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家庭で出来るオリーブ脱渋液中和の方法
オリーブ新漬け加工後の廃液はきちんと処理をし、 ふるさとの自然を守りましょう (家庭で出来るオリーブ脱渋液中和の方法) 小豆農業改良普及センター オリーブの渋抜きには苛性ソーダ(水酸化ナトリウム 食品添加用)を用います。 このため、渋抜き後の廃液はアルカリ性が大変強く、そのままでは河川や浄化槽に 流すことは出来ません。廃液は必 必ず中和処理をし、 中和処理 10~ 10~20 倍に薄めて庭のかん水 めて に有効利用し、河川や浄化槽に流さないようにしましょう。 1 中和には酸を用います。 酸の種類:塩酸、硫酸、酢酸など(液体のものが使いやすい)。毒劇物の取り扱い ができる薬局などで購入できます。塩酸、硫酸は強酸で取り扱いを誤れば危険なので、 少し割高ですが、「日本薬局方 酢酸」が家庭用に向きます。食酢でも代用できます が濃度が3~4%なので、日本薬局方酢酸の約 10 倍の量が必要です。 2 はじめに、廃液に目安の量よりやや少なめの酢酸を静かに加え、よく混ぜ、試験 紙でpH を確認します。その後は、pH5~9の範囲になるまで少しずつ酸を足しま す。 酸の種類 酢 1 回目の廃液 1 ㍑に対する酸 の添加量の目安 24ml 前後 酸 特記事項 薬局で「日本薬局方 酢酸」を求める。濃度は 30% 程度。揮発性で目などに刺激があるので注意する。 ▲注意▲ 酸の添加量は、新鮮なオリーブ果実 1kg を2%苛性ソーダ液 1 ㍑で 12 時間脱渋した 場合の 1 回目廃液に対する目安の量です。試験紙で中和できているか必ず確認しましょう。入れ すぎて酸性に傾きすぎたときは、薄めた苛性ソーダを少しづつ加えてpH5~9の範囲になるよ うにします。試験紙は薬局で市販されています。 3 渋抜き期間中の廃液は、流さずすべて回収し中和します。水替えの回数が増すに 従って中和に必要な酸の量は少なくなります。 (例) 14.0 12.0 pH 10.0 1回目 2回目 4回目 8.0 6.0 pH5~9 は この範囲 4.0 2.0 0.0 0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 酢酸(98%)の量(ml/廃液100ml) 1.00 中和の手順 ① 服装をととのえます (長袖の作業着・ゴム手袋・ゴーグル、 マスクなど) 酸、計量カップ、割り箸、廃液、p H 試験紙を準備します。 部屋をよく換気します。 ② 酸を計ります。揮発性のものには注 意してください。 ③ 廃液に酸を静かに加えます。 跳ね返りや揮発性のガスに注意 します。 ④ よく撹拌します。 ⑤ 試験紙を浸し、中和されている かを確認します。アルカリの場合は 酸性になりすぎないように注意して 少量ずつ酸を足します。 左:原液 右:中和後 中和 によって 液の色がうす くなり ま す。10 倍以上にうすめ、庭のかん水に 使用できます。 (濃度障害をおこしやす い植物には使用しないでください。 )