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コミュニティケア型仮設住宅 - IOG 東京大学高齢社会総合研究機構
コミュニティケア型仮設住宅 東京大学 高齢社会総合研究機構 / 工学系研究科 建築学専攻 建築計画研究室 近年の災害対応応急仮設住宅の経験 • 阪神大震災(1995年) – 孤独死の多発(260件以上)への反省 • 仮設グループハウス • 2階建て仮設住宅 • 中越地震(2004年) – 阪神大震災の教訓が生かされた • 集落単位での仮設への移転 • 向かい合わせの住棟配置 最初に竣工した陸前高田市立 第一中学校仮設住宅 4月5日に抽選、36戸に対し1,160世帯が希望。 しかし、過去の経験を活かす暇はなかった 今回の震災において、多く供給された仮設住宅 【特徴】 •北入り南面平行配置 •基本的に9坪のみ •集会所(50戸以上) 【課題】 (1)コミュニティ形成 – 他者と出会う確率少ない (2)バリアフリー欠如 – 住戸内外の段差 – 砂利敷きの住戸前通路 (3)住宅のみ 一般的な南面平行配置形式(概念図) – 医・職/食・住の要素 コミュニティケア型仮設住宅の提案 4月いっぱいで、提案完成 (1)コミュニティ形成(自然な見守り) ➡向かい合わせの住棟配置 (2)バリアフリー(特に高齢者・障害者)の実現 ➡路地デッキによる安心バリアフリー空間 (3)医・職/食・住がサポートされた住環境 ➡サポートセンター、仮設店舗・事業所の導入 (1)コミュニティ形成 南北軸コモンアクセス • 住戸を向かい合わせに(コ モンアクセス) – 自然なコミュニティ形成 – 自然な見守り – 孤独死防止 • 南北軸に – 環境の平等性 – 裏面間隔を縮小(高密) – 配管統合(ローコスト) (2)バリアフリー 路地デッキ+コモンルーフ • 路地デッキによるバリアフリー – 住戸内外の段差の解消 – 住戸前面通路のバリアフリー – 向こう三軒両隣による見守り 夏のイメージ • コモンルーフによる温熱環境改善 – 夏場は、日よけに – 冬場は、両サイドを閉じて温室的空間に – 家の前に、みんながくつろげる空間を 冬のイメージ イメージ模型 (2)バリアフリー ケアゾーンの設定 • サポートセンターとコモンアクセス住棟 をバリアフリーでつなぐ – 屋根のない施設の実現 • ケアゾーンと一般ゾーンの設定 – コミュニティケア>プライバシー の人のためには、ケアゾーンを – コミュニティケア<プライバシー の人のためには、一般ゾーンを – ケアゾーンと一般ゾーンでの近居・隣居 (被災地に多い、大家族への対応) (3)医・職/食・住がサポートされた住環境 • 物を買う場 – 仮設店舗・仮設スーパーの誘致 • 働く場(職) – 仮設の事業所の設置 仮設店舗でにぎわうイメージ • 福祉の場(医) – サポートセンターの福祉拠点化 • デイケアセンター • 訪問介護事業所 • 診療所、託児所等の機能併設 • 外部の医(福祉)・食/職につな ぐための交通サポート 仮設住宅を市街地と結ぶバス停留所イメージ – 循環バスの導入 – 停留所のコミュニティスペース化 提案実現のための活動 【5月1日】 ・陸前高田市 ・岩手県立大 狩野教授と協議 【5月2日】 ・釜石市 ★釜石市長、コミュニティケア型仮設住宅建設決意 ・岩手県沿岸広域振興局 ・大槌町 ・岩手県庁 保健福祉部 【5月3日】 ・遠野市 【5月15日】 ・遠野市 ★遠野市長、コミュニティケア型仮設住宅建設決意 釜石市 平田総合公園 仮設住宅の提案 釜石市中心部 平田市街地 平田公園 青丹市街地 • • • • 仮設店舗・スーパーの誘致 サポートセンター内に診療所を設置 各部分を路地デッキでつなぐ 極力整地しない ケアゾーン 子育てゾーン 一般ゾーン 計(戸) 6坪 15 47 62 9坪 30 10 76 116 12坪 15 47 62 計(戸) 60 10 170 240 サポートセンター ジャパン・ケア・サービス による24時間見守り体制 と 仮設店舗 地元で被災した21店舗・事業所 仮設スーパー 地元で被災したスーパー バス待合所 市内との循環バス と デッキ空間と広場 各種イベントの開催 サポートセンター (診療所内包) 一般ゾーン (向かい合わせで設計) ケアゾーン 子育てゾーン 遠野市 穀町仮設住宅の提案 (希望の郷「絆」) バイ JR遠野駅 大槌町 遠野市 市庁舎 デパート 希望の郷 釜石市 大船渡市 陸前高田市 •後方支援型 – 600人を超える避難者 – 往復切符 •市街地型の仮設住宅 – 利便性(医・職/食)の確保 – 隣接コミュニティからの支援 •地場産材の利用 – 既存大型集成材工場 – 地元建設会社の採用。雇用 •本設移転計画 – 7.5坪(25㎡)で、サービス付 き高齢者住宅への転用 ケアゾーン 子育てゾーン 一般ゾーン 計(戸) 7.5坪 5 4 2 11 9坪 4 4 15 23 12坪 2 4 6 計(戸) 9 10 21 40 隣地穀町公園から遠景 ケアゾーン 子育てゾーン 今後の課題 • コミュニティの運営方法 – 釜石・平田 • 釜石市、東大、ジャパンケアサービス、地元NPOで居住者 を応援 – 遠野・穀町 • 遠野市、東大、地元自治会、NGO協議会で居住者を応援 • 南面平行配置の他の仮設住宅の環境改善 – 大槌町における町全体の支援 – 他市町村、他県における仮設環境改善 • 後付けのサポートセンター • 公共空間のバージョンアップ(東屋、ベンチ、花壇、菜園)