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平成25年度赤穂駅周辺整備株式会社(PDF:315KB)
㊢ 赤 監 公 第 5 号 平成25年 8月21日 赤穂市監査委員 同 大 家 島 入 靖 時 彦 治 監査の結果について 地方自治法(昭和22年法律第67号)第199条第7項の規定による監査を実 施したので、同条第 9 項の規定によりその結果に関する報告を下記のとおり公表す る。 記 1 監査の種類 財政援助団体等監査 (出資団体及び公の施設の指定管理者) 2 監査の対象 出資団体 所管部局 赤穂駅周辺整備株式会社 市長公室 指定管理者 所管部局 公の施設 赤穂駅周辺整備株式会社 建設経済部 赤穂市立駐車場 3 監査の期間 平成25年6月4日から平成25年8月20日まで 4 平成23年度及び平成24年度の出納及びその他の事務の 監査の範囲 執行で出資及び公の施設の指定管理に係るもの 5 監査の方法 出資団体、所管部局から提出された関係書類の審査とともに、 関係職員に対する質問等の方法により、出資及び公の施設の 管理に係る出納その他の事務の執行が法令等に基づき適正 に行なわれているかどうかについて監査を実施した。 6 監査の結果 別紙「団体概要及び監査の結果」のとおり 別紙 「団体概要及び監査の結果」 1 団体概要 (1)設立及び設立後の経緯 会社の所在地 赤穂市加里屋290番地10 会社は、赤穂駅周辺の整備に関する企画、設計及び施工、不動産の売買及 び賃貸管理、ホテルの経営、駐車場及び駐輪場の経営などを目的として平成 10 年 6 月 30 日に設立された。その後、厳しい経営状況に陥ったことから神 戸地方裁判所に民事再生手続きの申立てを行い、平成 16 年 8 月に民事再生 計画の認可決定が確定した。以降、計画に基づいて経営再建を推進した結果、 平成 19 年 9 月に民事再生手続の終結決定を受け現在に至っている。 (2)赤穂市との関係 ・資本金は、発行済株式 8,000 株 400,000 千円であったが、平成 18 年度に 10 株を 1 株に株式併合を行い 360,000 千円の減資を行なった。その結果、 平成 19 年度末現在で 800 株 40,000 千円となっており、本市は 462 株 23,100 千円(出資率 57.75%)を出資している。 ・本市は、平成 13 年度において会社の商業施設の土地建物等取得資金とし ての 2,730,000 千円の損失補償契約を行ったが、民事再生手続き開始に 伴い、関係金融機関に対して損失補償金を平成 16 年度から 10 年間の分 割支払いを行なっている。平成 23 年度末までの元利金支払済合計額は、 2,022,479 千円となっている。 ・本市は平成 16 年度に商業施設等にかかる土地・建物を会社から購入し、 これらについて会社は本市から引続き賃借を受けている。 貸付建物 プラット赤穂 鉄骨造 3 階建、塔屋1階 駅ビル店舗施設 鉄骨造 2 階建のうち 1 階部分 ・平成 18 年度から平成 20 年度まで及び平成 21 年度から平成 23 年度まで 赤穂市立駐車場の指定管理者として指定を行っている。さらに平成 24 年 度から平成 26 年度についても指定を行なったところである。 ・本市は赤穂駅自由通路等と待合所の管理業務を委託している。 ・平成 23 年度末の従業員は 3 人(事務員にはパート職員 1 名含む。部長は 常務取締役が兼務。)であり、平成 14 年度以降は本市からの派遣職員はい ない。 (3)平成 23 年度の主な事業内容 ①商業施設の賃貸管理 ②市営駐車・駐輪場の管理受託業務(指定管理者) ④赤穂駅自由通路等及び待合所の管理受託業務 (4)公の施設の指定管理者の状況 ①指定管理期間 平成 18 年 4 月 1 日から平成 21 年 3 月 31 日まで 平成 21 年 4 月 1 日から平成 24 年 3 月 31 日まで 平成 24 年 4 月 1 日から平成 27 年 3 月 31 日まで 1 ②平成 23 年度分の管理運営費 28,519,730 円 (平成 21 年度から市立駐車場の指定管理者利用料金制度導入) ③指定管理者が行なう基本的な業務 ・駐車場の使用の許可に関する業務 ・駐車場の運営に関する業務 ・駐車場の施設等の維持管理に関する業務 ・その他、駐車場の管理運営に関し、赤穂市が必要と認める業務 (5)業務実績 平成 23 年度の主な事業内容別の業務実績は以下のとおりである。 ①商業施設の賃貸管理 商業施設名 プラット赤穂 平成 23 年度末の店舗等入居状況 1階 入居 9 床、空床 3 床 2階 入居 9 床、空床 1 床 なお、平成 24 年度末までに新規事業者の出店が 2 床、既存事業者の増 床が 1 床あり、入居状況は次のとおりとなった。 平成 24 年度末の店舗等入居状況 1階 入居 11 床、空床 0 床 2階 入居 9 床、空床 1 床 ②市営駐車場及び駐輪場の管理受託事務 赤穂駅南・北自動車駐車場(収容台数 233 台) 利用台数 113,655 台 平均駐車時間 4 時間 14 分 使用料収入 23,665 千円 赤穂駅南・北自転車駐輪場(収容台数 600 台) 利用台数 35,019 台 使用料収入 4,855 千円 ③赤穂駅自由通路等及び赤穂駅待合所の管理受託業務 赤穂駅自由通路等(赤穂駅自由通路、ペデストリアンデッキ、公衆便所 管理業務)、赤穂駅待合所管理受託料 7,432 千円 2 (6)経営状況と財政状態 ア.経営状況 平成 23 年度(第 14 期事業年度:平成 23 年 4 月 1 日から平成 24 年 3 月 31 日まで)の経営状況は次のとおりである。 比較損益計算書 科 目 <売上高> 賃料 受託収入 利用料収入 売上総利益金額 <販売費及び一般管理費> 営業損失金額 <営業外収益> 受取利息 雑収入 その他 経常利益金額 <特別利益> 損害賠償金 <特別損失> 固定資産処分損 解体及び撤去費 税引前当期順利益金額 当期純利益金額 23 年度 (単位 千円) 対前年度増減 22 年度 48,374 7,078 27,162 82,614 84,548 △ 1,934 48,862 7,078 27,220 83,160 83,570 △ 410 △ 488 0 △ 58 △ 546 978 △ 1,524 18 154 2,565 803 25 132 - △ 253 △ 7 22 2,565 1,056 940 960 △ 20 267 - 1,476 1,476 613 2,100 △ 2,006 △ 2,006 △ 346 △ 2,100 3,482 3,482 売上総利益金額は 82,614 千円で、前期に比べ 546 千円(0.66%)減少して いる。これは主として、テナント確保と空床の催事利用に努めたものの賃料収 入が前期より 488 千円減少し、また駐車・駐輪場の利用料収入が 58 千円減少 したことによるものである。販売費及び一般管理費は、84,548 千円で、人件 費の削減や施設管理委託料の見直し等の減額に努めたものの、ホームページの 開設費、テナント入替及び施設の経年劣化に伴う修繕費が増加したため前期に 比べ 978 千円の増加となっている。その結果、営業損失金額は、前期より 1,524 千円増加して 1,934 千円となっているが、債権放棄額等の営業外収益 2,737 千円を加えることにより、経常利益金額は前期より 1,056 千円増加して 803 千円となっている。 また、特別利益で元役員に対する損害賠償金 940 千円と、特別損失で新規テ ナント開業に伴う固定資産処分損 267 千円を計上した結果、当期純利益金額は 1,476 千円となっている。 3 イ.財政状態 平成 23 年度(第 14 期事業年度)末の財政状態は次のとおりである。 比較貸借対照表 科 目 <資産の部> 流動資産 現金及び預金 未収収益 立替金 固定資産 (有形固定資産) 建物 機械装置 工具器具備品 (無形固定資産) 電話加入権 出資金 繰延資産 その他 資 産 合 計 <負債の部> 流動負債 預り金 未払費用 前受金 未払消費税等 固定負債 営業保証金 負 債 合 計 <純資産の部> 株主資本 資本金 繰越利益剰余金 純 資 産 合 計 負債・純資産合計 23 年度 22 年度 (単位 千円) 対前年度増減 106,870 101,638 3,762 1,470 6,153 5,838 3,851 1,050 937 315 165 150 618 618 113,641 104,751 99,000 4,155 1,596 3,155 2,840 - 1,575 1,265 315 165 150 1,028 1,028 108,934 2,119 2,638 △ 393 △ 126 2,998 2,998 3,851 △ 525 △ 328 0 0 0 △ 410 △ 410 4,707 4,774 752 3,709 112 201 36,676 36,676 41,450 5,313 800 3,701 479 333 32,906 32,906 38,219 △ 539 △ 48 8 △ 367 △ 132 3,770 3,770 3,231 72,191 40,000 32,191 72,191 113,641 70,715 40,000 30,715 70,715 108,934 1,476 0 1,476 1,476 4,707 資産合計は 113,641 千円で、主として流動資産において現金及び預金が増 加したことと、固定資産において減価償却により機械装置等が減少したもの の、建物 3,851 千円を計上したことにより 4,707 千円増加しています。また、 負債合計は 41,450 千円で、テナント入替に伴う営業保証金の増加等により 3,231 千円増加している。純資産合計については、72,191 千円で、当期純利 益金額が 1,476 千円となったことから、利益剰余金は 30,715 千円から 32,191 千円に改善されている。 4 ウ.経営指標 平成 22 年度及び平成 23 年度の経営分析指標は、次のとおりである。 経営分析指標 区分 収益 財務 指 標 売上高経常利益率(%) 自己資本経常利益率(%) 流動比率(%) 自己資本比率(%) 固定比率(%) 23 年度 1.0 1.1 2,239.1 63.5 8.5 22 年度 △ 0.3 △ 0.4 1,971.6 64.9 4.5 算 式 経常利益÷売上高×100 経常利益÷自己資本×100 流動資産÷流動負債×100 自己資本÷総資本×100 固定資産÷自己資本×100 会社の収益性を示す指標である売上高経常利益率は、平成 23 年度において 1.0%となっており、平成 22 年度に比べて利益に転じており改善がみられる。 また、自己資本経常利益率も 1.1%と平成 22 年度の数値から改善されている。 財務比率においても、財務体質の健全性を示す流動比率は 2,239.1%と平成 22 年度同様高い水準を維持しており、流動資産の内容も現金預金が大きく占 めている。なお、流動資産の額から固定負債の営業保証金に相当する金額を 控除した額を流動負債の額で除した場合の比率は 1,470.6%となる。会社経営 の安全性を示す自己資本比率は、平成 22 年度の 64.9%から 63.5%となって いるが、これは固定負債の営業保証金の増加によるものである。固定資産と 自己資本との割合を示す固定比率は、固定資産のうち建物の増加により 4.5% から 8.5%となったが、数値としては良好である。 5 2 監査の結果 会社の出納その他の事務については、おおむね適正に行なわれているもの と認められた。また、公の施設の指定管理業務についても、関係条例や基本 協定等に基づきおおむね適正に施設の管理運営を行なっているものと認めら れた。 なお、今回の監査にあたり、以下の事項について留意されるとともに、出 資及び会社設立の目的を達成するため、出資者と出資団体が共に協力して効 率的な事業運営の促進と支援を行い、経営基盤強化に努めるなど、継続的で 長期安定した事業運営ができる健全経営体質を確立して赤穂駅周辺の発展に 寄与されたい。 (留意すべき事項) ①社内規程の整備について 設立当初からの社内規程は、経理規程などに実際の業務実施上改正すべ き条項が生じており、顧問弁護士と改正作業を進めているとのことである が、今後とも規程改正や新規制定の必要がある場合については速やかに対 応されたい。 ②テナント賃料収入の安定確保について 平成 23 年度末における空床は 5 床であったが、平成 24 年度末には1床 にまで減少している。テナント賃料収入は、会社の売上高の根幹となる収 入であり、今後もテナントの誘致・入居には十分に努められたい。また、 既存テナントの定着は賃料収入の確保だけでなく、駐車場施設利用などの 効果も見込まれることから、テナントとも意思疎通を図り、設備のメンテ ナンスや清掃等を適切に実施し、利用者が常に安全で快適に施設を利用で きるよう努められたい。 ③指定管理者利用料金制度について 平成 21 年度以降は指定管理者利用料金制度が導入されており、駐車場 利用料金は会社の収入として収受し、管理業務に要する経費に充当するこ ととされ、会社の経営を安定させるためには利用者増加と効率的な管理運 営が必要とされる。会社としてホームページを開設してアンケート調査し た結果、駐輪場定期販売日の延長や、設備の改善、案内表示の改善など利 用者の利便性の向上に努めている。また、駐車場照明の点灯時間の見直し、 案内看板のLED照明化など光熱水費の節減も図られている。今後も引き 続き取り組まれたい。 ④施設の大規模修繕及び改修計画について 駐車場、商業施設建物は開業以降 12 年が経過し、不動産価値を維持す るためにも、また収入の基盤となる利用者確保のためにも、施設の維持補 修が一層必要となってくる。建物の経年劣化に伴う大規模修繕、駐車場機 器の老朽化や管理システムソフトの陳腐化による更新など市の予算措置 が必要なものについては、予め関係部局と協議の上、利用者に不便を生じ ることのないよう計画的に対応されたい。 6 ⑤中長期的な収入計画について テナント賃料については、会社経営の中長期的見通しに十分配慮しなが ら、テナント貸付事業にかかる賃借コストと賃料収入との相関的な損益分 析に努めているところである。駐車場利用収入についても、関係部局と協 議の上、投資計画とともに周辺の民間駐車場との競争力を維持しつつ、利 用者増加につながるような料金体系について調査・研究するなど、利用料 金の安定的確保のため中長期的な収入計画にも配慮されたい。 7