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島 根 県

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島 根 県
計画期間
平成22年度∼平成32年度
島根県酪農・肉用牛生産近代化計画書
平成23年3月
島 根 県
【目 次】
Ⅰ 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
Ⅱ 生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
2 肉用牛の飼養頭数の目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
Ⅲ 近代的な酪農経営方式及び肉用牛経営方式の指標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
1 酪農経営方式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
2 肉用牛経営方式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
Ⅳ 乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大に関する事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
1 乳牛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7
2 肉用牛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
Ⅴ 飼料の自給率の向上に関する事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
1 飼料需要見込量・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2 2 飼料給与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
3 飼料供給計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
10
4 飼料基盤の確保等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
Ⅵ 集乳及び乳業の合理化並びに肉用牛及び牛肉の流通の合理化に関する事項・・・・・・・・
12
1 集送乳の合理化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
2 乳業の合理化等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
12
3 肉用牛及び牛肉の流通の合理化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
Ⅶ その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
Ⅰ 酪農及び肉用牛生産の近代化に関する方針
1 酪農・肉用牛生産を取り巻く現状と課題
本県の畜産、とりわけ「酪農及び肉用牛生産」は、県全体の農業産出額の約20%を占め、重要な基
幹作目に位置づけられる。そして、県土の地勢的な特徴である中山間地域や離島地域の振興にとって
は、欠くことのできない支柱的産業となっている。また、それらの生産物は、県内外から特産物として
の高い評価を得ており、農家経営の一躍を担っている。加えて、自給飼料生産を通じた県土の有効活用
や自然環境の保全、良好な景観の形成など多面的な機能を有している。
しかしながら、昨今の畜産を巡る情勢は、世界的な穀物価格の高騰や景気低迷のあおりを受けて、懸
命な経営努力にもかかわらず、生産コストの上昇と販売価格の低迷によって所得の大幅な減少に直面し
ており、県内の生産者もその例外ではない。
また、これらの危機的状況に加えて、平成22年4月に宮崎県で発生した口蹄疫の災禍は、酪農及び
肉用牛生産に対して物心両面で重大なダメージを与えている。
このような現状において、酪農及び肉用牛生産の近代化を進めるため、(1)輸入飼料への依存低減
と自給飼料の利用向上による資源循環型生産システムへの転換、(2)地域の特色を活かした創意工夫
あふれる多様な担い手の育成、(3)家畜防疫対策を充実することが喫緊の課題である。
2 酪農・肉用牛生産の展開方向
上記の課題を解決するため、次のとおり施策の展開を図っていく。
(1)基本的な考え方
① 酪農
酪農については、輸入飼料依存から脱却するため、飼料用稲等自給飼料生産の共同化やコントラク
ター組織・TMRセンターの設立・エコフィードの活用を支援していくことにより、飼料自給率の向上
を図る。
また、指定生乳生産者団体の広域化によるスケールメリットを活かし、更なる集送乳の合理化による
生産流通コストの低減を図る。さらに、乳用牛の改良と飼養管理技術の向上により収益の拡大を図る。
担い手について、安心して就農できるようヘルパー制度、担い手間のネットワーク体制や経営支援体
制を充実することで、酪農経営が継続、発展できる環境を整えていく。
② 肉用牛
肉用牛については、輸入飼料依存から脱却するため、稲ホールクロップサイレージや飼料用米など飼
料用稲の活用を推進するとともに、耕作放棄地や保全管理農地を放牧に利用することで、農地の有効活
用を進めていく。
また、担い手確保について、地域や経営の実状に応じ、各種施策を展開しつつ、経営支援体制を充実
することで、新たな担い手として集落ぐるみによる肉用牛を飼養する組織の育成に取り組んでいく。
併せて、市場評価の高い子牛や高品質で特色のある「しまね和牛肉」の安定的な供給体制が構築でき
るよう、受精卵移植を活用した素牛生産を拡大するなど、しまね和牛の改良と飼養管理技術の高位平準
化を図りながら県内における素牛生産から肥育までの一貫生産体系を支援する。
(2)6次産業化の取組等による持続可能な酪農及び肉用牛生産への転換
酪農及び肉用牛生産を産業としての持続性を確保するため、6次産業化の取組等により所得の増大を
図る必要がある。
このため、意欲ある酪農及び肉用牛経営者が、加工や直接販売に進出し、経営を多角化・高度化する
6次産業化を推進する。また、地域ブランド化を図ることにより販売価格を高めるとともに、生産者団
体が外食産業や観光産業と積極的に連携することで新たな商品開発や販路の拡大を推進する。
さらに、次のような取り組みを推進する。
1
ア 生産・加工・販売の一体化による付加価値の向上
イ 新規就農の促進等による多様な担い手の育成・確保
ウ 飼養管理技術の高度化と畜産新技術の開発・普及
エ 品種特性を活かした家畜改良の促進
オ 地域資源を活用して生産された牛肉のブランド化
カ マーケティング情報を活用した販路の拡大
キ 生乳流通及び牛肉流通の合理化
ク アニマルウェルフェアの理解促進
(3)資源循環型で環境負荷軽減に資する自給飼料基盤に立脚した酪農及び肉用牛生産への転換
家畜排せつ物を、たい肥として飼料生産に利用することにより「土・草・牛」を通じた資源循環を図
る。また、輸入飼料に依存している現状を見直し、平成20年度から全国に先駆けて取り組んでいる飼
料用米など地域内資源の有効活用による自給飼料基盤に立脚した酪農及び肉用牛生産を支援するため次
のような取り組みを推進する。
但し、自給飼料生産の拡大には課題が多く、耕畜連携を柱に関係機関が一体となり推進していく。
ア 自給飼料の利用拡大
イ 家畜排せつ物の適正管理と食品廃棄物のリサイクル
ウ 飼料用稲の生産拡大と耕畜連携による資源の循環
エ コントラクター、TMRセンター等の活用による飼料生産の外部化・広域流通
オ 耕作放棄地、野草地、林地等の放牧利用
カ
公共牧場等の広範な利用推進や再整備による機能強化
キ 排水対策・悪臭防止対策等、畜産環境対策
(4)消費者ニーズに応えた畜産物の生産・加工・流通
消費者のライフスタイルの変化、健康志向の高まり等により、消費者ニーズは多様化している。この
変化に的確に対応するとともに、消費者から支持される畜産物の安定供給を図るため、次のような取り
組みを推進する。
ア 安全な畜産物を安定供給するため、家畜伝染性疾病の発生予防及びまん延の防止、迅速な家畜
衛生関連の情報の提供、産業動物獣医師等の確保、飼養衛生管理の向上、飼料・飼料添加物の安全
性の向上、動物用医薬品の適正使用・流通、農薬の適正使用
イ
多様化する消費者・実需者ニーズに対応した生乳・和牛肉の生産
ウ
牛トレーサビリティへの対応
エ 地産地消の推進
(5)畜産に対する県民の理解の確保
県民一人ひとりが、生涯を通じて健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の増進等が図れるよう、
畜産分野においても食育の一環として、次のような取り組みを推進する。
ア 本県畜産業の歩み、家畜の特性や飼養管理状況、飼料生産等に関する情報提供
イ 搾乳体験や農作業体験等を通じた消費者と生産者の交流促進
ウ 子供たちや保護者に対する「食」や「生命」に関する教育
2
Ⅱ 生乳の生産数量の目標並びに乳牛及び肉用牛の飼養頭数の目標
1 生乳の生産数量及び乳牛の飼養頭数の目標
現在(平成20年度)
区域名
島根県
区域
の範囲
全域
合計
総頭数
成牛頭数
経産牛
頭数
経産牛1頭
当たり年間
搾乳量
生乳
生産量
頭
頭
頭
kg
t
10,805
7,879
7,599
8,390
63,752
10,805
7,879
7,599
8,390
63,752
(注)1.区域名は、第1の3の(3)に定めるところにより行った区域区分とし、区域の範囲は市町村をもって表示すること。
また、以下の諸表における区域区分もこれと同じ範囲によること。
2.生乳生産量は、自家消費量を含め、総搾乳量とする。
3.「目標」欄には、計画期間の平成32年度の計画数量を、「現在」欄には原則として平成20年度の数量を記入する
こと。以下、諸表について同じ。
4.成牛とは、24ヶ月齢以上のものをいう。以下、諸表において同じ。
目標(平成32年度)
区域名
島根県
区域
の範囲
全域
合計
総頭数
成牛頭数
経産牛1頭
当たり年間
搾乳量
頭
kg
経産牛
頭数
生乳
生産量
頭
頭
t
10,590
7,722
7,460
8,600
64,153
10,590
7,722
7,460
8,600
64,153
2 肉用牛の飼養頭数の目標
現在(平成20年度)
区域名
区域の
範囲
肉専用種
肉用牛
総頭数
繁殖雌牛
頭
頭
島根県
全域
合計
肥育牛
頭
乳用種等
その他
計
頭
頭
乳用種
頭
交雑種
頭
計
頭
34,895
10,352
12,760
4,430
27,542
1,533
5,820
7,353
34,895
10,352
12,760
4,430
27,542
1,533
5,820
7,353
(注)1.繁殖雌牛とは、繁殖の用に供する全ての雌牛であり、子牛、育成牛を含む。
2.肉専用種のその他は、肉専用種総頭数から繁殖雌牛及び肥育牛頭数を減じた頭数で子牛を含む。以下、諸表において
同じ。
3.乳用種等とは、乳用種及び交雑種で、子牛、育成牛を含む。以下、諸表において同じ。
目標(平成32年度)
区域名
区域の
範囲
肉専用種
肉用牛
総頭数
繁殖雌牛
頭
頭
島根県
合計
全域
肥育牛
頭
乳用種等
その他
計
頭
頭
乳用種
頭
交雑種
頭
計
頭
35,640
10,401
13,398
4,635
28,434
1,502
5,704
7,206
35,640
10,401
13,398
4,635
28,434
1,502
5,704
7,206
3
Ⅲ 近代的な酪農経営方式及び肉用牛経営方式の指標
1 酪農経営方式
単一経営
経営概要
飼料生産
飼養形態
方式名
経営形態
経産牛
頭数
飼養方式
外部化
放牧利用
給与方式 (うち放牧 作付体系
地)
ha
頭以上
現在
目標
家族
家族
酪農経営
目標
目標
−
繋ぎ、パ
42 イプライ ヘルパー
ン
分離
繋ぎ、パ
50 イプライ ヘルパー
ン
分離
(
200
法人
フリース
トール
パーラー
方式
)
−
(
フリース
トール
100
ヘルパー TMR
パーラー
方式
家族
)
−
(
)
−
TMR
−
(
)
−
6 ふん尿混合
混播、イ
タリアン
−
12 ふん尿混合
混播、イ TMRセ
タリアン ンター
27 ふん尿混合
混播、イ TMRセ
タリアン ンター
27 ふん尿混合
土・草
方式名
備考
10a当た 経営内飼
更新産次
り生産量 料自給率
kg以上 産次以上
粗飼料
給与率
kg以上
%以上
%以上
たい肥
利用方法
現在
8,390
3.4
3,590
15
38
経営内30%
経営外70%
目標
8,600
4.0
6,500
40
50
経営内50%
経営外50%
目標
8,600
4.0
6,500
40
50
経営内50%
経営外50%
目標
8,600
4.0
6,500
40
50
経営内50%
経営外50%
酪農経営
4
ふん尿
処理方式
混播、イ
タリアン
生産性指標
牛
作付
延べ面積
ha
(注)「備考」欄には「方式名」の欄に掲げる方式を適用すべき区域名等を記入すること。
経産牛
1当たり
乳量
外部化
2 肉用牛経営方式
(1)肉専用種繁殖経営
経営概要
飼養形態
方式名
経営形態
飼料生産
放牧利用
飼養頭数 飼養方式 給与方式 (うち放 作付体系
牧地)
頭以上
現在
家族
ha
単房
7 (地域によ
り放牧)
目標
家族
30
フリース
トール
目標
家族
家族
30 放牧主体
100
フリース
トール
1.6
分離
(乾草主体)
( 1.6 )
(
(
イタリア
ン
−
混播
コントラクター
3 たい肥化
混播
−
2 たい肥化
混播
コントラクター
7 たい肥化
0.5 たい肥化
)
8
)
−
分離
(通年サイ
レージ)
ha
8
分離
(通年サイ
レージ)
ふん尿
処理方式
−
分離
(通年サイ
レージ)
肉専用種
繁殖経営
目標
外部化
作付
延べ面積
(
)
生産性指標
牛
土・草
方式名
備考
分娩間隔 初産月齢 出荷月齢
ヶ月
ヶ月
13.4
25.3
ヶ月
雌 8.8
現在
雌 251
去勢8.6
去勢 275
雌 8.4
12.6
24
(255日齢)
雌 260
去勢8.0
去勢 285
(240日齢)
肉専用種
繁殖経営
雌 8.4
目標
12.6
24
(255日齢)
雌 260
去勢8.0
去勢 285
(240日齢)
雌 8.4
目標
13.1
24
kg以上
(268日齢)
(260日齢)
目標
出荷時
体重
(255日齢)
雌 260
去勢8.0
去勢 285
(240日齢)
10a当た 経営内飼
り生産量 料自給率
粗飼料
給与率
たい肥
利用方法
kg以上
%以上
%以上
4,870
55
67
経営内100%
経営外 0%
5,500
60
80
経営内100%
経営外 0%
5,500
70
80
経営内100%
経営外 0%
5,500
60
80
経営内100%
経営外 0%
5
(2)肉専用種(又は乳用種・交雑種)肥育経営
経営概要
飼料生産
飼養形態
方式名
経営形態
飼養頭数 飼養方式 給与方式
作付体系
外部化
頭以上
肉専用種
肥育経営
ふん尿
処理方式
作付
延べ面積
ha
現在
家族
122
群飼
分離
稲わら外
−
目標
家族
200
群飼
分離
稲わら
(稲WCS含
む)
コントラクター
14.2 たい肥化
稲わら
(稲WCS含
む)
コントラクター
8.5 たい肥化
繁殖30
目標
家族
肥育50
(繁殖)
フリース
トール
(肥育)
群飼
分離
(通年サイ
レージ)
5.4 たい肥化
(注)1.繁殖部門との一貫経営を設定する場合には、肉専用種繁殖経営の指標を参考に必要な項目を追加すること。
生産性指標
土・草
牛
備考
方式名
肥育開始
出荷月齢 肥育期間
時月齢
肉専用種
肥育経営
出荷
時体重
1日当たり
増体重
10a当た 経営内飼
肉質等級
り生産量 料自給率
粗飼料
給与率
たい肥
利用方法
kg以上
%以上
%以上
0.74 A3主体
飼料作物
4,870
1.9
12.4
経営内 5%
経営外95%
750
0.84 A4以上
イネWCS
3,250
10
20
経営内20%
経営外80%
750
0.84 A4以上
イネWCS
3,250
25
30
経営内40%
経営外60%
ヶ月
ヶ月
ヶ月
kg以上
現在
8.8
29
20
744
目標
8
27
19
目標
8
27
19
kg以上
6
Ⅳ 乳牛及び肉用牛の飼養規模の拡大に関する事項
1 乳牛
(1)区域別乳牛飼養構造
乳牛頭数
区域名
②
①
飼養農家
総農家数
戸数
②/①
総数
③
1戸当た
り平均飼
うち成牛 養頭数
頭数
③/②
④
戸
戸
%
頭
頭
頭
180
現在
44,312
0.41
10,805
7,879
60
(
)
島根県
108
目標
10,590
7,722
98
(
)
(注)「飼養農家戸数」欄の( )には、子畜のみを飼育している農家の戸数を内数で記入する。
(2)乳牛の飼養規模の拡大のための措置
ア 飼養管理技術の高度化及び牛群検定情報の活用等による生産性向上や乳牛の能力向上による所得増
大を図る。
イ 酪農ヘルパー等の支援組織の充実・強化を推進することにより、労働負担の軽減や就業者の疾病時
における生産基盤の維持を図る。
ウ 自給飼料給与体系への転換を目指すとともに、稲発酵粗飼料(稲WCS)等の生産を外部委託でき
るようコントラクター等の組織を育成することにより飼料生産に係る労力の低減を図る。
エ 循環型農業を推進することにより、たい肥の計画的な出荷を支援して堆肥販売の労力軽減を図る。
オ 後継者の円滑な就農や法人化への誘導を図るため、経営規模拡大に必要なコスト意識や経営管理
能力の習得に必要なアドバイス体制を確立する。
7
2 肉用牛
(1)区域別肉用牛飼養構造
区域名
①
②
総農家数 飼養農家
戸数
肉用牛飼養頭数
②/①
肉専用種
総数
計
繁殖雌牛
乳用種等
肥育牛
その他
計
乳用種
交雑種
戸
戸
%
頭
頭
頭
頭
頭
頭
頭
頭
肉専用種繁
現在
島根県
殖経営
目標
44,312
1,520
3.43
10,448
10,448
7,317
0
3,131
0
0
0
10,628
10,628
7,352
0
3,276
0
0
0
現在
44,312
24,447
17,094
3,035
12,760
1,299
7,353
1,533
5,820
肉専用種肥
島根県
育経営
1,124
165
0.37
3,049
13,398
148
7,206
1,502
25,012
17,806
1,359
目標
( 67 )
( 3,049 ) ( 6,713 )
(注)( )内には、一貫経営に係る分(肉専用種繁殖経営、乳用種・交雑種育成経営との複合経営)について内数を記入すること。
5,704
(2)肉用牛の飼養規模の拡大のための措置
ア 肉用牛繁殖経営
繁殖経営については、稲作との複合経営などによる小規模経営が主体であるが、転作田や耕作放棄地
等を活用した放牧の推進による省力化、飼料作物の生産や飼料用稲の活用を推進する。
また、子牛飼い方マニュアルの実践による子牛育成技術の向上や生産性を改善するため飼養管理技術
の向上を図る。
さらに、高齢な飼養者や多頭経営を支援し、労働力を補完するヘルパー組織の機能強化を図るととも
に、新たに肉用牛飼育を開始する集落営農組織の育成など地域ぐるみでの取り組みによる飼養環境の整
備を行うことにより経営の安定と飼養規模の拡大を推進する。
併せて、受精卵移植技術等を活用し、優秀な能力を持つ繁殖雌牛群への改良を図る。
なお、子牛の価格変動の影響を緩和するため、大規模経営については、資金繰り等も勘案しながら繁
殖・肥育一貫経営について検討する。
イ 肉用牛肥育経営
飼養管理技術の向上による品質に優れた肥育牛の生産を図り、販売額の増大を目指すとともに、肥育
期間の短縮による経費の節減など経営の合理化により、規模拡大を図る。
また、耕畜連携による稲わらの確保、飼料用米の活用による飼料自給率の向上を図るとともに、生産
コストの低減に努め、経営の安定を図る。
なお、繁殖経営と肥育経営との連携を密にし、地域内一貫生産体制の確立と「しまね和牛肉」のブラ
ンド化を推進することにより収益性の向上と経営の安定を図る。
ウ 乳用種・交雑種肥育経営
飼養頭数規模の拡大によるスケールメリットを活かした経営や飼養管理技術の向上による肥育期間の
短縮によりコスト低減を図り、経営の安定化を推進する。
8
Ⅴ 飼料の自給率の向上に関する事項
1 飼料需要見込量(目標年度)
粗飼料給与率
区分
乳
牛
肉
用
牛
1頭当た
年間必要TDN
り年間必
量
要量TDN
③=
量
①×②
②
頭数
①
都道府県内産飼料から
供給されるTDN量
粗飼料自給率
うち
良質
④
うち
低質
⑤
うち
良質
⑥
うち
低質
⑦
うち
うち
低質
良質
⑧=③×④ ⑨=③×⑤
×⑦
×⑥
kg
kg
%
頭
kg
kg
%
%
%
成牛
7,722
4,431
34,216,182
50.0
0.0
65.0
0.0
11,119,678
育成牛
2,868
1,746
5,007,528
80.0
0.0
65.0
0.0
2,603,915
計
10,590
3,704
39,223,710
53.8
0.0
65.0
0.0
繁殖雌牛
8,899
1,529
13,606,571
60.0
20.0
90.0
育成牛
1,502
1,300
1,952,600
60.0
20.0
子牛
4,635
669
3,100,815
50.0
計
15,036
1,241
18,659,986
肉専
用種
13,398
2,189
1,502
肥
育 乳用種
牛
交雑種
計
合計
飼料 現在の
自給率 飼料 備
計
⑫=⑪ 自給率 考
⑪=⑧+⑨
⑬
/③
+⑩
粗飼料
濃厚
飼料⑩
kg
kg
%
%
0 3,003,017 14,122,695
41.3
20.6
0
3,043,405
60.8
34.7
13,723,593
0 3,442,507 17,166,100
43.8
22.4
100.0
7,347,548
2,721,314 1,194,194 11,263,057
82.8
66.9
90.0
100.0
1,054,404
390,520
171,372
1,616,296
82.8
66.9
0.0
90.0
0.0
1,395,367
0
272,146
1,667,513
53.8
42.0
58.3
16.7
90.0
100.0
9,797,319
3,111,834 1,637,712 14,546,865
78.0
62.6
29,328,222
3.0
17.0
20.0
100.0
175,969
4,985,798 2,574,020
7,735,787
26.4
4.0
2,824
4,241,648
3.0
12.0
20.0
100.0
25,450
372,272
906,720
21.4
2.0
5,704
2,540
14,488,160
3.0
12.0
20.0
100.0
86,929
1,738,579 1,271,568
3,097,076
21.4
2.0
20,604
2,332
48,058,030
3.0
15.1
20.0
100.0
288,348
7,233,375 4,217,860 11,739,583
24.4
3.2
46,230
2,292 105,941,726
31.6
9.8
71.2
100.0
23,809,260 10,345,209 9,298,079 43,452,548
41.0
21.0
508,998
439,491
(注)1.区域ごとに記載する必要がある場合にあっては、区域ごとに記載すること。
2.①の頭数は、年間平均常時飼養頭数を記載すること。
3.育成牛は、繁殖用に供する目的で飼養しているもので繁殖雌牛以外をいう。
4.供給TDN量については県外に供給される分も含む。
2 飼料給与
(1)飼料給与
現
島
根
県
内
産
飼
料
島
根
県
外
産
飼
料
在
目
標
粗飼料
牧草類(良質粗飼料)
稲発酵粗飼料(WCS)
野草
稲わら
その他
濃厚飼料
飼料用米
エコフィード等
その他
TDNkg
20,611,531
11,865,041
205,956
3,373,204
5,328,518
44,768
642,272
0
642,272
0
TDNkg
34,154,469
23,809,260
3,428,750
3,711,664
6,584,636
48,909
9,298,079
8,591,580
706,499
0
合計
21,253,803
43,452,548
粗飼料
輸入品
濃厚飼料
飼料用米
エコフィード等
輸入品
16,793,669
15,173,488
63,258,326
0
3,798,344
59,459,982
9,632,504
8,703,201
52,856,674
0
4,178,178
48,678,495
合計
80,051,995
62,489,178
(注)1.都道府県全体の数値を記入すること。
2.食料・農業・農村基本計画における平成32年度の粗飼料自給率は100%を目標としているため、これとの整合性を図る観点から
すれば、上表の中の粗飼料のうち輸入品の目標は、ゼロとすることが望ましい。
(2)具体的措置
地域で排出される農場副産物、食品残さ等について、生産量や取引条件等の調査を行い、畜産利用を行うた
めの情報や流通体制の整備を推進するとともに、その飼料化の技法や給与技術を広く普及する。
9
3 飼料供給計画
(1)飼料供給計画
現在(平成20年)
飼料作物の作付面積
区
域
名
区分
田
飼料作物
作付面積
(ha)
野草地等
面積(ha)
島
根
県
生産量
(t)
生産量の
TDN換算
量
10a当た
り生産量
(t)
10a当た
りTDN量
(t)
畑
稲発酵 普通畑 牧草地
粗飼料
(WCS)
885
37.6
937
563
計
①
林地
野草地
小計
②
放牧面積
田
畑
その他
計
飼料供
乳牛換
給地面
算1頭 飼料用
積
稲わら
当たり 米作付
③=①
④
け面積
+②×
(a)
0.1
2,385
2,633
111
0
2,167
316
976 35,278 20,718
88,874 13,934
4,535
4,491
206
4,702
2,673
11,865
2,466
907
3.72
2.60
3.77
3.68
3.73
0.643
1.435
1.039
0
0.51
0.55
0.50
0.47
0.50
0.11
0.29
0.196
0
32,878
2,483
11.37
3,470
22
6,086
229
3,373
44.8
3,176
14,134
0
5,329
0
3,418
目標(平成32年)
飼料作物の作付面積
区
域
名
区分
飼料作物
作付面積
(ha)
野草地等
面積(ha)
島
根
県
生産量
(t)
田
1,473
畑
稲発酵 普通畑 牧草地
粗飼料
(WCS)
500
1,031
619
計
①
林地
野草地
小計
②
その他
計
飼料供
乳牛換
給地面
算1頭 飼料用 備考
積
当たり 米作付
稲わら
③=①
④
け面積
+②×
(a)
0.1
3,397
3,124
2,384
348
72,174 16,250 59,217 34,062 165,453 15,330
4,992
生産量の
TDN換算 11,523
量
10a当た
4.90
り生産量
(t)
10a当た
0.78
りTDN量
(t)
放牧面積
田
畑
2,732
122
3,817
24
6,695
250
14.66
1,500
3,925
17,466
10,620
6,585
8,592
3,429
7,892
4,394
23,809
2,713
998
3.25
5.75
5.50
5.30
0.643
1.435
1.039
0.71
0.69
0.77
0.71
0.76
0.11
0.29
0.196
0.57
3,712
48.9
3,761
(注)1.TDN換算量の諸元を備考欄に記入すること。
2.稲わらの面積の欄は利用面積、生産量の欄は飼料としての利用量を記入すること。
3.④=③÷乳牛換算頭数(乳牛飼養頭数+繁殖雌牛飼養頭数×0.7+繁殖雌牛以外の肉用牛飼養頭数×0.1)
4.飼料用米の欄は、乳牛及び肉用牛への仕向量を推計し記入すること。
10
(2)具体的措置
ア 稲発酵粗飼料や飼料用米等の飼料作物の作付け拡大
耕種農家と畜産農家の連携のもと、飼料用稲の生産拡大を推進する。
稲発酵粗飼料(稲WCS)については、地域において水稲農家が収穫作業を外部に作業委託できるよう
コントラクターなどの組織を育成するとともに、高品質な稲発酵粗飼料を効率的に生産できるよう専用
収穫機械体系の普及を図る。
飼料用米については、流通保管供給体制の整備や需給調整を広域的に実施する体制を構築するととも
に、畜産農家での安定的利用と水稲農家の所得確保のため生産コストの低減を図り、飼料用米生産利用
の拡大を推進する。
イ コントラクターやTMRセンター等飼料生産組織の育成
飼料生産に係る労力の軽減、低コスト化を図るため、コントラクターやTMRセンター等飼料生産組
織の育成を推進し、畜産農家のニーズと地域の実情に応じた飼料供給体制の構築を図る。また、その経
営が安定したものとなるよう組織の法人化や経営規模拡大による経営の高度化について支援するととも
に、飼料生産の効率化を図るため、高能率な機械化体系の導入等を推進する。
ウ 放牧の推進
耕作放棄地や遊休水田等低・未利用地での放牧を推進するため、放牧に関心のある集落や畜産農家が
地域の実情に応じて放牧に取り組めるよう、遊休農地の情報整備、放牧資材や放牧牛のレンタル制度を
構築する等支援体制の充実を図る。
また、公共牧場については、地域の飼養動向、利用農家のニーズを踏まえ、機能強化、広域利用等に
より利用頭数の確保を図る。
エ 国産稲わら等未利用資源の飼料利用の拡大
低利用資源となっている稲わらの飼料利用を推進することが課題となっている。本県においては山陰
特有の気候により、短期間で効率的に稲わらを収集する必要があるため、稲わら収集組織の育成を図る
とともに、高能率な機械化体系の導入等により稲わらの飼料利用を推進する。
4 飼料基盤の確保等
(1)飼料基盤の造成・整備計画
現在の飼料基盤面積
区域名
牧草地
島根県
(単位:ha)
目標年度までの事業実施予定面積
563
飼料畑
その他
937
2,505
計
4,005
整備
造成
牧草地
100
飼料畑
50
その他
50
200
計
300
(注)その他は、野草地や放牧に利用される林地等
(2)具体的措置
飼料生産基盤を確保するため、土地活用に係る土地施策との連携を図りつつ、畜産農家等への土地利
用集積や団地化等を推進する。
11
Ⅵ 集乳及び乳業の合理化並びに肉用牛及び牛肉の流通の合理化に関する
事項
1 集送乳の合理化
本県の集送乳は、ミルクタンクローリーと集乳車で行われており、県外への生乳出荷拠点として2ヶ
所のクーラーステーションが設置されている。
指定生乳生産者団体の広域化により、生乳流通の安定とコスト削減は進んでいるが、農家への進入道
路の改善により大型ミルクタンクローリーでの集乳、集送乳路線の再構築、クーラーステーションの統
合等更なるコスト低減を図る。集送乳等経費は、現状の9割を目指す。
2 乳業の合理化
(1)乳業施設の合理化及び具体的措置
本県の乳業施設は、12工場であるが、1日当たりの生乳処理量が10トン以上のものが2工場、2
トン以上10トン未満が2工場、2トン未満が8工場と相対的に中小規模の施設が多く、県内各所に点
在しており稼働率も低い。このため、県外の大手乳業に比べ販売力、施設整備、物流等において立ち後
れがみられる。
このため、コストの削減を図るために、現在の12工場を4工場に整理統合することにより、乳業工
場の規模拡大による稼働率の向上や経営体質の一層の強化等を図り、牛乳乳製品の製造販売コストの低
減を推進し、現状の8割程度を目標とする。
しかし、一方で、観光との連携や消費者との交流等による地域の独自性を活かした牛乳の生産や販
売・消費に至るまでの地域内一貫体制など、乳業施設を活用した地域活性化についても検討する。
1日当たり
稼働率
生乳処理
能力
①/②×100
②
kg
kg
%
1日当たり
生乳処理量
①
工場数
(1日当たり
生乳処理量2t以上)
区域名
現在
(平成20年度)
島根県
目標
(平成32年度)
飲用牛乳を
主に製造
する工場
4工場
乳製品を主に
製造する工場
−
飲用牛乳を
主に製造
する工場
4工場
乳製品を主に
製造する工場
−
合計
50,136
174,663
28.7
1工場平均
12,534
43,666
28.7
合計
0
0
−
1工場平均
0
0
−
合計
114,245
175,762
65.0
1工場平均
28,561
43,941
65.0
合計
0
0
−
1工場平均
0
0
−
備考
(注)1.「1日当たり生乳処理量」欄には、生乳処理量を365日で除した数値を記入すること。
2.「1日当たり生乳処理能力」欄には、飲用牛乳を主に製造する工場にあっては6時間、乳製品を主に製造する工場にあっては
北海道は12時間、北海道以外は6時間それぞれ稼働した場合に処理できる生乳処理量(kg)の合計を記入すること。
(2)牛乳・乳製品の安全性の確保
牛乳・乳製品については、品質の向上や食品の安全性に対する消費者ニーズに応えるとともに、本県
乳業の発展基盤を構築する観点から、乳業者には、乳業工場での牛乳・乳製品の製造過程におけるHA
CCP手法の導入を積極的に促進する。全ての飲用牛乳工場が、HACCP対応工場となることを目指
す。
(3)需要の拡大
牛乳・乳製品に対する多様な消費者ニーズの把握と、これに対応した適切な情報の提供や牛乳を利用
した料理メニューの開発等を通じて消費拡大を図る。
特に、飲用牛乳については、消費者の健康志向に対応して、需要の伸び悩んでいる年齢層等に着目
し、牛乳のカルシウム源としての効用等の機能性についてPRを推進する。
また、学校給食用牛乳については、児童・生徒の体力等の維持・向上に寄与するとともに、県内酪農
への理解を深め、地産地消及び将来の牛乳・乳製品の需要を確保する観点から、県産生乳100%を使
用し、地域に根ざした牛乳の消費拡大を推進する。
12
(4)その他
需要に見合った生乳の計画生産を一層促進し、極力余剰乳の発生を抑制するとともに、やむを得ず発生した
余剰乳は、広域指定生乳生産者団体の調整機能を発揮し、中国地域の乳製品製造施設での処理を行うことによ
り製造コストの低減を図る。
3 肉用牛及び牛肉の流通の合理化
(1)家畜市場の再編整備と機能の高度化
ア 家畜市場の現状
年間開催回数(延べ99日)
肉専用種
乳用種等
(参考)
子牛
成牛 初生牛 子牛
子豚
成牛
回(日) 回(日) 回(日) 回(日) 回(日) 回(日)
年間取引頭数(平成20年度)
(参考)
肉専用種
乳用種等
子牛
成牛 初生牛 子牛
成牛
子豚
頭
頭
頭
頭
頭
頭
H10.10.1
24
24
(24) (24)
全農島根県
本部
H10.10.1
6
(6)
西郷家畜市場
全農島根県
本部
H10.10.1
浦郷家畜市場
全農島根県
本部
海士家畜市場
名称
開設者
登録
年月日
島根県中央
家畜市場
全農島根県
本部
西部家畜市場
−
(−)
8
(8)
8
(8)
−
4,346
334
−
216
(216)
−
−
5
(5)
−
−
695
0
−
243
(243)
3
(3)
3
(3)
−
−
−
−
115
11
−
H10.10.1
3
(3)
3
(3)
−
−
−
−
373
32
全農島根県
本部
H10.10.1
3
(3)
3
(3)
−
−
−
−
174
知夫家畜市場
全農島根県
本部
H10.10.1
3
(3)
3
(3)
−
−
−
−
計
6ヶ所
42
36
(42) (36)
−
−
13
8
(13) (8)
4
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
17
−
−
−
−
300
28
−
−
−
−
6,003
422
−
459
(459)
4
−
(注)1.肉用牛を取り扱う市場について記入すること。
2.初生牛とは生後1∼2週間程度のもの、子牛とは生後1年未満のもの(初生牛を除く)、成牛とは生後1年以上のものとする。
3.乳用種等については、交雑種は内数とし( )書きで記入すること。
イ 家畜市場の再編整備目標
家畜市場は、全農島根県本部が肉用子牛と成牛を対象にした市場を、離島を含め6市場を開設している。
近年は上場頭数が維持されているものの、畜産経営の維持継続を実現するための価格の形成及び開催日程の
調整、上場規模、地域性を勘案するとともに効率的な集荷等が図れるよう支援を行う。
(2)地域内一貫生産の推進
現在(平成20年度)
区分
①子牛生産
②うち区
頭数
県内仕向
県外仕向
域内仕向
肉
専
用
種
乳
用
種
交
雑
種
島根県
島根県
島根県
目標(平成32年度)
生産子牛の仕向
②/①
生産子牛の仕向
肥育牛 ①子牛生
②うち区
出荷頭数 産頭数 県内仕向
県外仕向
域内仕向
②/①
肥育牛
出荷頭数
雄
4,252
2,924
2,924
1,328
69%
4,209
4,410
3,080
3,080
1,330
70%
5,040
雌
3,771
2,900
2,900
871
77%
2,505
3,911
3,031
3,031
880
77%
2,999
計
8,023
5,824
5,824
2,199
73%
6,714
8,321
6,111
6,111
2,210
73%
8,039
雄
1,403
1,012
1,012
391
72%
1,101
1,375
988
988
387
72%
1,074
雌
244
31
31
213
13%
34
240
30
30
210
13%
33
計
1,647
1,043
1,043
604
63%
1,135
1,615
1,018
1,018
597
63%
1,107
雄
1,937
1,685
1,685
252
87%
1,832
1,898
1,669
1,669
229
88%
1,814
雌
1,718
1,496
1,496
222
87%
1,626
1,684
1,479
1,479
205
88%
1,608
計
3,655
3,181
3,181
474
87%
3,458
3,582
3,148
3,148
434
88%
3,422
(注)子牛生産状況の変化、交通事情の改善等を勘案し区域区分を設けなくとも差し支えない。
乳用種及び交雑種は推計。
13
(3)牛肉の流通の合理化
ア 食肉処理加工施設の現状
設置
(登録)
年月日
設置者
(開設)
名称
(株)
(株)
島根県食 島根県食
肉公社
肉公社
計
と畜能力
1日当たり①
年間
稼働
日数
S55.5.8
1 ヶ所
と畜実績
1日当たり②
日
頭
うち牛
頭
頭
うち牛
頭
240
650
100
417
92
240
650
100
417
92
稼働率
②/①
%
部分肉処理
能力1日当たり③
部分肉処理
実績1日当たり④
稼働率
④/③
%
頭
うち牛
頭
頭
うち牛
頭
64.2
452
52
291
52
64.4
64.2
452
52
291
52
64.4
%
%
(注)1.食肉処理加工施設とは、食肉の処理加工を行う施設であって、と畜場法(昭和28年法律第114号)第4条第1項の都道府県知事
の許可を受けたものをいう。
2.頭数は、豚換算(牛1頭=豚4頭)で記載すること。「うち牛」についても同じ。
イ 食肉処理加工施設の再編整備目標
食肉処理加工施設については、昭和55年に県内各地のと畜場を統合して株式会社島根県食肉公社を設
置した。
その後、衛生面の向上を図るため牛や豚のと畜ラインの整備、BSEに対応した施設整備を行った。
今後とも食肉に対する安全安心が求められるなか、牛・豚トレーサビリティ、生産情報公開JAS制
度、県産品認証制度やISO認証に向けた取り組みを支援していく。
ウ 肉用牛(肥育牛)の出荷先
現在(平成20年度)
出荷先
県内
区分
出荷頭数
食肉処理
①
加工施設 家畜市場
②
区域名
島
根
県
その他
目標(平成32年度)
出荷先
県内
県外
②/①
出荷頭数
食肉処理
①
加工施設 家畜市場
②
その他
県外
②/①
肉専用種
乳用種
交雑種
頭
6,714
1,135
3,458
頭
4,147
978
351
頭
−
−
−
頭
−
−
−
頭
2,567
157
3,107
%
61.8
86.2
10.2
頭
8,039
1,107
3,422
頭
4,698
958
344
頭
−
−
−
頭
−
−
−
頭
3,341
149
3,078
%
58.4
86.5
10.1
合計
11,307
5,476
−
−
5,831
48.4
12,568
6,000
−
−
6,568
47.7
(4)国産牛肉の需要の拡大
本県では、市場評価の高い子牛生産や高品質で特色のある「しまね和牛肉」を安定的に供給することを
目的とした「市場から評価される「しまね和牛」生産プロジェクト」に取り組んでいる。その中で、肉用
子牛及び枝肉のブランド化、しまね和牛肉の地産地消の取り組みや関係団体による県産牛肉の消費拡大活
動、料理コンクールの運営、東京市場でのPR等、需要拡大に向けた取り組みを支援する。
(5)その他
特になし
14
Ⅶ その他酪農及び肉用牛生産の近代化を図るために必要な事項
1 家畜改良の推進と新技術の開発・普及
家畜改良は、家畜の生産性と畜産物の品質向上の基礎となることから、畜産物の安定供給と肉用牛生
産の健全な発展を図る上で極めて重要である。
乳牛の改良については、「島根県乳用牛改良対策要綱」に基づき、牛群検定の実施率の向上等による
乳量向上を基本として、飼料自給率向上の観点から粗飼料利用性や繁殖性の向上等による生涯生産性の
向上に着目しつつ推進する。生乳取引における乳脂肪基準のあり方については、消費者ニーズの変化や
飼料自給率の向上等を勘案し、関係者との検討を行っていく必要がある。また、企業的酪農経営を実現
するため、フリーストール・ミルキングパーラー方式やほ乳ロボットの普及、将来的には搾乳ロボット
の導入を図る。
一方、肉用牛の改良については、「島根県肉用牛改良対策要綱」に基づき、飼いやすく繁殖性に富
み、肉質、増体ともに優れた「しまね和牛」の特性の更なる向上を図りつつ、今後は、「うまみ」に係
る改良や生産性、泌乳能力の向上などの種牛能力の改良、飼料効率の改善による生産コストの低減等を
図る。また、DNA解析技術や受精卵移植技術などの新たな技術を積極的に活用することにより、優れ
た種雄牛造成に努めるとともに、繁殖雌牛の更新・改良を推進し、生産基盤の拡充を図る。
2 流通飼料等の安全性の確保
飼料・飼料添加物については、BSEのまん延防止等を図るため、飼料の安全性の確保及び品質の改
善に関する法律(昭和28年法律第35号)に基づく諸規制を的確に運用する。また、飼料中の有害物
質や飼料添加物が基準を超えて畜産物に残留して人の健康を損なうことがないよう、飼料や飼料添加物
の販売及び使用の段階における検査・指導等諸規制の実効性を確保するための措置を適切に実施する。
3 家畜衛生と生産率の向上
口蹄疫等の家畜伝染性疾病に対しては、発生の予防と発生時におけるまん延防止や清浄化に向けて的
確な防疫措置を講ずる。また、病性鑑定機能向上やサーベイランス体制の充実等、危機管理体制の一層
の強化を図る。さらに、家畜の事故率や繁殖障害低減等による生産性の向上を図るため、家畜衛生巡回
指導を強化する。
4 畜産・酪農所得補償制度
意欲ある生産者が経営を継続できる環境を整備するため、畜産・酪農所得補償制度の導入に向けた検
討が始まりつつある。この制度設計について、検討の状況に応じ適切に対応する。
5 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)
TPPに参加した場合、酪農・肉用牛生産への影響、それを緩和するための方策、国際競争力向上の
ための構造対策など、解決すべき多くの課題があり、今後の検討の推移を注視する。
∼島根の酪農・肉用牛生産の発展を目指して∼
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