...

太陽エネルギーの あふれる可能性

by user

on
Category: Documents
5

views

Report

Comments

Transcript

太陽エネルギーの あふれる可能性
21
カナダ
太陽エネルギーの
あふれる可能性
2,220
125
35
35
23
ドイツ
スペイン
イタリア
オランダ
スイス
22
21
15
21
フランス
ルクセンブルク
オーストリア
そのほかの欧州7カ国
565
米国
地球に降り注ぐ太陽エネルギーは、世界の全電力
需要の 6000 倍。現在の技術でも、全需要の数十倍
なら得ることが可能と言われている。ただし太陽光
105
中国
10
メキシコ
ドイツ
発電や太陽熱発電の設備にかかるコストは、化石燃
料を使い続ける場合に比べてはるかに高い。右の図
にあるように、ドイツをはじめとする太陽エネルギー
大国は必ずしも陽光に恵まれているわけではない。
それだけ投資や支援に力を入れているということだ。
とはいえ、太陽エネルギー発 電のコストは着 実に
下がっていて、亜熱帯に位置する国々にとっては有
利な傾向にある。晴天の日が多く、初期投資を早く
回収できるからだ。太陽エネルギー発電の適地はま
だまだ残っている。
4
セネガル
曇りの多い天候
だが、投資や支
援策を続け、太
陽エネルギー発
電の世界的リー
ダーとなった。
19
インド
発電では立ち遅れてい
るが、太陽熱温水器に
巨額投資している。
地球の表面に降り注ぐ
太陽の放射エネルギー
1983∼2005 年の平均値
6 キロワット時
( 1日、1 平方メートル
あたりのエネルギー)
31
オーストラリア
3
2
再生可能エネルギーの
潜在的な発電量
2006 年の
975,010 TWh(テラワット時)
19,015 TWh(テラワット時)
275,556 TWh
太陽熱
105,278 TWh
風力(陸地)
91,398 TWh
波力・潮力
13,889 TWh
水力
12,500 TWh
地熱
6,111 TWh
風力(海上)
* 専門家の意見を得て、
2006 年の日本の太陽
電池パネルの設置容量
を
(約 1700メガワット)
基に推定した。
中国
4
470,278 TWh
太陽光
1,300*
日本
カンボジア、台湾、
フィリピン
合計 4
2
エリトリア
太陽エネルギーによる
発電量
2006 年のデータ
(ギガワット時)
韓国
31
532
南アフリカ
世界の発電量
非再生可能エネルギー
81.51%
水力
16.41%
そのほかの
再生可能エネルギー
1.37%
風力
0.68%
太陽エネルギー
0.02%
再生可能エネルギーの
潜在力ランキング
再生可能エネルギーで潜在的
に発電できる量を、円の面積
で示した
(左)
。太陽エネルギー
発電の潜在力は、他の再生可
能 エネルギーをはるかに上 回
日本の太陽エネルギーは今
日本では、広大な設置場所が必要な太陽
せるための施策を数々打ちだしている。1月に
熱発電は普及しなかったが、太陽光発電で
補助金制度を復活させたところ、一般家庭で
は世界を牽引してきた。2008 年末の太陽電池
のパネル設置量は急増している。7月には、家
発電量に占める比率は 0.02 %
パネルの総設置容量は約 2 ギガワット、年間
庭などで発電した余剰電力を、現在の 2 倍の
(左上)。発電にかかるコストが
の発電量は推定 1500ギガワット時に達する。
価格( 1キロワット時あたり48 円程度)で買い
ただし、2005 年以降は、勢いが衰えていた
取ることを電力会社に義務づける「エネルギ
のも事実。12 年間続いたパネル設置時の補
ー供給構造高度化法」が可決された。さらに、
助金制度の打ちきりが大きく影響した。電力
2012 年をめどに全国の小中学校 1 万 2000 校
る。だが現時点では、世界の
比較的安い水力や風力の発電
よりずっと少ないのが実情だ。
注:1 テラワット時=1000 ギガワット時
= 10 億キロワット時。
1 キロワット時は、100 ワットの電球を
10 時間点灯できる電力量。
SEAN McNAUGHTON, NG STAFF
GRAPHIC BY 5W INFOGRAPHICS
SOURCES: NASA(世界地図); WORLD
C
ENERGY STATISTICS AND BALANCES ○
OECD/ IEA, 2008; ECOFYS(左のグラフ)
の買い取り制度などの優遇政策に力を入れた
にパネルを設置する計画だ。政府は、2020 年
ドイツに、設置容量世界一の座を奪われ、現
頃までに太陽電池パネルの設置容量を現状
在ではスペインにも抜かれている。
の約20 倍に増やすことを目標に掲げている。
今年に入って政府は、太陽光発電を普及さ
̶ 野口 恵、日本版編集部
太陽エネルギー発電
41
Fly UP