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スーパームーンのなぞ ~月の大きさの変化~
スーパームーンのなぞ ~月の大きさの変化~ 宮本 果陽子(中1)【鳥取市立佐治中学校】 1.はじめに 2012年5月6日は、スーパームーンでした。いつもの満月よりも大きな満月だったそうで す。月の大きさは本当に変わるのか? 変わるとしたらその原因は何か? 私は疑問に思 ったので調べようと思いました。 2.方法 (1)同じカメラ、レンズで月を写す。 カメラ:フジフィルム ファインピックスS5プロ レンズ:ニコン 70mm~200mm望遠レンズ 2倍の拡大レンズを取り付けて、400mm相当で撮影 (2)写した月をプリントし、直径を測る。 (3)直径の変化をグラフで表し、月の大きさの変化を調べる。 3.結果 月の大きさの変化(測定値の平均) ・2013年7月23日~8月24日の間で、 9.60 計27日写すことができました。 ・観察期間中で、月の大きさが最大 となったのは、7月30日と8月23日で した。 9.40 ) m ca( シ フ フ 9.20 9.00 g 8.80 v 8.60 8.40 7月20日 測定値平均 7月25日 7月30日 8月04日 8月09日 8月14日 月を写した日(2012年) 8月19日 8月24日 8月29日 月の大きさは毎日少しずつ変化していること、最も大きくなった日から、次に最も大き くなるまで25日かかっていることがわかりました。これに対して、月の形の変化を比べ てみると、同じ形に戻るのに29日かかっていることがわかりました。 さらに、満月のときに最も大きくなるとは限らないこと、最も大きくなる量は、毎回同 じではないということもわかりました。 4.考察 なぜ月の大きさが変わるのかを考えてみました。 仮説1:実際に月の大きさが変わる。 仮説2:月と地球の距離が変わるので、月の大きさが変わって見える。 私の考え:月は岩石でできているので、風船のようにふくらんだり縮んだりしないの ではないかと考えました。そこで、月と地球の距離が変わることによって、 大きさが変わって見えるのではないかと考えました。 月と地球の距離が変わってい 月の大きさ(測定値)と距離(計算値)の変化率 るかどうかを確かめるために、ス (7月23日の値との比) テラナビゲータ(天文シミュレー 1.06 ションソフト)を使って、月を写 した時の月と地球の距離を調べ てみました。そして、月の大きさ の測定値の変化率と、月と地球の 距離の変化率(比べやすいように 逆数にしています)をグラフにし て比べてみると、月と地球の距離 ) フ ニ l フ R Q 1.04 1.02 1.00 測定値 計算値 V 0.98 ヲ ( サ マ 0.96 0.94 0.92 7月20日 7月25日 7月30日 8月04日 8月09日 8月14日 8月19日 8月24日 8月29日 月を写した日付(2012年) の変化により月の大きさが変化しているということがわかりました。 5.まとめ この研究から、3つのことがわかりました。 (1)月と地球の距離が変わっていくことで、月の大きさが変わって見える。 (2)月が地球の周りを回る通り道は、きれいな円ではなく近かったり遠かったりしてい る。 (3)月の満ち欠けの周期と月が地球の周りを回る周期は同じではないため、いつもスー パームーンになるとは限らない。 私はこの研究をするまで、月をじっくりと観察することはありませんでした。今回1カ 月間、月の写真を写し続けて、月のみかけの大きさが、日々変化している様子を知ること ができました。しかも、規則的に変化している様子をグラフで見た時には、とても驚きま した。そして、今までよりも月に興味が出てきました。また、何か調べてみたいです。 参考資料 ・理科年表(平成24年版):丸善株式会社発行。国立天文台編 ・天文年鑑(平成24年版):誠文堂新光社発行。天文年鑑発行委員会編 ・ステラナビゲータ(天文シミュレーションソフト):株式会社アストロアーツ ・暦のページ http://koyomi.vis.ne.jp/