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B3-5 炎症と創傷治癒シケプリオ
炎症と創傷治癒 1) 炎症の定義を説明できる 局所の組織細胞障害や作用した障害因子に対する生体の局所的防御修復反応。刺激に対する血管反応に始まり、 組織修復に至るまでの一連の過程。 2) 炎症の分類、組織形態学的変化と経時的変化を説明できる 炎症の分類 継続時間によって急性炎症と慢性炎症に分けられる。 1 急性炎症 急性炎症の特徴は滲出があることで、滲出液の成分によって、次の5つに分けられる。 炎症の種類 主な滲出成分 漿液性炎 淡白濃度の高い液状成分 線維性炎 フィブリノーゲン 化膿性炎 好中球 出血性炎 赤血球 壊死性炎 壊死性炎はほかの炎症性変化よりも壊死が顕著な場合のこと。壊死性炎や化膿性炎に腐敗菌の感染が重なると悪 臭を放つ壊疽性炎になる。 化膿性炎はさらに膿性カタルと蜂窩織炎に分かれる。前者は粘膜表面の化膿性炎で後者は皮下や疎性結合組織に おこる。 2 慢性炎症 炎症反応が持続すると、滲出反応に変わって増殖反応が起こり、慢性炎症へ移行する。したがっ て、慢性炎症は増殖性炎を特徴とする。慢性増殖性炎と肉芽腫性炎に分けられる。前者は肉芽組織を形成する修 復過程であるが、後者は肉芽腫を形成する。 組織形態学的変化 血管内径の拡大、血漿成分の滲出、白血球の浸潤など 経時変化 炎症は変質、滲出、増殖、修復の経過をたどる。 変質とは炎症組織における機能的変化(マスト細胞のヒスタミン放出等)と退行性変化(壊死等)のことさ。増 殖、修復の過程は後回し。 3) 感染症による炎症性変化を説明できる 炎症を引き起こす原因には物理的、化学的、生物的な原因があります。そのうち生物的なものの中に微生物に よる炎症反応があります。微生物がなぜ炎症を起こすかというと、存在自体が異物で、免疫応答を引き起こすこ と。毒素や代謝産物により、組織傷害が引き起こされるからです。感染症による炎症性変化はこのような原因に よって起こる。 4) 創傷治癒の過程を説明できる 創傷治癒は損傷部に肉芽組織を形成することからはじまる。損傷部では毛細血管の新生と線維芽細胞の増殖によ って、新しい肉芽組織が形成される。線維芽細胞が増殖したり、実質細胞が増殖したりで、組織は修復されます。 わずかな組織欠損で少しの肉芽組織だけで済む場合(つまり実質細胞の増殖で充分な場合=再生)を一次治癒。 大量の肉芽組織を形成したものを、二次治癒という。これは瘢痕を残します。また、瘢痕組織としての膠原線維 が過剰に生じることをケロイドといふ。 炎症の過程に増殖・修復がありましたが、だいたい創傷治癒と同じです。 文責:田部井・工藤・四国