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るうてる - 恵泉幼稚園
2012 年 8 月号(通算 372 号) るうてる 箱崎群教会共同体版 -月報 メッセージと証し- 発 行 日本福音ルーテル箱崎教会 代表者 牧師 和田 憲明 〒812-0053 福岡市東区箱崎 3-32-3 TEL(092)641-5440 FAX(092)641-5480 メールアドレス [email protected] 箱崎教会・恵泉幼稚園 http://www.jelc.or.jp/hakozaki 奈多愛育園 http://nata.aiikuen.net/ しかし、私は言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。 あなたの天の父の子となるためである・・・ ( 『聖書』マタイによる福音書 5 章 44-45a 節/新約聖書 8 ページ) 一枚の写真、一つの信仰はめぐる 和田 憲明 この一枚の写真、どこかでご覧になったことがあるだろうか。 当時ベトナム戦争の象徴として「戦争の恐怖」と題され、全世 界を駆け巡った写真だ。米国の『ニューヨークタイムズ』紙面 第一面を飾り、ピューリッツァー賞を受賞した。ちょうど 40 年前の 6 月、写真の真ん中左の少女、キム・フックさん(9 歳)は、旧サイゴン(現ホーチミン)郊外の寺院に身をひそめ ていた。兵士が現れ、外に逃げると轟音が耳をつんざく。南ベ トナム側の戦闘機がナパーム弾を落とした。全身を炎が包んだ。 「熱い、熱い」。燃える服を脱ぎ捨て、泣き叫び走った。 今年の 6 月、米国カルフォルニア州ニューポートビーチの教会。フックさん(49 歳/左下の写 真左)の一言に約 1000 人が固唾をのんで聞く。 「なぜ、私なの?私を傷つけた人たちを呪い、 私以上の苦しみを味わえばいい、とさえ思った」 。フックさんは長い左袖をまくり、やけどの痕 を見せた。痕跡は背中にも広がり、今も天候が変わると、痛みがひどくなる。これまで 17 回の 手術を受けてきた。 彼女に転機が訪れたのは 19 歳、聖書を手にした時。冒頭のみ言 葉は彼女の目に留まった箇所である。留学、結婚、カナダへ亡 命、そこで自由な空気を吸い、二人の息子に恵まれ育てる。彼 女曰く「私の心からゆっくりと、真っ黒なものが吐き出されて いった」 、 「本当に、とても難しいけれど、自分自身が自由にな るために、ゆるすことを学んだ。みなさん、ゆるしは選べます」 と。 一方、会場では当時を撮影したニック・ウトさん(61 歳/写真右)がこの写真 を掲げた。フックさんの講演には出来る限り駈けつけている。兄を戦火で亡くし、 彼自身も足にロケット弾を受けた。 「この写真で戦争を終わらせたかった」。泣き がならシャッターボタンを押した。直後駆け寄ったフックさんにコートをかけ、 車で病院へ運んだ。約 1 年後に再会。足しげく様子を見に行き、成長するさま をカメラに収めた。現在、米政府の記者の監視により、戦場からメッセージを送 るのが難しくなった。けれどもこうしてフックさんの講演活動を支えつつ、経験 を本に書く準備をしているという。かつての戦場の少女やカメラマンはゆるしを 説き、一枚の写真、一つの信仰はめぐる―― フックさんは「信仰と家族の存在が自分の チャレンジをサポートしてくれた」と語った ★こどもたちへのメッセージ: 「へいわをつくる」 (要約) ★讃美歌:34 番(キリストの平和) 『こどもさんびか-改訂版-』 ★聖書朗読: 「しかし、わたしの言葉を聞いているあなたがたに言っておく。敵を愛し、あなたがた を憎む者に親切にしなさい…」(ルカによる福音書 6 章 27 節/新約聖書 113 ページ)。 この夏、多くの子どもたちと一緒に「へいわをつくる」という手話を覚えました。 「へいわ」の「へ い」は、両手をパーにして、指先をくっつけ、その指先を前に向けて、両手の親指をつけて、平ら を描くように親指を離していく。 「わ」は、両手を仲良く握手しながら、画用紙に絵を描くように両 手で○を描きます。そして「つくる」は、今度は両手をグーにして親指を上に向け、上下にトント ンッと(片手のグーの小指がもう一つ手のグーの親指に当たるように)する。言葉で書くと長いけ れど、一度やったことのあるみんなは、もう忘れることの出来ない「へいわをつくる」ですね。 けれども、今日の聖書をみるとイエス様はなんてむずかしいことを言うのだろう、と思うことがあ ります。今嫌いな人を思い出したり、憎んだりする人がいるならば、この箇所ははっきりいって聞 きたくない言葉だからです。でも、気になります。どうして私たちを愛し、大切に思ってくださる イエス様が《敵を愛し、あなたがたを憎む者に親切にしなさい》(27 節)などとおっしゃるのか。 聖書を研究するある人は、 《あなたの頬を打つ者には、もう一方の頬をも向けなさい…》 (29 節)と いう箇所を、 「権力者がやってきて、なぐりやがったら、面のあっち側も向けてやれ。しょうがねえ んだよな。借金取りがやってきて、着ている上着まではぎとりやがったら、ついでに下着までつけ てくれてやれ。ほしけりゃ持っていきやがれ」と、理解しています。これは表面的には痛かったり、 物を取られたり被害を受けますが、でも敵に、人の心までは奪われないぞ、お前なんかに!という 権力者への強い反抗の精神を語っています。弱い人たちの立場に立つイエス様はそのような意味で 言ったという、何だかわかるような気もします。 しかしこんな話もあります。爆弾テロで兄を殺された弟のお話しです――「私は自分の兄のための報 復をしているという気持ちはあります。ただ、その報復は暴力による報復ではない。そうではなく、 真理を究めることによって、なぜこんなことが起きてしまったのかということをはっきりつかむこ とによって、もっと言えば、再びこういうことが起こらないために、真理を知りたいのです。でも 絶対これをやってやるぞという報復的な気持ちはあります。暴力を使ってないけれど、これは戦い なのです。それは、愛の究極的な表現であると私は思っています」と。 この二つのお話しを聞いて、ずいぶん違う考え方だな、と感じました。今世界も日本も相手の暴力 に対しては、武力で解決できると考える人が多くいます。だから仕方がないけど対策はそれしかな い、と思ってしまいます。でもこの話は今、確かに生きている人の言葉です。イエス様の言葉に信 頼している人の言葉なのです。 《神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された…》 (ヨハネ 3:16)と、聖書のもっとも大切なところに書いてあ りました。今年のクリスマスにもみんなで唱える大切な聖書の み言葉です(「小聖書」と呼ばれています)神さまが愛した世で す。だったらこの世がどんなに悪くなっても、すてたものでは ないな、と思います。いや、きっと私たちも愛することの出来 る世なのではないかな。夏休みが終わり、イエス様の言葉を、 また一緒に聞いていきましょう。 「シルバープロジェクトの集い」にどうぞ 福留 美弥子 私は老いることに不安ばかりあり、心配ばかりしていました。70 才すぎて体力が弱り、体のあち こちに不調が出てくることばかりに気をとられ、これからどうなるのだろう、一体いつまで元気で いられるのだろうかと、不安ばかり覚えていました。そんな時に出会った「LAOS 講座別冊人生 6 合目からの歩み」には目を開かされる思いでした。第二部には次のような文章があります。 「思えば、歳をとっていくことは、色々な意味で多くのものを失っていくことだとも思います。 例えば健康、役割、関係、伴侶、そして何よりも時間。老いていくことは喪失していくことでもあ るのです。しかし老いていく中でますます増えていくものがあることに私たちは気がつかなければ なりません。それは何か。 『恵み』です。老齢期は失っていくだけではないのです。確かに多くのも のを失いますが、しかし恵みは『私』に溢れていくのです。とすれば、老いはまた希望でもあるの だと思います。よく老齢期は冬の季節として表現することがあると思います。青春から始まって人 生を朱夏、白秋、玄冬などと表現します。老齢期は厳しい冬の季節として表現されるのです。しか し私たちの人生を季節で表現するだけでは十分ではありません。なぜなら人生は『旅』だからです。 そして人生を旅として受けとめるとき老齢期は長い人生のゴール間近、つまり希望の時期でもある のです。」 「老齢期は希望そのものなのです。そしてこれまで人生の旅路を導き支え続けてくださっ た神の恵みを思い、喜びと感謝がわきあがってくる『時』なのです」という文章をよんで、本当に そうだと思いました。せっかく残された人生、喪っていくものだけを数えて煩ってばかりいるより は、神様が与えてくださっている恵みに感謝して生きることがどんなに前向きで明るく希望に満ち たものになるか、と考えさせられました。 役員会では今年のシルバープロジェクトの取組みとして、箱崎群 教会共同体で、8 月 26 日(日)修養会をして「人生 6 合目からの 歩み」をテキストにして学びの時を持つことになりました。10 月 14 日(日)には「草苑」から高崎さんという方をお招きして、キ リスト教葬儀についてのお話を伺い、質問をしたりする時間を持つことになりました。ご一緒に学 びの時をもてれば幸いです。 デイキャンプ楽しかったよ! 山本 裕子 7 月 21 日(土)梅雨明け切らぬ、この日、前日より天気を気にしつつ、雨プ ログラムも準備しての、当日でした。50%の降水確率のなか牧師はGOサインを だし、予定通りキャンプを開始しました。 久しぶりの四王寺山、夏山という雰囲気を満喫。草のにおい、しずくの音の中 で開会礼拝。「平和について」のお話を聞き、お祈りしました。それから、こど もたちは、はじけて夏の日差しあふれる草原を駆け回りバッタとり、とんぼとり、 と大喜びでした。しかし、昼前南方より黒雲接近。急遽スタッフは子ども達に集合をかけ、(ちょ っと、遠くにいらした和田先生もマイクで呼び出し)少し下った所にある、管理棟横の屋根のある 建物に移動し、そこで、昼食となりました。皆がおうちの方手作りのお弁当を食べ始めるとシャワ ーのような雨降りとなりました。流れてゆく雨を見ながら「雨が川になったねえ。この雨がダムに 流れてゆくもんねえ。」と感想を述べてました。 食後はスイカ割りにもりあがり、雨上がりの外 を探索。近くの小池にげんごろうや、あめんぼ、おたまじゃくしを発見し、山の豊かさを実感して ました。子ども達の言葉の端々にみずみずしい感動があり、また友達へのやさしさがあり、スタッ フへの親しみがありました。(これは、おやつを分けて貰ったからです) 大自然にかこまれて、神様の創造に思いを馳せ、そして、こうして過ごせることが恵みと感じ、 平和って大切だと思った。そういうデイキャンプでした。無事に帰宅でき、思い出もでき、神様あ りがとうございました。