 15 夏季垂 1叫140 37 TFO-DR 75m6 20 13 140 140 60m6 15 45 TFO-DR 75m6 20 13 140 140 60m6 15 55 85m6 24 16 170 170 70m6 18 75 95m6 24 16 170 170 95m6 24 16 170 170 110m6 28 18 210 210 110m6 2819 210 210 125m6 32 10 125m6 32 10 RTFOL-250M RTFOL-280M 90【1・5 RTFOL-315M TFO-DR ≧㌃ TFO-DR 10 TFO-DR 10 RTFOL-355L 101C 一l- 118 97 2.5 75 M12×25 50 100 117 2.5 85 M12×25 50 100 訂臣「忘 117 2.5 95 M16×35.5 63 125 10 2.5 100 M16×35.5 63 125 10 2.5 110 M16×35.5163 125 10 2.5 125 M20×40180 160112 蓋l三 +11訂うJl ̄▼i苗 ̄ 4.0 i石㌫ ̄l石 4.0 ‡!芸l芸 110m6128 4.0 RTFOL-400L 諒巨「可 ̄石 ̄ 備考1.わく番250M以上のわくのアイボルトは二点鎖線の位置である。 2.標準の電圧は55kW以下は200/220V75kW以上は400/440Vである。 一一・Ts く坤古-ゝTR百二二;Q 3.出力は40%EDの場合を示す。 ZsノⅠ一5 ̄テ、二/'こ′2 ジン\/2 ⅩA (B) 「「≡QK 「 入1 Zs〉Lsそ、ンて∴・2 「一一一1ごl 、\ T Zs:、王一S ̄キジ:7モこX2 (C) -30- JEM ル ン′ ができる。 5.5kW以上の軸受には負荷側にころ軸受,反負荷側に玉軸受 を使用し,過酷な運転に耐えられるよう軸受寿命を考慮してある。 軸受箱構造は運転中にもグリースの補給交換の可能な独特なグ リース交換方式を採用しており,運転を中止することなくグリー スの補給,交換が可能である。 グリースには潤滑性能,耐熱性などにすぐれた特性をもった日 立WRグリースを使用している。この目立WRグリースは従来品 に比べて,使用最高温度が約25%高くなり,軸受温度60℃の場 図1 合のグリースつめ換え期間を約2倍長くすることができ,グリー 全閉外商形クレーンモートル(わく番RTFOL-160L) スつめ換えの繁雑さを低減している。 (如し ■/11) @/ 色/ 「りしメ′・′・/ 毎/′/ 車\\府 \ ′′.し.■ ′′′+ @ 子 端 2.3.る ′H㌧ノ //U/′′′′′ ▼コ「 「ほ+ 26 二′/ (凰 〔控 「lイ1、 @ @し ■■■小ノ 箱,軸 端子箱は一次側,二次側それぞれ別個に設けられ,負荷側より みて左側取り付けが標準である。軸端は両軸出しとし,負荷側, 反負荷側ともにボスおよびキー止め座をつけるのを標準とし / //′/\′- _しS・・ /∴/∈二〕 ㊥二 /血\〉 ている。 部 気 電 2.4 分 定 2.4.1固 子 固定子コイ/レiこは耐熱寿命,熱軟化性,耐摩耗性,耐溶剤薬品 性および耐ワニス性などの各特性にすぐれた絶縁電線を使用して \、しヨ いる。固定子絶縁にはB種絶縁を採用し熱的に十分な信板性を有 している。 (2 ロ肘 項 次 一べ 項旦12 名 ア 側 ソ 端 プ 箱 子 カ ラ ー ベアリングカノく-(内側) ロ ー ラ ン ーベアリ グ ロロ 12 ス丁-メェノ 13 ア ドナレート イ ク 15 ス ニニンノ テ ー タ  ̄・ノ 10 フ 11 カ フ ー グ ′ミー シ ニト ノン ッド ダ 六ミ ン ブ ラ 反ポ締二 ロ プレートにより締め付ける方式を採用している。 カ 回転子絶縁iこはF種絶縁を採用し信煩性の向上を因っている。 ー ト ニ/ ノレ ン■ 7Pラシナルダー ている。回転子鉄心は軸または回転子アームに直積され,エンド ドプラケ フ 工 カ り,過激な正道運転による機械的衝撃に対して十分な強度をもっ ン ヶノ外 プレート ール プリ リ 反∫i荷側エソ ア = 一/ /、ソド+ミ 24 名 7 = ロータ 回2 ト ′ン ㌻ご 14 9 23!ス J:モ 何 - ル ペ 付 次 側 軸 例 ア リ ン グ 具 金 端 子 詣 却 スリップリングほ銅合金製であり,周速の大きいもののリング には集電特性をよくするためにラセン状のみぞを設けている。小 全閉外扇形クレーンモートル構造図 構 ープを使用し,十分な過速度に耐えるように設計してあるこ 2,4.3 集 電 環 部 シ 容量のものは樹脂モールド製の一体構造であり,大容量横はスリ ップリングボスにリングを焼ばめする構造で,十分な機械的強度 を有している。 図2に鋳鉄製フレーム全閉外扇形の構造図を示す。 冷 回転子コイルのパインドにはピアノ線またはガラスパインドテ ン売 わく番(RTFOL-225Ml 2.3.2 子 回転子コイルほ特に機械的に強化した電線を使用することによ 蓋l品 名 蚤 転 回 2,4.2 止 カーボンブラシにほ摩耗量が少なく集電特性にすく'才したものな 造 選定して使用している.こ. 冷却用外扇は反負荷側に位置し,冷却風ほ反∫-1荷側から員荷側 特 性 へ向かう。冷却をさらによくするためにハンドホールカバーを二 2.5 重構造として,冷却凪が有効ここ捌くようにしてある。 特性は効率,力率,すべりともに従来の標準Fも∫-と同程度であり, 2.3.3 最大トルクは新JEM規格250タ左以上(従来は225プJ以上、)を十分上 集電環部位置 まわっている。 集電環部分の位置は保守点検を考愈Lて反負荷側に設亡ナた二冷 特 却用外扇と集電環を反負荷側に設けたことにより電動桟の重心の 2.る 安定を図ることができた= 2.る.1小 長 形 軽 量 従来のA種標準クレーンモートルに比べ容積,重量ともに大幅 2.3,4 ハンドホールカバー構造 集電環部の保1宇点検ロを密閉しているハンドホールカバーは, な低減が実現した。図3は容積の比較を示したものである二 2.占.2 集電環部を反負荷側に設けたので,わく番160恥Ⅰから315Mまつ 信東削生の向上 電気的特性および放伐的特性にすtこ一れた電線を使用することこ のものは,密閉と冷却の二点を満たすために二重構造としてあ る。しかし集電環部分の保守ノ亡大検を考寝し,上カバーと下カバー より,クレーンモートルとしての使用状態に対し十分な電気的, を一体にして,締付金具の掛けはずしの克「さ点検できる構造と 械械的強度を有するとともに,耐熱,耐湿,耐圧特性などにす㌧こ し,簡便さを因っている。 れた絶縁材料を使用しているので,信頼性は増大した.。 2.3.5 2.る.3 軸受部構造 騒音,振動の減少 バランスが十分とってあることと,小形化により振動が小さt二 軸受は3.71(W以下は負荷側,反負荷側とも口立独自のシーノン ドベアリングである日立ラビシールド・ポールベアリングを使岡 なり,適切なみぞ数の組合せ選択と回転子スキューの実施などに しており,完全な防じん構造であると同時に潤滑性能,耐熱性. より騒音が械少した。 耐湿性にすく、1れているグリースを充てんLているので円滑な運転 冊31- 129 第50巻 蓑3 \≒竺買 15プgED ー・・・・・・・一二た:一別∫l;;、ト【リフレーンモートン(JEl】1061う) (M∈) X-×圭一別「フi一日および全閉外車三三7テラ ノレMンモートル(JEll1202) く 番号 わ 25%ED 第2号 適 用 衰 40%ED160%ED1100%ED モート′レ GD2 kW ゎく妄㌻でikⅥr 3 1 kW l 2.5 kW l 1.81 kW (kgm2) 1.5 0.22 3.7 2.8 0.35 5.5 4.0 0.55 7.5 5.5 0.70 7.5 0.85 132九‡ 荘帖翠裔固 0 6・3】8・5 160M 10 / 168L 15 200L 10 コ 2〇一30 180L 225九′Ⅰ 250:\ノⅠ ニ 17 15 13 11 1.5 25 22 18.5 15 3.0 33 30 25 22 4.0 4O ウリ 【・/ 30 25 6.8 50 ・/l「〓J 37 33 8.0 45 37 63 50 75 63 7 ■〇 63 00 85 125 O nU 75一90 2801′Ⅰ 八U A一 3 150 1 25 110 90 75 185 150 132 110 90 220 185 160 132 110 315M 55 400L 160 滞考 1132 115 上表の出力は40%EDにおける出力を漂準出力にとり各%EDにおける 出力を蓑わしたものである。 きこま,どのように出力を加減して使用すればよいかを表3に示す。 この場合停動いレクは40%EDにおける出力の250%以上であ るから,15%ED,25%EDの場合は出力が増加した割合だけ停 動トルクの出力に対する比率は減少するし,逆に60%ED,100% EDの場合は比率が増加することに注意する必要がある。 10 20 40 70100 200 400 2・7・2 7001,000 始動ひん度や負荷のGD2と出力の関係 始動ひん度が多く,負荷のGD3が大きい場合は,モートルの出 力を減らして使わなければならない。その一例は図4に示すとお 注(1)。当課七たし笠、一:モートルア。。2 GD2L:f ̄i荷・のGD2(モートル軸検算) りである。この場合,加速トルクは横軸の出力の200%として r2)Z=子j上特定酌回数 +ゝ (3)「州一刀()F・トつ出プJ:ま40き乙EDにさ;:ナるモMトルの出力 団4 始動ひん虔と出力の関係(40プg -7 このノ〇っ EDの場合) 3.結 2.占.4 保 守 容 易 R 新JE丸i規格に準拠したクレーンキートレのシリーズ化を完成し 集電環部の保守点検は,操作簡便なハンドホールカバー構造の たのでその概要を紹介した。IEC寸法を採用し,全閉外扇形を標準 採用により容易i・こできる。グリースの交換は,日立独自のグリー とし,新しい電線絶縁材料を使用して信板性を向上し,大幅な小形 ス交換方式の採用により,運転中でも停止中でも容易に行なうこ 軽量化を実現するとともに,負荷時間率定格の採用,各種負荷時間 とができる。 率と出力の関係,始動ひん度と出力の関係などの究明により使用者 2.占.5 こ対し,より適確なクレーンモートルの供給が可台如こなった。 モートルの慣性モーメントの低減 小形軽量化により必然的にモートル自身の慣性モーメソトが小 なお新JEMクレーンモートルシリーズに対応するブレーキ,抵 さくなり,起動,停止をひん繁に行なうクレーンモートルとして 抗器,コントローラなど制御器のシリーズも完成しているが,これ の使用に従来品よりも有利である。 らについて;ま稿を改めて述べる。 2.7 モートルの選定 2.7.1負荷時間率と出力の関係 標準の定格は40%EDであるが,これをほかの%EDとした -32-