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2015 年版 インドネシアにおける問題点と要望 1/44
2015 年版 インドネシアにおける問題点と要望 1/44 インドネシアにおける問題点と要望 区分 1 外資参入規制 意見元 No 問題点 日機輸 (1) 外資出資比率規制 ・インドネシアに建設業に該当する水処理設備 Engineering 会社を保有してい ・海外技術導入による環境向上への貢献効 ・2010 年付大統領令 36 号 る。外資の出資上限が 67%までとネガティブリストに規定されているため、事業 果も是非配慮いただき、本事業領域にお ・外国投資法ネガティブリスト 拡大のための増資が簡単に出来ない。 ける外資規制のさらなる緩和あるいは撤廃 (2010 年第 36 号法律) を実現いただきたい。 ・2014 年 4 月 23 日公布の ・従来は外資出資 100%が認められていたディストリビュータが 2014 年 4 月 23 ・従来通り外資出資 100%としてのディストリ Negative List ・大統領令 2014 年 39 号(及 日公布の Negative List によりインドネシア国内顧客へ直販可能な会社設立に ビュータ設立を許可頂きたい。 び添付のネガティブリスト) 関しては、外資 33%に引き下げられた。これにより、自主性を保った販売会社設 ・Undang-Undang 立が困難な状況となった。既に駐在員事務所を設置しているが、法人格を持て Republik Indonesia ないため、各種サービスの提供に支障をきたしている。 ・規制業種に該当する場合、外資の出資比率の上限規定があり、2014 年 4 月の ・外資規制の緩和により外国投資を呼び込 Nomor 40 tahun 2014 大統領規定第 39 号によりさらに規制が強化された。ディストリビュータは外資上 み一層の経済発展を図っていくことをご検 tentang Perasuransian 限 100%→33%に引き下げ、従来 100%外資が認められていたインターネットを 討頂きたい。 通じた小売業については内資に限定されている。Grand Father Clause により 既存案件に影響は少ないものの、新規投資の妨げとなっている。 ・インドネシア政府が 2014 年 4 月に公布した新たな投資ネガティブリストでは、従・不当な規制強化であり、内外資待遇統一 来外資 100%が認められていた「ディストリビュータ」事業について、外資出資比 の流れにも逆行している。当該規制は撤廃 率の上限を 33%と定めた。取扱い品目や業態に関する例外もないため、外国企 してほしい。 業(製造業)が自社の製品を販売するための現地販売会社ですら単独で設立す ることができなくなり、新たな事業展開に大きな支障となっている。 ・現地販売会社の設立に関して従来は 100%外資出資が許されたものの、現在 ・当地で販社を起ち上げる場合に最低 51% は 33%出資までに引き下げられている。 以上にならないのか? ・新規に trading 会社設立の場合、外資比率が 33%以下に制限される。 ・規制撤廃。 ・2014 年 10 月に発行された、新保険業法(1992 年版からの改定)において、イ ・ASEAN 設立の動き、新政権の誕生、当 ンドネシア国内で営業する保険会社の国外資本による持ち株を制限することを 地金融庁の積極姿勢等の影響を受け、自 示唆するような記載がある。詳細は、今後 2 年半以内に発効される予定である、 国保護の流れが顕著になっている状況自 政令によって定められる、とのことであるが、仮に持ち株シェアが現在保有してい 体、ある程度は避けられないと思われるも る割合よりも低く制限されたり、過半を確保出来ない内容が示されると、インドネ のの、既得権までをも侵害されるような事 シアにおける保険会社現地法人の経営その物に大きな影響を与えることとなる。 態に至ることは避けたいものであり、当局 には外資系保険会社が当国に提供するこ とが出来る高度な保険知識の取得、自由 競争の進展等も踏まえて、冷静な判断を 求めたい。 ・建設業においては、外資出資比率が 67%に設定されているが、建設業免許クラ ・新制度導入や規制変更にあたっては、事 スも変更され、外国建設業者においては巨額の初期投資が必要となっている。 前に外資企業との対話を通じて影響を官 加えて、建設業免許取得の都合上、実質的なローカルパートナーが同業者に限 民で協議する機会を設けて頂きたい。 定されることとなり、33%出資可能な業者を財務面やインセンティブを考慮すると 非常に外資新規参入が困難な制度となっている。公共事業大臣令 (10/PRT/M/2014)は 2014 年 9 月 22 日制定、同年 10 月 8 日の施行であった が、11 月 25 日の公共事業省主催の説明会でその詳細説明を実質初めて知らさ 日機輸 日機輸 日機輸 建産協 日機輸 日商 日商 問題点内容 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 日商 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 2/44 要望 準拠法 れており、駐在事務所ステータスに関する大幅な規定変更であるにもかかわら ず、事後報告的なタイミングでの通知となっている。また、実際の当該法運用諸 則については、2015 年 1 月 29 日現在、いまだ発表されていない。 ・本年改正されたネガティブリストや現在検討中とされている関税率の引き上げ等 ・短期的な国内保護に走るのではなく、中 にみられる保護主義の台頭。 長期的な視点で工業国化を目指してほし い。 (対応) ・1994 年に大統領令により特定分野を対象に外資 100%が認められるなど大幅な外資規制の緩和が行われ、アジア経済危機や政治混乱が続く中で外資 による直接投資の減少に対応するため、外資規制の緩和を進めている。最近では大統領令 2000 年 96 号の施行で投資規制対象業種(I. 全面民間投資 禁止業種、II. 外資投資閉鎖業種、III. 外資比率により開放される分野、IV. 条件付で開放される分野、の 4 つのカテゴリー)が段階的に開放は進んで いる。 ・2004 年 9 月 14 日付 CMEA プレスリリースによると、投資作業委員会(2004 年 8 月付改定)は、新たな投資・輸出改善国家条件に対するネガティブリス ト(“PEPI”、GR No.87/2003、議長:大統領)の案を提出した。そのネガティブリスト案は、2004 年 12 月に大統領令(PD)として発令されるよう起案されか つ予定されている。 ・2004 年 8 月、GOI は、PI No.5/2003 の修正として、下院に新投資法案を提出した。この新投資法案は 1967 年及び 1968 年にそれぞれ成立した外国 投資法及び国内投資法を置換するもので、一層の外国投資をインドネシアに誘引することを目的とした法案である。投資の自由と投資の内国民待遇を約 束するその法案は、国際標準に整合しない時代遅れの規則を撤廃するものである。その法案の重要な特徴の一つは、それらのプロジェクト遂行する外国 投資家に 30 年を期限とする均等廃棄である。その代わり、投資家は経済的であると見なされる限りその事業を遂行することができる。また、その法案は、 一定の期間後、外国投資家が現地パートナーにそのプロジェクトを剥奪される要請も廃棄するものである。その上、インドネシアに一定金額の投資を行っ ておりかつ一定期間居住している外国人は、恒久的居住権が取得できる。法案の要点は、以下のとおり: 1.すべての国内及び海外の投資家に対して同等の待遇(内国民待遇) 2.“ネガティブリスト”に載った投資を除いてすべての分野/立地に対して投資の開放 3.投資家は現地パートナー又は国有化された持分への出資の剥奪を要請されない 4.外国投資資本/利益、及び国外被雇用者の給料/賃金の合理的な部分の海外送金の自由 5.外国投資ライセンスはプロジェクトの経済的期間に応じて供与 6.投資システムは現地金融への外国投資家のアクセスを許容するよう簡素化され得る 7.政府は大規模外国企業と現地企業及び中小企業との有益なパートナーシップを促進する 8.地域政府は外国及び国内の投資家のために“ワンストップ”投資サービスを設置・運営する ・2006 年 3 月に政府が発表した「投資環境の改善のための政策パッケージ」(2006 年 2 月 27 日付け大統領指示第 3 号)におけるプログラムのひとつとし て、投資法改正案の 2006 年 3 月までに国会提出、ネガティブリスト・条件付き開放分野リストの改定による明確・簡素・系統的・透明性の確保があげられて いる。 ・2006 年 3 月、政府は投資規制の緩和を盛り込んだ投資法改正案を議会に提出した。 ・2007 年 4 月 26 日、2007 年投資法が発効した。新投資法には、①投資の内外無差別、②中央政府と地方政府の投資承認権限の分担、③投資に係る 諸手続を一括して行う統合ワンルーフサービス、④経済特区が新たに盛り込まれ、⑤土地関連の権利期間の延長が規定されている。 ・2007 年 7 月 3 日、政府は 2007 年大統領規則 No.76 及び No.77 を通じて、2007 年投資ネガティブリスト(DNI)を発表した。DNI は現在、9 業種の出 資比率の上限(25%、45%、49%、55%、65%、80%、85%、95%)を設けている。更に 12 月、大統領令 No.111 号が発令され、No.77 のネガティブリス トの一部規制強化ならびに緩和が行われた。 ・2007 年 7 月 20 日、国会は新有限会社法(2007 年第 40 号法)を可決した。同法は、有限会社設立のための最低資本金要件を 500 億 IDR に引上げる 規定を含む。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 3/44 準拠法 ・2010 年 6 月 9 日、インドネシア投資調整庁(BKPM)は、2010 年 5 月 25 日付け大統領規則(Presidential Regulation)第 36 号に基づく 2010 年ネ ガティブ投資リスト(DNI)を公布した(即日施行)。DNI の目的は、2007 年 7 月 3 日付け大統領規則第 77 号に基づく投資誘致のための従来の 2007 年 DNI を簡素化することにある。2010 年 DNI は主に、(1)ポートフォリオ投資、(2)事業拡大、(3)事業拡大のための株主割当発行、(4)同一業種内の企業の 合併・買収、(5)祖父条項、(6)一定の分野に対する投資制限の緩和、(7)一定の産業に対する国内保護の強化、(8)ASEAN 投資家に対する外資出資制 限の緩和(ASEAN 経済共同体に対するインドネシアの約束の履行)について規定している。2010 年 DNI は、大統領規則の制限業種に関する附表の形 式を改め、従来のように制限の種類ごとに業種を分類するのではなく、分野ごとにまとめ、該当業種名を列挙することで、より簡単で包括的な、分かりやす いものとなっている。2010 年 DNI は大統領規則第 77 号とその改正規則を改正している。 ・全業種に適用される規制: ①外資の出資比率規制として、制度上外資 100%で進出している場合は、事業開始後 15 年以内に持株の一部をインドネシアの個人または法人に譲渡 することが義務付けられているが、その運用は不透明。 ②最低資本金規制として、最低授権資本金は 5,000 万ルピア、最低引受資本金額は 1,250 万ルピア(授権資本金額の 25%)、最低払込資本金額は 1,250 万ルピア。 ③土地の所有権はインドネシア国民にのみ認められている。 ④65%以上製品輸出を行う企業を除いて輸出インドネシア国民で充足が可能な職種において外国人の就業を制限する。 ・業種によって、投資禁止事業(原動機付き車両試験の運営)、マジョリティー出資規制(車両メンテナンス修理)、現地パートナー義務付け(ボルト・ナット、 発動機コンポーネント・部品、ポンプ・コンプレッサー、二輪・三輪自動車コンポーネント装備、自転車・ペチャ装備)等の規制が存在している。 ・2013 年 12 月 26 日、インドネシア投資調整庁は、投資ネガティヴリストの改訂版(Daftar Negatif Investasi ”DNI 2013”)を公表した。改訂リストは、以 下の通り、多くの事業分野で外資所有比率の強化と緩和がなされている。 key changes introduced in DNI 2013: DNI 2013 Foreign DNI 2010 Foreign Industry Sector Investment Level Investment Level Land transportation facilities 49% 0% Regular vehicle inspection 49% 0% Pharmaceutical industry 85% 75% Venture capital financing 85% 80% Distribution and Storage 33% 100% Cold Storage (Sumatra, Java, Bali) 33% 100% Cold Storage (Kalimantan, Sulawesi, East Nusa Tenggara, Maluku and Papua) 67% 100% Farming 30% 95% Fixed telecommunications 65% Multimedia-integrated telecommunication network 65% Previously unregulated Multimedia service provider 49% Public-Private Partnership (PPP) 49% (49% in private projects) ProjectsAirportsSeaports 95% (49% in private projects) Land transportation terminals 49% Water utilities 95% Toll road facilities 95% (95% in private projects) Power plants (1-10 megawatt capacity) 49% (49% in private projects) Power plants (10 and more megawatts capacity) 100% (95% in private projects) Electricity transmission 100% Electricity distribution 100% 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 4/44 準拠法 ・2014 年 4 月、投資ネガティブリストに関する大統領規定第 39 号が公布・施行された。 −規制強化分野: ①外資上限なし→内資に限定:スーパーマーケット、ミニマーケット、百貨店以外の小売業、電化製品、化粧品、玩具、化粧品、履物、食品・飲料の小売 業、通信販売・インターネットを通じた小売業 ②参入禁止へ:石油・ガス施設の運転・保守サービス、設計、エンジニアリング、電力設備据え付け、 ③外資上限 95%→75%に引き下げ:陸上石油・ガス採掘サービス、 ④外資上限 100%→33%に引き下げ:ディストリビューター、倉庫、冷蔵保管(於:ジャワ島、スマトラ島、バリ島)、 ⑤外資上限 49%:コンテンツ・サービス、情報サービスセンター、データ通信システムサービス、 ⑥外資上限 95%→30%に引き下げ:園芸作物の育苗、栽培(園芸法に適合) ・インドネシア政府は、2015 年 7 月 1 日よりオランダとの投資協定の停止を実施することを決定したとのこと。在ジャカルタ・オランダ大使館によると、インドネ シア政府はその締結している 67 すべての二国間投資協定も停止する意向であると述べているとのこと。両国政府は本件で協議中であるとのことである が、現行協定の停止前に設立された既存の投資は協定の停止日後 15 年間有効(サンセット条項に基づく);停止される協定に代わる新協定が今後交渉 されるかは不透明。 (改善) ・2004 年 4 月 12 日、大統領令 No.20/2004 により、BKPM は、すべての投資申請を受理/処理する及び関連許認可を発行するシングルウィンドウ当局(単 一傘)となる。そして、2004 年 7 月 20 日(BKPM 長官令 No.58/SK/2004 及び No.60/SK/2004)の以降、新規投資申請は BKMT に対してのみ提出さ れることになっている。現在の現行申請(以前の BKPM 長官令 No.37/SK/99 及び No.05/SK/1989 によって規定された地域投資調整委員会/海外インド ネシア政府(大使館)に行われていた)は、2004 年 7 月 20 日(2004 年令 No.58 及び No.60)の発令日以降 30 日以内に最終決着をみなければならな い。地域政府/大使館によって以前に発行された許認可は引き続き有効である。BKPM の賛助の下での投資に関する許認可手続を集権化する PD No.29/2004 は、地域政府権力を廃止しようと意図したものではなかった。その動きは、代って、BKPM と関連省庁及び地方政府の間の緊密な協力を促 進することを目的としたものであった。すべての必要な書類は依然として各地方政府又は関連省庁により審査を受けて発行される。すべての投資家がおこ なうべきこととして、すべての投資プロジェクト案を BKPM に提出することであり、それは地方政府又は関連省庁から要請される書類を求められることにな るということである。 ・2007 年 8 月 20 日に署名された日本とインドネシアとの経済連携協定の投資に関する規定に、内国民待遇、最恵国待遇、輸出要求、国内調達要求など のパフォーマンス要求の禁止、自由化の現状維持義務(スタンド・スティル)などが規定されている。 ・2010 年 6 月 9 日に公布された「2010 年ネガティブリスト投資リスト」は、以下の一部分野に対して投資規制を緩和した。 −サッカリンとチクロ:サッカリンとチクロの分野への投資は従来禁止されていたが、2010 年 DNI は、特別の免許要件を満たすことを条件に認めている。 −建設:建設会社への外資出資比率の上限が 55%から 67%に引き上げられた。 −映画関連サービス:撮影スタジオ、フィルム現像室、アフレコ設備、フィルム複製業務など映画関連サービス業への外国投資は従来禁止されていたが、 2010 年 DNI は、外資出資比率を最大 49%まで認めている。 −医療サービス:医療サービスへの外資出資比率の上限が 65%から 67%に引き上げられた。医療サービスは今後、インドネシア国内のどこででも行うこ とができる。医療サービス事業には、病院、一般診療所、専門クリニック、検査室などが含まれる。 −発電:発電量が 1∼10MW の発電機を持つ小型発電所への投資は従来、零細・中小企業だけにしか認められていなかったが、今後はパートナーシッ プを通じた投資にも開放されるようになった。外国投資家は、10MW 超の発電機を持つ発電所に対して引き続き最大 95%まで出資することができる。 一方、2010 年ネガティブ投資リストは、以下の郵送業務と通信塔に関し規制強化している。 -- 郵送業務:郵便業務に関する 2009 年政令第 38 号に基づき、外資出資比率の上限は 49%とされ、且つ当該業務を行うための特別の許可を取得し なければならない。 -- 通信塔:通信塔の提供、管理、運営、賃貸、建設においては、国内投資家が 100%出資しなければならない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 5/44 要望 準拠法 ・2014 年 4 月、投資ネガティブリストに関する大統領規定第 39 号が交付・施行された。 −規制緩和分野:①外資上限を 95%→100%へ引き上げ:PPP による発電(10 メガワット未満)、送電、配電、 ②外資上限を 75%→85%へ引き上げ:製薬分野、 ③参入禁止→外資出資上限 49%へ(運輸大臣推薦を条件)、 ④参入禁止→外資出資上限 51%%へ:映画宣伝設備(ASEAN からの出資を条件) ・2016 年 2 月 11 日、インドネシア政府は、ジョコ政権の景気対策第 10 弾として外資規制を緩和するべく、「条件付きで開放されている事業分野リスト」(ネ ガティブリスト)の対象 64 業種について改正を発表した。ディストリビューター、倉庫業が出資比率上限 33%から 67%に引き上げ、冷蔵保管業は 33%か ら 100%に引き上げ、職業訓練、旅行会社は 49%から 67%に、レストランは 51%から 100%に、建設ビジネス・コンサルティングサービスは 55%から 67% に、通信網事業は 65%から 67%に、製薬業は 85%から 100%に、高速道路、通信装置試験機関は 95%から 100%に引き上げられた。 【参考】当該投資ネガティブリスト改定に関する尼経済担当調整相による公告の要旨については、以下の PDF を参照【尼語】 (http://apindo.or.id/userfiles/publikasi/pdf/Paket_Kebijakan_Ekonomi_10.pdf) JEITA 日機輸 日商 (2) ダイベストメント義 ・「外国投資法に基づいて設立された会社の株式所有に関する政令 1994 年 20 ・規制の趣旨が不明確であることから、当該 務の不透明 号」の第 7 条に基づき、外国資本 100%で設立されたインドネシアの会社は、商 規制は撤廃してほしい。 業生産開始時点から起算して最長 15 年以内に株式の一部をインドネシア人/ インドネシア法人へ売却しなければならないとされている。2013 年 4 月 12 日付 BKPM 長官令 5 号によりその義務が再掲された(同年 9 月 12 号令で一部改正) が、依然として、具体的な売却方法(売却スキーム、売却先、売却すべき株数/ パーセンテージ等)につき法令又はガイドラインでの定めはなく、BKPM の運 用・指導もまちまちである。さらに、上記 12 号令の公布後は、一度売却した株式 を外国企業が買い戻して再び外国資本 100%とすることも適法と解釈されてい るが、このような運用を認めるのであれば、そもそも売却義務は何を目的としてい るのかがますます不明である。 ・1994 年政令 20 号第 7 章第 1 項には「外資 100%会社は商業生産((IUT 又は ・撤廃を希望する。(無意味) IUI―事業許可取得後)開始時点から最長 15 年以内に株式の一部をインドネシ ア人(インドネシア人と結婚してインドネシア国籍を取得した元日本人を含む)及 び又は(外資の入っていない)インドネシア法人に対して直接引き渡すか或いは (上場して)国内資本市場を経由して売却する。」と規定されている。 一方 2013 年 4 月 8 日付にて BKPM 長官令 2013 年第 5 号が制定され 5 月 27 日から施行されましたが、同令第 108 条で 2007 年 4 月 26 日制定の新投資 法以前に設立認可を受けその投資承認書に操業 15 年以内にインドネシア株主 への株式譲渡を義務付けられた外資(PMA)100%企業に所謂外資 15 年ルー ルの履行が改めて規定された。 またこの一部変更として、2013 年 9 月 11 日付けで BKPM 長官令 2013 年第 12 号(以下「第 12 号」)が制定され、2013 年 9 月 18 日から施行された。 結果的には、第 12 号で第 5 号第 108 条第 5 項(「本規程発効前に承認書及び /又は事業許可の中でダイベストメント義務が定められており、既にダイベストメン ト義務を履行している投資会社の場合、会社が営業/生産している限り、インドネ シア人及び/或いはインドネシア法人の株式保有はそのままとすること。」)が削除 された。つまり、インドネシア人及び/或いはインドネシア法人の株式保有した株 式の買い戻しは可能となり、100%外資は認められたが、一旦、株式の売買が必 要となっており、非常に煩雑な手続きを実施する必要がある。 ・外国投資法に基づいて設 立された会社の株式所有 に関する政令 1994 年 20 号 第7条 ・1967 年外国投資法第 27 条 ・1994 年政令 20 号 第 7 章 第1項 ・モデル生産分与契約 (PSC) ・投資調整庁長官規則 2013 年第 5 号 108 条 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 6/44 要望 準拠法 ・Indonesian Participant(IP:インドネシア参画企業)に対して 10%の権益を譲 ・IP への譲渡の柔軟な運用または政府によ 渡する義務が課されている。プロジェクトのファイナンス組成上の障害(資金負担 る IP の財務保証を希望。 能力や信用力の低いインドネシア企業参画による、ファイナンス組成額の縮小や ・財務能力に配慮した内容で迅速に IP 指 金利コストの上昇等)が考えられる。 名がなされることを希望。 インドネシア政府が、10%の権益を譲渡する先のインドネシア企業の指名を行う ことになっているが、指名期日を過ぎても未だ指名がなされていない。そのた め、ファイナンス組成等の計画に支障がでる恐れがある。 (対応) ・1994 年政令第 20 号で外資 100%の会社設立が認められたが、併せて外資 100%企業には商業生産開始後 15 年以内に株式の一部をインドネシア人 またはインドネシア法人に売却する義務(「ダイベストメント義務」或いは「15 年ルール」)が規定された。この義務は現在も有効であるとされているが、商業 生産開始後 15 年目を迎える企業も出てきているが、「株式の一部」等の具体的な規定内容が明示されていないなど運用手続が不透明となっている。 ・2008 年 1 月までは、ダイベストメント義務の抹消を希望する書状を提出するだけで済んだ。しかし、2008 年 2 月以降、株主合意書を添付する指導、3 月 には BKPM がダイベストメント義務の抹消を希望する進出日系企業に対して「Implementation of Divesting Obligation」と題する書簡を送付した。 ・2013 年 4 月 12 日付 BKPM 長官令 2013 年第 5 号第 108 条に、2007 年 4 月の新投資法施行以前に設立された外資 100%出資企業が営業開始 15 年以内に株式の一部をインドネシアの個人又は法人に譲渡する義務を規定している。「譲渡する株式の一部」の最低額は 1,000 万ルピアとしている。但 し、2 年間の延長許可申請が可能としている。 JEITA 日機輸 (3) 輸入許可要件とし ・2013 年 8 月に施行された Regulation38/M-DAG/PER/8/2013 によりスマート ・“establish an industry of Cellular ての現地製造拠点 フォン・PDA・タブレット端末の登録輸入業者は、輸入ライセンス取得後 3 年以内 phone”の定義の明確化。 設置要求 の”establish an industry of Cellular phone"が認定条件とされており、計画 ・要件の緩和又は除外。 の提出を求められる。弊社顧客(輸入者)は現在有効な輸入ライセンスを保有し ているにも関わらず、この制度を理由に税関から計画の進捗について問い合わ せを受け、そのたびに通関遅延に遭遇している。また、輸入ライセンスが失効し た場合、この Regulation を満たしライセンスを更新する事が難しい。 ・Regulation 38/M-DAG/PER/8/2013 (対応) ・2016 年 2 月 23 日、インドネシア貿易省は、携帯電話、ハンドヘルド・コンピューター、タブレット・コンピューターに対する輸入規制(同省規則 2012 年第 82 号)の改正案に関する公聴会を開催した。改正案は輸入ライセンスの発行条件としてのローカルコンテント要件、適格性、書類、執行等の修正を求めた もの。 全楽協 (4) 現地法人の株式取 ・外資企業による現地法人の株式取得において、売買契約に加えて複数の政府 ・政府当局の承認手続のスピードアップ。 得許認可の遅延 当局の審査が必要となり、最終的の承認まで時間がかかるケースがある。 日鉄連 (5) 石炭生産量上限設 ・インドネシア政府は毎年、国内向け供給義務を負う各生産者の生産量を把握・ 定の政府強制 調整すべく生産計画の提出を指示。例年は、政府・生産者間での当該生産計画 に関する協議が行われるに止まっていると認識しているが、2014 年では政府通 達による生産量の上限に関する計画遵守の圧力が強まっているとの情報があ る。本件は、自由な生産・流通を妨げるような、政府による生産数量上限設定が 強制力を持った形で運用される可能性があり、懸念される。 日商 (6) 外資出資比率規制 ・卸売業が外資規制のネガティブリストに載っているため、メーカーのバリューチェ ・メーカーに対する卸売業への外資規制を ・2010 年付大統領令 36 号 による効率的な経 ーンが製造と販売で分断され、外資資本と国内資本の健全なパートナーシップ 緩和し、製造と販売の一体経営をできるよ 外国投資法ネガティブリスト 営困難 形成・効率的な経営を阻害している。 うにして頂きたい。 (2010 年第 36 号法律) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 インドネシアにおける問題点と要望 7/44 意見元 No 問題点 日商 (7) 外資ディストリビュ ・BKPM は『エンドユーザー販売は内資企業にのみ許可され外資企業は行って ・『不特定多数の個人に販売するエンドユー ・インドネシア 2014 年大統 ータによる B to B はならない』としているが、『エンドユーザー販売』の『定義』が不明確であり対応 ザー販売は内資が行うものとする。企業向 領令第 39 号 直接販売の可否が に苦慮している。 け設備等の販売は、外資でも Distributor ・インドネシア 2013 年商業 B to B での設備等の販売に、内資企業をルートに乗せることを義務化すれば、 Licence を持っていれば直接販売を可能 大臣令第 35 号 不明確 それは、エンドユーザーのコスト上昇による競争力低下を招くのみであり、メリット とする』旨、明文化頂きたい。 ない。 例えば、発電所設備、ビルの昇降機、製造業設備、金融業等商業における情報 機器等設備、などはエンドユーザー販売ではあるが、外資による直接販売を許 可すべき。 (8) 建設業駐在員事務 ・2014 年 10 月に突如、「外国企業建設業駐在員事務所」の規制が強化された。 ・将来的には、当地建設業ライセンスを保有 ・[Ministry of Public 所の規制強化 従来から存在している各日系駐在員事務所の運用も混乱している模様(内容は した企業との協業(M&A、JV、JO 等)を Works] 以下)。 模索していく必要があるが、短期的には運 -- Previous Regulation : PMK-05 −Previous Regulation (PMK-05): 用や解釈での緩和、もしくは当地企業との Foreign Representative Office of Construction Service is only allowed 協業条件により大きく緩和して頂く等の細 -- New Regulation : PMK-10 to perform complex construction project, high risk and/or high 則が追記される事が理想。 technology. −New Regulation (PMK-10):Foreign Representative Office of Construction Service is only allowed to perform high risk construction project, high technology and high cost. −PMK-10 also regulate the definition of each criteria: -- High risk: construction work which endanger public safety, property, human life and the environment. -- High technology: construction work which need a specific and sophisticated technology, include many Experts. -- High cost: construction work with contract value more than IDR 100 billion (equivalent to USD 8,333,333 – assumption 1 USD = IDR 12,000). 全社方針に則り海外 B2B/G 事業の立上・成長を実現していくにあたり、主要な 要件となるバリューチェーン強化(箱売りからソリューション販売へのシフト)の制 約(特に早期事業立上という側面から)となりつつある。 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 (対応) ・2014 年 9 月 22 日付公共事業大臣規則 No.10/PRT/M/2014 によると、計画、施工、監理を事業とする外国建設サービス会社がインドネシアに駐在員事 務所を設営するための許可供与の条件や指針を改定した。 ①建設駐在員事務所許可の申請書類に、駐在員事務所を開こうとする外国建設サービス会社の取締役および監査役、さらにインドネシア駐在員事務所 のチーフレプレゼンタティブが、インドネシアの建設サービス会社や他の外国建設サービス会社で取締役やコミサリスを兼任していないことについての 誓約書(事実上の兼任禁止)が追加された。 ②JO については、パートナーとなるインドネシア建設サービス会社への作業や権益の配分率などが定められた。 ③建設駐在員事務所が JO を通じて実施できるプロジェクトの条件の一つとして、施工サービスでは工費最低 1,000 億ルピア(約 10 億円)、計画・監督サ ービスではフィー最低 100 億ルピア(約 1 億円)のプロジェクトが挙げられている。 (2015 年 4 月 17 日付 BTMU Global Business Insight) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 インドネシアにおける問題点と要望 8/44 意見元 No 問題点 日商 (9) 建設業でのジョイン ・公共事業省から発行の建設業ライセンスにて、Joint Operation をインドネシア ・公共事業省の左記ポリシーの変更。 トベンチャー要求 国内企業と組むことを条件にインドネシア国内の建設事業(EPC)を請け負える の強化 ことが出来るが、以下の条件が付け加えられ問題として捉えている。 ①EPC を行うための条件が Joint Operation 設立にあるが、2011 年より、 100%インドネシア国内資本企業相手でないと認めたれなくなった。 ②2014 年より、一プロジェクトの請負金額が約 10 億円以上でないと、プロジェク トとして認められなくなった。上記をクリアーしないと、3 年ごとのライセンス更新 が認められなくなると予想される。 日商 (10) 就業地域の活動制 ・当社の客先はジャカルタに限らずインドネシア全国に散在(実質客先はむしろジ ・地域の制限を無くしてほしい。 限 ャカルタ外)している。 しかし、一般的に就業 VISA に基づく活動地域は限定(ジャカルタ在住者は通 常ジャカルタ)されている。 その他の地域に於ける客先との商談、AFTER SERVICE 等は禁止されてお り、そのルールを侵して地方の客先の工場の AFTER SERVICE を実施して多 大な PENALTY MONEY を課された会社があると聞いている。 2 国産化要請・現 日商 地調達率と恩典 JEITA 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 ・公共事業省規則 10/PRT/M/2014 (1) ローカルコンテンツ ・石油ガス上流事業に係る物品・サービスの調達に関する実施規則が改訂され、 ・監督機関である SKKMigas には、現地調 ・BPMIGAS(現 ローカルコンテント達成義務の強化(物品 25%以上、サービス 30%以上等)や調 達の難しい物品・サービスについては必要 SKKMigas)規定調達ガイ 要求の強化 達手順の厳格化などが定められたことで、調達に係る負担が増えた。 に応じて柔軟な対応を希望。 ドライン(PTK-007 rev.2) ・LTE 規格対応製品に対し TKDN(Tingkat Komponen Dalam Negeri の略、 ・TKDN 比率計算のロジック明確化。 ・Minister of Industries of Republic of Indonesia 現地調達率)導入の新しい規制施行が準備されている。猶予期間はなく、施行さ ・猶予期間、免除要件の設定。 No. 54/m-IND/PER/3/ れた時点から TKDN20%、2017 年 1 月 1 日に 30%まで上げる条件がドラフトさ 2012 等多数関連法令あり れている。 (対応) ・2010 年 4 月 14 日、インドネシア工業省は、国や地方からの予算の交付、外国からの融資又は補助金を受けて公共インフラ事業に従事している電力イン フラ業者に対し自国の製品・サービスを利用するよう義務づける省令第 48 号 (Decree No. 48/MIND/PER/4/2010)を公布した(2010 年 4 月 19 日より 施行)。ここにいう「電力インフラ」とは、発電機、送電系統、配電網などのことを指す。各電力インフラ事業に利用される自国の製品・サービスの比率を示 す TKDN は、事業の種類によって異なり、具体的には以下の 6 種類の電力インフラ事業からなる。すなわち、(1)石炭を燃料とする蒸気発電所、(2)水力 発電所、(3)地熱発電所、(4)ガスを燃料とする蒸気発電所、(5)太陽熱発電所、(6)発電・配電網である。TKDN は、同省令の第 2 章において、事業の種 類ごとに規定されている。 ・2012 年 8 月 24 日、商業省は取扱製品、役務、設備などの 80%はインドネシア産を使用するよう義務付ける規則、商業大臣規定 2012 年第 53 号(No: 53/M-DAG/PER/8/2012)を施行した。 ・2014 年 1 月 13 日、工業省は、インドネシア政府の物品・サービス調達における国産品の使用拡大に関する新たな大臣規則(Peraturan Menteri) (2014 年規則第 2 号)を公布。(2014 年 1 月 13 日発効)。 −2014 年規則第 2 号【インドネシア語】(http://regulasi.kemenperin.go.id/site/baca_peraturan/1658) ・2014 年 3 月、インドネシア工業省、政府の物品・サービス調達における国産品の優遇措置商品リストに一部電器・機械製品を追加した。改定リストには、 HS84 類、85 類に含まれる TV Set Top Box (Full HD DVD-T2 Compliant)、Low Voltage Electrical Panel、Electric Cables、Fuse Cut Out Polymer - link、Polymer Isolator、Lighting Arrester、Distribution transformer、Transformator、Single Phase Kwh Meter などが追加される 模様。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 9/44 準拠法 ・2015 年 5 月 6 日にタックスアローワンスの改定に関する政府規則 2015 年 18 号が施行され、タックスアローワンスを供与する条件として①投資額が高い 又は輸出案件であること、②多数の労働者を雇用すること、③現地調達をすることが加えられた。現地調達に関し、政府規則 2015 年 18 号は、現地調達 率を材料、補修材、機械などの 20%以上とし、一部業種に高度技術の導入(繊維、有機化学、鉄鋼など)、環境にやさしい技術の導入(コピー機、冷蔵 庫、乾電池、セメント)などの条件を追加し、業種ごとに投資額および労働者雇用人数の最低条件(例、自動車部品は投資額 1,000 億ルピア・雇用数 100 人以上、冷蔵庫・洗濯機は投資額 300 億ルピア・雇用数 100 人以上(拡張投資は 50 人以上)を規定した。 自動部品 (2) 現地調達要請の定 ・LCGC 車対応のための現地調達を要請されているが、法規制であるにもかかわ ・対象部品、数値目標、現調化定義などを、 義・基準策の不明 らず、具体的な数値目標や現調化定義などが不明確である。 文書で明確にして公表してほしい。 確 (対応) ・2015 年 7 月 27 日、インドネシア情報通信技術省は、Long Term Evolution (LTE)機器・装置に現地調達要件及び技術規則を課す規則を公布した。 (2017 年 1 月 1 日発効へ、一部要件については発効日を 2019 年 1 月 1 日に修正) ・2015 年 8 月 31 日、インドネシア工業省は、電子・テレマティクス製品の現地調達率の算出方法に関する規則(Ministerial Regulation No. 68/M-IND/PER/8/2015)を公布(2015 年 8 月 24 日より施行)。 【参考】2015 年第 68 号の URL【尼語】http://regulasi.kemenperin.go.id/site/baca_peraturan/2102 日商 (3) 現地生産物の国内 ・生産物(特にガス)の国内供給義務が強化され(25%以上)、同国内供給義務量 ・国内供給の重要性は理解しているものの、 ・憲法裁判所判断 向け供給義務 によっては、輸出可能数量に影響が出る可能性がある。 海外買主との長期販売契約に支障が出な ・政令 2009 年第 55 号 いよう、国内供給量については事業実施 ・エネルギー鉱物資源大臣 者と十分な協議をすべきである。 令 2010 年第 3 号 ・国内供給価格は市場競争力のある価格で (・改訂新石油ガス法案(未 ある必要があり、経済性の確保等、プロジ 発布)) ェクト推進に支障が無い内容で合意される ことが望ましい。 (対応) ・2010 年 1 月 13 日、インドネシアのエネルギー鉱物資源省が、自国の石炭採掘会社に対し生産量の一定量(約 25%となる模様)を国内に供給する義務を 課すこと(Domestic Market Obligation, DMO)を発表。 ・インドネシア新鉱業法は、銅やニッケル、石炭などをインドネシアで調達する企業に対し、2014 年まで国内での精錬・加工の開始を義務付けている。 ・インドネシア政府は、2015 年 7 月 1 日よりオランダとの投資協定の停止を実施することを決定したとのこと。在ジャカルタ・オランダ大使館によると、両国政 府は本件で協議中であるとのこと。 ・2015 年 6 月 23 日、インドネシア大統領は、工業資源の開発に関する政府規則(Government Regulation No. 41 Year 2015)を公布(6 月 23 日施行); 同規則は、国内産業への安定的な供給確保や国内価格の維持、付加価値活動への貢献など一定の状況の下での政府による国内産業保護のための輸 出規制、輸出禁止を許容している。天然資源の輸出禁止・制限等について規定している。輸出規制には政府による輸出税の賦課、輸出割り当て、国内産 業への供給義務を書くことなどが許容されている。 【参考】当該政府規則 2015 年第 41 号の URL【尼語】 http://sipuu.setkab.go.id/PUUdoc/174554/PP0412015.pdf 日商 (4) 再保険の海外出再 ・自国保険マーケットの引受け許容量を最大限利用すること、ひいては国内所在 ・元受会社として安心して再保険に出すこと ・OJK Circular Letter 規制 物件に対する保険料の国内留保を狙いとして、インドネシア国外への出再を規 が出来るよう、当地再保険会社には、自ら No.S-77-D.05.2014 制する動きが見られます。このこと自体、国として自らの利益を確保したいとする が引き受けるリスク量に見合ったセキュリテ 意味においては理解が出来る動きである一方、自然災害等の大規模事故が発 ィの高い再々保険を確保してもらうこと、そ 生した際の保険金支払い責任の集積から生じる、元受保険会社による再保険金 の内容を開示してもらうこと等を求めたい。 回収リスクが発生することが懸念されます。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 10/44 要望 準拠法 6 外資優遇策の縮 日商 小 (1) 投資優遇策として ・投資優遇策として国内の供給者が 100%の需要を補いきれない部分に対する原 ・客先より新規関税免除申請がある場合は、 ・176/PK011/2009の輸入関税免除制 材料輸入関税免除制度に関する運用基準が無く且つ不透明で、同関税免除の 国内供給者である当社の供給方針を確認 Financial 度の不透明性 Facility を持つ客先に対する価格が関税分(12.5%)安く期待利益が確保できな の上、適切な数量に限定され、適用数量 Ministry(BKPM) い。 が確実に Monitoring できるような透明性 ・19/M-IND/PER/2/2010Industrial Ministry を確保して頂き度い。 ・69/M-IND/PER/7/2011Industrial Ministry (対応) ・2015 年 8 月 16 日より、インドネシア財務省は、一段の投資誘致を図るべく法人税の一時減免(タックスホリデー)制度の条件を緩和;「パイオニア産業」の 適格対象を産業用機械製造、PPP による経済インフラプロジェクト等 9 分野に拡大し減免期間を延長する措置を施行した。 8 投資受入機関の 日商 問題 (1) 投資許認可手続の ・各種の許認可/ライセンスの取得プロセス(例:土地、環境、事業権、排出等の ・BKPM(投資調整庁)等の横串的な機関 煩雑・遅延 許認可を、エネ鉱業省・工業省・商業省等の各省庁より各々取得する)が煩雑で による、ワンストップサービスの実現、また あり、時間がかかる。 関連手続きに関わる時間管理の厳格化、 が望まれる。 ・過去、許認可手続の煩雑さ、複数の行政機関を経由する必要性から、大型案件 ・ワンストップサービスの実現に向け、政府 で申請から承認まで数年を要することもあった。新政権下、行政のワンストップサ 間協議に於いても状況のフォローをお願 ービス(事業計画の提出窓口を投資調整庁に一本化する等)による民間投資の いしたい。 促進を掲げており、エネルギー・鉱物省、環境・林業省を始めとした各省庁は省 力化に取り組んでいる。 ・事務所の住所変更の場合、従来の許認可は殆ど総て取直しが必要。新規許認 ・事務所の住所変更がされた場合、事務所 可取得の為多大な費用と時間が掛かり、且つ当然ながら取得以前の実質商売 住所変更手続き以外、従来の許認可を継 不可となる。 続有効にしてほしい。 例:輸入税納付番号未取得→輸入不可 日機輸 日商 ・投資に関する法律 2007 年 第 25 号 25 条∼29 条、投 資分野のワンドア統合サー ビスに関する大統領規程 2009 年第 27 号の運用不 備 (対応) ・2015 年 9 月 9 日、ジョコ・ウィドド大統領は経済回復に向けた政策パッケージの第 1 弾として重複規制の廃止を含む政策パッケージを発表した。重複規 制廃止では、154 の規制のうち、重複する 89 の規制を廃止する。その上で 17 の政令、11 の大統領令、63 の大臣令などを発令するとしている。 (改善) ・2015 年 1 月 26 日、投資調整庁(BKPM)は、企業設立手続きおよび設立後の各種申請のオンライン化を進めることで 22 関係省庁・機関の許認可の迅 速化を図る「統合ワンストップサービス(PTSP)」を公式に開始した。PTSP は投資の許認可プロセスの迅速化や簡素化、透明性確保、集約化を目的とし ており、金融とエネルギー分野を除く全ての業種に対応している。PTSP は地方政府を含む全国各地で設置されている。 ・2015 年 9 月 29 日、インドネシア政府は景気浮揚策として、「投資認可手続き日数の大幅な短縮」と「大型事業投資に対する税制優遇の承認過程迅速化」 を発表した。インドネシアはシンガポールやマレーシアなどの近隣諸国に比べて、投資許認可にかかる日数が遥かに長く、手続きの簡素化が課題であっ た。今回の発表について投資調整庁(BKPM)のフランキー長官は、従業員 1,000 人以上を雇用する工業団地に入居する新規投資企業による投資額 1,000 億ルピア(約 8 億円)以上の案件を対象に、投資認可を 3 時間で付与することを明言。 ・2015 年 12 月 1 日、インドネシア投資調整庁(BKPM)は、工業地域・保税地域での新規投資のための 3 時間以内の許認可発行サービスを拡充;取扱う 許認可の種類を追加すると発表した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 11/44 準拠法 ・2016 年 3 月 2 日、インドネシア貿易省は、新設貿易会社が取得義務のある商業許可書(SIUP)と会社登録証(TDP)の両申請手続きを簡素化する規則 を公布した(2016 年 3 月 2 日施行)。単一の申請書に統一され承認期間が短縮、地元の統合ワンストップサービス(PTSP)で承認済みの SIUP 及び TDP のオンライン発行が可能になる。 【参考】尼貿易省の当該規則 2016 年第 14 号については、以下の URL を参照【尼語】 (http://www.kemendag.go.id/files/regulasi/2016/03/02/14m-dagper32016-id-1458209864.pdf) 9 輸出入規制・関 建産協 税・通関規制 日機輸 日機輸 (1) 高輸入関税 ・中国製金具や日本製化粧シートの輸入関税が 24%掛かってる。 ・税率が下がらないか? ・単機能プロジェクタが無税(ITA 製品)である一方で、多機能プロジェクタに高関 ・問題解決への働きかけをご検討頂きたい。 税が課されている。 ・ITA 拡大に関する最新情報の確認とご提 供を頂きたい。 ・今後の動向についても継続的に情報をご 提供頂きたい。 (2) 突然の輸入関税の ・2010 年 12 月に突然の輸入関税設定のアナウンス、その後 2011 年 1 月から施 ・十分かつ妥当な説明をして頂きたい。 ・インドネシア財務大臣令 引き上げ 行、現在 Printer は 5%の関税が適用されている。 2010 年第 241 号(2010 年 12 月 22 日付:Peraturan ・2011 年 1 月、一部輸入品(冷蔵庫用部品など)の関税が公告期間なく実施開始 Menteri Keuangan Nomor 後の法令連絡(WEB にて)で、突如上げられ(ゼロ⇒5%)、工場運営上大きなダ 241/PMK.011/2010) メージが発生する。 (対応) ・2005 年 7 月、ASEAN と中国との FTA(ACFTA)が発効した。 ・2007 年 6 月、ASEAN と韓国との FTA(AKFTA)が発効した。 ・2010 年 1 月、ASEAN とインドとの FTA(AIFTA)が発効した。 ・2010 年 1 月、インドネシアを含む ASEAN10 カ国からの物品輸入の輸入関税を定める共通効果特恵関税(CEPT)を置き換える ASEAN 物品貿易協定 (ATIGA)が発効した。 ・2011 年 6 月 2 日、財務省が公布した 2011 年 4 月 13 日付け規則第 80 号(Regulation No. 80/PMK.011/2011)は、加工食品 8 品目の輸入関税率を 5%から 10%に引き上げている。 ・2014 年 2 月 11 日、国内市場・産業を保護する目的で政府による輸出入を制限する権限を有することを明記した新貿易法を可決。現行の輸入ライセンス 強化、数量制限、強制規格適用、資源輸出制限などの措置を支援する政府権限強化、FTA への国会関与の強化となることが懸念されている。 ・2015 年 5 月 28 日、インドネシア財務省は、下流部門の一部鉄鋼輸入品に対する MFN(最恵国待遇)税率を引き上げる規則を公布し、2015 年 5 月 30 日より施行。 【参考】尼財務省規則 2015 年第 97 号の URL【尼語】http://www.jdih.kemenkeu.go.id/fullText/2015/97~PMK.010~2015Per.pdf ・2015 年 7 月 23 日、インドネシア財務省は HS Chapters 73, 84, 85, 87, 90 にわたる消費財輸入品(機械類等を含む)に対する MFN(最恵国)税率を 引き上げる規則(Ministerial Regulation No. 132/PMK.010/2015)を公布し、2015 年 7 月 23 日より施行した。引き上げの対象は自動車・食品・衣料な ど広範囲に渡り、自動車が従来の 10∼40%から一律 50%に引き上げられる他、コーヒー・茶は従来の 5%から 20%へ、食肉は 5%から 30%へと大幅に 改訂された。また従来、1 リットルあたりに対する課税方式であったアルコール飲料は、その度数によって最大 150%課税とする方式に変更された。他に エアコンや衣料などの消費財も含まれている。 【参考】当該規則 2015 年第 132 号の URL【尼語】 http://www.jdih.kemenkeu.go.id/fullText/2015/132~PMK.010~2015Per.pdf (改善) ・2008 年 7 月、日本とインドネシアは経済連携協定(JIEPA)を発効した。日本からのインドネシアの輸入で関税が無税となる品目は、05 年 4 月時点の 34%から、実質約 96%(鉄鋼の特定用途免税分を含む)に拡大する。電気・電子機器も即時撤廃、あるいは 10 年までに段階的に撤廃。3000cc を越える 完成車は 12 年までに関税撤廃、その他完成車(含バス・トラック)の大部分は 16 年までに 5%以下に撤廃、自動車部品も大部分は 12 年までに関税撤廃、 自動車・同部品、電気・電子、建設機械、エネルギーなどの分野で用いられる高級鋼材は 5-20%の免税となる(特定用途免税制度:USDFS)。 ・2008 年 4 月 14 日、日本と ASEAN 加盟国は、日 ASEAN 経済連携協定(AJCEP)に署名した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 12/44 準拠法 ・2008 年 6 月 30 日、JIEPA の関税率引き下げ方法、2012 年までの関税率表、USDFS 免税 328 品目に関する財務大臣規定第 94 号、第 95 号、第 96 号が公布された。 ・インドネシア等の ASEAN 先発 6 カ国は、2010 年、CEPT 輸入関税の 99%を撤廃した。 ・2011 年 6 月 2 日、インドネシア財務省は国内産業(特に農業、印刷、繊維、皮革、履物、照明器具、ゴム、プラスティック、船舶などの産業)を支援するた め、190 品目(化学品、食品、機械、電子機器、海運各産業における原材料、資本財、消費財)の輸入関税を修正する 2011 年 4 月 13 日付け規則第 80 号(Regulation No. 80/PMK.011/2011)を公布した(2011 年 4 月 18 日発効)。同規則は、原材料・資本財産業及び関連産業を支援するため、182 品目 の原材料・資本財の輸入関税(5%)を撤廃している。その内訳は、(1)基礎化学品 59 品目、(2)大豆油 1 品目、(3)機械 91 品目、(4)設備 16 品目、(5)撮 影機器 2 品目、(6)船舶業 13 品目からなる。第 84 類に含まれるのは、特定の蒸気タービン、空気・真空ポンプ、遠心分離機、鶏卵孵化機、機械(印刷、 繊維、皮革、履物、照明器具、ゴム、プラスティック用)である。第 85 類に含まれるのは、特定の電子磁石、録音・録画機用部品、電力用コンデンサ、電気 スイッチ・回路、ブラウン管、絶縁線である。第 90 類に含まれるのは、特定のレンズ、カメラ、X 線装置である。 日機輸 (3) ITA 違反のソーラ ・ソーラーモジュールは ITA(情報技術協定)の対象品目であり、ITA 参加国はソ ・WTO 譲許表および ITA に基づく 最恵国 ・WTO 譲許表 ーモジュール関税 ーラーモジュールの関税を撤廃する協定上の義務あり(ソーラーモジュールの関 税率の運用(0%適用)を 要望。(左記の ・ITA 対象品目リスト 賦課 税分類番号[上 6 桁]:8541.40)。 インドネシアの運用は、譲許税率を超える ・インドネシア財務省 関税 率表 インドネシアも ITA に参加しており、同国のソーラーモジュールの WTO 譲許税 関税徴収を禁じた WTO 協定(GATT 2 率(WTO 加盟国が輸入品目毎に約束した上限税率)は 0%。 条)、および情報技術関連商品の関税撤 ところが、インドネシアは実際のソーラーモジュールの輸入に際し 5%の関税を 廃を目的とする ITA に違反。) 課している。 (参考)インドネシアの「ソーラーモジュール」関税 −関税分類番号: 8541.40.22.00 −WTO 譲許税率: 0% −最恵国(MFN)税率: 5% (実際にインドネシアで適用されている税率) (参考) ・準拠法の URL: −WTO 譲許表:http://www.wto.org/english/tratop_e/schedules_e/goods_schedules_table_e.htm −ITA 対象品目リスト:http://www.wto.org/english/docs_e/legal_e/itadec_e.htm (4) 部品と完成品との ・建設機械の完成品輸入関税は“ゼロ”である。しかし、建設機械の製造用部品の ・日/尼経済連携協定(段階的な関税引き下 ・日/尼経済連携協定 間の不平等な輸入 一部は輸入関税が掛かっている。設備投資・雇用促進・輸出外貨獲得、事業税 げ)再度交渉を希望する。当地の建設機 ・インドネシア側の HS コード 関税 納入し当地で貢献しているにも係らず不平等であり当地生産の建設機械の競争 械工業協会(HINABI)としてもすでに関 変更 力が落ちる。 係官庁に申し入れしているが進展無し。 ・ネガティブリスト(2012 年 10 自動部品 ・インドネシア国内で調達できない工業部品がネガティブリストに登録されている ・インドネシアで調達できない部品への免税 月 29 日制定の工業大臣規 ため高い関税が掛けられる。また、マスターリストで登録することでも対象から外 措置を適切にしてほしい。 定 106 号) れないことが問題。当該会社として問題となる部品(自動車部品)は ERW 鋼管 ・trade regulation (溶接製鋼管)であり、建設機械用油圧機器で使える溶接用鋼管はインドネシア では調達できない。 日機輸 ・AFTA を活用すると完成品の関税はゼロ%に対し、原材料の関税は 5-10%。現 ・原材料の関税を 0%とするようインド政府に 地製造会社が現地で販売する際の負荷となっている。 要請願いたい。 建機工 日商 日商 (5) 輸入ライセンス制 度の活用困難 ・輸入ライセンスには API-P(製造業用、原材料輸入)と API-U(一般用、商品輸 ・API-P で完成品の輸入を可能にする、一 ・通関法(2006 年 11 月) 入)があるが、一社で両方のライセンスを取得できない。よって、製造業者は海外 社で両方のライセンスを取得できるように ・Industrial and trade グループ企業からの完成品のパス・スルー販売が出来ず、海外グループ企業と する等で、製造者が完成品を輸入出来る regulation の相互補完による生産の自由度が制限されている。 ようにして頂きたい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 13/44 要望 準拠法 ・2015 年 9 月 28 日付商業 大臣規程 (70/M-DAG/PER/9/2015) ・製造会社に認められる輸入ライセンスでは、原材料、仕掛品の輸入は認めるが、 完成品の輸入は認められていない。例外として許可(Importir Produsen:IP)を 得ることで、輸入が可能となっている。しかし、許可取得に多くの時間を要し、ジ ャカルタまで行く必要がある。 (対応) ・2012 年 5 月 1 日付商業大臣規定 2012 年第 27 号(No.27/M-DAG/PER/5/2012)を改定したもの。2012 年 27 号規定では、販売業者、商社などが保 有する一般輸入ライセンス(API-U)を有する企業が輸入できる品目の範囲が、HS コードベースで分類された 21 分野の中から 1 社につき 1 分野の輸入 のみに限定された。 ・2012 年 5 月 1 日付商業大臣規定(27/M-DAG/PER/5/2012)で、完成品の輸入に関し輸入ライセンスの規定が改定され、製造輸入登録業者(API-P)は 「市場テスト」又は自社で製造できない「補完物」の用途に限定(数量・期間も制限)、一般輸入登録業者(API-U)は 1 業者につき 1 分野(輸入が許可され る品目を 21 分野に分類)に限定された。実施は 12 月 31 日までとしているが、日本や米国などの産業界の反発を招いており、調整が進められている。 ・2015 年 9 月、インドネシア政府は輸入業者番号(API)に関する 2015 年第 70 号を発行。これまで製造輸入業者番号(API-P)を付与されていた企業に 認めていた完成品の輸入に関する条項を削除し、原材料と半製品のみしか輸入できなくなった。 ・2015 年 9 月 28 日、既存の輸入業者番号(API)は、商業大臣の輸入許可取得を条件に、一般 API(API-U)、製造業 API(API-P)の両方について、 2016 年 6 月 30 日までに再申請が必要とされた。(2015 年 9 月 28 日付商業大臣規程(70/M-DAG/PER/9/2015) ・2016 年 3 月 22 日、インドネシア工業省は、API-P(製造輸入業者認定番号)を保持する製造業者によるインドネシアへの完成品(補完財、テストマーケテ ィング用品・アフターセールスサービス用品)の輸入許可発行に関する規則を公布した(2016 年 3 月 22 日施行)。API-P 取得業者の完成品輸入資格回 復に伴い尼工業省からの推薦状取得が義務化になり、特定産業について追加の輸入数量制限を課す。 ・インドネシア貿易省、API-P(製造輸入業者認定番号)保有者による完成品輸入を規制する規則を 2016 年 1 月 1 日より施行予定であったが、産業界から の圧力があり実施を延期した。API-P 保持者が完成品を輸入できる適用除外を回復する新たな規則も検討されている。 (改善) ・2012 年 9 月 21 日付で、商業大臣規定 2012 年第 59 号(No.59/M-DAG/PER/9/2012)が公布された。同規定は商業大臣規定 2012 年第 27 号を改定 するもので、外国の輸入先と特別な関係を有する場合(経済活動を支配する契約、株式所有、代理店・販売店契約、貸付契約、サプライヤー契約等)に は、1 社複数品目の輸入を認め規制内容が緩和された。 ・2015 年 10 月 21 日、インドネシア貿易省、輸入業者認定番号(API)の登録・発行に関する規則を改正する規則を公布し、2016 年 1 月 1 日より施行。 API-U取得業者が新たな番号を適用することなく単一製品を超えて輸入することができ、API-U取得業者については、補完製品またはサンプルとして輸 入される製品への制限を撤廃した。また輸入の API-U 又は API-P の規則の順守をモニターする「事後監査」システムを導入した。 ・2015 年 12 月 23 日、商業省は、商業大臣規定 2015 年第 118 号を発行し、製造輸入登録番号(API-P)保有企業に対して補完財、テストマーケティング、 アフターサービスのための工業製品を輸入し、他社に販売することを認めた。(2016 年 1 月 1 日施行) 日機輸 日商 日機輸 (6) 輸入許可取得手続 ・特別な輸入ライセンスの取得を求められる鉱油関連製品(潤滑油含む)や、機械 ・プロセスと、期間を定めてほしい。 の不透明・遅延 を輸入時に、下記問題があり、円滑な経済活動が妨げられている。 ①ライセンスの取得フローが不明瞭 ②取得までの期間が不明瞭 ・インクジェットカラープリンタについては、1)SFP、2)MFP 3in1、3)MFP 4in1 ・許認可プロセスの迅速化と整備徹底、及 のカテゴリー別に 6 ヶ月毎輸入許可申請を行う必要があるが、申請から認可まで び輸入制限の撤廃。 の時間が非常にかかり、かつ申請台数に対して認可台数に制限を掛けられるケ ースが発生しており、販売活動に影響が出ている。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 インドネシアにおける問題点と要望 14/44 意見元 No 問題点 日機輸 (7) 突然の輸入通関強 ・合金鋼輸入に際し輸入ライセンスの取得と船積み前検査を義務付ける内容だ ・ライセンス取得や更新手続きは現状それ ・インドネシア商業省令 28 制停止措置の不透 が、明確なガイドラインがない中、突如輸入通関が強制停止。結果、船積み検査 ぞれ約 2 ヶ月の期間を要すが、工業省、商 号 明 をせずに船積みされた貨物が港で約 2 ヶ月も滞貨を余儀なくされる異常事態が 業省における迅速な手続きをお願いした 発生し、客先生産ラインの停止危機が頻発、また港での巨額の保管料支払いに い。 輸入者が応じざるを得ぬ状況。ライセンス取得、同更新手続きには相当な期間 を要し、その間は輸入通関が切れぬ事態が継続。安定的な貿易取引維持の障 害となっている。 日機輸 日商 (8) 食品輸入手続の厳 ・生鮮三品(肉、野菜、果物)は 1 アイテム毎に輸入枠を申請する必要あり、多くの 格・煩雑・遅延 必要書類準備と通関までに時間・コストを要する。また日本から輸入する場合は 放射能汚染全ロット検査、船積前規格検査、到着時成分検査といった非関税障 壁が存在。一般加工食品も同じ輸入規制強化対象の流れにある。 日機輸 (9) 潤滑油輸入制限規 ・顧客納入システムの構成品として回転機器(遠心脱水機)をインドネシア国外か ・海外調達製品への保守を目的とした潤滑 ・2001 年 7 月 20 日付工業 定 商業大臣決定 2001 年第 ら輸入し納入している水処理設備 Engineering 会社をインドネシアに持ってい 油輸入に関する規制撤廃。 る。納入後の保守時に、保守用品として潤滑油(Lubricant)の購入依頼を受け 233(No.233/MPP/Kep/ 7/2001) ることがあるが、機器と同時に潤滑油を輸入する場合は何ら制約を受けないにも 関わらず、製品納入後に潤滑油単独で輸入する際には NPT(Nomor Pelumas Terdaftar :潤滑油に関する登録番号)が必要と同時に、 Engineering 会社が所有する輸入ライセンスでは販売先が提供する潤滑油の みを単独で輸入することができず(Lubricanting Oil の輸入は製造輸入業者 (IP)に限定)、納入顧客の適正な保守実施に困難が生じている。 日商 (10) インドネシアへの ・インドネシアにおける製品の生産や原材料調達が益々増えていく環境におい ・インドネシアが AJCEP に加盟することで、 AJCEP 適用遅延 て、インドネシアに AJCEP が適用されていないことはインドネシアの資産の有効 ASEAN 地域内での原材料調達や製品生 活用した生産ネットワークを強化していくうえで足かせとなっている。 産をより活性化させたい。 日機輸 (11) 原産地証明書記載 ・各税関での HS コード、関税評価、C/O 上の軽微な記載ミス等において、統一的 ・通関制度上の判断基準等(日本において 要件の不統一・不 解釈・透明性が確保されておらず、税関担当の判断で不当と思われる関税を徴 定められた C/O 上の軽微な記載に関する 透明 収されるケースが頻発している。 ガイドライン等)を、尼国の通関に対して指 国内産業育成に偏重し、貿易に関する通関等、諸手続の品質向上が見られな 導し、品質向上を図って頂きたい。 い。新政権下でも税収確保が命題となっているが、これを曲解した税関が、同様 の指摘を繰り返す事態を懸念する。 JEITA 日機輸 (12) FTA での第 3 国イ ・ASEAN−中国で結ばれた FTA で 2010 年 1 月より関税が大きくとりはらわれた ・現場としては、選任の書類確認係を設置 ・Form E ンボイス活用困難 が、フォーム E が第 3 国経由(仲介取引)の場合適用されず、オリジナルの関税 し、工場が FormD を発行する前に輸入時 を適用される。タイ・ベトナムなどは第 3 国経由が認められたが、同じ ASEAN の の書類確認担当者のチェックを受ける運用 インドネシアではまだ認められていない。 を実施し、通関でのトラブルを低減しようと 2011 年 10 月より、インドネシア税関当局より、第三国経由の場合でも FTA 試みている。要望としては、通常の国であ (FormE)が認められる通達が発信され、11 月中国工場出荷分より順次適用を れば不備と取られない程度のものについ 進めている。 ては、確認要件を緩和して頂く交渉をお願 但し、中国 CIQ での第三国経由取引における FormE 取得が未だ不安定であ いしたい。 り、80%の CIQ で FormE 発行を拒否されるとのこと。 ・少なくとも FormD/E に関しては、書類上 輸入通関に関連した書類において、FormD/E について、輸入インボイスの請 に輸入者向けの IV 番号が記載されてい 求金額の記載が要求され、工場出荷金額とは異なる為、商品の工場出荷後し て、輸入者が税関に対してそれを別途提 問題点内容 要望 準拠法 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 15/44 要望 準拠法 か、書類発行手続きが行えない。この為、インドネシアから近い国からの出荷の 示できれば問題ないと思われるので、金額 場合、商品が書類の完成よりも早く着いてしまうケースがある。結果、通関に時 記載を不要にできないか、そういった制度 間を要してしまう。 運用に変更頂く働きかけをして頂きたい。 また、この運用制約により、一部 OEM 商品に関して、販売会社への販売価格が OEM 工場に開示されてしまう為、OEM 工場との価格交渉に悪影響を及ぼす事 が懸念される。 ASEAN 域内の通関に際してもフォーム D の内容を異様に細かく確認して、通 関を遅らせることがある。 (対応) ・2012 年 8 月 27 日、ASEAN 経済相会議(AEM)と第 26 回 AFTA の合同会合で AEM は、FormD の FOB 価格の記載要件の廃止の勧告を承認した。 2013 年 2 月の承認、2013 年半ばでの発効を目指す。 2014 年 1 月 17 日、現時点でまだリジェクトされている。 自動部品 (13) 日インドネシア ・免税方策として、工業省発行の『インドネシア共和国と日本との経済連携に関す ・制度を使用するに当たり、その制度の申 ・工業大臣規定 EPA の特定用途免 る合意の枠組みにおける特定用途免税制度(USDFS/User Specific Duty 請・審査・期間の改善、そして適否の明確 No.43/M-IND/PER/7/20 08 税制度登録手続の FreeScheme)を用いた関税率の利用が可能な産業グループに関するインドネ 化を希望する。 煩雑・不透明 シア工業大臣規定 No.43/M-IND/PER/7/2008』となり、ここに利用が可能な産 業グループの記載がある。 当該会社は『四輪又はそれ以上の原付車両の部品・装備品産業』に分類され る。これは工業大臣指定のサーベイヤーが発行した特定用途免税制度登録証 明書(SKVI-USDFS)によって認められる可能性があるが、手続きが煩雑、必要 データが膨大、対応が不明瞭、長時間掛るなど実際には認定獲得が困難。 ベア工 ベア工 日鉄連 (14) 日尼 EPA の原産 ・協定における HS(2002)と、輸出入時点 HS(2012)での HS が 6 桁レベルで変 地証明書不受理問 更になっていた場合、インドネシア税関での輸入申告において、特定原産地証 題 明書が受理されない。結果、原産資格は充たしているものの、EPA の恩典を享 受できない。 例)ブレーキとその部品 HS 2002 : 870831 or 870839 vs HS 2012 : 870830 (15) EPA 原産地証明 ・インドネシアでの輸入通関完了後の EPA 原産地証明書の遡及適用ができな 書の遡及適用不可 い。また適用には特定原産地証明書の原紙が必要となる。そのため、緊急貨物 である空輸については、EPA を利用できない場合がある。 ・新旧 HS コードの対照表で納得頂きたい。 ・このような問題が起きない協定文として頂 きたい。 ・遡及適用、もしくは、コピー(PDF)可として 頂きたい。 (16) アンチダンピング措 ・2011 年 6 月 24 日、冷延鋼板類に対する AD 調査を開始。対象国は日本を含 ・措置の撤廃、適用除外措置の設置。 み、韓国、台湾、韓国、中国、ベトナムの 5 ヵ国・地域。 置の濫用 ・2013 年 3 月 19 日、財務省が対象 5 ヵ国・地域すべてをクロとし、5.9%∼55.6% の AD 税を 3 年間賦課することを最終決定。輸入 HS コード分類上は区別でき ないが、日本から輸入される調査対象の冷延鋼板の多くは自動車、電機・電子 向け産業に使用され、品質および供給量において国内生産される冷延鋼板とは 異なり同種の産品ではないことから、国内産業へ損害を与えていないとする日本 側の主張は一切考慮されていない。 ・インドネシア政府規程 34 号(アンチダンピング法) ・Ministry of Finance Regulation No. 65/PMK.011/2013 dated March 19, 2013 (as amended by Ministry of Finance Regulation No. 224/PMK.011/2014 dated December 22, 2014 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 日機輸 日商 日機輸 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 16/44 要望 準拠法 ・2013 年 3 月 19 日、インドネシア商業省アンチダンピング委員会(KADI)は、日・撤廃を希望(実態に即した運用を希望す 本、中国、韓国、ベトナム、台湾から輸入される冷延コイル・鋼板(CRC/S)を対 る。) 象とするアンチダンピング税賦課を発表した。日本鉄鋼メーカーの AD 税率は 18.6%と 55.6%。輸入 HS コード分類上は区別できないが、日本から輸入され る調査対象の冷延鋼板の多くは自動車、電機・電子向け産業に使用され、品質 および供給量において国内生産される冷延鋼板とは異なり同種の産品ではない ことから、国内産業へ損害を与えていないとする日本側の主張は一切考慮され ていない。 ・鋼材へのアンチダンピング課税による輸入規制 ・無用な国内企業保護政策に陥らないよう −冷延鋼板アンチダンピング にきちんとした現状調査(国内企業の製造 日本/韓国/中国/台湾/ベトナムの冷延鋼板に対し AD 関税賦課。 可否)を実施、判断頂きたい。 −普通鋼材(アルミ亜鉛メッキ材)アンチダンピング ベトナム/台湾/韓国/他に対し AD 関税賦課。 −線材に関するセーフガード 法令施工された場合、線材輸入が出来なくなる可能性あり。 ・冷延鋼板に対するアンチダンピング課税 ・当国は日本から冷延鋼板を輸入しており、 日本製品は当国産の冷延鋼板と実質競合しておらず、当国での不利益は無い その 70%は自動車向け、5%は電気・電子 にも関わらず課税対象となっている。日本製品は自動車、家電用の高品質が求 製品等向けである。左記方法では実質的 められる顧客向けが多く当国では品質面で供給が困難と見られる品目で、実質 に除外されるのかが不明にて、自動車・家 当国産の冷延鋼板と競合しておらず、当国での不利益は事実上ないと思われ、 電向けは根本的に課税対象外として頂き 当該需要分野での当課税除外を主張している。 たい。 2014 年 12 月 22 日に当国財務省より化学成分を根拠として除外適用する旨公 示あったが、除外適用となる条件が不明瞭である為、現在確認中。 (対応) ・2013 年 3 月 19 日、インドネシア商業省アンチダンピング委員会(KADI)は、日本、中国、韓国、ベトナム、台湾から輸入される冷延コイル・鋼板(CRC/S) を対象とするアンチダンピング税賦課を発表した。日本鉄鋼メーカーの AD 税率は 18.6%と 55.6%。これに対し、日本政府は善処を求めており、また日本 の業界団体は日本製品への適用除外を求めている。 ・2014 年 4 月、冷延鋼板類の AD 税に関する Interim Review を開始。 ・2015 年 3 月 30 日、インドネシア財務省は、アンチダンピング(AD)税・相殺関税(CV)税・セーフガード(SG)関税の徴収及び還付手続きを明確化する規 則(Ministerial Regulation No. 55/PMK.04/2015)を公布(2015 年 4 月 16 日施行)。 【参考】規則第 55 号の URL を参照【尼語】 http://www.sjdih.depkeu.go.id/fullText/2015/55~PMK.04~2015Per.PDF ・2015 年 9 月 8 日、インドネシア・アンチダンピング委員会、中国・日本・韓国・台湾・ベトナム製の冷延コイル/鋼板に対する AD サンセットレビューを開始。 ・2016 年 2 月、インドネシアの自動車メーカーは、現在アンチダンピング(AD)税が賦課されている鉄鋼輸入品(自動車の製造工程で使用)について、当該 AD 措置により最終製品の価格競争力が失われる恐れから AD 措置の対象から除外するよう尼政府に要請している。これとは反対に、インドネシア鉄鋼協 会(IISIA)は現地生産した冷延鋼板は自動車メーカーのニーズに合致したものであるとして現地産の冷延鋼板の最大限の使用を政府に求めている。 日鉄連 (17) セーフガード措置 ・2011 年以降、多数の鉄鋼製品に対するセーフガード措置を発動。具体的には ・セーフガード措置濫用の中止。 の濫用 線類(2011 年 3 月 23 日、賦課開始)、鋼線(2012 年 11 月 20 日、賦課開始)、 オイル・ガス掘削用継目無鋼管(2013 年 8 月 6 日、調査賦課開始)、非合金ア ルミ・亜鉛めっき鋼板(2012 年 12 月 19 日、調査開始)。日本以外の他国からの 輸入急増に対抗する措置と思われるところ、日本が巻き込まれる安定的な貿易 環境の維持の障害となっている。 ・インドネシア政府規程 34 号(セーフガード法) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 17/44 要望 準拠法 (対応) ・2013 年 8 月 6 日、オイルガス掘削用継目無鋼管にセーフガード措置賦課開始。 ・2014 年 7 月 5 日、非合金アルミ・亜鉛メッキ鋼板にセーフガード措置賦課開始。 ・2015 年 1 月 21 日、合金形鋼にセーフガード措置賦課開始。 ・2015 年 8 月 6 日、線材にセーフガード措置賦課開始。 ・インドネシア財務省は、2015 年 8 月 18 日より 3 年間、鋼線材の輸入に対するセーフガード税を賦課。但し、ASEAN7 カ国を含む 121 カ国の発展途上 国は適用対象外。 ・2015 年 10 月 28 日、WTO は、ベトナムの申し立てに基づき、鉄又は非合金鋼のフラットロール製品輸入に対するインドネシアのセーフガード措置につい てパネルを設置。 日機輸 (18) セーフガード規制 ・メッキ鋼板に対するセーフガード規制に関し、財務省から税関当局に対しては、 ・合金鋼規制、セーフガード規制に共通す ・インドネシア政府規程 34 開始の不透明 セーフガード規制開始日の事前通知がなされていたものの、輸入者側には一切 るが、パブリックコメント等を通じて事前に 号(セーフガード法) の事前説明なく、輸入者は当該規制開始の事実を事後知ることになった。事前 業界の意見を聴取頂き制度改正による影 の対策が取れないまま材料輸入を余儀なくされたが、その後、突然、税関当局 響を十分検討頂くこと、そして法令の改定 から巨額のセーフガード課税支払いの通知を受ける事態となった。安定的な貿 が関係者に適時に伝わるような通知方法、 易取引維持の障害となっている。 輸入者が対策を講じるに必要な猶予期 間、経過措置を設けて頂くことをお願いし たい。 日商 (19) 通関手続の遅延・ ・機器等の輸入において、同一機器を輸入したにも関わらず、担当官によって要 ・必要書類の種類および要件についてのガ 不透明 求する書類の要件や種類が異なるため、通関時に指摘を受けてから準備せね イドラインを明確にして頂きたい。 ばならず、通関が遅延する。 ・現在船便輸入通関には 1 ヶ月∼2 ケ月を要しており、オペレーションで問題。 ・通関期間の短縮を実現いただきたい。 ・輸入通関に非常に時間がかかっており、工場生産に影響を受ける可能性が大き ・輸入通関手続きの簡素化。 い。その場合、いつ通関が完了されるのか不明で計算が出来ない。 ・税関員不在などにより通関許可取得に時間を要する場合もあり。 ・輸入通関手続きの簡素化。 ・輸入通関に時間がかかり、その判断基準(何が原因で止まってしまうのか)も不 ・輸入通関プロセス・判断基準を明確化して 透明である。 頂きたい。 日商 建産協 建産協 日商 (対応) ・2006 年 3 月、政府は、2006 年 2 月 27 日付け大統領指示第 3 号に基づき「投資環境の改善のための政策パッケージ」を発表した。通関関連の主なプロ グラムは、2006 年めどの通関検査プロセス簡素化のための規定改正、2008 年のシングル・ウィンドウ導入に向けた輸出入アプリケーションシステムの準 備、年内のレッドレーン使用率の段階的縮小と優先レーン指定業者の段階的拡大、年内のカーゴプロセス時間の短縮とコスト削減、保税地域の見直し、 密輸撲滅努力の強化などとなっている。通関検査業務の迅速化の方策として、(a)2006 年 6 月までに通関検査業務に関する法律・規則の簡素化、(b)関 税総局における EDI システムの拡張による通関検査時間短縮の目標設定(グリーンライン 30 分、レッドライン 3 日)、(c)2006 年 12 月までに国家単一窓 口 2008 への申請を支援するための輸出入システム申請の準備、(d)適切な設備や技術によるグリーンラインとレッドライン、およびゴールドラインの判定に 関する明確で透明性のある評価基準や一貫性のある運用規則の改定、(e)2006 年 6 月までに特定主要品目の関税分類取り決め手続きガイドラインの編 集、(f)タンジェンプリオク港とスカルノハッタ港における貨物手続の迅速化とコスト低減を図るために、2006 年 3 月までにトレードネットと港湾ネットを網羅 する国家単一窓口 2008 への申請の準備及び貨物ハンドリング時間の短縮と法律・規則に適合しないコストの撤廃、(g)関税業務における手続きの簡素化 として登録・申請は関税総局の地方事務所を経る必要がないこととするなどの措置をあげている。 ・2006 年 5 月 11 日、大統領は PI No.13/2006 に規定される租税及び税関改革を遂行することを任務とする大統領に対して助言を行うチームを設置する 大統領命令 No. 17 を発令した。 ・2007 年 7 月、タンジュン・プリオク港の税関主要サービスオフィス(KPU)においてワンストップ・サービスを開始した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 18/44 準拠法 ・2008 年 7 月 1 日、日・インドネシア経済連携協定が発効した。協定には、ビジネス環境を整備するための政府・民間参加の協議メカニズムが設けられてい る。また、税関手続きに関し、①予見可能性、一貫性及び透明性のある税関手続き、②税関手続きの簡素化及び調和、③税関当局間の協定及び情報交 換が規定されている。 ・2009 年 7 月 15 日、インドネシア運輸省(MOTR)は、全ての港湾において貨物の引渡し前の検数サービス料(tally service charges)の支払いを義務付 ける通達を発行した。(Circular Note KN. 42/1/8/DTPL-09)。 ・2010 年 3 月 23 日、インドネシア財務省関税消費税総局(DGCE)は、一部アジア諸国・地域との FTA スキームにおける物品輸入申告書類審査の実施に関 する指針を定めた通達第 5 号 (Circular No. SE-05/BC/2010)を公布した。同通達に挙げられているインドネシアの FTA は、ASEAN 自由貿易地域の共 通効果特恵関税(CEPT-AFTA)協定、ASEAN-中国 FTA(ACFTA)、ASEAN-韓国 FTA(AKFTA)、日本-インドネシア経済連携協定(JIEPA)である。 ・インドネシア財務省は 2010 年 12 月 9 日、認定事業者(AEO)に対する通関手続きに関する規則第 219 号(Regulation No. 219/PMK.04/2010)を公 布した(即日発効)。AEO は、世界関税機構(WCO)の『国際貿易の安全確保及び円滑化のための基準の枠組み』(以下、『基準の枠組み』)に基づく通 関手続きの優遇措置を受けることができる。インドネシアは 2005 年 9 月 15 日に『基準の枠組み』を実施する約束に関する基本合意書(Letter of Intent) に署名している。規則第 219 号は、AEO の実施枠組みを定めているが、他国との間で AEO の相互承認取り決め(MRA)に基づく実施細則は定めていな い。AEO の申請に関する実施細則、通関手続きの優遇措置に関する詳細、MRA 関連の手続きは、インドネシア財務省関税消費税総局(DGCE)が公布 することとなっている。 ・2014 年 7 月 8 日、インドネシア政府は、「税関手続の簡素化及び調和に関する国際規約の改正議定書(改正京都議定書)」を批准するための尼大統領 規則第 71 号を公布。 −尼大統領規則第 71 号【尼語】(http://sipuu.setkab.go.id/PUUdoc/174158/Perprse%20Nomor%2071%20Tahun%202014.pdf) ・2014 年 7 月 21 日インドネシア内閣官房、インドネシア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(INSW)を統括するための管理チームを設置する新たな大統領 規則 2014 年第 76 号を公布。 −大統領規則 2014 年第 76 号【尼語】(http://sipuu.setkab.go.id/PUUdoc/174173/Perpres%20Nomor%2076%20Tahun%202014.pdf) (改善) ・2004 年 12 月、日尼官民合同フォーラムが発足し、税・通関関税、労働、インフラ、産業競争力強化・中小企業振興の 4 分野で 118 項目からなる戦略的 投資行動計画(SIAP)が取り纏められた。その 7 割の項目で前進が見られたと評価されている。 ・税関総局 (DGCE)通達 No.INS-02/BC/2005 により、適任者の作業時間利用と割当、署名権限者不在の場合の代理人の任命、金曜日朝の体操の廃止 と昼食後作業効率の維持による金曜の作業パフォーマンスの改善が規定された。 ・土曜日、日曜日及び/又は他の休日の税関サービスに関する DGCE 通達 No. SE-28/BC/2005 により、土曜日の執務時間の延長が規定された。 ・DGCE 通達 No. S-152/BC.04/2001 が保税倉庫から保税倉庫への貨物の移動が Director General を代理する税関の Technical Director の権限で なすことができると規定する通達 No.1019/BC.2/2005 によって置換えられた。 ・DGCE は通牒 No.S-753/BC/2005 を発行し、地方税関 IV の所長に対して輸入混載カーゴの受渡しの迅速化に関する空港における関連エージェンシ ーとの対話を持つことを求めた。また、通牒.S-754/BC/2005 を発行し、Soekarno-Hatta 空港の税関長に対して Jakarta 国際空港での輸出入業務を迅 速化に関する当該空港における関連エージェンシーとの対話を求めた。 ・2005 年 8 月から関税物品税総局(DGCE)のウェブサイト(http://www.beacukai.go.id/)に FAQ が設けられ、継続的に更新と拡充が行われている。 ・2005 年 8 月 22 日に更新された関税総局の公式サイトにて、HS コードのオンライン事前教示システムが設置された。 ・2005 年 12 月開催の第 11 回 ASEAN 首脳会議で締結された ASEAN のシングル・ウィンドウ設立協定(ASW)に対応してナショナル・シングル・ウィンド ウ(NSW)の実施が Batam 港で行われている。その次の NSW 実施港は、Tanjung 港及び Belawan 港となる模様。 ・貿易ライセンス(SIUP)の発行は 7∼10 日に代えて 5 日かかると規定され、行政制裁の実施も簡素化(MOT 省令 No.09/M-DAG/PER/3/2006) ・2006 年の 4 月の間に PI No.13/2006 における実施評価に関する言及として、以下の進展が報告されている。 −港湾におけるカーゴ収納時間の 5 日から 3 日に短縮することによってカーゴ・ハンドリングの加速化 −優先レーンの使用適格の輸入者数が 71 から 77 に増加 −Batam 税関における保税倉庫(TPB)における活動の自動化が義務付けられ、保税倉庫のための手続アプリケーションシステム(SAP)の試行テストが Purwakarta 税関で実施された。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 19/44 要望 準拠法 ・タンジュンプリオク港、スカルノハッタ国際空港を含むインドネシア国内の主要港、空港の税関官署における 24 時間対応の電話相談サービス(24 時間コ ールセンター)を開始した。(2006 年 11 月 SIAP 報告書) ・レッドライン検査は 40%から、2006 年 9 月現在のおよそ 27%ほどに低下した。 ・ブロック(申請拒否)に関し、通常、必要書類の提出には 3 日(優先チャンネルは 5 日)与えられているが、書類が届いていないなどの正規な理由を事前に 税関に説明すれば、2 日の延長は可能(S-1520/BC/2005)。 ・2006 年 7 月 12 日付けの通達(S-1520/BC2/2005)で、同一文書の提出の必要性無しを周知した。 ・2006 年 7 月 12 日付けの通達(S-1520/BC2/2005)及び 7 月 13 日付の義務指示書(INS-02/BC/2005)が発行された。通達は、補足の書類や、ブロッ クの際に使われる書類などについて説明。義務指示書は、金曜日のお祈りに与えられた時間を厳守するなど、義務時間について指示している。 ・グリーンラインでは、申告は軽妙なミスならば、書類(ハードコピーのみ)が完璧でなくても受付可能、但し、貨物引渡しから 3 日以内に税関への訂正を義 務付け。 ・グリーンラインでは、B/L はコピーのみで充分であると説明された通達が発行済み。(S-1520/BC2/2005、S2213/BC2/2005) ・インドネシア大学社会経済研究所により、2007 年 6 月∼8 月に実施された国内主要都市 587 社へのビジネス環境に関するアンケート調査結果によると、 輸入通関日数が 2005 年 6.1 日から 2007 年 3.1 日に短縮された。 ・2007 年 12 月 17 日からタンジュン・プリオク港でナショナル・シングル・ウィンドウの試験的稼動が始まった。 日機輸 (20) 輸出入通関手続の ・EDI での輸出入通関システムが構築済みであるが、従来通りの書面での申請も 重複 並行して行わなければならず、申請料金も重複して徴収されている。 (対応) ・2015 年 9 月 9 日、ジョコ・ウィドド大統領は経済回復に向けた政策パッケージの第 1 弾として重複規制の廃止を含む政策パッケージを発表した。重複規 制廃止では、154 の規制のうち、重複する 89 の規制を廃止する。その上で 17 の政令、11 の大統領令、63 の大臣令などを発令するとしている。 日機輸 日商 (21) 輸入申告書の申請 ・PIB(輸入申告書)フォーム上に、輸入者/代行フォワーダー業者が申請する番 ・申請番号をそのまま受理番号とする方式 番号と受理番号の 号(20 桁=6 桁+8 桁+6 桁)と税関側が承認する独自の番号(6 桁)の 2 種類が を採用してほしい。あるいは、申請から受 不統一 存在する。運用上の不具合。 理までをひとつの統一番号で完結できるよ Nomor Pengajuan(申請番号) うにしてほしい。 Nomor Pendaftaran(受理番号) JEITA 日機輸 (22) 船積前検査導入に ・インドネシア通関において、他国と近似した形で輸入実績とその信頼性に基づ ・現行のインドネシア通関規定に応じた、不 よる負担増 いて Red/Yellow/Green ライン別に通関プロセスが分かれている。Red の場合 必要な出荷前検査プロセスの廃止。 はコンテナ開梱検査も含めて実施され、Green の場合は書類審査のみで通関 可能。 この中で別途、各出荷地での出荷前検査が大半の商品について義務付けられ ており、非常に煩雑且つ長い輸入プロセスの一因となっている。 理屈としては、信頼又は実績のない輸入者による通関時には、開梱検査が義務 付けられているにもかかわらず、出荷前検査が更に必要であることは理にかなっ ていないと思われる。 また、信頼又は実績のある場合は、当該事実が認定されて Green ライン通関と なるにも関わらず、出荷前検査が要求されるのも理にかなわないと思われる。何 故ならば、Green ラインにおいても、不定期に抜き打ちでの開梱検査が実施さ れる為。 ・インドネシアは ASEAN で唯一、船積前輸出検査が必要な国である。 ・船積前輸出検査の廃止を要望する。 JEITA 日機輸 日商 ・商業大臣令 8 号 ・同 改正令 21 号 ・商業大臣令 54 号 ・同 改正令 8 号 ・インドネシアへ輸入される 中古機械・機械部品・特殊 車輌に対する指定検査機 関による船積前検査の義 務付け:(DECREE OF MINISTER OF TRADE REPUBLICOF INDONESIA)No. 48/MDAG/PER/12/2011、No. 34/M-DAG/KEP/1/2012 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日鉄連 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 20/44 準拠法 ・2009 年 2 月 18 日、商業大臣令 8 号により、対象の製品に関しては、2010 年 ・有効期限での措置の撤廃。 12 月 31 日まで輸入者登録と船積み前検査が義務付けられた。 ・WTO ルールにおける事前公表義務の厳 ・2009 年 6 月 11 日、改正規定である商業大臣 21 号が発効。(自動車、電機・電 格化。 子、重機、エネルギー、優先レーンの輸入者などは除外)。輸入者による船積み 毎の検査費用負担、鉄鋼メーカーによるミルポートでの実地検査対応が必要と なっている。 ・2010 年 12 月 28 日、商業大臣令 54 号が公布され、2011 年 1 月 1 日発効。 措置内容は前大臣令 21 号に準拠したもので、有効期間は 2012 年 12 月 31 日 までの 2 年間の時限措置。直前まで新規定の公表がなされず、検査の要否判断 が不安定な期間が生じた。 ・2012 年 1 月、HS コード体系変更が行われたものの、船積み前検査を義務付け る法令「商業大臣令」が適切に修正されなかったため、従来船積み前検査対象 外であった品種(具体的事例として線材)が船積み前検査対象となり通関できなく なった。 ・2012 年 3 月 1 日、商業大臣規定改正 8 号が公布、発効。改正令では AHTN2012 に基づいた対象品目リストに変更され(HS コード上では 166 品目 から 212 品目に増加)、措置期間が 3 年間延長され 2015 年 12 月 31 日までと なった。時限措置として導入された後、十分な再検証を実施することなく、長期 に渡る輸入制限的措置が継続されている。 (対応) ・2008 年 10 月 31 日、インドネシア商業省(MOT)は、MOT 登録済輸入業者と特定港に対して、2008 年 12 月 15 日∼2010 年 12 月 31 日までの 2 年 の間、一部製品の輸入を管理するために同輸入制限を公布した。また、同輸入制限措置は、対象品の輸入積荷に、インドネシア税関の船積前検査 (PSI)及び通常の輸入通関手続きといった 2 回の検査を受けることを義務付けている。多くの各国政府代表らは、こうした二重検査要件は、WTO ルール に違反し、且つ、かなりの対象輸入品にメリットをもたらしている通関後の検査(PCA)メカニズムを無効化するのではないかとの懸念を表明した。 ・2008 年 12 月中旬、インドネシア商業省(MOT)は、衣類、履物、電子機器、玩具、嗜好品の輸入制限の実施を 2009 年 2 月 1 日まで延期した。報道に よれば、この延期の目的は、クリスマス及び新年の期間、指定港・空港での対象輸入品の在庫積み上げを避けることであった。さらに、輸入品検査官は、 同輸入制限の実施に向けた準備が整っておらず、対象輸入品の HS コードについて一層の明確化を要求されている。 ・2009 年 2 月 20 日、貿易省は、鉄鋼・鉄鋼製品の輸入に対する輸出港での検査証明書の取得を義務付けた。ただし、3 つの産業(自動車・同部品産業、 電子製品・同部品産業、造船業)に限って証明書無しでの輸入を認める。(Decree No. 8/M-DAG/PER/2/2009) ・2009 年 6 月 11 日、インドネシア商業省は、鉄鋼輸入に対して積出港での船積前検査を義務付ける規程 No. 21/M-DAG/PER/6/2009(規程 21)を公布 した。規程 21 は、2009 年 2 月 20 日に公布された規程 No. 8/M-DAG/PER/2/2009(規程 8)に規定された検査義務を修正し、明確化している。規程 21 に基づき、サーベイヤー(船積前検査機関として指定を受けた検査会社)の報告は船積前検査として使用され、インドネシア税関に提出される通関申請に 添付されなければならない。規程 21 は、船積前検査の対象となる関税品目数を従前の 202 品目から 169 品目へと減らし、規程 8 に基づく船積前検査義 務の適用除外を維持するとともに追加的な適用除外を認めている。新たに適用除外には以下が含まれる。 1) 自由貿易区と保税倉庫からインドネシア関税領域への自動車、電子及び造船産業向け輸入品、 2) 優先レーン指定輸入業者、及び 3) 日-インドネシア EPA の特定用途別免税制度(USDFS)又は鉄鋼輸入に関する国際的な諸協定に基づき財務省が指定したその他の関税制度によっ て産業検査資格(Industrial Verification Status)を保有する産業 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 21/44 要望 準拠法 ・2009 年 2 月、インドネシア貿易省(MOT)は、輸入制限品目の指定海港リストを拡大し、ドゥマイの Pelindo 港を追加した。輸入制限対象品目は、衣料 品、履物類、電子機器、嗜好品となっている。インドネシア政府は、2008 年 10 月下旬にこの輸入制限を発表し、対象品目のインドネシアへの輸入に当た っては、その輸入港を指定海港又は国際空港に限ると義務付けた。対象品目を輸入するためには、輸入業者は、インドネシア貿易省に「特定品目登録輸 入業者」として登録しなければならない。これらの品目は、原産国における船積前検査の対象にもなる。インドネシアは、現在、衣料品の輸入についての み輸入品検査官による報告書の作成を義務付けている。当該輸入制限は、2009 年 2 月 1 日に発効した。諸外国政府の多くが、この輸入制限に懸念を表 明してきたが、このことは、米国及び EU が 2009 年 1 月 30 日付で WTO の輸入許可委員会に共同で提出したインドネシアへの質問(G/LIC/Q/IDN/11) となって表れている。(その他、タイ及びカナダが質問を提出している) ・2010 年 12 月 29 日、インドネシア貿易省は特定製品の輸入規制について定めた規則第 57 号を公布した(2011 年 1 月 1 日から 2012 年 12 月 31 日ま での 2 年間有効)。同規則は、食品・飲料品、衣服、履物、電子機器、子供用玩具、伝統的なハーブ医薬品、化粧品など(「特定製品」)の輸入に必要な輸 入業者登録、船積み前検査、輸入港指定などの輸入要件を定めている。 ・2014 年 3 月に FJCCIA とジェトロが進出日系企業を対象に実施した ASEAN 非関税障壁調査結果を受け、FJCCIA から ASEAN 事務局に対して「検 査実施の必要性を踏まえた対象品目の見直しや二重検査防止の徹底」が要望された。(9 月 3 日付 JETRO 海外ビジネス情報) ・2015 年 12 月 30 日、船積前検査措置期間が 2016 年 12 月 31 日まで 1 年間延長された。(商業大臣規定改正 113 号) (改善) ・インドネシア貿易省、一部電子機器のインドネシアへの輸入における指定輸入港を規定する現行規則に対する改正規則(第三次)を公布;新たに優先レ ーン輸入業者が船積前適合検査・技術検査の適用除外対象に(2014 年 12 月 1 日より実施)。 −貿易省改正規則第 73 号の URL【尼語】 (http://jdih.kemendag.go.id/files/regulasi/2014/10/14/perubahan-ketiga-atas-permendag-no-83m-dagper122012-tentang-ketentuan-imp or-produk-tertentu-id-1413807056.pdf) −対象品目リスト(HS64、HS73、HS 84 、HS 85、HS95)(http://www.jmcti.org/trade/bull/trade/alert/arti/2014_10/Annex_211014.pdf) 日商 (23) 通関貨物の検査期 ・問題無しの輸入業者に登録されていても、ランダムで通関荷物が要検査に指定 ・問題無し業者の場合、要検査不要への変 間の不透明 される。要検査に指定された場合、通関手続き終了予定が開示されず、生産・販 更。 売に支障を来す場合がある。 ・要検査の場合も終了期間の開示。 JEITA 日機輸 (24) 赴任者の免税荷物 ・通関に KITAS(滞在許可書)・IMTA(労働許可書)のオリジナルが必要となり、本 ・左記の制約事項の緩和をして頂きたい。 ・インドネシア関税法 2006 の通関の煩雑・遅 人到着後荷物受取までに 1 ヶ月以上かかる。 年第 17 号法律 延 免税通関の回数が船便は 1 家族 1 回までとなり、本人初回入国後より、3 ヶ月以 内に通関開始できない場合、全量課税となる。 航空便も KITAS、IMTA 取得後でなければ免税通関ができない。未取得の場 合は課税での通関となる。 ・駐在員赴任時の引越し荷物や赴任後に日本から送付させる食料品などに、高 ・定められた関税額を遵守して恣意性のな 額の関税がかけられる上に、関税額が関税担当者の恣意性に委ねられており関 い運用を行うよう、また通関のスピードを確 税額の予測ができない。また通関までの時間に時間がかかりいつ到着するのか 保するよう指導を徹底して頂きたい。 予測ができないだけでなく、たびたび物品が抜き取られる被害が発生している。 日商 日製紙 (25) 輸出関税の引上げ ・2014 年 7 月に木材チップを輸出する際の輸出関税が GMT あたり 2US$から ・輸出関税の撤廃もしくは単価の引き下げ。 3.5US$へと突然値上げされた。タイやベトナム等、輸出関税のかからない国と のコスト競争力の面で不利になる。 (対応) ・2015 年 8 月 8 日以降、IUP 事業者に対して FOB 輸出額に一律 1.5%の輸出税が付加された。(財務大臣令 107 号) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 日鉄連 (26) 未加工鉱物輸出規 ・2009 年 1 月 12 日、新鉱業法が成立し、5 年後に発効の予定。 ・規制適用の回避。 制の導入 鉱物輸出規制が懸念されており、ニッケル鉱石が対象となった場合、国内フェロ ニッケル生産者の事業継続性へ重大な影響をもたらすこととなる。結果、国産フ ェロニッケルを使用するステンレスメーカーへの影響も重大である。 2012 年 5 月から輸出関税の課税を開始した。工業大臣令により実際 12 年 5 月 からニッケル鉱石の輸出が一時的に(約1ヵ月間)停止した。6 月以降は一定の 条件を満たす企業は 20%の輸出税を払うことを条件に輸出再開可へ(在庫使用 により大きな混乱は回避できた)。 2014 年 1 月 12 日、新鉱業法の Ni 鉱石禁輸措置発効。未加工の Ni 鉱石は 輸出禁止へ。国内フェロニッケル生産者は一時的に原料在庫の積みあげ等に より対策を講じているが、今後何らかの緩和措置もなく輸出禁止が継続した場 合、生産への影響が懸念される。 ・貿易相は、新鉱業法 2009 年第 4 号を施行し、2014 年 1 月 12 日に国内での 鉱物の製錬・加工を義務付け、ニッケル鉱石の輸出を全面禁止した。銅精鉱と 鉄鉱石の輸出に際しては、純度に応じて多額の関税が課される等、鉱業会社に 甚大な影響が生じている。 日機輸 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 22/44 準拠法 ・新鉱業法(鉱物石炭鉱業 法) ・新鉱業法 2009 年第 4 号 ・エネルギー・鉱物資源大臣 令 2014 年第 1 号 (対応) ・2009 年 1 月 12 日、新鉱業法が成立し、5 年後(2014 年 1 月)に発効の予定。(約 1 年以内に政令を定め具体的規制内容を公布の予定であったが、2010 年 1 月 15 日時点においては未発表。)インドネシア政府は、国内での製錬を義務付けるため、2014 年から未加工鉱石の輸出を全面的に禁止すると発表 した。 ・2012 年 5 月、一部鉱石の輸出を禁止したが、その後、製錬所の建設を計画している企業には 20%輸出税を課して輸出を許可している。 ・2012 年 9 月、エネルギー資源省は、インドネシア国内に精錬所を建設している企業に対する未加工鉱石の輸出禁止措置適用の救済措置を講じる考えを 示した。 ・2012 年 10 月 8 日、日尼経済合同会議で、枝野経済産業大臣はインドネシアが 2014 年よりニッケル鉱石の輸出を禁止しようとしていることに対し懸念を 伝えたが、平行線に終わった。 ・新鉱山法が成立し 2014 年 1 月発効予定の未加工鉱石輸出を全面禁止。 ・2014 年 1 月 15 日、国内産業競争力強化を目的とする新工業法(「工業に関する法律 2014 年 3 号」)を施行。第 31 条に、政府は天然資源の付加価値 を高めるために国内加工産業の発展を進めると規定。 ・2014 年 1 月、インドネシア政府は、パーム油、スズ、ニッケル、ボーキサイトなどに輸出制限を導入。但し、銅、鉄鉱石、鉛、亜鉛などの精鉱に対しては引 続き輸出を認めた。 ・2014 年 2 月、政府は国内市場・産業保護を目的とした輸出入を制限する権限を有することを明記した新貿易法を議会で可決。 ・2014 年 1 月 12 日、インドネシアは、原鉱の輸出禁止を実施。 採掘会社が一定期間(2014 年 1 月 12 日∼2016 年 12 月 31 日)鉱物を輸出することが 許される国内加工要件に関する規則第 1 号について以下の URL(インドネシア語)を参照。 (http://prokum.esdm.go.id/permen/2014/Permen%20ESDM%2001%202014.pdf) 上記要件を満たす鉱物に対する累進輸出税に関する規則第 6 号: (http://www.sjdih.kemenkeu.go.id/fullText/2014/6~PMK.011~2014Per.HTM) ・2014 年 6 月 24 日、インドネシア工業省は、棒鋼に対する国家規格(SNI)の認定適合性評価機関を拡大するための規則 2014 年第 59 号を公布。 −インドネシア工業省規則 2014 年第 59 号(http://regulasi.kemenperin.go.id/site/baca_peraturan/1788) ・2014 年 7 月 14 日、インドネシア財務省、輸出関税の管理・徴収に関する改正規則(Regulation No. 146/PMK.04/2014 (“Regulation No. 146”))を公 布(2014 年 9 月 12 日施行)。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 23/44 要望 準拠法 ・インドネシア政府は、1 月 5 日付の商業相令「04/M-DAG/PER/1/2015」において、2015 年 4 月 1 日から、「鉱物、石炭、石油・天然ガス、パーム油」の 4 品目の輸出時に信用状(L/C)の使用を義務化することを発表した。輸出額の把握、価格安定が主な目的。 −対象物品の輸出価格は、少なくとも国際市場における価格を上回るものとする。(2 条 2 項) −輸出企業に輸出申告書(PEB)への L/C の添付を義務付ける。(4 条) −政府により認可された検査機関が輸出時に L/C が利用されていることを確認し、検査報告書を発行する。(5 条) (2015 年 2 月 16 日付 BTMU Global Business Insight) ・2015 年 6 月 23 日、インドネシア大統領は、工業資源の開発に関する政府規則(Government Regulation No. 41 Year 2015)を公布(6 月 23 日施行); 同規則は、国内産業への安定的な供給確保や国内価格の維持、付加価値活動への貢献など一定の状況の下での政府による国内産業保護のための輸 出規制、輸出禁止を許容している。天然資源の輸出禁止・制限等について規定している。輸出規制には政府による輸出税の賦課、輸出割り当て、国内産 業への供給義務を書くことなどが許容されている。 【参考】当該政府規則 2015 年第 41 号の URL【尼語】 http://sipuu.setkab.go.id/PUUdoc/174554/PP0412015.pdf 日鉄連 10自由貿易地域・ 日機輸 経済特区での活 動規制 (27) 最低輸出価格の適 ・2010 年 9 月 23 日、国際マーケット価格から計算式に基づき決定される石炭基 ・制度の撤廃。 用 準価格を参考にして、インドネシア鉱山会社が輸出価格を設定することを義務付 けた。輸出価格が石炭基準価格を下回る場合には、石炭基準価格をもとに課税 する。 (1) 保税地域から国内 ・インドネシアには、Kawasan Berikat (Bonded Zone、KB) と呼ばれる保税指 課税地域への売上 定の地域がある。保税地域より国内課税地域への売上は、前年度の輸出実現 制限 価額及び他の保税地域への引き渡し実現価額の最高 25%までに制限されてい る。将来的にインドネシアにある当社が国内市場向けに販売する場合、この制限 が課題となる。 http://www.nacglobal.net/2012/06/indonesia-changes-of-bond-system/ ・エネルギー及び鉱物資源 大臣令 17 号 ・Custom regulation (対応) ・2016 年 1 月 31 日より、インドネシア財務省は、中央保税物流施設に関する新たな規則(保税蔵置場に関する規則の改正規則 2015 年第 85 号)を施行。 中央保税物流施設に一時蔵置される輸入品・国産品は移動タイプ毎に当該産品に対する物品税、輸入関税、奢侈税、付加価値税等が免除になった。 11利益回収 JEITA 日機輸 (1) ロイヤルティの否 認・送金の困難 日商 (2) ランニングロイヤル ・ランニングロイヤルティの支払い期間に関し、ブランドロイヤルティは、無期限で ・15 年間最大との明確な指針はない。 ティの回収期限及 あるが、Technical Know-How に関しては、15 年間が最大。 ・ランニングロイヤルティに関しても明確な指 料率も、5%以上は認められず、4%も認定でもめる。 び料率 針が無い。 日商 (3) 投資コストの回収 制限 ・インドネシアでは、ロイヤルティについて経済合理性がないとして全て否認。送 金も困難。 ・石油ガス田の探鉱開発に係る政府との生産分与契約(PSC)上で事業者に与え ・投資環境や事業採算性の確保の観点か ・エネルギー鉱物資源大臣 令 2008 年第 22 号 られた投資コストの回収権を制限する大臣令、政令等が発布されており、既存の ら、今後はこれらの法規制の導入に先立 PSC にも一部遡及適用されることから、今後の事業の採算性に影響を与える可 ち、外資をはじめとする石油ガス事業実施 ・2009 年国家予算法 能性がある。 者との十分な対話機会が持たれることが望 (2008 年 11 月 10 日付 2008 年法第 41 号、2009 ましい。 年 8 月 25 日付 2009 年法 第 26 号で改訂) ・コスト回収・所得税に係る 政府規則(2010 年第 79 号) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 12為替管理 インドネシアにおける問題点と要望 24/44 意見元 No 問題点 日商 (4) 生産分与契約 ・投資の継続、生産量の維持、プロジェクトの経済性確保並びにマーケティング及 ・生産分与契約に関し、必要な延長期間の ・政令 2004 年第 35 号 28 (PSC)期間の不足 びファイナンスの成就のために生産分与契約(PSC)の延長が必要である。新規 協議を促進し、早期の契約延長決定が望 条 生産の開始や既存生産量の維持・拡大のためには、事業者による長期に亘る投 まれる。 資と、将来のリターンが確保されることが必要である。また新規・既存販売契約や 海外銀行借入返済はこの中で履行可能となる。 (1) ルピア為替取引へ ・現地通貨ルピア関連の為替取引については実需取引に限定されていることから ・為替取引の自由化。 ・BI 為替制度 の実需原則適用 同一グループのシンガポール金融会社とのルピア関連為替取引が不可能。 (対応) ・2001 年 1 月 12 日、ルピア口座間の資金移動に関し、非居住者間を原則禁止、居住者・非居住者間をインドネシア経済に資する取引等に限定する規制 を導入した。 ・2005 年 7 月、非居住者口座へのルピア入金に際して背景取引に関しての申告書、背景取引の契約書等が必要になった。 ・2008 年 11 月 12 日、インドネシア中央銀行は、国内のノンバンク・外国企業に対して、1 ヶ月に 10 万 US ドル相当以上の外貨を購入する場合、根底とな る取引を裏付ける証拠の提出を義務付ける 2008 年規則第 10 号(Regulation No.10/28/PBI/2008)を公布した(2008 年 11 月 13 日発効)。根底となる 取引の証拠となるのは、輸入代金の支払い、債務の支払い、その他の事業に係る活動などが挙げられている。商業銀行は、証拠の裏づけのある取引の 記録を必ず適正に保管しておかなければならない。この規定に違反した銀行は、行政処分または 1000 万ルピア(899US ドル)以下の罰金が科される。 ・2011 年 6 月 28 日、通貨に関する 2011 年法律第 7 号が発布・施行された。同法第 21 条において、国庫歳出入に関する特別取引、国内外の無償援助、 国際商取引、銀行への外貨預金、国際決済取引を除く各決済取引、金銭で支払われる債務の清算、その他の金融取引についてインドネシアルピー使用 義務を課している。 ・2012 年 5 月 10 日付通達 A.P.(DIR Series) Circular No.124 で、輸出企業等が Exchange Earner's Foreign Currency (EEFC)口座で受領する外 貨金額の 50%に対しルピー転を義務付けた。 ・外国企業はインドネシア国内の銀行を通して 1 カ月 10 万米ドル相当を超える外貨をルピアで購入する場合、外貨購入の必要性を証明する書類をインド ネシア銀行に提出する義務がある。(インドネシア銀行規則 No.10/28/PBI/2008) ・インドネシア中銀は 2015 年 3 月 31 日付通達 17/3/PBI/2015 を発行し、すべての商取引についてインドネシア国内決済におけるインドネシア・ルピアの 使用を義務化する通達を発行した。施行日は現金取引については 3 月 1 日より、現金取引以外の取引は 7 月 1 日以降。 但し、適用例外として国家間の無償援助資金の受け渡し、銀行における「外貨預金、銀行業務における外貨取引、インフラプロジェクト(運輸、道路、灌 漑、水、公衆衛生、情報・通信、電力、石油ガス関連)などがある。 JEITA 日機輸 問題点内容 要望 準拠法 JEITA 日機輸 (2) オフショア借入規 ・2011 年 10 月 3 日 BI は「輸出代金及び、オフショア借入資金に関する新規制」 ・外貨決済の自由化(左記規制の撤廃)。 制 を発表。上記規制の中で“2012 年迄は輸出者が輸入者とネット決済することは 可能なるも、2013 年からはグロス決済のみ“現在同一グループのシンガポール 金融会社と貿易代金、経費、為替決済及び、借入の決済において差額決済の みを実施しているが、グロス決済のみになった場合、ディール単位でのグロス決 済になることから煩雑なオペレーションとなる。 ・BI 為替制度 JEITA 日機輸 日商 (3) 為替レートの不安 ・外国為替による差益、差損が産業経済、特に外国投資報告に大きな影響を与 ・急激な為替変動の抑制。 定 えている。 ・Refer to Malaysian Regulation about their Foreign Exchange (対応) ・2013 年 8 月、インドネシア中央銀行は米 FRB の量的緩和 QE3 の早期縮小観測で資金の海外流出・通貨安・株安を回避するため貿易収支の改善、投 資促進・輸出産業の拡大、政策金利の引上げ、金融の流動性向上を含む緊急経済対策を発表した。為替介入も実施。 (改善) ・2013 年 12 月 12 日、日本銀行とインドネシア中央銀行との間で第 3 次通貨スワップ協定(BSA)が締結され、限度額が従来の 120 億ドルから 227.6 億ド ルへと約 2 倍に引き上げられた。また、インドネシアに活動する金融機関が日本国債を担保にルピアを調達できる資金供給協定に合意した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 13金融 意見元 No 問題点 問題点内容 JMAA (4) 急激な為替変動 日商 (5) 為替変動ルピア 安、銀行金利高 ・円建てでの直貿で、海外販売店は為替差益を得ているが、値上げの交渉は困 ・為替の安定、変動幅が 6 ヶ月で数%以内。 難。現地通貨建てでの海外子会社との親子間取引で、現在円安効果で特別価 格にて販売が可能だが、利薄の取引が多く、将来取引が続いて円高に振れた時 にたやすく損失が出てしまうほどの変動幅。 ・ルピア安、消費者物価上昇、賃金上昇という日本の高度成長時代に近似。バブ ・状況に合わせて対応して頂きたい。 ル前の状況に近づいている。ルピア金利が高く、銀行借り入れ利息負担が高く 経営を圧迫する。 海外からの借り入れに対し、為替ヘッジ(リスク回避)を要求している。 (対応) ・2015 年 3 月 17 日、インドネシア中央銀行、インドネシア国内のすべての商取引に自国通貨(ルピア)の使用を義務付ける新たな規則(Regulation No. 17/3/PBI/2015)を公布した。一部免除によるルピア安対策が狙い(現金取引については 2015 年 3 月 31 日より、非現金取引については 2015 年 7 月 1 日より実施) 日商 (1) 輸出代金及び海外 ・輸出代金と海外借入金のインドネシア国内銀行での受取を義務化されることに ・中銀規制を順守する場合、海外レンダー ・インドネシア中央銀行規則 借入金の国内銀行 よる、既存および将来のファイナンススキーム(国外銀行を使った Trustee からの借入金返済に支障が出ないような 2012 年第 14 号(2011 年 Borrowing Scheme)への悪影響が懸念される。 経由受取義務 第 13 号改訂) 取り決めが必要である。 (対応) ・2012 年 1 月 2 日より企業は輸出や海外借入により受領する外貨をインドネシア国内に所在する外国為替銀行を経由した受け取りを義務化する措置を実 施した。 (2) 対外債務規制適用 ・2014 年 10 月 28 日 BIは「外貨オフショアローンに関する新規制」を発表。当規 ・外貨(USD)建て決算会社への非適用。 ・BI 規定 の不明確 制の中に、定められた計算式で対外債務をヘッジをすることが義務付けられて いるが、USD 決算会社が適用となるかについては不明確。USD 決算会社が USD で借り入れる場合は為替リスクは発生しないため、適用すべきではない。 日機輸 日商 日機輸 JEITA 日機輸 14 税制 インドネシアにおける問題点と要望 25/44 要望 準拠法 (3) 外貨借入規制の突 ・インドネシア中銀の 2014 年 12 月 29 日付、一般法人の外貨建対外債務に関す ・左記規制の撤廃または制限緩和。 然の適用 る通達により、外貨建ての仕入れ販売業を行う場合に為替ヘッジを求められるよ うになった。 2016 年からは、外貨建て債務を行う場合、外部格付けが求められるようになる。 ・国外外貨借入に関するインドネシア中央銀行規制が本年から適用されている ・本規制の見直し。 が、突如とした変更が生じており各法人にとっては対応しづらい状況となってい る。またヘッジをインドネシア国内銀行で実施する必要があること、加えて格付取 得等の規制等は一部法人にとっては負担が大きいものと考えられる。 ・16/20/PBI/2014(旧規定) →16/21/PBI/2014 (12 月 29 日改定) ・中銀通達 (4) グループ企業間ク ・現地通貨でのクロスボーダーのグループ企業間資金借入及び貸付が規制によ ・規制緩和と資金取引の自由化。 ロスボーターの資 り不可。そのため、効率的なグループ企業内 Cash Management ができない。 金取引制限 (USD 建ては可能ではあるが、中央銀行と事前相談を行い、報告する必要があ る。) ・中央銀行 自動部品 (1) 税務調査・否認・追 ・輸入時の前払い法人税の料率が高く還付請求を行うケースが多いが、還付請求 ・解釈の統一。 徴課税の不透明・ すると毎回税務調査が入る。当局は還付を抑えるためか、税務調査官の裁量で ・税務調査官のモラル向上。 恣意性 (通常考えられない)税法解釈が行われ、還付どころか追徴される可能性が高 ・税制の整備。 い。異議申立、税務裁判等、時間及び税務対策費用がかさみ事業遂行に支障 ・適切な税務調査の実施。 が出かねない状況。 ・インドネシア各種税法 ・財務大臣令 No73/ PMK03/2010(VAT 関 連) 租税局長令 2013 年第 45 号(租税局長令 2012 年第 163 号改訂)他 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 JEITA 日機輸 日商 JPETA JEITA 日機輸 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 26/44 準拠法 ・予納税制はビジネス振興の観点から見直 ・インドネシア所得税法 18 しをお願いするとともに、税務調査につい 条第 3 項 ても調査員の質の確保に努め不合理な指 ・PPH25・29 インドネシア所 摘を行うことないよう、透明性や予見可能 得税法 性を確保して頂きたい。 ・ロイヤルティ、ブランドフィーなどの否認や移転価格税制で法外な追徴の決定。 ・本社経理部門より国税庁等に対して現状 あるいは非現実的な否認で、多額の資金が凍結される。不服申し立て、裁判は の説明を行い、国家間の問題に持ち込む 行うが、長期間の資金が凍結。税務調査において十分な説明と議論なしにロイ べきロビー活動を実施中。 ヤルティ、ブランドフィー等モノを伴わない取引が税務否認されている。 ・十分な説明と議論をした後、公正に判断し て欲しい。 ・物理的に実行不可能な税務規則があるほか、税法の解釈が曖昧であったり履 ・履行細則を含む税制の整備を希望。また 行細則が無い中で、それらの税制に基づく徴税が行われ、ペナルティーも課さ 税制整備に際しては、外資を含む事業実 れるため、事業遂行に支障がある。 施者・業界団体等との十分な対話機会が 持たれることが望ましい。 ・親会社が提供する経営指導、債務保証に対する対価の支払いに関し、インドネ ・移転価格文書に対する十分な検証プロセ シアに所在する子会社においては、すべて配当とみなされ損金処理が認められ スを経た上で、納税者が理解可能な課税 ず追徴課税が発生した。高いコストを払い文書化を遵守しているが、調査段階で 説明を頂きたい。 深い分析もなく課税されているのが実態と思われる。 ・不明瞭な税務。税務官の裁量によって損金否認されてしまう。還付申告すると必 ・法整備と法に基づいた公正な税務調査の ず税務調査が入り、調査が数年に渡ることがある。 実行。 ・法人税額の前年所得に対する予納制度があり、実績確定後に還付請求すると 必ず税務調査が入るが、税務調査官の知識、能力にむらがあり、税金額に国家 目標があるためか税務調査の結果が不合理であることがたびたび見られ、基本 的には還付を認めたがらない傾向が見られる。 (対応) ・2000 年 11 月、政府は脱税者に対し厳しい法的手段をとって徴税強化に乗り出す方針を明らかにした。 ・2003 年 7 月に開催された第 6 回 JJC・政府間政策対話全体会合で、社用車及び携帯電話の損金算入コストについて規則が不明確であり、税務官によ り恣意的解釈がなされている点について、新規則(KEP-220/PJ/2002)が出されて解釈が明確化され改善されたことが確認された。 ・2008 年 9 月 2 日、国会で可決された所得税改正案により、徴税強化のため納税者番号(NPWP)を保有していない個人納税者に対して割増して源泉徴 収にする措置を導入した。 ・2009 年 1 月 1 日より施行される 2008 年 9 月 2 日所得税改正案が国会で可決された。累進税率が一本化され、2009 年 28%、2010 年 25%となる。ま た、受取配当金課税について、最高 10%のファイナルタックスの源泉分離方式とした。 (改善) ・2003 年 7 月に開催された第 6 回 JJC・政府間政策対話全体会合で、改善点として納付者からの異議・不服申立等に対応する専門チームが租税総局内 に設置されたことが確認された。 ・2004 年に就任したユドヨノ大統領は、「公正な徴税」を掲げ、納税額が多い上位 200 社への調査を指示するなど対策を講じている。 ・2004 年 1 月、CMEA プレスリリースは、「租税及び関税行政改革措置」に関する PI No.5/2003 の実施の進展に関し「国税長官(DGT)は納税者に対す るサービスの租税行政と質の向上を図る政府の努力の一環として納税者の権利の許可に関する指令を発した」と報じた。 ・JJC「課税問題小委員会」報告によると、GOI に対する要望についての成果(2004 年 3 月現在)は以下の通り。 1) コンピュータ関連の資産の耐用年数の短縮 2) その他資産のグループ III 分類(耐用年数 16 年)申請手続の透明化 3) 会社所有車及び携帯電話に関する控除可能費用の明確化 4) 国税総局におけるコンサルティング専門窓口の設置 5) 業務使用の携帯電話、セダン車の損金算入ルールの明確化 6) 新法令の細則、周知期間、職員等への教育徹底を努力 7) 法令の適用開始日の明確化は確保されており、不合理な法解釈の排除および職員等の教育訓練に努力する 8) Maklon(委託加工)サービスに関する源泉徴収税率の引下げ可能 9) オフショア取引の VAT 課税対象外であることの明確化 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 27/44 要望 準拠法 ・2004 年 8 月、CMEA のプレスリリースは、透明性の問題に対処する PI No.5/2003 の実施の進展について以下の通り報じている。 1) 租税ウェブサイト:http://www.pajak.go.id/の創設、不満に対処する国家オンブズマン委員会の創設 2) 租税規則の解釈の明確化と社会化を企図した内部ワークショップ:40 回、同一目的で企図された 200 の対外ワークショップが開催された。 ・税務調査に関する新規則並びに税務調査手法の新スタンダードが公布された。(2006 年 SIAP 報告書) ・年々改善されている。還付期間も半年前後となっており、指摘もリーズナブルな内容で、2007 年より賄賂の要求もない。 ・2008 年初から施行の新関税通則法に異議申立期間中の税徴収が強行されないことが規定された。 日機輸 (2) 不合理な駐在員に ・インドネシアでは個人所得税計算に累進課税計算が適用されている。弊社がイ ・年度途中帰任の駐在員に対する所得税計 ・所得税法 17 条 1 項 a 対する個人所得税 ンドネシアに保有する水処理設備の Engineering 会社では 2013 年 3 月に日 算根拠の透明性確保。 計算 本帰任した駐在員の個人所得税率計算を 2013 年 1∼3 月までの所得で計算 (※a)し納付手続き実施。しかし、税務当局から税務調査指示を受け当該期間 の所得証明書類を提出。その結果として, 2013 年 1∼3 月までの所得を 4 倍し 年間換算とした場合に計算される所得税額の 1/4 の税金(※b)を納付するように という結果が通知された。 (※b)の計算だと(※a)の額より納付すべき税金が増加する結果となり無理やり 徴収税額を増加させているように見受けられる。インドネシアの会社から反駁して もその計算根拠を示す規定などが不明な状況。指示事項に関する反駁等を繰り 返すと大規模な税務調査対応を迫られるうえ,過度な追加課税要求などがある との他社事例も聞いており対応に苦慮している。 JEITA (3) 租税条約の PE 非 ・OECD モデルの租税条約(日本−シンガポール間等)では、通常、PE に該当し ・租税条約の PE 非該当要件に「引渡し 該当要件の不備に ない活動として、企業に属する物品又は商品の「保管(Storage)」、「展示 (Delivery)」を含める。 よる PE 課税リスク (Display)」、「引渡し(Delivery)」が挙げられているが、日本−インドネシアある いはシンガポール−インドネシア租税条約では、「引渡し(Delivery)」が含まれ ていないことから、企業の所有物(商品)をインドネシア国内に保管しているだけ では PE(恒久的施設)に該当しないものの、その商品の引渡しを行うという、 VMI(Vendor Managed Inventory)倉庫のような運用を行うと、PE に該当して しまうという問題がある。 日機輸 (4) 付加価値税還付の ・10%の付加価値税は、還付税であり基準を満足される限り全額還付されることが ・最終課税 2008 年政令 51 不履行・不透明・遅 前提であるが、還付を申請し、還付される迄の期間が相当長く、書類不備等を理 号他 延 由に、還付金額を減額されるケースがある。 ・付加価値税(10%)に関して、政府案件はコントラクタ−側での支払 VAT 還付が ・税制や税率変更に際しては、外資企業に 必要となるが、税務署査定期間が 1 年内と長く資金繰りにも支障を来す状況とな 対話機会を提供するとともに、十分かつ妥 っている。 当な説明を実施するなど透明性を確保し 建設業界では本邦直轄事務所で 4%、現地法人で 3%の最終課税方式となって て頂きたい。 いるが、これを賄う利益を出すことは非常に難しい状況と思われる。 ・法人税には前納制度があり、前納額>確定申告額となると還付申告となるが、そ ・法整備と法に基づいた公正な税務調査の の場合、税務調査が行なわれ、強引な追徴課税により還付が受けられない(最 実行。 近は移転価格税制により課税される事例が多い)。 ・投資申請による、設備輸入に対しては、申請による VAT の還付があるが、当該 ・制度通りの決済。 地域の VAT 徴収額が税務署の計画に未達の場合、不認可、若しくは長期間認 可が下りない。 日商 全楽協 日商 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 28/44 準拠法 (対応) ・2006 年 8 月 15 日付にて、還付早期化を定めた国税総局長規則 No.PER-122/PJ./2006 が発布。2006 年 12 月 19 日付にて、還付調査の迅速化が盛 り込まれた国税総局長規則 No.PER-176/PJ./2006 が発布。2007 年 6 月 7 日付大統領指示 No.6/2007(新投資政策パッケージ)において VAT 還付迅 速化が政府からコミット。 ・2009 年 9 月 16 日、物品・サービスに対する付加価値税及び奢侈税に関する 1983 年第 8 号法の第 3 次修正(2009 年第 42 号法 )法案が国会で成立 し、同年 10 月 15 日にユドヨノ大統領は同法を公布した。第 42 号法は、付加価値税(VAT)の税率を 10%に維持する一方、課税・非課税項目の定義を 拡大している。同法はまた、奢侈税の上限税率を 75%から 200%へと引き上げている。奢侈品の分類とそれに対応する税率については、今後財務省が 公布する予定の実施細則で詳細が明らかとなろう。専門家は、同法の発効(2010 年 4 月 1 日)までにいくつかの実施細則が公布されると見ている。 ・2010 年 3 月 31 日、インドネシア財務省は、新たに付加価値税(VAT)の対象となる 11 種類の物品・サービスとそれぞれの課税基盤について規定した省 令第 75 号 (Decree No. 75/PMK.03/2010)を公布した(2010 年 4 月 1 日より施行)。新たに VAT の対象となる物品・サービスは、(1)自家消費のための 物品・サービス、(2)寄附又は無償で得られた物品・サービス、(3)音響・映像記録装置、(4)映画フィルム、(5)タバコ製品、(6)企業清算による棚卸・資産(当 初販売目的のもの)、(7)本社-支社間での物品の社内移転、(8)仲介取引業者・ブローカーから入手した物品、(9)競売で入手した物品、(10)小包荷物及 び配送サービス、(11)旅行・観光代理業である。同省令第 2 条に定める 11 種類の物品・サービスとそれぞれの課税基盤をまとめて一覧にした表は以下の とおり。Taxable Goods and Services under Decree 75 ---- Tax Base (1)Goods and services for own consumption ---- Cost of the sales of the goods for own-use (2)Donated or free goods and services ---- Cost of sales of the free gifts or donated goods and services (3)Audio and video recordings ---- Estimated average selling price for the audio and video recording (4)Movie films ---- Average yield per film title (5)Tobacco products ---- Retail selling price (6)Inventory and assets, originally not intended for sale, during a company’s liquidation ---- Market value of the remaining inventory of taxable goods and sale of non-inventory assets that were originally not intended for sale at a company’s liquidation (7)Intra-company transfer of goods between headquarters to branch offices or vice-versa ---- Cost of sales or acquisition cost of the transferred goods (8)Goods delivered through an intermediary trader or broker ---- Agreed price for the deliveries of taxable goods through an intermediary trader or broker (9)Goods delivered through auction ---- Auction price for the deliveries of taxable goods through an auction officer (10)Package shipment and delivery services ---- 10 percent of the actual billing for package shipment and delivery services (11)Travel and tourism agency services ---- 10 percent of the actual billing for tour and tourism agency services ・2012 年度予算案では間接税を統合する GST の導入時期は明示されなかったが、複数州でのパイロットテストを実施するための GST ネットワークシステ ムを 2012 年 8 月までに稼働することが予定されている。 ・2014 年 5 月 9 日、インドネシア財務省は、付加価値税(PPN)納付申告の電子化を段階的に実施する規則第 151 号を発表(2014 年 7 月 1 日より開始 予定)。 ( http://www.kemenkeu.go.id/Berita/kemenkeu-berlakukan-faktur-pajak-elektronik) (Bahasa Indonesia) ( http://www.kemenkeu.go.id/en/Berita/mof-enforces-electronic-tax-invoice) (English) (改善) ・ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)が国税総局との協議で解決を見た点として、仕入れ側の申告漏れや納税遅延などのミスによる付加価値税の還付は取 引が認められる帳簿類があれば可能となる。 ・2001 年 1 月 1 日から、改正付加価値税法により、1) 支払った VAT が請求した VAT を超過した場合、従来年度末にしか還付請求できなかったが、いず れの月においても還付請求が可能、2) VAT インボイスを商用インボイスで代用可能、3) 一定の条件を満たした法人納税者、遵法納税者は、1 ヵ月以内 の VAT 還付を受けることができる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 29/44 要望 準拠法 ・2003 年 7 月開催されたジャカルタ・ジャパンクラブとインドネシア政府との第 6 回政策対話全体会合で、具体的な改善点として VAT 還付申請手続きの迅 速化が確認された。例えば、些細なスペルミスやアドレスの間違いなどで還付がなされなかったり、ペナルティが課せられることがないよう要望がなされて いたが、税務調査が開始される前にタックスインボイスを訂正して差し替えできるシステムが存在することが確認された。VAT 還付は非常に大きな問題であ り、エンフォースメントの問題であるので JJC として、厳格にモニターを続ける必要が認識された。 ・JJC は、課税問題小委員会の報告によると、VAT 手続に関し、コンピュータシステム(PMPK システム)が新たに導入され、作業の効率化が進んでいる が、税務伝票は従来通り記入ミスの厳格な修正を求めている。 ・インドネシア大学社会経済研究所により、2007 年 6 月∼8 月に実施された国内主要都市 587 社へのビジネス環境に関するアンケート調査結果によると、 VAT の還付が、2005 年 6.3 ヶ月から 2007 年 5.1 ヶ月に短縮されたが、還付を受けるのに賄賂を支払った割合は 57%から 53%に微減しただけであった。 ・2007 年 9 月の JJC アンケートによれば、申請から還付実現までの期間は短縮されている、という声が多く寄せられるようになってきていると報告されてい る。 (5) 建設業への見倣し ・外国建設会社の税率が 3%(みなし利益率 12%に対する法人税 25%)と非常 ・税率を実態の利益率に即して下げてほし ・インドネシア所得税法 日商 に高率であり、実態に即していない。 い。 法人税率適用 2008 年第 51 号 3 条 1 項 自動部品 (6) VAT 番号の取得の ・実取引がないと PKP が発行されず、結果として PKP 取得前に行った実取引で ・NPWP(所得税番号)の取得と同一にする ・PKP の発行には、法制度 困難 支払った VAT について、将来の事業利益からの納税控除 SPPKP の権利行使 か、NPWP 発行と同時に PKP/SPPKP を があると聞いておらず、税 日商 が出来ないという矛盾が生じている。特に新規進出し、会社設立をしたばかりの 発行する。 務署の裁量行政との認識 状態の会社には非常に厳しい運用。 本籍地取得のための仮事務所設営など、無駄な費用と労力が要求される。 (7) 税法実施規則・運 ・石油ガス上流権益の譲渡に対する課税を含む、所得税関連の新政令が発布さ ・税制整備に際しては、外資を含む事業実 ・コスト回収・所得税に係る 日商 用基準の不透明 れたが、一部規定や表現が不明瞭なため、譲渡事案等での対応に苦慮。 施者・業界団体等との十分な対話機会が 政府規則(2010 年第 79 持たれることが望ましい。また不明点につ 号) いては当局による十分かつ明瞭な説明が ・2008 年法第 36 号(第 4 次 改訂所得税法 31 条 D) 実施されることを希望。 日機輸 ・厳しい税制の運用。 ・税制運用の透明性向上。 ・財務大臣令 No218/ 日商 PMK02/2014 (VAT 還付) 日商 ・2014 年 12 月に VAT 還付に関する新規則が発布されており、その件に関して、 ・新税制導入、税制や税率変更に際して ・Tax Treaty Regulation 現在、影響を調査中ではあるものの、プロジェクト経済性への影響が懸念され は、外資企業に対話機会を提供するととも る。 に、十分かつ妥当な説明を実施するなど 透明性を確保して頂きたい。 日商 JPETA (8) 移転価格税制の不 ・インドネシアでは移転価格税制に関する法整備が他 ASEAN 諸国と比べ不十 ・移転価格税制調査官のレベルアップが必 透明・恣意的運用 分で、現場職員の移転価格に対する理解度も高くない。それにも関わらず、徴 要(先進国並みの知識、判断が欠けてい 税ノルマを厳しく課せられていることもあり、現場レベルでは移転価格問題として る。 更正通知が乱発されている。2010 年後半には移転価格や 2 国間相互協議に 関するガイドラインが公表されるなど一定の進捗はあるが、尚改善の余地は大き い。2010 年 9 月 6 日付で移転価格税制ガイドラインが発布、施行されたが、 OECD 移転価格税制ガイドラインに沿っていない点や、不透明な部分が残って いる。日系メーカーに追徴課税請求がなされる事案が発生している。 ・親会社が提供する経営指導、債務保証に対する対価の支払いに関し、インドネ ・移転価格文書に対する十分な検証プロセ シアに所在する子会社においては、すべて配当とみなされ損金処理が認められ スを経た上で、納税者が理解可能な課税 ず追徴課税が発生した。高いコストを払い文書化を遵守しているが、調査段階で 説明を頂きたい。 深い分析もなく課税されているのが実態と思われる。 ・Directorate General Taxation Decree (2010) No.43 on Application of Arm's Length Pricing Principle ・Directorate General Taxation Circular (PER-22/PJ/2013) ・Directorate General Taxation Circular (PER-11/PJ/2013) ・PSAK Revision 2013 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 30/44 要望 準拠法 ・移転価格税制の恣意的運用がなされている。 −ITO は 2013 年、監査基準を変更した(All taxes to Single tax)。単一税制 では一度税務調査が終わっても、全ての税に関する調査は終了しない。 −連結会社の定義変更により、非持株会社が連結対象になる可能性がある。 日商 (9) 移転価格税制の二 ・特に移転価格税制においては、各国間のルールがまちまちで、見解が分かれる ・世界標準の移転価格税制(ガイドラインな 重課税リスク こともあり、当社グループとして二重課税リスクを抱えている。 ど)の法整備。 ・事前確認制度の充実。 (対応) ・インドネシア財務省は、移転価格課税等による国際的二重課税の排除を目的とする相互協議(MAP)及び事前確認制度(APA)の実施に関する規則を 公布した(MAP は 2014 年 12 月 22 日施行、APA は 2015 年 1 月 12 日施行)。 【参考】相互協議(MAP)の適用に関する財務省規則 No. 240/PMK.03/2014 の URL【尼語】 http://www.sjdih.kemenkeu.go.id/fullText/2014/240~PMK.03~2014Per.HTM 【参考】事前確認制度(APA)の適用に関する財務省規則 No. 7/PMK.03/2015 の URL【尼語】 http://www.sjdih.kemenkeu.go.id/fullText/2015/7~PMK.03~2015Per.HTM 15価格規制 日商 (1) 損害保険における ・火災保険、自動車保険において規制当局より遵守義務のある価格規制(タリフ) ・パブリックコメントに十分な時間を割いて、 価格規制導入過程 が導入されたが、その際に保険会社が顧客への説明などの準備を行う期間が確 新規制の導入に当たっては、外資系保険 の不適切性 保できない短期間にて通達が行われた。加えて、一定の条件を満たすと適用で 会社、会計監査法人など関係者に対話機 きる割引制度についても、予定よりも早く唐突に適用が通達されるなど、当局の 会を持つと共に、事前に十分な説明を行う 意向によって制度変更が唐突に発生し、予定されていた予算に影響が出てい などの法律・規制の実効性と透明性の確 る。 保に努めて頂きたい。 16雇用 JEITA 日機輸 (1) 労働者に有利な労 ・インドネシア労働法では、会社のステータスの変更、合併、併合、所有者の変更 ・株式譲渡の場合など、会社の組織に変化 ・インドネシア労働法 働法 が発生し、労働者が労使関係の継続を望まない場合、経営者は労働者に対し がなく、会社従業員の雇用関係に何らの ・労働法第 163 条 て解雇処分を科すことができ、この場合、労働者は、所定の退職手当等(割増あ 変更を生じさせない場合は労働者を保護 り)を受け取る権利があると規定されている。つまり、会社の株式が譲渡される場 する意義に乏しく、法律の改正が望まれ 合でも労働者に優先条件で退職する権利を与えているので、従業員を一括で る。 引き受けることを目的とした M&A において、不確実性を生じさせることになる。 また、この規定は、会社の株式が同一企業グループ間で譲渡される場合にも適 用されるため、企業内の円滑な再編を阻害することにもなる。 ・新労働法は経営者への刑事罰、行政処分を厳しく規定する一方、労働者側の 違法行為に対する罰則は寛大。解雇についても条件が多く、雇用者側負担が 大きい。 ・勤務態度が悪い社員を解雇しようとする場合、労働法上の義務として会社は本 ・より対等な関係を基とした、労働法への見 人の自主退職の場合と比較して、さらに上乗せした多額の退職金を支払うことが 直し。 義務付けられている。このことが、結果として労働者が不当に有利な環境をもた らしている。 日商 日商 (対応) ・新労働法は経営者への刑事罰、行政処分を厳しく規定する一方、労働者側の違法行為に対する罰則が一切ない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日機輸 日商 日製紙 日商 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 31/44 準拠法 ・2003 年 2 月 25 日、新労働法が可決成立した。労働者の保護に重点を置く内容。 1) 雇用契約期間が 8 年以上の従業員の退職に伴う上限が 9 ヶ月(勤務年数+1 ヶ月)と定められた。 2) 自己都合退職者と犯罪による退職者には退職金は支払われない。 3) ストライキ中の賃金支払いの条件が明記された。 4) 州の法定労働時間が 40 時間と定められた。 5) 児童労働時間が 1 日 3 時間となった。 6) 臨時雇用契約期間が最大 3 年となった(2003 年 3 月 25 日付法律第 13 号)。 (改善) ・2003 年 7 月開催された第 6 回 JJC・政府間政策対話全体会合で、重大な過失を犯した労働者の解雇手続の簡素化がなされたことが改善点として確認さ れた。 ・Law No.13/2003 の 158 条(a.1)で、会社から盗んだ被雇用者は解雇されると規定されている。158 条(2)では、不法行為は(a)当該行為のコミットの間、 (b)自白、(c)少なくとも 2 人の証人を伴う当該会社内で設置された権限者によりなされた報告書を通じて立証されると規定している。 ・Law No.13/2003 の 168 条は、通知無く 5 日以上休んだ労働者は、外部の承認無くして解雇することができる。 ・Law No.13/2003 の 158 条(1)は、権限ある当局による許可無く解雇を実施できるところの労働者の悪事のタイプを確認している。 ・Law No.21/2003(2003 年 7 月 25 日)は、工業及び商業における労働査閲に関する ILO 条約 No.81 を批准するものである。 ・産業関係紛争の解決に関する Law No.2/2004(2004 年 1 月 14 日)の 2 条では、紛争を 4 つの問題に分類している。 (1) 権利の紛争、(2) 利益の紛争、(3) 離職の紛争、(4) 企業内の労働組合との紛争 ・3 条では、紛争は二当事者間(労働者と雇用者)を通じて第一義的に解決されるべきであると規定している。30 日以内に合意に達しない場合、その話し合 いは失敗したと定義される。 ・4 条では、両当事者が調停又は仲裁のいずれかの方法を選ぶことを要求する当局に付託するものとしている。7 日以内に返答がない場合、当局は当該事 件を調停者に任せる。 ・5 条では、仲裁でも調停でも解決に達しない場合、いずれの当事者はその事件を産業関係法定に提出することができる。 ・59 条は、すべての地方政府における産業関係法定の設置は当該州の首府に所在することを規定している。 (2) 過激な労働組合運 ・近年インドネシアの最低賃金は消費者物価上昇率を大幅に上回る急激な上昇 ・労働者側の主張のみ、配慮するのではな ・Labour Law (Undang 動と賃上げ要求 傾向が継続しており、賃金増によるコスト増が各社の採算性を大きく圧迫してい く、生産性に見合った賃金上昇等、対等な Undang Ketenagaる。また労働組合運動も激化しており、大挙して集団で工業団地に押し掛け、デ 立場で現実的な労使間の議論が出来る雰 kerjaan) No. 13/2003 モをすることで、工業団地全体で操業まひする事態も頻発している。 囲気が醸成されることをインドネシア側政 ・2003 年 13 号他 府関係者に望む。 ・労働組合は交渉の内容(論理性)の如何を問わず、申請を行うだけでいつでも ・労働者寄りの法律を改正。 合法的にストライキが出来る状況であるため、実力行使で不当な要求を実現し やすい。 ・毎年、法定最低賃金が上昇しており、恒常的な減益要因となっている。ジャカル ・企業が企業努力により競争力を維持できる タでは毎年複数の労働組合が主導する大規模デモが起こっており、操業を停止 範囲の法定最低賃金の上昇。 せざるを得ない企業もある。 ・首都近郊、工業団地などでデモやストが頻発しており、道路の通行制限や工業 ・違法なデモやストの取り締りをお願いした 団地が封鎖されるなどして、円滑に事業を行えない。 い。 (対応) ・産業関係紛争の解決に関する Law No.2/2004(2004 年 1 月 14 日)の 2 条では、紛争を 4 つの問題に分類している。 1.権利の紛争、2.利益の紛争、3.離職の紛争、4.企業内の労働組合との紛争 −3 条では、紛争は二当事者間(労働者と雇用者)を通じて第一義的に解決されるべきであると規定している。30 日以内に合意に達しない場合、その話し 合いは失敗したと定義される。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日製紙 JPETA 日商 日商 日製紙 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 32/44 準拠法 −4 条では、両当事者が調停又は仲裁のいずれかの方法を選ぶことを要求する当局に付託するものとしている。7 日以内に返答がない場合、当局は当該 事件を調停者に任せる。 −5 条では、仲裁でも調停でも解決に達しない場合、いずれの当事者はその事件を産業関係法廷に提出することができる。 −59 条は、すべての地方政府における産業関係法廷の設置は当該州の首府に所在することを規定している。 ・Decree of MOMPT & T No. 232/Men/2003(31 Oct. 2003)は、違法ストライキの帰結を定義している。 ・2006 年 1 月、労使関係紛争解決法 2004 年第 2 号が施行され、労使紛争解決機関のスタッフ(斡旋員、調停員等)に対する研修を実施するなど、法律の 円滑な実施に向けた取り組みが進んでいる。また、過去の労働争議に関する判例集の作成に取り組んでいる。(日尼戦略的投資行動計画の進捗報告書 2006 年 11 月) ・2012 年 1 月 17 日、2003 年法律第 13 号のアウトソーシングに関する憲法裁判所の違憲判決を背景として、6 月 19 日、インドネシア金属産業労働組合 連盟(FSPMI)に所属する労働者が西ジャワ州ブカシ県の 3 か所の工業団地で約 6,000 人の労働者が参加して有期契約や請負労働の形態で就労する 非正規社員の正規雇用を求めてデモを行い、改善要求を行った。 (3) 最低賃金の大幅な ・2013 年度 1 月より 30%UP。 ・国際競争力がなくなる。(人件費アップのコ ・インドネシア労働法等 引上げ ントロール) ・2003 年 13 号他 ・当社製造子会社のある、同国のブカシ県では、2014 年の公定最低賃金が約 ・行政にもっと公平な立場で労使の仲介者 ・労働に関する法律 2003 年 22%アップした。2013 年度の 40%アップに比べると下落したものの、依然として としての役割を担ってほしい。 第 13 号第 89 条、最低賃金 上昇率は高い水準にある。また労働組合の活動は激しさを増すばかりで、行政 に関する労働移住大臣規 には労使の仲介者としての役割は到底期待出来ず、企業側はスト、操業ストップ 程 2013 年第 7 号、の運用 を避ける為、労働者の非合理的な要求を飲まざるを得ない。 不備 ・近年、最低賃金が毎年数十%という急激な上昇になっているエリアが多い。 ・最低賃金の上昇率(例:2015 年の西ジャワ州の上昇率は前年比 15-20%)は、 ・企業経営の視点を交えた賃金水準の構築 最低賃金水準のみならず全ての賃金水準において適用されるような事態となっ プロセス、最低賃金決定のプロセス透明 ており、一方で労働生産性の向上は(同上昇率に比べて)見合っておらず、結果 化、等が望まれる。 として当国の製造/生産拠点としての国際競争力を弱めている。 ・毎年実施される最低賃金の上昇をはじめとするコストアップにより、インドネシア ・インドネシア政府からの労働組合への指 での事業環境はどんどん悪化している。また、賃金上昇を要求するゼネストによ 導。 って、工場を一時運転停止せざるを得ないことが年数回発生しており、生産性に 影響する。更に昨年 12 月 10∼11 日に計画されたゼネストでは安全確保のため 日本人従業員を自宅待機とした。 こうした状況が続くとインドネシアにおける追加投資は慎重にならざるを得なく、 最悪の場合は、採算の厳しい工場から順次閉鎖ということにもなりかねない。 (対応) ・2015 年 10 月 15 日、インドネシア政府は、毎年の最低賃金引き上げに関する新たな全国に適用される固定的計算式の導入を含む景気刺激パッケージ を明らかにした。2015 年 10 月 23 日、インドネシア政府は賃金に関する政令 2015 年 78 号を発令し、インフレ率と実質 GDP 成長率を加算して算出する ことを決定した。 ・ジャカルタ特別州は、2015 年の法定最低賃金は前年比 10.6%増の 270 万ルピア、2016 年の法定最低賃金は前年比 14.8%増の 310 万ルピアに決定。 ブカシ件は 2015 年 19.5%増の 292.5 万ルピア、2016 年 11.5%増の 326.1 万ルピア。 スラバヤ市は 2015 年 23.2%増の 271 万ルピア、2016 年 12.4%増の 304.5 万ルピア。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 33/44 要望 準拠法 (4) 外国人の就労ビザ ・労働移住大臣規程 2013 年第 12 号 第 26 条第 1 項で、以前の(2008 年 3 ・新制度の制定にあたっては、外国人排除 ・外国人労働者の雇用に関 取得要件の困難化 月 28 日付け)大臣令で「学歴(=2012 年からイミグレ内規で高専を含む大卒と とならないよう、十分な検討及び配慮を頂 する労働相令(2013 年第 して運用)及び又は職歴(5 年以上)」となっていた規定が「学歴及び職歴」に変 きたい。 12 号) 更になりました。事業投資会社への若手派遣が制限される事態になっており、人 ・OJK 規制 No.4/POJK.05/2013 員の派遣計画等が立てづらくなっています。 日商 ・就労ビザ取得について、年齢制限及び学歴制限等がある。 ・建設業では技術に精通した経験豊富な人 ・KEP.16383/PPTK/PTA/ 材がプロジェクトに必要である為、緩和して 2014 ほしい。 日機輸 ・一部報道(*)で、英語を母国語としない外国人(すなわち日本人も含むと思われ ・英語を母国語としない外国人でも英語の る)の就労ビザ発給要件としてインドネシア語の能力試験を課すという方向で労 能力を十分兼ね備え英語によるインドネシ 働省令の改定が進められているとの情報がある。 アへの技術移転を達成できる人材が多い (*)参考 と考えられるため、公的試験(例:TOEIC、 (http://news.nna.jp/free/news/20150105idr006A.html) TOEFL、インドネシア語技能検定)の結果 (http://news.nna.jp/free/news/20141126idr006A.html) 等により能力試験を免除が可能などの対 応を是非考慮頂きたい。 自動部品 ・長期就労ビザ(KITAS)取得のための法律改正案が検討されている。学歴要件 ・就業要件の緩和。 (短大卒以上)、インドネシア語の語学試験が課されるとの情報。 日商 ・日本人赴任者のビザ取得条件を厳しくして制限しようとしている。 ・ビザ取得条件を緩和して頂きたい。 インドネシア語の習得、学歴制限、初年度 1 年のビザの次の年度は半年にしよう としている。(現在インドネシア語については適応予定ということで確認中) 日商 ・2013 年末に発効された当地金融庁規制により、銀行以外のノンバンク業で働く ・規制の中で触れられているとおり、テスト合 インドネシア人以外の外国人は、全て Fit & Proper Test の受験が義務化され、 否判断基準を発効することと、受験申込か 不合格となった場合には労働ビザが発給されないこととなった。定期人事異動に ら合否判定に至るまでの手続きを迅速化 おいて、万が一当地に赴任してきた駐在員がこのテストに不合格となった場合、 することを求めたい。 当人の行き先が無くなる事態が生じることが懸念される。 自動部品 ・インドネシアで事業を開始するにあたり、技術者の支援が必要だが支援者の ・要件に応じて VISA の発給条件を見直し VISA(KITAS)の取得に厳しい制限がある。 してほしい。 日機輸 JEITA 日機輸 日商 (5) 就労ビザ取得手続 ・駐在員の就労ビザ発給プロセスが長い、もしくは期間が定まらない。 ・ビザ発給手続きや審査の迅速化を希望。 の煩雑・遅延 ・ビザ発給、各種許可発行に時間が掛かり過ぎ、建設 PJ の遂行に必要な要員が ・ビザ発給や許可発行手続きの迅速化、透 現場に入れず、PJ 進捗に支障をきたす。 明化。 日商 ・ビザ発給に係る規則が頻繁にしかも事前予告なしに変更される為、スムーズな ・ビザ発給や許可発行手続きの迅速化、透 申請を行うことが出来ない。 明化。 日商 ・駐在員のビザ発給に係る監督官庁(SKK Migas および MIGAS)による審査に ・ビザ発給手続きや審査の迅速化を希望。 時間が掛かり、人員計画通りに進まないケースがしばしばある。特に、2014 年か ら 2015 年のビザの切り替えがまったくうまく進まなかったため、駐在員が数週間 ∼1 か月ほど就業ができないという状況になっている。 自動部品 ・事業を開始するにあたり、支援技術者の KITAS の取得迄に 1 月超の期間が掛 るため緊急の対応はできない。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 JGMA 日商 日商 日商 日商 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 34/44 準拠法 (対応) ・2006 年 3 月 29 日、マンパワー移民省(DOMT)は、外国人労働許可(IMATA)の発行手続所要時間を 7 日から 4 日に短縮するとする外国人就労許可 発行に関する通牒を発令した。 ・移民局は、一時滞在許可(KITAS)により与えられる滞在期間を連続して 1 年から 2 年に延長し、2 度更新可能とする規則 No.GR.18/2005 を発行した。 ・2006 年 4 月、「大臣令/7 番/III/2006」(労働移住省)発部により、インドネシアで働く計画のある外国人は、インドネシア入国前に労働許可を取得すること が可能となった。 ・2008 年 3 月 28 日、発効された「外国人利用手順に関する労働移住大臣規定 2008 年第 2 号」において、 ①雇用許可の取得日数の短縮、 ②企業における緊急入国の際の手順の規定化、 ③地方政府への権限委譲の明文化などがなされた。 ・インドネシアの外国人就労者に対して、技術能力開発基金(DPKK)が 100 米ドル/月かかり、就労ビザの作成・更新時に年間 1,200 米ドルを労働省指定 銀行口座に一括前払いで納付しなくてはならない。 ・2013 年 12 月 20 日、労働移住大臣規定 2013 年第 12 号を公布し、外国人労働者の就労ビザ取得について「就任予定の役職要件に応じた学力を有す る」ことが必須条件として追加規定された。 ・インドネシア政府は、2015 年 6 月 29 日付労働移住大臣規則 2015 年第 16 号を発行して、「非常勤の外国人取締役の就労許可(外国人就労許可= IMTA)取得の義務」を新たに規定したが、4 か月後の 10 月 23 日付で同規定を削除した。 ・2015 年 12 月 28 日、経済特区(KEK)に対する投資優遇措置に関する新たな政府規則(Government Regulation No. 96/2015)が発効した。政府規 則 96 号には、タックスホリデーやタックスアローワンスに加えて、KEK 内に一時的に在留する外国人(資本投資目的又は専門職としての就労目的)への 一時滞在ビザ発給許可等の便宜を供与する優遇措置が含まれている。 (6) 就労ビザを持たな ・短期の出張者が、建設現場等に立入る際に就労ビザを取得しなければ立ち入り ・短期滞在ビザ(VOA)でも現場の立入を許 ・労働大臣令(2008 年第 2 い出張者の現場立 は認められないため、その都度申請を行わなければならない。 可してほしい。 号) 入規制 ・現地工事の際、就労ビザを取得する必要があるが、入国して数日以内に出入国 ・就労許可証を短期間で発行して頂きた 管理事務所に赴き、就労許可証を入手する為の面談を受ける必要がある。就労 い。 許可証は4営業日以降に発行され、就労許可証が無いと出国出来ない為、数日 で完了する工事の場合でも、無駄に滞在を延長する必要がある。 (7) 契約社員の正社員 ・契約社員の更新は期間に関わらず 2 回しか出来ず、3 回目は正規社員へ雇用 ・契約社員として雇用できる回数を増やして 化義務 しなければならない。 ほしい。 ・契約社員の延べ雇用期間が 3 年を超えて就業する場合、正社員としなければな らないので、通常、3 年で新旧の契約社員交代を行っている。しかし、安定した 品質と生産性を得るためには十分な教育期間が必要であり、大きなロスとなって いる。 (8) コア業務への派遣 ・生産会社において、コアとなる業務に派遣社員を雇用することはできない。弊社 社員雇用規制 の場合、材料・部品の入庫から製品の出庫までの全工程がコアの業務となるた め、工場内の従業員はすべて、正社員と契約社員からなっており、人件費の増 加につながっている。 ・2012 年、労働移住大臣令 2012 年第 19 号により、派遣、業務委託に関し、業 ・スハルト強健体制により締付けられていた ・労働移住大臣令 2012 年 務セクター別に協会を編成し、同協会が業務ごとのフローチャートを作成し、業 労働組合が強くなり、振子の逆ぶれのよう 第 19 号 務委託契約の場合は、コアー、ノンコアーの区分を行い、委託会社は当該従業 に大きく要求している為、掛る現象が起き ・労働移住大臣回状 2013 員を雇用する、と言う事となり、2013 年 11 月 19 日より発効となった。例えば、 ている。労働移住省がイニシャテイブをとり 年第 4 号 Logistics 業界ではトラックの運転手等は、運転の他に物品の受渡し、内容のチ 当事者意識を持って労働者寄りでなくリー ェックも行う為、これまで派遣が認められていたのが認められず、正社員として雇 ズナブルな対応をして貰いたい。労働者 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日鉄連 日機輸 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 35/44 要望 準拠法 用しなければならなくなった。 派遣を 5 業種のみに限定する事は、企業 Logistics 業務の運転手の仕事は、トラック運転のほかに物品の受渡し、内容の の経営合理化を阻害し、インドネシアへの 外資企業の投資意欲を著しく減少させるも チェックも行うとは言え、単純労働である。 かかる職種に対し、1)毎年大きく上昇する最低賃金、2)勤続年数に合わせて支 のである。 払われる高額な退職金、3)教養の高い従業員と同様の雇用条件(医療保障、福 ・また、今後とも続く賃金上昇に伴い、将来 利厚生等)を提供しなければならない、4)業務の受注量に応じて人員数を調整 的には、正社員として雇用される者が厳し できない、5)業務の性格上、高額の残業量の支払いが発生する、等々、法令を く淘汰選別される事になる為、反って雇用 遵守する Logistics 企業の競争力を著しく弱め、その結果、法令を遵守する外 の機会を喪失させる。そこで、労働者派遣 につき業種による制約を撤廃する、または 資企業によるインドネシアへの投資意欲を減少させる。 更に、法令を遵守しない PMDN だけが依然として、実質的に運転手を派遣に 業務委託契約の要件を緩和する事が必 要、適切である。 て使用する事で存続し、又は利益を上げる結果となり、不公平である。 又、インドネシアの Logistics 業界の例えば運行上のソフト、ハード、の改善がな く、危険極まる状態の車両の走行が継続する事になる。 (9) 現地人の雇用義務 ・現地に進出する企業は、外国人労働者 1 人につき、インドネシア人 3 人の雇用 ・規制の撤廃。 ・PERDA 22/2012, UU No 13 tahun 2003 が義務付けられている。 ・ジャワ島東部パスルワンでは独自の現地人雇用規制があり、全国版の規制と重 ・日本は東ジャワ(Pasuruan)における重要 複する。またパスルワンの独自規制については運用規則がない。 投資家であり、東ジャワ日本領事館は Pasuruan の PERDA 22/2012 の規則の 見直しを現地当局に促している。 (対応) ・2015 年 6 月 29 日付労働移住大臣規則 2015 年第 16 号は、企業が外国人を雇用する手順を定めた 2013 年の大臣規則を見直し、「雇用者は、外国人 労働者 1 人の雇用に対して少なくとも 10 人のインドネシア人労働者を雇用しなければならない」と規定した。しかしインドネシア政府は 10 月 23 日、同規 定は削除した。 日商 (10) 外国人使用規制の ・石油ガス上流・下流事業およびその支援事業における外国人使用の規制を強 ・外国人使用の規制に関し、プロジェクトオ ・エネルギー鉱物資源大臣 強化 化するエネルギー鉱物資源大臣令が発布、施行された(2013 年 10 月 24 日 ペレーター会社に関してはある程度の規 令 2013 年第 31 号 付)。特に①継続勤務期間(最長 6 年⇒最長 4 年)、②勤務可能年齢(30 歳∼ 制適用除外措置を希望。 60 歳⇒30 歳∼55 歳)、③禁止ポジション(1.人事・法務・QHSE・調達分野の 全員、2.Superintendent または同格より下のレベル)の規制が強化されたこと により、プロジェクト遂行のための適切かつ十分な人材をタイムリーに配置でき ず、プロジェクトの遅延に繋がることが懸念される。 日商 (11) 外国人による人事 ・外国人は人事担当者を指名するだけで、実際の人事に関与することが出来ず、 ・同法の撤廃。 事項関与の困難 違反した場合は就労許可を取り消すとの規制。 ・新労働法第 46 条 ・1995 年第 75 号第 5 条及 び第 12 条 (対応) ・インドネシアでは、外国人に対して人事・雇用問題担当者などの役職への就任を禁止している(労働移住大臣決定 2012 年第 40 号)。 日機輸 (12) 国民健康保険制度 ・BPJS による健康保険制度(国民皆保険制度)の適用が 2015 年 1 月 1 日から ・対応医療機関の充実や、外国人に対する 導入による外国人・ 日系企業にも適用されているが、6 か月以上インドネシアに滞在する外国人にも 多重負担防止等の改善を検討頂きたい。 外資企業の二重負 強制加入義務があり日本側の国民健康保険、あるいは海外駐在員向け個人医 担 療保険等との二重負担となりえること、さらには皆保険制度における準備不足・ 及び対応医療機関が限定される等の面が残念ながら見受けられる。 ・健康保障に関する大統領 規程 2013 年第 12 号の改 正に関する大統領規程 2013 年第 111 号 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 日商 日商 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 36/44 要望 準拠法 ・2014 年 1 月より国民皆保険(BPJS)制度が適用されたはずだが、BPJS 制度と ・早急に民間保険との調整を実施、明確で 既に加入済みの民間保険制度や外国人駐在員用の海外旅行者傷害保険との 公平な適用基準を制定。 調整もなされておらず、加入したくても出来ない状態が継続している。 ・2015 年 1 月 1 日から実施されている BPJS 制度(健康保険)について、インド ・インドネシアの全医療機関での早期の実 ネシアの一部の医療機関でしか使用できない等の制約が多いため、従来の民 施を望む。 間医療保険との併用が避けられない。その結果、会社側は医療保険の二重払 が発生しているため、福利厚生経費が大幅に上昇している。 (対応) 日商 17知的財産制度運 日機輸 用 ・2015 年 6 月、6 ヵ月以上就労する外国人労働者は労災補償(Jaminan Kecelakaan Kerja/JKK)、死亡保障(Jaminan Kematian/JKM)、老齢保 障(Jaminan Hari Tua/JHT)、年金保障(Jaminan Pensiun)の全てに加入する義務を規定する労働社会保障についての新たな規定が発行され た。 (13) 各種許可延長手続 ・入国管理局による調査において、各種許可延長手続き中であることが明白にも ・入国管理局が延長手続き中であることを証 中の社員に対する 関わらず、パスポート等の原本を提示できないとの理由のみで社員を拘束され 明する書類を発行し、これがあれば拘束は 入国管理局による た。 しないようにしてほしい。 拘束 (1) 出願人による自発 ・インドネシアでは、特許出願から審査までに平均 6、7 年かかっている。権利付 ・マレーシア、シンガポールでは、対応外国 ・インドネシア特法 28 条 的な対応外国出願 与の迅速化のために、出願人が自発的に対応外国出願に関する資料を提出で の登録クレームを提出することで、審査を に関する資料の提 きることが望ましいが、現在そのような規定にはなっていない。特許法 28 条で 迅速化する修正実体審査制度(MSE 制 出不可 は、総局が、対応外国出願での審査情報に係る資料を請求できる規定になって 度)が採用されている。また、ベトナム、タイ いるが、出願人が自発的に対応外国出願に関する資料を提出できる規定には でも法令では規定されていないが、実質的 なっていない。 に MSE 制度が運用されている。権利付与 の迅速化、安定した権利取得のためにも、 インドネシアでも MSE 制度の採用を検討 してほしい。 日機輸 (2) 拒絶査定時に分割 ・出願人は、拒絶査定時に分割出願することができない。 ・拒絶査定時に分割出願できるようにしてほ ・インドネシア特許法 36 条 出願不可 しい。 (対応) ・特許法(2001 年法律第 14 号)第 36 条において、特許出願の分割は、原出願に対して特許付与の決定(第 55 条(1))または拒絶の決定(56 条(1))が下 される前までできると規定されている。 JEITA 日機輸 (3) 高い特許出願コス ・インドネシアの特許庁費用が高額である。 特に、特許登録時に出願係属件数 ・出願中の維持年金の廃止、又は減額を進 分の累積での出願維持年金を支払うが、年金額が高額である。 めていただきたい。 ト 日機輸 (4) 特許料年金未納に ・特許料年金納付停止後、3 年間権利が維持され、その間の年金費用及び追徴 ・権利放棄の規定を主要国に合わせ、年金 よる権利放棄の制 金が出願人に課され、支払い義務が発生すること。 の追納・年金不払いによる権利遡及消滅 米・欧といった主要国においては一般的に年金未納後、一定の追納・復活期間 の制度を導入して頂きたい。 度 が設けられ権利放棄となるため、出願人が意図せず権利が存続するという事は ない。 年金未納による権利放棄の運用を採用しているため、インドネシア案件につい てのみ権利放棄の請求を行うためにはシステムの変更に加え、案件毎に権利放 棄を請求する作業やコストの負担も発生する。 ・インドネシア特許法 第 88 条 第 89 条 第 90 条 第 115 条 第 116 条 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 インドネシアにおける問題点と要望 37/44 意見元 No 問題点 JEITA 日機輸 (5) 知的財産権情報の ・権利化ニーズが高まる新興国において、件数等の統計情報や出願データベー ・先進国特許庁との連携協力を進め、早期 開示不十分 スの整備が不十分のため、正確な他社特許リスクを把握できない。 DB の整備を進めていただきたい。 問題点内容 要望 準拠法 (改善) ・インドネシアにおける出願数等の統計情報は、インドネシア知的財産権総局(DJHKI)のウェブサイト http://www.dgip.go.id/に掲載されている特許、商 標、意匠、知財出願件数等知的財産関連の統計資料にて確認することができる。 日商 18技術移転要求 日機輸 19工業規格、基準 日鉄連 安全認証 JEITA 日機輸 (6) 模倣品・海賊版の ・類似の商標を使用した製品が横行している(主に中国製)。法制度は整っている 横行・執行の不十 が、これを取り締まる機能がない。 分 (1) 技術移転要求 ・技術移転契約における不透明な技術移転要求を実施している。 ・それぞれの機関に関する実施および技術 移転契約に関する政府による更なる監督 が必要。 (対応) ・2015 年 6 月 23 日、インドネシア大統領は、工業資源の開発に関する政府規則(Government Regulation No. 41 Year 2015)を公布(6 月 23 日施行); 工業技術の調達における技術移転の義務や天然資源の輸出禁止・制限等について規定している。 【参考】当該政府規則 2015 年第 41 号については、以下の URL を参照【尼語】http://sipuu.setkab.go.id/PUUdoc/174554/PP0412015.pdf (1) 鉄鋼製品への強制 ・2009 年 1 月 1 日、建設向け亜鉛めっき鋼板の強制規格化を実施。 ・制度の撤廃、手続き(除外制度を含む)の ・工業大臣規定 規格の実施 明確化・簡素化。 ・2009 年 5 月 6 日、厚板を含む熱延鋼板類の強制規格化を実施。 ・テクニカルガイダンス 熱延鋼板類に関しては、自動車用途、電機・電子用途、1.8 ㎜未満もしくは 25 ㎜ 超などの製品については、工業省の認可があれば除外。 ・2009 年 7 月 6 日、亜鉛アルミめっき鋼板の強制規格化を実施。 ・2010 年 10 月 11 日、ブリキ、形鋼、撚り線、PC 鋼線に対する強制規格導入を WTO TBT 通報。 ・2011 年 6 月 1 日、冷延鋼板類の強制規格化を実施。 SNI 規格と異なる仕様を有している鋼材、自動車とその部品産業、家電品・電機 電子とその部品産業向けの原材料として利用される鋼材は、工業省の技術的判 断書を取得することを要件として、本制度の適用を受けないことを規定(適用対 象外リストとして別表に日本鉄鋼連盟規格や、一部のユーザー規格・メーカー規 格を記載)。 2012 年 2 月 21 日、形鋼の強制規格化を実施。 (対応) ・2014 年 12 月 3 日、棒鋼の強制規格を実施。 ・2015 年 1 月 20 日、厚板等の熱延鋼板類の新テクニカルガイダンスを施行。 (2) 安全認証(SNI)取 ・SNI の承認を得るため輸出元工場の安全規格検査で、頻繁に中国等への出張 ・特に新商品立上に際して長大且つ不安定 ・Water Pump: SNI 得の煩雑・遅延 要請がある。 なリードタイムを要するようになる為、これを 04-6292.2.41:2003 SNI 取得自体も、上記出張監査も含めて 2 ヶ月超という非常に長いリードタイム 現実に即した基準・手順とする働きかけを ・Electric Iron: SNI 04-6292.2.3:2003 を要する。 実施頂きたい。 ・CRT TV: SNI この SNI の適用対象品目が拡大傾向になり、2012 年度からはエアコン、冷蔵 04-6253:2003 庫、洗濯機等の大型商品も対象となってくる。これら大型商品だけではないが、 ・2011 年 5 月 9 日付工業大 監査対象に製造現場の視察も当然含まれるが、新商品等の場合は発売の数ヶ 臣規定第 50 号 月前に監査を受けることが困難な場合がある。しかしながら、SNI 対象品目であ 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 電線工 21土地所有制限 日商 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 38/44 要望 準拠法 りながら認証を取得していない場合、輸入・通関自体が出来ない為、その他の各 (No.50/M-IND/PER/5/20 種ライセンス取得や営業サンプル輸入が滞り、新商品立上が思い通りの期日ま 11):特定のケーブル 6 品 でに実施できないリスクが想定される。 目に SNI の順守を義務付 ・民間向け製品(電線)は、SNI 規格認可を受けないと販売できない事になってお ・工業規格を満足すれば、輸入も認める制 け り、規格取得には 1000 万円以上の費用と 1 年以上の認証取得期間を要する。 度を設ける。 (対応) ・2010 年 6 月 8 日、ヒダヤット工業相は、インドネシアの FTA(特に ACFTA)に基づく低品質の製品の輸入に備え、工業製品に関する 25 の強制規格であ るインドネシア国家規格(SNI)を年内に公布する同省の意向を明らかにした。新たな SNI は、自動車、自転車、セラミックタイル、化学品、電子機器、電気 部品、鋼材などに関する規格である。国内市場で販売されるすべての対象品目は、SNI を遵守しなければならず、これを遵守していない製品は、インドネ シア国内で販売することはできない。報道によると、インドネシア工業省工業研究開発局のムルヤディ局長は、新たな SNI は、粗悪品から国内消費者を保 護し、外国製品との競争から国内生産者を守るものであると語ったという。 (1) 土地収用プロセス ・大型インフラプロジェクト推進に際して、土地確保が進まず開発案件推進の支障 ・政府による土地収用プロセスの支援等によ ・土地収用に関する法律 の遅延 になっている。土地価格高騰と案件大型化により土地価格は巨額化しており、外 る状況改善が望まれる。 2012 年第 2 号 国事業者が競争入札前に土地を確保するといった条件が案件推進の阻害要因 ・大統領令 2012 年第 71 号 となっている。 (対応) ・2015 年 9 月 9 日、ジョコ・ウィドド大統領は経済回復に向けた政策パッケージの第 1 弾として国家の戦略的事業の加速を含む産業政策パッケージを発表 した。国家の戦略的事業の加速には、土地収用などの許認可手続きの簡素化が含まれれている。 23諸制度・慣行・非 日商 能率な行政手続 (1) 同一事業における ・石油ガス上流開発事業の遂行に際し、石油ガス上流事業実行特別業務ユニット ・両機関の意思疎通の強化により意思決定 ・新石油ガス法(法律 2001 複数の監督機関の (SKKMigas)とエネルギー鉱物資源省石油ガス総局(MIGAS)の双方の承認 が迅速化されること、あるいは、新政府によ 年第 22 号) 存在 が必要となる事柄が多く、各種許認可の取得に時間が掛かる。 るワンストップ窓口化による効率化を期待。 ・大統領令 2013 年第 9 号 (対応) ・2015 年 9 月 9 日、ジョコ・ウィドド大統領は経済回復に向けた政策パッケージの第 1 弾として重複規制の廃止を含む政策パッケージを発表した。重複規 制廃止では、154 の規制のうち、重複する 89 の規制を廃止する。その上で 17 の政令、11 の大統領令、63 の大臣令などを発令するとしている。 JEITA 日機輸 (2) 登記手続の制約 日機輸 (3) 許認可担当者への ・制度変更があっても、担当者が新制度のガイダンスを知らず、許認可の際に常 ・規則についての正確な情報を周知徹底す ・Refer to Minister of Labor and from each 制度周知徹底 に混乱を招く。 る。 Country 日商 (4) 医療機器流通許可 ・医療機器輸入販売のための医療機器流通許可証(品目毎に必要)の発行手続 ・許認可手続きの迅速化・効率化・透明 証発行手続の不透 きが不透明で、かつ製品によっては発行までに多大な時間がかかっており(いつ 化。・公務員の汚職体質の根本的改善。 明・遅延 発行される予測困難)、事業計画に重大な支障が生じている。 ・インドネシアでは、定款変更や株式譲渡を行う場合、投資調整庁(BKPM)の認 ・MoLHR の手続管理システムを改善し、同 可を得たあと、法務人権省(MoLHR)での登記手続が必要である。MoLHR の 一会社の複数の登記手続を並行して処理 登記手続は最低 2 週間程度を要するが、手続管理のシステム上、会社につき一 できるようにすることが望まれる。 つの登記手続が完了するまで別の登記手続を並行して申請することができな い。事業の一部の閉鎖と株式の譲渡を並行して進行させる場合は、完了に数ヶ 月を要するケースもある。 ・保健大臣規則 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 24法制度の未整 日商 備、突然の変更 JBMIA JEITA 日機輸 日商 JEITA 日機輸 日商 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 39/44 準拠法 (1) 矛盾する法令の公 ・後から発布された法令が従前の法令と矛盾し、尚且つどちらも法的には依然とし ・法令間の矛盾の解消を希望。 ・モデル生産分与契約 布 (PSC) て効力を持つ場合がある(e.g. 石油ガス事業において定められたモデル生産分 ・政令 2004 年 35 号 与契約(PSC)と、石油ガス事業関連の新政令との間で、インドネシア企業の事 業参加等に関して矛盾する規定がある、等)。 (対応) ・2015 年 9 月 9 日、ジョコ・ウィドド大統領は経済回復に向けた政策パッケージの第 1 弾として重複規制の廃止を含む政策パッケージを発表した。重複規 制廃止では、154 の規制のうち、重複する 89 の規制を廃止する。その上で 17 の政令、11 の大統領令、63 の大臣令などを発令するとしている。 (2) 法令施行規則の不 ・今般のシンプルインボイス規制による徴税強化規制において顕著だったのが、 ・本来、法令や規制が発効された後は、厳 ・GCG 規制 備・運用の不透明 法令・規制発効後、実運用がされているのかはっきりせず、規制を受ける側もま 格に運用すべきであり、逆に法令・規制の ・2014 保険業法 ちまちな捉え方を行っている。この為、現場で大きな混乱を起こした。 制定に際しては、事前に十分な調査、公 ・No.S-77/D.05/2014 再保 告を行うよう要望したい。 険のローカルキャパシティ ・法律、政令等が曖昧で分かりにくい。さまざまな場面で解釈に大きな違いが生じ 最適化レターなど る。 ・会社のガバナンス規制や保険業法など保険会社の運営に多大な影響を及ぼす ・パブリックコメントに十分な時間を割いて、 各種法規制が多く施行されているが、規制内容が不明瞭な点が多く、法令作成 新法規制の導入に当たっては、外資系保 者の意図が事前の十分な説明がないのでつかめず、解釈に時間やコストがかか 険会社、会計士など関係者に対話機会を る。また完全遵守が短い間に求められ、かつ実情を踏まえず策定されるケースも 持つと共に、十分な説明を事前に行うなど まま見られ、法令の朝令暮改が頻発する中で、運用が必ずしも徹底されていな の透明性を確保すると共に、十分な準備 い。 期間を与えて法規制の実効性を高めてほ しい。 (対応) ・PI No.5/2003 により強制された租税政策改革に関して、CMEA の 2004 年 8 月プレスリリースはその 2004 年 7 月 23 日付レター No.S-243/KMK.03/2004 を通じて、MOF が現行課税及び関税法を改正する法案を DPR に提出したことを報じている。同法案は、租税収入を増加し、 他の国に対するインドネシアの課税規則競争力を強化し、かつ租税の範囲と構造を単純化することを目的としたもので、関税と租税の目的及び租税、関 税及び物品税の手続き・実施をカバーしたものであった。同法案は、2004 年 10 月 1 日に 1999-2004 下院の正規の閉会まで成立していない。 ・2006 年 5 月 19 日、PPP 推進に関連する政治リスク、事業リスク、需要リスクに対する支払い形態や政府支援手続、報告・監督等を定めた「リスクマネジメ ントに関する実施指針」が公表された。 ・2006 年 6 月 5 日、公共インフラ用地の収用に関する定義、価格決定協議メカニズム、補償、譲渡方法などを定める「公共インフラ開発のための土地収用 に関する大統領規定 2005 年 36 号の改正がなされた。 ・2008 年 3 月 13 日、企業合弁の際の企業価値の査定に関する指針を定めた政令第 43 号(No.43/PMK.03/2008)を公布した。 ・2008 年 4 月 4 日、短期国債(SPN)からの利益のみに課税して二重課税を防ぐこと狙いとした SPN 税制に関する新規則を公布した。但し、その実施規 則及び指針は公布されていない。 (改善) ・2012 年 7 月 30 日、最高裁は商標権などの侵害が疑われる輸出入品に対する一時差し止め命令に関する規則および特許権などの知的財産権侵害に対 する仮処分決定に関する規則を制定した。 ・2012 年 8 月 7 日、ユドヨノ大統領は土地収用法 2012 年第 2 号(2012 年 1 月施行)の実施細則である大統領令 2012 年第 71 号に署名し土地収用手 続きのルールが明確化された。 ・2014 年 2 月 11 日、インドネシアで同国初の包括的な貿易法が成立。 (http://jdih.kemendag.go.id/id/news/2014/04/29/undang-undang-no-7-tahun-2014-tentang-perdagangan) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 インドネシアにおける問題点と要望 40/44 意見元 No 問題点 日商 (3) 税法、規制の頻繁 ・2012 年の輸入ライセンス(API)、今年の鉱物資源の輸出規制など、詳細を検 ・新税制導入、税制や税率変更に際して ・Bank Central letter No な変更 討しないまま思い付きに近い状態で法規制を発表し、その後、頻繁に内容を変 は、細部まで内容を決定した後に発効され 13/373/DSM 20 May 2011 たい。 更する例は枚挙に暇がない。 ・一事例、MOT 規程: 「インドネシアにおける法律改正には直ぐに対応すべきではない」というのが駐 No.67/M-DAG/PER/11/2 在員の間では一般常識となっている。 ・輸出入関連法規制の頻繁な変更・改正が行われるが、内容が判りにくい。施行 ・施行までの十分な準備期間、運用問題を 013, related label Bahasa Indonesia on までの経過措置、運用問題までを想定したものになっていない場合がある。 考慮したものにしてほしい。 product (対応) ・税法施行に関わる税関連法規は国税総局の公式ウェブサイトに掲載されており、オンライン検索が可能。 日機輸 日商 JEITA 日機輸 日機輸 日機輸 日機輸 日商 問題点内容 要望 準拠法 (4) 契約・覚書でのイン ・2009 年 7 月 9 日、Law No.24 において、インドネシア法人との契約は、インド ・契約におけるインドネシア語の使用強制制 ・Law No. 24, dated 9 July ドネシア語の使用 ネシア語を使用することが義務付けられたが、当該法令の適用対象を決定する 度は撤廃が望まれる。少なくとも、法令の 2009, regarding Flag, 義務 施行令が公布されておらず(前記法令公布後 2 年以内とされている)、当該法令 有効性を明らかにし、インドネシア語を使 Language, National が現在有効に施行されているのか、また施行されていたとしてもいかなる類型の 用すべき契約の範囲を限定すべきである。 Emblem, and National Anthem 契約にインドネシア語の使用義務があるのかが明らかではない。一方で、例え当 ただし、その範囲は、確かにインドネシア 該法令が有効であったとしても、契約で使用する言語は当事者間の自由に委ね 語を使用しなければならない理由が明確 ・国旗、国語、国章及び国歌 られるべきであり、インドネシア語の使用強制は、国外法人・個人に不当な負担 でなければならず、国外法人・個人にとっ に関する法律 2009 年第 を課すものと言わざるを得ない。 て負担を受け入れられる合理的なものでな 24 号 ければならない。 ・2009 年 7 月の法律にて、契約書はインドネシア語使用と規定された。同年 12 ・民間企業の活動を著しく阻害しかねない 月に、民間同士は英語で可との法務大臣令が出状されたものの、2014 年 5 月 判決を避けるべく、実態に即した法令の制 に、ジャカルタ高等裁判所は外国企業がインドネシア企業との間で締結した英 定・施行を望む。 文の融資契約書が無効との判決を下した判例があり、現在最高裁で争われてい る。 (5) 移行期間のない輸 ・2014 年 1 月に特別品目輸入取扱いに関する法令が急遽発布、電器製品の輸 ・法令改正にあたっては、輸入業者への影 ・貿易大臣規程: 入規制の発布と遡 入通関時、従来不要であった船積み前検査が義務付けられた。 響について充分に事前調査を行い、十分 No.83/M-DAG/PER/12/2 及適用 アナウンスは 1 月 7 日であるにも関わらず、過去に遡って 1 月 1 日出荷分から な周知徹底期間、或いは移行期間を設け 012 適用/施行となり、船積み前検査がないという理由で貨物の通関がストップ、大混 るよう要望したい。 乱となった。 (6) 突然の法規制の施 ・中央銀行対外債務規制に関する通達が突然なされ、通達内容も不明瞭である。 ・新規制導入の際は、パブリックコメントを求 ・Bank Indonesia 行 10 月末に発表された規制がその 2 ヵ月後に改定されるといった具合で、10 月の めることで新規制が与える影響を十分検討 Regulation No. 規制に対応した対策を検討していたが、1 月の規制でまた別の対策を検討する いただくと共に、事前に詳細な説明を行っ 16/20/PBI/2014, 必要が生じた。通達では、規制対象企業は「対外外貨債務を有する企業」と記 ていただくこと、企業が対策をとるために必 16/21/2014 載あるのみで、貿易債務(対外外貨建買掛け債務)のみ有する場合でも規制の 要な猶予期間、経過措置を検討頂きた 対象となるか不明確である。 い。 ・輸入卸業務の外資規制(14 年 2 月施行)、「外資企業の本社からの借り入れに ・オフィシャルな情報源からのコミュニケーシ ついて格付けをとることと、ヘッジをすること」(施行時未定)、など当局からオフィ ョンを徹底して頂きたい。 シャルなアナウンスがないまま噂レベルで情報が広まり、ある日突然規制が施行 される。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 インドネシアにおける問題点と要望 41/44 意見元 No 問題点 25政府調達 電線工 26その他 JEITA 日機輸 (1) 現地生産品調達要 ・PLN(電力公社)に商品(電線)を納めるには、現地生産品以外は許可されてい ・工業規格を満足すれば、輸入も認める制 ・2011 年 5 月 9 日付工業大 求 ない。 度を設ける。 臣規定第 50 号(No.50/ M-IND/PER/5/2011):、 特定のケーブル 6 品目に SNI の順守を義務付け (1) 道路・交通インフラ ・地下鉄・モノレール等の大量公共輸送機関がなく、ジャカルタ市内及び周辺は ・日本政府主導の ODA 等での取組みが推 ・公共事業省 未整備 常に大渋滞。人の移動、物流に時間を要する。 進中ですが、まだまだインフラは不十分。 特に直接的な要望は無し。 ・ひどい交通渋滞のため、配送に遅れが生じる。 区分 JEITA 日機輸 日商 日商 問題点内容 ・首都ジャカルタを中心とした慢性的な交通渋滞が発生しており、移動時間が長 く、業務に支障をきたしている。 ・ジャカルタ市内各所において慢性的に発生する交通渋滞から生じるアイドリング タイムは、大きな経済損失をもたらしている。 要望 準拠法 ・公共交通機関の整備と有効な交通規制に より、渋滞解消をお願いしたい。 ・2014 年から MRT 建設が始まっており、 2017 年ごろに完成する予定。しかし、未だ 十分な路線網ではなく、引き続きの開発が 望まれる。 (対応) ・インドネシアでは、約 8 割の港湾が施設不備などのため効率的に稼働しておらず、一部輸入品をマレーシアやシンガポールの港に積込む手間が生じて いる。 ・2003 年 3 月、JJC では、道路、港湾整備、電力安定供給の推進、港湾、海運の整備、通信の改善、鉄道、空港、航空等の産業インフラの整備、改善を日 本大使に要望した。 ・インドネシア政府により、自動車専用ポート設立のための措置がとられた。(2006 年 SIAP 報告書) ・2007 年 11 月 15 日、インドネシア運輸省は、タンジュン・プリオク港拡張計画(2008−2027 年)に関する政令(Decree No.KM59/2007)を公布した。この 拡張工事が完了すれば同港は対面通航可能な航路を確保し、大型船の回頭泊地の確保が可能になる。タンジュン・プリオク港の拡張工事は、短期 (2008−2012 年)、中期(2013−2017 年)、長期(2018−2027 年)の 3 段階で実施される予定である。中長期の段階で、同港の物流インフラ・設備が拡 張される。すなわち、①港北側の沿岸域沿いの貨物ターミナル、②港南側の沿岸域沿いの一般多目的ターミナルが拡張される。これによって、タンジュ ン・プリオク港は、ジャカルタ外環道及びジャカルタ鉄道と結ばれる。 ・2009 年 11 月 5 日、ユドヨノ大統領は、事実上の社会経済開発 5 カ年計画である『100 日国家経済計画』を発表した。同計画は、政権 2 期目の 100 日間 に開始する予定の 45 のプログラム(うち 15 の優先プログラムを含む)からなる。上位 3 つの優先プログラムは、司法改革、防衛産業の活性化、テロ対策に 係るものである。その他の優先プログラムには、インフラ整備、電力問題の解決、気候変動問題対策などがある。この改革計画の実施を加速させるため、 大統領直属機関が創設された。国内民間部門は、『100 日国家経済計画』の詳細が不明な点に懸念を示しつつも、同計画を概ね歓迎し、政府の決定が 2009 年 10 月下旬の全国サミットでの政策形成を経て行われたことを評価し、同計画は長い改革の道のりの正しい方向へとむかう第一歩であると表明し た。インドネシア商工会議所(KADIN)と有力な経済ロビーである国家経済回復委員会(KPEN)は、『100 日国家経済計画』には、それを運用するための メカニズムが必要との考えから、同計画の実施を監視するチーム(国内企業、外国商工会議所の代表者、経済学者からなる)の編成作業を進めている。 (Ref. Indonesian Chamber of Commerce and Industry (KADIN) (http://www.kadin-indonesia.or.id/)) ・2013 年 10 月の日本政府とインドネシア政府との間との合意に基づき、JICA は、12 月、日本の新幹線システム導入に向けたジャワ島高速鉄道建設構想 に関する事業調査を日本のコンサルタント等に委託して開始した。 ・2014 年 2 月、JICA はインドネシア政府とジャカルタ首都圏鉄道輸送能力増強事業(第Ⅰ期)、ジャワ南線複線化計画(第Ⅳ期)等に円借款供与契約に 調印した。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 42/44 要望 準拠法 (改善) ・GR No.81/2001 は、インフラ発展促進政策委員会(KKPI)の創設を規定している。 1.同委員会の業務は以下の通り。 −インフラ発展の促進に関する政策と戦略の提案 −計画と制度の統合の調整及び政策の実施のモニター −インフラ発展に関連する様々な問題の解決に求められる努力の決定 2.同委員会の業務範囲は、以下の通り: −輸送インフラ及び設備:道路、橋梁、鉄道、埠頭、海港、空港、河川及び湖沼横断設備 −水インフラ及び設備:ダム、堤防、灌漑網、洪水管理構造物、防波堤、水力発電プラント −処理、工業、貿易に関するインフラ:ビルディング、工業及び貿易不動産、大規模住宅エリア、土地開拓、水供給設備網、排水網及び処理、固体廃棄 物処理及び排水システム −公共ユーティリティー構造物及びネットワーク:ガス、電気、電気通信 ・2004 年 9 月 29 日、DPR の開放的メンバーは有料道路/ハイウェーに関する法案を通過させた。同法案は、土地所有者に政府決定価格で道路に必要な 土地を引き渡すことを強制する投資促進措置と見なされる。それは有料道路の分野を民間投資家に開放することを企図したもので、一方、有料道路の建 設段階でしばしば浮上する障壁を撤廃するものでもある。同法案の 59 条、60 条、61 条は、その財産が道路プロジェクトの途上に立つ土地所有者の力を 減じている。ジャカルタ外環状道路を含む多くの有料道路は、不合理な価格を掲げる土地所有者によって妨げられてきた。また多くのケースで、投機家が 問題をこじらせた。これらの条項は建設プロジェクトを継続しつつ法廷で土地紛争を解決することを許容するものとなる。一方、62 条は土地所有者が合理 的な補償を求めて法廷に提訴することを許容するものである。同法案も現行の調整者でオペレーターである PT Jasa Marga の機能を分割するものでも ある。同法案は、有料道路分野を調整し監督する業務をもつ有料道路調整機関(BPJT)と呼ばれる機関の創設を要請している。 ・MOC の公示 No.PM.2/2004(2004 年 3 月 30 日) −相互に合意された独立の評価者により決定された補償スキームを通じて PT Telkom 及び PT Indosat の排他的権利の早期の終了 −国家電気通信システムの発展における国家技術的基礎の法的基礎として MOC 令 No.KM.20/2001 が MOC 令 No.KM.28/2004 に置き換えられた: (1)すべてのローカル長距離通話及び国際通話に対して 3 桁の一般使用、(2)すべてのローカル長距離通話及び国際通話のオペレーターは、通常開 放されており通話者によって自由に選択される。 −電気通信サービスの実施に関する MOC 令 No.KM/20/2001 が MOC 令 No.KM.29/2004 に置き換えられ、また MOC 令 No.KM/21/2001 が MOC 令 No.KM30/2004 に置き換えられた:(1)固定ローカル長距離通話及び国際通話のプロバイダーはベーシック・サービスも提供することができる、(2)こ れらのプロバイダーはその顧客に小売チャージを設定しまた関連サービスを提供する権利を有する。 −一般に対するインターネットに関する MOC 令 No.KM/23/2001 が MOCNo.KM.31/2004 に置き換えられた。 −MOC 令 No.KM.32/2004 が相互接続問題を規律している。 −MOC 令 No.KM.33/2004 が競争力慣行の面をモニターするべく設けられている。 −MOC 令 No.KM.31/2003(2003 年 7 月 11 日)は、郵便電気通信総裁を長とする国家電気通信調整機関を設置した。 −MOC 令 No.KM.34/2004 は、電話のアクセスがないエリアに対する一般サービス規定を提示した。本規定は GOI の責務である。 −MOC 令 No.KM.35/2004 は、固定ワイヤレスアクセス事項を提示した。 ・鉄道については、2007 年 3 月 27 日新鉄道法案(No.13/1992 の改正案)が国会で可決。鉄道分野における国鉄クレタ・アピの独占は廃止され、外資を 含む民間企業と地方政府にも参入機会が開放された。 日商 建産協 日製紙 (2) 港湾施設インフラ ・保税倉庫の不足、他国に比べて高価な港湾費用。 ・インフラ整備強化。 の能力不足、未整 ・港におけるコンテナー収容能力/交通事情の問題より輸出入に影響を受けてい ・港の拡張/交通渋滞の改善。 備 る。 ・インドネシアの経済発展に伴いジャカルタ主要港での取り扱い貨物量が増加し ・港湾施設インフラ整備の促進。 ており、特にハリラヤの時期を前後して原材料の通関に多くの日数を必要とす る。 ・MP3EI (Economic Master Plan) 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 問題点内容 要望 インドネシアにおける問題点と要望 43/44 準拠法 (対応) ・2016 年 3 月 29 日、ジョコ尼大統領は、景気対策第 11 弾を発表した。税関監督の合理化のためのインドネシア単一リスク管理(ISRM)プラットフォームを 実施して港湾での貨物滞留時間短縮(現行 4.7 日→2016 年 8 月 3.7 日→2017 年 3 日)を目指す。 【参考】尼経済担当調整相による景気対策第 11 弾の要約については、以下の URL を参照【尼語】 https://www.ekon.go.id/berita/view/paket-kebijakan-ekonomi-xi.2176.html ・インドネシアは東南アジアの主要物流センターとしての役割を果たすことを目指しており、2016 年 3 月 10 日、ジョコ大統領は、インドネシアのすべての主 要な島と県に保税物流センター11 カ所を一斉開設すると述べた。 石化協 (3) 高い国内流通コス ・ジャワ島の東部で生産した製品(樹脂)をジャワ島西部に船輸送する際のコスト ・流通インフラの整備。 が高く、生産拠点として集約、能力拡大するメリットが活かせない。 ト JEITA 日機輸 日製紙 日商 (4) 電力供給の大幅な ・電気の停電・瞬時停電が良く発生。料金も大幅値上げが実施される。 ・電力法 電力料金値上げ ・電気料金が 10%上昇。 ・国営電力会社(PLN)による急な値上げにより、価格転嫁等の準備が間に合わ ・値上げを否定するものではないが、十分な ず損失が発生した。正式に値上げが決定したのは、実施の 1 ヶ月前であり、かつ 助走期間はあって然るべきだし、値上げす 上げ幅は 4 割の大幅なものであった。 るなら頻発する停電を改善してほしい。 (対応) ・2002 年 7 月 3 日、経済危機で中断していた電力分野 8 件を含む 14 件の大規模プロジェクトの再開が宣言された。 ・2002 年 4 月、国営電力公社(PLN)は、ジャワ島(6 州)とバリ島(1 州)を除く 21 州で電力不足となっていることを明らかにした。 ・2008 年 5 月 24 日、平均 28.7%の石油燃料価格の引き上げが行われた後、インドネシア電力公社(PLN)からの事前通告無しに、停電が頻発する事態 が発生。PLN の供給能力不足に加え、石油価格高騰による発電単価上昇の結果、財政難による稼働率低下が原因とされている。これに対し、ジャカル タ・ジャパン・クラブ(JJC)は、PLN に対し、①需要者に対する適切な情報開示、②電力供給責任の適切な履行、③需要者向けの説明会の開催を要望し た。 ・2009 年 11 月 5 日、ユドヨノ大統領は、事実上の社会経済開発 5 カ年計画である『100 日国家経済計画』を発表した。同計画は、政権 2 期目の 100 日間 に開始する予定の 45 のプログラム(うち 15 の優先プログラムを含む)からなる。その優先プログラムの一つとして、電力問題の解決が挙げられている。 ・2012 年 9 月 17 日、インドネシアの国会第 7 委員会(エネルギー・鉱物資源担当)は、17 日の実務者協議で政府側から提案された 2013 年の電気料金 値上げ(段階的に 15%引き上げ)に同意した。 ・2013 年度予算案では、エネルギー補助金 35.7%増(電力向け 24.5%増)、電気料金 10%引上げ措置が盛り込まれている。 ・2014 年 4 月、上場企業を対象とする電気料を最大で 64.7%値上げするエネルギー鉱物大臣規定が公布。5 月以降、2 か月ごとに値上げ。 ・2014 年 6 月、電力補助金の削減を盛り込んだ 2014 年度予算案が国会承認され、非上場企業、一般家庭の電気料金も 7 月以降段階的に引上げを実 施。 (改善) ・2004 年 2 月 25 日に開催された JJC と GOI との第 8 回(最終)全体会合において、「電力小委員会」で「解決されている事項」として分類された事項は、 「IPP に対する解決事項」である。 ・JJC 電力問題小委員会の報告によると、経済危機中に中断していた既存契約分 IPP27 事業の再交渉が妥結し、また PLN による一連の火力発電事業 に着手した。 ・電力事業に要する機器の輸入関税免税に関し、新たに大臣令 2006 年 70 号が発令され、輸入関税の免税が認められた。 JEITA 日機輸 (5) 通信インフラの未 ・インターネットの高速通信網は一部のみ施設。大量の情報送信は不可。また繋 整備 がりにくい。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会 2015 年版 区分 意見元 No 問題点 JEITA 日機輸 日商 (6) 生活インフラの未 ・治水が悪く、雨季には洪水が起こりやすい。 整備 ・雨季における洪水も、例年同じところで発生しているにも関わらず、有効な手段 ・下水設備の強化。 が進んでいない。 日商 (7) 公務員の汚職体質 ・国家公務員による汚職が未だに蔓延っており、民間の仕事のなかでもそこここに 同様の体質が見え隠れする。 問題点内容 インドネシアにおける問題点と要望 44/44 要望 準拠法 (対応) ・香港の調査会社ポリティカル&エコノミック・リスクコンサルタンシー(PERC)の調査結果では、アジアではインドネシアがもっとも汚職が蔓延している国とし た。2003 年は前年に比べ若干改善した。(9.92→9.33) ・2003 年 1 月 1 日より、財務省は、1) 税関への各種申告書類の電子媒体での申告を可能とし、2) 税関総局とオンライン可能な公的金融機関を指定して 関税等の納付を行う、3) 輸入業者の財務省への登録義務付け、登録内容の審査を行う、4) 輸入貨物の到着 24 時間前申告義務(海路、空路輸入)、5) 全ての輸入申告書を監査(輸入申告の 2 年度)することとして、通関効率化と汚職の防止に努めている(2002 年 10 月 31 日付財務省決定 453 号、454 号、455 号)。 ・トランスペアレンシー・インターナショナル社の「2006 年度腐敗認識指数」は、インドネシアを 163 カ国中 130 位にランクしている。 ・同「2008 年度腐敗認識指数」によると、インドネシアは 10 点満点中 2.6 点で、ランキングは 180 カ国中 126 位となっている。 ・2009 年 11 月 5 日、ユドヨノ大統領は、事実上の社会経済開発 5 カ年計画である『100 日国家経済計画』を発表した。同計画は、政権 2 期目の 100 日間 に開始する予定の 45 のプログラム(うち 15 の優先プログラムを含む)からなる。上位 3 つの優先プログラムは、司法改革、防衛産業の活性化、テロ対策に 係るものである。その他の優先プログラムには、インフラ整備、電力問題の解決、気候変動問題対策などがある。この改革計画の実施を加速させるため、 大統領直属機関が創設された。 ・トランスペアレンシー・インターナショナル社の「2015 年度腐敗認識指数」(Corruption Perceptions Index 2015)で、インドネシアは 168 ヵ国中 88 位に ランクされる。 (改善) ・Law No.20/2002 によって腐敗根絶委員会(KPK)が創設された。KPK は州によって購入されたロシアのヘリコプターのマークアップに関与した廉で Ache 州知事 Abdullah Puteh の調査を指示した。 ・2007 年 9 月 25 日報告されたインドネシア大学社会経済研究所により 2007 年 6 月∼8 月に実施された国内主要都市 587 社へのビジネス環境に関する アンケート調査結果によると、政府職員への不正な支払い比率が、1.7%から 1.3%に低下した。 ・Law No.20/2002 の改正として、メガワティ・スカルノ大統領は国家アドホック腐敗裁判所の設置と 3 人のノンキャリアのアドホックな判事を含む同裁判所 の判事を任命する大統領令 No.59/2004 に署名した。このアドホックな裁判所は、インドネシア全国の腐敗事件及びインドネシア国民が海外で行った腐敗 行為について法管轄として中央ジャカルタ地区裁判所に設置されることになる。2004 年 10 月 7 日付で 9 人のアドホック判事が最高裁判所、高等裁判所 及び地区裁判所に任命された。KPK は検察官として従事する。 JMAA (8) 不払い・支払遅延 ・商習慣やモラルの違い、力関係により、回収遅延、回収困難の取引が発生。対策 ・力のない中小企業に情報面でのサポート として前受を条件としているが、足の早いビジネス(スマホ部品製造機器等)では や回収リスクの保障。 納期と価格が最優先で、回収ができたとしても、支払いの遅れは収益を圧迫して いる。 貿易・投資円滑化ビジネス協議会