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平成15年度

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平成15年度
平 成 15 年 戦 略 的 基 盤 技 術 力 強 化 事 業
研究開発成果報告概要
事業管理
法人名
管理番号
15K-9
タマティーエルオー
株式会社
代表者名
井深
丹
所在地
〒 192-0083
東京都八王子市旭町9−1
Te l : 0 4 2 6 - 31 - 1 3 2 5
技術分野
技術区分
技術開発課題
テーマ名
金型分野
超微細・精密・複雑構造部品成形加工金型技術/金型加工技術
超精密・複雑構造部品成形加工金型技術/金型加工技術
金 属 材 料 を 用 い た 微 小 電 子 機 械 (MEMS)の 一 体 成 形 技 術 に
関する研究
研究開発期間 平成15年9月3日∼平成16年2月27日
1.委託事業実施の背景と委託事業の概要
各種分析機器装置や電子機器等は環境対策や高度化の観点から、マイクロ化の要望が
強く、多くの研究開発が行われている。しかしながら、今までのマイクロ加工は単結晶
シリコン等のリソグラフィを用いたものがほとんどであり、生産性が低い。そこで型を
用いた成形技術開発も進められているが、シリコン等の基本材料が、圧力や衝撃に十分
耐えられず、樹脂材料、ガラス材料、もしくはメッキ等を用いた転写型に限られてい
る。
本研究開発では、これらの制約を無くし、かつ製品も耐薬品性や生体適合性の高い金
属材料から製造されるマイクロ構造・部品の作製のためのマイクロ金型の製造を試み
る。また,金型内自動組立機能を有する一体成形加工システムを研究開発する。
2.委託事業全体における技術目標値を達成するための課題と解決方法
本研究での技術目標値を達成するための主な課題とその解決法を以下に示す.
課題1:マイクロ金型製造時の形状精度と表面粗度の制御
レーザやイオンビームなどの超精密半導体加工技術を導入し,従来の切削などの
加工法による荒加工の後に,高精度な仕上げ加工を行うことによって,形状精度と
表面粗度を実現する.
課題2:マイクロ金型によるプレス成形時の耐久性
マ イ ク ロ 金 型 に よ る プ レ ス 成 形 に お け る 金 型 の 受 け る ダ メ ー ジ を コ ン ピ ュ ー タ シミ
ュレーションで 評 価 し , ダ メ ー ジ を 受 け に く い 最 適 形 状 を 設 計 す る . 摩 耗 し や す い 箇 所 に
対 し て は , イ オ ン 注 入 や 表 面 DLC コ ー テ ィ ン グ を 施 し , 耐 久 性 の 強 化 を 図 る . さ ら
に,定期的に表面コーティング層を除去・再生し,金型の長寿命化を実現させる.
課題3:マイクロ部品の一体成形システムの設計・構築
マクロな部品生産に使用されている一体成形技術のノウハウを活かし,超精密加
工・アセンブリを実現する.
課題4:マイクロポンプ・アクチュエータの設計・試作
今まで,半導体を用いて製作してきたマイクロポンプ・アクチュエータの経験か
ら , 最 適 な 形 状 や 駆 動 原 理 を 調 査 し , 設 計 を 行 う . そ れ を a)か ら c)ま で の 技 術 を
活かして,製品製造を実現する。
3.委託事業全体における技術目標値を達成するための課題と解決方法
a) 課 題 1 : マ イ ク ロ 金 型 製 造 時 の 形 状 精 度 と 表 面 粗 度 の 制 御
解決法:レーザやイオンビームなどの高エネルギービームによる金型の加工デ
ータを蓄積し,形状精度と表面粗度を制御するための条件出しを行う.また,
互いに組合わせることにより形状精度と表面粗度を実現する.
b) 課 題 2 : マ イ ク ロ 金 型 に よ る プ レ ス 成 形 時 の 耐 久 性
解決法:マイクロ金型によるプレス成形における金型の受けるダメージをコンピ
ュ ー タ シミュレーションで 評 価 し , ダ メ ー ジ を 受 け に く い 最 適 形 状 を 設 計 す る . 摩 耗 し や
す い 箇 所 に 対 し て は , イ オ ン 注 入 や 表 面 DLC コ ー テ ィ ン グ を 施 し , 耐 久 性 の 強 化
を図る.さらに,定期的に表面コーティング層を除去・再生し,金型の超寿命化
を実現させる.
c) 課 題 4 : マ イ ク ロ ポ ン プ ・ ア ク チ ュ エ ー タ ( 5 倍 寸 法 ) の 設 計 ・ 試 作
解決法:今まで,半導体を用いて製作してきたマイクロポンプ・アクチュエータ
の経験から,最適な形状や駆動原理を調査し,設計・試作を行う。さらに、従来
の半導体製法によるガラス製マイクロポンプの試作評価を行い、マイクロ化の課
題を明確にする.
4.当該年度における技術目標値の達成の状況と意義(実績)
1)マイクロ金型創成
(1) マ イ ク ロ 金 型 に 適 し た 材 料 の 選 定 と そ の 加 工 性 評 価 を 行 い 、 各 種 の 候 補 材 料 に 対
する基礎データの取得ができた。今後のマイクロ金型の最適加工条件の確立、マイ
クロプレス金型の創成と実加工評価の為の基礎固めができた。
(2)マ イ ク ロ 成 型 金 型 に 適 し た 金 型 処 理 技 術 の 確 立 が で き た 。 今 後 の マ イ ク ロ 曲 げ 、 絞
り 用 マ イ ク ロ 金 型 に 対 す る DLC コ ー テ ィ ン グ 技 術 と の 組 合 せ に よ る 、 マ イ ク ロ 金 型
創成の基礎固めできた。
2)マイクロプレス成形
個々のマイクロプレス成形において、金型の耐久性や成形性に関する特性評価が
できた。今後の、マイクロ一体成形技術の開発に対する課題の検討とシステム評価
に対する基本的な条件が整った。
3)マイクロポンプの設計・試作
金属材料マイクロポンプ(目標寸法の5倍程度)の設計・試作を行い、構造や動
作原理について検討・評価を行った。
これらの試作・評価により、さらなる小型化の為の課題と一体成形の為のプロセス
設計に向けた課題が明らかとなった。
4)総合調査研究
(1) MEMS の 世 界 動 向 に つ い て 調 査 研 究 を 行 い 、 技 術 開 発 お よ び 市 場 動 向 に つ い て の
基本的な状況を把握できた。
(2) 金 属 製 マ イ ク ロ ポ ン プ の 重 要 な 応 用 分 野 と 想 定 さ れ る 、 医 療 分 野 お よ び 燃 料 電 池
分野での技術開発状況は市場性について調査し、基本的な状況を把握できた。
これらの調査結果をふまえてさらなる調査・研究を行い、研究開発終了後の速やか
な事業化につなげる。
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