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環境報告書 - エーアンドエーマテリアル

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環境報告書 - エーアンドエーマテリアル
’11
環境報告書
目 次
ご挨拶……………………………………………………………………… 3
会社概要…………………………………………………………………… 4
事業活動と環境影響……………………………………………………… 5
環境リスクマネジメント……………………………………………………… 8
環境に配慮した新技術等の研究開発状況……………………………… 10
環境に配慮した輸送に関する状況……………………………………… 11
製品に関わるその他の環境配慮活動…………………………………… 12
事業活動に伴う環境負荷およびその低減に向けた取り組みの状況…… 13
サイト情報 (2011 年 11月末現在)
滋賀工場
〒527-0171 滋賀県東近江市池之尻 2-3
TEL 0479-46-1230 FAX 0749-46-1223
株式会社エーアンドエー茨城
〒300-4507 茨城県筑西市内淀 263-1
TEL 0296-52-2281 FAX 0296-52-2285
株式会社エーアンドエー名古屋
〒457-0837 名古屋市南区加福町 3-2
TEL 052-611-0531 FAX 052-611-0534
株式会社エーアンドエー大阪
〒569-1135 高槻市今城町 25-3
TEL 072-685-1928 FAX 072-681-5282
関東浅野パイプ株式会社
〒360-0023 熊谷市大字佐谷田 2418
TEL 048-521-4126 FAX 048-521-3424
朝日珪酸工業株式会社
〒870-0276 大分市大字政所字久保田 2271-2
TEL 0975-92-0531 FAX 0975-92-0106
1
編集方針
本報告書は、
エーアンドエーマテリアルグループが「建材に関する生産、化粧加工、施工の技術」
と
「熱、音、
その他のエネルギーをコントロールする技術」
を生かし、推進してきた環境活動の内容と結果
について情報公開し、
ステイクホルダーの皆様方のご理解を深めていただくことを目的としています。
エーアンドエーマテリアルグループは、
メーカーとして有害物の排出や廃棄物対策、
リサイクルやゼロ
エミッションについても積極的に取り組んでいますので、
それらについて報告いたします。
なお、本報告書は、環境省発行の
「環境報告書作成ガイドライン 2007」
を参考にしました。
報告範囲
本報告書に掲載した環境配慮活動の報告対象組織は、
(株)
エーアンドエーマテリアル全体を対象
としています。
ただし、環境パフォーマンスデータの記載範囲は、滋賀工場、
(株)
エーアンドエー茨城、
(株)エーアンドエー愛知、
(株)エーアンドエー名古屋、
(株)エーアンドエー大阪、関東浅野パイプ
(株)、朝日珪酸工業(株)の当社グループの7生産工場としました。
ただし、
(株)
エーアンドエー愛知に
つきましては、生産を中止した9月末までのデータとしました。
本報告書では、環境影響の大きい上記生産工場に関する事項に加えて、
当社がエネルギーの使用
の合理化に関する法律(省エネルギー法)
における特定荷主として指定されていることから、物流関連
についても公開いたします。
なお、今回の報告対象組織の環境負荷が事業全体の環境負荷に占める割合は、約87%です。
本報告書には、2010 年度(2010 年 4 月 1 日∼ 2011 年 3 月 31 日)
の活動実績を中心に掲載してい
ますが、一部については過去5年間(2006 年 4 月 1 日∼ 2011 年 3 月 31 日)
の環境への取り組みにつ
いても掲載しています。
免責事項
本報告書には、
(株)
エーアンドエーマテリアルの将来予測や計画等についても記載していますが、
こ
の記述は、
その時点における入手可能な情報に基づいたものであり、
その後、異なる内容になる可能
性があります。
2
ご 挨 拶
このたびの東日本大震災により被害を受けた皆様
建築・建材事業分野におきましては、省エネルギ
に、心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早
ー製品等、環境関連製品の開発を継続して実施し
い復興を心よりお祈りいたします。
ておりますが、本年4月には昨年の
「ライトソーラーパ
ネル」
に引続き、太平洋マテリアル社と共同で開発を
昨年を振り返りますと、市場低迷の中、当社グル
しておりました不燃断熱材「フェザーロック」
を上市い
ープの主力製品の一つである
「けい酸カルシウム板」
たしました。
を製造していた
(株)
エーアンドエー愛知での生産を
震災以降、エネルギー製造の分散化につきまして
中止し、工場を閉鎖いたしました。また、当社グルー
も話題となっておりますが、
「ライトソーラーパネル」
も
プ発足当時より生産・販売を続けてまいりましたスレ
お役に立てると考え、より広い範囲でご使用いただ
ート波板につきましても、生産・販売を中止するとい
けるように施工方法の検討等を行っております。
う非常につらい一年となりました。
今後も環境対策に貢献できる新製品の開発に、
しかし、けい酸カルシウム板の生産を
(株)
エーア
より一層力を注ぐ所存です。
ンドエー茨城および(株)
エーアンドエー大阪に集約
した結果、エネルギー原単位が減少し、エネルギー
前述のように当社グループの生産工場は規模が
使用の面からの効果が認められました。
縮小しておりますが、当然ながら省エネルギーや地
一方、スレート波板の生産・販売の中止は、当
域環境への配慮等は継続して実施しており、設備
社グループが新たなる成長を始める大きな変換点
更新時の省エネルギー化はもちろん、一部の工場
とも言えます。すなわち、環境エネルギー事業とし
では地域との意見交換も行って改善に努めており
て、
「ライトソーラーパネル」の販売・工事を開始し、
ます。
環境・エネルギー分野への本格的な進出を進め
ておりますが、波板の生産・販売中止により、この
今後とも、
「環境エネルギーに取り組み、社会に貢
分野への資源を集中することができ、より一層の事
献できる企業」
を目指し、日々研鑽を積んでまいりた
業展開を図れます。
いと考えておりますので、よろしくお願い申し上げま
す。
これらの点も踏まえて、本年度にスタートいたしま
した中期経営計画「REALIZE」
においては、当社グ
ループのコアコンピタンスである
「熱、音、その他の
エネルギーをコントロールする技術」
により、環境エネ
ルギー企業として社会に貢献することを基本方針と
しております。
3 月 11 日の東日本大震災により原子力発電所が
被災し、緊急的に火力発電所の復旧が必要となりま
した。
当社の工業製品・エンジニアリング事業部門は、
火力発電所に係わる事業も行っておりますが、非常
事態ともいえる状況における各方面からの緊急要
請に対して迅速に対応し、早期復旧に全力を尽くし
ました。
3
代表取締役社長
重冨 光人
会社概要
●商 号 株式会社エーアンドエーマテリアル
A&A Material Corporation
■事業分野別売上高比率(2010年度)
●連結
環境
工業製品・
建設・建材
エンジニアリング エネルギー
事業
事業、
その他
事業
●設 立 1924 年 3 月
(大正 13 年)
●代表者 取締役社長 重冨光人
●本 社 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央
2丁目5番5号
●資本金 38 億 8 千 9 百万円
金額(百万円) 17,569
構成比(%)
(2011 年 3 月末現在)
●事業分野 当社グループは、建設・建材事業部門、工業製
品・エンジニアリング事業部門および環境エネル
ギー事業部門により
「建材に関する生産、化粧加
23
36,702
52.0
0.1
100.0
(百万円)
●2011年3月期
売上高
売上
総利益
営業
利益
個 別
20,424
6,391
458
70
△ 1,653
連 結
36,702
8,212
643
195
△ 1,427
経常
利益
当期
純利益
■売上高および利益の推移
●売上高
(百万円)
70,000
60,000
工、施工の技術」
と
「熱、音、その他のエネルギー
50,000
をコントロールする技術」
を生かして事業を行って
40,000
います。
19,110
47.9
■売上高および利益(2010年度)
(2011 年 3 月末現在)
●従業員 267 名 [ 単独 ] 、879 名 [ 連結 ]
合計
30,000
20,000
10,000
■建設・建材事業部門
0
2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度
個別
1)不燃建築材料の製造、販売および工事の設
計、施工
2)耐火二層管の製造、販売
3)鉄骨耐火被覆工事の設計、施工
連結
●経常利益
(百万円)
2,000
1,000
0
■工業製品・エンジニアリング事業部門
−1,000
1)不燃紡織品、工業用摩擦材、シール材、保温
保冷断熱材、船舶用資材、防音材、伸縮継
手他各種工業用材料・機器の製造、販売
2)保温、保冷、空調、断熱、防音、耐火工事の
個別
販売
連結
■資産
●2011年3月末現在
総資産
(百万円)
純資産
(百万円)
自己資本比率
(%)
個 別
33,619
6,618
19.7
連 結
44,203
6,966
15.8
設計、施工
3)自動車を主とした摩擦材、シール材の製造、
2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度
■主な市場、顧客等
■環境エネルギー事業部門
●建設・建材事業部門
1)太陽光発電パネルの設計、施工
対象市場:建設関連、住宅関連市場
2)窯業系建材の再資源化
●工業製品・エンジニアリング事業部門
対象市場:電力、石油等のプラント関連市場、
■その他の事業部門
造船、自動車(2輪・4輪)、諸工業
1)不動産の賃貸等
●環境リサイクル事業部門
対象市場:建設関連市場
4
事業活動と環境影響
社会と経済の持続的発展に貢献するために環境負荷の低減に取り組んでいます。
温室効果ガスの削減
環境管理推進体制
温室効果ガスのうち、当社グループが関与する
当社では、経営理念に基づいた
「環境憲章」
を制
対象は二酸化炭素であり、その排出量の調査を継
定しています。その具現化のための「環境目標」
を
続して行っています。京都議定書においては事業
設定し、さらに、具体的な活動を推進するための
「環
者の総排出量が対象ですが、生産量の増減により
境管理規程」
を制定して、環境管理活動を実施して
影響を受けるため、主力 3 工場〈(株)
エーアンドエー
います。
茨城、
(株)
エーアンドエー愛知、
(株)
エーアンドエー
各生産工場においては環境管理委員会、安全衛
大阪〉
においては原単位による把握および管理も
生委員会等を設置して従業員の環境意識を向上さ
行っています。
せるとともに、環境問題へ取り組んでいます。さらに、
この結果、2010 年度の二酸化炭素排出量は実
環境も含めたパトロールや日常的な設備管理により、
排出係数で算出すると約 3.9 万トンで、前年度比で
省エネルギーをはじめとして環境に対する調査・改
15.3%の削減となりました。これは、設備の稼働条件
善を進めています。
の変更、生産体制の合理化および排出係数の変更
生産工場以外の事業所においても責任者を定め
によるものです。また、主力 3 工場の原単位につき
て省エネルギー等を推進しており、小集団活動も含
ましては、前年度比 5.5%の削減となりました。
めて環境活動を実施しています。
環境憲章
●環境理念
エーアンドエーマテリアルグループは、熱および音のコントロール技術ならびに資源の有効活用およ
び再生利用技術を柱に、地球環境の保全に配慮した企業活動を行い、社会と経済の持続的発展に
貢献します。
●環境方針
(1)環境の持続的改善に寄与するよう配慮した、環境マネジメントシステムを構築し、維持する。
(2)生産・販売・施工・廃棄物処理等に際しては、環境保全に関する法律・条令・協定等を遵
守する。
(3)省資源および省エネルギーの推進ならびに廃棄物の抑制・再生利用のシステムの確立により、
環境負荷を低減する。
(4)環境保全に配慮するとともに、環境負荷低減のための革新的技術開発を行う。
(5)環境保全に関する啓蒙、教育を全従業員・関係者に対して積極的に行い、環境保全活動の
促進、定着を図る。
(6)地域社会との交流、情報の公開等により、社会と共生した環境保全活動を積極的に推進する。
5
環境管理の状況
当社グループでは、事業活動にともなう環境負荷
ムを参考にして管理を行っています。
を継続的に低減するため、環境マネジメントシステム
2010 年度は、1工場で更新審査がありましたが
の構築に取り組んでいます。
無事に認証の更新が認められました。また、各工場
ISO14001 の認証を取得しているのは、
(株)
エー
の更新審査およびサーベイランスでは、合計で軽微
アンドエー茨城(当社技術開発研究所を含む)
およ
な不適合が1件、観察事項が13件ありました。不適
び(株)
エーアンドエー大阪ですが、他の生産工場
合案件については、迅速に是正を実施しています。
においても認証取得工場の環境マネジメントシステ
ISO 14001 認証取得状況
登録事業所
(株)
エーアンドエー茨城 および
(株)
エーアンドエーマテリアル 技術開発研究所
(株)
エーアンドエー大阪
登録日
認証機関
認証番号
2005 年 1 月 20 日
財団法人 ベターリビング
E198
2006 年 2 月 25 日
財団法人 ベターリビング
E245
環境への取り組み
事業活動における環境配慮の取り組みに関する
目標は
「中央環境管理委員会」
で検討し、経営会議
に報告します。決定した環境目標は全社へ展開しま
ISO 14001
審査風景
すが、各事業場では
「環境管理者」
を中心に事業場
の方針・目標を設定し、環境活動を実施します。こ
の活動の実施状況は、中央環境管理委員会で事
務局から報告します。
「環境管理規程」
に基づいて
「中央環境管理委員
会」
を招集し、環境に関する諸事項を決めています。
この中で、当年度の環境活動の報告と次年度の環
境に関する年度目標が決められ、この目標は規程に
基づいて各事業場で展開しています。
2011 年 3 月末現在
生産部
中央環境管理委員会
環境管理活動と目標
環境組織図
各支店
本社各部室
技術開発研究所
2010 年度の主な活動結果と 2011 年度の目標を
事務局
表に示します。
各生産工場
6
事業活動と環境影響
2010 年度環境活動
活動
2010 年度 実績
評価
2011 年度 目標
各工場(エネルギー管理指定工場
以外も含め、滋賀工場を除く)の
原単位換算エネルギー使用量を
対 2009 年度比1%減
目標達成は5工場、未達成は1工
場。
○
各工場で原単位換算エネルギー
使用量を対 2010 年度比1%減
本社、各支店および各営業所の
電力使用量を 2009 年度比3%減
合計で2.4%減
△
本社、各支店および各営業所の電
力使用量を対 2010 年度比3%減
特定荷主指定に対する輸送エネ
ルギーを 2009 年度比1%減
2010 年度は全てトンキロ法で算出
算 出 方 法 の 変 更を考 慮すると
8.9%の増加
主要因は、出荷量の減少に伴う
大型トラック使用割合の低下
×
特定荷主指定に対する輸送エネ
ルギーを 2010 年度比1%減
②
CO2 排出量
削減
実排出係数での比較
7工場の総排出量の把握
主要3工場で原単位で 2009 年
度比1%減
7工場の実排出係数による総排
出量は 38,838トン
主要3工場の原単位は 2009 年
度比 5.5%減
◎
実績のフォロー
実排出係数での比較に移行
主要2工場で原単位で 2010 年
度比1%減
③
廃棄物への
対応
7工場の産業廃棄物総排出量を
2009 年度比 10%減
23.7%減
(株)
エーアンドエー愛知を除くと
24.2%減
◎
6工場の産業廃棄物総排出量を
2010 年度対比10%減
(株)
エーアンドエー茨城、
(株)
エー
アンドエー愛知および(株)
エーア
ンドエー大阪の ISO14001 運用
による環境活動の充実・改善
更新およびサーベイランスの実施
および環境マネジメントシステムに
よる環境活動の推進
○
(株)
エーアンドエー茨 城および
(株)エ ー ア ンド エ ー 大 阪 の
ISO14001 運用による環境活動
の充実・改善
各事業場における昨年度実績報
告および本年度方針の徹底
教育の実施(GHSに関する教育)
○
①
省エネルギー
法への対応
④
全社的
環境活動の
基盤整備
7
2010 年度 目標
目標管理体制の整備
実施内容の詳細検討
法令遵守の徹底
目標管理体制の整備
実施内容の詳細検討
環境リスクマネジメント
当社では、適用される環境法規をはじめ、環境に著しく影響を及ぼす可能性のある項目を抽出し、リスクの
内容を吟味して対策をまとめています。今後も充実を図るとともに、教育訓練も行っていく所存です。
化学物質管理
化学物質については、生産部環境グループが中
心となり、各事業部門と協力して、取り扱い、安全性、
環境影響等について調査しています。法的に管理
が必要なものについては、有害性等の情報をまとめ、
環境リスクを低減させるため製造部門等と連携して
管理するとともに、状況によっては代替化の検討も
実施しています。
工場周辺の
臭気測定
最近増加しています化学物質に関する問い合わ
せ等につきましても、生産部環境管理グループおよ
守状況一覧表を見直すことにより、法令等の改正に
び各事業部の担当部門が対応しています。
よる見落としがないようにしています。各工場では、
集じん機等の装置の点検等を確実に実施すること
PCB管理状況
はもちろん、必要に応じて騒音、排水、ばい煙、臭
現在、
PCBを使用した高圧コンデンサー42台、変
気等の測定を行うことにより地域環境の維持に努め
圧器5台、安定器 109 台を保管しています。このた
ています。また、何らかの問題が発生した場合は、
め、処理場の都合が付き次第処理を行なうよう手配
「環境改善委員会」等を招集して対応に当たってい
するとともに、保管に際しては法に基づき厳重に管
ます。
理し、毎年都道府県に届出を実施しています。
特に、
(株)
エーアンドエー大阪のある高槻市は、
悪臭に対する規制を本年4月から臭気指数に変更
想定される環境に関する緊急事態の内容
と緊急時対応の状況
しましたが、2010 年度の測定においても新しい規制
環境汚染に結びつく恐れのある事故や緊急事態
以上の活動により、過去3年以内の重要な法規
を想定し、生産工場および生産部において対応方
制等の違反および環境に関する罰金、過料等はあ
針を定めています。火災、粉じんの飛散、重油流出
りません。
の事故等の防止はもちろんですが、事故発生時に
なお、環境関連の訴訟はありませんが、2008 年
備えた訓練を定期的に行い、処理手順の習熟に努
に建設作業者従事者等から、アスベストに係わる健
めています。
康障害に対する損害賠償請求を2件受けています。
値を満足しています。
なお、緊急事態が発生した場合は、臨時の安全
衛生委員会を開催し、事故への対応を協議すると
環境に関する苦情等に対する対応
ともに、再発防止策を検討をします。
●騒音苦情 1 件
全社的には
「リスク管理規程」
により、地震や台風
設備のトラブルにより発生した騒音に対して、苦情
等の緊急事態への対応等を定めています。
がありましたが、改善を実施しています。
●騒音対策の確認 1 件
環境に関する規制の遵守状況
2009 年度に騒音苦情があったため、自治体に改
生産工場においては、環境に係わる法規制等に
善計画を提出しています。昨年度は、この実施状
関する環境法規制遵守状況一覧表を作成し、遵守
況の確認があり、予定通り進捗しているとの評価
状況を確認しています。また、毎年、環境法規制遵
を受けました。
8
環境リスクマネジメント
環境保全に関する従業員教育、訓練の実
施状況
環境コミュニケーションの状況
環境活動を充実させるために、工場、支店を始
環境に関するコミュニケーション活動を行っています。
め、全社で環境教育や啓発活動を実施しています。
●(株)
エーアンドエー茨城
環境教育は毎年テーマを決めて資料を作成して実
環境情報受入記録を作成
施していますが、2009 年度はGHS
(化学品の分類
●(株)
エーアンドエー愛知
および表示に関する世界調和システム)関する教育
環境情報受入記録を作成
を中心に実施しました。
●(株)
エーアンドエー大阪
工場所在地の自治体や近隣に対し、以下のような
近隣住民および近隣高校に対し、必要に応じて
環境関連資格者数
(2011 年 3 月末現在)
環境対策の説明会を実施(市役所環境保全課も
同席)
環境マネジメントシステム審査員補………2名
環境情報受入記録を作成
作業環境測定士…………………………6名
●(株)
エーアンドエー名古屋
エネルギー管理士………………………11名
環境情報受入記録を作成
エネルギー管理員…………………………2名
公害防止管理者
環境に関する社会貢献活動の状況
大気関係……………………………15名
各事業場では、自治体や地域活動に協力して、
水質関係……………………………2名
環境活動を行っています。例えば、次のような活動
騒音関係……………………………6名
を行っています。
振動関係……………………………3名
●(株)
エーアンドエー愛知
工場周囲の掃除を毎週1回実施
従業員等の業績評価への反映
工場外周道路の草刈りを随時実施
社内褒賞制度の中で、環境への取り組みについ
●(株)
エーアンドエー大阪
て評価しています。
外周水路南側周辺の自主清掃の実施
〈2010 年度 表彰〉
●(株)
エーアンドエー名古屋
●(株)
エーアンドエー大阪
地域企業による環境関連の定例協議に参加
水系離型剤への変更(2009 年度に変更した件
定期的に町内清掃を実施
について、実績を確認して表彰)
●(株)
エーアンドエーマテリアル支店、営業所
支店により、地域の学校等が実施するペットボト
環境に配慮した投資・融資の状況
ルの蓋の回収に協力あるいは地域の清掃活動に
環境保全に対するコスト、設備投資については積
参加
極的に取り組んでいます。しかし、2010 年度は事業
構造改革の実施もあり、設備の老朽化による更新
以外には設備面での投資はありません。
9
環境に配慮した新技術等の研究開発の状況
環境配慮型製品
環境に配慮した研究開発として、廃棄物・副産
物の有効利用、省エネルギー製品の開発、廃棄物
の削減等を進めています。
昨年4月に超軽量太陽光発電パネル
「ライトソーラー
パネル」
を発売しましたが、引き続き施工方法の開発
を行っています。
また、2010 年度は、不燃断熱材の開発を他社と
共同で行ない、本年4月に
「フェザーロック」
として販
売を開始しました。当社の強みである、不燃性と断
熱性を併せ持つ製品といえます。
フェザーロック施工例
この他にも、官・学との共同研究も含めて、省エ
ネルギー等、エコロジー関連の製品の研究開発に
取り組んでいます。
非石綿化の検討
石綿含有製品の非石綿化および再資源化は、資
源の有効利用、廃棄物の減少等の観点から重要な
課題です。以前から省庁等が進める調査・研究等
に協力していますが、実用化に向けての検討を継
続して進めています。
沿革・歴史
1914 年 12 月 わが国最初の石綿スレートを製造〈浅野スレート
(株)
の創立〉。
1915 年 2 月 浅野スレート
(株)設立。
1924 年 3 月 朝日スレート設立〈朝日石綿工業
(株)
の創立、後に
(株)
アスク〉。
2000 年 10 月 (株)
アスクと浅野スレート
(株)
が合併し、
(株)
エーアンドエーマテリアル発足。
2004 年 3 月 主要3工場の茨城工場、愛知工場、大阪工場を分社化し、
(株)
エーアンドエー茨城、
(株)
エーアンドエー愛知、
(株)
エーアンドエー大阪を設立。
2004 年 10 月 名古屋工場を分社化し、
(株)
エーアンドエー名古屋を設立。
2005 年 1 月 (株)
エーアンドエー茨城と技術開発研究所が ISO14001 を取得。
2006 年 2 月 (株)
エーアンドエー大阪が ISO14001 を取得。
2006 年 10 月 (株)
エーアンドエー愛知が ISO14001 を取得。
2008 年 5 月 (株)
エーアンドエー茨城において使用燃料をLNGに転換。
これにより主要3工場の燃料転換を完了。
2010 年 3 月 浅野防火建材
(株)
の事業停止。
2011 年 3 月 (株)
エーアンドエー愛知の事業停止。
10
環境に配慮した輸送に関する状況
(株)
エーアンドエーマテリアルは
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
による
「特定荷主」
に指定さ
れており、輸送の省エネルギー化や定期報告等を実施しています。
なお、2010 年度は輸送量が減少して特定荷主の指定から外れる値でしたが、指定の解除申請をせずに
定期報告書および計画書を提出しました。
11
2010 年度から 2012 年度の計画
2010 年度の定期報告
2010 年度から以下の3ヵ年計画を策定し、輸送
2007 年度以降は燃費法を主としてトンキロ法を併
の省エネルギーに取り組んできました。
用して輸送量を算出してきました。しかし、2010 年
●エネルギー使用量の算定をトンキロ法から、より 度は運送の委託先の変更等から、やむを得ず全て
正確な燃費法へ移行する。
をトンキロ法で算出しました。
●2010 ∼ 2012 年度の3年間で、エネルギー使用原
その 結 果を以 下に示します が、前 年 度 比で
単位3%削減を目指す。そのため、下記の施策を
32.5%と大幅な増加となりました。この結果を考察し
進める。
た結果、算出方法の変更による影響が+23.6%、
★長距離輸送における船舶、鉄道の利用
輸送量の減少に伴うトラックの小型化による影響が
★物流拠点間輸送に使用する車両の大型化・定
+15.6%であったため、省エネルギー施策の効果も
期便化
−6.7%認められました。
★複数の物流拠点への混載輸送、物流拠点の統
●エネルギー使用量 41,213 GJ
廃合
〈原油換算 1,063 kL〉
★個別配送の適正車種選定、方面別定期便化
●輸送重量 141 千トン
〈(エネルギー使用量と密接
★低燃費車両、アイドリングストップ装置やエコドラ
な関係を持つ値)
として採用〉
イブ支援装置の導入促進と教育・啓蒙の推進
●エネルギー使用原単位 7.54
★物流業務を統括する担当部署の設置による計画
〈エネルギー使用量(原油換算 kL)/エネルギー
の推進特定荷主対応
使用量と密接な関係を持つ値(千トン)
〉
製品に関わるその他の環境配慮活動
当社におけるゼロエミッションへの取り
組み
お客様の
「ゼロエミッション化」
を支援するために、
工場で発生する不良品や、切断くず等は、可能
当社が販売した製品について、一部ではありますが
な限り粉砕して原料として使用しています。この循
リサイクルを行っています。
お客様の「ゼロエミッション化」の支援
環利用の割合を表に示します。
1)広域認定制度
■その他、次のような活動を進めています。
(株)
エーアンドエーマテリアル、
(株)
エーアン
●セメント系廃棄物のセメント原料としての再資源化
ドエー茨城および(株)
エーアンドエー大阪で広
システム構築の検討
域認定を受けており、けい酸カルシウム製品の
●製造水の循環使用
(製造水のクローズドシステム)
施工現場から排出される端材等をけい酸カルシ
●金属スクラップの再資源化(業者委託)
ウム製品を製造している生産子会社に回収し、
●廃油の再生燃料化(業者委託)
その原料としてリサイクルするシステムを運用し
●廃パレットのチップ化処理による再資源化(業者
ています。
2)中間処理業
委託)
●各設備の電動機へのインバーター導入、コンプレッ
(株)
エーアンドエー名古屋が、廃棄物の中間
サーの運転効率化、照明器具の省エネルギータ
処理業の認可を取得して、リサイクル事業を実
イプの導入
施しています。
●塗装機の洗浄用シンナーの再生利用
また、朝日珪酸工業
(株)
も認可を受けており、
自社が製造した廃棄物についてのリサイクルを
推進しています。
■循環利用率分の比率 (%)
(株)エーアンドエー (株)エーアンドエー (株)エーアンドエー (株)エーアンドエー
関東
茨城
愛知
大阪
名古屋
浅野パイプ(株)
14.0
9.8
12.8
1.2
13.7
滋賀工場
朝日珪酸工業
(株)
̶
1.0
12
事業活動に伴う環境負荷およびその低減に向けた取り組みの状況
事業活動に伴う環境負荷の全体像
Input
Output
当社は各種の資源を外部から調達し、生産工場
当社の製品は、設計・開発段階から生産、流
において諸資源を使用して製品とし、お客様に提
通等通じて、最終的にその製品が廃棄されるまで
供しています。生産工場で使用するエネルギー、化
の間に、様々な環境影響を及ぼす可能性がありま
学物質、水資源等においては、地球資源の有効
す。たとえば、二酸化炭素、大気汚染物質、水質
活用、二酸化炭素排出量の削減等の面で、効率
汚濁物質、環境負荷物質等の排出および産業廃
的な使用が求められています。
棄物があります。これらにより、地球温暖化、大気
当社は、このような事業活動に伴って発生する
汚染、水質汚濁、天然資源の枯渇等、さまざまな
環境負荷を認識し、その低減に積極的に取り組ん
環境影響を及ぼす可能性があります。
でいます。特に、エネルギーおよび水の使用につい
当社では、このような環境負荷を認識し、省エネ
て重点的に取り組んでいます。
ルギー活動や工場周辺への悪臭、排水、騒音等
の影響を低減するための取り組みを行っています。
また、お客様に対しても製品安全データシート
(MSDS)の提供等、当社製品を安心してお使い
いただけるように取り組んでいます。
インプット
■総エネルギー投入量およびその低減対策
ギーに努めるとともに報告をしています。
当社の各工場では、多くのエネルギーを使用して
各生産工場とも、空気や蒸気類の漏れ防止等、
います。このため、エネルギー管理の徹底、設備の省
徹底した日常管理と省エネルギー機器の随時導入等
エネルギー化等によりエネルギー削減を図っています。
を進め、エネルギーの削減に継続して取り組みます。
2010 年度は、総エネルギー
(原油換算)
で 前年度比
●エネルギー使用量の推移
11.1%減の削減となりました。主な要因は、生産工場
の集約による効率化および生産量の減少です。
電機
燃料
総エネルギー
(千 kWh) (原油換算 kL)(原油換算 kL)
2006 年
50,615
21,999
34,657
2007 年
56,105
21,371
35,390
ドエー茨城、
(株)
エーアンドエー愛知、
(株)
エーアン
2008 年
48,816
17,487
29,733
ドエー大阪、朝日珪酸工業(株)〉が、省エネルギー
2009 年
40,025
13,932
23,975
2010 年
34,992
12,289
21,042
本報告書の対象範囲では、4工場〈(株)
エーアン
法に基づくエネルギー管理工場に指定されており、
エネルギー使用に係る原単位について前年度比1%
■水資源
削減を目標としています。2010 年度は、
3工場〈(株)
当社の各工場では、製造に多量の水を使用しま
エーアンドエー茨城 −6.3%、
(株)
エーアンドエー愛
す。そのため、水の管理を徹底し、循環利用を行っ
知 −2.8%、
(株)
エーアンドエー大阪 −5.7〉
が目標達
ています。
成しましたが、1 工場〈朝日珪酸工業(株)+5.6%〉
●水資源使用量の推移
では目標を達成できませんでした。朝日珪酸工業
(株)の増加は生産量の低減による影響が大きく、
各品種ともエネルギー効率が低下しました。また、
関東浅野パイプ
(株)
は、2009 年度からエネルギー
管理指定工場から外れましたが、継続して省エネル
13
水資源(万 m2)
上水
工業用水
地下水
合計
2007 年
6.6
8.3
27.7
42.6
2008 年
4.9
5.4
25.6
35.9
2009 年
5.0
4.0
19.9
28.9
2010 年
3.9
4.3
15.4
23.6
アウトプット
■エネルギー使用の現状
2010 年度の二酸化炭素排出量は、全社的な省
清掃を外部委託して管理し、その法定検査は登
エネルギー化および生産量の減少があったため、
録機関により毎年実施を適切に行い、汚濁負荷
3.9 万 ton-CO2 となり、前年度に対して二酸化炭素
の高い排水が出る事の無いようにしています。
排出量で 15.3%減となりました。
今後も、省エネルギー機器の導入等を進めるとと
もに管理を徹底することによって、二酸化炭素排出
量の削減に取り組みを継続します。
【参考】
●PRTR対象物質の管理および排出抑制に向け
た取り組み
PRTR対象物質の追加により、塗料系の一部
物質の届出が必要になりました。しかし、大気・
★排熱等のエネルギーの有効利用
水系への放出はなく、反応するため対象となる成
★エアー蒸気類の漏れ防止等、徹底した日常管理
分は、製品にはほとんど含まれていません。
★省エネルギー機器の随時導入(設備更新時の省エネル
ギータイプの採用)
●廃棄物等の減少に向けた取り組み
不良率低減や歩留まり向上による廃棄物の削
●大気汚染の防止への取り組み
減をはじめ、月ごとの産業廃棄物排出量を各生
生産に用いる燃料のLNG化を図り、排ガスの
産工場における毎月の生産会議で報告し、管理
汚染性を低減しています。更に、ボイラーおよび
状況を審議しています。その他、廃油を有価物
バーナーの燃焼調整により、排ガスの汚染減少も
化する等の検討を行っています。
推進しています。また、エネルギーの原単位を削
●二酸化炭素および産業廃棄物の排出量
減して過剰な汚染負荷を抑制するとともに、各生
二酸化炭素排出量*
(ton-CO2)
産業廃棄物排出量
(ton)
2006 年
79,216
6,170
2007 年
80,065
6,818
2008 年
64,653
9,060
2009 年
45,845
7,220
2010 年
38,838
5,238
産工場における毎月の生産会議において管理状
況を確認しています。
●水質汚濁の防止への取り組み
当社の主力工場で生産するスレートおよびけい
酸カルシウム板は抄造法で製造するため、多量の
水を使用します。そのため、これらの生産工場に
*2008 年度までは排出係数 0.000555(t-kWh)、
2009 年度以降は実排出係数
おいては製造水の管理を徹底しており、この水を
場外へ排出しないクローズドシステムを構築し、
オートクレーブおよびボイラーのドレン水も含めて
製造用水として再使用しています。このため、原
則として生活用水以外は場外への排出は行って
いません。
上述のように、製造で使用している水は循環利
用することにより外部へ排出しないようにしています
が、万が一外部へ流出した場合を想定し、毎年1
回外部分析機関による水質測定を行っています。
生活雑排水については、浄化槽の点検および
14
お問い合わせ先/生産部 環境管理グループ
〒230-8511 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央2-5-5
TEL.045
(503)
5786 FAX.045
(503)
5779
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