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帯広市酪農・肉用牛生産近代化計画書

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帯広市酪農・肉用牛生産近代化計画書
帯広市酪農・肉用牛生産近代化計画書
平成23年5月
北海道帯広市
目
次
ページ
Ⅰ
酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針
・・・1
Ⅱ
生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標又は肉用牛の飼養頭数の目標・・・3
1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標
2 肉用牛の飼養頭数の目標
Ⅲ
酪農経営又は肉用牛経営の改善の目標
1 酪農経営
2 肉用牛経営
・・・5
Ⅳ
・・・9
Ⅴ
・・・12
乳牛又は肉用牛の飼養規模の拡大のための措置
1 乳牛(乳肉複合経営を含む)
2 肉用牛
飼料の自給率の向上のための措置
1 飼料需要見込み量
2 飼料給与
3 飼料供給計画
4 飼料基盤の確保等
Ⅵ 生乳の生産者の集乳施設の整備その他集乳の合理化のための措置又は肉用牛の
共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置
・・・15
1 集送乳の合理化
2 肉用牛の共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置
Ⅶ
その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項
・・・16
Ⅰ
酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針
1
帯広市の酪農及び肉用牛生産の位置付け
帯広市の酪農及び肉用牛生産は、恵まれた土地基盤を背景に経営規模の拡大などの近代
化を推進し、安全で良質な畜産物の生産を担ってきました。酪農の本市農業算出額に占め
る割合は15.5%で、畑作とともに本市農業の基幹作目であり、飼養戸数94戸、一戸
当たりの飼養頭数は93頭で、十勝管内の生乳生産の4.5%を生産しております。
肉用牛は畑作及び酪農に次ぐ基幹作目で本市農業算出額の5.8%を占めております。
本市における農業の特徴としては、畑作と酪農・畜産経営が地域内に混在し、麦稈と堆
肥の交換など有機循環型農業が行なわれ、土づくりや環境保全を通して持続可能な地域農
業が展開されております。
本市の酪農・畜産業が安定的に発展するため以下の事項を中心として生産振興を積極的
に行ないます。
(1)自給飼料基盤に立脚した畜産経営
粗飼料自給率の向上のため、粗飼料の生産性及び品質の向上を図るとともに、良質な
地域未利用資源をエコフィードなどに有効活用します。
栽培管理技術の高度化を図るとともに、コントラクターなどの利用を促進し、良質な
粗飼料を効率的に生産します。
(2)優れた担い手の育成
経営感覚と生産技術に優れた担い手の育成・確保、経営の円滑な継承を進めます。
土地基盤に立脚した経営体、農業支援組織を活用した効率的かつ安定的な生産性の高
い経営体や法人経営体など多様で効率的な経営体の育成を促進します。
(3)ゆとりある生産性の高い酪農及び肉用牛生産
省力的な飼養管理方法や新技術の導入、牛群資質の向上、コントラクターなどの活用
などによりゆとりある生産体制の実現を進めます。
(4)環境にやさしい農業
第5期帯広市農業農村基本計画の「環境と調和し帯広市の発展に貢献する力強い農林
業」に基づき、地域の基幹産業としての持続的な発展はもとより、安全・安心で良質な
食料を安定的に供給するとともに、環境への貢献など課題に的確に対応し、農業の持つ
多面的な機能発揮に取り組みます。
家畜排せつ物の適正な管理を行い、耕種農家と連携した堆肥循環を推進し、環境に配
慮した持続可能な農業を進めます。
(5)畜産物の安全・安心確保
帯広市「食」の安全・安心プランに基づき、安心して消費できること、安全な農畜産
1
物を生産すること、安心して農業ができること、環境にやさしい農業を柱として畜産物
の安全・安心の確保を目指します。
(6)食育の推進
帯広市食育推進計画に基づき、農業や農村を素材にしたふれあい教育や体験学習、
イベント等を積極的に展開します。
(7)食の価値の創出
フードバレーとかち推進プランに基づき、十勝のブランド力や良質な食資源などを
十分に活用し、ブランド化の推進、農商工連携、6次産業化などの各種事業を推進し、
食の価値を創出する取組みを進めます。
2
Ⅱ
生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標又は肉用牛の飼養頭数の目標
生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標については、自給飼料
基盤の強化、担い手の育成・確保、家畜の能力向上や飼養管理技術の高度化等を通じた
低コスト化、コントラクターやTMRセンターなどの支援システムの構築、家畜排せつ
物の適正な処理・利活用などの本市の酪農・畜産が抱えている諸課題が解決された場合
に、実現可能な目標として設定します。
1
生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標
生乳生産量の目標については、飲用牛乳については減少が見込まれるものの、チーズ
や液状乳製品等の需要の伸びにより、安定的に拡大することを前提に、経産牛頭数の維
持と一頭当たり乳量の増大等を見込み設定します。
乳牛の飼養頭数の目標については、目標年度における酪農家戸数、乳牛の個体能力、
繁殖管理技術の向上等を勘案して設定します。
地域名
区分
現在
帯広市
(平成20年度)
目標
(平成32年度)
総頭数
成牛頭数
経産牛頭数
経産牛1頭当たり
年間搾乳量
生乳生産量
頭
頭
頭
kg
t
8,753
5,835
5,637
8,270
46,616
8,700
5,798
5,600
9,000
50,400
資料:十勝畜産統計(現在値)
3
2
肉用牛の飼養頭数の目標
肉用牛の飼養頭数の目標については、生産性の高い大規模な専業経営や耕種等との複
合経営の育成、経営内及び地域内一貫体制の整備、地域ブランド化の推進等による道内
肥育仕向け率の向上のほか、受精卵移植などの活用による乳牛からの黒毛和種生産及び
繁殖雌牛の増頭等を見込み設定します。
(単位:頭)
地域名
区分
現在
帯広市
(平成20年度)
目標
(平成32年度)
肉用牛
総頭数
肉 専 用 種
繁殖雌牛 肥育牛
そ の
他
乳 用 種 等
計
乳用種 交雑種
計
16,617
91
1,574
1,321
2,986
5,253
8,378
13,631
17,100
200
1,800
1,600
3,600
5,200
8,300
13,500
資料:十勝畜産統計(現在値)
4
Ⅲ
酪農経営又は肉用牛経営の改善の目標
1
酪農経営方式
単一経営
経営概要
方式名
経営
飼養形態
形態 経産牛頭数飼養方式 外部化
飼料生産
給与方式 放牧利用 作付体系
頭以上
Ⅰ
現在 家族
60
ST
スタンチョン
60頭
ヘルパー
分離給与
60
ST
ヘルパー
(ha)
ha
舎飼
現在 家族
80
ST
スタンチョン
舎飼
80
ST
80頭
TMR
舎飼
TMR
FM
ヘルパー
舎飼
目標 家族 120
FM
ヘルパー
現在 法人 400
フリーストール
400頭
TMR
舎飼
(法人経営)
FM 公共牧場 TMR
FM
ほ乳ロボット
3.5
3,650
68
%以上
67
43.4
固液分離 9,000
混播主体 コントラクター
49.1
固液分離 8,200
液肥化
5.5
4,000
70
67
固液分離 9,000
3.5
3,650
68
67
堆肥化
液肥化
5.5
4,000
70
66
方式
混播主体 コントラクター
堆肥化
液肥化
方式
53.8
堆肥化
堆肥化
液肥化
50.2
スラリー方式 8,200
3.5
3,650
68
67
液肥化
混播主体 コントラクター
57.2
スラリー方式 9,000
5.5
4,000
70
65
液肥化
166.8 スラリー方式 8,200
3.5
3,650
68
67
液肥化
188.4 スラリー方式 9,000
5.5
4,000
70
65
液肥化
トウモロコシ
舎飼
ほ乳ロボット
目標 法人 400
り生産量 料自給率 給与率 利用方式
kg 以上 産次以上 kg 以上 %以上
固液分離 8,200
備考
たい肥
トウモロコシ
公共牧場
Ⅳ
当たり乳量
方式
部分放牧 混播主体 コントラクター
公共牧場
フリーストール
混播主体 コントラクター
トウモロコシ
TMR
土・草
方式
トウモロコシ
公共牧場
現在 家族 120
120頭
ヘルパー
39.6
トウモロコシ
公共牧場
(部分放牧) 目標 家族
Ⅲ
ヘルパー
混播主体 コントラクター
トウモロコシ
分離給与
牛
外部化 作付延べ 理方式 経産牛1頭 更新産次10a当た 経営内飼 粗飼料
面積
公共牧場
Ⅱ
ふん尿処
(うち放牧地)
公共牧場
目標 家族
生産性指標
混播主体 コントラクター
トウモロコシ
公共牧場 TMR
舎飼
混播主体 コントラクター
トウモロコシ
5
2
肉用牛経営方式
(1) 肉専用種繁殖経営
経営概要
飼養形態
方式名
現在
繁殖経営
(複合)
目標
Ⅱ肉専用種
繁殖経営
(複合)
Ⅲ肉専用種
繁殖経営
(専業)
飼料生産
放牧
経営
形態 経産牛 飼養 給与 利用 作付 外部化
頭数 方式 方式 (うち放 体系
牧地)
頭以上
Ⅰ肉専用種
生 産 性 指 標
現在
目標
現在
目標
家
族
経
営
複
合
家
族
経
営
複
合
家
族
経
営
専
業
(ha)
牛房 分離
繁殖雌 群飼 給与
15
-
繁殖雌 牛房 分離
30 群飼 給与
7.8
繁殖雌 牛房 分離
30 群飼 給与
牛
作付
延べ
面積
ふん尿
処理
方式
ha
混播
主体
-
9.2
混播
主体
-
19.4
-
混播
主体
-
繁殖雌 牛房 分離
50 群飼 給与
13.0
混播
主体
繁殖雌 牛房 分離
70 群飼 給与
8.7
混播
主体
繁殖雌 牛房 分離
100 群飼 給与
26.0
堆肥化
初産
月齢
出荷 出荷時
月齢 体重
10a
当たり
生産量
経営内
飼料
自給率
粗飼料
給与率
ヶ月
ヶ月
ヶ月
kg以上
kg以上
%以上
%以上
去勢
9.6
雌
10.1
去勢
8.0
雌
8.0
去勢
9.6
雌
10.1
去勢
8.0
雌
8.0
去勢
9.6
雌
10.1
去勢
8.0
雌
8.0
去勢
304
雌
291
去勢
253
雌
235
去勢
304
雌
291
去勢
253
雌
235
去勢
304
雌
291
去勢
253
雌
235
3,650
75
75.3
経営内
100%
4,000
76
76.2
経営内
100%
3,650
75
75.3
経営内
100%
4,000
76
76.2
経営内
100%
3,650
75
75.3
経営内
100%
4,000
76
76.2
経営内
100%
25.8
堆肥化
12.0
23.0
18.4
堆肥化
13.4
25.8
-
32.3
堆肥化
12.0
23.0
-
42.9
堆肥化
13.4
25.8
64.6
堆肥化
12.0
23.0
6
たい肥
利用
方法
分娩
間隔
13.4
コント
混播
ラクタ
主体
ー
土・草
備考
(2) 肉専用種肥育経営
経営概要
飼養形態
方式名
現在
一貫経営
(複合)
目標
Ⅴ肉専用種 現在
一貫経営
(専業)
Ⅵ肉専用種
肥育経営
(専業)
飼料生産
放牧
経営
作付
形態 経産牛 飼養 給与 利用
外部化
頭数 方式 方式 (うち放 体系
牧地)
頭以上
Ⅳ肉専用種
生 産 性 指 標
目標
現在
目標
家
族
経
営
複
合
家
族
経
営
専
業
家
族
経
営
専
業
繁殖
30
肥育
0
繁殖
30
肥育
35
繁殖
50
肥育
50
繁殖
70
肥育
90
(ha)
牛房 分離
群飼 給与
-
作付
延べ
面積
牛
土・草
ふん尿
備考
たい肥
経営内
処理 肥育開 出荷月 肥育期 出荷時 1日当 肉質等 10a
粗飼料
利用
たり増 級4等 当たり 飼料
方式 始月齢 齢
給与率
間
体重
方法
量 級以上 生産量 自給率
ha
混播
主体
堆肥化
-
18.4
とうも
混播
ろこし
主体
委託
21.5
堆肥化
19.7
混播
主体
34.1
堆肥化
牛房 分離
群飼 給与
18.2
コント
混播
ラク
主体
ター
50.1
堆肥化
牛房 分離
肥育
群飼 給与
200
-
コント
混播
ラク
主体
ター
11.9
堆肥化
肥育 牛房 分離
300 群飼 給与
-
コント
混播
ラク
主体
ター
25.5
堆肥化
牛房 分離
群飼 給与
-
牛房 分離
群飼 給与
-
7
ヶ月
ヶ月
ヶ月
去勢
9.6
雌
10.1
去勢
8.0
雌
8.0
去勢
9.6
雌
10.1
去勢
8.0
雌
8.0
去勢
9.6
雌
10.1
去勢
8.0
雌
8.0
去勢
28.3
雌
29.3
去勢
26.0
雌
27.0
去勢
28.3
雌
29.3
去勢
26.0
雌
27.0
去勢
28.3
雌
29.3
去勢
26.0
雌
27.0
去勢
18.7
雌
19.2
去勢
18.0
雌
19.0
去勢
18.7
雌
19.2
去勢
18.0
雌
19.0
去勢
18.7
雌
19.2
去勢
18.0
雌
19.0
kg以上 kg以上
去勢
739
雌
665
去勢
712
雌
646
去勢
739
雌
665
去勢
712
雌
646
去勢
739
雌
665
去勢
712
雌
646
去勢
0.821
雌
0.713
去勢
0.821
雌
0.750
去勢
0.821
雌
0.713
去勢
0.821
雌
0.750
去勢
0.821
雌
0.713
去勢
0.821
雌
0.750
%
去勢
56.1
雌
28.6
去勢
55.0
雌
50.0
去勢
56.1
雌
28.6
去勢
55.0
雌
50.0
去勢
56.1
雌
28.6
去勢
55.0
雌
50.0
kg以上
%以上
%以上
3,650
14
14
経営内
100%
4,000
14
14
経営内
100%
3,650
14
14
経営内
100%
4,000
14
14
経営内
100%
3,650
14
14
経営内
100%
4,000
14
14
経営内
100%
(3) 乳用種肥育経営
経営概要
飼養形態
方式名
飼料生産
放牧
経営
作付
形態 経産牛 飼養 給与 利用
外部化
頭数 方式 方式 (うち放 体系
牧地)
頭以上
Ⅶ乳用種
生 産 性 指 標
現在
一貫経営
(専業)
目標
家
族
経
営
専
業
育成
(ha)
牛房 分離
群飼 給与
肥育
2,000
育成
(1,000) 牛房 分離
肥育 群飼 給与
2,000
作付
延べ
面積
牛
土・草
ふん尿
備考
たい肥
経営内
処理 肥育開 出荷月 肥育期 出荷時 1日当 肉質等 10a
粗飼料
利用
たり増 級3等 当たり 飼料
方式 始月齢 齢
給与率
間
体重
方法
量 級以上 生産量 自給率
ha
-
イネ コント
ラク 113.9
科
主体 ター
-
イネ コント
274.5
科 ラク
主体 ター
堆肥化
堆肥化
8
ヶ月
ヶ月
ヶ月
乳雄
7.9
交雑
8.7
乳雄
6.0
交雑
7.0
乳雄
20.0
交雑
26.5
乳雄
20.0
交雑
24.0
乳雄
12.1
交雑
17.8
乳雄
14.0
交雑
17.0
kg以上 kg以上
乳雄
770
交雑
787
乳雄
800
交雑
717
乳雄
1.182
交雑
0.927
乳雄
1.234
交雑
0.927
%
乳雄
5.5
交雑
54.4
乳雄
10.0
交雑
60.0
kg以上
%以上
%以上
3,650
12
12
経営内
100%
4,000
12
12
経営内
100%
Ⅳ
乳牛又は肉用牛の飼養規模の拡大のための措置
1
乳牛
(1)区域別乳牛飼養構造
区分
帯広市
②/①
①
②
総農家
飼養農家
戸数
戸数
現在
乳牛頭数
③
総
1戸当たり
④
数
うち成牛
頭数
平均飼養頭数
③/②
戸
戸
%
頭
頭
頭
740
94
12.7
8,753
5,835
93
8,700
5,798
102
目標
85
(2)乳牛の飼養規模の拡大のための措置
ア
自給飼料基盤に立脚した酪農の推進
粗飼料自給率の向上を図るため、栽培管理技術の高度化を図るとともに、牧草の優良多
収品種の普及、草地整備改良の推進、簡易更新技術の普及のほか、新品種や簡易耕起栽培
等を活用したサイレージ用とうもろこしの作付拡大を推進します。
良質粗飼料の効率的な生産を推進するため、コントラクターやTMRセンターを活用す
るとともに、良質な地域未利用資源をエコフィード等の自給飼料として有効活用し、地域
の自給飼料基盤の更なる確立を促進します。
イ
多様で効率的な経営体の育成
生産コストの低減などによる経営体質の強化を図るため、酪農・畑作の混合地帯として
の地域特性を生かした生産性の高い経営体、受精卵移植技術活用による肉専用種育成混合
経営の育成、コントラクターやヘルパー組織を活用した個別経営体の育成、規模拡大を図
る経営体の法人化など各種経営条件に適応した多様で効率的な経営体の育成を推進します。
自家生産の乳肉製品の販売など6次産業化を推進します。
ウ
優れた担い手の育成と経営の円滑な継承
新規参入者や就農希望者、後継者等を対象とした研修制度の充実を図るとともに研修施
設等の環境を整備し、優れた担い手の育成・確保と、経営の円滑な継承を推進します。
後継者不在農家の農地・施設の円滑な継承を図るため、融資制度などを活用した新規参
入を推進します。
エ
ゆとりある生産性の高い酪農の実現
・経営の高度化・合理化
各種講習会や研修会を通し、情報機器の活用促進を図るとともに、受精卵移植などの高
度な生産技術を導入し、経営の高度化・合理化を推進します。乳牛検定情報、飼料分析、
9
飼料診断、土壌分析及び堆肥分析など科学的な分析に基づく適切な技術の普及、活用を促
進します。
・乳牛改良
乳牛検定組合の充実と加入率の向上を図るとともに、乳牛検定情報の効率的な活用を図
り牛群の資質の向上と斉一化を推進します。
乳牛の改良にあたっては、泌乳能力の向上に加え、チーズなど乳製品の需要動向に対応
して無脂乳固形分率と乳蛋白質率の向上に努め、健康な牛から安全な牛乳生産が行なわれ
ることを基本として、粗飼料利用や繁殖率の向上などによる生涯生産性を伸ばし生産コス
トの低減につながる改良を推進します。
・支援体制の確立
家族経営を中心とした経営体の育成・継続を支援するため、コントラクター、ヘルパー、
帯広市八千代公共育成牧場など地域で支える経営支援システムを確立することにより、作
業の外部委託化や労働軽減などを図ります。
10
2
肉用牛
(1)区域別肉用牛飼養構造
①
②
地 域 名 総農家 飼養農 ②/①
戸数 家戸数
戸
肉専用種
繁殖経営
現在
肉専用種
肥育経営
現在
肉専用種
一貫経営
現在
乳用種・交雑種
育成経営
現在
乳用種・交雑種
肥育経営
現在
乳用種・交雑種
一貫経営
現在
合 計
740
目標
1
計
頭
繁殖雌牛
頭
頭
141
141
91
200
200
150
乳用種等
肥育牛
頭
その他
頭
計
乳用種
頭
50
0
50
0
3
2,845 2,845
1,574
1,271
0
3
3,200 3,200
1,700
1,500
0
740
3
740
2
2
740
1
1,800
0
740
19
16,617 2,986
91
1,574
24
17,100 3,600
200
1,800
1,600 13,500
目標
目標
目標
交雑種
頭
頭
0
740
目標
目標
10
%
14
740
目標
現在
戸
肉用牛飼養頭数
肉専用種
総
数
0
0
1
200
200
3
3,453
0
3,453
3,453
3,400
0
3,400
3,400
8,378
0
8,378
8,300
0
8,300
1,800
0
1,800
1,800
1,800
1,800
1,321 13,631
5,253
8,378
5,200
8,300
1
0
50
100
50
0
8,378
8,300
(2)肉用牛の飼養規模の拡大のための措置
遺伝的能力を十分に発揮するための飼養管理技術の向上、地域の飼料資源等の活用や品種
特性を活かした肉用牛生産の推進、自給飼料の生産性向上などに重点をおいた取組みを推進
します。
ア
肉専用種繁殖経営
所得の確保・増大に向け、耕種部門・酪農部門との複合経営の育成と生産効率の改善に
よる生産性の向上を図り、肉専用種の生産を推進します。
イ
肉専用種肥育経営
育種改良や肥育技術の向上により、肉質の斉一性と肉量の確保を図り、安定した経営を
確立するとともに、自動給餌機等の導入による省力化と規模拡大を推進します。
ウ
肉専用種一貫経営
繁殖農家に対する肥育技術の指導等により、一貫経営への移行を推進します。
エ
乳用種・交雑種の育成経営、肥育経営及び一貫経営
酪農家による初生牛の適正管理と導入後の疾病対策等により事故率の低減を図るととも
に、ほ乳ロボット等の導入による省力化を推進します。
また、ほ場副産物や粗飼料の有効活用などによる低コスト生産を促進し、安定した経営
の確立と規模拡大を推進します。
11
Ⅴ
飼料の自給率の向上のための措置
1
飼料需要見込み量
1頭当たり
頭数
年間必要
TDN量
年間必要
TDN量
①
頭
成 牛
5,798
育成牛
2,902
乳牛 計
8,700
繁殖雌牛
200
育成牛
1,500
子 牛
100
計
1,800
肥 肉専用種 1,800
育 乳用種
5,200
牛 交雑種
8,300
計
15,300
合 計
25,800
肉
用
牛
2
市町村内産自給飼料から供給されるTDN量
飼 料
自給率
現在の 備
飼 料
自給率 考
粗飼料
区分
乳
牛
粗飼料給与率 粗飼料自給率
②
kg
5,209
1,572
1,536
1,622
1,726
1,534
2,232
1,854
-
③=
①×②
kg
30,201,782
4,561,944
34,763,726
307,200
2,433,000
172,600
2,912,800
2,761,200
11,606,400
15,388,200
29,755,800
67,432,326
うち うち うち うち
良質 低質 良質 低質
⑤
⑦
④
⑥
%
64.8%
79.2%
66.7%
95.0%
74.0%
74.0%
76.2%
17.0%
12.0%
15.0%
14.0%
43.9%
%
%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
100%
%
うち低質
⑨=
③×⑤×
⑦
うち良質
⑧=
③×④×⑥
kg
19,570,754
3,613,060
23,183,814
291,840
1,800,420
127,724
2,219,984
469,404
1,392,768
2,308,230
4,170,402
29,574,200
kg
濃厚飼料
⑩
計
⑪=⑧+⑨+⑩ ⑫=⑪/③
kg
kg
711,921 20,282,676
305,109
3,918,169
1,017,030 24,200,844
291,840
1,800,420
127,724
2,219,984
469,404
1,392,768
2,308,230
4,170,402
1,017,030 30,591,230
%
67%
86%
70%
95%
74%
74%
76%
17%
12%
15%
14%
45%
⑬
%
66%
84%
68%
95%
74%
74%
75%
17%
12%
15%
14%
44%
飼料給与
(1)飼料給与
市
町
村
内
産
飼
料
市
町
村
外
産
飼
料
粗飼料
牧草類(良質粗飼料)
稲発酵粗飼料(WCS)
野草
稲わら
その他
濃厚飼料
飼料用米
エコフィード等
その他
合 計
粗飼料
輸入品
濃厚飼料
飼料用米
エコフィード等
その他
合 計
現 在
目 標
TDNkg
TDNkg
28,750,745 29,574,200
28,750,745 29,574,200
323,901
1,017,030
323,901
1,017,030
29,074,646
1,827,140
30,591,230
1,842,055
34,715,654
34,999,041
36,542,793
36,841,096
(2)具体的措置
にんじん残渣など域内で発生する未利用の有機資源について、給与方法の確立を図ると
ともに排出業者と利用農家の連携を図り、エコフィードなど飼料化による利用を促進しま
す。
12
3
飼料供給計画
(1)飼料供給計画
地
域
名
区分
飼料作物の作付面積
田
畑
稲発酵
粗飼料 普通畑 牧草地
(WCS)
飼料作物
作付面積
(ha)
野草地等
面積
(ha)
820
生産量(t)
帯
広
市 生産量の
TDN
換算量(t)
10a当たり
生産量
(t)
10a当たり
TDN量
(t)
地
域
名
区分
生産量(t)
帯
広
市 生産量の
TDN
換算量(t)
10a当たり
生産量
(t)
10a当たり
TDN量
(t)
計
①
(ha)
3,802
4,622
43,300 138,773
182,073
4,936
5,273
10,209
5.28
3.65
3.94
1.14
0.38
0.22
飼料作物の作付面積
田
畑
稲発酵
粗飼料 普通畑 牧草地
(WCS)
飼料作物
作付面積
(ha)
野草地等
面積
(ha)
現在(平成20年)
放牧面積
950
林
地
野
草
地
小
計
②
田
畑
そ
の
他
計
(ha)
4,622
目標(平成32年)
放牧面積
計
①
3,752
4,702
57,000 150,080
207,080
12,350
16,884
29,234
6.00
4.00
4.40
1.30
0.45
0.62
飼料供給 乳牛換算
稲
地面積 1頭当たり 飼料用
米作付
わ
④
③=①+②
け面積
ら
(a)
×0.1
林
地
野
草
地
小
計
②
田
畑
そ
の
他
計
(ha)
考
52.8
飼料供給 乳牛換算
稲
地面積 1頭当た
わ
り
③=①+②
ら
④
×0.1
4,702
備
飼料用
米作付
け面積
備
考
54.0
(2)具体的措置
ア
放牧の推進
放牧利用を取り入れた生産体系の拡大を図るため、飼養管理、牧野管理、衛生管理等地
域に適応した放牧の普及・定着を推進します。
八千代公共育成牧場の効率的な利用を図るため、地域の飼養動向、利用農家ニーズに対
応するとともに、機能の充実・強化、老朽施設の更新や草地・放牧地の整備を推進します。
イ
生産性及び利用率の向上
飼料作物の増産を図るため、優良品種の導入及び栽培管理技術の普及を推進します。
労働力の軽減や低コスト化を図るため、作業の共同化やコントラクター・TMRセンタ
13
ーなどの外部委託を図り、効率的な飼料生産を推進します。
ウ
耕畜連携の推進
耕種農家の輪作体系の維持と飼料用とうもろこしの増産を目的とした耕畜連携を推進
します。
4
飼料基盤の確保等
(1) 飼料基盤の造成・整備計画
(単位:ha)
地域名
帯広市
目標年度までの事業実施予定面積
整 備
造 成
牧草地 飼料畑 その他
計
現在の飼料基盤面積
牧草地
飼料畑
3,802
820
その他
計
4,622
3.4
910
910
(2)具体的措置
優良な飼料基盤の確保と農地の流動化及び劣悪地の改良整備・更新のため、農業基盤整備
事業を活用し高生産で安定的な飼料基盤を整備します。
14
Ⅵ
1
生乳の生産者の集乳施設の整備その他集乳の合理化のための措置又は肉用牛の
共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置
集送乳の合理化
現在(平成20年度)
バルククーラー
バルク
クーラー数
2
クーラーステーション
1バルク当
たり乳量
基
kg/日
94
1,359
目標(平成32年度)
ミルクタンクローリー
バルククーラー
1クーラース
1ミルクタン
クーラース
ミルクタンク
テーション当
クローリー当
テーション数
ローリー数
たり乳量
たり乳量
ヶ所
kg/日
台
バルク
クーラー数
kg/日
12
10,643
クーラーステーション
ミルクタンクローリー
1クーラース
1ミルクタン
クーラース
ミルクタンク
テーション当
クローリー当
テーション数
ローリー数
たり乳量
たり乳量
1バルク当
たり乳量
基
kg/日
85
1,625
ヶ所
kg/日
台
kg/日
12
11,507
肉用牛の共同出荷その他肉用牛の流通の合理化のための措置
(1) 肉用牛の出荷
ア
肉用牛の出荷形態
現在(平成20年度)
系統
子牛
肉専用種
目標(平成32年度)
生産者
肥育牛
子牛
家畜商
肥育牛
子牛
系統
肥育牛
子牛
生産者
肥育牛
子牛
家畜商
肥育牛
子牛
肥育牛
595
132
812
0
680
151
929
0
乳用種
4,862
1,489
2,238
70
4,813
1,474
2,215
69
交雑種
2,455
33
2,502
37
2,432
33
2,479
37
イ
肉用牛(肥育牛)の出荷先
現在(平成20年度)
目標(平成32年度)
出荷先
出荷頭数
①
食肉処理
加工施設
②
出荷先
道内
家畜
市場
その他
頭
頭
%
出荷頭数
①
食肉処理
加工施設
②
家畜
市場
その他
頭
頭
②/①
道外
頭
頭
頭
頭
944
529
416
56% 肉専用種
1,080
767
乳用種
3,727
2,870
857
77% 乳用種
3,689
3,689
100%
交雑種
2,535
1,952
583
77% 交雑種
2,511
2,511
100%
肉専用種
頭
②/①
道外
道内
頭
%
313
71%
(2)肉用牛の流通の合理化
現在の系統による取引、市場の開催を、より適切で合理的なものとするための支援を行
います。
15
Ⅶ
1
その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項
畜産物の消費拡大
地域の認証制度と連携して、地場産畜産物が、安全・安心で良質であることの信頼性を高
めます。
地場産の畜産物を地元で消費する地産地消を推進し、消費拡大を図ります。
2
支援組織の基盤強化
帯広畜産センターをはじめ、農作業支援組織の利用促進に努め、経営体の基盤強化を図り
ます。
3
家畜排せつ物の利用による資源循環型酪農・畜産の推進
環境に負荷をかけない資源循環型酪農・畜産の確立に向け、自給飼料生産基盤と飼養規模
の調和を図りながら、自己経営農地や地域内を基本とした家畜排せつ物の循環利用を推進及
びシステムの構築を図ります。
4
安全・安心対策
飼養衛生管理基準に基づく適切な飼養管理を徹底するとともに、牛トレーサビリティ制度
を遵守します。
生産履歴の記帳並びに記録保管を実施し、ポジティブリスト制度に対応した農薬、動物用
医薬品等の適正使用を遵守し、安全・安心な農畜産物の生産を進めます。
5
食育の推進
八千代公共育成牧場のふれあい施設の機能を充実し、ふれあい教育、体験学習の充実を図
り、関係機関と連携した食育を進めます。
農家自らが行なう先進的な教育ファーム、ファームインの情報提供に努めます。
6
家畜伝染病の侵入防止等
国内や近隣諸国等での口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザの発生を踏まえ、海外悪性伝染
病の侵入防止に向けて、家畜や施設等の消毒の徹底や部外者の立入制限など農場段階におけ
る自主的な衛生管理の強化を促進するとともに、畜産農家や関係機関・団体と一体となって
侵入防止対策に万全を期すほか、万が一、これらが発生した場合に、その被害を最小限にく
い止めるよう防疫体制の整備等に努めます。
16
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