Comments
Description
Transcript
1 - 東京学芸大学
2006 DEC 木活プロジェクト 研究月報 Vol.31 親子でトーテムポール作り 松村純子/国立吉備青少年自然の家 LDCフェスティバル 報告 DESIGN REPORT from Sweden 木の絵本『ちいさなもみのき』 http://www.u-gakugei.ac.jp/~w-woods/ 親子でトーテムポール作り 松村純子/国立吉備青少年自然の家 事業推進課長 松村さんは,青少年の教育施設である国立吉備青少年自然の家で事業推進課長として,青少年の育成に,学 校教育とは違った側面から関わっています。2006年11月17日に学芸大学美術環境・プロダクトデザイン研究 室(鉄矢研究室)でミニ講義の後にお聞きしました以前勤められていた自然の家での興味深い実践「いきいき 家族ふれあいキャンプ(トーテムポールを親子で作る) 」について、寄稿していただきました。 (鉄矢) 「教育分野に木材を活かした実践」で思い浮かんだのは,以前専門職員として勤務していた国立 妙高青少年自然の家で行った「いきいき家族ふれあい事業」です。この事業は, 1泊2日の8回シリ ーズで,8回通して参加できる親子を対象として実施しました。事業の企画時に,ねらいにある「親 子を対象に共同体験」 「共通の達成感」 「親子の信頼関係の高揚」というキーワードを達成するため に「親子でトーテムポール作り」に取り組んで,施設の中に設置し,事業後も親子でトーテムポール を見に妙高を訪れてもらったらどうかと提案しました。 実際には,6月の第1回∼11月の第5回までの半年間を,親子でトーテムポール作りを中心に取り組み,11月∼2月は,陶芸作品作り を中心に実施しました。残念な事に計画していた施設内設置は,国立公園内という事で中止せざる終えなくなりましたが,幸い新潟 の皆さんの家ではトーテムポールを設置できる庭があり,現在も各家庭の庭に設置されている事と思います。 トーテムポール作りは,お父さんの活躍の場となり,親子のふれあいを深める事業となりました。参加者からは「トーテムポール作 りでは,できるかどうか不安だったけど,完成した時は家族でバンザイした」という感想が寄せられ,妙高を離れて7年が経ちますが 今でも思い出深い事業の一つです。 青少年教育施設は,青少年のために豊かな自然体験活動や生活体験を提 供する拠点です。17日には,学芸大で美術を学ぶ皆さんの前で,青少年教育 施設とは具体的にどんな事をしている所なのかという点と美術を専攻して いる学生さんのセンスや技能を生かす場が沢山ある職場だという点につい てお話をさせていただきました。学校以外にも様々な教育現場がある事を 知り,新たな職業選択の一つと感じていただけたら幸いです。 掛川LDCフェスティバル 報告 *LDCの詳細やフェスティバルの様子は、 http://ldc2006.seesaa.net/ でご覧ください。 平成18年11月26日(日)、掛川ライフスタイルデザインカレッジ(以下LDC) 「カレッジフェスティバル」に行ってきました。2006年4 月からNPO法人スローライフ掛川がスタートさせたLDCは、この11月でアクティビティプログラム(カヤック、フライフィッシング、 サイクリング、 茶と器学、 オーガニックファーミング) が一区切りとなり、 各プログラムの活動成果の発表や、 受講生、 講師、 スタッフの交流、 さらには、 有機野菜の収穫祭もかねたフェスティバルとなったものです。 筆者は、はじめに「茶と器学」に高い興味を覚えた。静岡の茶を、ただたしなむのではなく、器を自らの手でつくり、茶を摘み、釜炒りを行 い、茶会まで行うのである。自分の生活の部分であるお茶を通して、その背景を楽しみながら知っていく、優れたプログラムである。LD Cの校長である平野正俊氏によれば、自然との距離感を知り、あらためて自然との関係を感じることを大切にしているそうである。 「私た ちは、人間軸の価値観というものが、いつの間にか当たり前になっています。でも、自然軸による価値感を意識することで、我々がすべき ことはおのずと答えとして見えてくるのではないでしょうか。」平野氏らはLDCを通じて「自然軸の価値感」の体験の機会をつくってい るのだろう。 話を聞いてさらに、他のプログラムに仕組まれた「自然軸の価値感」体験がよく見えるようになった。 (文:鉄矢) 「 茶 と 器 学 」の 成 果 発 表 魚の燻製方法も学ぶ 収穫を目の前に交流 収穫された有機野菜 掛川LDC の平野校長