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カネヒラ(PDF:181KB)
脊椎動物門 > 硬 骨魚 綱> コイ 目> コ イ科 学名: Acheilognathus rhombeus (Temminck & Schlegel, 1846) 和名: カネヒラ 滋賀県の方言: ヒラボテ・オクマボテ 種の指定状況: 滋賀県レッドデータブック 2010 年版:絶滅危機増大種 特徴: 全長 8 ~ 12 ㎝。タナゴの仲間では、大型に属する。体は側扁して体高が高い。背び れ・尻びれの分岐鰭条数(ぶんききじょうすう)が多く、基底も長く、鰭条も伸び るので全体としてひれが体に比べ巨大に見える。肩部は濃青緑色の暗色斑は三角形 で明瞭である。体側後半の中央に青緑色の縦条が伸びる。産卵期の雄は美しい婚姻 色を見せる。背方は青緑色、頭部側面および体側腹方は桃色を呈する。尾びれはか なり黒ずむ。 湖内の分布: 滋賀県ではびわ湖沿岸とその周辺河川、水路、内湖に分布する。全国的には、びわ 湖淀川水系以西の本州、九州北西部に分布する。 その他: びわ湖では、夏から秋の産卵期(他のタナゴ類と異なる)にかけて、湖岸の砂泥域 に多くなり、その後極端に少なくなる。このことから、成熟状態に応じた回遊が推 定される。稚魚は、主に付着藻類を食べ、成魚はオオカナダモ等の水草を食べる。 他のタナゴ類と同様、びわ湖では二枚貝のタテボシに多く産卵し、セタイシガイの 多いところではセタイシガイを好んで卵を産みつける。稚魚は春に貝から浮上し、 しばらく群れで生活をする。 減少要因として、他のタナゴ類と同じく、湖岸や河川の改修、開発等で、産卵環 境である二枚貝の減少、および魚食性外来魚(オオクチバス)があげられている。 また、観賞魚としての流通も多く、過度な採集も課題である。 カネヒラ (撮影 細谷和海) 本ページの写真の無断使用を禁じます 参考文献: 1. 金尾滋史( 2011 )カ ネヒラ . 滋賀県生 きも の総合調査委 員会(編 ) 滋賀県 で大切にすべき野生生物滋賀県レッドデータブック 2010 年版 . 滋賀県自然 環境保全課 . p.492. 2. 中村守純 (1969) 日本のコイ科魚類 . 資源科学研究所 , 東京 . 455pp. 3. 長田芳和( 2001 )カ ネヒラ . 川那部浩哉・水野信彦・細谷和海( 編) 山渓 カラー名鑑 改訂版日本の淡水魚 . 山と渓谷社 . pp.368 - 369. 4. 西野麻知子・細谷和海 (2004) 琵琶湖周辺内湖における外来仔稚魚と在来魚 仔稚魚の関係 . 琵琶湖研究所所報 , 21 : 17-27. 5. 琵琶湖 博物 館う おの 会 (編) (2005) み んな で楽し んだ うお の会 ― 身近な 環 境の魚たち― . 琵琶湖博物館研究調査報告書 . 23. 233pp 6. 宮地傅三郎・川那部浩哉・水野信彦( 1976 )原色日本淡水魚類図鑑 全改訂 新版 . 保育社 . pp.229 - 231. *執筆 細谷和海