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PDFファイル - MNC System Inc. : 株式会社エムエヌシー

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PDFファイル - MNC System Inc. : 株式会社エムエヌシー
Tuesday, June 2, 2009
DDW Daily News
1
DDW Daily News
日本語版
Tuesday, June 2, 2009
The official newspaper of Digestive Disease Week® 2009
SSAT
Presidential Profile
医師は技術的なノウハウ以上のものを
患者に提供すべきである
患者は何を望んでいるのだろうか? 2004 年の
とを行っているかと聞けば、
大部分の医師は「イエ
Dr. Beesonは「 医師が、しばしば、患者との関
ハリス世論調査によれば、患者は尊厳・敬意のあ
ス」
と答えるだろうが、
「患者に同じ質問をすれば、
係性改善で求められるのはいわゆる『 ほほえみ学
る治療を望み、
医師が彼らの懸念に慎重に耳を傾
『ノー』
という答えが返ってくることもある。そして、
校』
に通うことであり、
態度の悪さが患者に影響を
け、
話しやすく、
彼らの懸念を真剣に受け止め、
患者
患者の感じていることが現実なのだ」
と語った。
与えていると言われている」とし、患者・医師の質
に十分な時間をかけ、
患者と患者の健康を本当に
San Diego の Sharp Rees-Stealy Medical Group
の高い関係性の構築は、
個々の対人能力を強化す
大事にすることを望むという結果が示されている。
に属する家庭医かつStuder GroupのDirectorであ
ることが目的である、
と述べた。
Stephen C. Beeson, MDは、医師がこれらのこ
るDr. Beesonは、月曜の SSAT Doris and John L.
たとえば、4つの研究では、医師が患者の病歴
Cameron Guest Oration で“Practicing
を語るのを聞いて患者に話を中断させるまでの
Excellence: Communication as a Quality
間の平均時間は17 秒であることが示されている。
Marker—Cut to the Chase”という演題
Dr. Beesonは、医師が、患者の話を中断する前に
で講演を行った。Studer Groupは、
医療
患者に2分間話すことを許す、
いわゆる2 分ルール
機関が即座に活用できる医療サービス
を守ることを推奨している。
および業務の質を追求するための科学
Dr. Beesonは、
「 患者の 95%が自分の話をする
的根拠に基づくツールや教育プログラ
のに120 秒ですむ」
とし、
「残りの5%は自分の話を
他の多くの President と同様、SSAT の
ムを専門とする医療コンサルタント会社
するのに30 分かかる」
と笑いながら、
付け加えた。
President、David McFaddenは米国経済を
である。
患者と医師の関係性に良い影響を与えるその他
揺るがす財政問題への対応に過去数ヵ月自
患者の苦情は無視すべきではない。
のコミュニケーション能力としては、
患者が「きちん
らの時間とエネルギーを費やした。
Dr. Beesonは、
「患者と医師の相互関
と聞いてもらっている」
と感じられるよう患者の話を
SSATのリーダーシップは、SSATの減少
係の質は医療訴訟に関して最も重要な
言い換える能力、
患者とじっくり向きあう能力、
『ド
する投資と会員への義務遂行のバランスをと
予測因子である」
と述べた。
クター』
としてではなく、
自分の紹介を姓名で行い、
ることを余儀なくされたが、いまだに結果は
患者の不満はまた患者紹介に悪影響
患者を姓名で呼ぶということなどが挙げられた。
プラスである、
とDr. McFaddenは語った。
を与え、
患者が転院する原因ともなり、
ま
「ある研究では、
患者と向き合う時間のうちに患
「 米国経済にとって困難な1年であり、
また
た不利な評価がオンラインの医師検索
者を名前で呼ぶ医師は50%未満であることが示さ
大学およびコミュニティにおける外科医療に
サイトの評価欄に掲載されることにもつ
れている」
とDr. Beesonは語る。
see KNOW-HOW, page 2
とっても困難な時期だった。過去1年のわれ
月曜日のSSAT Doris and John L. Cameron Guest Orationでは、Stephen
C. Beeson, MD が“ Practicing Excellence: Communication as a Quality
Marker - Cut to the Chase”
と題する講演を行った。
ながる。
David McFadden, MD
Stanley S. Fieber Professor
and Chair of Surgery at the University of Vermont,
Burlington, and interim associate director for clinical
research and services at the Vermont Cancer Center
SSAT
われのゴールは、
経済が下降し始めた秋から
大きく変化を遂げた。われわれは、
戦略的問
題よりも、戦術的問題に取り組むことを余儀
ASGE
なくされた。SSATは、
投資、
基金および会員
質的評価“the right thing to do(なすべきこと)”
月曜 のASGE Clinical Symposium, Advan-
による全国調査成績を引用した。
「 質的評価は、
わ
「外部支払い機関は、
意味のないbenchmarking
ces in Endoscopic Practice: Improving Quality and
れわれの患者のためになすべきことである。しか
方法を採用する可能性がある」
とDr. Eisenは指摘
Reducing Complicationsにおいて、Glenn M. Eisen,
し、
このことを最も推進しているのは、
よくも悪くも
した。
MD, MPH, FASGEは、
消化器専門医は、
予後ベース
pay-for-performanceを提唱する外部機関である」
こうした動機付けがあるにも関わらず、
質の高い
研究の活用により、
予後を改善することができると、
と同氏は語る。
ケアというものの構成要素は、
ほとんど研究されて
聴衆に語りかけた。
質的改善
(QI)
システムは、
オプションというより、
いない。同氏は、
質的ケアの構成要素として、
(1)
本セッションでは、6つの質的研究成績が報告
すみやかに第三者支払い機関に求められるであろ
疾患のリスクを有する患者の認識、
(2)適切な評
され た。そ の 後、Dr. Eisen, the department
うとDr. Eisenは言う。
価、
(3)
適切な診断、
(4)
適切な治療開始、
(5)
適
of gastroenterology, Oregon Health and Science
このような動きには、連邦レベルの支援もある。
切な追跡のスケジュール設定、
(6)治療に対する
University, Portland は、
“Improving Quality and
同氏は、オバマ大統領は、有効性比較研究の必要
適切なコンプライアンスの促進、
の6要素をあげた。
Outcomes in Gastrointestinal Endoscopy”
と題された
性を強調していると述べ、
「これらの研究は、
おそ
質的評価は、
測定可能なエンドポイントを有し、
State-of-the-Art Lectureを行った。
らく償還されることになるであろう」
と続けた。
臨床的に有意義で、質の高い治療の指標となり、
「 多くの消化器専門医は、
質的評価の重要性を認
予後研究の開始につながるもう1つの動機付け
予後改善と結びついていなければならないとDr.
識している」
とDr. Eisenは述べ、ProVation Medical
としては、
消化器専門医とその日常診療とが、
患者
Eisenは指摘する。患者中心の予後は、Fletcher
Minneapolis, MNとCaris Diagnostics, Irvine, TX
にとって意味のある医療手段を選ぶ良い機会にな
らが 1996 年に提唱したように、6 つのDs(death,
に委託され、
昨年、
行われた182名の消化器専門医
ることである。
数すべてにおいて難しい問題に直面したと言
える」
とDr. McFaddenは述べた。
こうした難問にもかかわらず、SSATは本
DDW®でこれまでにないほど広範なプログラ
ムを提示し、
会員数も増加傾向にある。
「 短期的なゴールの1つとしては、SSAT主
催の会議を参加しやすく、
金額的にも手の届
くものにすることである」
とし、Dr. McFadden
は「われわれは会員からのコメントやフィード
バックを真剣に受け止め、
会員のニーズおよび
ゴールを満たすべく2009 年の年次総会を企
画した。参加すべき外科関連のミーティング
も多く含まれており、
学会として本年次総会に
付加価値をつけることで会員の維持と会員の
満足を得るよう心がけた。SSATはさらに会
員数を増やす予定である」
と語った。
SSATの最重要ゴールは、
会員の卒後教育
see PRESIDENT, page 2
see QUALITY, page 2
Inside today’s edition
4
B型肝炎ウイルスの薬剤耐性は高頻度
で起こるが回避することは可能
4
変貌しつつある世界の消化器がんの
様相とそれを示すエビデンス
5
カプセル内視鏡は
消化器病学にとって重要な
Dr. McFaddenは会員に、
Translation 問題を検証
of the official
newspaper of Digestive Disease Week® 2009
病変を探すだけではない
したAGA Plenary
正当な自己評価を要望
7
7
2
DDW Daily News
Tuesday, June 2, 2009
医師に相談することがないため、医師が患者に何
の秘訣です」
とDr. Beesonは語る。
提供するもののうちの小さな部分に過ぎない」
とし、
continued from page 1
か質問があるかどうかを積極的に尋ねるようにす
Dr. Beesonは、彼のオフィスでは 1 ヵ月当たり
Dr. Beesonは「われわれには、
手術室以外で、
一味
ることを推奨している。また、
同情を示し、
「『私に
10,000 回の電話を患者にかけ、
退院後の様子を尋
違う対応をする機会が与えられている」
と述べた。
患者の待ち時間は医療の質の受け取り方に影響
は重要です』
、
『 あなたのプライバシーを守るため
ねるようにしている。このちょっとした心のこもっ
を与えることもある。しかし、Dr. Beesonは、
「患
に』
、
『 あなたの安心のために』
、
『 あなたに知って
た対応に感銘し、
ある高齢女性患者が他の患者を
者がどれだけ長く待たねばならないかではなく、
患
おいていただくために』
、
『 お互いに完全を期すた
彼のオフィスに紹介するということがあった。
者が待ち時間をどれだけ知らされていたかという
めに』
」などのキーワードを用いて信頼を植えつけ
Dr. Beesonは、いまやこの患者の近隣の地域全
問題である」
と語る。
ることも有益である。
体を扱うようになっていると述べた。
Dr. Beesonは、
また、
患者は質問があるときでも
「 信頼は患者と医師の関係性構築における究極
「われわれの技術的能力は、われわれが患者に
KNOW-HOW
QUALITY
continued from page 1
disease, discomfort, disability, dissatisfaction
and“ destitution”
)
から成ると考えられる。
最後にDr. Eisenは、
聴衆が個々にQI 研究や
他のQI活動に関わることを奨励した。
「 盲腸挿管率、
腺腫発見、
副作用など、
少数の
臨床指標を集めなさい。2 〜 3 のエンドポイン
トを検討することから開始することが勧められ
る」
と同氏はアドバイスした。
研究者らは、進行中の研究プロジェクトに参
加でき、
また、
地域QIや質保証システムを開始す
ることができる。
さらに Dr. Eisenは、ASGE 会員に、ASGE
Web site, www.asge.org上の質に関する情報に
アクセスするように提案した。
「予後研究は、
必ずしもすべての答えを出すとは
限らないが」
とDr. Eisenは前置きし、
「今日、
報告
ASGE は、
質に関する内視鏡単位を授与
Dr. Beesonの患者満足度は全国で99パーセンタイルに
ランクされ、San Diego County Medical SocietyはDr.
Beesonを2005年、2006年、2007年、2008年と4年
連続でSan Diego’
s Best Physiciansに選出されている。
Dr. Beesonは、また、Center of Recognized Excellence
Award for Individual Service Excellenceを受賞してお
り、Sharp Health & careは施設の業績に対し、誉れ高い
Malcolm Baldrige Awardを2007年に受賞している。
内視鏡検査への多大な貢献に対し、
ASGE Crystal Awards を授与
ASGE は、内視鏡検査の質的向上のための新
しいプログラムの一部として、2009 年に124 の
内視鏡単位を認定した。The ASGE Endoscopy
Unit Recognition Programは、
感染症コントロール
のためのCDCガイドラインと同様に、
特権、
質的保
証、
内視鏡再処置、
に関する学会のガイドラインに
従った内視鏡単位を授与する。
プログラムは、
オフィスベースの内視鏡ユニット、
病院ベースの内視鏡ユニット、独立型移動型内視
鏡、
外科センターなどを含む、
内視鏡が行われてい
る米国すべてのセッティングが対象に含まれる。
関連するガイドラインをレビューした教育コー
スは、プログラムの重要な構成要素である。受賞
者は、Your Endoscopy Unit courseの Improving
Quality and Safety に出席している。コースは、
2009 年 10 月17 日に、Oak Brook, ILで、2009
年12月にNew Yorkで、
再度行われる。
プログラムの詳細については、ASGEに電話
(630
-573-0600)
するか、www.asge.orgを参照のこと。
されたアブストラクトには、
数多くの未解決の課題
が残されている。しかし、
それらは非常に優れた
研究テーマになると考えられる」
と締めくくった。
PRESIDENT
continued from page 1
日曜の夕方、Navy Pier's Grand Ballroom において、ASGEの最も栄誉あるthe Rudolf V. Schindler Awardが、
ASGE President John L. Petrini, MD, FASGEから、Christopher J. Gostout, MD, FASGE(左)に授与された。本
賞は、内視鏡研究、教育and/or ASGEへのサービスが、ASGEの前身であるAmerican Gastroscopic Club の創設
者Rudolf V. Schindler, MDのレベルと伝統に匹敵する業績をあげた会員に授与される。
教育の機会であり、SSATはこれまでで最大の
教育プログラムを提供し、
学術セッションを会員
SSAT President David W. McFadden, MD
からのフィードバックに基づいて会員のニーズに
SSAT President David W. McFadden,
of Pancreatic Tumors with Peptide YY and
MDは、University of Vermont, Burlington
Analogs Thereof”に対する特許を取得したほ
でStanley S. Fieber Professor and Chair of
か、いくつかのVA Merit Review Awardならび
Surgery および Vermont Cancer Centerで interim
に4年間で140万ドルを助成するNIH R01 grantを
associate director for clinical research and
受賞した。
と会員へのサービスであり、SSATは、
経済状況
応えるものとしている。
と両立する形で教育的内容の拡充に成功してい
「SSATは、Quick Shotsセッションを増やし、
る。経済効率に牽引された医療改革は継続認定
ポスターセッションを1日から3日の日程に延長し
(MOC)への圧力となって現れており、SSATは
た」
とDr. McFaddenは語った。
消化器外科におけるMOCとして求められる卒後
Dr. McFadden は、また、
「SSAT は、一流の
services を務めている。
Dr. McFaddenは2000年にMorgantownの
教育の開発にリーダー的役割を果たしている。
ファカルティによる臨床発表を増やしてほしいと
Alpha Omega AlphaメンバーとしてCharlot-
West Virginia Universityにchairman of the
Dr. McFaddenは「SSATは、
消化器外科にお
いう会員のフィードバックに基いてClinical Ward
tesvilleのUniversity of VirginiaからMDの学位
department of surgery、surgeon-in-chiefおよ
けるMOC イニシアチブの一環としてAmerican
Roundsを導入する予定である。また、
最新テクノ
を取得後、Dr. McFaddenは1980年から1986年ま
びchief of general surgeryとして赴任し、2007
College of Surgeons や American Board of
ロジーを用いて、
ビデオ・セッション数を4つに増
でBaltimoreのJohns Hopkins Hospitalで外科的
年まで在籍した。West Virginia University在
Surgeryと活発な活動を行っている」とし、
「今
やした。これらは、
本年次総会で、
最もエンターテ
トレーニングを受けた。この間、Dr. McFadden
籍時、Dr. McFaddenはWest Virginia School
後数年間のうちに SSAT が消化器外科における
イメント的要素、
教育的要素が高い」
と述べた。
は、英国OxfordのJohn Radcliffe Hospitalで一般
of Osteopathic Medicineでinterim chair of
MOCの主催団体として大きな役割を果たすこと
SSATのウェブサイトもアップグレードされてお
外科学を修め、New YorkのDownstate Medical
the department of orthopedicsおよびclinical
になるだろう」
と語った。
り、
会員はウェブサイトでDDWでのビデオ発表を
Centerでassistant clinical instructorを務めた。
professor of surgeryを務めた。
この役割を果たすうえで、SSATは、Society
閲覧することができるようになっている。
Dr. McFaddenは、1987年にassistant chief of
2007年に、Dr. McFaddenは、University of
of American Gastrointestinal and Endoscopic
「われわれは、また、教育的かつ臨床的な内容
service and instructor in surgeryとして外科的
Vermontにおける現職、professor and chair of
Surgeons( SAGE S )、American Hepato -
を会員に提供する目的で、SSATのウェブサイト
トレーニングを修了した。Dr. McFaddenがレジ
surgeryに就任した。
Pancreato-Biliary Association( AHPBA)、
をよりユーザーフレンドリーなものにしていく予定
デント時代に受けた栄誉には、2回のGeorge D.
Dr. McFaddenは25以上の医学会・外科学会の
Pancreas Clubなどの関連学会と引き続き協働し
である」
とDr. McFaddenは語った。
Zuidema Resident’
s Research Award、SSAT
会員であり、これまでに執行部、委員会、部会お
ていく予定である。
「 経済状況はあるが、SSATは変わらず強固
Resident’
s Research Awardが含まれる。Dr.
よび学術企画等の多くの方面で手腕を振るって
「SSAT は、とくに DDW に参 加し、SSATと
であり、運営も上首尾である。われわれはまた
McFaddenはUniversity of Cincinnati Medical
いる。
会員とゴールを共有するPancreas Clubとの関
SSATの学術的使命を拡充した。困難な時代で
Centerに1987年に入り、1992年までassistant
Dr. McFaddenは、Journal of the American
係性の見直しと改善に努力してきている」とDr.
はあるが、SSATは高い質を提供する団体であ
professor of surgeryおよびvoluntary assistant
College of Surgeons、Journal of Gastrointestinal
McFaddenは語った。
り続けることは明らかである。個人的にも今後の
professor of physiologyを務めた。
Surgery、American Journal of Surgery、およ
経済不況にもかかわらず、SSATは、
また、
機関
SSATの成功の一端を担うことを願っている」と
1992年から2000年まで、Dr. McFaddenはLos
びDr. McFaddenがco-editor-in-chiefを務める
誌Journal of Gastrointestinal Surgeryの改善へ
Dr. McFaddenは語った。
AngelesのUniversity of Californiaに勤め、ファ
Journal of Surgical Researchを含む複数の専門
の努力をしてきており、さらに継続的な研究フェ
Dr. McFaddenのSSAT Presidentとしての任期は
カルティに迎えられ、tenured professorならびに
誌のEditorial Boardsに属している。
ローシップの助成とともに、
前SSAT Presidentの
DDWの終了をもって完了するが、Dr. McFaddenは、
chief of general surgeryに任じられた。
Dr. McFaddenは、現在、Vermont州のChar-
Tom R. DeMeester, MDにちなんで創設された
任期が充実したものであったと述べた。
Dr. McFaddenは、3年連続 UCLAのGolden
lotteに25年連れ添った夫人のNancy、子供およ
Scalpel Award for Excellenceを受賞し、
びニューファンドランド犬数匹と暮らしている。
DeMeester Fellowship Fundを通じて SSATの
「 私は SSATの会員諸氏に感謝したい。私の
Association for Academic Surgery のPresident
レジデントおよびジュニア・ファカルティに対する
人生における最大の栄誉は SSATのPresidentを
に選出され、12 3 番目の James IV Travelerを
コミットメントを果たしつづけている。
務めたことである」
とDr. McFaddenは述べた。
務めた。
しかし、DDWが、依然 SSATにとって主要な
Translation of the official newspaper of Digestive Disease Week® 2009
UCLA在籍中、Dr. McFaddenは“Treatment
Tuesday, June 2, 2009
DDW Daily News
3
DDW Council (2008-2009)
AGA
Lawrence Friedman – DDW Council Chair;
John M. Vierling – DDW Secretary/Treasurer
GI 運動機能障害では解剖学的な評価も重要
GI 運動機能障害を評価する最も重要なステップ
アプローチは結腸通過を評価する上で有用と考
バルーン拡張は、胎盤血流不全の有無にかか
は、
解剖学に注目することであり、
最近では効率的
えられる。
わらず、便秘の簡便かつ有用なスクリーニング法
な方法がたくさん開発されている。日曜日に行わ
胃排出を評価することで論理的な治療法を選
であるとDr. Camilleriは述べた。
れた
“Gold Standard: Motility and Scintigraphy”
択することができるが、それで十分とは考えられ
バルーンを肛門管から挿入し、排便切迫を感じ
と題する講演で、Michael Camilleri MD, AGAF
ない。そのため、診断では放射線不透過性マー
させる場所でバルーンを拡張させても、排便切迫
は語った。Dr. Camilleriの講演は AGA Clinical
カーが用いられる。
を感じないのであれば、
排便に関連した筋肉ある
Symposium, Advances in the Diagnosis of
胃排出はVeterans Administration Medical
いは神経系の異常が疑われる。
Gastrointestinal Dysmotility: What’s New and
Center, Sepulveda, CAの消化器病研究者たち
SPECTは胃排出時の胃容量をモニターするの
Useful in the Clinicの中で行われた。
によって精力的に検討されてきた。彼らは胃排
に用いられる。本法では実際の容量の低下を測
「症例を検討する際には、
ラジオロジストが提供
出を異なる方法で評価し、標準的手法を確立し
定することができ、胃排出速度の比較が可能で
する数値だけを用いてはならない」
とDr. Camilleri
た。一定量の標準食を摂取させた後に試験を行
ある。ディスペプシア患者を評価する上で重要な
うのも、そのうちの1つの手法である。
手法だと考えられる。将来的には本法を用いて
Rochester, MN)は語った。シンチグラフィを用
Dr. Camilleri は、胃排出能を評 価する上で 4
薬物療法に対する反応性を評価することが期待
いたイメージング研究では、障害は明瞭に示すこ
時間法が妥当な方法であると語った。胃排出の
される。
とができ、紛らわしい症例でも、放射線不透過性
低下はさまざまな原因で起こる。おそらく最も一
Dr. Camilleri は消化器専門医に対して、以前
のマーカーを用いることで障害の同定率を高め
般的なものは症候性の糖尿病だが、他の原因に
に診断した運動機能障害患者では、他に原因が
ることができることがわかっている。
よる運動機能不全でも食物の消化過程、腸に送
ないかどうか再検討することを求めた。
A.M. Metcalf, MDら
( Mayo Clinic)の文献を
達する運動が減弱する。
同氏は「患者が運動機能障害と診断されたら、
引用しながら Dr. Camilleriは、
こうしたマーカー
便秘の原因は、骨盤血流障害、直腸瘤、過敏性
その患者には器質的な障害があると考えた方が
を用いた研究では、4日目のフィルムを読影する
腸症候群(IBS)、排便時の筋肉障害などである。
よい」と述べて、講演を終えた。
という簡便な方法でも、連日撮影したフィルムを
便秘は出産やそれに伴う胎盤血流の変化に伴っ
読影した結果と相関が高いことを指摘した。本
て生じることも多い。
(professor of medicine at the Mayo Clinic,
Arthur McCullough – President
Michael R. Lucey – Treasurer
Jacquelyn J. Maher – Program Chair/Secretary
Scott L. Friedman – President-Elect
Robert Sandler – President
Damian H. Augustyn – Secretary/Treasurer
Sheila E. Crowe – Program Chair
Gail A. Hecht – President-Elect
D. Brent Polk – Council Chair-Elect
John Petrini – President
Thomas M. Deas – Treasurer
M. Brian Fennerty – Program Chair/Secretary
Jacques Van Dam – President-Elect
Kenneth K. Wang – Program Chair/Secretary-Elect
David W. McFadden – President
John C. Bowen – Chairman of the Board
Robin S. McLeod – Treasurer
John G. Hunter – Secretary
Mark P. Callery – Program Chair
Fabrizio Michelassi – Secretary-Elect
DDW Daily News is published by
Ascend Media LLC for DDW®.
AASLD
肝臓専門医が
Acetaminophen 過剰摂取に対する治療、予防を語る
急性肝不全(ALF)
の患者が増えているが、
その原
因は唯一予防可能な理由、
すなわちacetaminophen
毒性によるものである。
しかも、
治療の進歩により、
その発症も、
少なくとも一部の症例では、
先行きが
これまでよりも楽観視できるものとなっている。
月曜 のAASLD Clinical Symposium、
“ Therapeutic Advances in Acute Liver Failure(ALF)
”
では、4 人の肝臓専門医が acetaminophen 関連
肝障害の治療および acetaminophen 毒性による
ALFの予防に関する今後の戦略について語った。
Robert Fontana, MD, Director of the Liver
Transplant Program at the University of Michigan
Health System, Ann Arbor は「acetaminophen 毒
性によるALFはわれわれが認識すべきことである
ばかりでなく、
われわれの周りの人間も認識すべき
ことである」
と語った。
「1998 年から 2004 年まで の間に、acetaminophen 毒性によるALFの症例は 28%から51%へ
と増加を示している」と、University of Michigan
のassociate professorでもあるDr. Fontanaは語る。
A LF Study Group が acetaminophenと
肝障害の関連性を過去1年にわたって検討したと
ころ、偶発的および意図的に高いacetaminophen
の摂取がALFの最も多い原因であり、女性では
acetaminophen関連肝障害が大多数を占めること
が示された。
男性、女性ともその次に最も多いALF の原因
は特異体質による薬物反応であった。この 2 つ
の原因によるALF は肝炎によるALFよりも数が
多かった。
なぜこういう事態に至ったのかといえば、一部
は、acetaminophenの非意図的摂取、すなわち、
acetaminophen が他の薬物に含まれているか、さ
まざまな疾患に対する併用療法のレジメンに含ま
れている場合などが考えられる。
「acetaminophen
の誤用に対する高い警戒が必要である」
と述べつ
つ、Dr. Fontanaは「同時にALFの発症原因とし
てacetaminophenの早期発見も必要である」
と語っ
た。短期試験で acetaminophen 過剰摂取は無肝
© 2009 DDW Administration
4930 Del Ray Ave
Bethesda, MD 20814
(301) 272-0022
www.ddw.org
Editorial Director: Aaron R. White
Vice President of Communications: Jessica Willocks
Duncan
DDW Daily News Japanese Edition
DDW Daily News 日本語版
Executive Adviser
Toshifumi Hibi, MD PhD
編集顧問
日比 紀文 医学博士
Scientific Advisers
Upper and Lower Gastrointestinal Tract
Mamoru Watanabe, MD PhD (Sunday Issue)
Kentaro Sugano, MD PhD (Monday Issue)
Toshifumi Hibi, MD PhD ( Tuesday Issue)
Tsutomu Chiba, MD PhD ( Wednesday Issue)
月曜の AASLD Clinical Symposium には立ち見がでるほどの盛況だった。
移植生存の約2/3を占める最も多い原因であるが、
洗浄、チャコールおよび N-acetylcysteine(NAC)
により治療が可能である。
「NACに関する早期の研究では、NACは acetaminophen毒性以外の原因によるALF 症例にお
いても有効であることが示唆されているが、
患者を
昏睡尺度その他の要因により無作為層別化した8
つのグループによる多施設試験では、プラセボに
比較し、NAC 静注で3 週間全生存率の改善は認
められないものの、入院日数で異なる傾向が認め
られたため、現在も試験はさまざまな施設で続行
されている」とし、Dr. Fontanaは「NACはこれま
でのところ忍容性も良好である」
と述べた。
別の発表では、The London Clinicのprofessor
かつconsultant hepatologistを務めるRajiv Jalan
MBBSは、NACは、
さらに、
最も致死的なALFの
発現の1つである脳の炎症に対しても有効である
という考えを述べ、ALFにおける脳障害の発症
機序ではアンモニアが中心的な役割を果たすこと
に変わりはないが、
高アンモニア血症の治療は「 臨
床的なアンメット・ニーズ」であると述べた。
University of Utah, Salt Lake CityのProfessor
of Medicineを務めるNorman Sussman, MDは、
対外肝補助装置とバイオ人工肝臓の併用は今後の
研究が待たれる方法である、
と述べた。非代謝型
肝補助はこれまで簡便なものであったが、
どちらか
といえば無効であり、
多くの場合、
別の健常肝臓が
必要となる。
Virginia Commonwealth University, Richmondのassociate professor of Medicineを務める
Todd Stravitz, MDは、acetaminophen 毒性によ
るALFにおける予防的低温療法の使用も期待さ
れると述べ、
低温療法はさらにコントロール不良な
脳内高血圧に対する治療的使用でも有効性が認
められるとした。
Dr. Fontanaは、
「acetaminophen肝障害をどのよ
うに迅速に診断するのであろうか?acetaminophen
肝障害は、
それ以外の理由がない限り、
患者記録に
毒性レベルのacetaminophen 摂取の既往がある
場合に疑われる。もう1つのいい目安は、
ビリルビ
ンが正常値でALT-Aレベルが 1,000 IU/miを超
える場合である」
と述べた。
さらに、ALFの症状は、
確立しており、
劇的なも
のである。典型的な症状は、
昏睡を含む精神状態
の変化、極端な血管拡張ならびに腎不全、肺機能
不全である。
Liver, Gallbladder, & Pancreas
Hajime Takikawa, MD PhD (Sunday Issue)
Norio Hayashi, MD PhD (Monday Issue)
Hirohito Tsubouchi, MD PhD ( Tuesday Issue)
Tooru Shimosegawa, MD PhD ( Wednesday Issue)
監訳者
上部および下部消化管
渡辺 守 医学博士(Sunday Issue)
菅野 健太郎 医学博士(Monday Issue)
日比 紀文 医学博士(Tuesday Issue)
千葉 勉 医学博士(Wednesday Issue)
肝、胆、および膵
滝川 一 医学博士(Sunday Issue)
林 紀夫 医学博士(Monday Issue)
坪内 博仁 医学博士(Tuesday Issue)
下瀬川 徹 医学博士(Wednesday Issue)
Publisher
Medical News & Conference Systems, Inc.
8F Towahoridomecho Bldg.,
2-1-1, Nihonbashi Horidomecho,
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Director of Publication
Shin Yoshimoto
発行人
吉本 伸
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4
DDW Daily News
Tuesday, June 2, 2009
AASLD
B型肝炎ウイルスの薬剤耐性は高頻度で起こるが回避することは可能
日曜日の A A S L D Cl i n ic a l Sy mpo siu m
“Avoiding HBV Drug Resistance: How Many
Drugs?”では、専門家パネルが B 型肝炎ウイルス
( HBV)慢性感染に対する長期治療時の薬剤耐
性の管理と予防について討論を行った。
パネラーを構成したのは、モデレーターである
George Lau, MD, honorary clinical professor
at the University of Hong Kong と、Anna Lok,
MD, MSc, MPH, professor of Internal Medicine
and director of Clinical Hepatology, University
of Michigan Health System, Ann Arbor、Daryl
Lau, MD, associate professor of Medicine, Beth
Israel Deaconess Medical Center and Harvard
Medical School, Boston, MA、Marc Ghany, MD,
Liver Diseases Branch, National Institute of
Diabetes and Digestive and Kidney Diseases,
日曜日の AASLD Clinical Symposium で講演する
Anna Lok, MD, MSc, MPH
NIH, Bethesda, MD である。
パネラーの見解では、最近の有効性の高いヌク
レオシドアナログを用いれば、lamivudineのよう
な従来薬を使用した場合に比べて、
薬剤耐性の発
現率を低下させることができるという。パネル討
論で Dr. Ghanyは「entecavir および tenofovirを
ファーストラインで使用することはパネラーのコン
センサスである」
と述べた。
従来の標準薬であったlamivudineの薬剤耐性
の発現率は1年後に24%、4 年後には67%に上昇
するとDr. Daryl Lauは報告した。もはや慢性 B
型肝炎の長期療法として最適とは言えないという。
薬剤耐性が生じると、
肝炎の再燃や肝代償不全
が起こる。
薬剤耐性の発現にはいくつかの因子が関与する
とDr. Lokは語った。ウイルス側の因子には HBV
増殖速度と治療開始前のウイルス変異数、薬剤の
有効性や耐性獲得に対する遺伝的バリア、
宿主側
の因子には前治療、
服薬コンプライアンス、
薬理遺
伝学、
身体の大きさなどがある。
薬剤耐性の発現頻度は、
患者集団、
薬物耐性の
定義、
評価法によって変動する。Dr. Lokは薬剤耐
性を、
ウイルス学的ブレークスルーと考え、
血清HBVDNAが最低値から1 log 上昇あるいはHBV-DNA
の再検出と定義した。
薬剤耐性の予測因子
24 週時点でウイルス量が多かったら、
薬剤耐性が
化臨床試験では併用療法によって抗ウイルス作用
発現するリスクが高いので、
何か対応策を講じる必
は増強されることが報告さている。
要があることだ」
と続けた。
「最初のウイルス学的ブレークスルーは併用療
Dr. Ghanyは、
「治療への反応性が不十分で、
他
法で対応すべきであり、他の単独療法に切り替え
に薬剤耐性を予防する方
てはならない」と同氏は
法がある場合には、治療
語った。
重要な知見は、24週時点でウ
法の変更を推奨する」と
例外は昨年報告され
述べた。対処法には、不
た 文 献で、lamivudineイルス量 が 多かったら、薬 剤
適切な抗ウイルス療法を
plus -adefovirを併用して
耐性が発現するリスクが高い
避け、耐性獲得に対する
もlamivudine 単 独 に 比
ので、何か対応 策を講じる必
遺伝的バリアが高くかつ
べて抗ウイルス作用の増
要があることだ。
有効性の高い薬剤を使
強は認められなかった。
用し、
服薬コンプライアン
併用療法を考慮する
Marc Ghany, MD
スを高め、併用療法を行
際には、
医師はリスクと費
うなどがある。
用、例えば治療費は高く
なり、
治療へのアドヒアランスが低下すること、
また
同氏は、多剤耐性の発現を予防するためには、
telbivudineとpegylated interferonを併用した
抗ウイルス薬を単独で切り替える方法を避け、
交差
場合には末梢神経障害のような副作用の発現リス
耐性のない薬剤を選択することが重要だと指摘し
クが増大することを考慮する必要がある。
た。例えば、lamivudine 投与例には telbivudine
Dr. George Lauは、
併用療法の適応と考えられ
を投与するべきではない。
る患者集団として、
肝硬変患者、HIV/HBV重複感
「多剤耐性が発現した患者の治療は専門医に委
染患者、初回治療への反応性が不十分な患者、薬
ねるべきだ」とDr. Ghanyは述べた。
剤耐性が確認された患者をあげた。
陪審員は併用療法を指示
Dr. LokとDr. Daryl Lauは、既存のデータは古
いヌクレオシドアナログのものであり、
併用療法の
Dr. George Lauは HBVに対する併用療法につ
ベネフィットについてはさらに研究を進める必要が
いて語った。併用療法は、
抗ウイルス作用を高め、
あると述べて、
セッションを終えた。
薬剤耐性発現の遺伝的バリアを増強させるため、
GLOBE Trial で は 治 療 開 始 後 24 週 時 点の
HBV-DNA高値が薬剤耐性の予測因子であること
が示されたとDr. Ghanyは語り、
「 重要な知見は、
合理的な方法である。
併用療法と単独療法のHBV-DNA 抑制作用に
ついては相反する報告がある。いくつかの無作為
AGA
変貌しつつある世界の消化器がんの様相とそれを示すエビデンス AGA International Committee 後 援 の セッ
ションでは、世界の結腸直腸がん
(CRC)発生率、
肝細胞がん
(HCC)に対するワクチン接種プログ
ラムの影響、アジアでの食道腺がんの発生率を
テーマとした 3 名の演者が The Changing Face
of Gastrointestinal Cancerを検討した。
C. Richard Boland, MD, AGAF, chief of
gastroenterology at Baylor University Medical
Center, Dallas, TX は、世界の CRC 発症率には
大きな違いがあり、アジアの多くの地域では上昇
し、日本の発症率が世界で第1位であったと述べ
た。また、地域間で CRC の発症リスクに重要な
違いがみられた。
世界のどの地域でもCRC の発症率は女性より
男性が高いとDr. Bolandは述べ、アジアでは、男
女を問わず、シンガポール、日本、香港で死亡率が
急激に上昇している。
「ハワイに移住した日本人では、一世代代わる
だけで数種類のがん発症率が大きく異なってい
る」とも Dr. Boland は言う。
「 CRC の 発症率は、
現在、アジアの多くの地域で上昇しているが、米
国では横ばいか減少している」。
人種的背景による差異に関しては、アフリカ
系米 国人は、米 国の人種グループの中で CRC
発症率および死亡率が最も高く、発症年齢も低
い。これは遺伝的差異によるとみられると、Dr.
Bolandは述べた。
CRC 関連のリスクファクターは、喫煙、十分に
調理した赤身の肉の摂取、チトクロームP4501A1
などの発がん物質代謝酵素の遺伝子多型、脂肪
およびカロリーが多くカルシウムおよび食物繊維
の少ない食餌、
日照時間の少ない地域でのビタミ
ンD 欠乏症などがある。
Dr. Bolandは「 国際的に、また人種間で、CRC
の発症率には大きな違いがある」とし、
「 遺伝的
背景が重要なのだろう。また、遺伝的背景は環
境の変化により調節を受けるのかもしれない」と
も述べた。
Anna Lok, MD, professor of gastroenterology
and director of clinical hepatology at the
University of Michigan, Ann Arborは、
ワクチン
接種および抗ウイルス療法によるB 型肝炎ウイ
ルス
(HBV)関連 HCC 予防の包括的な問題を明
らかにした。
HCC 発症のリスクファクターには、肝硬変
(原
因を問わない)のような肝基礎疾患、ウイルス性
肝炎、ヘモクロマトーシス、α-1-アンチトリプシン
欠損などがある。男性は女性よりリスクが大きく、
アジア人およびアフリカ人は白色人種よりリスク
が大きい。アフラトキシンへの曝露のような環境
因子同様、遺伝的因子もリスクを増大させる。
Dr. Lok は「世界の HCC の 75 ~ 80% は慢 性
ウイルス性肝炎に起因する」と指摘した。
HBV 感染は急性感染、慢性感染、慢性肝炎、肝
硬変、そして最終的に HCC につながる可能性が
あるとDr. Lokは指摘する。臨床医は、感染者を
抗ウイルス療法で治療してHBVを抑えこむか、ま
たは感染リスクの高いすべての人に予防接種を
行うことにより、HCCの発症を防ぎうる。
慢性 HBV 感染へ進行するリスクは感染時の
個人の年齢に反比例する。慢性 HBV 感染の率
が最も高いのは新生児であり、成人が最も低い。
「新生児への予防接種は慢性 HBV 感染症予
防の最も効果的な戦略である」と Dr. Lok は指
摘した。
新生児への HBV ワクチン接種率は全世界で
Translation of the official newspaper of Digestive Disease Week® 2009
90%に達しているが地域差がある。米国では、ワ
クチン接種が慢性 HBV 感染予防に最も効果的
であることが示されている。
臨床医は、HBVにすでに感染している個人に
対し、慢性 HBV 感染予防のため抗ウイルス療法
を利用できる。インターフェロンおよびヌクレオチ
ドまたはヌクレオシドアナログが HCC 発症率を
低下させることが示された、とDr. Lokは述べた。
最後に、Ivan Hung, MD, clinical assistant
professor of gastroenterology and hepatology
at the University of Hong Kong, China は、ア
ジアにおける胃食道がんの発症率について論
じ、食道腺がんの発症率は日本と台湾で上昇し
ているが、韓国または香港では上昇していないと
述べた。
アジアにおける食道腺がんのリスクファクター
には、胃食道 逆流症、下部食道括約筋疾患、男
性、高齢などがあるとDr. Hung は述べた。
「食 道 腺 がんの 発生率は西洋でも東洋でも
増 加しているが、
東洋ではまだ 稀である」と Dr.
Hung は述べた。
世界的な CRC 発症率の大きな違いについて述べる C. Richard Boland, MD, AGAF
Tuesday, June 2, 2009
DDW Daily News
5
AGA
ASGE
カプセル内視鏡は
病変を探すだけではない カプセル内視鏡(CE)は病変を探すだけで
もうひとつの推奨事項の変更は、CE 画
はない。前処置、手順、技術の進歩により診
像の読影に、より時間をかけることである。
断率は向上し続けているが、患者の転帰は改
Quickview などのツールにより一般的な読影
善されていないと、Lauren B. Gerson, MD,
時間を17 分 から 4.4 分に短縮できるが、誤読
MSc, FASGE, associate professor of medicine,
率は8%にもなる。
Stanford University School of Medicine, CA
1 つおきの画像を読影する代替法では読影
は述べた。
時間は 10 分に増えるが、誤読率は 2% に減少
Dr. Gerson は、
「病変を見つける能力のさ
する。
らなる向上は可能である」
と、CE に関する月
「カプセル内視鏡の読影は速ければよいと
曜日の ASGE Topic Forum で述べた。また、
いうものではない」と、Dr. Gersonは注意を喚
「 診断率上昇により患者の転帰に何らかの影
起し、
「画像は短時間で読影したいと誰しも
響がある、
ということを示せていない」
とも指
考えるが、
誤読には法外な代償が発生する」
。
摘した。
胃通過時間の短縮が必要な場合は患者に
CE 自体の改良に大きな努力が払われてき
ガムを噛ませる、という方法もある。最近の
た一方で、
原因不明の消化管出血の止血など、
研究で、30 分ごとにガムを噛むことで胃通
その転帰の改善はあまり注目されてこなかっ
過時間が平均 53 分から 29 分に短縮されるこ
た、
と Dr. Gerson は述べた。CE陰性の患者の
とが明らかとなった。
約 1/3 で再出血がみられるが、再出血率は初
CE 陰性の患者には、次の段階として CE の
回の出血に対する治療の有無に関係なく、む
反復検査を推 奨すると Dr. Gerson は言う。
しろ患者の背景に依
最 近 の デ ー タで は、
存するところが大き
CE の反復により診断
カプセル内視鏡の結果が陰性
い。 小 腸 の 血 管 性 疾
率が 47%上昇してお
のとき次にどうするかは、患者 り、2 回目の CE はダ
患の患者および糖尿
とその併存疾患に戻って考える ブルバルーン内視鏡
病や心血管系疾患な
どの合併症を持つ患
または造影剤 X 線撮
べきである。
者で、再出血率が有意
影の魅力的な代替法
Lauren B. Gerson, MD, MSc, FASGE
に高かった。
となる。
Dr. Gerson は、原 因
クローン病患者で
不明の消化管出血の標準的治療アルゴリズム
CE を行うかどうかという、
過去繰り返されて
を変更する必要があるとも主張した。概して
きた疑問についに答えが出た。つまり、行わ
厳重な経過観察あるいは画像検査の追加を指
ない、で ある。2008 年 の consensus panel は、
示する現在のガイドラインは、CE 陰性の患
クローン病患者で、CEは感受性が高いが、
小
者には十分に役立っていないからである。
腸造影 法、CT enterography(CTE)およ び
「CE の結果が陰性であれば、
次にどうする
ileocolonoscopy(IC)よりも特異度が低いと
かは患者とその合併症にすべてかかってく
結論づけた。CTE と IC の併用で感度および
る」と Dr. Gerson は言う。
「こうした患者への
特異度が最高となった。
対処法を変更する必要がある」。
CE かダブルバルーン内視鏡(DBE)
かの疑
前処置をはじめとして、CEに関する他の変
問にもまた答えが出た。つまり、一概に言え
更も必要であることが新たなデータにより示
ない、
である。CEは1回のDBEより診断率が
された。CEの製造元はCE検査12時間前の流
高いが、
経口と経肛門の両側から DBE を実施
動食以外の前処置を推奨していない。しかし
すれば両者の診断率は同等となることが研究
ながら、2009 年に公表されたメタアナリシス
から示されている。
では、
前処置を行ったほうが、
使用した下剤の
「可視化する腸の長さが同じである限り、
種類に関わらず診断率と小腸の可視性が有意
この 2 種のモダリティーは同等である」と、
に向上することが明らかにされた。前処置は
Dr. Gerson は述べた。
「どちらを選択するか
検査完了率や通過時間には影響しなかった。
は、何をしたいかによる。診断したいのであ
「これであなたは患者さんに前処置をすべ
れば CE を、治療を行うのであれば DBE を行
きであるとお話しできる」とDr. Gersonは言う。
うべきである」。
「診断率が決定的に上昇する」からである。
カプセル内視鏡についてのASGE's Topic Forumにおける参加者達。
非肝臓専門医が HCV 治療を行うときのポイント
世界中で 2 億人以上が C 型肝炎ウイルス
( HCV)
に感染していると推定され、多くの領域の専門医
が、この肝臓病の第一の原因による患者を診断
し、治療する可能性が増えて来ている。日曜日の
“AGA Clinical Symposium, Hepatitis C for the
Non-Hepatologist”では、この課題に取り組むため
に 3 名の専門医が HCV治療を
“ いつ、
何を、
どのよ
うに”
行ったらよいかについて講演を行った。
いつ治療を開始するか
HCV 治療はリスク、副作用、ベネフィットなど
を勘案して行うべきであるとEugene R. Schiff,
MD, MACP, FRCP, MACG, AGAF は、
“ When
Should HCV Treatment be Recommended?”
と題
する講演の中で語った。
Dr. Schiff, Leonard Miller professor of medicine at the University of Miami Miller School of
Medicine, FL は、
「この患者は病気をいくつ持っ
ているのか?」
「 治療開始を猶予できるのか、すぐ
に開始すべきか、
治癒する可能性はあるのか?」
と
問いかけた。
同氏は、18 歳未満の患者は治療すべきではな
いが、
高齢者には年齢の上限はないと語った。
「しかし、
加齢に伴って心血管疾患のような合併
症が増えてくる」ことから、
「 患者が自然経過の
どの時点にいるのかを見極める」ことの重要性を
指摘した。
同氏は、特定のHCV 株あるいはゲノタイプでは
治療が難しいことがあると述べた。HCVには6つ
のゲノタイプがあり、
ゲノタイプ1は最も一般的で
(70
~ 75%を占める)
、ゲノタイプ 2、3 がそれに続く。
ゲノタイプ 1の患者はウイルス量が多く、HCV治療
への反応性が低い。
アフリカ系米国人も治療への反応性は不良だ
が、
その理由ははっきりしない。おそらくアフリカ
系米国人では全 HCV感染例に占めるゲノタイプ 1
の割合が 91%を占めること、アフリカ系米国人は
HCVに対する免疫応答が強くないことが原因だと
考えられる。
HCV治療に影響を及ぼす他の因子には、BMI
高値、
早期の治療反応性が不十分、
線維化がある。
HCV 治療が最も効果的なのは白人とアジア
人、ウイルス量 が 低い患者、BMI 正常例、RVR
( rapid viologic response),complete EVR( early
viologic response)
、治療へのアドヒアランスが高
い患者である。
Dr. Schiff は、HCV治療を開始する前に考慮す
べき要因は多いが、
「 治療によって患者を理想的
に治癒させ、
患者のQOLを改善することができる
とき」
が治療を開始するタイミングであると述べた。
最良のHCV治療とは何か
“ What HCV Treatment Is Best?”と題 す
る講演の中で Michael W. Fried, MD, division
of gastroenterology and hepatology, University
of North Carolina, Chapel Hill は、
すべての患者
が同様に HCV 治療に反応するわけではない、と
語った。
「 ある患者はノンレスポンダーであり、
治療を継
続することができない。治療にわずかに反応する
患者もいるが、HCVが治癒する可能性はない」
と
同氏は述べ、
「しかし、
最も悩ましいのは、
ウイルス
量が検出限界以下に低下しても、
治療を中断する
と、
ウイルスが再燃することだ。そして、
持続的なレ
スポンダーは HCV感染が治癒した持続的なレス
ポンダーがいる」
と続けた。
HCV治療を開始する前には、ゲノタイプだけで
なく他の因子も考慮すべきである、
とDr. Friedは
語った。他の因子として、患者背景、ウイルス学的
反応性、ribavirin 用量を最大限にする最適な治
療、
治療へのアドヒアランスを高める最適な治療な
どがある。例えば、
ゲノタイプ 1の患者は治療薬を
高用量で長期間投与することが必要である
(24 週
に対して48 週)
。
SVR( 持続的ウイルス陰性化)に影響を及ぼす
他の因子には、HCV-RNA 量、組織学的所見、人
種や民族、BMI、
治療アドヒアランス、
脂肪症の有
無、HIV重複感染などがある。
「目の前にいる患者がゲノタイプ 1でないことを
はっきり知ったとしたら、
彼らは多くの因子を持つ
かもしれない。理想的な治療の候補者はいない。
正と負の両方の予後因子がある」とDr. Friedは
語った。
C 型肝炎の治療に用いられる最も一般的な薬
剤はpegylated IFNとribavirin、プロテアーゼ阻
害薬、
ポリメラーゼ阻害薬である。
Dr. Fried は 経 口 的 な 抗 ウイルス 薬 で あ る
ribavirinを「不思議な、神秘的な治療法だ」と評
した。
同氏は「その作用機序は明らかにされておらず、
議論が続いている」
と語り、ribavirinは IFNと併
用すると治療効果が2 ~ 3倍に上昇すると続けた。
最良の治療法について Dr. Friedは、ゲノタイプ
別の治療、違いを認識すること、ribavirin 用量を
最適化すること、副作用を管理してアドヒアラン
スを高めること、前治療歴のある患者には限定
的であることを認識すること、新しい治療薬を開
発することだと指摘した。
HCV治療の副作用を
どのように管理するか
Norah A. Terrault, MD, MPH, division of
gastroenterology, University of California at
San Francisco は“ Managing Side Effects of
HCV Treatment”と題する講演の中で、HCV 治
療で認められる最も一般的な副作用は、
倦怠感、
う
つ、
血球減少症であると述べた。
「倦怠感は HCV治療では最も高頻度に認めら
れ、
治療継続とともに増悪する。倦怠感は治療中
断の原因になることも多い」
と同氏は指摘した。
IFN治療を受けた患者では、
治療開始後の1ヵ
月間にインフルエンザ様症状を呈することが多く、
それが徐々に倦怠感に進行する。ribavirin療法で
は貧血も認められ、
頻度は 50%を超える。
Dr. Terraultは、
倦怠感に寄与する可能性のある
貧血、うつ、甲状腺機能障害、血糖コントロールを
鑑別することの重要性を指摘した。また、患者に
は軽度の運動を勧め、
医師には治療薬の副作用で
ある不眠の治療にも取り組むことを勧めた。
同氏は「患者がフラストレーションを高め、治
療を中断してしまうよりも、
疲労を軽減するために
HCV治療薬の適度な減量を推奨する」
と語った。
HCV治療では、うつ病、興奮、不安、パニック発
作、
躁病、
精神異常、
自殺企図などの精神系の合併
症も発現する。治療によって患者の 40 ~ 60%で
はうつ病が悪化し、うつ病の新規発症率は 25 ~
65%である。
Dr. Terraultは、
うつ病を伴う患者では薬物常用
の可能性を確認し、選択的セロトニン再取り込み
阻害薬( SSRI)
を予防的に投与することを推奨し
た。治療中にうつ病を管理する他の方法として、
モ
ニタリング回数を増やす、pegylated IFN用量の
調整、
抗うつ薬の投与、
精神科医への紹介、
必要で
あれば入院などがある。
好中球減少、血小板減少などの血球減少症も
HCV治療では一般に認められる。両者ともに治
療薬の減量が必要となる。しかし同氏によると、
HCV患者の血小板減少症の治療として、
経口血小
板増殖因子であるeltrombopagを用いれば、
多くの
患者が HCV治療を継続できるという。
Dr. Terraultは「治療薬の用量調節は最初の12
週間で必要になることが多い。この時期は治療に
とって最も肝心な時期であり、治療法の変更は最
低限度に留めたい」
と語った。
Translation of the official newspaper of Digestive Disease Week® 2009
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DDW Daily News
Tuesday, June 2, 2009
AASLD
ASGE
血液学的合併症の治療:そのジレンマ
肝硬変は、貧血、白血球減少、血小板減少、凝
固障害など多数の血液学的合併症を伴うことが
知られている。凝固カスケードは、組織学的に
は、脂質と相互作用してフィブリノーゲンをフィ
ブリンに転換する第 VII 因子および第 XII 因子
から始まる。
「これはエレガントなモデルである」と、Arun
Sanyal, MD, Charles Caravati Professor of Medicine
and chair of gastroenterology, hepatology
and nutrition at Virginia Commonwealth
University, Richmondは述べた。
「しかし 、
『不
完 全 』とも
『 誤り』とも言えよう」。
この組織学的モデルは止血に関与する細胞の
活動を考慮に入れていない、と月曜日のAASLD
State - of-the -A r t L ecture、Hematolog ic
Complications of Chronic Liver Disease and
Transplantationで Dr. Sanyalは述べた。従来
のモデルは内在・外在性の経路が冗長であるこ
とも意味している。さらに重要なことは、この
モデルが止血の正確なモデルとして、in vivoでの
検証に成功していないことである。
現在の止血モデルは、血管内皮の傷害がなく
ても第 VII 因子が内皮細胞に結合することを示
している。第 VII 因子および 組 織因子が頻繁
に相互作用行い、少量のトロンビンを産生する
と Dr. Sanyal は述べたが、この相互作用は凝
血塊の形成には進まない。いかなる血管内皮
の傷害もコラーゲンへの血小板結合に至り、こ
れがトロンビンの生物学的足場構造となってテ
ナーゼ複合体を生成する。こうした凝血塊が次
に第 X 因子に活性化を惹起しさらに凝血塊を
生成する。
凝血塊の増加はアンチトロンビン III、トロン
ボモジュリン、プロテイン C/S 複合体により調
節される。組織プラスミノーゲンアクチベーター
(tPA)阻害剤、第 XIIa 因子、tPA 、ウロキナー
ゼなどの因子のバランスがプラスミノーゲンのプ
ラスミンへの転換に作用し、プラスミンはフィブ
リノーゲンのフィブリンへの移行とフィブリンの
分解生成物への分解に影響すると、Dr. Sanyal
増加などである。これらが総合されて、肝硬変
は語った。内皮細胞、血小板、外膜細胞などの
で血小板接着の障害が起こり、von Willebrand
多様な細胞はすべて、この複合体および止血を
因子が増加する。
維持するカスケードの相互作用で重要な役割を
肝硬変における貧血も血小板機能を低下さ
演じている。
せる可能性があることが研究で示されたと Dr.
止血は肝硬変などのさまざまな肝疾患により
Sanyalは述べた。貧血患者は血小板凝集のた
混乱されることがある。Ivy法、テンプレート法、
めのコラーゲン基質が少ない。肝硬変患者は正
Duke 法で測定する出血時間など、数種の止血機
常量のトロンビンを産生するが、抗凝固因子の
能試験がルーチンで行われている。こうした方
量は少ない。抗凝固因子の相対的不足がトロン
法の結果は、オペレーター、温度、皮膚の厚さ、
ビンレベル上昇に作用する。tPA およびウロキ
内皮機能に大きく依存する。血小板機能分析装
ナーゼ産生の増加と相
置により、オペレーター
まった tPA 阻害剤の減
や他の因子 への依存が
少も、肝硬変で線溶亢
小さい、再 現 性 の あ る
肝 硬 変は止 血に影 響する上
進をもたらす。
結果が 得られるが、Dr.
皮細胞の複数の変化を誘発
運よく、凝固試 験にお
Sanyalは、closure time
する。
いて突発性出血のリス
が臨床転帰と相関するこ
クのある患者を予測す
とを示す研究は報告され
Arun Sanyal, MD
ることはできる。
ていないとした。
Dr. Sanyal は、感染
プロトロンビン時間は
および内因性ヘパリン様活性の存在が凝固障害
第 VIII、X、V、II 因 子 の 欠 損に反 応するが、
の悪化および出血リスクと関連すると指摘した。
その結果は用いたトロンボプラスチンのタイプの
トロンボエラストグラフィーで出血のリスクが検
影響を受けると Dr. Sanyalは言った。活性化部
出され、ヘパリナーゼの血漿への添加によりそ
分トロンボプラスチン時間は、第 VII および XIII
の不均衡は是正できる。新 鮮凍 結血漿(FFP)
因子以外のすべての因子の欠乏に反応するが、
も凝固障害の是正に使用可能である。組換え第
生理学的止血能力を試験できず、主にヘパリン
VII 因子は治療不成功も活動性出血による死亡
のモニタリングに用いられる。
率も減少させることができる。
「肝硬変は止血に影響する上皮細胞の複数の
活動性出血患者には輸血を行ってヘモグロ
変化を誘発する」と Dr. Sanyalは語った。全身
ビンを約 8g/dL ~ 9g/dL に保つべきであると
の一酸化窒素(NO)増加は血小板を阻害する。
Dr. Sanyalは言う。凝固障害の最適治療は不
それ以外の変化は tPA: tPA 阻害剤の比の増加
明であるが、活動性出血のある患者の血小板数
などである。トロンボモジュリンおよびプロテイ
が 50, 000 未満である場合には血小板輸血を推
ン C 系の機能も変化する。その結果が重大な血
奨した。国際標準比が 1. 5 超であれば、セカン
小板機能異常である。
ドラインの選択 肢は FFP である。Dr. Sanyal
多数の因子がこれには関与していると Dr.
はまた、7 日間の Cipro 静注または第三世代の
Sanyalは述べた。内因性因子は、貯蔵プール効
cephalosporinも推奨した。
果、トロンボキサンA 2 合成の減 少、膜貫通シ
グナル伝達の変化、糖タンパク質 1b およびイン
テグリン 3 受容体の減少などである。外因性因
子は、異常な高密度リポタンパク、ヘマトクリッ
ト減少、内皮 NO およびプロスタサイクリン産生
ASGE
ASGE Endoscopic Video Forum:
百聞は一見にしかず
百聞は一見にしかず、が本当であれば、月曜の
ASGE Endoscopic Video Forumの 出 席 者 は、
膵・胆管疾患治療で遭遇する困難な問題が、最新
技術、革新的テクニック、優れた持続性により成功
裏に解決されると信じることができるであろう。
The Video Forumでは、19ヵ国からASGEに
提出された 121 のビデオのうち 23 が取り上げら
れ た。 す べ てのビデ オは、ASGE Educational
Products Committee と ASGE Continuing
Medical Education Programs Committeeにより
レビューされた。
発表のために選択された 23 のビデオクリップ
は、セッション後、すぐに DAVE(Digital Archive
of Video Endoscopy)Project Web siteに掲載さ
れた。さらに、Video Forumで発表されなかった
が価値が高い、いわば選外佳作の 26 ビデオは、
ASGE Learning Center(South Hall)において
連続上映で展示された。
最新技術の使用例は、潜伏胆管がんの診断に
おける、狭帯域フィルター内視鏡を伴うデジタル胆
道鏡検査、共焦点顕微鏡検査法の適用を示した
ビデオであった。
デジタル胆道鏡検査は潜伏がんを検出でき、狭
帯域フィルター内視鏡は、腫瘍血管を同定できる
と、本ビデオを提供した Ram Cuttani, MD, Beth
Israel Deaconess Medical Center, Boston, MA
は指摘した。
Bhatia General Hospital, Mumbai, Indiaの消
化器病専門医 Amit P. Maydeo, MDは、非常に
大きな放射線透過膵石の除去に革新的テクニッ
クである膵バルーン括約筋形成術を用いたビデオ
を供覧した。
Dr. Maydeoは、最初、大きな膵石を除去するた
めの従来からのテクニックを用いたが、除去する
ことができなかった。同氏は、バルーン括約筋形
成術が大きな胆石の除去に有用であることを知っ
ており、患者の膵石除去にこのテクニックを応用す
ることを決断した。
ビデオでは、スコープを何度か動かした後、石
の除去が示された。
優れた持続 性のカテゴリーでは、the Mayo
Clinic, Rochester, MN の Todd H. Baron, MD,
FASGEから、結腸の胆石性イレウスの内視鏡的
治療を示したビデオが供覧された。患者の結腸
は、胆石により完全閉塞していた。衝撃波砕石術
は石を粉砕することはできなかったが、中央に穴
を開けることができた。衝撃波は 2, 200 回まで繰
り返されたが、石の粉砕には至らなかった。
ついに、Dr. Baronは、閉塞バルーンを穴に置
き、ガイドワイヤーを石の中に通し、バルーン拡張
により石を粉砕した。同氏は破片を取り出し、
ルー
プとバスケットを用いて除去した。
Translation of the official newspaper of Digestive Disease Week® 2009
セッションの最後に、ASGE President の John
L. Petrini, MD, FASGEは、静脈瘤出血の内視鏡
的管理に関するビデオを供覧した the Institute
for Digestive Research, Soon Chun Hyang
University College of Medicine, Seoul, Koreaの
Soung Won Jeong, MDに the top audio-visual
award を授与した。
ASGE Endoscopic Video Forumで発表するDo Hyun
Park, MD, PhD, the University of Ulsan College of
Medicine in Seoul, South Korea。
右結腸で Uターンせよ:
Jerome D. Waye
アプローチによる
ポリペクトミー
道 路で Uターンしてガソリンスタンドに
寄るのと同じように、ポリペクトミー中に
盲腸で Uターンするには大きなトルクが必
要である。ただし、自動車の Uターンと異
なり、右結腸での Uターンは一般的な操作
でないと、Jerome D. Waye, MD, FASGE,
clinical professor of medicine, Mount Sinai
Medical Center, New York, NYは述べた。
右結腸でUターンする人はほ
とんどい ないが、Uターンモ
ードではポリープがはるかに
よく見える。
Jerome D. Waye, MD, FASGE
Dr. Wayeは、
月曜日の breakfast session、
Polypectomy : The Only Waye で自身のア
プローチを説明した。
「右結腸で Uターンする人はほとんどい
ないが、Uターンモードではポリープがは
るかによく見える」。
この方 法は retroversionで 行うが、Dr.
Waye は、小児用内視鏡を用いれば右結腸
で「いとも簡単に」行えると言う。穿孔を起
こしたことはない。また、内視鏡のシャフト
を押すより引き戻すことを提唱している。さ
らに、endo cut はかなりの出血を起こすこ
とがわかったため使用していない。
Dr. Waye は、使い捨てプローブ付きの第
二世代のアルゴンプラズマ凝固装置
(APC,
Erbe USA Inc., Marietta, GA)を使用す
る。凝固電流は 25W で標準の強膜針を用
いる。2 ~ 5mm のポリープ切除には cold
snare を用い、これより大きいポリープに
は hot snare を用いている。
「適 正サイズのスネアの 選 択 が 重 要 で
ある」と Dr. Waye は 述べた。
「ポリープの
80% は 1cm 以下であるため、小さいスネア
のほうがポリープを捕捉しやすい」。
Dr. Waye は、1. 5cmを超えるポリープに
は、スネアの位置決めと電気焼灼を行う前
に生理食 塩 水を注入するように推奨した。
また、ポリープの縁を見やすくするために
生理食 塩 水
( 2 ~ 5mL)にメチレンブルー
を 1 ~ 2 滴添加している。エピネフリン注
射を行う臨床医もいるが、Dr. Waye は行っ
ていなかった。
ポリープが薄い、すなわち非常に平坦な
場合は、液体で縁がさらに平坦になり、ス
ネアでの 把 持 が 困難になることがあるた
め、生理食塩水注入は好ましくないと、Dr.
Waye は語った。
生理食塩 水注入の次の段階は、APC を
行う前に、スネアの位置を決め、ポリープの
空気を抜くことである。
Narrow-band imaging で残留ポリープ
の可視性が 向上し、Roth バスケットはポ
リープ組 織 片の収集に役 立つことが 多い
と、Dr. Waye は語った。
Tuesday, June 2, 2009
DDW Daily News
7
AGA
消化器病学にとって重要な問題を検証した AGA Plenary
AGA Institute PresidentのRobert S. Sandler,
MD, MPHが課したきっちり10分間という時間の
中で、消化器病学が直面している重要な問題を8
名の優秀な消化器専門医がまとめた。
各演者は、
月曜日のAGA Presidential Plenary、
“Crucial Questions for Gastroenterology in
2009”で、この時間制限内に聴衆の興味を引こう
と競い合った。取り上げられたトピックは、基礎
科学の進歩、大腸がん予防、質の尺度、Barrett
食道、肝がん、研修、炎症性腸疾患(IBD)、
Natural Orifice Translumenal Endoscopic
Surgery(NOTES®)であった。
画像法での蛍光プローブ、誘導可能な多能性
幹細胞、ナノテクノロジーにおけるナノモーターの
開発で、基礎分野の3つの発展が期待されると、
David A. Brenner, MD, Samuel Bard Professor
and Chair, department of medicine, University
of California, San Diegoは述べた。
蛍光プローブ、
「緑色蛍光タンパク質」
(GFP)
を利用して、この遺伝子を特定のタンパクに結合
してそれらを光らせ、GFPを検出すれば、生存生
物体中でそのタンパクを観察できる。多能性幹
細胞は組織修復に利用できるとみられ、また、ナ
ノモーターは身体から凝血塊やがん細胞を除去
したりするのに利用できると思われる。
大 腸内視 鏡は大 腸がんの最も一般的なス
クリーニング技術であるが、便免疫化学検査
(FIT)がよい選択肢となるとみられる。FIT
は、簡便、非侵襲的、効果的、低リスク、安価であ
る可能性がある。
Douglas K. Rex, MD, FACP, FACG, professor
of medicine, University of Indiana, Indianapolis
は、スクリーニングの2つの鍵は、現在スクリーニン
グを行っているスタッフの作業の質的向上とFIT
の普及を試みることであると述べた。
医療改革が現実のものとなりつつある現在、
医師は、政府による監督強化も含め実地診療
の方法が大きく変わると考えているであろう
と、John I. Allen MD, MBA, AGAF, Minnesota
Gastroenterology, Minneapolisは述べた。
Dr. Allenは、医療サービスの報酬は患者の転
帰にますます関連づけられるようになり、医療の
質が重要となり、電子医学記録が利用されるよう
になるであろうと述べた。医師はカルテを書かな
くなる代わりに、幼稚園と同じように「他の人とう
まくやっていくことを学ばなければならないであ
ろう」。
Nicholas J. Shaheen, MD, MPH, associate
professor of medicine and director of the
Center for Esophageal Disease and Swallowing,
University of North Carolina, Chapel Hill は、
Barrett食道の治療について論じた。
高用量の制酸剤との併用によりneosquamous
上皮に復帰させる能力が示されたモダリティー
が複数あると、Dr. Shaheenは述べた。こうした
モダリティーは、光線力学療法(PDT)、高周
波アブレーション(RFA)、YAGレーザー、スプ
レー寒冷療法などである。
最も有望な選択肢は、high-gradeの異形成
のある患者でがん進行リスクの低下が示された
PDTとRFAである。
「どれを使うべきか」とDr. Shaheenは問いか
け、
「安全性か、有効性か、使いやすさか-答え
はどれもRFAである。最も説得力のある報告が
RFAにはある」。
治療アルゴリズムの改善によって肝細胞が
ん(HCC)の治療が大きく前進したと、Norah
Terrault, MD, MPH, associate professor
of medicine, University of California, San
Franciscoは述べた。
HCCの発症率は過去30年間で3倍となった
が、1年生存率は1997~1999年の34%から2002
~20 05年の47%に増えた。この理由は、早期
診 断および治 療が増えたことである、とD r.
Terraultは言う。
HCCの治療の進歩は、肝切除患者の選択とそ
うした患者の治療の進歩、小規模HCCの治療法
としての肝移植、RFAや経動脈化学塞栓療法な
どの局所療法の役割、抗腫瘍薬sorafenibの承認
などである。
「治療アルゴリズムにおいて患者の早期疾患特
定と管理が焦点である」とDr. Terraultは述べ、
学際的アプローチも重要であると付け加えた。
消化器専門医の研修は新たなパラダイムに移るで
あろうと述べたのは、Lawrence S. Friedman, MD,
vice dean for medical education, University of
California, San Diegoである。以前の研修モデ
ルは、臨床スキル、医学的知識、文書作成、完全
な独立、診断、一般医化を中心としていたが、新
しいパラダイムには、システムベースの医療、チー
ムのリーダーシップ、差異の最小化、財源の認
識、専門家化などとなろうとDr. Friedmanは述べ
た。
研修におけるその他の重要な要素には、厳格
な能力評価、シミュレーション、焦点を定めた医
療、生涯教育、システムベースの医療、能力開発
が含まれるであろうと、Dr. Friedmanは述べた。
William J. Sandborn, MD, Mayo Clinic College
of Medicine, Rochester, MNは、IBDの治療戦略
のリスク、ベネフィット、費用のバランスをどうと
るかについて、内科的治療と外科的治療を総説
し、それらの費用と有効性について論じた。
こうした要因すべてのバランスをとる鍵は、疾
患の自然史の理解、研究対象の患者集団におけ
る内科的治療と外科的治療のリスクと有効性、
入手できる相対的有効性データの検討、疾患の
進行、投薬、外科手術の費用の調査などである
と、Dr. Sandbornは述べた。
また、確実な費用効率および費用対効果の
データがない場合、消化器専門医は臨床試験の
相対的有効性を考慮しなければならないとも述
べた。
Anthony Kalloo, MD, professor of medicine
and chief of the division of gastroenterology
and hepatology, Johns Hopkins Hospital,
Baltimore, MDはNOTESの有望性について講演
した。
Dr. Kalooは内視鏡の将来が管腔にあるのか
腹膜にあるのかを論じ、NOTES技術の開発に
より管腔に大きな可能性があると述べ、NOTES
を「インターベンショナル内視鏡の進化における
次なる段階」と評価した。
胃穿孔の懸念がハードルのひとつであるが、そ
れは問題ないとDr. Kalooは述べた。別の懸念と
して、消化器専門医にNOTESを行うスキルがあ
るかどうかであり、Dr. Kalooは、腹腔鏡の技術
は必要ないので消化器専門医でも行える、とそ
の確信を語った。
「合併症にも対処可能である。ただし腹膜の解
剖学を学ぶ必要がある」。
Dr. Kalooは、消化器専門医は、診断的腹腔鏡
の理解を深め、腹腔鏡外科医とともに内視鏡医
の研修を行い、動物実験のプロトコルを作成して
NOTESへの準備が可能と、指摘する。
「内視鏡の進化は次なる段階に来たのである」
と、Dr. Kalooはまとめた。
SSAT
Dr. McFadden は会員に、正当な自己評価を要望
月曜 の Presidential Address で、SSAT
President の David W. McFadden, MD は、
外科医は、
「平均以上」であると自負するのであ
れば、正当な自己評価と常に学ぶ努力をしなけ
ればならないと語りかけた。
20 年前、Dr. McFaddenは、同氏について
書かれた紹介状の中で、医学トレーニングの努
力が「平均以上」と書かれていることを知った。
この経験は、同氏に、平均とは何か、
平均以上と
は何かを考えさせるきっかけになったという。
「平均は普通ではない。平均とは相対的なも
のである」と Dr. McFadden は述べ、
「誰も平
均にはなりたくないので、平均は平均以上に格
上げされた」と続けた。
さらに、同氏は、多くの評価の標準が下げら
れたと考えられる社会で、
「平均以上」のラベル
が持つ妥当性に疑問を投げかけた。
「大学のグレードは、もはや学生が知る正確
な指標ではない。メディカルスクールのグレー
ドは上がっているが、それはなんの意味もない」
と同氏は指摘した。
Dr. McFaddenは、2 年間、学生に Cの評 価
を下さなかった大学の医学部教授の話を紹介し
もしわれわれがみな平均以上
であるならば、どのように各
人の質を評価し、保証すれば
いい のであろうか。それが問
題である。
SSAT President
David W. McFadden, MD
た。それは、Cと評価されないで当然だったか
らではなく、
「
‘C’の評価を受けることはもはや
「平均」とは考えられず、カインの印(落第者)と
考えられるため」であった。教授は、いつか、B
も同様につけられなくなるであろうと予測した。
「格付けシステムは、競争を促すが、われわれ
は、チーム医療を実践している。格付けをなく
すことは、チームワークをサポートする」と同氏。
格 付 け システムと自己 評 価 法 は、
“ Lake
Wobegon Effect”に陥りやすい。すなわち、
人々は自己の実績を過大評価し、自己を過大
評価するだけでなく、他者と比べても優れてい
ると思い込む傾向がある。
Dr. McFaddenは、61%の医師が、自分自身
は製薬メーカーの MRの影響を受けていない
と回答し、一方、同僚は、84%が MRの影響を
受けていると回答した古典的研究を紹介した。
外科医も、自身のスキルと能力を実際以上に
過大評価することが多過ぎると、同氏は指摘し
た。1 〜 10 のスケールで、医師の平均オンライ
ン評価は 6 である。
「もしわれわれがみな平均以上であるなら
ば、どのように各人の質を評 価し、保証すれ
ばいいのであろうか。それが問題である」と、
Dr. McFaddenは、問いかけた。
「これは信頼性
の問題である。医療には危険が伴い、医療を
行うことは特権である」
同氏は、Malcom Gladwellの最新の成功に
関する書籍“Outliers”のアイデアの 1 つを参考
にして、外科医に仕事に 10, 000 時間をかけるこ
とを要望した。そのアイデアとは、特別の分野
では、10, 000 時間をかけなければ最終的な成
功は得られないというものであった。
「Mozart、The Beatles、Bill Gates など は、す
は 述 べ た。
「Mozartは、家 族 の前 でピアノを
10,000 時間弾いた。The Beatles は Germany の
Hamburg 中のあらゆるライブハウスで、多くの時
間、
演奏を行った。Bill Gatesは、
10, 000 時間、
コー
ドを打ち出した」と同氏は言う。
Dr. McFadden は、もし SSAT 会 員 が ここ
で 1 つメッセージを持ち帰るのであれば、それ
は Dalai Lamaの言葉であって欲しいと述べ、
Dalai Lamaの言葉を紹介して、講演を終えた。
「毎日、誰かに 3 つの言葉を言いなさい。あり
がとう。愛しています。ごめんなさい」と。
べて 10, 000 時間を投じている」と Dr. McFadden
Translation of the official newspaper of Digestive Disease Week® 2009
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