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4月号 - 防衛省・自衛隊
4月号 陸上自衛隊 第3師団広報紙 (広報紙第23号) 発行 第3師団司令部広報室 今月の内容 1 2 3 4 5 6 7 8 9 東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣活動 兵庫県姫路市山林火災に伴う災害派遣活動 ハイチ派遣国際救援隊(第4次要員)の活動 部隊長随想(第3音楽隊長) 最先任上級曹長随想(第7普通科連隊) 歴史探訪(千僧駐屯地周辺) 一隅を照らす 新婚さんスウィートライフ 3Dレディー 表紙背景:船岡駐屯地前での応援 守り続けて50 守り続けて 50年 年 強い絆と新たな飛躍 東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣活動 − 給食・給水・入浴支援、行方不明者の捜索 ① 給食(第7普通科連隊) 給水(第37普通科連隊) − 入浴(第3後方支援連隊) 東日本大震災において被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。 平成23年3月11日午後2時46分、東北地方太平洋沖地震が発生して、東日本に甚大な被害をもたらせて から約1ヶ月余りが過ぎましたが、4月20日現在、第3師団の生活支援隊(隊長:黒丸1佐(第3後方支援連 隊長))約500名の隊員は、3月15日の派遣から引き続き生活支援及び行方不明者の捜索等に従事していま す。尚、被災地のライフラインも逐次復旧されるにつれ、給水所要も減少方向に向かっています。 地震発生1ヶ月後の4月11日午後2時46分、派遣隊員達はそれぞれの 活動場所において、大地震及び津波によって犠牲になられた方々のご冥福を 祈り、1分間の黙祷を捧げました。 災害派遣され被災地で活動している隊員は、行方不明の方々が一刻も早く 発見され、御家族の元に帰れますことを強く願いながら、懸命になって捜索 活動を行っています。 黙祷 午後2時46分 ※ 派遣各部隊隊員の活動写真を数頁にわたり掲載します。 東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣活動 − 給食・給水・入浴支援、行方不明者の捜索 ② − 特製の浅漬けを準備する第36普通科連隊の隊員 味噌汁を作る第3通信大隊の隊員 味噌汁の具材を下処理する第3偵察隊の隊員 特製そばを茹で上げる第3戦車大隊の隊員 東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣活動 − 給食・給水・入浴支援、行方不明者の捜索 ③ 特性よもぎ麺を配食する第3戦車大隊の隊員 − ペットボトルに給水する第3高射特科大隊の隊員 2M 柴田小学校の生徒達に給水する第3飛行隊の隊員 巡回診療を行う衛生隊の隊員 東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣活動 − 給食・給水・入浴支援、行方不明者の捜索 ④ ご遺体発見場所に線香をたむける第7普通科連隊の隊員 ご遺体の搬送準備を行う第37普通科連隊の隊員 − 倒木の間隙を捜索する第36普通科連隊の隊員 グラップル作業の後、再捜索する第3特科隊の隊員 東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣活動 − 給食・給水・入浴支援、行方不明者の捜索 ⑤ − 夜遅くまで器材を整備する第3後方支援連隊 第2整備大隊の隊員 防疫支援を行う第3特殊武器防護隊の隊員 (除染車はフル可動) 輸送支援の任務にあたる第3師団司令部付隊等の隊員 元楽天の選手が学校訪問した際野外風呂を見学 兵庫県姫路市山林火災に伴う災害派遣活動 − 兵庫県知事から第3特科隊長に災害派遣要請 民家に迫る野火に散水をするUH−1 − 現地対策本部で指揮する第3特科隊長 平成23年4月4日の昼ごろ、兵庫県姫路市広畑区才の京見山ふもと付近で野火が発生、広範囲に燃え広がり、 約43時間後の4月6日午前7時ごろ、約60ヘクタールを消失し鎮火した。 この山林火災発生に伴い、4日午後1時56分、兵庫県知事は、第3特科隊長(隊長:藤木1佐)に、災害派 遣を要請し、これを受理した第3特科隊長は、速やかに連絡幹部を現地に派遣し、自治体(現地対策本部)との 調整を行わせた。 師団は、東北地方太平洋沖地震に伴う災害派遣に約500名の隊員を派遣していますが、近畿2府4県の突発 的な災害発生にも速やかに対応できるよう、態勢は整えていた。 4日午後4時33分、航空機(消火バッケトを装着したUH−1)による消火活動を開始したが鎮火にいたら ず、引き続き6日朝まで昼間の消火活動を継続した。 今回の災害派遣に出動した部隊は、第3特科隊(姫路)、第3飛行隊(八尾)、航空学校(三重県)等であり、 派遣延べ数は、隊員140名、車両29両、航空機12機が災害派遣に従事し、253回(527t)の散水を 実施した。 ハイチ派遣国際救援隊(第4次要員)の活動 − 倒壊施設の解体・瓦礫の撤去・建設用地の整地 ① 空港税関の解体 周辺道路瓦礫撤去 − グランド造成工事 平成22年1月13日、ハイチ共和国で発生した地震により、同国に甚大な被害をもたらせことに対し、自衛隊 はこれまでに、中央即応集団、第5旅団、第9師団、そして第3師団と4次の部隊を交代派遣し、国際救援活動に 従事しています。 第3師団及び第4施設団の約330名の隊員は、 2月8日に主力第1派、2月21日には主力第2派として出 国し、3月上旬から本格的な活動を開始した。現地での活動は、倒壊施設の完全解体、瓦礫の撤去、施設建設のた めの整地等に従事しています。 現地の平均気温等は、下表のとおりです。 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 平均気温(℃) 25.4 25.5 26.4 27.2 27.7 28.3 28.8 28.7 28.1 27.5 26.9 25.9 66 68 70 76 71 71 71 72 75 74 73 平均湿度(%) 70 ※ 活動写真を次の頁で紹介します。 ハイチ派遣国際救援隊(第4次要員)の活動 − 倒壊施設の解体・瓦礫の撤去・建設用地の整地 ② − 学校・病院建設用敷地造成工事の状況 解体前の空港関税施設 空港関税施設の解体現場 部隊長随想∼人の心と音楽の力∼ − 第3音楽隊長 2等陸尉 佐藤 文俊 − 皆さんは、最近音楽を聴いていますか?忙しい毎日を過ご す中で、たまには音楽の世界に浸ってみませんか。 音楽には不思議な力があります。悲しみに打ち拉がれている とき、心を癒してくれ、勇気を与えてくれます。楽しいとき、 楽しさを2倍にも3倍にもしてくれます。今回の震災でも、 人命救助や生活支援と同時に、音楽の支援もいたるところで 行われています。我々人間が生活する上において、絶対に必 要なものは「衣・食・住」ですが、それだけでは人間らしく 生きてはいけないのです。人間らしく生きる、そのためのひ とつに「音楽」があると思います。 日常の中で、音楽は自分の心を表現、代弁する役割を担って くれます。 悲しい時は、思いっきり悲しい曲。楽しく嬉しい時は、軽 やかで明るい曲。心が乱れたときは、激しい曲。 音楽は、自分に寄り添って、包み込んでくれます。心を整理できたり、落ち着かせたり、勇気や活力をくれた り、喜びを倍増したり・・・。 私は、音楽に身を包まれている瞬間が大好きです。何かをしながら聴くときもありますが、時には目を閉じて、 じっと音の世界に身を寄せて、宇宙を漂っているような、日常から離れた自分の世界に行きます。 気分がリフレッシュされ、爽やかになったり、自分を見つめなおしたりできます。 自分の心に正直に、今心地よいと感じる音楽の世界に浸ってみてはどうでしょうか。 最先任上級曹長随想 − 第7普通科連隊 准陸尉 山上 尚志 − このたびの東日本大震災により被害を受けられた皆様方に対し まして、心よりお見舞い申し上げます。 また、危険を顧みず身を挺して懸命に活動を行っている自衛隊 災害派遣部隊の隊員の皆さん、過去に経験したことのない過酷な 状況ですが、今こそ、この国家・国民的危機を乗り越えるため頑 張って欲しいと思います。 第3師団からも多くの隊員が被災地に派遣されていますが、各 駐屯地に留まる隊員も物心両面の準備を整えながら、関西地域の 防衛警備、そして、じ後の派遣要員として直ちに任務に就けるよ うに万全の態勢で備えています。 今から16年前、私が阪神淡路大震災の災害派遣活動に出動し た頃は、現在部隊が装備している人命救助セット等も無く、思う ように救助活動ができなかった残念な思いがあります。 その後、自衛隊に於いては、阪神淡路大震災をはじめ数々の教 訓を基に、救援活動に対する装備の充実化が図られるとともに、 自治体、警察、消防等と連携し防災訓練を重ね、各種災害に即応 できる部隊の練度向上を図ってきました。 今回の災害派遣に於いても、第7普通科連隊から約90名の隊員が既に被災地に入り、懸命の救助・捜索活動及 び生活支援を行っています。この派遣隊員の中には、阪神淡路大震災及び新潟県中越沖地震等の災害派遣で活動し た隊員も含まれ、彼らは豊富な経験と今まで積み上げてきた訓練練度を、被災地で最大限に発揮し必ず任務を遂行 してくれるものと信じています。また、国際的にも様々な形で積極的に救助活動や復興支援を行ってきた。今も第 3師団は、約300名を超える隊員がハイチに於いて救援活動を行っています。今回の災害で、米国を始め世界各 国から救援活動や支援を頂いていますが、これも、今まで隊員が身を挺して活動を行い、各国との信頼関係を築い てきた成果であると思う。今、被災地には助けを求めている人々が多数います。被災地で不眠不休の活動を行って いる隊員も、疲労困憊していると思いますが、『一人でも多くの被災者を救いたい。一日でも早く被災者の笑顔を 取り戻したい。』その原動力となって頑張って欲しいと思います。活動する地域や任務は異なりますが、皆が心を 一つにして、この難局を乗り越えて行こう。 歴 − 軍行橋(親柱) 史 探 訪 伊丹と乃木将軍 (千僧駐屯地) 昆陽寺の記念碑 − 忠 魂 碑 【軍行橋】 1911(明治44)年11月19日から21日にかけ、皇太子(後の大正天皇)行啓のもと乃木希典が統監し、猪 名川を挟んで陸軍第16師団と第4師団(約1万人規模)の陸軍秋季大演習が行われた。この大演習のために架けた 橋が、現在存在する軍行橋の由来とされている。(写真:左) 【昆陽寺の記念碑】 陸軍秋季大演習の際、乃木大将が昆陽寺に立ち寄られたことを記念して、地元有力者が大正2年に記念碑を建てられ た。(写真:中央) 【乃木希典書の「日露戦争忠魂碑」】 大演習間、乃木大将が伊丹市内に宿泊していた時、市内開業医(軍医)の依頼を受け「忠魂碑」の文字を書いたもの。 演習間、乃木大将の昼の弁当は、竹皮で包んだ梅干し入り海苔巻き4個、その繰り返し使用した竹皮は、台座の下に 奉納されている。忠魂碑は、日露戦争の激戦地「旅順」に建てられた、白玉山表忠塔の砲弾の形を真似せたとされて いる。(写真:右) 一隅を照らす − 第3偵察隊 2等陸曹 竹内 純 − 今月の一隅を照らす隊員は、第3偵察隊の竹内2曹です。 竹内2曹は、偵察隊の車両係として、日々車両の配車・整備記録等に関する業務を実施しており、毎朝、出勤 と同時に官用車両の駐車場に赴き、車両の保管状況等を掌握して、不備事項等を発見すれば速やかに改善すると ともに、朝礼等の場を活用し、機会教育により全隊員に徹底しています。 また、隊統制の車両整備日には、現場において後輩隊員に対し整備要領を指導するとともに、整備専門の偵察 直接支援隊と連携し、車両整備が円滑に実施できるように努める等、隊車両の稼動率向上に努めています。 「 バイク命」の竹内2曹の余暇の過ごし方は、「3偵オートバイ同好会」の一員として積極的に活動し、自ら オートバイク操縦技術や整備技術の錬磨に努めるとともに、その技術を積極的に後輩に伝授し、後輩隊員の操縦 技術及び整備技術の能力向上に大きく貢献しています。 行動的で、上司の信頼も厚く後輩隊員から慕われる竹内2曹は、まさに「一隅を照らす」に相応しい隊員です。 新婚さんスウィートライフ − 第36普通科連隊 陸士長 後藤健太朗・茜(アカネ)さん − 今月は、3月3日に入籍したばかりの第36普通科連隊の後藤士長夫妻を紹介したいと思います。 Q=出会いはいつ頃、どんなきっかけですか? A=友人との夏のバーベキューで、お酒に酔ってしまった 時に、介抱してくれたのがきっかけです。 Q=プロポーズの言葉は? A=結婚してください! Q=初めてのデートの思いでは? A=ユニバーサルスタジオジャパンに行って、スパイダー マンの乗り物に乗って、大はしゃぎしたこと。 Q=結婚生活での感想は? A=毎日が楽しいです! Q=どんな家庭を築きたいですか? A=笑顔の絶えない明るい家庭を築きたいです! ご協力ありがとうございました。 お幸せに∼ 3Dレディー − 第37普通科連隊 2等陸曹 黒川 志乃 − 信太山駐屯地広報室のニューフェイスの、第37普通科連隊本部管理中隊の黒川2曹を紹介します。 黒川2曹は、平成14年入隊、新隊員課程を修了後に本部管理中隊衛生小隊に配置され、現在では救護陸曹として 活躍しながら、家庭では良き母親として家事・育児に専念しています。 平成23年3月の定期異動で、衛生小隊より連隊本部第1科広報室に配置になり、活躍の場を広げようと日々頑張 っています。 Q=入隊の動機は? A=阪神淡路大震災で活躍する自衛隊の姿を見て感動し、 困ってる人のためになる仕事に就こうと思った。 Q=趣味は? A=始めたばかりのゴルフ Q=思い出に残った訓練は? A=21年度に大雪の中、あいば野演習場で受閲した衛生 小隊検閲です。 Q=得意な料理は? A=ギョウザ Q=好きな食べの物は? A=甘いもの Q=今一番したい事は? A=九州一周の温泉旅行に行きたい。 Q=今一番ほしい物は? A=家庭菜園用のMy畑 Q=今後の目標は? A=広報陸曹として必要な知識と技術を身に付ける。 Q=最後に一言お願いします。 A=みんなに喜ばれる広報陸曹を目指して、頑張ります。 編 集 後 記 いつも3師団だよりをご覧頂き、ありがとうございます。 今月は、被災地から広報室宛に御礼のメールが届きましたので紹介したいと思います。 はじめまして 御礼を言いたくメールさせていただきます。「六甲の湯」の暖簾から,こちらの部隊の方々ではと思いました。 私は,職場が,宮城県亘理町の避難所の一つになっているものです。この避難所には,津波で家や家族をなくさ れた方々がたくさん生活しています。いつもなら,彼岸が過ぎたこの時期,暖かい風が吹き,春の兆しが見られ る時期でありますが,なぜか,冬に戻ったようになっています。 先日,自衛隊の皆さまからの配給で,カップラーメンが支給されました。その中でお湯の配給もしていただきま した。自衛隊の方々は,吹きさらしの中,笑顔でお湯を配っていました。私が,「寒いので,他に配給場所を作 りますか。」と聞いても,笑顔で「大丈夫ですよ。」の一言をいただきました。また,夜遅く,用意していただ いた「六甲の湯」を利用させていただいたとき,隊員の皆さんは,寒い中,笑顔で私たちを迎えてくださいまし た。冷たい雨が降る夜であるにもかかわらず,誰一人ヒータ-のある脱衣所に入ることなく,何時間も寒いとこ ろに立ちながら,笑顔で,私たちを迎えてくれました。任務とはいえ,嫌な顔一つせずに,気遣ってくださった ことに感謝したく,なれないメールを打たせていただきました。 翌日,米軍の方々は支援物資を持ってきて下しました。有難いことです。しかし,それ以上に,自衛隊の方々の 心配りがうれしく思います。ありがとうございました。 現在も、第3師団は500名体制で生活支援を全力で継続しております。引き続き、紙面及びホームページで紹 介して参りますので是非、ご覧下さい。 表紙背景:災害派遣活動部隊への声援(船岡駐屯地前) 師団だより編集担当者