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平成17年3月期 決算説明会 要旨 日 本 金 銭 機 械 株 式 会 社 代表

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平成17年3月期 決算説明会 要旨 日 本 金 銭 機 械 株 式 会 社 代表
平成17年3月期 決算説明会 要旨
日 本 金 銭 機 械 株 式 会 社
代表取締役社長 上東 宏一郎
平成 17 年 6 月 2 日 東京
6 月 6 日 大阪
2005 年3月期は、当社にとって大きな節目を二つ迎えることになりました。ひとつは、昨年9月の東証・
大証一部指定、もうひとつは、今年1月の会社創立50周年であります。これらの節目につきまして、私
は、あくまで通過点の一つ一つであると認識し、将来に向けた更なる発展を目指し、今後さらなる攻めの
経営を進めてまいる所存であります。
2005 年3月期業績は、前年比、増収増益を確保し、最高益を更新いたしました。2005 年3月期の決算を
総括いたしますと、やはり「日本における新紙幣の改刷」がキーワードになりました。そのほか、大手パ
チンコホールチェーン店が、新規出店や、既存店舗の大型化への改装を積極的に行われたこと、また、市
場でのパチスロ人気が高まったことなどを背景に、当社の遊技場向機器部門の設備機器売上が大きく伸び
ました。
海外では、ロシアを中心とした東欧諸国での経済成長を背景に、娯楽産業であるカジノの拡大が続いて
いることから、欧州地区の売上は、好調さを持続いたしました。北米も、引き続き、好調さを持続してお
りましたが、後半に至って、コインレスゲーム機と呼ばれる人気のゲーム機が、市場にほぼ行き渡ったこ
ともあり、ゲーム機自体の出荷に若干の減速感が見られました。
利益面では、日本の新紙幣改刷や、遊技場向機器の売上増による増収効果のほか、海外生産の積極推進
や、金型などの海外調達によるコスト減もあり、前期比大幅な増益を確保いたしました。
さて、当社では売上高の約半分を海外に依存しているということからも、グローバルな税務対応が、重
要なファクターとなっております。当社は移転価格にかかわる税務調査を受けておりましたが、5月30
日にはその更正通知を大阪国税局より受領いたしました。当社といたしましては、海外子会社において、
適正な利潤が得られるべく一定の基準を定め、かつ、国際的な税務規範に従い、適正な申告を行っている
というスタンスに、いささかの迷いもございません。従いまして、今後の対応といたしましては、日本の
当局に対しまして、納付のあと、異議の申し立てを行い、その後、相互協議を通じて、当社の考え方をご
理解いただけるよう努めてまいります。
現在進行中の 2006 年3月期の業績予想は、売上高は、2.2%増加の388億円、営業利益は 1.8%増加
の88億円、経常利益は微減の88億円、純利益は 6.3%増加の53億円と予想しております。
グラフ(資料4ページ)は、過去から 2006 年3月期予想までの業績の推移を示したものであります。
2005 年3月期の業績には、日本円の新紙幣の改刷による需要として、売上高で40億円程度、経常利益
で、10億円程度が加わっております。グラフには、2005 年3月期の部分に、これら要因を加味しており
ますが、その結果、2005 年3月期、2006 年3月期ともに、増収増益基調であるなど、順調に業績が推移す
ることが、お分かりいただけると思います。これは、当社の事業の特徴である豊富な品揃えや、積極的な
海外進出など、数多くの市場向けに事業を展開することで、リスクの分散化に努めた結果であり、市場環
境や、経済情勢の変化などに即応できる柔軟な企業体質、バランスの取れた経営体制が功をそうしたもの
-1-
と考えております。
なお、2006 年3月期の業績予想値は、一昨年に発表いたしました中期計画の数値からは、若干後退して
いることになります。これは、国内向けや海外ゲーミング市場向けの展開は、ほぼ当初の計画通りに進ん
でおりますが、海外コマーシャル市場向けについては、一部の顧客において正式導入が決定されるものの、
新規の展開でもあることから、導入に向けた顧客側の動きが、当初の想定以上に慎重であることなどによ
るものと考えております。
続きまして、2006 年3月期あるいは中期的な業績を達成するための施策などについて、ご紹介いたしま
す。
まず、第1に、
「新規市場の拡大」であります。中期計画でも重要な柱である「コマーシャル市場」の展
開については、当初想定していたものに比べ、若干の遅れが生じておりますが、市場ではフィールドテス
トが継続して実施されていることなど、手ごたえを感じております。また、ゲーミング市場では、市場規
模の拡大にともない、競合他社の参入が相次いでおりますが、当社では、数々の新技術を採用した新開発
の紙幣識別機ユニット「UBA」で巻き返しをはかる考えです。
さらに、国内向けについては、市場環境が大きく変わりつつある今こそが、新規市場を創造するまたと
ないチャンスの時期であるととらえ、貨幣処理機器の拡販に努めてまいります。
第2に、
「新製品の開発」が挙げられます。注力すべき分野としては、今後、事業拡大が期待できるコマ
ーシャル市場向けや、国内向け製品の用途開発であります。また、コマーシャル市場への展開には、欠か
せないコインの技術など、新規技術の取り込みについても積極的に対応していく所存であり、M&Aをも
視野に入れた取り組みを行ってまいります。
第3に「拠点ネットワークの充実」であります。今後、コマーシャル市場を展開するにあたっては、メ
ンテナンスを含めた販売拠点の拡充は不可欠であります。また、ゲーミング市場の成長が著しい東欧地区
を重点に拠点の拡充をはかってまいります。さらに国内では、年内完成を目標に長浜工場内に、物流機能
を集約させ、さらなる顧客満足度の向上に努めてまいります。
第4に「生産体制の強化・充実」でありますが、これについては後ほど、ご説明いたします。
次に、当社において注目すべき新製品などをご紹介いたします。
このうち、新たな市場を拡大する製品として、注目いただきたいのが、昨年からご紹介しております自
動納金機と、紙幣還流ユニットであります。近年、日本国内では銀行の統廃合や、経営資源の選択と集中
を進める中で、銀行のサービス体系が様変わりしております。ひとつには、銀行による集配金業務の有料
化、若しくは廃止、あるいは夜間金庫の廃止と言った動きであります。これに代わるものとして、当社で
は「自動納金機」を積極展開しております。これは、小売店舗に設置して、投入したお金を自動的に集計
する金庫であります。当社では、店舗の売上高や規模、もしくは集金の頻度などに応じて、すでに3種類
のサイズ別のラインナップを完成させております。さらに、今期は4番目の機種として、売上金の収納だ
けでなく、釣銭準備金等の用途に向けた現金の払出し機能を付加したモデルをリリースいたします。この
機種は、納金、警送といった用途が主であった従来モデルから一歩進めて、現金の出納全てをコントロー
ルする会計処理機へ発展させたものであります。自動納金機の今期の売上予想は、前期の3倍以上、16
億円を見込んでおります。
もうひとつが、銀行の店舗の統廃合による店舗数の減少や、それに伴う自社の店舗内に設置するATM
機の減少であります。一部の銀行では、それに代わるサービスとして、コンビニや、スーパー、駅の構内
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などに小型のATMを設置し、引出手数料を優遇するなどして、利用客の便宜をはかっております。当社
では、この小型ATMのメインユニットである紙幣還流装置を開発、ATMメーカーに供給しております。
この形態のATMは今後も増加することが予想され、大いに期待できる市場であります。これも、国内A
TMメーカーへの納入が順調に拡大しており、今期の売上予想は、前期の3倍程度、10億円を見込んで
おります。
その他、アメリカ国内向けとして、自動販売機用の紙幣識別機ユニットについても今期5億円程度の販
売を見込んでおります。この自販機用の紙幣識別機ユニットも紙幣の還流、すなわち、受取った紙幣をそ
のまま釣銭として払い出すための機能が付加されており、付加価値の高い製品として注目を集めておりま
す。
次に当社の生産体制についてご説明いたします。当社では、引き続き製造原価の低減を目指し、海外生
産の展開を進めております。海外での生産比率は、現在40%程度でありますが、中期的には50%程度
にまで高めてまいります。
現在、海外での生産は香港の子会社を窓口に、深セン地区を中心とした中国本土にて行っておりますが、
今後、生産規模が拡大した場合には、当然ながら一国での生産ではカントリーリスクが大きくなるため、
第二の海外生産拠点の検討を行っております。すでにタイ、ベトナム、マレーシアといった候補地には担
当者を派遣し、インフラの整備状況や、外注先企業の選定などを開始しております。第2の海外生産拠点
を模索するにあたっては、独資によるもののほか、現地日系企業などとの提携や、M&Aといった方法も
検討してまいります。
一方、当社における国内の主力工場である長浜工場では、生産能力の増強に向けた工場の増築工事に着
手いたしました。長浜工場では、国内向け製品や、高い生産技術を要する製品を主に生産しており、海外
生産との差別化をはかっております。今回の増築により、これらの製品の生産能力を拡大するとともに、
あわせて、分散化している物流倉庫を長浜工場内に集約させることで、国内における生産物流体制の効率
化をはかってまいります。すでに、本年4月に建設工事に着手しており、本年11月の完成を目指してお
ります。総投資額は約8億円であり、これにより長浜工場の生産能力は、売上高換算で 100 億円と、現行
の約2倍に増強されることになり、今後の中期計画の達成のためには必要不可欠な投資であります。なお、
今回の工場増築は、国内における生産・物流の再構築を目指すものでありますが、同時に、海外生産にお
けるカントリーリスクが現実のものとなった際のバッファー的な役割も重要なポイントであると考えてお
ります。
なお、当社の 2005 年3月期の設備投資は、生産用金型等4億 72 百万円、国内の拠点拡充 41 百万円、そ
の他3億 11 百万円など、合計8億 24 百万円、また、2006 年3月期の設備投資計画といたしましては、た
だ今、ご説明の長浜工場増築関係8億円、生産用金型2億 93 百万円、北米での拠点整備3億 15 百万円、
その他4億 14 百万円と、合計18億22百万円を計画しております。
さて、当社は、5月13日に、アビリット株式会社との業務提携の合意について、発表いたしました。
本提携は、当社が得意とするパチスロのメダル貸し機と、アビリットが取り扱っているパチンコ用の玉
貸し機を、相互に活用した共同開発や、相互乗り入れの販売を行うとともに、これらの製造にあたっては
当社の海外生産ノウハウを活用して当社が請け負うなど、両社にとって非常にメリットの多いものと考え
ております。さらに、メダル貸し機、玉貸し機の分野に留まらず、当社の遊技場向機器・貨幣処理機器事
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業などの広範囲な提携の可能性を模索することで、業務提携の効果を最大限に発揮させるように努めてま
いる所存であります。
当社では、投資家の皆様への利益還元につきましては、永く株式を保有していただくことを目的に、業
績に基づいた成果配分を行うことを基本方針とし、
「配当性向については 25%を最低ラインとする」こと
を定めております。2006 年3月期の予想配当は、普通配当として、予想利益をベースに配当性向25%を
クリアすべく、中間18円、期末18円の36円を発表しております。また、今後の業績の動向に応じて、
株式分割も含めた積極的な利益還元を実施していく所存であり、さらに業績の動向によっては、増配等に
ついても検討してまいります。
ご報告申し上げるべき内容は以上でございます。今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い
申し上げます。
以上
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