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国家公務員総合職試験ガイド 先輩メッセージ(PDF)
先輩職員からのメッセージ 松 本 卓 也 (警察庁長官官房人事課企画係長) 「子どもたちが『日本に生まれてきてよかった』と思え るような国を残したい。」 これが就職活動の時、私が一番大切にしていた思いで す。その思いに応えてくれたのが「国家公務員」という職 業であり、 「国民の安全・安心を守る」という組織ミッショ ンと、熱い志を語ってくれた先輩たちがいた「警察庁」と いう役所でした。 入庁して2年ほどですが、多くの貴重な経験をしてきま した。都道府県警察勤務では、刑事として社会の悪と対峙 し、現在は警察庁で政策の企画立案者として日々山積する 社会問題と格闘しています。言うまでもなく、安全・安心、 良好な治安は、あらゆる社会・経済・行政活動の前提基盤 です。今まさに自分が携わっている仕事が、この社会を根 底から支えていると実感できることに大きなやりがいを 間 宮 将 感じています。 日々の仕事の中で 感じる「大切な人た ちの安らかなる日々 を守っている」とい う確かな感覚は何物にも代えがたいものです。世界に誇る べき日本の良好な治安。それは当然のものではなく、不断 の努力、無量の思い、叡智の結集によって確保されている のです。 自分がこれからの日本を支えたい、そんなアツい志を 持った皆さんをお待ちしています。 大 (総務省自治税務局企画課主査) 私が国家公務員を志望したのは、短期的な視点に捕らわ れることなく、長期的な視点に立って理想の社会像を追求 することを貫けると感じたからでした。 入省6年目の現在、税制改正業務、すなわち政策ツール としての税の活用法を検討する業務を担当しています。 「○○の実現のために減税すべし」、「××の税負担を軽 減すべし」等多数の税制改正要望の中から、真に必要かつ 効果的な施策に絞って実行に移す過程は、まさにあるべき 社会像を考え、それを実現していく作業そのものです。多 様な思惑が交錯する中で、各省庁が推進しようとする施策 と厳しい地方税財政の結節点を探す作業は決して容易な ものではありませんが、国民の生活に直結する仕事、社会 を創る仕事の一翼を担うことができていることに日々充 実感を覚えています。 柏 口 温 また、入省1年目 からの2年間、秋田 県庁に勤務しまし た。県内の市町村を 自らの足を使って回 り、過疎地の窮状を、その中で当地の人が懸命に努力し、 生活を愉しんでいる姿をこの目で見てきました。現在の私 の霞ヶ関での仕事は、これら地方自治の現場での経験が根 底にあります。国家公務員として制度設計を担う今、常に 現場感覚を忘れず、バランス感覚を持って仕事をすること の重要性を再認識しており、これからも、秋田で感じ取っ た感覚を大切にしていきたいと考えています。 皆さんと、日本の未来について、地に足のついた議論が できることを楽しみにしています。 子 (外務省在ケニア日本大使館二等書記官) 日本が危機に直面したとき、ただ指をくわえて見ていた くない―これが私の国家公務員志望の動機です。中でも外 務省に就職したのは、安全保障、食料、エネルギーといっ た国の根幹を他国に依存する日本を守る上で、国と国と の架け橋になろうと考えたから。入省以来、shoe-leather diplomacy という言葉通り、各地へ飛び靴底を擦り減らし ながら外交に携わっています。 外交官は全人格で勝負することが求められるチャレン ジングな職業。そのため、外務省では若い頃から重要任務 を任され成長する機会を与えられます。私は1年目後半か ら日本外交の柱の一つである人間の安全保障を担当し、2 年目には国際会議において政府を代表し英語でプレゼン も行いました。3年目の夏からは2年間米国の大学院に留 学し、最先端の研究を実務に取り入れるべく猛勉強。そし 11 て昨年夏にケニア大 使館へ赴任し、現在 はケニアとの外交政 策全般を担当してい ます。 外交官は意外と泥臭く、危険とも隣り合わせ。停電のた め蝋燭で書類を読んだり、トイレに入ると真っ黒なハエの 大群に襲われたり、泥水で洗った器で食事をしたり。遺言 状を夫に託し、情勢が不安定な現地へ赴くこともありま す。ただ、やり甲斐のある、一生をかけるに値する仕事です。 この激動の時代の中、いま当たり前と思っている平穏で 豊かな日々が五十年後も「当たり前」であり続けるように、 あなたも日の丸を背負って世界を舞台に挑戦してみませ んか? 平成26年度版国家公務員総合職試験ガイド 和 宗 舞 香 (厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課地域就労支援室 職場適用援助係長) この仕事から私が教わったのは、「誰かのためにする仕 志望するのだと思わ 事って気持ちの良いもんだ」ということです。 れるかもしれません 私が所属する職業安定局は「就労支援」や「雇用対策」 が、中にはこういう を行う部局です。国民の「働きたい」という気持ちや、働 人間もいます。) くにあたっての課題解決をサポートする仕事とも言えます。 しかし、いざこの とはいえ、相手に面と向かっての支援は全国のハローワー 仕事に携わって感じたのは、関わった事業の利用者が「就 クや労働局の現場スタッフが行うので、ここでは、取組み 職できてよかった」と涙ながらに語る姿を目にして湧く の設計や方針の決定、業務が円滑かつ効果的に進むよう指 「あの時頑張ってよかった。これからも頑張ろう!」とい 示を行うような、いわば「総監督」的業務が大半を占めます。 う意気込み、あるいは、ある事業をもっと役立つものに これを聞くと、自ら直接支援せずにいつ、人の役に立つ するためにどうすれば良いか考えている時の使命感でし 気持ち良さを感じるのか、疑問を感じるかもしれません。 た。 少なくとも私の場合、志望時には仕事にこういった感覚が 公務の世界に足を踏み入れて5年目の今、この意気込 あると思っていませんでしたし、さほど求めてもいません みや使命感が、この仕事だからこそ感じられる気持ちよ でした。(そもそも人の役に立つのが好きで国家公務員を さであり、魅力だと確信しています。 浅 見 武 人 (農林水産省経営局就農・女性課) 高校生の時「成長の限界 - ローマ・クラブ人類の危機レポー ト」を読み、大きな衝撃を受けました。毎日当たり前のよう に食べている食事が、近い将来満足に食べられなくなる。そ う感じたことがきっかけで、将来は農業に関わる仕事をした いと思い、農学部に進学しました。大学入学当初は、かつて の「緑の革命」のように品種改良によって「食」を支えたい と考えていましたが、アプローチの方法は他にもたくさんあ るのではないかと思い、様々な方面から「農業」及び「食」 に関わることができる農林水産省の門を叩きました。 入省当時は、行政の仕事についての理解も浅く、目の前 にある仕事をこなすことで精一杯でした。それでも職場の 諸先輩方の温かいご指導のおかげで、少しずつ成長できて いると感じています。 現在は、日本の農業を支えている農業者の約 6 割が 65 藤 井 美 穂 (特許庁審査第一部調整課品質監理室 歳 以 上 で、40 歳 未 満は僅か 5%という 現状の中、いかにし て若い世代に農業に 魅力を感じてもらい、 世代間のバランスのとれた構造を実現していくかという 課題に対し、施策を考え、実行していく業務に取り組んで います。「農業」と「食」を支える一助となれるよう日々 努力する毎日です。 農業には、担い手の高齢化以外にも、所得の減少や食料 の安定供給など様々な課題があります。従来の考えにとら われず、皆さんの熱いハートとクールな頭脳で一緒に日本 の農業を盛り上げていきましょう。農林水産省でお待ちし ています。 品質評価監理係長) 私は学生時代に身につけた専門知識を生かすことができる 職場であると考え、特許庁を志望しました。 特許審査には、理系の専門知識のみならず、特許法などの 法律の知識も必要です。入庁前には特許に関する知識はほと んどありませんでしたが、入庁後、研修で特許法について学 び、3年間特許審査実務の指導を受けて審査官に昇任しまし た。審査官の仕事は、排他的な独占権である特許権の付与に ついて判断する社会的責任の重い仕事ですが、先端技術に触 れる機会も多く、とてもやりがいがあります。入庁5年目に は、外国の特許庁に滞在し、互いの国の特許制度や審査実務 に対する理解を深める国際審査官協議に参加する機会もあり ました。 特許審査官の仕事の軸は「特許審査」ですが、知財に関す る施策の企画・立案を行う部署で仕事をする機会もあります。 私は現在、特許審査 の質を向上させるた めの施策の企画・立 案や、特許審査の質 に関する情報の収集・ 分析を行う部署で仕事をしています。無用な訴訟等を防ぐた め、また、国際的なワークシェアリング(他国の審査結果利 用など)を推進するため、特許審査の質の重要性は高まって きています。そのような状況の下、現状の特許審査の質に関 する問題点を把握し、それを改善するための体制・手法を考 え、形にしていくことは、とてもやりがいのある仕事です。 理系の専門知識を生かしたい方、知財行政や国際協力に関 する仕事に興味がある方…私たちと一緒に特許庁で働いてみ ませんか。 12