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こども園(仮称)のあり方について

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こども園(仮称)のあり方について
こども園(仮称)のあり方について
(こども園(仮称)の設置に向けて)
1.幼保の現状と課題
中井町には、町立幼稚園1園、町立保育園2園、私立保育園1園がありま
すが、町の子ども達の全てがその4園に在籍しているわけではなく、周辺市
町の幼稚園、保育園等にも通っています。町の幼児人口は、各年齢とも現在
は、70人程度ですが、今後更に減尐し、今年の4月Ⅰ日現在の0歳児の出
生者は、50人であり、今後もこの水準で推移することが予想されます。
その50人~70人の子どもが、様々な施設で幼児保育・幼児教育期を過
ごし、就学時になると町内の小学校に入学することから、義務教育までの成
長がまちまちになり、円滑な接続に困難が生じたり、子どもによっては小一
プロブレムが危惧されます。従って、町内の子ども達は、次世代を担うため
の原点である教育・保育、とりわけ幼児期を重視することが最も必要であり、
町内の全ての子どもたちに将来を見通した共通のカリキュラムによる幼児教
育・幼児保育を受けさせて、義務教育を同じ出発点からスタートさせること
が急務であると考えられます。
現在の中井町の幼児教育は0歳~5歳までの保育園と、4~5歳の幼稚園
が、それぞれ国の保育所保育指針又は幼稚園教育要領に基づいて進められて
います。平成20年に幼稚園教育要領と保育所保育指針が改訂され、社会の
変化やニーズの中で両者が内容的に近づいてきているが、現実的には、幼稚
園と保育園では子どもたちへの関わり方も、育てる方向も異なっています。
さらに、本町の幼稚園では3歳児は募集していないために、3年保育を希
望する場合には町の保育園に入園するか、他市町にある幼稚園にその教育場
所を求めることになります。自我が芽ばえ自分以外の人がいることを知り、
折り合いをつける経験が非常に大切な時期に、大勢の子ども同士で遊ぶこと
の機会や遊ぶ場所を得られないことは3歳児の成長段階にとって大変大きな
よどみを作ることになるだけでなく、特に就労をせず子育てに専念している
保護者に、孤立感をもたせたり、悩みを抱えたりして子育てへの不安を増大
させることにもなりかねません。
以上のような状況を踏まえ中井町の今後の幼児教育のあり方を考えたと
き、「一人ひとりの子どもの義務教育への基盤をしっかりと育成する幼児教
育を真に充実させること」が必要であり、子どもにとっての「教育・保育・
子育て支援」の視点から、明確な理念と考えを持ち、大胆に変革していくこ
とが必要となります。
また、第五次中井町総合計画後期基本計画においても、子ども達の安全確
保や教育環境の整備・充実はもとより、幼児教育の充実についても、幼稚園・
保育園が小学校と連携しながら「生きる力」の基礎を育成するとともに、地
域の子育て支援の拠点として、ふさわしい管理・運営や学習環境をつくると
しています。
「子育てしやすいまちづくり」、
「生きる力を育む人づくり」に努
め、
「水と緑、人がきらめく住んでみたいまち」を目指し、本町にふさわしい、
そして中井町だからこそできる未来がある乳幼児のあるべき姿を早急に検討
する必要があります。
【資料 1】参照
2.こども園(仮称)設置の基本的な考え方
○
中井町の乳幼児は、全て中井町の幼児保育・幼児教育で育て、義務教
育につなげるようにする。
・0歳から2歳には、保護者を基盤に、愛情豊かで思慮深い保護や世話を
とおした「保育」を行うとともに、大人と子どもの相互の関わりを十分
に行う乳幼児保育を行う。
・3歳児から5歳児は、幼稚園教育要領に基づいた「幼稚園教育」を行い、
集団生活の中で切磋琢磨し、義務教育への円滑な接続を図る。
・幼・小の連携を推進し、小学校への円滑な接続を図る。
・「親が子育ての基盤であること」を子育て支援の柱におき、親も子ども
と共に成長できるように、物理的、精神的に支援できる子育て環境を整
備する。
(1)基本方針
(1)
「基本的な考え」に則り、幼稚園・保育園それぞれの良さを生かした
幼児教育・保育の推進を図るため、町立幼稚園及び保育園を統合した、
幼保一体化施設を設置する。
(2) 国によるこども園制度の創設に合わせ、本町における幼保一体化施設
の設置を目指す。
(3) 就学前の子どもたちが保護者の就労に関わらず同じ教育を受けられる
場を提供する。
(4) 保護者のライフスタイルの変化に伴い、ニーズに応じた就学前保育の
選択を可能とする。
(5) 町の財政状況を考慮し、合理的かつ効果的な幼保一体化施設の設置を
図る。
(2)教育指針
○
中井町の幼保一体化施設となる中井町立こども園(仮称)では、義務教
育及びその後の教育の基礎を培うものとして幼児を保育し、その子どもが
現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出す力の育成のために適切な
環境を与えて教育する。
(1) すべての子どもにとって、最もふさわしい生活の場を保障し、愛護する
とともに最善の利益を守り、保護者とともにその福祉を積極的に進めるこ
と。
(2) 健康、安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い、身体諸機
能の調和的発達を図ること。
(3) 集団生活を通じて、喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や身
近な人への信頼感を深め、自主、自律及び協調の態度を養い道徳性の芽生
えを養うこと。
(4) 身近な社会生活、生命及び自然に対する興味を養い、それらに対する
正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。
(5) 日常の会話や、絵本、童話等に親しむことを通じて、言葉の使い方を正
しく導くとともに、相手の話を理解しようとする態度を養うこと。
(6) 音楽、身体による表現、造形等に親しむことを通じて、豊かな感性と表
現力の芽生えを養うこと。
特に、年尐児については、十分に養護の行き届いた施設の下にくつろい
だ雰囲気の中で生命の保持及び情緒の安定を図る。さらに、幼児期の教育
に関する各段の問題について、保護者及び町民その他の関係者からの相談
に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うなど、家庭及び地域における幼
児期の教育の支援に努める。
○ 具体的な教育・保育目標
(1) 0、1歳児の保育
① 一人ひとりの乳児の生育歴に配慮し、家庭的な雰囲気の中で、欲求を
適切に満たし、特定の保育者が応答的に関わるようにすること。
② 保育者との持続的な関わりの中で情緒の安定を図り、人への信頼感を
育てること。
③ 乳児は疾病への抵抗力が弱く、心身の機能の未熟さに伴う疾病の発生
が多いことから、一人ひとりの発育及び発達状態や健康状態について、
適切な判断に基づく保健的な対応を行うこと。
④ 発達段階に即した遊びや玩具を提供し、乳児が様々な物に興味を示
し、探索活動が楽しめるように安全に配慮した環境を整えること。
⑤ 発達段階に応じた方法で、自己の欲求を保育者に伝えられるように、
乳児の意志や思いを読み取り、場に応じた丁寧な言葉かけをしていくこ
と。
⑥ 戸外遊びを通して、風や気温、自然物などに触れ、自然の事象を体感
できるように配慮すること。
⑦ 保護者との連携を図り、共通の認識で乳児に関われるように配慮する
こと。
(2) 2歳児の保育
①
食事、排泄、睡眠、衣服の着脱など、生活に必要な基本的生活習慣に
ついては、一人ひとりの発達に応じた援助や言葉かけをする中で、子ど
もが自分でやろうとする気持ちを尊重すること。
② 子どもの自我の育ちを見守り、その気持ちを受け止めるとともに、保育
者が仲立ちとなって友だちの気持ちや友だちとの関わりを丁寧に伝えて
いくこと。
③ 情緒の安定を図りながら、子どもの自発的な行動を促していくこと。
④ 戸外で様々な遊具や用具を使い、十分に身体を動かして遊ぶ中で、子
どもの行動範囲を十分に把握し、運動機能の発達を促すこと。
⑤
読み聞かせなどで言葉の模倣を図り、繰り返すことで語彙を増やして
いくこと。
⑥ 保育者と言葉を交わす中で、場に応じた正しい言葉を使い感情を表現
できるように促すこと。
⑦ 楽しい雰囲気の中で、尐しずつマナーを知り、自ら進んで食事ができ
るように促すこと。
⑧ 一人ひとりの成長に応じたトイレトレーニングを行い、排泄の自立を
促すこと。
(3) 3歳児の教育・保育
① 保育者と1対1の関わりを好んだり、保育者の近くで真似をしながら
遊ぶ姿もみられるようになるので、個々の成長に応じて保育者とじっく
りかかわる時間を確保しながら信頼関係を築いていくこと。
② 気の合う友だちや同じ遊びをする友だちと一緒に遊ぶ姿も見られる
ようになるが、物の取り合いや気持ちが上手く伝わらないなどのトラブ
ルも多くなるので、保育者は必要に応じてお互いの気持ちを代弁するな
ど、子どもが尐しずつお互いの気持ちに気づけるように援助していくこ
と。
③
活のおおよその流れが分かり、身の回りのことは自分でしようとする
気持ちが強くなるが、保育者は必要に応じて手を貸しながらも自分でし
ようとする意欲を認め、自信や次への意欲へつなげていくこと。
④ 友だちと一緒に遊ぶ楽しさがわかり、イメージをもってなりきって遊
んだり様々な物や遊具などを使ってごっこ遊びが楽しめるように、幼児
の様子に応じて必要な物や遊具、用具などを使いやすく整え、幼児がい
つでも自由に使えるように環境を整えておくこと。
⑤ 運動量が増え、思い切りからだを使って遊ぶことができるようになっ
てきたら、安全に配慮した環境を構成するとともに、幼児の体力を考慮
し、静と動のめりはりを持たせた保育内容に配慮すること。
⑥ 自然の変化や衣服の移り変わりなどから季節の移り変わりを意識で
きるように、それぞれの幼児が身近な場面で気付いたことを受け止め、
他児にも伝えていけるようにすること。
(4)
4歳児の教育
①
進級児は安定して過ごせるように一人ひとりの遊びや心情を見極め
て関わり、新入園児は一人ひとりを温かく受け止め安心してすごせるよ
うに配慮すること。
② 気の合う友だちと好きな遊びを楽しむ中で、友だちの思いに気づける
ように機会を捉えて言葉がけをしていくこと。
③
自分で工夫したり、試したりできる素材や遊具、用具などを用意し、
自分のペースで遊び、満足感が味わえるように環境を整えること。
④ 子どものイメージや思いが周囲の友だちに波及したり、友だちとの遊
びがさらに深まっていくように子どもの思いを伝えたり、認めたりしな
がら見守っていくこと。
⑤ グループやクラス全体で進める活動を通して、自分で役割を果たそう
とする姿を受け止め認めていくこと。
⑥ 友だちができるようになったり気づいたことなどを共に喜びあえる
ように、機会をとらえ他の子ども達にも紹介していくこと。
⑦
いろいろな友だちと考えを出し合いながら遊びを進めたり、ルールの
ある遊びが楽しめるように保育者も子どもたちと一緒に遊び参加しな
がら仲立ちしていくこと。
(5) 5歳児の教育
① 園の最年長であることを意識し、年尐の園児たちに教えたり、守った
りする気持ちを持ち、行動できるように見守り、機会を捉えて伝えてい
くこと。
② 自然や様々な人との関わりの中で自己を発揮し、いろいろな感情体験
をしたり、表現する楽しさを味わえるよう環境を整えること。
③ 自然や様々な人との関わりの中で、場面に応じた行動や自己コントロ
ールができるように気づかせるとともに援助すること。
④ 友だちと目的に向かった活動に取り組み、協働で遊びや生活を創り出
していく楽しさが味わえるように支援していくこと。
⑤ 小学校との交流活動を通して小学生に親しみを持つとともに、向上心
が育まれるような教育活動を通して小学校に期待や憧れが持てるよう
にすること。
3.検討事項
(1)0歳から2歳までの保育は、共働き家庭(保育に欠ける家庭)を対象に保
育を提供する。
・0歳児~2歳児に乳幼児保育を行う。
(保育部…仮称)所管…
(2)3・4・5歳児の教育・保育は、保護者の勤務の有無にかかわらず、教
育を提供する。ただし、保育に欠ける子供を優先させる。
※3・4・5歳児を一貫したカリキュラムのもとに教育を行う。
・3歳児~5歳児に幼稚園教育を行う。+預かり保育。
(教育部…仮称)所管…
(3)幼・小の連携を推進し、小学校への円滑な接続ができるようにする。
※小学校との交流の拡充。
・保育士も幼稚園教諭と同じ勤務時間とする。
(保育士も研究授業及び教材の作成や打ち合わせ等があるので、17時ま
では幼稚園で職務を行うこと。)
・保育部と教育部の職員(保育士、幼稚園教諭)配置は基本的には独立す
る。ただし、幼稚園児の預かり保育の一部については幼稚園教諭も担当
する。
(4)保護者の希望に応じて預かり保育を提供する。
・保護者の勤務の有無にかかわらず、必要に応じて預かり保育(一時)を提
供する。
(保育については、所管…
)
(5)その他
・カリキュラムの検討。
・保育料の検討。
・全園児に給食を提供する。
‣3~5歳児は業者委託。
‣0~2歳児は園で調理。他。
4.今後のスケジュール
○ 井ノ口幼稚園、井ノ口保育園、中村保育園の3園を統合し、こども園(仮
称)を設置する。園舎は井ノ口保育園と井ノ口幼稚園を使用する。
・中井町立こども園(仮称)開設に伴う検討委員会体系図参照。
・中井町立こども園(仮称)開設に伴うスケジュール参照。
・作業部会開催要項と作業部会の検討スケジュール参照。
○
【資料 2】
【資料 3】
【資料 4】
国の制度改革の動向を注視しながら、中井町立の「こども園(仮称)」
の設置を行う。
参考資料
【資料1】
1.検討の経緯
幼稚園と保育園の一体的な運営に向けた施設「こども園」(仮称)の整備に
ついて、今後の幼稚園と保育園のあり方や、本町の人口推計等の動向を考慮
して施設配置・運営方法・保育内容・施設規模等の調査研究を行い、更に国
の動向を鑑がみながら検討をしてきた。
主な理由として、
中井町保育園検討委員会において、中井町保育園検討委員会設置要綱によ
り、所掌事務について検討を重ねた結果、平成17年9月2日付で町へ報告
がありました。概要は、
① 井ノ口保育園が、井ノ口幼稚園に隣接した場所へ移転することから、当面
両園の運営は、
「幼保一体化」にすることとし、
「幼保一元化」又は「総合
施設化」については、今後の研究課題とする。
② 中村保育園については、井ノ口幼稚園・保育園の幼保一体化の実践状況を
考慮し、園運営の充実を図る。としている。
この報告をもとに、平成20年度から今日まで、幼稚園と保育園の一体的
な運営に向けた施設「認定子ども園」
(仮称)の整備について、今後の幼稚園
と保育園のあり方や、本町の人口推計等の動向を考慮して施設配置・運営方
法・保育内容・施設規模等の調査研究を行い、更に国の動向を鑑がみながら
検討をしてきた。
2.幼児数の推移(平成23年7月1日現在)
中村地区
(単位:人)
井ノ口地区
合計
男
女
計
男
女
計
5歳児
17
15
32
17
23
40
72
4歳児
7
18
25
23
24
47
72
3歳児
12
16
28
23
25
48
76
2歳児
18
16
34
23
26
49
83
1歳児
12
15
27
20
19
39
66
0歳児
9
11
20
14
16
30
50
計
75
91
166
120
133
253
419
※ これからは、70人前後となり、0歳児は50人となります。
3.入園児数
(単位:人)
中 村 保 育 園
井ノ口保育園
町内
町外
合計
町内
町外
5歳児
8
1
9
13
4歳児
10
2
12
3歳児
7
6
2歳児
4
1歳児
幼稚園
町内
町外
合 計
町内
0
13 17
11
28
16
12
1
13 16
17
33
16
13
14
0
14 13
12
25
4
8
11
1
12 10
12
22
9
0
9
7
1
8
6
9
15
0歳児
2
0
2
3
0
3
0
6
6
合 計
40
53
60
3
63 62
67
129
13
合計
木之花保育園
町内(公立)園児数132人在籍
32
H23.7.1 現在
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