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スポーツ・リーダー論

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スポーツ・リーダー論
良きリーダーとは
強いこと
技術的に優れていること
体力的に強靭であること
精神的に強靭であること
人間的に立派であること
総合力
明朗性
正義感
統制術に長けていること
表現力
洞察力
目標設定
動機付け
リーダーになったら
① リーダーとなったことに自信を持つこと
② 君子は豹変する。日々成長しつづける。同じことの繰り返しでは進歩は生ま
れない。
③ リーダーは一番強くあれ。動物の世界でボスはどうやって生まれるか。子供
の世界でガキ大将はなぜできるか。スポーツでは理屈の前に力である。
④ 短所を補うのではなく、短所は何たるかを自覚し、長所を伸ばす努力をする
こと
⑤ リーダーが10人いれば、10人の形がある。一人のリーダーの偶像を追い
かけないこと。個性を発揮しろ。
⑥ リーダーの立場はリーダーにしかわからないものである。リーダーたるもの
孤独であると知れ。
⑦ 全ての責任はリーダーにあると知れ。部員がやったことも、やらないでいる
ことも管理者の責任である。
⑧ 多数意見が正しいとは限らない。みんなで渡れば怖くないという、多数で正
義を見失うことのないよう自己の判断力を持とう。少数意見にも耳を傾ける
姿勢を持とう。
⑨ 憎まれ役も時には必要である。
⑩ 人間が指導するのだから完璧はありえない。
⑪ 誰にでもミスはある。リーダーにもあって当然である。ミスは、成功よりも
貴重な財産となる。失敗を恐れることなかれ。ただし、同じ過ちは二度と繰
り返さないために、どう対策を考えるかが重要である。
⑫ リーダーを演じることも必要。仲間の先頭にたって怒るとき、誰よりも冷静
に振舞う、演技することが仲間のリーダー観を育て信頼を得ることもある。
⑬ 目標は明確に。勝つと思うな、思えば負けよ、負けてもともと、では人はつ
いてこない。
⑭ 計画は具体的に。
⑮ 指示は期限付きで。指示を与えるときは、明瞭にすることはもちろんである
が、必ず何時までにやるのかをはっきり伝えること。さらに、何のためにす
るのかも理解させることが、やる気を高めることになる。大事な指示は必ず
復唱させること。
⑯ 業務は報告をもって完了。仕事のやりっぱなしでは、組織として動けない。
⑰ 話し上手は、回数と準備。上になればなるほど話す機会が増える、いい勉強
の機会と心得よ。相手に誤解なく全てが伝わると思ったら大間違い。みんな
自分が都合良いように勝手に解釈しているものである。それでよい。用意し
たものを全て話そうと思うな。何を話したいかのポイントを定めることも重
要だ。
⑱ 話し上手より、聴き上手になろう。他人の意見に耳を傾けよう。相手が話を
している最中に、自分の意見を言うと時には相手が自分の意見を言うことを
止めてしまうかもしれない、相手の話をさえぎってしまうのでは真のコミュ
ニケーションにならない。よく理解できないときは、あなたの考えはこうな
んですね、などと聞き返してあげると良い。また、相手の話中に、うなずく
などの動作も効果的だ。
⑲ 垣根を作らず、アンテナを高く、視野を広く。
⑳ 強くなり、偉大になればなるほど、情報が不足する。声なき声に耳を傾ける
努力が必要だ。
21 有言半実行。不言実行は不言不実行になりやすい、人に話すことが、自分に
責任を持たせることになり、人間の弱さをカバーする。
22 長期的視野にたって、次の代を育成するのもリーダーの役目。リーダー育成
はリーダーの仕事。
23 多くの情報をクラブの中で共有できる体質が人材を育てる。
24 グループができれば必ず落ちこぼれ意識も生まれる。1つの物差しに拘らず、
個人の存在価値観を認め合おう。
25 スポーツを科学として研究をしよう。トレーニングと遺伝子、筋肉再生の設
計図とメカニズム、トレーニングには、重量付加、酸素供給の加減(高地ト
レーニング)などの負荷環境を変える方法などが考えられてきた。さらにど
んな工夫ができるか。
練習において
① 日常起きる全ての出来事を自分の競技のトレーニングに役立てよう。
② 自分の全ての生活に対して、自分の競技が全てに優先すると言い切れるか。
勝つことが全てに優先すると言い切れ。
③ 注意を与えたとき最後はほめるように心がけよ。
④ 選手のやる気を起こさせるのもリーダーの仕事。
⑤ 自分の競技種目が何よりも好きにさせる。
⑥ 自分は何が優れているかを各人に自覚させよう。できれば、このことは日本
一だといえるものを。あるいは、この集団では一番でも良い。
⑦ 試合で泣くなら、練習で泣け。
⑧ 年間計画、合宿計画、練習計画、それぞれの目標付け、動機付け、練習、試
合の実施、結果の反省、このサイクルを意識する。このことを各学年、各レ
ベル、各個人など必要に応じて意識させる。
⑨ 体力養成、技術習得、試合の各時期の集団目標を明確にする。
⑩ 常に創意工夫を心がけさせる。人の物まねではその人を越せない。考えて試
行する繰り返しが人を磨く。人を磨くから教育として位置づけられる。上位
に食い込むのと、頂点も目指すのでは根本的に意味が違う、体育局員なら頂
点を目指すから意義があることを知れ。
⑪ トレーニングの工夫。筋トレにより、瞬発力、持久力どちらを鍛えるのか、
明確に意識しておく必要がある。持久系の筋力は、心肺機能の強化と共に有
酸素運動がよいとされている。スポーツ運動で使われる筋力は複合的でねじ
れ運動が多く、直線的動きは少ないことを認識しておこう。持久系の筋力養
成でトレーニングぐせをつけると、パワーを瞬間的に余計に出す癖がついて
しまう。実際の競技ではこの癖によって、早く疲労を起こしてしまうことが
ある。筋トレの後に、正しいフォームで筋力を総合的に使う癖の修復運動を
取り入れると良いだろう。最大パワーのアップだけでなく、柔軟性向上も筋
力アップである。当然のことながら、運動、栄養、休養の繰り返しが大切で
ある。
⑫ 年間を通しても、体力養成期、技術向上期、試合出場期を区分し、運動、栄
養を考えろ。
⑬ 休養も練習の内、気分転換は大切である。
⑭ 部員の性格を把握しろ。コンビを組ませるなら、父性タイプと母性タイプの
組み合わせが良い。緻密なやつと大雑把なやつの組み合わせはしっくり来な
いが、時間が経って相手を理解できるようになると大きな力になる。芸術家
肌のやつは大きな発展性を持っているが、協調性に欠ける部分があり、自己
中心なのでチーム力にならないことがある。
⑮ 部員の能力を考えろ。ものさしが一つではだめだ。飲み込みのいいやつと、
何回やってもだめなやつ。機転の利くやつと鈍いやつ。ものさしを変えると、
飲み込みは良かったが伸び悩むやつと、何回やってもだめだったが、できる
ようになり始めたら着実に進歩していくやつ。能力には必ず優劣がある、物
差しが変わればそれはいつでも逆転するものである。熱しやすいが冷めやす
いやつには、段階的なスポーツの訓練にたゆまぬ努力をさせることが難しい。
機転が利いて頭の良いやつには、問題意識を持たせ続ける工夫が必要なよう
だ。答えがすぐに出せるやつ、記憶力のいいやつ、これに越したことはない
が、考えることができるやつこそ、高い可能性を秘めている。全てに万能な
んてありえない、万能に見えるのは一つの優れた能力が、他のそれほど優れ
ていない力を誘導して総合的に発揮されるからである。能力が相互に逆方向
に働き、打ち消しあっている状態なら、片方の能力はない方が良い。違う能
力であっても同じ方向を向いた力であれば、総合的な力を発揮できる。能力
を最大近くに発揮できる集中力、力の配分を考えるバランス力なども能力で
ある。大切なことは、バランスよく、総合的に、考えられる能力を養うこと
である。
⑯ スキーで転ばぬやつはうまくならない。転び癖をつけてもだめである。楽な
相手ばかりに勝つよりは、強いところに立ち向かい負けたほうが良い。自身
の限界に常に挑戦する勇気を持ち、高い緊張を維持しよう。
⑰ 練習は一回の量よりも回数。
⑱ 当面のライバルは、どんな場面でも 10 人以下である。
試合において
① チームの勝敗を決定付ける要因の多くはリーダーが握っている。
② 選手が十分に力を発揮できるか、萎縮したりして力を発揮できないかはリー
ダーの管理能力と知れ。
③ 部員の健康管理のミスもリーダーの責任である。
④ 試合に出れない人にどのように参加意識を持たせるかが、選手にいい意味の
プレッシャーを与える。
⑤ 低学年の者に役割を分担し、その責任を自覚させることも大切だ。
⑥ 同学年で実力が拮抗している選手の中から、誰かを選ぶとしたら、誰にとっ
ても難しい判断といえる。リーダーの仕事であるとわきまえ、信念と自信を
持って決断すること。
⑦ 選手を選ぶときに私情は要らない。冷静に個人の長所短所を見極め、どの選
手を選ぶことがチームワークを得ることになるか考えて決断すること。
⑧ いくら優れた選手であっても仲間から信頼されていない人は要注意である。
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
⑮
⑯
⑰
逆に、普段の練習のときは協力的でないが、チームの皆から、その実力に信
頼を置かれている者もいる。
よく練習は試合のごとく、試合は練習のごとくといわれる。しかし、練習だ
からできることもある。明確な目標意識と練習効率を考えさせろ。練習は試
合のためにするのであるが、試合も高い目標の試合のためのステップである。
レースで実力を発揮できない者と、実力以上の力を発揮する者がいるように
見えるが、それは練習を視点に置いた判断に他ならない。試合での力が真の
実力である。試合での力は、1、度胸、2、冷静な状況判断力、3、戦いに
向けてひるまない闘争心、4、高い緊張を維持できる集中力などの精神力の
比重が高まることを知れ。自然を相手とする競技の人は1・2が訓練され、
格闘技の人は3が訓練され、弓、射撃、ゴルフ、ボウリングなどは4が訓練
されていることだろう。これらのことを実力の一部と気がつかない人は、個
人の実力を体力と技術でしか見ていないことになる。
勝負時を見誤ることなかれ。勝算のない仕掛けは博打に似ている。多くのゲ
ームは、序盤、中盤、終盤に分けることができると思うが、序盤で仕掛ける
のは実力で劣るものである。このようなシリーズ物のレースは平均スコアの
勝負となることが多いので早仕掛けは禁物である。序盤はチームの勝ムード
を作れ。
最初に笑うものは後で泣かない。勝負のどんでん返しなど殆ど起きない。チ
ャンスは最後に来るなどと思うな。チャンスは後になるほどなくなるもので
ある。
勝てるときに勝てるだけ勝て。勝つ可能性が90%になったら、99%の可
能性を目指せ、99%の可能性ができても、勝ったと思った瞬間に、ゲーム
をやる意味はなくなる。最後の最後まで最善を尽くす姿勢がスポーツマンシ
ップを育む。
負けていても負けたと思うな、負けるときは負けたとあきらめたときである。
あきらめなければたまには幸運も味方する。
勝っていたら態度で示そうよ。相手の戦闘意欲を削ぐのも戦術の一つ。
勝敗は時の運か、運も実力のうちか。戦いの中では、積極的に仕掛けて結果
が悪く出る場合がある。相手は何もしないで勝利を手にする。自分は実力が
なかったと悔やむが、相手は何で勝ったか解らない、こんなケースが運によ
って勝った例であろう。勝敗は時の運ではなく駆け引きの結果、自己の意思
に関係なく転がり込むのである。だから、運も実力のうちといえる。しかし、
ラッキーは現実にある。良い例が不戦勝である。他にも、サッカーの自殺点、
野球のイレギュラーバンドなどある。ほんの少しの運は大いに楽しむべし。
勝利の女神は、最も勝ちたい者に微笑む。勝つと思わなければ絶対に勝てな
い。
⑱ 勝って得る賞賛よりも、負けて得られる財産の方が大きい。負けたときこそ
良い勉強である。敗因分析は最も大切である。そして、次にどうすれば勝て
るか考え、実行することが成長に繋がる。
⑲ 試合で満足する結果などありえないものと知れ。もし、本当の満足感がある
としたら、それは、一時の勝ち負けではなく、後で振り返ったときの道程の
充実感ではなかろうか。
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