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2014 年度 早稲田大学 教育学部 (世界史) 解答解説

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2014 年度 早稲田大学 教育学部 (世界史) 解答解説
2014 年度
1
早稲田大学
教育学部 (世界史) 解答解説
ヨーロッパの中心と周辺の歴史(古代~18世紀)
解答
(1) b
(2) c
(3) a
(4) a
(5) d
(6) b
(7) c
(8) c
(9) d
(10)b
設問A ドーリア式
設問B 皇帝教皇主義
設問C チャールズ1世
解説
昨年度と同様、古代~18世紀のヨーロッパ史の内容を問うた標準的な出題であった。年代整序問題が2題出題
された。
(1)正解のbは山川出版社『世界史B用語集』に記載があるが、細かい内容。消去法で解く。aヒッタイトは印
欧語系。cクテシフォンはササン朝の前のパルティア時代から首都。dホスロー1世→シャープール1世。
(2)マリウスの兵制改革は早慶志望者であれば必須知識だが、消去法でも解ける。a第2回→第1回。b護民官→
執政官(コンスル)。d『ゲルマニア』→『ガリア戦記』
(3)「誰が」行ったことなのかを考えれば正確な年号が分からなくても解ける。b(カール=マルテル)→c(ピピ
ン)→a(カール1世がフランク国王として即位しただけで、まだ西ローマ皇帝位についていないことに注意)→
d(カール大帝)の順。aが「カールの戴冠(フランク国王ではなく、西ローマ皇帝)」と誤読するような引っか
け問題になっている。
(4)b・cはカール大帝時代の「カロリング=ルネサンス」。dは5世紀にヒエロニムスによって行われた。
(5)プラハは基本的な地名。aシャルルマーニュ→オットー1世。bカジミェシュ大王(全盛期)→ミエシコ1世。
cローマ・カトリック→ギリシア正教。bはカジミェシュ大王が建国者でないことが分かれば十分解ける。
(6)平易な問題。aイル=ハン国→キプチャク=ハン国、cイヴァン4世→イヴァン3世、d勝敗が逆。モンゴル
軍がドイツ・ポーランド連合軍に勝利した。
(7)学習の手が回りにくい地域だが、問われているのは標準的な内容。aアクスムとクシュが逆。bウルドゥー
(パキスタンの公用語)→スワヒリ。dソンガイ(ニジェール川流域)→モノモタパ
(8)aとcが絞りきれないかもしれない点で、やや難しい。aユーグ=カペーはカロリング家と血縁につらなっ
ていない(ただし、全くつながっていないとも断言は難しい)。b三部会招集は聖職者課税問題から。dシャン
パーニュ地方はパリ東南の内陸商業圏にある。
(9)ルターの宗教改革にまつわる流れを理解できているかを求めている。b(ルターの帝国追放令)→d(ルター
の影響、途中から農民側が急進化したためにルターが鎮圧支持、結果として領邦教会制が進展)→c(新教諸侯
が反乱)→dの順となる。
★なお、(8)については「選択肢に正解として扱うことができるものが複数ありましたので、そのいずれを
選択した場合も得点を与えることとします」との発表が大学側よりあった。
(10)平易な問題。
「年に誤りはないものとする」というヒントがあるので解きやすい。aルイジアナ→ハドソン
湾地方、ニューファンドランド、アカディア、ジブラルタルなど。cイギリスとフランスが逆。dオーストリ
ア継承戦争→七年戦争。オーストリア継承戦争と並行した新大陸の戦いはジョージ王戦争。
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2
ヨーロッパと他地域の関係(19~20世紀)
解答
(1) b
(2) a
(3) d
(4) a
(5) c
(6) b
(7) d
(8) b
(9) c
(10)a
設問A クーリー
設問B カニング
解説
昨年度はリード文が無かったが、今年度はリード文のある出題であった。文化史・現代史がやや難しいので、
標準的な問題で確実に得点したい。
(1)難問。bスリランカ内戦は 1983 年に勃発したシンハラ人とタミル人の民族対立。a・cは冷戦時代に社会
主義政権の下で押さえつけられた民族対立が、冷戦終結と政権の崩壊により噴出した典型的事例。dは 1990 年
に発生したツチ人とフツ人の民族対立。
(2)aリヴィングストン→クック。(3)d アメリカ→ドイツ。いずれも平易な問題
(4)学習の手が回ったかどうかで差がつく問題。b(19世紀初頭、ナポレオン戦争が背景)→c(第一次世界大戦
中)→a(第一次世界大戦後、延期されていた自治法が実施)→d(第二次世界大戦後、アイルランドがイギリス
連邦を離脱したため、帰属をめぐって紛争発生)という流れを理解しよう。
(5)昨年度に続いて文化史からの出題。やや難しい。aカミュ、bトーマス=マン、dロマン=ロラン
(7)dムラート(白人と黒人の混血者)→メスティーソ。確実に正解したい。
(10)aエジプトはムハンマド=アリー朝が、ウラービーの乱の後の1882年に事実上の保護国となり、第一次世界
大戦時に正式な保護国となった。自治領=白人が支配層の植民地であることをしっかり覚えておきたい。
3
儒教の歴史
解答
(1) c
(2) b
(3) c
(4) d
(5) a
(6) a
(7) b
(8) b
(9) c
(10)c
設問A 荀子
設問B 李成桂
解説
昨年度は遊牧民の歴史が中心であったが、今年度は大問で本格的な中国史が出題された。文化史の内容が中心
であるため、対策の差が得点に直結する内容であった。
(1)孔子の故郷である魯の国は山東半島の付け根あたりにあった。同じ山東半島に勢力を持つ斉・長江流域を支
配する楚の間で翻弄された小国であった。
(2)選択肢に内容まで書いているので一瞬驚くかもしれないが、実際は「五経に含まれない書はどれか」を問う
ているだけの問題である。五経=「詩経・書経・易経・春秋・礼記」であり、b孝経は含まれない。
(3)難問。消去法も使いにくい。c張衡→張仲景。張衡は中国初の天体観測器である渾天儀や地震計を発明した
と言われる人物。
(4)ダミーの選択肢が難しいが、解答は標準的。d新を建てた王莽は長安を常安と改称して都とした。
(5)やや難しい。
『五経正義』=孔穎達と覚えている受験生は戸惑ったかもしれないが、消去法で解く。
『五経正
義』は唐の太宗時代に編纂されたものなので、b唐の後半の人、c明代の人(東林派の中心)、d南宋時代の人(院
体画の画家)、という時代の違いから消去する。
(6)やや難。これも消去法で解く。a二程と呼ばれた程顥・程頤は王安石の配下にあったが、後に対立した。宋
代の著名な思想家・詩人は基本的に旧法党に属していると覚えてしまおう。
(7)b『伝習録』は教科書レベルを超えた内容だが、消去法で解ける。
(10) ダミーの選択肢が難しい。c胡適は 19 世紀末の 1891 年の生まれで、戊戌の政変時は子供である。白話運
動自体が第一次世界大戦中の中国で起こった運動であることは基本なので、そこから判断する。
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4
仏教の歴史
解答
(1) a
(2) c
(3) c
(4) c
(5) c
(6) b
(7) b
(8) c
(9) a
(10)d
設問A ヴァルダマーナ
設問B マウリヤ朝
設問C 菩薩
解説
今年度の4は3に続いて文化史のテーマ問題。仏教史の詳細な知識がかなり求められており、難問が多い。3
と同様、対策の差が得点に直結する内容であった。
(1)消去法で解くしかないだろう。a「空」は大乗仏教の根本真理である。
(2)難問。四大聖地はカピラヴァストゥ(生まれ)・ブッダガヤ(悟り)・サールナート(説法)・クシナガラ(死去)
であるが、教科書レベルを超えた知識である。なおサーンチーは、アショーカ王が建立したと言われる仏塔(ス
トゥーパ)で知られる。
(3)コーサラが選択肢にあれば迷うかもしれないが、無いのでcのマガダは簡単に選べるだろう。
(4)難問。
「八正道」は知っているだろうが、その詳細な中身となるとお手上げだったのではないだろうか。八
正道が修行のための実践内容(内面的なもの)なので、正則=正しい規則(外からの決まり)は当てはまらない、
と推測するしかない。
(5)問題文を読めば前後に「生死の繰り返しから解放されて~至る」とあるので、「解脱」した後に至るところ
と分かれば解ける。
(6)消去法で解くのが早いが、考察でも解ける。bタミル語→パーリ語。アショーカ王がアーリヤ人であり、タ
ミル語がドラヴィダ系であることが理解できていれば間違いに気付くだろう。
(9)難問。正解はaで、bカラシャール、cクチャ、dカシュガルである。cは早慶では頻出なので知っている
受験生も多いだろうが、残りは厳しい。
(10)難問。正解のd以外が前漢時代の皇帝なので消去法を使わせたいのかもしれないが、それでもbとdで迷
うだろう。なおaの哀帝は前漢末期に限田法を実施しようとした皇帝、bの昭帝は武帝の次の皇帝で、塩・鉄
の専売制をめぐって国内が対立したことで知られる。
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