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干渉計測 (06-5)
光応用計測 干渉計測 (06-5) 浮田 宏生 ここで,ふたつの光の位相差を 1. 光波の表示 δ=θ1−θ2 平面波の電界振幅は,波面上の点の座標(x,y,z) とおき,I(r) とδの関係を調べる. と波数 k (= 2π/λ) により次式であらわされる. 干渉縞のコントラストは(3)式で定義され, u(x, y, z, t) = A exp{-ik (x cos α+y cos β+z cos γ)} exp (iωt )] C= (1) I max − I min 2a a = 2 1 22 I max + I min a1 + a2 (3) 当然,0≦C≦1 で,ふたつの光強度が等しい場合 2. 干渉応用計測 (a1=a2)にコントラスト C は最大になる. 光の周波数は可視(λ= 0.5 µm)の場合 f = c λ = なお,ふたつの平面波(波長λ)が,xz 面内 において角度 2φで z 方向に入射するとき,x 方 3 x108 = 6 x1014 −6 0.5 x10 向に形成される干渉縞の周期は で,大きな値になる.つまり,光の時間的変化 Λ= はきわめて速いので,通常の光検出器では測定 できない.しかし,光強度の平均値は,光電流 λ 2 sin φ (4) であらわされる(例題 2.4). あるいは熱として測定できる.つまり,測定し ようとする時間変化のきわめて速い光波(信号 4. 干渉計測と縞解析 波)を,基準の光波(参照波)と重ね合わせ(干 光軸方向の位相差は,(a)マイケルソン干渉系, 渉させ),強度に変換することにより,空間に明 (b)マッハ・ツェンダー干渉系で測定できる. 暗の縞として固定(凍結)し,測定できる.こ (a)のマイケルソン干渉系では,固定ミラー(上) こではこの干渉を利用した計測法を学ぶ. に対し,可動ミラー(右)の変位 l により位相 がδ=2πl/λずれるので,この位相差δから変 3. 干渉理論 位 l(=λδ/2π)を測定する. 高周波の光が干渉により空間に固定されるよ また,干渉によって得られる空間的な縞模様 うすは定在波で理解できる.この光強度は,周 (位相分布)は,物体の変位だけではなく,物 iθ1 iωt 波数が等しく位相が異なる進行波 a1e e 退波 a2e と後 体表面の形状,物体内部のひずみ(屈折率変化) iθ 2 iωt e が干渉するので, をあらわす.したがって,縞の模様を解析する ことにより変位,形状,応力などを測定できる. iθ1 iωt I (r ) = a1e e i θ 2 iω t + a2 e e 2 = a1 + a2 + 2a1a2 cos(θ1 − θ 2 ) 2 2 5.ホログラフィー装置による 3 次元変位計測 (2) とあらわせる(例題 2.3). (1)3 方向からの測定結果を合成 つまり,重なり合う光のそれぞれの振幅や位 (2)測定点に対し照射角,観測角を定義 相を単独には測定できないが,干渉した結果の (3)部分干渉縞を接続. 光強度や位相差δ=θ1−θ2 を測定できる. 1