Comments
Description
Transcript
ナノ集束ガスイオンビーム発生装置の開発
nano tech 2009 Booth F-31 ナノ集束ガスイオンビーム発生装置の開発 キーワード:イオン顕微鏡、FIB 株式会社神戸製鋼所 概要 本助成事業では、高分解能・高感度なイオン顕微 し、表面観察・微細加工が行 鏡(図 1)の実用化を目指し、急峻な圧力勾配形成を特 えるシステムとして、エレク 徴とする高輝度ガスイオンビーム発生装置の開発を トロニクス、バイオサイエン 行っています。この発生装置をキーパーツとして、 ス、素材など様々な分野にお 現在の Ga 金属ビームで問題となっている試料損傷 ける開発力強化に貢献し や汚染のない収束イオンビーム(FIB)装置を実用化 ます。 図 1 高分解能・高感度 イオン顕微鏡イメージ 成果 [1] 電界電離イオン 電界電離イオン源 イオン源の原理 20µm 先端 100 nm 以 図2 下の先鋭電極と対 電極 Heガス 向した電極との間 と、先端には数十 V/nm もの強電界 が形成され、He な ガスノズル 微小開孔 からの ガス噴出 イオン化 高真空 領域 イオン 輸送領域 0-数10µm に電圧を印加する W 電極 数-数10µmφ ノズル 図 4 保護膜を成膜した先鋭電極の光顕像(左)と、 どのガスは電界電 製作したイオン発生部の SEM 像(右) 離しイオンとなる。イオン発生は、先端の微小領 域に限られるため微小起点からのイオンビーム を得ることが可能となり、収束に適しています。 [3] イオン発生部 イオン発生部の 発生部の開発 [2]で設計した構造を、MEMS 技術を応用して製作 しました。数十 µm の微小開孔に先端径数十 nm の [2] 希薄気体 希薄気体シミュレーション 気体シミュレーションによる シミュレーションによるイオン によるイオン発生部 イオン発生部 繊細な先鋭電極を高精度に配置 の構造設計 するために、先鋭電極への保護 先鋭電極先端のイオン 先鋭電極 スノズル内への位置合わせ→保 ガスノズル 化領域とイオン輸送領域 のガス圧力を分離する急 護膜エッチング、のプロセスを 激な圧力分布を形成する 開発しました。これにより、ノ イオン発生部の独自構造 ズル中心から先鋭電極先端が突 真空 (図 2)を希薄気体シミュレ ーション(モンテカルロ直 図 3 希薄気体シミュ 接シミュレーション)を用 レーション例 功しました(図 4 右)。 数十 µm のガスノズルから先鋭電極先端が突き出す 発生したイオンを高効率に輸 ように配置することで、発生イオン量が大きく、輸 送し、50nm に収束する、静電レ 送領域での損失が小さなイオン発生部を実現できる ンズ光学系(図 5)の開発を行っ ことがわかりました。 ております。 連絡先 〒651-2271 電子技術研究所 兵庫県神戸市西区高塚台 1-5-5 ガンレンズ アライメント器 出したイオン発生部の製作に成 [4] イオン輸送 イオン輸送・ 輸送・収束部の 収束部の開発 いて設計しました。穴径 株式会社神戸製鋼所 技術開発本部 イオン発生部 膜成膜(図 4 左)→先鋭電極のガ Tel:078-992-5613 Fax:078-992-5650 対物レンズ 電界偏向器 試料 図 5 イオン 輸送・収束部