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「北東アジア地域環境体験プログラム」について

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「北東アジア地域環境体験プログラム」について
外務省地方連携推進室メールマガジン「グローカル」第 2 号
富山県における国際環境教育事業
「北東アジア地域環境体験プログラム」について
富山県生活環境文化部環境政策課
1. 本県の国際環境協力事業の経緯
本県は、北東アジア地域自治体連合(NEAR)※環境分科委員会のコーディネート自治体を務めるとともに、北西太平
洋行動計画(NOWPAP)の活動を支援しています。また、日中韓露4カ国 35 自治体が連携する海辺の漂着物調査を
(財)環日本海環境協力センターと協力して実施するなど、北東アジア地域の環境保全に努めてきました。
このような国際環境協力への貢献が評価され、平成 19 年 12 月に各国の首都以外の地方都市では初となる「日中韓
三カ国環境大臣会合」が富山で開催されました。
本県では、この大臣会合に合わせ、地域レベルの環境保全の取組みをより一層強化し、幅広い主体が取組みに参
加する機運を盛り上げるため、日中韓露の自治体、経済界、学界の代表者など約 200 名が一堂に会する「北東アジア
環境パートナーズフォーラム in とやま」を開催し、産官学の連携により、地域レベルで具体的な取組みを進める
「とやま宣言」を取りまとめました。
この宣言に基づき、黄砂の広域的なモニタリング(視程調査)や環境保全技術の情報を共有するための国際フォ
ーラムへの積極的な参加、青少年に対する環境教育の取組みなどが進められています。
※北東アジア地域自治体連合(NEAR):北東アジア地域の自治体の交流・協力を推進することを目的として 1996
年に設立。現在、日本、中国、韓国、ロシア、モンゴル及び北朝鮮の6か国 65 自治体が参加。
2. 第1回北東アジア地域環境体験プログラム
「北東アジア地域環境体験プログラム」は、「とやま宣言」に基づく青少年への環境教育の取組みであり、北東ア
ジアの各地域における環境保全の取組みを青少年に直に体験してもらい、広い視野で環境保全に関する諸課題の解決
策を検討する能力を養成することを目的とした事業です。
第 1 回は、昨年8月 21 日から2日間にわたり、韓国忠清南道で実施されました。日本、中国、韓国、ロシア(4
カ国8自治体)から中高生 96 名が参加し、本県からは5つの中学校・高等学校などから計 17 名の青少年を派遣しま
した。
現地では、共同の環境保全活動として、中高生が 2007 年 12 月の原油のタンカー事故により、油で汚染された現場
(忠清南道泰安郡)に赴き、実際に海岸に漂着した油の除去活動を行いました。
この活動を各界が連携して支援するため、学界からは、大邱カトリック大学から事前講義の専門家が派遣されると
ともに、忠清南道の韓南大学等からもサポーターが派遣されました。また、経済界からは、韓国の主要産業工場や環
境関連事業者が加盟する韓国環境保全協会から専門家が派遣され、青少年に対する具体的な油の除去作業の手順や器
材の使い方などの技術的なアドバイスや指導が行われました。
このプログラムの成果として、帰国後に、参加者による学習発表会が各学校において催されたほか、各種の国際コ
ンクールへの応募が積極的に行われるなど、青少年の環境問題に対する視野の拡大が促され、環境保全活動への参
加・取組意欲の向上につながったものと考えています。
また、同プログラムの開催や準備を通じ、現地の大学や経済団体などの幅広い主体がプログラムに参画し、自治体
間だけではなく、産学官の環境パートナーシップが一層強化されました。
3. 第2回北東アジア地域環境体験プログラムと今後の事業展開
第2回は、本年8月に中国遼寧省で開催される予定となっており、2月現在で、日本、中国、韓国、ロシアの4カ
国8自治体が参加意向を表明しています。第2回プログラムの詳細については、開催自治体の中国遼寧省と協議中で
すが、昨年と同様に、産学官が連携協力して、青少年に現地での環境保全の機会を積極的に提供することとしており
ます。
また、本年からは、プログラム期間中や帰国後に参加者自らが環境保全アート展や事後報告会等を行うなど、参加
者以外にも環境保全や国際協力の重要性を呼びかけていくこととしております。
本県としては、「北東アジア地域環境体験プログラム」を北東アジア地域における国際環境協力のモデル事業の1
つとして国内外に積極的に情報発信するとともに、北東アジア地域自治体連合(NEAR)環境分科委員会の会員自治体
などに対して、さらに参加の呼びかけを行い、事業の拡大をしていきたいと考えています。
<参考1>北東アジア環境情報広場 URL:http://www.npec.or.jp/northeast_asia/
プログラムの開催結果、北東アジア地域自治体連合(NEAR)環境分科委員会の活動内容、海辺の漂着物調査
の報告書などを、ウェブサイトで日中韓露4カ国語により情報発信している。
<参考2>プログラム開催風景
2008/8/21 共同環境保全活動のための事前学習
(大邱カトリック大学ソ・ジョンチョル教授の講義)
2008/8/21 環境ボランティア体験(油の除去活動2)
(地中に浸み込んだ油を吸着シートで除去する作業)
2008/8/21 環境ボランティア体験(油の除去活動1)
(韓国環境保全協会職員及び現地大学生等の現地指導)
2008/8/21 環境ボランティア体験(油の除去活動3)
(油が吸着した砂と石を布で磨く作業)
2008/8/22 活動報告
(富山県立中央農業高等学校等)
2008/8/22 泰安宣言の採択・サイン
(富山県立有磯高等学校生徒等)
2008/8/22 韓国電力泰安発電所
(最新の発電施設の視察)
2008/8/22 交流会
(韓国の生徒よる伝統楽器「チャンゴ」の紹介)
※なお、「第 1 回北東アジア地域環境体験プログラム」は、財団法人自治体国際化協会から自治体国際協力促
進事業(モデル事業)の助成金及び同財団ソウル事務所の職員による海外活動支援を受けて実施されました。
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