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国務院弁公庁、 金融改革に関する指導意見を公布 穏健な通貨政策の

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国務院弁公庁、 金融改革に関する指導意見を公布 穏健な通貨政策の
2013 年 7 月 16 日
みずほコーポレート銀行(中国)有限公司
中国アドバイザリー部
―金融政策関連―
みずほ中国 ビジネス・エクスプレス
( 第 273 号 )
国務院弁公庁、
金融改革に関する指導意見を公布
穏健な通貨政策の継続を強調
平素より格別のご高配を賜りまして誠にありがとうございます。
国務院弁公庁は、2013 年 7 月 1 日付で『金融による経済構造の調整および転換・高度化への支持に関
する指導意見』(国弁発[2013]67 号、以下『指導意見』という)を公布し、従来の穏健な通貨政策を維
持するとともに、金融改革によって経済構造の転換を後押しする方針を示しました。内容自体はこれま
での政策方針を取りまとめたもので、目新しさはありませんが、6 月下旬に中国人民銀行が多くの市場
参加者の期待に反して流動性供給オペレーションを実施しなかったことにも表れているように、金融・
経済構造改革という中長期的な取り組みを重視する姿勢を鮮明にしています。

銀行に金融改革の実行を迫る
『指導意見』公布の背景には、中国の短期金融市場の混乱があります。6 月 20 日、上海銀行間出し手
金利(SHIBOR)のオーバーナイト金利が前日比で 578.4 ベーシスポイント(bp)上昇して 13.4440%ま
で跳ね上がりました。7 日物も前日比 292.9bp 上昇して 11.0040%に達し、オーバーナイト金利と同様に
初めて 10%を超えて過去最高を記録しました。
金利の上昇は市場で資金が逼迫しているためですが、今回の金利高騰の大きな要因として、商業銀行
が販売する「理財商品」
(資産運用商品)の償還時期がこの時期に集中し、銀行がその資金の調達に追わ
れたことが挙げられます。これに中国人民銀行が資金供給に踏み切らなかったことが拍車を掛け、イン
ターバンク市場が「銭荒」(お金が荒廃する=なくなる)状態に陥りました。
中国人民銀行は金利上昇を容認することで、商業銀行に対して理財商品の整理を含む金融改革の実行
を迫ったものとみられています。中国の商業銀行は近年、資産のオフバランス化で預貸比率規制を回避
するためもあり、理財商品の販売を急拡大させてきました。その残高は、2013 年 3 月末の段階で 8.2 兆
元に達しています1。理財商品で調達した短期資金を資金プールに集め、地方政府融資プラットホーム(イ
1
6 月 28 日に上海市で開催された陸家嘴金融フォーラムにおいて、中国銀行業監督管理委員会の尚福林主席が明らかにした数字です。
- 1 -
ンフラ投資の資金調達のための受け皿会社)や不動産市場などの長期貸付・投資に回すスキームですが、
貸付・投資先の信用リスクや「期限錯配」
(期限のミスマッチ)による流動性リスクを懸念する声が上が
っていました。
そのため、中国銀行業監督管理委員会は 2013 年 3 月末の時点で『商業銀行の理財業務投資オペレー
ションの規範化に関連する問題についての通達』
(銀監発[2013]8 号)を各銀行に配布し、理財商品にお
ける「非標準化債権資産」
(貸付資産、信託貸付、委託債権、銀行引受手形、信用状、売掛債権等)の割
合を理財商品残高の 35%、もしくは前年度の銀行総資産の 4%以下に抑えるよう要求していました。
中国人民銀行は、上海インターバンク市場の短期金利が高めに推移していた 6 月 17 日、
『商業銀行の
流動性管理事項に関する書簡』を各銀行に送付し、
「わが国の銀行システムの流動性は、総体的に合理的
な水準にある」との認識を示した上で、銀行に対し流動性管理を強化するよう求めました。しかも、20
日には大方の予想に反し、20 億元の中央銀行手形を発行して市場から資金を吸収。多くの銀行が中国人
民銀行の流動性オペレーションに対する不透明さから資金放出を手控えたため、金利が急騰し、市場が
混乱しました。
これに対し、中国人民銀行は 25 日に声明を発表。「適宜、銀行システムの流動性を調節し、短期の異
常な変動を抑制し、市場の予期を安定させ、通貨市場の安定を保持する」姿勢を見せるなど軌道修正し
て、事態の沈静化を図りました。7 月 10 日現在、オーバーナイト金利が 3.2510%、7 日物が 3.5900%ま
で下がっており、市場はひとまず落ち着きを取り戻しています。
こうした状況下で公布された『指導意見』は、中長期的な金融改革を重視する国務院の方針を明確に
しています。合わせて公表された『指導意見』の「解釈」は、
「引き続き穏健な通貨政策を執行し、経済
成長が減速したからといって緩和に転換せず、目下一時的に通貨の成長が速いからといって引き締めに
転換したりしない」としており、これまでの金融政策に変更がないことを強調しています。

「既存資金の活性化」で構造転換を後押し
『指導意見』は冒頭、「金融運営は総体的に穏健であるが、資金分布が不合理である問題が依然とし
て存在」していると指摘。実体経済に十分な資金が回っていないことを示唆した上で、金融政策におけ
る 10 カ条の方針を提示しています(右
『指導意見』における金融政策の 10 方針
囲み参照)。10 カ条の第 1 条では、
「安
① 穏健的な通貨政策を継続し、通貨・貸付総量を合理的な水
準に維持する
② 重点領域・業界の構造転換・調整を推し進める
③ 金融資源を整理し、零細企業の発展を支持する
④ 「三農(農業・農民・農村)」に対する貸付を強化する
⑤ 消費者金融を発展させ、消費の高度化を図る
⑥ 企業の「走出去(海外進出)」を支持する
⑦ 資本市場の多層的な発展を図る
⑧ 保険の役割をさらに強化する
⑨ 民間資本の金融業参入を拡大する
⑩ 金融リスクを厳密に防止する
定的な成長、構造の調整、インフレの
抑制、リスクの防止」を図るため、通
貨・貸付総量を合理的な水準に保つこ
とを明記。
「既存の資金を活性化し(盘
活存量资金)、増量した資金を適切に
使用し、資金の回転速度を加速させ、
資金の使用効率を向上させる」として
います。
経済構造の転換を後押しするため、
- 2 -
先進的な製造業、戦略的新興産業2、情報技術産業、労働密集型産業、サービス業、環境保護、重要イン
フラ施設の建設、保障性住宅の建設等における資金需要を優先的に支持。生産能力の国外移転や整理、
淘汰を進める企業に相応の金融支援を行う一方で、
「生産能力が著しく過剰な業界における規定違反の建
設プロジェクトに対し、あらゆる形式の新たな与信および直接融資の提供を厳禁し、盲目的な投資によ
る生産能力過剰の深刻化を防止する」ことを強調しています(第 2 条)。
一方、『指導意見』は零細企業や「三農」(農業・農村・農民)に対する金融面での支持も明確にして
います(第 3 条、第 4 条)。零細企業や農業分野への貸付の伸び率が、貸付全体の平均の伸び率を下回ら
ないことを目標に設定。加えて、貸付債権の証券化を推し進め、
「資金を活性化して(盘活资金)零細企
業の発展および経済構造の調整を支持する」(第 3 条)方針です。
外貨管理面では、中国企業の「走出去(海外進出)」を支持するため、「人民元のクロスボーダー使用
をさらに推し進め、外貨管理の簡素化・権限委譲を推進」するほか、
「個人の国外直接投資の試行を徐々
に展開し、資本市場の対外開放をさらに推し進める」(いわゆる「QDII2」の推進)としています(第 6
条)。
『指導意見』は、民間資本による金融業への参入について、
「民間資本がリスクを自己負担する民営銀
行、金融リース会社および消費者金融会社等の金融機関を発起・設立することを試みる」と明記してい
ます(第 9 条)。「解説」では、特に村鎮銀行における民間資本の活用を強調しています。
10 カ条の第 10 条は、金融リスクの管理・コントロールについて言及しています。隠れたリスクを洗
い出し、適宜ストレステストを実施し、個別の金融リスクがシステミックリスクに発展することを防ぐ
とともに、
「総量コントロール、分類管理、差別化対応、漸進的解消の原則に基づき、地方政府融資プラ
ットホーム貸付等のリスクを防止・解消する」としています(第 10 条)。問題視されている理財商品に
ついては、
「理財と信用貸付業務を分離し、商品とプロジェクトを逐一対応させ、単独で記帳管理」する
としており、運用商品ごとに投資対象(ポートフォリオ)をひも付きで管理することで資金運用の透明
性を高め、さらに商品の登記を義務付けてリスクのコントロールを図る方針です3。
*
『指導意見』の詳細については、4 ページからの日本語仮訳および 9 ページからの中国語原文をご参
照ください。
【みずほコーポレート銀行(中国)有限公司
2
中国アドバイザリー部
月岡直樹】
「戦略的新興産業」とは、省エネルギー・環境保護、次世代情報技術、バイオ、ハイエンド装備製造、新エネルギー、新素材、新エネ
ルギー自動車の 7 産業を指します。その詳細については、
『みずほ中国 ビジネス・エクスプレス』第 254 号をご参照ください。
⇒ http://www.mizuhobank.com/china/jp/fin_info/pdf/BusinessExpressNo.254.pdf
3
中国銀行業監督管理委員会はこのほど、「全国銀行業理財情報登記システム」を稼動させており、システム未登記の理財商品を販売し
てはならないと規定しています。
- 3 -
(日本語仮訳)
国務院弁公庁
国弁発[2013]67 号
金融による経済構造の調整および転換・高度化への支持に関する指導意見
各省・自治区・直轄市人民政府、国務院各部・委員会・直属機構:
目下、わが国の経済運営は総体的に平穏であるが、構造的な矛盾が依然として目立っている。金融運
営は総体的に穏健であるが、資金分布が不合理である問題が依然として存在し、経済構造の調整および
転換・高度化の要求と適応していない。党の第 18 回共産党大会、中央経済工作会議および国務院常務会
議の主旨を深く掘り下げて貫徹し、金融による経済構造の調整および転換・高度化に対する支持的役割
をさらに良く発揮させ、市場における資源配置のインフラ的役割をさらに良く発揮させ、金融政策、財
政政策および産業政策の協同的役割をさらに良く発揮させ、社会融資構造を最適化し、重点領域および
脆弱な部分に対する金融的な支持を持続的に強化し、金融リスクの着実に防止・解消するため、国務院
の同意を経て、ここに以下の指導意見を提出する。
1、 引き続き穏健的な通貨政策を執行し、通貨・信用貸付総量を合理的に保持する
安定的な成長、構造の調整、インフレの抑制、リスクの防止を統一的に計画して同時に考慮し、通
貨総量を合理的に保持する。数量、価格等の複数の通貨政策ツールの組み合わせを総合的に運用し、
リファイナンス、再割引および預金準備金の差別化による動態的な調整メカニズムの誘導的役割を
十分に発揮させ、既存の資金を活性化し、増量した資金を適切に使用し、資金の回転速度を加速さ
せ、資金の使用効率を向上させる。中小金融機関が引き続き実施する比較的低い預金準備金率につ
いて、
「三農」、零細企業等の脆弱な部分の信用貸付の資金源を増加させる。利率の市場化改革を穏
当に推進し、市場の資金配置におけるインフラ的役割をさらに大きな程度で発揮させ、企業が自身
の条件に基づいて融資チャネルを選択し、融資構造を最適化することを促進し、実体経済、特に零
細企業の信用貸付の獲得可能性を向上させ、金融の実体経済に対する支持力をさらに強化する。
(人
民銀行が先頭に立ち、発展改革委員会、工業情報化部、財政部、銀行業監督管理委員会、証券監督
管理委員会、保険監督管理委員会、外貨管理局等が参加する)
2、 重点領域と業界の転換および調整を誘導し、推し進める
扶助しつつ抑制し、保護しつつ圧力を加える原則を堅持し、資金支持の適切性および有効性を増強
する。革新・駆動発展戦略の実施を大々的に支持する。市場発展の展望がある先進製造業、戦略的
新興産業、現代情報技術産業および情報消費、労働密集型産業、サービス業、伝統的産業の改造・
高度化およびグリーン・環境保護等の領域の資金支持力を強化する。建設中・建設継続の重点工事
およびプロジェクトの合理的な資金需要を保証し、鉄道等の重要なインフラ施設、都市インフラ施
- 4 -
設、保障性住宅工事等の民生工事建設を積極的に支持し、新たな産業の成長点を育成する。
「一部
を消化し、一部を移転し、一部を整理し、一部を淘汰する」の要求に基づき、生産能力が過剰な業
界に対し異なる状況に区分して差別化政策を実施する。製品に競争力があり、市場があり、収益が
ある企業に対し、引き続き資金支持を与える必要がある。合理的に国外へ生産能力を移転する企業
に対し、国内保証・国外貸付、外貨および人民元貸付、債権融資、持分融資等の方式を通じて、ク
ロスボーダー投資経営能力の増強を積極的に支持する必要がある。生産能力の整理を実施する企業
に対し、優先株の発行、特定の合併・買収貸付の展開、貸付期限の適切な延長等の方式の模索を通
じ、企業の合併・再編を支持する必要がある。立ち遅れた生産能力の淘汰に属する企業に対し、資
産保全および不良債権の譲渡、貸付損失の消込等の方式を通じて生産の圧縮、市場からの退場を支
持する必要がある。生産能力が著しく過剰な業界における規定違反の建設プロジェクトに対し、あ
らゆる形式の新たな与信および直接融資の提供を厳禁し、盲目的な投資による生産能力過剰の深刻
化を防止する。(発展改革委員会、工業情報化部、財政部、商務部、人民銀行、国有資産監督管理
委員会、銀行業監督管理委員会、証券監督管理委員会、保険監督管理委員会、外貨管理局等が職責
に基づき分担して責任を負う)
3、 金融資源を整理して零細企業の発展を支持する
零細企業の金融サービスを最適化する。金融機関が零細企業の集中する区域にサービスネットワー
クを延伸することを支持する。零細企業の異なる発展段階における金融需要の特性に基づき、金融
機関が零細企業に融資、決済、理財、コンサルティング等の総合的な金融サービスを提供すること
を支持する。条件に合致する銀行が零細企業向け特別金融債を発行することを引き続き支持し、募
集した資金の零細企業向け貸付は預貸比率の査定に組み込まない。信用貸付の資産証券化の通常業
務への発展を徐々に推進し、資金を活性化して零細企業の発展および経済構造の調整を支持する。
小額の国外担保・国内貸付業務を適度に開放し、零細企業の国内融資源を拡大する。零細企業貸付
に対する不良債権の容認度を適切に向上させる。科学技術型、革新型、ベンチャー型の零細企業に
対する金融支持力を強化する。年間の零細企業貸付の成長が当年の各種貸付の平均成長を下回らず、
貸付の成長が前年度の同期水準を下回らないように全力で努力する。地方人民政府が零細企業の信
用貸付リスク補償基金を設立することを奨励し、零細企業の情報整理を支持し、中小企業信用体系
の建設推進を加速する。地方人民政府の小額貸付会社、融資性担保会社に対する監督管理の強化を
支持し、非融資性担保会社に対し整理・規範化を行う。地方人民政府が融資性担保会社への出資設
立もしくは資本参加を奨励し、ならびに奨励、リスク補償等の複数の方式を通じて融資性担保会社
の健全な発展を誘導し、零細企業の与信増加・融資を助け、零細企業の融資コストを低下させ、零
細企業の貸付カバー面を向上させる。金融機関によるサービス定価管理メカニズムの完善化を推し
進め、費用徴収行為を厳格に規範化し、「貸付を預金に転換してはならず、預金と貸付を連結させ
てはならず、貸付で費用徴収してはならず、利息を費用として徴収してはならず、貸借を抱き合わ
せ販売してはならず、一概に利息を最高限度にしてはならず、コストを顧客に転嫁してはならない」
- 5 -
を厳格に執行し、費用徴収項目、サービスの質・価格、効果・機能、優遇政策等の規定を開示し、
企業の融資コストを着実に低下させる。(発展改革委員会、科学技術部、工業情報化部、財政部、
人民銀行、工商行政管理総局、銀行業監督管理委員会、証券監督管理委員会、保険監督管理委員会、
外貨管理局等が職責に基づき分担して責任を負う)
4、 「三農」領域に対する信用貸付への支持力を強化する
「三農」の金融サービスを最適化し、政策性金融、商業性金融および合作性金融の協同的役割を統
一的に計画して発揮させ、直接融資の優位を発揮させ、農業現代化の歩みの加速を推し進める。農
業に関係する金融機関が、金融サービスの空白な郷鎮にサービスネットワークを設立し、サービス
方式を革新することを奨励し、農村基礎金融サービスの全カバーの実現に努力する。金融機関が農
業・農村新型経営主体および農産品卸売商の特性に合致する金融商品およびサービスを開発し、信
用貸付の支持力を強化することを支持し、年間で「三農」貸付の成長が当年の各種貸付の平均成長
を下回らず、貸付の成長が前年度の同期水準を下回らないよう全力で努力する。条件に合致する銀
行が「三農」特別金融債を発行することを支持する。銀行業金融機関が森林権抵当貸付を拡大し、
大中型の農機具、農村土地請負経営権および住宅基地使用権の抵当貸付の試行展開を模索すること
を支持する。農業銀行が試行経験の総括の基礎の上に、県域の「三農金融事業部」試行の省級範囲
へ徐々に拡大することを支持する。中央の批准を経た農村金融改革試行地区が農村金融商品および
サービスを革新することを支持する。
(財政部、国土資源部、農業部、商務部、人民銀行、林業局、
法制弁公室、銀行業監督管理委員会等が職責に基づき分担して責任を負う)
5、 さらに消費者金融を発展させ消費の高度化を促進する
銀行カードの消費サービス機能の完善化を加速し、カード消費環境を最適化し、都市・農村住民の
カード使用範囲を拡大する。住民家庭による 1 件目の居住用不動産の購入、大口耐久消費品、新型
消費品および教育、旅行等のサービス消費領域における合理的な信用貸付需要を積極的に満足させ
る。消費者金融会社の試行都市範囲を徐々に拡大し、新たな消費の成長点を育成および強大化する。
個人信用管理を強化する。都市化の過程において都市に入ったワーカー人員等の集団の消費特性に
基づき、金融サービスの整合度および適応性を高め、消費の高度化を促進する。
(人民銀行が先頭
に立ち、発展改革委員会、工業情報化部、商務部、銀行業監督管理委員会等が参加する)
6、 企業の「海外進出」を支持する
政策性銀行、商業銀行等の金融機関が企業の「海外進出」を大々的に支持することを奨励する。貿
易投資の利便化促進を重点とし、人民元のクロスボーダー使用をさらに推し進め、外貨管理の簡素
化・権限委譲を推進し、貨物貿易およびサービス貿易外貨管理制度を完善化する。個人の国外直接
- 6 -
投資の試行を徐々に展開し、資本市場の対外開放をさらに推し進める。外債管理方式を改善し、全
口径の外債管理制度を完善化する。銀行間外貨市場のネット決済等のインフラ施設の建設を強化す
る。外貨準備の運用を革新し、外貨準備委託貸付プラットホームおよび商業銀行の転貸付チャネル
を拡張し、複数の方式を総合的に運用して外貨使用主体のために融資の支持を提供する。(人民銀
行が先頭に立ち、外交部、発展改革委員会、財政部、商務部、税関総署、銀行業監督管理委員会、
証券監督管理委員会、保険監督管理委員会、外貨管理局等が参加する)
7、 多層的な資本市場の発展を加速させる
メインボード、中小企業ボード、創業ボード市場の制度手配をさらに最適化し、発行、値付け、合
併・買収・再編等の方面の各種制度を完善化する。創業ボードにおける革新型、成長型起業に対す
る財務参入基準を適切に緩和する。中小企業株式譲渡システムの試行を全国に拡大する。非上場公
共会社の管理を規範化する。会社(企業)債、中期債券、および中小企業の私募債券発行を穏当に
拡大する。債券市場の相互連絡・相互流通を促進させる。各種機関投資家の発展を規範化し、合併・
買収投資ファンドの発展を模索し、プライベートエクイティ投資ファンド、リスク投資ファンドの
商品革新を奨励し、革新型、創業型中小企業融資の発展を促進する。先物市場建設の完善化を加速
し、先物市場の品種革新を穏当に推進し、先物市場の値付け、リスク分散、裁定取引・リスクヘッ
ジおよび経済の転換・高度化促進の役割をさらに発揮させる。
(証券監督管理委員会が先頭に立ち、
発展改革委員会、科学技術部、工業情報化部、財政部、人民銀行、工商行政管理総局、法制弁公室
等が参加する)
8、 保険の保障的役割をさらに発揮させる
農業保険のカバー範囲を拡大し、
「野菜カゴプロジェクト」保険、漁業保険、農産品品質保証保険、
農業不動産保険等の新型保険商品を普及させる。財政支持による農業保険大災害リスク分散メカニ
ズムを構築・完善化する。輸出信用保険を大々的に発展させ、企業の対外貿易および「海外進出」
の展開のために投資、運営、労働雇用等の方面における一括保険サービスを提供することを奨励す
る。科学技術保険業務を深く掘り下げて推進する。小額信用貸付保障保険を試行的に普及させ、国
内貿易信用保険の発展を推し進める。保険のカバー面および保険資金の運用範囲を開拓し、保険に
よる経済構造の調整および転換・高度化に対する積極的な役割をさらに発揮させる。(保険監督管
理委員会が先頭に立ち、発展改革委員会、科学技術部、工業情報化部、財政部、農業部、商務部、
人民銀行、林業局、銀行業監督管理委員会、外貨管理局等が参加する)
9、 民間資本の金融業参入を拡大する
民間資本による金融機関への投資・株式参加ならびに金融機関の再編・改造への参画を奨励する。
- 7 -
発展が成熟し、経営が穏健な村鎮銀行が最低持株比率の要求内で、主要発起銀行とその他の株主と
の持株比率を調整することを許可する。民間資本がリスクを自己負担する民営銀行、金融リース会
社および消費者金融会社等の金融機関を発起・設立することを試みる。銀行業分類監督管理メカニ
ズムを最適化し、異なる種類の銀行業金融機関に対し経営地域および業務範囲において差別化した
参入管理を実行し、相応の査定および評価体系を構築することを模索し、実体経済の発展のために
カバーが広い、差別化された、高効率の金融サービスを提供する。(銀行業監督管理委員会が先頭
に立ち、人民銀行、工商行政管理総局、法制弁公室等が参加する)
10、 金融リスクを厳密に防止する
各種の隠れた金融リスクを深く掘り下げて選り分け、ストレステストを適宜展開し、存在する可能
性があるリスク接触点を動態的に分析し、速やかにリスクを特定、抑制、解消し、システミックな、
地域的な金融リスクを発生させないボトムラインを厳守する。引き続き総量コントロール、分類管
理、差別化対応、漸進的解消の原則に基づき、地方政府融資プラットホーム貸付等のリスクを防止・
解消する。不動産マクロ抑制政策を真剣に執行し、差別化された住宅信用貸付政策を具体化し、リ
スト管理を強化し、不動産融資リスクを厳格に防止する。理財と信用貸付業務を分離し、商品とプ
ロジェクトを逐一対応させ、単独で記帳管理し、情報開示を透明にする原則に基づき、商業銀行の
理財商品を規範化し、行為の監督管理を強化し、リスク管理コントロールを厳格化する。「二高一
剰」(高エネルギー消費、高い環境汚染度、生産能力過剰)の業界の構造調整時に表面化する金融
リスクに細心の注意を払い、合わせて積極的に解消する。市場を跨ぐ、業界を跨ぐ経営がもたらす
交差した金融リスクを防止し、民間融資、違法な資金収集、国際的な資本流動等のリスクが金融シ
ステムに伝染・浸透することを防止する。銀行が不良債権の譲渡を展開し、銀行の不良債権の自主
照合権を拡大し、遅滞なく主体的にリスクを消化・吸収する。リスクを穏当に秩序立てて処理し、
整理・誘導を強化し、処理の不適切等により引き起こされる新たなリスクを防止する。信用立法お
よび社会信用体系の建設を加速し、社会の信用文化を育成し、金融による経済構造の調整および転
換・高度化を支持するために良好な環境を創造する。(人民銀行が先頭に立ち、発展改革委員会、
工業情報化部、財政部、住宅都市農村建設部、法制弁公室、銀行業監督管理委員会、証券監督管理
委員会、保険監督管理委員会、外貨管理局等が参加する)
国務院弁公庁
2013 年 7 月 1 日
- 8 -
(中国語原文)
国务院办公厅
国办发〔2013〕67 号
关于金融支持经济结构调整和转型升级的指导意见
各省、自治区、直辖市人民政府,国务院各部委、各直属机构:
当前,我国经济运行总体平稳,但结构性矛盾依然突出。金融运行总体是稳健的,但资金分布不合理
问题仍然存在,与经济结构调整和转型升级的要求不相适应。为深入贯彻党的十八大、中央经济工作会议
和国务院常务会议精神,更好地发挥金融对经济结构调整和转型升级的支持作用,更好地发挥市场配置资
源的基础性作用,更好地发挥金融政策、财政政策和产业政策的协同作用,优化社会融资结构,持续加强
对重点领域和薄弱环节的金融支持,切实防范化解金融风险,经国务院同意,现提出以下指导意见。
一、 继续执行稳健的货币政策,合理保持货币信贷总量
统筹兼顾稳增长、调结构、控通胀、防风险,合理保持货币总量。综合运用数量、价格等多种货币政
策工具组合,充分发挥再贷款、再贴现和差别存款准备金动态调整机制的引导作用,盘活存量资金,
用好增量资金,加快资金周转速度,提高资金使用效率。对中小金融机构继续实施较低的存款准备金
率,增加“三农”、小微企业等薄弱环节的信贷资金来源。稳步推进利率市场化改革,更大程度发挥
市场在资金配置中的基础性作用,促进企业根据自身条件选择融资渠道、优化融资结构,提高实体经
济特别是小微企业的信贷可获得性,进一步加大金融对实体经济的支持力度。(人民银行牵头,发展
改革委、工业和信息化部、财政部、银监会、证监会、保监会、外汇局等参加)
二、 引导、推动重点领域与行业转型和调整
坚持有扶有控、有保有压原则,增强资金支持的针对性和有效性。大力支持实施创新驱动发展战略。
加大对有市场发展前景的先进制造业、战略性新兴产业、现代信息技术产业和信息消费、劳动密集型
产业、服务业、传统产业改造升级以及绿色环保等领域的资金支持力度。保证重点在建续建工程和项
目的合理资金需求,积极支持铁路等重大基础设施、城市基础设施、保障性安居工程等民生工程建设,
培育新的产业增长点。按照“消化一批、转移一批、整合一批、淘汰一批”的要求,对产能过剩行业
区分不同情况实施差别化政策。对产品有竞争力、有市场、有效益的企业,要继续给予资金支持;对
合理向境外转移产能的企业,要通过内保外贷、外汇及人民币贷款、债权融资、股权融资等方式,积
极支持增强跨境投资经营能力;对实施产能整合的企业,要通过探索发行优先股、定向开展并购贷款、
适当延长贷款期限等方式,支持企业兼并重组;对属于淘汰落后产能的企业,要通过保全资产和不良
贷款转让、贷款损失核销等方式支持压产退市。严禁对产能严重过剩行业违规建设项目提供任何形式
的新增授信和直接融资,防止盲目投资加剧产能过剩。(发展改革委、工业和信息化部、财政部、商
务部、人民银行、国资委、银监会、证监会、保监会、外汇局等按职责分工负责)
- 9 -
三、 整合金融资源支持小微企业发展
优化小微企业金融服务。支持金融机构向小微企业集中的区域延伸服务网点。根据小微企业不同发展
阶段的金融需求特点,支持金融机构向小微企业提供融资、结算、理财、咨询等综合性金融服务。继
续支持符合条件的银行发行小微企业专项金融债,所募集资金发放的小微企业贷款不纳入存贷比考
核。逐步推进信贷资产证券化常规化发展,盘活资金支持小微企业发展和经济结构调整。适度放开小
额外保内贷业务,扩大小微企业境内融资来源。适当提高对小微企业贷款的不良贷款容忍度。加强对
科技型、创新型、创业型小微企业的金融支持力度。力争全年小微企业贷款增速不低于当年各项贷款
平均增速,贷款增量不低于上年同期水平。鼓励地方人民政府建立小微企业信贷风险补偿基金,支持
小微企业信息整合,加快推进中小企业信用体系建设。支持地方人民政府加强对小额贷款公司、融资
性担保公司的监管,对非融资性担保公司进行清理规范。鼓励地方人民政府出资设立或参股融资性担
保公司,以及通过奖励、风险补偿等多种方式引导融资性担保公司健康发展,帮助小微企业增信融资,
降低小微企业融资成本,提高小微企业贷款覆盖面。推动金融机构完善服务定价管理机制,严格规范
收费行为,严格执行不得以贷转存、不得存贷挂钩、不得以贷收费、不得浮利分费、不得借贷搭售、
不得一浮到顶、不得转嫁成本,公开收费项目、服务质价、效用功能、优惠政策等规定,切实降低企
业融资成本。(发展改革委、科技部、工业和信息化部、财政部、人民银行、工商总局、银监会、证
监会、保监会、外汇局等按职责分工负责)
四、 加大对“三农”领域的信贷支持力度
优化“三农”金融服务,统筹发挥政策性金融、商业性金融和合作性金融的协同作用,发挥直接融资
优势,推动加快农业现代化步伐。鼓励涉农金融机构在金融服务空白乡镇设立服务网点,创新服务方
式,努力实现农村基础金融服务全覆盖。支持金融机构开发符合农业农村新型经营主体和农产品批发
商特点的金融产品和服务,加大信贷支持力度,力争全年“三农”贷款增速不低于当年各项贷款平均
增速,贷款增量不低于上年同期水平。支持符合条件的银行发行“三农”专项金融债。鼓励银行业金
融机构扩大林权抵押贷款,探索开展大中型农机具、农村土地承包经营权和宅基地使用权抵押贷款试
点。支持农业银行在总结试点经验的基础上,逐步扩大县域“三农金融事业部”试点省份范围。支持
经中央批准的农村金融改革试点地区创新农村金融产品和服务。(财政部、国土资源部、农业部、商
务部、人民银行、林业局、法制办、银监会等按职责分工负责)
五、 进一步发展消费金融促进消费升级
加快完善银行卡消费服务功能,优化刷卡消费环境,扩大城乡居民用卡范围。积极满足居民家庭首套
自住购房、大宗耐用消费品、新型消费品以及教育、旅游等服务消费领域的合理信贷需求。逐步扩大
消费金融公司的试点城市范围,培育和壮大新的消费增长点。加强个人信用管理。根据城镇化过程中
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进城务工人员等群体的消费特点,提高金融服务的匹配度和适应性,促进消费升级。(人民银行牵头,
发展改革委、工业和信息化部、商务部、银监会等参加)
六、 支持企业“走出去”
鼓励政策性银行、商业银行等金融机构大力支持企业“走出去”。以推进贸易投资便利化为重点,进
一步推动人民币跨境使用,推进外汇管理简政放权,完善货物贸易和服务贸易外汇管理制度。逐步开
展个人境外直接投资试点,进一步推动资本市场对外开放。改进外债管理方式,完善全口径外债管理
制度。加强银行间外汇市场净额清算等基础设施建设。创新外汇储备运用,拓展外汇储备委托贷款平
台和商业银行转贷款渠道,综合运用多种方式为用汇主体提供融资支持。(人民银行牵头,外交部、
发展改革委、财政部、商务部、海关总署、银监会、证监会、保监会、外汇局等参加)
七、 加快发展多层次资本市场
进一步优化主板、中小企业板、创业板市场的制度安排,完善发行、定价、并购重组等方面的各项制
度。适当放宽创业板对创新型、成长型企业的财务准入标准。将中小企业股份转让系统试点扩大至全
国。规范非上市公众公司管理。稳步扩大公司(企业)债、中期票据和中小企业私募债券发行,促进
债券市场互联互通。规范发展各类机构投资者,探索发展并购投资基金,鼓励私募股权投资基金、风
险投资基金产品创新,促进创新型、创业型中小企业融资发展。加快完善期货市场建设,稳步推进期
货市场品种创新,进一步发挥期货市场的定价、分散风险、套期保值和推进经济转型升级的作用。
(证
监会牵头,发展改革委、科技部、工业和信息化部、财政部、人民银行、工商总局、法制办等参加)
八、 进一步发挥保险的保障作用
扩大农业保险覆盖范围,推广菜篮子工程保险、渔业保险、农产品质量保证保险、农房保险等新型险
种。建立完善财政支持的农业保险大灾风险分散机制。大力发展出口信用保险,鼓励为企业开展对外
贸易和“走出去”提供投资、运营、劳动用工等方面的一揽子保险服务。深入推进科技保险工作。试
点推广小额信贷保证保险,推动发展国内贸易信用保险。拓宽保险覆盖面和保险资金运用范围,进一
步发挥保险对经济结构调整和转型升级的积极作用。(保监会牵头,发展改革委、科技部、工业和信
息化部、财政部、农业部、商务部、人民银行、林业局、银监会、外汇局等参加)
九、 扩大民间资本进入金融业
鼓励民间资本投资入股金融机构和参与金融机构重组改造。允许发展成熟、经营稳健的村镇银行在最
低股比要求内,调整主发起行与其他股东持股比例。尝试由民间资本发起设立自担风险的民营银行、
金融租赁公司和消费金融公司等金融机构。探索优化银行业分类监管机制,对不同类型银行业金融机
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构在经营地域和业务范围上实行差异化准入管理,建立相应的考核和评估体系,为实体经济发展提供
广覆盖、差异化、高效率的金融服务。(银监会牵头,人民银行、工商总局、法制办等参加)
十、 严密防范金融风险
深入排查各类金融风险隐患,适时开展压力测试,动态分析可能存在的风险触点,及时锁定、防控和
化解风险,严守不发生系统性区域性金融风险的底线。继续按照总量控制、分类管理、区别对待、逐
步化解的原则,防范化解地方政府融资平台贷款等风险。认真执行房地产调控政策,落实差别化住房
信贷政策,加强名单制管理,严格防控房地产融资风险。按照理财与信贷业务分离、产品与项目逐一
对应、单独建账管理、信息公开透明的原则,规范商业银行理财产品,加强行为监管,严格风险管控。
密切关注并积极化解“两高一剩”(高耗能、高污染、产能过剩)行业结构调整时暴露的金融风险。
防范跨市场、跨行业经营带来的交叉金融风险,防止民间融资、非法集资、国际资本流动等风险向金
融系统传染渗透。支持银行开展不良贷款转让,扩大银行不良贷款自主核销权,及时主动消化吸收风
险。稳妥有序处置风险,加强疏导,防止因处置不当等引发新的风险。加快信用立法和社会信用体系
建设,培育社会诚信文化,为金融支持经济结构调整和转型升级营造良好环境。(人民银行牵头,发
展改革委、工业和信息化部、财政部、住房城乡建设部、法制办、银监会、证监会、保监会、外汇局
等参加)
国务院办公厅
2013 年 7 月 1 日
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